第65期王将戦 第4局 羽生善治 vs 郷田真隆 (角換わり相腰掛け銀)

 挑戦者の羽生さんが2勝1敗と白星をひとつ先行させた王将戦。第4局は先手が羽生さん。郷田王将から見れば、1勝3敗になってしまったら羽生さん相手に防衛は至難の業になってしまうので、第4局は超重要!さて、戦型は…互いに端歩を受ける角換わり腰掛け銀です!端歩を受けないのは、定跡が整備されていないから試してみる価値があったのかも知れませんが、前局で羽生さんにあれぐらい綺麗に咎められる前例を作られてしまうと、もう指しにくいのかも知れませんね(^^)。

20160216王将65-4_羽生vs郷田_角換腰掛銀38手 38手目盤面図は、仕掛け直前の盤面図。後手が右金を寄らずに、先に右桂を跳ねたのが特徴で、A級順位戦の▲佐藤天彦-△渡辺戦がこの形だった記憶があります。ここから天彦さんはすぐに▲45歩から開戦しましたが…

▲45歩△同歩
 おお~、羽生さんも仕掛けたああ!!ここまでは▲天彦-△渡辺の順位戦と同じですが…

▲同銀△同銀▲同桂△44銀
 うわあ、まじか…。羽生さん、単純にこの戦場だけで勝負に行きました!!天彦さんはここで▲75歩△同歩と桂頭にいやみをつけてから▲45桂△同銀▲同飛として、飛車の活用を狙ったんですよね。あれは良い構想だと思ったし、実際にそれで先手が勝ったはずなんですが、その順は選ばないのか…。

▲71角
 いやあ…。毎度同じ事を書いてる気がしますが、角換わり腰掛け銀での先手からの▲71角みたいな角の打ちこみが、僕には難易度が高すぎ、難しすぎます。よく出てくる先手からの仕掛け筋ではあるんですが、どうしても成算が持てないというか、ムズかしいです。たぶん、この角の打ちこみが根本的に分かってないです。自分ではうまくいかないんですが、やられる時のパターンとしては、角を抜きに行くのに飛車が微妙な位置に行くので、そこで角と刺し違えた金駒の打ち込みに厳しい筋がある…みたいな。打ち込む側のいちばん成功する例としては、駒損と引きかえに後手の4筋崩壊なんでしょうね。でも、こんな一直線の単純な仕掛けで、本当にうまくいくんだろうか。だとしたら、後手の右金の寄りを保留する待ちの形はもうダメという事になりそうですが…

△81飛
 飛車を交わしつつ角に当てたので、この時点で先手の角は質駒に。一気に行かないと、タダで抜かれる事になります。

▲53桂成△同銀
 というわけで、先手は仕替けを続行、まずは桂の成り捨てで、ほぼ桂損。

20160216王将65-4_羽生vs郷田_角換腰掛銀49手▲41銀(49手目盤面図)
 飛車筋が通ったところでのこの銀の割り打ちはこの一手という感じです。ここまでは▲71角の構想から読めるんです。問題は、この辺から僕は思考に霧がかかっちゃうというか…なんか受け切られちゃいそうで、怖くて打ち込めないんですよね。もし失敗したら、角を抜かれて桂損して…みたいな感じで、先手はほとんどゲームオーバーになっちゃいそうな気になっちゃう。でも、そういう経験もいっぱいしとかないと、いつまでも指せるようになれないのかなあ。
 まず、一番単純に、受けずに△71飛と角を抜きに行くと?▲52銀成で金を抜きつつ銀取りに当てて飛車筋を通して…なるほど、もし後手が角桂と金銀の交換をゆるすと、その瞬間の玉形に差がありすぎるという事でしょうか。でも△54銀なんて逃げたら金の打ち込みで先手勝勢か。ということは、後手はそこで反撃に行かなくてはいけないけど、玉に働きかけるのは無理。では、飛車をいじめながら飛車を止めに行くと…△47歩か、飛車筋は止まりませんが△37角か、いや~難しいけど、派手な駒の総交換は、玉周辺の金駒をザックリなくされる後手の方が嫌ですか。
 じゃ、受けに行くと?神崎さんは△51銀を指摘していましたが△43銀だと▲44歩が嫌だから、ということだそうです。なるほど~。

△43銀▲44歩
 と思ったら、なんと郷田さんは△43銀!!これは当然▲44歩が飛んできます。ちなみに、封じ手がこの▲44歩でした。これに△同銀右なら▲同角成から大決戦ですが…

△41玉
 うわあ、玉で銀を抜くのか…これは僕には指せません。少なくとも、第1感でこれを思いつくのは無理、自分から飛車筋に飛び込むのは危なすぎると思って無意識に除外しちゃいそうです。しかし郷田さんに指されると、「ああ、これで大丈夫なのか」と思えるからすごい。なんか、とんでもない将棋になってきました。というか、ここまで進んでもまだよく分からないから、僕は▲71角みたいな手が怖くって打ちこめないんだな…。

20160216王将65-4_羽生vs郷田_角換腰掛銀56手▲43歩成△同金左▲53角成△同金上(56手目盤面図)
 一気に清算!これで角桂と銀の交換になり、先手はひどい駒損ですが、手番は先手。もう、先手が攻めを繋げるかという将棋になってきました。でも…いやなるほど、飛車が変な所に行くから、角と金駒の交換になった後の打ち込みでどこまでよく出来るかという状況にやっぱりなるんだな。でも、▲71角の打ち込みの段階で、以降の攻防もかなり手が広いので、ここまで読み切るのは僕には絶対無理だわ。これは研究してないと指せません。というわけで、ここで羽生さんが放った手は…

▲62銀
 これはひと目好手に見えました。だって、金を逃げればすかさず▲44歩ですよね。しかしビビるのは、なんとこの局面で、千田さんは「後手有利」の見解。しかも、千田さんはここは研究済みのようです。千田さんって、2期前ぐらいの竜王戦トーナメントか何かで羽生さんを撃破していましたが、序盤研究が凄まじいんでしょうね。やっぱり角換わり腰掛け銀は研究してないと指せないわ。。でも、受けるといってもどう受けるんでしょうか…僕ならここで時間を使い切ってしまいそう。。

△32玉
 郷田さん、長考から凄い手をひねり出しました!受ける時って、普通に受からないので、取らせて受けるとかありますが、いや~なるほど~、変形の顔面受けというか、これは見事!!それにしても、先手の仕掛けから▲71角以下、もう感動的な棋譜が続いています。よくこんなの指せるな…プロってやっぱりすごい。

 △32玉が見事すぎる受けで、こうなると羽生さんが攻め続けられるかどうか、という感じ。ほとんど終盤の様相ですが、まだ2日目の昼です(^^;)。
 この後、手番が後手に回った瞬間に、後手の猛反撃。△88歩や△69銀など、角換わり腰掛け銀の最後に出てくる矢倉崩しの手筋のオンパレード。やはり攻めきれなかった時点で先手の負けは確定だったみたいですが、しかし後手が綺麗に寄せなければ先手の逆転があるというギリギリの戦い!いや~、こんなのどちらを持ってたって、生きた心地がしません。。そして最後は郷田さんが綺麗に仕留めて、98手にて後手郷田王将の勝ち!2勝2敗のタイに戻しました!!

 いや~、やっぱりプロ将棋は凄まじいですね。どちらも凄かったんですが、解説の千田さんがまたすごかった。あんな所まで研究してあるという事と、終盤での解説がものすごいデジタルですごかった。ああいう解説を聴いていると、僕がいかに何となくボンヤリと指しているかが分かります。いや~、凄い解説でした。。
 これで2勝2敗、王将戦はがっぷり4つです。それにしても、対局のあった青森の弘前は大雪だったみたいですね。雪景色に将棋って、日本的でいいなあ(^^)。。


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Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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