第65回NHK杯 準決勝 広瀬章人 vs 村山慈明 (矢倉)

 NHK杯も準決勝、若手の台頭が素晴らしいです。40歳以上の棋士で残っているのは久保さんだけ。A級も年々若手が入ってくるし、じわじわと世代交代が進んでるんですね~。というわけで、今日はアラサーの広瀬さんと村山さんの対局。どちらも指し盛り、両方がんばってほしいですが、村山さんはここで突き抜けないと中堅棋士で終わっちゃいそうなので、村山さんをちょっと応援したい。最近、積極的な攻め手を意識的に多くしたとの事で、NHK杯ではそれが結果に出てるみたいですしね~。

20160306NHK65_広瀬vs村山慈_矢倉38手 今日は阿久津さんの解説が素晴らしかった!阿久津さんの解説はムラがあるというか、いい時とやる気減退の時があるように感じるんですが(*゚∀゚)、今日は良かった!!具体的な順や指し手もいいんですが、大局観に裏打ちされた解説が素晴らしかったです。まず、序盤。今日は矢倉、先手広瀬さんが工夫の出だしで▲46角57銀という形を作りました。これに対して村山さんは△64角とぶつけてから△85歩~△84銀で棒銀(38手目盤面図)。ここで阿久津さんは先手雀刺しの解説をしてくれたんですが、「先手雀刺しには棒銀が有力という事で雀刺しは衰退」との事。いや~、勉強して知っていたはずなのに、実践で全然出てこないからすっかり忘れてました。今についていくのがやっとで、米長時代の棋譜なんて、全然並べられてませんし(゚ω゚*)。ちなみに、阿久津さんも実際にはプロになってから雀刺しを指した事はないそうで。で、相居飛車でいつでも角交換ができる形は、打ち込みのケアや交換のタイミングが際どいので、僕は相手から角交換されて一手得、そしてその時に自陣の打ち込みが大丈夫な形からまずは探すことが多いんですが、打ち込みの発生する△84銀と出た村山さん、たしかに積極的!ここから…

▲25桂△24銀▲64角△同歩▲63角
 広瀬さん、桂を跳ねだしてから角交換、そして敵陣に打ち込んだ!!これで馬が出来るのは確定、でも桂の跳ねだしで飛車のコビンが空いたので、何かの拍子に△37角があります。という事は、もっと先まで読んでの踏み込み、または大局観的な行けるという判断かな?たしかに、先に馬を作って桂も跳ねて自玉も右金が囲いにくっつけられなかった以外はほぼオッケーに見えます。相矢倉って、アマだと先着した方が一手早くてそれが勝負に直結する事が結構あるので、踏み込みどころの見極めが既に勝負なんですよね。。

△73銀▲41角成
 広瀬さん、これで先に馬を作りました。でも、村山さんはこれが嫌だったら△84銀と出ませんよね。これで悪くないと見ている理由は…ここも阿久津さんの解説が素晴らしかった!阿久津さんの解説は、じっくり読んで解説というのではなくて、第一観をバンバン言っていく感じなのですが、早見えの上に、何故そうなのかの後ろにある大局観が素晴らしい。で、村山さんがここからどう指したかというと…

20160306NHK65_広瀬vs村山慈_矢倉48手△42金寄▲51馬△94角(48手目盤面図)
 村山さん、馬を消しに行きました。それは当然なんですが、△62銀より先に△94角なのか?!いや~、角交換ではなくて角金交換と欲張りに行きました!でもこれは手番を渡すリスクもあります。こうなると…

▲13桂成
 ここが一番見ごたえがありました!△62銀が来ると先手の馬は死亡。しかし、金か銀のどちらかとは交換できるので、それが得か損かは計算しないといけません。では、ここで先手が何を考えるか。手番を握ったわけですし、角金交換が入った後に一番良い状況を作りたいわけですよね。直接踏み込むなら本譜の▲13桂成からの端攻めですが、いかにも攻めが薄そうです。間に合うなら右銀を攻撃参加させたいですよね。問題はその▲46銀が間に合うかどうかですが、仮に銀を攻めに使うと、右金を寄せきれなかったのでいずれ△69銀の割り打ちもありそうで、本当なら▲67金右も入れておきたいはず。でも、さすがに2手の余裕はないだろうから…とまあ、このあたりを考えたんだと思うんですが、ここで広瀬さんが時間を使いました。結論は、もっとも単純な▲13桂成。これは▲46銀が間に合わないor無理と見たのか、▲13桂成で充分と見たのか。ちょっと広瀬さんが苦しそうな顔をしているようにも見えたので、もしかしたら苦しいと見ての踏み込みだったのかも。…でも、広瀬さんって無表情だから、そういう顔なのかも。

20160306NHK65_広瀬vs村山慈_矢倉79手 で、ここからは先手の端攻め→後手飛車先の歩の突き捨て→角金交換と、双方の中盤の構想通りに進んで79手目盤面図。いや~、双方とも派手な踏み込みをしたのに、なんかどっちがいいんだかわかりません。先手は明らかに攻めが細そうですが、後手の攻めが遅いようだと1筋の香の取り込みから間に合ってしまうのかも。でも、後手玉は広いな…。じゃ、後手から速い攻撃があるかというと…桂を使うなら△75桂か△76桂でしょうか。でも△76桂は▲77玉と出られると…△88歩▲76銀△89歩成に…いや~、先手からいつ▲14歩が入るかを考えないといけないので、これはちょっと怖そうですね。じゃ、角を打ち込むなら…

△49角
 うおお村山さん、そこに打ち込むか?!2枚替えを狙いに行ったああ!!いや~村山さん、マジで積極的だわ、しかも難解。。▲68金右で2枚替えさせたとして、どっちがいいんだ?他にも、先手は手抜いて▲14歩とか▲25歩とか踏み込む順とか、▲76歩で止める手とか、パッと見でも色々あります。

▲14歩△58角成▲同銀△同角成
 広瀬さん、手抜いて攻め合いに行ったあああ!!!でもこれ、ここからどうするんだ?これで決められないと金銀2枚抜かれて、馬を作られて、更に銀が質駒になっちゃったので、ヤバくないかい?

▲11角
 いや~、指された瞬間、ビクッとしてしまいました。すっげえな、こんな手があるのか…。でも、取ってくれなかったらどうするんだろうか。

 そして村山さんはこれを取らず、玉を躱しました。こうなると先手の攻めはつながらず、あとは後手の寄せを待つばかり。結果、108手にて後手村山さんの勝ち!!村山さん、決勝進出です(/*゚ー゚)/オメデトウ!

 最近は仕事に打ち込んでいるもので、NHK杯を観るのはちょっと気がひけるんですよね。でも、今日は観て良かった、メッチャ面白かったです(^^)。阿久津さんの素晴らしい解説があったから面白さ倍増、そして村山さん、決勝進出おめでとう!!さて、もう一方は久保さんと千田さんですか。これは来週も見てしまいそうだな(^^)。。


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Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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