第76期順位戦C2  瀬川晶司 vs 藤井聡太 (角換わり)

 聡太くん、また勝ったみたいですね、困ったもんだ(^^;)。今日の昼ごろ一瞬だけ見たんですが、角換わりで先手の瀬川さんが桂ポンして7筋の歩を軽く突いて、しかしこのなにげなく突き出したかに見えた歩が意外に厳しくって、後手応手に困るみたいな感じでした。そうですかそれでも勝ちましたか。瀬川さんのプロ入りへの経緯は、藤井君のようなエリートコースの正反対。奨励会に入りプロ一歩手前の3段リーグまで上がるも勝ち抜けられずに退会、大学ではアルバイトしながら夜は司法試験の勉強、社会人になってアマ将棋でタイトルを取りながら、プロ編入を果たすという、恐らくプロ棋士の中で最もプロ入りに苦労した人。それを知っていただけに、瀬川さんを応援していたんですが、実力の世界はキビシイですね。。

 それにしても、一体誰が止めるんでしょうか。もう、角換わりは先手でも後手でも拒否しない感じがするので、角換わりを研究しまくってぶつけていくとか、対抗形や古い戦型には穴がありそうとか、データ自体は揃ってきている感じがするので、そのまま中終盤まで正確に指しきれる人、みたいな感じでしょうか。そうだとすれば、タイプ的にも対戦順的にも、森内永世名人が止める気がするなあ。。


横歩△45角戦法 子供からありがたい定跡を教わった

僕が先手で横歩取りを避けたくなるおおきな理由は、△33角戦法じゃなくって相横歩や△45角戦法とかの超急戦なんです。先手優勢で結論が出てるはずの△45角戦法ですら勝ちきれないんです…。相横歩だって何回も勉強した割に、指す頻度が低いので、たまにやられるといつも記憶があいまいになっているという。このまえ指した激戦定跡なんて、思い出すのにヒーコラいいながら指しましたし(゚∀゚*)エヘヘ。

 先日、道場で子供と対局しまして、この子に△45角戦法を指されました。僕が△45角戦法を勉強したのは『羽生の頭脳5 横歩取り』で、その前に勉強した『よくわかる横歩取り』には△45角戦法とかの超急戦は書いてなかったんです。だから、ほかの定跡の勉強が一周したらいつか『横歩取り超急戦のすべて』を読もうと思ってたんですが、以降は一手損角換わりやら矢倉後手左美濃やら角換わり△62金型なんかの対策に追われて定跡勉強が一周などなかなか出来ず、遭遇頻度の低い横歩超急戦の再勉強は後回しになってました。そんな時、久々に食らった△45角でした。

横歩取り44手 44手目盤面図は、この戦型を指した事のある人なら知っている局面図だと思います。『羽生の頭脳』に出ていたのか自分で工夫したのか誰かに教えてもらったのか覚えていませんが、僕は今までずっとここで▲58歩と受けていたんです。それが定跡だとずっと思い込んでいまして、この後も正確に指せば先手優勢のはずと信じて疑わず、でもここからすっ転ばされる事がけっこうあって、だから△45角戦法ですら苦手という意識があったんです。もう、そろそろこの変化になだれ込む攻め合いの順は捨てて、『羽生の頭脳』ではそっちでも先手優勢という受け切りに行く順に変えようかと思ったほど。このあと小学生に負けまして、負けた後の感想戦で「どこが悪かったのか教えて」と聞いてみたんです。するとじゃっかん生意気なこの小学生(僕がいく道場にいる子供たちは生意気なのがけっこういます^^;)がいうには、「合駒は▲58歩じゃなくって▲58金じゃない?」「三段でこんなの知らないの…」とのこと。このクソガキが年長者に向かってタメ口なのは置いといて、えええええ~そうなのかそうだったのかと驚きました、目からウロコでした。。
 そのあと、感想戦でその後の変化もいろいろとやってもらい、うちに帰っても色々やってみたんですが、なんか▲58金の方が感触がいいです。これは先手持って指したいどころか、派手な悪手さえ指さなければ先手勝ち筋だな…という感じ。いや~何度も負かされたこの戦型なので44手目までは完璧に覚えてるんですが、45手目を間違えていたんですね、これはその小学生に本当にいい授業をつけてもらいました。知るは一時の恥知らぬは一生の恥、感謝の言葉しかありません。。

 それにしても、やっぱり飯島さんの書いた『横歩取り超急戦のすべて』は買うべきなのかなあ、横歩超急戦はいちおう『羽生の頭脳』で勉強したから、間に合ってないほかの戦型の勉強が終わってからにしようと思ってる間に売り切れで手に入れにくくなっちゃったんですよね…。あと、こういう「ずっと定石&最善手だと思って指してたけど実は自分の勘違いだった」みたいな手って、ほかにもいっぱいあるんでしょうね。。

第76期順位戦 渡辺明 vs 佐藤康光 (一手損角換わり)

 いや~、順位戦がスタートすると楽しいです(^^)。▲三浦-△久保戦に続いて、昨日は▲羽生-△広瀬戦と▲渡辺-△佐藤康光戦がありました。▲羽生-△広瀬戦がまたなんともすばらしい将棋だったんですが、現在山崎さんの定跡書で一手損角換わりの定跡のおさらいをしているところだったので、渡辺さんの一手損角換わり対策に目がいってしまいました。僕の一手損対策はしばらく早繰り銀だったんですが、意外と難しいので、最近はプロの対局でよく見かける棒銀の採用を検討中。山崎さんの一手損角換わりの本には、先手棒銀という目次はないんですが、早繰り銀のところにけっこう詳しく書いてあるので重宝します。『よくわかる角換わり』の筋とけっこう被ってるんですけどね(^^;)。

20170609順位76A_渡辺vs佐藤康_一手損角換35手 途中までは後手△32金型腰掛け銀vs先手棒銀で、僕がちょうど数日前に勉強していた順そのままに進んだんですが、そこで康光さんが△94歩と突いたところで定跡書に書いてあった順から離れ、しばらく進んで35手目盤面図。先手棒銀にたいし、4筋に飛車を振ってカウンターで迎え撃つ後手の陣形はほぼ定石通りの構えですが、2手かけて9筋の歩を詰めているのがちょっと違うところ。一方の先手はけっこう違くて、その2手が▲46銀と▲56歩に割り当てられているという事ですね。いや~、先手は57に右銀の引き場所を作っちゃうのか、なるほど。でも、先手は棒銀での突破が成功せずに3筋の歩を交換した後で▲37銀と撤退する形になるので、本当に一手損角換わりの腰掛け銀対策に棒銀が有効なのかは、いまだに疑問なんですが、採用するかどうかの答えを出すのはもうすこし定跡の勉強をしてからですかね(^^;)。。先手の形がちょっと違うんですが、この後手の陣形から自陣に手を入れる場合はここから△72金~△62玉~△73桂みたいな感じなんですが…

△45歩▲57銀
 うおお、康光さん、いきなり行ったあああ!!!囲い切らないうちからいちばん激しい順に踏み込みました!いや~、一手損対策の先手棒銀に対して、△33金から4筋に飛車を振られて銀を繰り出されると、先手メッチャ受けにくいんですよね、このまえ道場でやられてボコボコにされましたよ、私は(T_T)。。

20170609順位76A_渡辺vs佐藤康_一手損角換44手△62玉▲88玉△35銀▲55歩△72金▲56銀△73桂(44手目盤面図)
 後手は自陣整備と先手に襲い掛かる一歩手前の△を35銀を入れて指したい手は全部指した感じ、陣形自体はほぼ合流でしょうか。先手は…いや~▲55歩と▲56銀が斬新。先手棒銀のこの形って、後手にカウンターで4筋を突破され、そのかわり先手は後手の飛車が浮いた瞬間に▲22角を入れる争いみたいなイメージなんですが、渡辺さんは4筋を受け切った上で違う手を狙っている気が…

▲66角
 いや~、実はさっきの▲55歩、右玉の急所の74を狙う意図かと思ったんですが、▲56銀としたところでようやくこの角打ちに気づきました、やっぱりアマチュア低段はダメだなあ(゚ω゚*)。。▲84角と▲54歩~▲34歩の両狙いですか、後手のこの形は4筋突破の破壊力は先手棒銀をうわまわるものの、△33金が少し傷になっているのかも知れませんね。いや~、これは勉強になった。昨日の▲三浦-△久保戦もそうですが、角交換になった後の角の打ち方がプロはうまいです。僕はいつも敵陣に打ち込む事や準王手飛車的な筋ばかり考えてしまって、こういうのが指せないんだなあ。。

 しかし康光さん、なんとこの角打ちを咎めに行きました!以降の将棋は超絶難解、高度すぎて感心しきりでした。しかし最後に勝敗を分けたのは…なんでしょうかね、よく分からないんですが、素人目には玉をガッチリ囲えている先手と、広くはあるけど固くはない後手右玉の玉形の差でしょうか。右玉最大の弱点の端を押さえられ、あとは面白いように手筋がバシバシ入り、115手にて先手渡辺さんの勝ち!!

 いや~、横歩取りの超急戦潰しと一手損角換わり迎撃の強化月間なもので、実にありがたい将棋でした。しかも、メッチャ勉強になる。。なるほど、▲55歩~▲56銀は受けやすい実践的な手だなあ、後手がすぐに来ないなら先手はこれで受けやすくなるのか、覚えておこう(^^)。竜王戦では10年以上恐ろしいほどの強さを見せている渡辺さんですが名人挑戦はいまだなし、たいてい順位戦の序盤で黒星がついてしまうんですが、今期は好スタート。今年こそ名人挑戦なるでしょうか?!個人的には羽生さん応援ですけどね( ̄ー ̄)。。そうそう、この裏でやってた▲羽生-△広瀬の角換わり相腰掛け銀がまたすごかったんですよ。いつか真剣に研究してみよう。。


第76期順位戦 A級 三浦弘行 vs 久保利明 (角交換対抗形)

 始まりましたA級順位戦!いや~なんかワクワクするな(^^)。。今期は11人スタートの3人降級という事で、生き残りがより熾烈になるんじゃないかと。最初の対局は、久保王将と三浦さんの対局でした!

20170608順位76A_三浦vs久保_角換力戦7手 いきなり序盤から面白かったです。先手三浦さんが▲26歩~▲25歩と歩を伸ばして△33角と受けさせ、そこで▲76歩と角道を空けて角交換のありうる形にした流れで7手目盤面図。振り飛車党の久保さんとしては角筋を開けたまま戦うか止めるかといったところが最初の選択でしょうが、久保さんなら間違いなく空けたまま戦うだろうな。。そうだとしたら、22ではなく42に銀が立ってしまったので、中飛車を選択する感じでしょうか。康光さんなら銀を立たずに向かい飛車に行ったかも(^^)。

△54歩
 いや~、いくらでも前例のありそうな局面ながら、この形を定跡書で勉強した事があるかというと、記憶にないよ。。このまま次に△55歩まで指せれば普通のゴキゲン中飛車に合流できそうですが…

▲33角成△同銀
 うおお~、三浦さん、先手から一手損となる角交換だあああ!!三浦さん、久保さんがこういう順を選ぶと読んで用意してきたな( ̄ー ̄)。。

▲53角△44角▲同角成△同歩
 なんと、三浦さん53に角を打ち込んだあああ!!これと同じ形じゃないですが、対抗形の将棋で似た筋ってありますよね。でもたいがい角を合わされて手順に駒組みを進展させられて成立しないと思うんですが、しかしこれはどう見ても用意の順、なんかあるな…

20170608順位76A_三浦vs久保_角換力戦18手▲43角△32角▲同角成△同金(18手目盤面図)
 続けて敵陣に筋違い角の打ち込み!!しかしこれも角を合わされて消され、先手はひどい手損です。。どう考えても三浦さん用意の順だと思うんですが、先手の主張はどのへんだったんでしょうか。もし後手が居飛車を選択できるなら完全に失敗、つまり羽生さんや森内さんや谷川さんや橋本さんが相手ならこの順にはいかなかったと思うので、相手が振り飛車しか指してこないという前提で指したんでしょうが、そういう意味では挑発的でもあるし、5筋の歩を突かせての角交換という主張のような気もしますが、でも後手が中飛車にしたら全然関係ないですよね?普通に定跡書や将棋の教科書で勉強してきた僕にとっては、具体的な手があるわけでもないですが、手損がひどい上に代償がないような気がして、ここから後手が万全の駒組みを目指して指すと戦う前に後手充分になる気がして仕方ないんですが、でもコンピューター将棋を見てると駒組みという前半部分が全然なくって踏み込んじゃったりするので、ちょっとドキドキの序盤でした。先手が挑発ではなくて実際に利があって指したんだとしたら、多分この後の構想に出てくるんだと思いますが…

20170608順位76A_三浦vs久保_角換力戦58手 当たってるかどうか分かりませんが、あの序盤を狙った三浦さんの構想が何となくわかったような気がしたのが43手目あたりから。盤面図はそこから進んだ58手目、先手の桂頭の歩が浮いてますが、これって先手みずから浮かしたんですよ、本当なら後手から歩を叩いてでも浮かしたいところなので、僕はビックリでした。。でもって、序盤からどうなったかというと、後手は不満のない駒組みまで進められ、さらに5筋の歩も交換できたものの、それ以上は攻め込めず、結局先手も駒組みで追いついちゃった感じ。いやあ、序盤の手損は角交換したらごてが手詰まりの待ちになると見越してだったとしたら、先手の遠大な構想は見事。そして序盤からのあの奇襲のような指し手の狙いは…

▲76角△51飛▲64歩△同歩▲24歩△同歩▲同飛
 いやあ、言葉が出ない…なんという遠大な構想、序盤からの謎が一気に解けた気がして、ちょっと鳥肌ものの一手でした。3手目の▲25歩と角交換で生じた△33桂の2筋の形、そして後手が中飛車となる形、これは序盤で三浦さんの描いた絵で、76のスペースも三浦さんが作った構想。そしてこの角の打ち込みで、次に▲64歩が入ると△同歩▲43角成△同金▲32銀と打ち込んで、先手からの2筋突破が受けにくいという事ですか。2筋を先手が利した局面で中飛車に来られても、この角打ちで2筋と5筋を同時に物にすることはムズカしいという大局観?三浦さん、これはすごい大局観だよ…

△56歩
 しかし、ここからの久保さんの切り返しが凄すぎました。なんという垂れ歩、こんなのちょっと指せない…というか、思いつきもしなかったです(^^;)。この手を思いつく事ができたらアマ何段ぐらいあるんでしょうか。取れば△38角打、そこで▲57金と下がれば△45桂と跳ねだして狙われそうな後手左辺の駒が大体捌けて、▲46金なら△45歩ですか。いやあ、△38角打ちが直接手じゃないだけに、これは見えづらい。。というわけで、この垂れ歩を取ると後手の攻めが速くなってしまうのでとりにくい…

▲85歩△同歩▲43角成△同金▲22飛成
 というわけで三浦さん、後手大きな利かせとなった56の歩を放置して攻め合いに踏み込み!この将棋が始まる前からの狙いだっただろう76の角を切った後の桂頭の弱点を消すべく、桂の跳ね場所を作ってから、角を切って代償に龍を作りました!

△13角▲32龍△21角▲23龍△42金
 うおお、なんという切り返し!!なるほど、これがあるから▲76角に対して直後に△51飛が指せたのか。。しかも42に金を引いたところで角筋ががら空きの先手玉頭に直撃じゃないですか…。うまくいったと思った時って、成功したという思い込みが強くて、まずいと思って考えている時に比べると、攻めの継続手ばかり考えてしまって守りの読みが浅くなったりしますよね。野球でもこう着状態から先制点が入ると、あれほど守り抜いていた筈なのに裏にすぐ逆転されてしまう事がありますが、似たような心理なのかも。なんという勝負の綾、とてつもなく壮大な構想を成就させ、成功したと思ってふみこんだ三浦さんの攻めを逆用するという。。△21角~△42金が入ってしまうと、さっきの▲85歩△同歩は完全に余計。という事は、この順は三浦さんには見えていなかったという事で、ここは久保さんが一枚上だったかも。いやあ、ものすごい中盤でした。。
 そしてこの反撃の2枚の自陣角が攻防の決定打、三浦さんは暴れに行きますがダメ、最後はきっちりとどめを刺されて122手にて後手久保さんの勝ち!!

 いやあ、序中盤の構想は先手三浦さんが見事、しかし中終盤の勝負どころでは久保さんが見事な将棋でした。中終盤の激しい所になると、さすがは王将というか、久保さんの方が何枚か上に見えます。この対局だけでなく、最近の久保さんと三浦さんの棋譜を見るとそんな感じがするし、この対局も中盤の踏み込みの権利は先手にあったと思うので、2枚の自陣角どころか、垂れ歩を成立させたその前の△51飛以下の順も久保さんが読みが勝っていた感じがしました。今、中盤が凄いなと思う棋士は、羽生三冠と久保王将と康光さん。弱小のアマチュアから見てもそう感じるんだから、実際の差は想像以上なのかも知れません。それにしても、すごい将棋でした。おもしろかった!

第28期女流王位戦 第4局 伊藤沙恵 vs 里見香奈 (相振り飛車)

 女流王位戦第4局は、やっぱり相振り飛車。居飛車党で相振り飛車の勉強を1秒もした事のない僕は、序盤がまったく分からず、これは観ても自分の棋力アップには繋げられないなと思っていたのですが、終盤が超絶に面白かったです!

20170607女流王位28-4_伊藤沙恵vs里見_相振96手 96手目盤面図は、寄せ合いになった終盤戦。先手は詰めろにはなっていないですが、しかし飛車詰めろで、飛車が抜かれると金駒の守りがまるでいないのでいきなり大ピンチ。でも先手も後手玉に迫っていて、金桂香を質駒にしています。ここからの先手伊藤さんがすごかった!

▲83歩△同玉▲33角成△同金
 うおお、ここで角を切って桂を補充しました!なるほど、▲67銀と受けて△83銀と飛車を抜かれては勝ち目がないとみたんでしょうか…いやいや、それに対して▲76銀の角の確保で先手が手番を握れるじゃないですか。という事は…ああああ、これは受からないとみて攻めに転じたんじゃなくて、決めに行ったのか?!

▲75桂△82玉
 後手玉を上から押さえました。代えて△74玉と逃げてしまうと▲61飛成で金を補充した手が▲63銀からの詰めろなので、玉頭を押さえられるところまでは僕でもわかるんですが…いや~これ寄ってるんでしょうか?仮に寄っていないとして、先手玉はどれぐらい危険なんでしょうか。いや~、僕の棋力では読み切れない、むずかしい(^^;)。。

▲84飛
 うおおお、▲83銀ではなく飛車を走ったあああ!!ここで△83歩は▲61飛成で金を補充されてから下から寄せられてしまうので玉を躱す一手ですが、△92玉ではなく△93玉と飛車取りにぶつけられたらどう指すんだろうか…

△93玉
 ですよね(^^;)。。しかしここで先手がどう指すんだろうか、飛車切って寄る順なんてないよなあ、歩で支えて攻めを切らさないようにするのかなあ、でもそれだと飛車を渡した上に手番を後手に渡してしまうぞ。。

▲86飛△85銀▲同飛△同角
 凄まじい攻防の続いたこの終盤の中でもいちばん驚いたのがこの3手でした。だって、▲86飛と引けば△85銀と押さえてくるのは目に見えてますよね。こんな難しい順じゃなく、▲85歩と支えるとか、▲85銀で飛車を支えつつの角銀交換を狙うとか、▲64飛と避けてから次の▲84銀を狙うとか、シンプルだけど悪くなさそうな手はいくつもあったと思います。しかしこの順、合駒請求してからの飛車銀交換に行ってますよね?いやあ、これはなんか狙ってるんじゃないか…

▲61飛成
 金を拾ってさらにふみこんだ!これは…えっと…ああなるほど、▲81龍~▲83金の詰めろになってるんですね。いや~しかしこれはおっかない、ここで手番が後手に渡ってしまいます…

20170607女流王位28-4_伊藤沙恵vs里見_相振118手△86角▲77桂△88飛▲78歩△75角▲85桂△同飛成▲71角△82銀(118手目盤面図)
 △86角は里見さんが23分考えてから放った寄せの入り口。しかし合駒を角にあてたり、退路封鎖をしたり、色んな事をやって伊藤さんは凌ぎます。里見さんも寄せつつ玉の攻め駒を抜き、勝利を手繰り寄せていきます。そして…

▲76銀
 うわああ、これは執念だ。。
タダ捨ての龍角両取り、しかしこれを龍で取って8筋からどくと、▲72龍が次の▲82龍を見た詰めろ。

△同龍
 うあああ、里見さん、終盤の貴重な時間を使って考えた末、この銀を取ったあああ!!ここで踏み込むとは、さすがに読み切ったかな(^^;)。いや~、すごい終盤戦でした、おつかれさま。

▲72龍△57角成▲同玉△45桂▲46玉
 うああああ、これは逃したんじゃないか?先手大逆転だあああ!!この数手後に里見さんは投了。伊藤さん、負ければ敗退の大一番で執念の大逆転勝利!!勝ち星を2勝2敗に戻しました!!

 いや~、大逆転とはいえ、それはプロの解説がついていたから僕には逆転と分かったんであって、96手目から投了となる135手までの約40手のあいだの終盤は、僕にはどっちが勝っているかじぇんじぇん分かりませんでした。先手の方が苦しそうには見えましたが、でも先手は質駒をいっぱいつくってましたし後手は玉飛接近形なので攻防手も色々ありそうでしたし、なんともスリリングな終盤。最後の最後で飛び出した119手目▲76銀、これに里見さんは「龍を抜かれた上に玉の頭を押さえられたらさすがにヤバい、寄せないと」と焦ったんじゃないでしょうか。しかも、なんかよりそうな形でもありましたしね。いや~、これはすごい終盤でした(^^)。

プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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