電王戦を主催する会社って…


昨日放送の、ドキュメンタリー番組でのひとコマです。叡王戦や電王戦も主催している、ドワンゴという会社の代表・川上さんがプレゼンした事と、アニメ映画製作者の宮崎駿さんが抗議した所の食い違いが興味深いです。ちなみに私は、ずいぶん前から電王戦に否定的ですが(昔書いた記事はこれ)、それは将棋うんぬんというよりも、人工知能と人間というデリケートな問題において最低限配慮しておかないといけないだろう問題とか、企業が何かをやる時のその社会的意味とか責任に対し、ドワンゴという会社があまりに無神経だから。ドワンゴさんは、何が問題にされているのかすら理解できていないか、あるいはその問題よりもビジネス優先という判断かのどちらかなのでしょうが(それ以外に、このプレゼンをOKと判断できた解釈項を私は思いつきません)、これは「ビジネス上では、金という観点からだけで物事を判断して良い」と考えている人が少なくないという事なのかも。それは、「戦争の目的は勝つ事なんだから、化学兵器でも何でも使って良い」と考える人に思考回路が似てる。

「動きが気持ち悪いからゾンビゲームとかに使えないかと思っている」と笑ってプレゼンするドワンゴの代表・川上さんは、技術、ビジネスという視点からしかこのCGを評価しておらず、意味やモラルの視点が欠けているのではないでしょうか。宮崎さんは、逆に後者に重きをおいていて、技術や金の事はそれに付随するものと思っている節があります。だから、仮に技術があろうが金があろうが、そういうモラルを理解できない人と自分の仕事を繋げる事は出来ないと言っているように、私には感じられます。現在大きな課題となっている人工知能と人間というデリケートな問題において、モラルや人間に対して考えが至らない人には、宮崎さんが何に対して憤慨しているかを理解できず、「プレゼン内容と喰いつくところが違う」とか「老害」とかいう類の感想しか出ないかも。川上さんもその一人で、宮崎さんが憤慨した理由を理解できないし、また理解しようとしない気がします。「どうやればもっとプレゼンがうまくいったかな」みたいに、プレゼンの失敗を、やはりビジネスの価値観でしか反省できない可能性すら感じます。だって、反省できていたら、電王戦の後で、またしてもこんな大失態を犯す事は無かったでしょう。

 テレビカメラが入っているのが解っているのに、配慮すべき点に配慮も気づきもない無神経さ。相手の代表まで立ち合う大きなプレゼンなのにテーマすら不明瞭。当然予想される質問に対する準備すらできていない…「人間と同じように絵をかくAIを用いたCG制作の開発をして、アニメ制作を共同でやりたい」という着想のプレゼンを、日本を代表するアニメ制作会社、それも人間の命をテーマにした映画をたくさん制作してきた監督にぶつけるのに、なぜこんな内容の、こんなお粗末なプレゼンが出来るのか。大学でのディベートやプレゼンの授業ですら落第レベルのものを、一部上場企業の代表がしてしまうこの事態は、いまの日本の企業の少なからずが、本当にただの商人でしかないというレベルの低さを露呈しているのではないでしょうか。東京オリンピック、原発問題、都議会、PCデポ、アメリカ大統領選…最近起きた様々な社会ニュースの原因は、みなこういうところにある気がしてなりません。


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駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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