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第41期棋王戦 第3局 佐藤天彦 vs 渡辺明 (ゴキゲン中飛車)

 昨日はNHK杯も面白かったですが、棋王戦も凄かったです!1勝1敗で迎えた重要な第3局、終盤は1分将棋で170手を超える大熱戦となりました!!

20160306棋王41-3_佐藤天vs渡辺_ゴキ中50手 戦型は後手番の渡辺さんがゴキゲン中飛車を示唆したところから大きく動きました。いや~、この重要な局面で振り飛車を指すのか…。度胸がすごい、感情よりも論理で動ける人なんですね。対する先手の天彦さんは▲37銀から持久戦狙い。これに反応したか後手も穴熊に囲い、対抗形の相穴熊になりました。対抗形の相穴熊って、玉頭攻めをすると、むしろそれで相手からの玉頭攻めを呼び込む事になっちゃったり、先に手をつけられた方が延々と防戦し続ける展開になったりするので、なんか「中飛車戦」というよりも「対抗形相穴熊戦」という印象を強く感じます。面白かったのが、振り飛車を持った後手渡辺さんが、穴熊を盛り上げていった所。▲86角と出た天彦さんの手に乗って、それを咎めにいく所からそうなったと思うんですが、渡辺さんは「自陣は固めるだけ固めてから攻撃ドン!」みたいな棋風と思っていたので、ちょっと驚き。発想の柔軟性がすごいなあ。そして50手目盤面図。後手はまだ自陣に手を入れられそうですが、先手はもうこれで十分な形に見えます。6筋に飛車を合わせて5~6筋を破られないように守るか、それとも他で火の手をあげて勝ちに行くか…

▲45銀
 いやあ、いきなりビックリです。こういう仕掛けがあるのか…。なるほど△同銀▲同桂となると次の▲53銀や▲54銀が受けにくくなるのか。天彦さんって、仕掛けが強いというか、荒っぽいんですよね(^^)。剛腕でねじ伏せる感じがします。それにしても、よくこんなの思いつくなあ。。

△53銀
 うああああ、マジか?!これもちょっと考えにくい手というか、さらにビックリ。▲45銀は取ってもヤバそうですが、放っておいても▲34銀や▲54銀の進出が厳しそうなので、後手はどこか別のところに活路を見出して仕掛け返すと思ってました。というか、谷川本とか羽生さんの『上達するヒント』あたりで形勢判断や構想を勉強してきた僕にとっては、とても信じられない感覚。だって、次の▲34銀で歩がタダだし、さらにその後の▲43銀まで攻撃が繋がっちゃうぞ…

▲56歩△44歩
 天彦さん、なんとタダの歩を取らずに見送り。ここは「最初のチャンスはパス」というやつでしょうか。どう考えても渡辺さんが天彦さんの攻めを呼び込んでいるので警戒したのかも。しかしこの歩の合わせ、意外に厳しいです。今度こそ渡辺さんは他で仕掛けるかと思いきや…なんと攻めの督促。う~ん、この感覚が信じられない。

▲34銀△56歩▲43銀不成△57歩成▲54歩
 先手は角銀交換も出来ましたが、それは攻めが切れるので攻め駒を足しに行きました。一方の後手は代償にと金を作ってから…

20160306棋王41-3_佐藤天vs渡辺_ゴキ中60手△35歩(60手目盤面図)
 いやあ、ここで桂頭攻めか
…もう中盤の山場という時に、玉からそんな遠いところでと金を作っていて間に合うのか?渡辺さんは、角や銀を抜かれるよりも、と金を作る方が大きいと見ているんでしょうか。あるいは、玉頭を抑えているだけに、桂を拾えれば桂とと金の攻めが厳しいとか?そういえば渡辺さんの本で、「穴熊に囲ったら駒の損得よりも攻めをつなげる事」みたいに書いてあったな。たしかに穴熊戦ではと金が驚異なんですよね。う~ん、もしこれで後手が本当に良いなら、渡辺さんの大局観、恐るべしです。。

▲65歩(61手目)△36歩
 あくまでシロウト考えで、たぶん外れていると思うんですが…タダの歩を取らなかった▲56歩以降、天彦さんが渡辺さんの考えを測り兼ねて、踏み込めない状態のようにも見えました。だってここ、普通に▲53歩成で銀得をして何が悪いのか、アマには難しすぎて分かりません(/TДT)/。以下、もし読み抜けがないものとして普通に進めると、△同角▲54銀成△31角でまるまる銀得。更に▲26飛とすれば、桂頭攻めも凌げるうえに、飛車も捌けそうです。そこで飛車を浮くと横利きが消えて、後手からのと金攻めのカウンターが厳しいとかあるのかなあ…。いや~、ここはどうして銀得してはいけないのか、誰か教えてくれ~。。61手目に限って、棋譜中継の解説がないし(;_;)。。味つけ…なのかなあ。でも、味つけと引きかえに△36歩を赦すのは損な気がするんですが…これも大局観というやつか。プロの大局観って、凄すぎてついていけないっす。

▲53歩成△同角▲54銀成△52歩
 ワンテンポずらしてから、天彦さんは踏み込みました。しかし、ここで渡辺さんの受けが凄かった。角を31や42に引くのではなく、△52歩!!角どうぞという事か。。むしろ成銀が盤面に残る方が、角を使われるよりも穴熊が崩れにくいという判断?凄い…

▲45桂△同歩▲64歩(69手目)
 タダの所に跳ねだした桂は、△同歩と取らせて角道を開けさせての△11角成狙い。…と思ったんですが、ここでまたしても天彦さん捻って▲64歩。…この将棋は先手の大局観も後手の大局観も僕にはついていけません。難しすぎるよお…。ただし、感想戦ではこの69手目▲64歩は疑問手だった模様。まあそれは結果論なんでしょうけど、悪いはずがなさそうな手がある時に、さらに味つけやら何やらを考えられるところが凄いっす。。

20160306棋王41-3_佐藤天vs渡辺_ゴキ中76手 この後手陣中央の戦場の攻防がひと段落した瞬間が、76手目盤面図。駒の損得は、飛車と桂の交換となって後手駒損。しかし後手はと金をひとつつくり、また次に△37歩成の権利もあります。結局、僕が全然理解できてないのは、ドンパチが終わってひと段落したところでの局面図のイメージと、その形勢判断だったんじゃないかと。これ、飛車を渡したとはいえ、後手には穴熊の頭を押さえていて、と金を作っていて、立派な主張があります。で、これで良いかどうかが、穴熊戦ならではの大局観なのかも。穴熊戦って、接近戦になると、特に守勢になった時は、飛角よりも金駒やと金の方が価値があったりするので、ちょっと大局観が矢倉や美濃と違う感じなんですよね。驚きでした。以降、穴熊崩しに着手したのは渡辺さんが1手速く、この1手の差があまりに大きかったです。結果、170手にて後手渡辺さんの勝ち!!渡辺さん、先にリーチです!

 中盤の形勢判断が恐ろしく勉強になりました。そしてそれ以上に感動したのが、終盤の天彦さんの執念の凌ぎ。後手のと金と、先手の守りの金の交換となったのが77手目、天彦さんは渡辺さんの波状攻撃を凌ぎ続けます。後手玉がZなので、王手絡みの攻防手も入らず、受け切れるかどうかだけが争点。タイトル奪取に執念を燃やした90手超のこの凌ぎ、根性、観ていて涙が出そうになっちゃいました。本当に素晴らしかった!!しかしZを作ってから攻めを繋ぐのは渡辺さんの18番、これで永世竜王位に就いたと言ってもいいほどの達人芸、最後に天彦玉は捕まってしまいました。これで渡辺さんが先にリーチですが、素晴らしい対局が続いているので、次局は天彦さんに頑張ってほしいです。


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駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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