第57期王位戦 第3局 羽生善治 vs 木村一基 (横歩取り)

 叡王戦での屋敷さんを瞬殺で葬った将棋、棋聖戦の最終局で見せた一手損角換わりからの一方的な攻め潰し、そしてNHK杯の対阿久津戦で見せた成り駒を作られまくった入玉将棋での敵玉の寄せなど、最近の強烈な勝ちっぷりを見るかぎり、羽生さん復調か?!…と思いきや、王位戦第3局は、ここのところ苦戦している横歩取りです(^^;)。今日はちょっと面白い出だしだったので、先手番とはいえ避けようと思えば横歩を避けられたと思うのですが、カド番でもないのに横歩を避けているようでは、長い目で見てダメだろうという判断だったのかも。これに勝てるかどうかは、かなり重要なんじゃないかと。なんといっても、横歩と角換わりしかないと思える王座戦での糸谷戦が控えてますからね…。。

20160809王位57-3_羽生vs木村一_横歩32手 32手目盤面図は、1日目の封じ手のすこし前。プロの前例がどれぐらいあるかは分かりませんが、僕なんかのシロウトが指す将棋では類似形が結構出てくる局面図。しいて言えば、△85飛ではなく△84飛型に対しての▲38銀型が、▲38金48銀型よりちょっと少ない、ぐらいのものでしょうか。中原囲いを使わなくなった僕が最近愛用しているのがこの形で、28とか中央あたりがちょっと薄いというデメリットはあるものの、とにかく速いので先攻しやすいというメリットに惹かれます。手待ちになった場合は美濃に逃げ込めたりね(^^)。ここからの進行は…

▲76飛
 急所に刺さる歩を切り取るこの一手は自然ではありますが、アマが指していて怖いと感じるのは、▲38銀型で飛車が2筋からどくと、28が傷になる事。プロなら当然そのリスクまで読み切ってから指すと思うんですが、僕なんかだと深くまで読み切れないまま指す事になるので、一種の賭けになっちゃうんですよねえ(*^^*)。。こうなると、アマから見ると木村さんに指して貰いたい筋がありまして…

△88角成▲同銀△28角
 そう、これです。。2筋から飛車がどくと28につけ込む手があるんですよね。そして、ここで封じ手。いやあ、この状況から先手は色々とかけたい技や指したい手がありそうですが、それが後手の攻めに比べてどのぐらい有効かはまったく分からず。。間に合うなら▲73歩、さらに間に合うなら▲74歩とか指してみたいけど、さすがに▲74歩は間に合わないよなあ…。。現実的には、どれも実はもう間に合わないという可能性だって十分あるわけで、となると、いきなり▲46角が本線でしょうか。いやあ、これってもう、既にどちらかが良くなっているような気もします。でも、この将棋で結論や最善手を教えてもらうことが出来れば、自分の将棋にも活用できそうです。明日の封じ手開封後の数手は、アマとしては超見たい(^^)!!

* * * * *
 2日目です!昨日のオリンピックの柔道は残念だったけど、面白かった!おかげで寝不足です(^^;)。さて、封じ手は…

▲46角
 おお~、やっぱりこれじゃないと駄目なんだな。。これで香の拾い合いでしょうか?!

△73歩
 うああ、これは受け師木村さんらしいというか、拾い合いにはさせないんですね。でも、これは▲74歩と合わせたらどうなるんだろう?△同飛なら▲同飛の飛車交換から▲29飛で角確なので、先手やれると思うのですが…

▲74歩
 おおお~、今回は珍しく手が当たるぞ(o^ー^o)。。これはけっこう先手有望なんじゃ…

△64歩
 ええええ~、大駒は引きつけて受けよ、ですか?!
でもこれ、引きつけた後にどうやって受けるのか、ちょっと分からない…若い方の石田さんの解説によると、「▲6四同角に△6二金と受けておく意味」とのこと。う~ん、呼び込んでからいきなり角に当たらなくても良いのか、なるほど。メリットとしては、そう進めば先手角が浮き駒になるので、そこで悠々と△19角成と指しても先手は桂を跳ねだせない、という感じで、歩と交換に一手稼いだ感じかな?いや~、これは勉強になった(^^)。
 しかしいざこうなってみると、先手の右桂は既に跳ねだしているので、後手の△28角は実質的に香を拾っただけであとは遊んでしまう可能性もあるわけで、実はけっこう指しにくい手だったかも知れません。それでも、33手目の▲76飛からここまでは、互いに相当に時間を使って読んでからの着手だったので、木村さんも羽生さんもこれで勝負になると思って指したのでしょう。相手の研究や読みを外した変化球ではなく、どちらも最善手と思って指したように思えたので、すごく見ごたえのある封じ手前後の攻防でした。

 さて、ここから将棋は一気に中終盤へ。先手羽生さんは2枚の桂を使っての攻めだったんですが、これがまたかなり複雑で、正直言って僕には難しすぎました(^^;)。桂は寄せに行っている時の終盤では好きな駒なんですが、中盤でこういう使い方はチョット今の僕にはハードル高すぎ。横歩での2枚の桂の跳ね出しの攻め筋、ちょっと集中してプロの棋譜を見るなりして勉強しないと、勘所がつかめるようにならないかも。でも、桂がうまく使えないと横歩なんて指しこなせないでしょうから、桂がうまく使えない事が僕が横歩が苦手な理由のひとつになってるのかも。あ、でも、最近は横歩を逃げないようにして指しまくっているので、前よりは勝率があがってきています(^^)。そして、超絶に難解な局面から、羽生さんは飛車を切ってから狭い所に角を打ち込んでの強引な寄せ!いや~、この角打ちもデンジャラスというか、激しい駒損をしながらかなり難しい順で敵陣をバラバラにする組み立てで、見ていて溜息が出てしまいました。。読み抜けをしないプロレベルじゃないと、こういうのは怖いです。成算が持てない程度の読みの浅さで指していい手じゃないですね。。結果、111手にて先手羽生さんの勝ち!!

 いや~、熱戦でした、面白かった!!横歩で勝った羽生さん、いよいよ調子を戻してきた感じ。また、負けた木村さんも、攻防の△14角なんていう凄い手を指しまして、指された瞬間「うおお!!」と声が出てしまった。まったく見えなかったのでね( ̄ー ̄)。。それにしても木村さん、40歳を超えてからもちょくちょくタイトル戦に出てくるので相当な強豪といっていいと思うんですが、そのたびに羽生さんに跳ね返されている気がします。羽生さんの将棋が大好きな僕ですが、しかし木村さんには一度でいいからタイトルを取って欲しいです。プロ棋士になって、その一度が取れれば人生悔いなしでしょうから。
 それにしても、現在オリンピックの柔道と高校野球もかなり面白くって、そのうえ将棋がこんなに面白いんでは、僕はいつ仕事をやればいいんでしょうか。こまったもんだ(^^)。


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Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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