電王戦FINAL 第3局 稲葉陽 vs やねうら王 (横歩取り)

 今日は3時ごろから用事があって外出。その直前に電王戦を少しだけ見ていました。今日はプロ棋士の先手番、戦型は横歩取りだったんですが…なんと△33桂型。いやあ、この形は昔に『羽生の頭脳』で少し勉強しただけだぞ…。今回のプログラマーさんは、前の電王戦でもルール破りの不正を働くという癖のある人なので、色々と定跡外しを狙ってくるようなプログラムをしているとか、そういう事もあるんだろうか。

20150328電王final-3_稲葉vsやねうら_横歩46手 そして、昼休みが終わって過ぎぐらいの所で、個人的には大変に面白く感じた局面を迎えました。それが、盤面図46手目。先手の稲葉さんは後手からの2筋攻めに備えて先に桂を跳ねて合駒を出来るように備えていました。で、ニコニコ生放送の解説では、成立しそうな手を検討していて、そのうちのひとつが▲85桂。なるほど、これは角道も通る上に玉頭直撃でなかなか良いんじゃないかと思っていたのですが、稲葉さんの選んだ手は…

▲27歩
 うおお、こんなのまったく考えていなかったよ。。ちょっとすぐには意味が分からなかったんですが…

△同銀成▲25歩△同桂▲27金△37桂成▲同金
 25の歩合いに対して飛車を見捨てて金駒や桂を外しに行くべきかどうか。こういう所だけでも時間を使って考えたいところだと思ったのですが、互いに指し手が速い!で、コンピュータの選択は△25同桂で、こうなると▲37同金までは必然。ここで、ニコニコでで用意していたソフトの推奨手は△22角。…いやあなるほど、やっぱりソフトって凄いな。僕ならすぐに△29飛成と龍を作って十分と考えそうな所。で、やねうら王の選択は…

△29飛成
 あ、やっぱりそう考えるソフトもあるのか(^^)。しかし、敢えて後手の攻めが速くなってしまう▲27歩を選択した稲葉さんなら、この局面は絶対に読んでいる筈。つまり、この局面になっても、稲葉さんは自分が良いと考えていたと思うんです。ところが、ニコニコ生放送のソフトの評価値は、ここで後手に振れていました。つまり…人間とコンピューターで、形勢判断がずれていたのがこの局面だったんじゃないかと。そういう所こそ、人間vsソフトで一番面白いところなんじゃないかと。で、その形勢判断のどちらが正しいのかは、駒が当たって王手がかかり始める以上、この後の数手で分かるんじゃないかと思ったのですが、稲葉さんの構想は…

20150328電王final-3_稲葉vsやねうら_横歩57手▲74歩△同歩▲85桂(57手目盤面図)

 いやあ…正直に言って、僕はこれは稲葉さんの構想は見事で、これで先手良くなったんじゃないかと思ったのです。だって…シンプルに考えて、先手の有力手は▲73歩。これを△同金なら▲同桂△同桂▲同飛で先手はほとんど勝ちなんじゃないかと。じゃ、代えて△同桂としたところで結局は同じような事が起きて、▲同桂△同金で金を斜めに吊り上げてから▲85桂のおかわりで多分先手よし。これが飛んでくるので、△85桂や△19龍などの手は全部間に合わない。だとすると、守るなり、先手からの攻撃に働きかける手を指すなりしないといけませんが・・・後手は、ここでさっきのソフトの読み筋にあった△22角でどうか、と。でも、そんなの66あたりに桂合いでもかましておいてから悠々と▲73歩で先手優勢じゃねえか、という気がしたのです。ところが…
 なんと、この状況になってもニコ生のソフトは後手持ち。やねうら王だって、△25桂を外すなり、龍を作る前に△22角なり、色々な選択肢があったにも関わらずこの局面に飛び込んできたという事は、これで後手が良いと思っていたんじゃないかと思います。更に…この辺でニコ生アンケートというのをやっていまして、多くの視聴者の人もソフト有利(40%ぐらいだったかな?稲葉さん持ちは10%台だったような気がしました)という形勢判断だったのです。う~ん、人間もコンピュータも、この局面で後手が良いと見るのか。という事は、僕はきっと速度を読み違えているんじゃなくって、何か読み抜けてるんだな。俺は間違えて稲葉さん有利のボタンを押しちゃったよ(゚∀゚*)エヘヘ。。でも、なんで後手の方が良いのか、それを見届けてから出かけたかったんですが、この辺で用事のために外出(>_<*)。。

◆◆◆◆◆
 で、7時過ぎに帰ってきてみると…なんか後手勝勢になってました(゚∀゚*)エヘヘ。さっきのところ以降、どう進んだのか知らないのですが、やっぱりソフトの形勢判断って、かなり信用できるんでしょうね。さすがです。またこれから出かけなくてはいけないのですが、さすがにもう稲葉さんの勝ちは無いでしょう。さっきのところ、ソフトの読み筋がどうだったのか、知りたいなあ。

 (3/30追記)コメント欄より、該当箇所以下の、ソフトの読み筋をお教えいただきました。書き込みいただきました無記名様、ありがとうございました!以下、転記させていただきます。(ちなみに、最初の△22角が58手目になります。)

(以下、転記)
自宅のやねうらおで検討させてみましたが、あまりスペックは高くありませんので参考までに。

△2二角(13)▲同角成(88)△同金(32)▲3九銀打△2七桂打▲3八金(37)△3七歩打▲2八金(38)△3九桂成(27)▲7四飛(76)△7三歩打▲2九金(28)△4九角打▲6九玉(58)△8五角成(49)▲2四飛(74)△2三歩打▲4四飛(24)△2九成桂(39)▲4二飛成(44)△3八歩成(37)▲2二龍(42)△4八と(38)▲1一龍(22)△1九成桂(29) (転記終わり)

 なるほど、△22角に▲同角成がソフトが判断するところの最善なんですね。僕は角を渡すと△49角打の筋がべらぼうに厳しいと思っていて、検討すらしてませんでした(^^;)。しかし…代えて▲44桂や▲66桂の桂合いは記事を書いた後に色々と考えてみたのですが、やはり角を渡さない変化を作るのが予想以上に難しく、だったら手番を渡さない先手からの角交換の方が利がある、という事かな?しかしどのみち角を渡す事になるなら、遡って△29龍を許す変化に飛び込んだ構想自体が思わしくないみたいでした。やっぱり46手目▲26歩の強手は成立しにくいみたいで、あそこは当日に解説をしていた深浦さんの手がたい順や、糸谷さんの解説していた「端歩を突いてお茶を濁す手」あたりの方が良かったのかも知れません。やっぱり、A級棋士や竜王となると凄いなあ。一瞬で解説してましたから、手自体はひと目で見えて、あとは成立するかどうかの検討なんでしょうね、ああいう別格の人たちは。

 それから…いただいたやねうらおの指し手ですが、僕程度の棋力では「え、これがソフトが判断する最善なのか?!」という手が結構あって面白かったです。例えば、△27桂打なんて全然見えなかったし、それを▲同金とせずに▲38金と受けるとは…それって、△39桂成としてくれれば▲同金が飛車あたりになるので先手を取れますが、△37歩と叩き込まれたらどうするんだろうか。きっと、なにかすごい返し技があるんでしょうね。いずれにしても、自分がいかに早い段階でガシガシと枝刈りをしていたのかを痛感させられた次第です(._.〃)ゝ。。



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自宅のやねうらおで検討させてみましたが、あまりスペックは高くありませんので参考までに。

△2二角(13)▲同角成(88)△同金(32)▲3九銀打△2七桂打▲3八金(37)△3七歩打▲2八金(38)△3九桂成(27)▲7四飛(76)△7三歩打▲2九金(28)△4九角打▲6九玉(58)△8五角成(49)▲2四飛(74)△2三歩打▲4四飛(24)△2九成桂(39)▲4二飛成(44)△3八歩成(37)▲2二龍(42)△4八と(38)▲1一龍(22)△1九成桂(29)

なるほどです

無記名さま、

なるほど、△22角に▲同角成がソフトが判断するところの最善なんですね。代えて▲44桂や▲66桂の桂合いは記事を書いた後に色々と考えてみたのですが、やはり角を渡さない変化を作るのが意外に難しく、そうなると△29龍を許す変化に飛び込んだ手自体が思わしくないみたいでした。

書き込み、本当にどうも有り難うございました。すごく参考になりました。
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Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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