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『横歩取りの教科書』 畠山鎮

Yokofudori no Kyoukasho  49歳にしていまだ順位戦B1にいる驚異の棋士・畠山さんが書いた横歩取りの本です。これは「~の教科書」という、初級者向けのシリーズの中の1冊です。横歩取りの本に片っ端から手をつけていたら、勢いあまって読んでしまいました(^^)。序盤・中盤・終盤の3章に分かれていて、各章は2ページで1レッスンという構成でした。

 先にザックリと感想を書くと、140ページほど割かれている第2章の△85飛戦法と△84飛戦法の説明が秀逸!横歩は先手と後手の玉形の違いの組み合わせで指し方がかなり変わってきてしまうんもんで、ツリー型で定跡を覚えてしまってる僕は混乱。何冊も横歩の教科書を読んできましたが、現在主流のこのふたつの戦法が、とにかく混乱気味でした。それがこの本は、なぜ▲68玉でなくて▲58玉になったかとか、後手が△72銀とあがるとどういう即効があって何をケアしなくちゃいけないかとか、そういう定跡の進化と手の意味がものすごく分かりやすく書かれていて、すごく良かったです!ついでに言うと、天彦さんが名人になる原動力となった後手横歩での△23銀からの△24飛の飛車ぶつけについて、今まで読んだ横歩本の中で一番分かりやすかったです!第2章は、他の横歩定跡書を読んだ方でも、もし△85飛戦法や△84飛戦法でうまく勝てない方は、一読の価値があるんじゃないかと!

 もうひとつ、第3章の終盤というのは、畠山さんの実践譜の中から、横歩でありそうな攻め方をチョイス。言ってみれば『羽生善治の終盤術』の1巻と2巻みたいな内容で、これも良かったです!将棋って、プロ将棋をじっくり観ている頃って、ちょっと強くなると思いませんか?それってきっと、読みの深さが上達してるんじゃなくて、「ここは受けないで他の手を探そう」みたいな思考の仕方がプロを真似はじめるからそうなる気がするんですよね。というわけで、この第3章は、手を見て感心するのではなく、どういう考え方を出来ればその手に踏み込めたのかを考えながら、何度も読みました。いや~さすがに長年B1に踏みとどまり続けた猛者です、勉強になるなあ。この第3章は、横歩終盤が不調になったら、何度も読み返そう。

 しかし、駒組みから横歩急戦までを扱った第1章は、けっこう残念。。たとえば相横歩なら飛車交換からの▲46角に対しては△82角限定だったり。ついでに、△45角戦法の36ページでは後手の歩がいつの間にか24から25にワープしていたり(^^;)。あ、でも意外と良かったのは、横歩の超序盤で▲78金と守らずに2筋の歩を突き進めるとどうなるかが書いてありました。相掛かりでのこれは読んだ事があったんですが、横歩でのこれは初めて見たかも。
 というわけで、第1章はあくまで△33角戦法以外のざっと紹介した程度で、この本だけで横歩超急戦に対応するのは難しいかな(^^;)。。△33角84飛なり△85飛なりの形になるまでをザックリ説明しておかないと初心者向けの本にならないので、アラカルト的に概要だけ説明して、細かい事は『横歩取り超急戦のすべて』とかの専門書を見てね、という感じでしょうか。

 いや~、タイトルからして初級~中級向けの本かと思いましたが、思いのほか良かったです!横歩の定跡書は難しいものが多いですが、こういうシンプルに全体マップを作ってくれる本を先に読むと、理解がはやいかも。これだけで何とか戦おうというのは辛いかもしれませんが、本当に頭がスッキリしました。段位者でも横歩を避けている人は多いと思いますが、そういう人にもこの本はメチャクチャ有用と思います!

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駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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