第65期王将戦挑決リーグ 羽生善治 vs 渡辺明 (相掛かり)

 王将リーグが佳境!羽生さんのプレーオフ進出のかかった大一番の相手は、よりによって現役ナンバー2の渡辺さん。今期初の羽生-渡辺戦です(^^)。羽生さん先手ですが、戦型選択が悩ましそう。最近は矢倉は先手苦戦してるし、そもそも先手矢倉を苦戦に追い込んだ新手を指したのが渡辺さんですし。。かといって角換わりも、渡辺さんの大得意形の上に、今の渡辺さんは竜王戦用に角換わりは相当に研究しているでしょうし。そうなると、横歩か相掛かりに誘導できれば御の字かな…おお、相掛かりだあああ!!いや~、この辺りは渡辺さんも角換わりと横歩取りの研究は竜王戦に温存しておきたいでしょうし、お互いに良い選択だった気がします。

 渡辺さんが先にちょっかいを出す展開。軽い攻めに見えますが、渡辺さんの攻めは軽そうでも怖いんだよなあ(^^;)。後手渡辺さんの飛車が9筋に回っていて、先手羽生さんの角が56で後手の中住まいの両端を睨む筋違い角。これは既にどちらかが良さそうな気が(^^)。いや~、メッチャクチャ面白いのでこのまま観ていたいけど、もう出かけないと(T_T)/。仕事サボっちゃおうかな…いやいや、年越しのためにちょっと稼がないと。。

◆◆◆◆◆◆

 やっと帰ってきましたが、朝の10時過ぎか…眠い。しかし結果だけでも…おおお、羽生さん、勝ちました!!これで久保さんと羽生さんのプレーオフですね、やっぱり今期の王将戦は面白かった。注目してて良かった。。そして、この将棋、凄いです!面白すぎて結果だけでなく、棋譜に魅入ってしまいました。。

20151125王将リーグ_羽生vs渡辺_相掛12手 私は居飛車党ではあるのですが、相掛かりはほとんど指しません。指すとしても、横歩から相手が相掛かりへの変化に飛び込んできた時だけ。というわけで、プロの指す相掛かりはどれもこれも新鮮で、すごく楽しい(^^)。12手目盤面図は後手が角道を開けたところ。僕が子供のころは、これに代えて△86歩からの飛車先の歩の交換が普通でした。後手が飛車先の歩を切らずに角のハッチを開ける手は、そういえば今期の棋聖戦での▲羽生-△豊島戦で見た気がします。

▲38銀△94歩▲96歩△72銀▲27銀
 先手の棒銀狙いは、相掛かりで引き飛車にした時の常套手段。対する後手は、9筋の歩を伸ばす展開。相掛かり戦って、後手はこの端歩から手を作っていくのをよく見る気がします。後手は飛車先の歩、角のライン、9筋、銀と桂の進出…このあたりからという印象がありますが(将棋は何だってそうか^^;)、この順番が初心者には複雑。先手は端を受けない手もあったかと思いますが、、受けました。

△86歩▲同歩△同飛▲87歩△85飛
 先手が棒銀を見せた所で、後手は飛車先の歩を交換した後に△85飛。いや~、86の方がオーソドックスなイメージなんですが、85に構えるのは相掛かりでも横歩取りでも襲い掛かる気満々というか、強い人じゃないと飛車を的にされそうで、指せない手という気がします(^^)。これは先手が端歩を受けたからかな?

20151125王将リーグ_羽生vs渡辺_相掛27手▲76歩△74歩▲36銀△52玉▲46歩(27手目盤面図)
 ここで先手は角道をオープン。なるほど、そろそろ開けておかないと、先に仕掛けられると開けている暇がなくなるかもしれませんしね。これで角交換のタイミングも睨みながらの将棋に。一方の後手の△74歩は、桂跳ねの準備かな?横歩でもそうですが、△85飛と△73桂は相性が良い気がします(^^)。▲46歩は「おっ?」と思ったんですが、これは腰掛け銀を構想しているのかな?相掛かりって、先手の右銀の動きが多彩。でも、こんなのまだ定跡の範囲内なんだろうなあ。手順や端歩の関係などは違うかもしれませんが、この盤面図、何となく見た事あります。いや~、将棋の序盤って、定跡の勉強をしている時が一番楽しいです(^^)。

△75歩▲同歩△同飛▲22角成△同銀▲88銀
 おっと、ここで渡辺さんがつっかけた!!後手が7筋の歩の交換で飛車筋の変わった所で、先手から角交換!そして…

△35歩▲47銀△95歩▲同歩△96歩
 渡辺さん、飛車を8筋に戻さないまま仕掛けました!なるほど~、△85飛のメリットって、先手の棒銀の進出を防げるところもメリットなのか。いや~、勉強になるなあ。。さて、この端での後手の手作りは軽めというか、これで端が破れるというわけではなさそうなので、利かせぐらいの感じでしょうか。と思ったら…

▲77銀△95飛▲86銀△94飛
 なんと羽生さん、銀を前に出して飛車を追いに行った!!いやあ、この端を放置せず、羽生さんの方から戦場にしてしまいました(^^)。放っておけばそれほどの傷とも思えませんでしたので、羽生さんは勝算があって咎めに行ったのかと。

20151125王将リーグ_羽生vs渡辺_相掛43手▲56角
 羽生さん、反撃だあああ(゚∀゚)!!!いやあ、これは素晴らしい、単純な狙いとしては▲73歩で、△同銀なら▲83角成、△同桂なら▲84歩か!!これは後手が一気に忙しくなったんじゃないでしょうか、まともには受からないので反撃に行きたい所ですが…

△33角▲77銀
 渡辺さんも反撃だあああ(゚∀゚)!!!これでバランスが取れているなんてことはないでしょう、既にどちらかが良くなってるんじゃないかという気がしますが…そしてここからが双方凄かった!!

△97歩成▲同桂△74歩▲66歩
 まず、後手からの端の攻撃に対する▲97同桂に軽くびっくり!桂で取ると歩で頭を叩かれるんじゃないかとなんとなく思ってたんですが、それだと飛車先が重くなってしまう上に▲85桂が絶好となってしまうので叩けない。矢倉や角換わりばかり指していた時期があるもので、こういう時は香で抜くものとばかり思ってました。先入観というのはオソロシイ。
 次に、渡辺さんの「敵の打ちたい所に打て」の△74歩が絶品。仕掛けた以上一気に行くと思ったんですが、ここで相手の手を消せるところがプロ。これは指せないなあ。先手の▲66歩も、相手の手を消す手。仕掛けた直後のタイミングで一気に勝負をつけに行く前に、双方が互いの手を消しに行ったのは凄かった。

△84飛▲86歩△73銀▲93歩△同香▲92歩
 後手が9筋の端を利かせたつもりが、ここまで進んでみるとまったく逆。一気に勝負をつけるというよりも、羽生さんがこれで少しだけポイントを挙げた気がします。

20151125王将リーグ_羽生vs渡辺_相掛64手 以降は、この9筋の垂れ歩がと金になって大暴れ。少しのポイントどころか、先手よしまで行ってしまった感じ。そして中終盤、羽生さん驚異の指し回しが炸裂!これは感動的でした。少し進んだ64手目盤面図からの指し回しがそれ。と金で拠点を作ったものの、これは▲85歩から少しずつ後手の飛車を狭くしていくしかないし、そうなると案外いい勝負なんじゃないか…と思ったら、なんとここから羽生さんが踏み込みました!

▲85桂△99香成▲73桂成△同金
 羽生さん、桂を跳ねてあっさりと成香を作らせた上に香損!後手の守りの桂を1枚抜いたところで、攻めが続かないと思ったんですが…

▲34桂△31銀▲22歩△24香▲同飛△同歩
 これはすごい、凄すぎる…。こんなの指せたら相当な高段者だわ…。もしかするとプロだってこの順に踏み込める人は少ないんじゃなかろうかとすら思ってしまいました。
 だって、まず3手で駒損の上に成香を作らせて桂交換を構想する所で、僕なら読みを打ち切るかも。しかし角頭が空いているのでそこから手を作るところを考えていたら、桂を補充してからの▲34桂まではなんとか読むかもしれません。しかし、その後で銀を引かれるところで読みは絶対に打ち切ります。だってさらに追撃すると、本譜のように渡した香で飛車を抜かれてしまうんですから…。しかし、羽生さんはこの順に踏み込みました!!

▲21歩成
 ▲21歩成としたところで桂を取り返して実質的に先手は飛車損、左辺は崩壊状態ですが…これは後手が結構厳しくないかい?考えてみたら飛車香交換といっても、先手だってその香を後手の飛車の頭に打ち込めば飛車確保。気づいてみたら、壁形で後手は玉が異常に狭い。金銀も守りに役立っているというよりも、玉の逃げ道を防いでいるだけの格好です。しかしすぐに寄る形ではないので、ザックリ見てこの盤面図で先手が良いという判断が出来るかどうかという事ですよね。ここの構想は凄かった、感動してしまった。。

 結局これで先手優勢になった模様、数手先の83手にて渡辺さんが投了、先手羽生さんの勝ち、羽生さんはプレーオフ進出です!!

 いや~、徹夜明けだというのに、面白すぎて魅入ってしまった(^^)。こんな将棋を指せたら、将棋が楽しくて仕方ないんだろうな。なんかいい夢見れそうです、それではおやすみなさい(・ω・)/。


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Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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