第40期棋王戦 第3局 羽生善治 vs 渡辺明  (角換わり相腰掛け銀)

 よもやの羽生さん2連敗となった棋王戦、やっぱり冬の渡辺さんは強かった。。今日渡辺さんが勝つとストレート防衛になりますが、羽生さんは1本返せるか?!なんといっても、3月になったから冬は終わったしな( ̄ー ̄)。。

20150308棋王40-3_渡辺vs羽生_角換腰掛銀40手 将棋は角換わり相腰掛け銀で、40手目までは定跡通り。僕は、角換わり腰掛け銀になると、定跡局面までは復習のつもりで一生懸命見てます。意外と手順が違ったりするので、「あ、ここは順が違ってもいいのか」とか、「あれ?金は42だっけ、43だっけ?」とか、あるんですよね(^^)。で、ここからも定跡は続くんですが、ここは手が広くて、腰掛け銀の分岐点のひとつ。この局面では先手は▲18香、▲68金右、▲25歩、▲67金右などなど、かなり手が広いんですが…

▲25歩△65歩▲64角△92飛▲45歩△同歩
 おお、渡辺さんは▲25歩を選びました!!さすがは攻め棋風、受け将棋にはいきません(^^)。48飛型で▲25歩って、△65歩での開戦が後手としては一番積極的なようで、僕も『これからの角換わり腰掛け銀』にこれが本筋みたいな事が書いてあったので、大概これです(^^)。で、そうなると後手の6筋攻めvs先手の4筋攻めみたいな展開になって、45の地点は先手が突き捨てた後に3筋に手をつけて、と思いきや…

▲45同桂(47手目)△44銀
 おおお、渡辺さん、桂で取りに行ったあああ!!!いやあ、これが新手かどうかは知りませんが、普通は取る順から考えますよね。でもこれ、桂で取るとどうなるんだろうか。いやあ、研究将棋の匂いがしますが、これは渡辺さんペースになったんじゃ…

▲65歩
 なるほど、▲45同桂に対する△44銀は絶対の交換なので、これを入れてから悠々と6筋の歩を切り取る事が出来るのか。しかしここで手番を後手に渡す事になるので…

△75歩
 先手が先着した▲64角がよく利いていて、後手は手番を手にしながらもいきなり急所に角を打ち込む事が出来ない。これは凝った手(というか、僕には狙いがよく分からない^^;)ですが、こういう手を指すというのは、羽生さんとしては既にあまり良い状況ではないと見ているのかも。いやあ、47手目▲45同桂、有効かもしれません(^^)。今度真似してみよう。

20150308棋王40-3_渡辺vs羽生_角換腰掛銀69手 というわけで、仕掛け以降の中盤は渡辺さんが押し気味に進めたんじゃないかと。で、僕だったら投了したくなるような終盤(とこの時は思っていた)の入り口での、羽生さんの粘りがすごかった!ここからの終盤戦は大名局だったんじゃないかと思います!!盤面図は69手目、渡辺さんがものすごく嫌らしい歩の打ち込みで、△22同玉としたら▲35金が激痛、△33桂と逃げたら▲同桂成から4筋を数の攻めで潰すんでしょうね。というわけで、羽生さんはここで攻め合いながら攻防の一着が生まれる筋を探したいところですが…

△48歩▲同飛△37馬
 おっとなるほど、これはひとめ好手!飛車を狙いながら馬の活用を目指しました。すっごく難しいんですが、さっきの△75歩とした局面で、この飛車の吊り出しからの角の活用を狙っていたらどうなっていたんでしょうね。

▲49飛△28歩
 これで飛車金両取り!ではあるんですが、これ後手は金をとってもあまり嬉しくないというか、飛車を抜くなり攻めが繋がるなり攻防手に繋げるなりしたいところですよね…

▲29飛△46馬▲21歩成
 飛車当たりを躱しながら2筋に飛車を設置!あああ、これは飛車が成り込んで先手勝ちだわ。。

20150308棋王40-3_渡辺vs羽生_角換腰掛銀81手△45銀右▲24飛△56銀▲22飛車成(81手目盤面図)
 羽生さん、玉の早逃げもせず、飛車の筋の逸れた中央の戦場に手をつけ始めましたが、渡辺さんは飛車の成り込みからの寄せを目指します。と金を龍を作られ、しかも龍がピッタリ玉に貼りついてる(・ω・ノ)ノ。。こんなもん、投了ですよ、投了。しかし…

△41玉▲58桂△45馬▲56歩△同馬▲64歩
 渡辺さんって、こういう所で一気に寄せないで、激辛の手を指す時があります。しかし去年の順位戦とかで、万全に行ってひっくり返された将棋を何回か見た事があったりして(^^;)。渡辺さんは挟撃形を作りに行きますが、しかし6手前と大きく違うのは…羽生さんの馬が思いっきり捌けて、後手も寄せに行けそうな形になっているところ。さらに驚くのは、81手目の形で龍を使っての寄せがないという事を羽生さんが見切っているところです。いやあ、あの形から寄らないのか…。羽生さん、捌きながらも金を渡さないという所がまたすごい。そして…

△32金
 うおお、龍を寄せに行った?!いやあ、全く考えもしなかった、攻め駒を攻めるという格言がありますが、この状況で寄せ合いや攻防手以外の狙いを思いつくところが凄い!これは鳥肌が立った…

▲11龍△12金
 先手の龍が寄ったあああ!!!しかしここ、盤面図がすごく面白くて、、後手は実は9筋の端攻めの形が出来ているし、右桂も跳ね出せていて、馬で先手玉の右辺逃げ出しも封じる事が出来ていて、金銀桂歩を持っている。先手は先手できわどい形を呼び込むのと引き換えに確実な挟撃形を作る事に成功していて、後手がウッカリ変な駒を渡しすぎたり、寄せ損ねたりすると一手必至みたいな事にもなりかねない感じです。いやあ、あんな所から勝負形に持ち込めるのか、すごいな…

▲57歩
 渡辺さん、受けに回ったああ!!な、なるほど、馬のラインを変えるのか。手抜いて龍取りは…馬を抜かれた後に▲74角が王手飛車か、これは後手負けだな(^^;)。いやあ、素晴らしい終盤になったぞ…

△66馬▲12龍△67馬
 先手は飛車を助けながら金を取る事に成功、後手は馬を助けながら角を取る事に成功しつつ…おお、これが龍取りになってる!!しかし手番は先手、龍を避けつつの寄せがあるような…

▲56銀△57馬
 なかった(*^^*)。。しかし、攻防に働いてしまっている馬の筋を消す事が急務なんですね。しかも馬取りに当てて手番を渡さずに行くのが最善、と。う~ん、素晴らしい逆襲でしたが、驚異の粘りもここまでか…と思いきや、逃げた場所が△57馬!これ、次の△79角を狙ってますね、中級ぐらいの人だと騙せそうな手ですが( ̄ー ̄)

20150308棋王40-3_渡辺vs羽生_角換腰掛銀97手▲52歩(97手目盤面図)
 いやあ…この垂らしの歩は絶妙、見ていてため息が出てしまいました。渡辺さん、スゲエわ…そしてここでの深浦さんの解説もすごかった。「ここで△78銀はどうでしょうか。」…まじか、とんでもない絶好の寄せかと思いきや、△78銀で後手勝ちなのか!!ここ、僕は囲い崩しとか詰め将棋の寄り筋の勉強が裏目に出たというか、△79角ばかり考えていて銀なんて全然見えませんでした。いやあ、とんでもない将棋を見せられたものです、こんな逆転劇があるのか…

△56馬
 これは銀を抜きながらの龍取りなので、寄る寄らないの終盤でさえなかったら絶好手の筈。しかし、これが敗着になっちゃうというんだから将棋はオソロシイ…。以下、▲31金から龍の横利きを通して、先手勝ち!!

 さすがはタイトル戦というものっすごい中終盤の攻防でした!!これ、もし羽生さんが逆転していたら名局賞最有力だったんじゃなかろうか。最後だって、羽生さんが間違えたというにはあまりに難しい手だったし、△78銀は、将棋界最強のふたりにすら見えてなかったみたいだし。

 結果、今期棋王戦は渡辺さんがストレート防衛!!いやいや、冬将軍の勢いはまだまだ続くか?しかし、角換わり腰掛け銀は、やっぱり研究の深さで差がつくところがありますね。そうなると…あら、名人戦挑戦尾プレーオフでは、渡辺さんは研究時間が無いけど、行方さんはそれだけに絞ってきそうだぞ?!これは名人挑戦は行方さんになるかも。



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駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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