第64回NK杯 藤井猛 vs 行方尚史 (角交換四間飛車)

 どちらも大好きな棋士という事で、チェックを入れてました、今日のNHK杯( ̄ー ̄)。。とにかく天彦さんの解説が分かりやすかった!今日はガッチガチの定跡形の将棋というわけではなかったので、形勢判断の仕方や狙い筋、手筋などがハナシの中心になったんですが、見通しがめっちゃくちゃ明解な上に判断が速い!A級になる棋士はそれだけのものを持っているんですね~。

 今日は藤井さんが先手番という事で、先手角交換四間飛車になったんですが、まずは後手の居飛車の玉型の解説が面白かったです。僕は『角交換四間飛車 徹底ガイド』をメインテキストにしながら角交換四間飛車破りを研究したもので、玉型は矢倉一辺倒。対振り飛車戦の矢倉はサイド攻撃が怖すぎて、心理的には僕も穴熊か銀冠を狙いたいんですが、しかし角交換振り飛車に対しては囲いが偏る上に間に合わないんですよね…。しかし天彦さんの解説によると、プロでは▲24歩~▲23銀からの銀冠も指されているそうで。いや~、銀冠にしても逆棒銀の応接に間に合うんだったら、僕もそれで指したいです。ここはもっと天彦さんの解説をきいてみたかったな~。 

20150118NHK_藤井vs行方_角交換四間20手 でもって、序盤です。対角交換振り飛車戦で僕が一番用心しているのが向かい飛車からの逆棒銀。そんなわけで、20手目盤面図から▲88飛とか▲86飛といった8筋を争点にした筋は結構研究したんですが、藤井さんが指したのは…

▲58金左
 おお~、けっこう普通の手だ(^^)。これは囲い合いになるか?

△54歩
 おっと、行方さん、積極的に行きました!これは5筋から銀を繰り出しに行くか?!

▲46歩△53銀▲36歩
 後手行方さんは右銀を繰り出して攻め勝つ方針、先手藤井さんは先に囲って堅さ勝ちする狙いでしょうか。しかし臆病者の僕は、やっぱり向かい飛車への振り替えが怖いなあ(^^;)。さすがは現状A級トップを走る行方さん、早指し戦でもこれで行けるという所まではバババッと読めているんでしょうね。

△85歩
 うおお、行方さん、積極的だ!!角交換振り飛車からの逆棒銀はそこそこ研究した事がありまして、居飛車は▲85歩を決めない方が得の変化が圧倒的に多い気がしていたので(方針としては8筋の戦場は膠着状態に放置して玉頭を押し潰すor角のラインを使った美濃崩しを狙う)、この行方さんの構想には凄く興味がありました。

▲47金△44歩
 なるほど、角交換四間飛車の第一人者である藤井さんは、そんな筋は分かってるんですね。というわけで、角を使っての美濃崩しを先に潰しに来ました。向かい飛車からの逆棒銀の構想もあったかと思うんですが、方針を一貫させた感じでしょうか。たしかにこれは堅実というか、序盤で悪くする心配はなさそう。

 この後も、双方の方針は変わらず。藤井さんは堅さ負けしないように十分の駒組みからの将棋を目指し、行方さんは攻めと守りのバランスを取りながら指し回す感じ。そして…なんと行方さん、飛車を5筋に振り直して5筋突破を狙いました!!ここでいかにも将棋らしい面白い局面を迎えたのですが…

20150118NHK_藤井vs行方_角交換四間48手 それが48手目盤面図。駒がぶつかり、また▲25桂△24銀の交換が入る事で桂が質駒になり、いよいよ双方とも角交換将棋の角の打ち込みが決まり始めそうな頃合い。後手の行方さんは既に67に角を打ち込んでいて、この角が働くのは確実ですが、問題はどれぐらい働くか。これ、後手としてはもう攻めあるのみという将棋になりそうですが、先手から見ると結構面白い盤面図で、攻め合うのか守るのか、方針が分かれそうです。で、藤井さんの選択は…

▲75歩
 攻め合いだあああ!!!ここはさすが藤井さん。この攻め合いを構想したからこその▲25桂△24銀の手の交換だったんだな、と。実際の形勢は分かりませんが、もし僕が後手だったら、受けに来てくれれば気分的に楽だったと思うんですよね。しかし攻め合いに来られると、囲いの差で負けるんじゃないかという気がしてしまう。そうなると、既に作戦負けだったという事になるわけで、ひいては振り飛車銀冠vs居飛車矢倉では振り飛車が勝っても普通…という事になっちゃう。ここでの行方さんの反撃も面白くて…

△57歩
 なるほど、これを金で取れば△46銀で金か飛車が抜けるので、飛車で取らせて角を成りつつ桂を抜こう、というわけですね。ここで藤井さんは…

▲同飛△89角成
 △57歩に対する応手と見ればどう考えても自然な一着ではあるんですが、堅さ勝ちという方針を一貫させるなら、代えて▲74歩の攻め合いも見てみたかったです。そうしないと、▲75歩自体が一手パスになっちゃう可能性もありますしね。でも早指しだし、やっぱり▲同飛が自然か…。この局面は、ぜひ持ち時間の沢山ある将棋で見てみたかった。
 ▲74歩の攻め合いは速度勝ち出来るかどうかの選択なので、深く読まないと指せない手ではあるので、僕が羽生ファンなもので、どうしても速度勝ちする将棋を考えすぎるのかなあ。。森内さんのように鉄板で潰すなら、▲同飛こそが正着の気もしてきました。
 逆に後手から見ると、これで一応馬を作りつつ駒の補充が出来たので言い分は通った格好。問題は、藤井さんの角の打ち込みとの働きの差ですが…

▲52歩△同飛▲53歩△同飛▲71角
 藤井さん、ここで5手1組の両狙い!これは綺麗に決まりました!!が…▲75歩を突きだした以上、やっぱり▲74歩を見てみたかったなあ。そうしないと▲75歩が一手パスみたいになっちゃうしなあ。このあたり、双方とも時間があったら、全然違う将棋になっていたかもしれませんね。この辺が早指しの怖さです。。

△56銀
 う~ん、もしかしたら藤井さんはこれを見落としていたんじゃないかという気がします(偉そうに書いてますが、僕は完全に読み抜けてました( ̄ω ̄))。解説でも話されていた△56歩とかであれば先手万全の将棋に出来た気がするんですが、ここで後手から捌きに来られると、結局は斬り合いになってしまう。ここは行方さんが剛腕だったという事かな?

 以降は素晴らしすぎた天彦さんの解説通りで、行方さんが持ち前の寄せ力を存分に発揮してしまった感じで、126手にて後手行方さんの勝ち!!いやあ、さすがはA級トップ棋士、終盤力だけでねじ伏せちゃったような勝ち方でした!!

 序盤で思ったのは、角交換四間飛車って、居飛車党の僕からすると、向かい飛車からの逆棒銀に比べれば4筋攻めは意外と怖く感じません。定跡書も向かい飛車の研究をしている本が結構多かったりして(^^)。で、この戦型のパイオニアである藤井さんは、あえて向かい飛車を封印して研究したかったのかな、という気もしました。振り直しは一手損ですし、4間のまま行ける筋があるならその方が良いでしょうしね。
 それにしても…将棋は行方さんの勝ちでしたが、しかし構想としては藤井さんが勝っていたんじゃないかと。負けこそしましたが、藤井さんのいい将棋が見れたし、また終盤の行方さんの素晴らしさも見れたというわけで、面白い将棋でした!!

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Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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