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行方尚史

photo_Namekata.jpg 5月末に、羽生三冠の王位への挑戦権をかけて行われた佐藤康光9段vs行方尚史8段。どちらも全勝という文句なしの戦いで、意外にも勝利したのは格下・行方さんの方でした。すごく興味がある人だったのですが、将棋を見始めてまだ半年の私は、恐らく棋譜すら見た事のない状態。そう思っていたところに、最新号の『将棋世界』にインタビューが載っていました。パラパラと流し読みだけするつもりが、読んでいるうちに感動してしまいました。

 行方さんは、プロ入り直後に、竜王戦のランキング戦/本戦でとんでもない快進撃をした事があるそうです。タイトルホルダーの郷田さんを破って本選出場を決め、本戦でも深浦、森内、米長という強豪を次々と撃破、ついに挑戦権をかけた羽生さんとの3番勝負にまで進出。しかしここで羽生さんに手痛い洗礼を受けて3戦全敗。ここから長い低迷が続きます。30代という、男が一番充実しているはずの時期が、苦汁の日々。前途洋洋に見えた若武者も、以降はタイトル戦への登場は一切なく、気がつくと後輩たちに抜かれ、40代になって…。行方さんは、自分の棋譜を振り返って、こう思ったそうです。「相手がミスするのを待つばかりの将棋で、自分から将棋を作れた事が一度もない。いつも変化球ばかりだ。後に残す価値のあるような棋譜など、ひとつもない。」自分はだらしがない。努力が足りない。プロ棋士になりたくて、12歳で単身上京した人生で、自分はいったい何をしたいのか。

 若い頃というのは、何でも出来る気がします。何にでもなれる可能性がある気がします。野球選手になりたければ、一生懸命練習して、チャレンジする時間と可能性がある。医者になりたければ、一生懸命勉強して、試験を受ける時間と可能性がある。しかし、30代、40代になってくると、もう間に合わない事、無理な事、こういうものが見えてきてしまいます。仮に今からプロ野球選手以上の実力を身につけたところで、プロに入る事は現実として不可能。今から医者になろうとしても、もう医師免許を取る事のできる年齢制限を過ぎています。仮に今から…。もう諦めるしかないもの、頑張ろうと思っても、もう間に合わないとしか思えず、頑張れなくなってしまうもの。こういう気持ちは、私には少しわかる気がします。

 しかし、行方さんはここで踏ん張ります。一度負けた人生、一度失敗したと思える人生でも、人生はまだ続いています。しかし、降りた瞬間、諦めた瞬間に、それは本当に終わってしまうのではないかと思います。こういう所で、諦めずにまた立ち上がる人を見ると、私は感動してしまいます。「後に残す価値のあるような将棋を」という観想など、もう諦めるところまで行った人でないと、なかなか見えてこないものではないでしょうか。

 そして…40目前になって、彼は破れかけた夢を、崩れかけた人生をひっくり返す事に成功したのではないでしょうか。王位戦の予選を勝ち抜き、本戦のリーグ戦を全勝、そして挑戦者決定戦ではあの佐藤康光9段を破るという快進撃。また、これがフロック勝ちでない事を、昨季の順位戦が証明しています。B級1組で10勝0敗、残り2戦を残した段階でA級昇格を決めています。

 そして、今季順位戦の1回戦では、郷田9段を倒して白星発進。そして7/10~11には、いよいよ羽生王位三冠との王位戦が始まります。もしこれに勝てば…彼は、自分の生き方に納得が出来るのではないでしょうか。死ぬ瞬間にも後悔することなく「俺は羽生さんを破って王位に立つことが出来たんだ」と。
 しかし、将棋の指し手に、熱い想いとか、そういうものは関係ないでしょう。問題は、その思いを、どのように指し手に反映させるか。羽生さんというのは、ちょっと異次元というか、あまりに高い壁かもしれません。それでも、あきらめず、前のめりになって、自分の人生を将棋の指し手に仮託して、精一杯頑張ってほしいと思います。
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駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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