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第63期王座戦 第4局 佐藤天彦 vs 羽生善治 (一手損角換わり)

 やっと仕事が一段落。また明日から忙しくなりますが、今日は残務処理をするだけでダラダラできそう。こんな日に将棋やってたらなあ…あああ、王座戦は今日だったか!!けっこう先だと思ってたのに、時の経つのはやいなあ。

 天彦さん、急に強くなったと感じるんですが、今期の成績ってどんな感じなんだろうか…天彦さん、本年度成績は26勝7敗(0.788)で、対局数と勝数、連勝でランキング1位!!なんだこの数字、化け物か(゚ロ゚ノ)ノ。。いやあ、A級棋士となると当たりがきつくて勝率は下がるものですが、その中でこれは脅威。しかも、藤井システムとかダイレクト向かい飛車とかの自分だけのオリジナル戦法がブレイク中というわけでもないというのが、余計にすごい。しかもこの王座戦、タイトル奪取まであと一勝というところで先手番。流れは完全に天彦さんですね。羽生さん、これまでは天彦さんの先手角換わりに後手横歩と、相手の得意組み手に組ませて戦ってきましたが、さすがにここからはそうさせるわけにもいかないと思います。大注目は後手の戦型選択ですが…うおおおおおお、羽生さん、一手損角換わりに行ったたあああ(ノ゚∀゚)ノ!!!!いや~、矢倉は天彦さんが回避するとして、後手に選択権のあった角換わりと横歩を回避して、後手指しにくいと見られている一手損を選んだという事は、それだけ天彦さんの正調角換わりと横歩が脅威なんでしょうね。

20151006王座63-4_佐藤天vs羽生_一手損2手 自分のために、初心に戻って序盤の戦型選択の整理をしておこう。盤面図は▲76歩△34歩と進んだ本局。これで戦型選択権はほぼ後手に渡ったようなもので、後手が居飛車志向なら横歩か一手損角換わり。代えて2手目△84歩なら先手に戦型選択権があって矢倉か正調角換わり。ただし天彦さんは矢倉を回避すると思われるので2手目△84歩なら角換わりになってたんじゃないかと。

▲26歩△32金
 ▲3手目26歩で先手居飛車がほぼ確定。まあでもこれは天彦さんの将棋を知っていれば指される前からほぼ確定ですね(^^)。問題の4手目ですが、数年前まではここで角交換して、場合によってはダイレクト向かい飛車なんていうオソロシイ将棋も指されてましたが、そういえば最近ダイレクト向かい飛車を見なくなったなあ。そうそう、4手目角交換自体がすでにひとつの将棋でして、これが先手から見ると角交換振り4間飛車やダイレクト向かい飛車や一手損角交換への対応などなど、勉強しておかなくちゃいけない戦型が一気に増えてしまうクセモノ。序盤の勉強が全然間に合ってなかった頃、とにかくこれが怖かった(^^;)。将棋の勉強をはじめたての居飛車党の方には、鬼門の一手だと思います。そうそう、角交換四間飛車や三間飛車を除く4手目角交換将棋を勉強したい方には、糸谷さんの書いた『現代将棋の思想 ~一手損角換わり編~ 』が超おススメです。実際の一手損角換わり部分は、私は難しすぎて挫折してしまいましたが(まだ低級だったのに読んだのが間違いでした^^;)、序盤の作戦分岐やダイレクト向かい飛車対策あたりは超スバラシイ!…しかし本局はそうならず、△32金と慎重に指して羽生さんが横歩を回避、一手損でほぼ確定。

20151006王座63-4_佐藤天vs羽生_一手損13手▲25歩△88角成▲同銀△22銀▲68玉△33銀▲38銀△72銀▲58金右(13手目盤面図)
 以降は一手損角換わりから一直線。しいていえば、先手陣の右金をはやめに玉側に寄せたことで、37の地点の受けに金を間に合わせることが出来なくなったので先手は棒銀濃厚な展開でしょうか。そういえば、竜王戦で丸山さんの一手損角換わりを単手数で仕留めた渡辺さんの将棋も棒銀だった気が。。「一手損には早繰り銀」とはいうものの、先手棒銀の将棋も結構あるんですよね~。こうなると後手羽生さんの選択が気になりますが…

△74歩▲77銀△84歩▲78金△94歩
 おお~、先手棒銀と見て、棒銀の天敵早繰り銀を見せました!いや~、一手損戦を僕は先手でしか戦わないのですが、棒銀にしたことがないので▲棒銀-△早繰り銀戦は全然わかりません(^^;)。。角換わり棒銀を応用するにしても、この玉形では定跡は使えない…。。う~ん、こまった。。

▲36歩△73銀
 ん?こ、これは…相早繰り銀か?やばい、いくらでも前例のありそうな形ですが、全然わからない(^^;)。

▲46歩△85歩▲47銀△64銀
 ええええ(゚ロ゚ノ)ノ、先手、あそこから腰掛け銀にトランスフォームするのか?!いや~、後手に早繰り銀を決めさせておいてから有利な駒組みにシフトするのか、なんという序盤の攻防。天彦さん、ものすごい序盤の駆け引きを経て、▲腰掛け銀-△早繰り銀という、ジャンケンの法則だけで言えば先手指しやすい駒組みを作ってしまいました。う~んこれは凄い。これって定跡なのかなあ。一手損角換わり、奥が深いっす。それにしても参った、こういうのがあると山崎本の勉強だけではすでに対応しきれないじゃん。。やっぱり青野本も康光本も読まないと駄目か(;_;)。。しかしこれ、解説によると前例が少しだけあるそうで、すべて先手勝ち。う~ん、午前中にして、いつどちらが仕掛けてもおかしくない状況。

20151006王座63-4_佐藤天vs羽生_一手損28手◆◆◆◆

 さて、▲腰掛け銀-△早繰り銀となってからの中盤戦も凄かった!!いや~、この王座戦は難解極まる将棋の連続。今期タイトル戦でも断トツでハイレベルな戦いになった気がします。28手目盤面図も両者ギリギリの戦いというか、すごい。これ、早指しなら▲96歩とか▲56銀をパパッと指しちゃいそうですが、たとえば▲96歩と指すと後手の早繰り銀が成果を発揮して△75歩が間に合うんでしょうね。じゃあ追い込まれているのが先手なのかというと、後手はそもそも玉の囲いが全く間に合ってません。一手一手が手に汗握る展開、行ける所で一手でも見送ってしまうとそちらが悪くなっちゃう感じ、タイミングが異常に重要な気がして、見ているこちらがドキドキ状態です(^^;)。そして…

▲45歩△同歩▲56銀△46歩
 うおおお、天彦さん、先に仕掛けたああ!!!いや~、腰掛け銀からの4筋の仕掛けは常套手段ですが、僕はこれを後手がどう受けるんだろうかとドキドキしてみてました。後手は33の銀が動いたら▲24歩が飛んできて先手は飛車先の歩を切ることが出来るので、、4筋からの仕掛けを喰らったら後手は完全に受け切るのはもう無理、攻め合いにして勝つしかないと思ってました。というわけで、僕は▲56銀に代えて▲45同桂で先手勝負に行くのかと思ってたんですが、ここで天彦さんは腰掛け銀を完成。あれ、これはなぜなのかと思ったら…

▲66歩
 うわあ、天彦さん、早繰り銀を押し返す気か?!天彦さん、怖えええ。。羽生さん、ここは何かいい手を見つけないと大差になっちゃいそうですが…僕には指し手が分かりません(- -*)。攻めなら△75歩、受けなら…いや、受けるようでは負けかも知れない。

△35歩
 おっかねえええ、羽生さん、なんと3筋から反撃(゚д゙)!!
急所の桂頭を狙うのは分かりますが、自陣左辺を崩壊させる諸刃の剣にも見えます。だってこの局面、後手陣は居玉の上にスッカスカじゃないですか。もう、それぐらいに切羽詰まった状況という事なんでしょうか。えっと、▲同歩△36歩▲45桂に…

▲65歩△73銀▲45桂△36歩▲48金
 うあああ、全然違う、天彦さんも手抜いて反撃だあああ!!いや~、これは抜き差しならない状況になりました。これは大喧嘩になるか…と思いきや、ここで羽生さんは銀を引きました。第3局で受けに回って完封負けしたばかりなので、この銀引きはおっかなく見えるなあ。という所で、羽生さん…

20151006王座63-4_佐藤天vs羽生_一手損40手△59角

なんだこりゃああああああ!!いやあ、善悪はまったく分かりませんが、どうやったらこんな手を思いつくんだろうか。これ、仮に手抜いて攻め合うとどうなるんだ?▲71角だと△72飛▲53角成に…あああなるほど、△37歩成が間に合うと後手が良さそうになるのか!!という事は、▲33桂成でも同じことか。これは先手いったん守らなくてはいけないかも。いやあ、羽生さんすげえ、鳥肌立ったわ。。

▲26角△43金左▲68銀△48角成▲同飛
 先手は守るだけでなく攻防の角。対する金上がりは受けの駒を増やしながらの反撃の拠点を作るこれまた攻防手。そして▲68銀で後手角は詰み、角金交換の駒損となりましたが、これで飛車が2筋から逸れる事に。そして…

△44銀
 その4筋に駒を集めるとともに、絶対に助からないと思っていた左銀が助かりました。この魔術のような手順、信じられません。どちらが良いのかは分かりませんが、この驚異の順は感動的だ、鳥肌が止まらん。。

 さて、ここからも難解きわまりない局面が続き、両者の高度すぎる将棋が続きました。金取りを受けずに反撃、玉頭への利かしを手抜いて両取り狙い、連打の歩からの凌ぎ…互いに一手でも間違えたらアウトになりそうな難解な局面で見事すぎる手の連続。これはすごい…。。しかし、やっぱりあの恐怖の角の打ちこみから天彦さんのペースが狂ったか、あの居玉でボロボロ状態だった後手の方が良くなったみたい。信じられませんが、左辺まで相手の手に乗りながら修正しちゃった。最後は受け潰しからの着実な寄せが決まり、88手にて後手羽生さんの勝ち!

 いや~、すごい将棋でした!!本局に限らず、この王座戦はものすごい高度な将棋ばかり。今日も88手で最後は大差でしたが、内容はいやいやどうして、ほんの一手緩手を指しただけでも結果は変わっていたんじゃないかと思いました。だいたい、今日の天彦さんの指し手のどこに悪手があったんでしょうか。しいて言えば、仕掛けの場面で33銀を動かしに行かずに、欲張って抑え込みに行ったところ?いやあ、あれだって早繰り銀をつぶすのに成功したんだし、緩手どころか、作戦負けとも思えません。これだけスバラシイ将棋の連発だと、第5局で終わるのがもったいないなあ。ここまで来ると、どちらにも勝ってほしいなあ。


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駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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