第63期王座戦 第1局 羽生善治 vs 佐藤天彦 (横歩取り)

 王位戦がはやい決着を見たというのに、間髪おかずに王座戦です!そして注目はなんと言っても天彦さんのタイトル戦初登場!!糸谷さんに豊島さんに広瀬さんに天彦さんと、タイトル戦はこの数年で一気に若手の挑戦ばかりになりました。中でも今の天彦さんは異常、A級棋士を片っ端からなで斬り状態(対A級棋士11連勝?)。この無敵天彦さんの強さは羽生さんにも通用するのか。ここに注目です。
 とはいえ、羽生さんは今期すでに3冠、鬼の強さです。その羽生さんですが…うおおお、羽生さん、天彦さん必殺の後手横歩取りを正面から受け止めたあああ!!!いやあ、森内さんも渡辺さんも豊島さんも、天彦さんの後手横歩には警戒しながら組み手争いをするというのに、どうぞどうぞと言わんばかりにやらせちゃったよ。いやあ、これは楽しみ。

◆◆◆◆◆
20150902王座63-1_羽生vs佐藤天_横歩29手 いや~、これも互いに凄い。難解すぎて頭がパンクしそう、こんなの見ちゃったらもう横歩なんて指せないわ。。読みの深さはもちろんですが、形勢判断の根拠にしているものが、プロは僕とは全然違うんじゃないだろうか。29手目盤面図は先手が右桂を外跳ねしたところ。これはちょっと分かるというか、矢倉戦なんかでは僕も時々使います。飛車のコビンを閉じたまま桂を跳ねたいんですよ、きっと(自信ナシ(゚ω゚*)。。

△75歩▲同歩△65桂
 うわ、天彦さん、なんというシンプルな仕掛け!これは僕が先手なら思わず角交換したくなりますが…なるほど、桂馬を2枚跳ねだせるので玉頭が危険すぎるのか。これは先手からの角交換はちょっと嫌ですね。

▲36飛△23銀▲68銀
 お、羽生さんはやはり33を狙いに行きました。それを見て天彦さんは金に紐をつける銀上がり。そしてそのあとの▲68銀は…う~ん、これは横歩でちょくちょく見る筋ですが、何度見ても先手陣の形が悪い気がして違和感があります。

△24飛▲27歩
 まず、先手の▲38銀型のデメリットのひとつは、ひねり飛車にされた時の受け。ここをどう凌ぐかは見たかったので、最初に注目ポイントでしたが…うわあ、羽生さんは最も堅いというか、ある意味では受け一辺倒となる▲27歩でした。桂の跳ねだしを狙うなら▲26歩、飛車を追い返すなら▲25歩、一気に勝負に行くなら▲33角成とおもったんですが…まあ角成は成算が持てなかったらありえない手なので、きっと無理筋だったんでしょうね(疲れていて読みを入れる気力が失せてます^^;)。これは美濃に逃げ込む展開を見据えたものか、それとも強く受けていれば先手良くなると見ているのか…

△88角成▲同金△33桂
 いやあ、今日の天彦さんは積極的というか、常に攻め手を選んできます!ただちょっと攻め急いでいるというか、先手が左辺を守りきれるものだとすると、ちょっと攻めさせられているような気も。う~ん、こう感じるのも、相手が羽生さんだからでしょうか。しかしここでの先手の指し手が難しい。▲82角は角を合わされて消されるだけなので、表から行くとすると▲55角?しかし、成立してるんだろうか…

20150902王座63-1_羽生vs佐藤天_横歩41手▲66歩(41手目盤面図)
 うわああああ、羽生さん、怖すぎる歩を突いたああ!!!いやあ、この歩は考えなくもなかったんですが、玉のコビンが空くし、先手は左辺が異常に不安定なのに、そこに角の打ち込みやら何やらいろいろ呼び込むことになるので、すぐに候補から外した手でした。この形で反撃は持ちこたえられると見ているのか、すげえ。もし本当に持ちこたえられるなら、後手は攻めを綺麗に咎められた事になりますが、いやこれは自分では絶対に指したくない形だな。。

△45角▲46飛△86歩▲56歩△87歩成▲同金
 天彦さん、角を利かせてから先手左辺を乱しに行きました!しかし、手順に▲86同歩を手抜いて▲56歩を挟んだ事で角道シャットアウト(T_T)。ああこれは天彦さん悪いかな、と思いきや…

△34銀▲55角
 おお、狭くなった飛車をいじめに行きました!しかし先手切り返しの▲55角がすげえ。いやあ、ありうる筋はけっこう合ってるんですが、その順が凄い…。先手が考えなくてはいけなかったのは、飛車を渡して大丈夫かという所ですが、普通に飛車取りに来られた場合は△35銀▲33角成△44銀▲24馬の瞬間が銀に当たるのか。いやこれは後手も工夫が必要だぞ…

△77歩▲同桂△86歩▲同金△77桂成▲同銀
 後手、歩を犠牲に再び先手陣左辺を乱しに行ってから…

20150902王座63-1_羽生vs佐藤天_横歩56手▲54桂
 先手激痛の飛車取り、決まったああ!!いや~、やっぱり天彦さん強いわ。左辺の金駒をあれだけ乱されてから飛車を渡すと、もうこれは先手厳しすぎるんじゃなかろうか。厳しいですよね。厳しい…

▲45飛△同銀▲91角成
 …いや~、これ、どうなんでしょうか。結局のところは飛車角交換で、後手は更に香を抜かれて歩切れ。駒台には飛車のみ。一方の先手は飛車角交換にこそなったものの、こと横歩に関しては角の方が使いやすいかも。その上に香得、歩も豊富で、駒台には角桂香歩歩歩歩歩。後手は飛車でどこまで暴れられるかという感じですが、これは容易ではないぞ。という所で夕食休憩。よし、この隙に仕事を進めておこう(^^)。。

◆◆◆◆◆
 さっきの難局を、先手羽生さんが受け切り。うおおおおすげえええええ。で、ここから先手一気のまくりですが、この攻めも簡単には思えなかったんですが実に見事。ほら、横歩△45角戦って、先手は受け切るのも結構大変ですけど、受け切った後の寄せも簡単じゃないじゃないですか、もうあんな感じなのに、なんという綺麗な寄せ。天彦さんも相手の読み筋を外すような受けをしたりして粘るんですが、羽生さんの攻めはまったく切れず。結果、109手にて先手羽生さんの勝ち!!

 いや~、前半戦は天彦さんの攻め将棋、しかしそれを受け切ってからの後半は羽生さんの一方的な攻め将棋。後手横歩取りで快進撃を続け、A級に昇級、さらにA級棋士をなで斬り、そしてタイトル戦にまで登場した天彦さんでしたが、その横歩を「やってこい」とばかりに受けられ、攻めるだけ攻めた後に弾き返され、完膚なきまでに潰されました。羽生さん、強ええええ。。。
 とはいうものの、ブログに書いた29手目あたりから羽生さんの受け潰しが見えてきた61手目あたりまでは難解な局面の連続。天彦さんも羽生さんもすごかった。さすがはタイトル戦、鳥肌が立つほどの素晴らしい将棋でした。ここのところ、大名局が続いていますね。大混戦のプロ野球を見ている暇がありません(^^)。。


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Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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