『集中力』 谷川浩司

Shuuchuuroku.jpg 仕事が結構忙しい時に、飛び込みで仕事の依頼が来まして、期日がなんと2日!ビンボ~な私はきっついと思いつつもこの仕事を受け、徹夜で頑張ったところ、無理が祟ってしまったようで病院送り(´;ω;`)。そんな病院の待合室で読んだのが、この本。書かれたのは2000年なので、光速流の谷川さんが羽生さんと覇権を争っていた頃に書かれた感じかな?

 この本、2部構成で書かれています。第1部は谷川さんの簡単なキャリアについて。ビジネス書の類になると思うので、将棋好きでない人にも読まれることを想定しての事なんでしょうね。しかし将棋好きとしてちょっと面白いと思った記述がひとつありまして、それは子供の将棋上達に関する記述。谷川さんは「考え込んで指す子は強くなれない」「一時間かけて一局指すよりも、一局を十分、二十分と数多くどんどん指す方が良い」と書かれています。いやあ、これはまったく意外。「子供は」という条件つきですが、これって大人にも当て嵌まるんでしょうか。だとしたら、私は方針転換しないといけないぞ…。。でも、難しい局面を考える事自体が好きなんだよなあ(^^;)。。

 そして、本書の肝は第2部。第2部は、「集中力」「思考力」「記憶力」「気力」の4つに分かれて書かれています。何かに上達するための方法として、谷川さんの論が展開されている感じ。題材は将棋なのですが、上達法という意味では、将棋に限定した話ではないという感じです。特徴としては、自分がどう思ったかというだけでなく、その考えが正しいかもしれないという裏付けを述べてある点です。この辺はさすがに合理的で、逆にいうと合理的にモノを考えられるからこそ超一流になれたという事かも知れません。

 で、ちょっと心に留めておきたい言葉を羅列すると…
 「持続の目標は1万時間」。これは、昔に紹介した『上達の法則』にも同じことが書かれていました。プロ級になるためには、どんなものでも1万時間の学習が目安になる、というわけですね。
 「集中するためには、自分のペースを守る」。これはかなりズシッとくる言葉でした。将棋の序盤勉強をしていると、「相横歩が進化しちゃった、これもやらなくちゃいけないけど、一手損角交換も終わってない」とかいう感じで、あせるばかりで何事にも手がつかなくなっちゃうときが、僕には結構あります。でも、あせったってどうにもならないんですよね、やるべきことを淡々とやるのみ。
 「一千手ぐらい読むこともある」。これは、3本とか4本という主筋と、その変化や枝刈りする手も全部ひっくるめて、という事みたいです。さて、自分と比べると…比較にならん、プロは化け物か(;゚д゚)。。僕の場合は20手30手とけっこう長く読んだ筋でも、別の候補手の方が有力と見た時点でそれを切り捨てて「消し」てしまうんですが、プロの人って、その辺はどうなんだろうか。
 「経験はマイナスになる事もある」。これは、スランプの時なんかの悪循環の一例。例えば、似たような状況に陥った時、マイナスの経験ばかりフィードバックされてしまうと、またもや失敗してしまう、というわけです。いわゆるイップスですね。これを解決する方法は、悪い記憶が成功の記憶にすり替わると解放されるそうで。いやあ、スランプのひとつの例とその解決法という意味で、すごく勉強になりました。

 他にも、金言が盛りだくさん。僕が金言と思った一例は上記のものなどでしたが、どれが金言になるのかは読む人次第なんでしょうね。具体的な指し手とかではなく、「どうやったら強くなれるか」とか「どうやったらスランプから抜けられるか」なんて感じで、伸び悩んでいる僕らアマチュアの特効薬になりそうな本でした(^^)。



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Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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