第42期棋王戦 第2局 渡辺明 vs 千田翔太 (矢倉脇システム)

 今、プロ将棋で本当に強いなと思うのは、羽生さん、渡辺さん、康光さん、千田さんです。特に渡辺さんは序盤・中盤・終盤どれもバランスよく強くて、今の渡辺さんを破るのは並大抵じゃないんじゃないかと。千田さんは、色んな棋戦で上位に食い込んでますし、特に序盤研究が凄い。今日は矢倉脇システムになりましたが、千田さんはノータイム指しが結構あったので、完全に研究範囲だったんでしょうね。そして中終盤からは大熱戦の面白い将棋になりました!

20170218棋王42-2_渡辺vs千田_矢倉脇システム40手 角が向かい合った脇システムの形(40手目盤面図)から…

▲66角△同歩
先手渡辺さんの角交換は当然として、驚いたのはそれを歩で取った千田さん。いやあ、僕はこれを銀で取ると勉強してきたし、それが当然と思ってきたのですが…

▲26銀
ここで渡辺さんは棒銀狙い、一方の千田さんは…

△65歩▲同歩△75歩▲同歩△39角▲18飛
負の連続突き捨てから、角の打ち込み!これは完全に研究手順でしょうね。実際どちらがいいのかは分かりませんが、矢倉棒銀は決まっても逆サイドに玉を逃げだされて捕まらない事も多いし、一方の後手は馬を作る事は最低限確定の上、うまくいけばこの馬で先手の右辺を制圧できてしまうので、僕的には後手を持ちたい形です。

20170218棋王42-2_渡辺vs千田_矢倉脇システム62手 以降、後手は馬を使って先手右辺を崩しつつ、矢倉の玉頭攻め。先手は後手の攻撃をかわしながら矢倉端攻め。ここで恐ろしく勉強になる手が先手から飛び出しました。62手目盤面図は先手が歩を使って後手矢倉の香を吊りだしたところ。ここで渡辺さんが指した手が…

▲12歩
 いやあ、なるほど…。△同玉と取れば▲15銀で、△同香なら▲同飛で的にされた飛車を逃げつつ端が破れます。というわけで、この歩は取りにくいです。これぞ矢倉、一方的になりそうでいながら、プロが指すと叩き合いの大熱戦になるんですよね(^^)。

 以降、終盤まで攻め合いの大熱戦。しかし終盤の渡辺さんの速度計算、受けと攻めの好手が素晴らしすぎ。112手目の▲13歩は鳥肌が立ちました。普通は▲12歩の王手で手番を渡さずに龍を下げさせて自玉を安全にしてから攻めそうなものですが、あそこで手番を後手に渡す▲13歩を指せるというのは、見切っているという事なんですよね、きっと。いやあ、最近の渡辺さんは本当に強いです。結果、131手にて渡辺棋王の勝ち!

 さて、負けはしたものの千田さんの序盤研究恐るべし。これで後手が指せるのであれば、本局は脇システムの新定跡になるんじゃないでしょうか。最後は渡辺さんにまくられましたが、千田さんは終盤も強いので、このシリーズはどちらが勝ってもおかしくないと思います。


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No title

千田先生の渡辺先生の序盤を
上回る研究がすごかったです。(^O^)

今後の矢倉の主流は脇システムになるのでしょうか。
関連棋書が少ないので発売されるといいなぁ。

中盤リードされましたが、それを逆転する渡辺先生。
とても見所のある対局でした。(*´ω`*)

私が強いと思う先生は他には天彦先生と
稲葉先生です。この二人からは勢いを感じます。
角換わりと横歩取りを現在勉強中ですが、
お二人の棋譜をよく並べるようにしています。


Re: No title

Shogi Z さん、書き込みありがとうございます!

矢倉は46銀37桂一択だった時代が嘘のようですね。見ていて、うろ覚えの戦型が次々に出てくるので目が回ってしまいます(^^;)。

天彦さんも強いですね。稲葉さんは、A級の最終局を勝ちきって名人挑戦まで行ければ本物だと思います。でも、天彦さんの方が強そうかな?
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Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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