第66回NHK杯 決勝 佐藤康光 vs 佐藤和俊 (後手三間飛車)

 NHK杯決勝、大熱戦のものすごい将棋、大名局でした!!和俊さんの今期NHK杯では、屋敷さんを下した初戦が会心譜!また、羽生さんを下した将棋も印象に残ってます。一方の康光さんは、ここ数か月見ていて圧倒される将棋だらけ。まだ序盤かと思っていたところでいきなり踏み込んで廣瀬さんを破ったA級最終戦は驚異でした。また、NHK杯は、斎藤慎太郎戦、千田戦、佐藤天彦戦と、寿命の縮むようなギリギリの将棋を強引に勝ち抜く名局の連発。天彦名人相手に角頭歩(!)は凄かったです。

20170326NHK66決勝_佐藤康vs佐藤和17手 さて、NHK杯決勝は後手和俊さんが3間飛車にしての対抗形。解説の羽生さんが「康光さんが工夫してくるかもとも思ったが、じっくりした定跡形に進みそう」といったところで、いきなり動きました!17手目盤面図は、居飛車側の康光さんが▲68角としたところ。△22飛を督促してから穴熊に行こうという構想だったと思うんですが…

△62玉
 うああああ、和俊さん、2筋を受けずに玉を囲いに行ったああ!!いやあ、他の棋士相手ならともかく、乱戦上等の康光さん相手に大丈夫なのか…

▲24歩
 康光さん、行ったあああああーーーー(゚∀゚)!!これは乱戦必至、でも実際に踏み込むとどうなるんだ?実際に踏み込んだ将棋は見た事ない…

20170326NHK66決勝_佐藤康vs佐藤和25手△同歩▲同角△23飛▲33角成△28飛成▲43馬(25手目盤面図)
 互いに踏み込んだ以上ここまでは一直線。飛角交換ながら先手銀得、しかも双方龍と馬を作ってます(^^;)。。いやあ、この局面でどちらが有利か、僕はまったく分からず。しかも、双方ちょっとでも間違えるといきなり詰みそうな局面。25手目にして、たがいに詰むや詰まざるやの局面になってしまいました(^ㇿ^;)。。でも、受けに自信がないんだったら、銀得でも2枚飛車を許す先手を持ちたくないなあ。これは僕程度の棋力の人間が飛び込んじゃいけない変化だな。。

△19龍▲82銀
 康光さん、銀を打ち込んだああああ!!!そういえば、敵玉が美濃に潜り切れていないところで▲82銀と打ち込む筋は、僕は康光さん本人が書いた『佐藤康光の石田流破り』で学んだんでした。康光さん、若い頃に研究しまくった筋を思い出したな( ̄ー ̄)。

 ここからは超乱戦。互いに読み抜けたら即頓死の状況のまま、ものすごい高度な攻防。というわけで、定跡に頼る事が出来ず、両者が頓死をケアして読みを入れまくった結果、28手目にして両者持ち時間を使い切る展開。羽生さんの解説がなかったら、僕はどっちを持っても40手いかないうちに詰まされてた気がする(^^;)。香合いじゃダメで銀合いだなんて、なんで和俊さんも羽生さんも30秒で分かるんだ、すごすぎる。。

20170326NHK66決勝_佐藤康vs佐藤和40手 以降も見どころが満載。先手は3枚替えを許してでも龍を1枚削りに行って受け(なんという形勢判断^^;)、さらに横からの龍の攻めを金銀の指し回しで受け切り。後手は後手で難解な相駒問題や頓死筋を含む嫌な攻めを見事に守りきり。そしてたどり着いた40手目はとんでもない盤面図ですが、まだ40手目なんですね(^^;)。そして、僕的には、ここがこの将棋の勝敗を分けた局面だったように感じました。和俊さんは次に先手激痛となる△76桂を見せての△64桂を打ったところ。いやあ、秒読みに入っている状況でこの桂を打たれたら、僕なら負けを覚悟しますが、ここで康光さんは…

▲44馬△76桂▲59銀
 いやあ…強い人ならひと目かも知れませんが、僕ぐらいのレベルの人間にとっては、▲44馬も▲59銀も絶品だよ…。。めっちゃおっかない形ですが、とりあえずは受かってますか、これ…なんと、22の飛車と16の角が受けにも利いてるのがビックリです。。

△23金
 あああ~和俊さん、ついに攻めが切れたか、受けに回ってしまいました。攻めるなら、う~ん・・・△48歩は確実な攻めですが問題は速度、さすがに遅すぎますか(^ㇿ^;)。。しかし、秒を読まれての指し手で、こういう手を指せるんだからスゴイです。でもここ、このあとの展開を考えると、金を渡さずに飛車筋だけ封じれば良かったかもしれないので、金でなくて歩でも良かったかも知れませんね。後だしじゃんけんの結果論ですが、しかしここで飛車取りにならない節約の方が良かったかも知れないなんて、考える時間がないですね。この後どうなったかというと…

▲同飛成△同銀▲43角成
 先手はここで飛金交換からめっちゃ厳しい所に馬を作る展開。そして、2枚の馬が攻守に大活躍、そして手にした虎の子の金が後手の2枚飛車の攻めを遮る鉄壁に。こうなるなら金でなく歩で代用の方がまだ粘れたかも。後手は飛車を切られた時の厳しさを読みそこなったかもしれません。でも30秒の秒読みでそこまで読むのは、いかにプロといえども不可能なんでしょうね。いや~、普通なら得になるところが終盤ではそうならないという典型のような勝負の綾でした。。
 さらに、最後はと金での攻め合いの速度勝負。ここも超絶に難解で手に汗握る最終盤したが、康光さんの方が速かった。結果、105手にて先手康光さんの勝ち!康光さん、NHK杯優勝ですヾ(´∇`)ノ゙オメデトウ。。

 最後の最後の後手のと金攻めですが、羽生さんが言っていたように△68とと銀を抜かず、△69とで金を抜いてたらどうだったんでしょうね。検討してないので分かりませんが、もしかしたら勝敗が入れ替わっていたかも。そして康光さん、定跡が使えない乱戦になるとメッチャクチャ強い!まず、受けが強烈、そして形勢判断がスゴイです。今日も3枚替えを許してもその順に踏み込んだり、飛車角交換の駒損に行ったり、飛車金交換の駒損、横からの龍の攻撃なのに金駒を温存しての玉の単騎逃げ・・・普通では躊躇するような手を指させるその形勢判断力が怪物じみています。とくに、これらが相手の判断を迷わす複雑な局面を作り出す狙いじゃなくって、最善手だと思って選んでいるっぽいところがオソロシイ。。今日も、高々100手ちょっとの将棋だったのに、その間に驚かされる驚愕の形勢判断が何度も飛び出してました。こんな人に勝つのは至難の技じゃないかと。また、その人と激戦を演じた和俊さんも見事でした。すばらしいNHK杯決勝でした!

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駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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