第62期王座戦 第1局 羽生善治 vs 豊島将之 (矢倉)

  羽生さんのスケジュールの過密っぷりにはいつも驚かされますが、それにしても…竜王戦挑戦者決定3番勝負、王位戦7番勝負に加えて、王座戦5番勝負も始まっちゃいました。番勝負の3つ掛け持ちは、いくらなんでもキツいだろうな…。しかも、ついに始まった王座戦の相手は、20代棋士ナンバーワンの呼び声高い豊島さん。僕みたいな凡人なら「王座戦は落としてもいいから、永世位のかかった竜王戦をガンバろう」とか考えちゃいますが、羽生さんは勝ちに行くんだろうなあ…。

◆◆◆◆◆

 戦型は矢倉!現在ナンバーワンと次代ナンバーワンという本格派同士の棋戦のスタートにふさわしい戦型の気がします。それにしても、互いの指し手がやたらと速い!▲46銀37桂戦法という、矢倉戦の中でも超メインストリームを爆進!そのあまりの爆走感は、さながらマッドマックス2の如し。この戦型はタイトル戦でずいぶん見てきたから、僕でもかなり覚えてるぞ(^^)。しかし途中から僕の記憶が曖昧な変化に飛び込んでしまったんですが(^^;)、解説によると、これは今のところ先手全勝の変化であるとの事。それでも後手の豊島さんの指し手が相変わらず速い!!う~ん、豊島さん、これは何か用意の手があるな( ̄ー ̄)。

 それを察したか、先手全勝の局面から先に変化したのは、なんと先手の羽生さんでした。これは研究手を外しに行ったのか、あるいは自分でも調べてみたい順があったのか。後者は普通ならあり得ないと思うのですが、、こと羽生さんに関してだけは、マジでタイトル戦の対局を研究のために使っているような気がするんですよね。。

20140904王座62-1_羽生vs豊島_矢倉59手 とはいえ、最近は振り飛車破りや角換わりや横歩ばかり勉強していたので、記憶があやふやになっているところから復習しよう(^^)。盤面図は59手目、▲46銀37桂戦法での、後手の作戦の分岐点のひとつ。△44同金とか△45馬とかで分岐するんですよね。昨季、羽生さん、森内さん、渡辺さんの三つ巴でよく指されていたからまだ覚えているな…。

△45馬▲43歩成△同金
 豊島さんは△45馬を選択ですね。これ、後手陣が先に守りの金駒を外されるから、僕みたいな素人にとっては気分的に指しにくいんだよなあ。。

▲19角△46歩▲48飛△64歩
 そうそう、先手は遠見の角を打つんだった、思い出してきたぞ。しかし後手の△64歩も忘れてるなあ。…矢倉、勉強し直しか?

20140904王座62-1_羽生vs豊島_矢倉68手▲46角△44歩(68手目)

 おっとっと、たしか前回の▲渡辺-△森内の竜王戦ではここは森内さんが△44馬として、その馬のラインが強烈で後手が勝っていた気が…。△44歩は▲渡辺-△羽生の何かのタイトル戦で羽生さんが指して負けちゃったから、あんまりちゃんと勉強してませんでした…。そうそう、思い出してきたぞ、「なんで森内さんが後手番で△44馬で勝った直後なのに、羽生さんは同じところで△44歩を選んじゃうんだろうか」と思ったんだっけ…。

▲65歩△36馬▲33歩
 ああ、なんか▲33歩ってあったわ…。これはやっぱり渡辺-羽生で見た事があるぞ。しかし…見てから思い出しているようでは全然だめですね(T_T)。。

△同桂▲64歩△37銀▲24角△同歩 (角銀交換で先手駒損)
 ここで角銀交換か、先に金銀交換で若干駒得しているし、これで後手玉が非常に薄い状態になるので釣り合っているという判断かな?これも見た事があるな…。

▲63歩成△48銀不成(先手飛車損)
 いやあ、完全に思い出しましたよ。これは▲渡辺-△羽生戦で完ぺきに見た事がある。しかし、先手は角を渡した後に飛車まで渡してしまうんですよね。こんなの、アマチュアにとっては定跡手でない限り、怖くて指せないって。。

▲31銀△同玉(先手銀損)
 更に先手は銀捨て。先に玉を下段に落としとかないと…という事でしょうが、なんというオソロシイ定跡か。

▲53と(銀を取り返して少し駒損回復)△83飛打▲63歩
 いやあ、ここは定跡の偉大さというか、素晴らしい含蓄のある指し手のオンパレード。まずは後手。▲53とに対してすぐに△同金は、きっと▲33桂成で玉頭を成桂で押さえられてまずい。
 次に先手。先手も先手で△83飛打に対して▲43とと金を取ってしまうと、駒損はずいぶん回復できますが、△同飛で完全に攻めが切れちゃう。というわけで、ここは攻めを繋ぐべく▲63歩の合駒を入れるんですね。こういう定跡を覚えていくと、将棋って強くなるんだろうなあ。そうに違いない。

20140904王座62-1_羽生vs豊島_矢倉86手△53金▲33桂成△63飛(86手目盤面図)

 ここもすごい。放っておいて金を外されるのでは後手はまずいので、ここで▲33桂成を覚悟してと金を外しに行く、と。で、先手は▲33桂成で後手の玉頭を成金で押さえ、後手は△63飛で先手の歩を払って、ここでひとまず清算、というわけですね。しかし、この86手目盤面図って…後手、怖すぎないかい?

▲66桂△69銀▲68金寄(89手目盤面図)
 ここで先手は一度受けに回りました。攻めたとしても、きっと細すぎて繋がらないんでしょうね。しかし先手は歩切れなので、桂での合駒。ここでようやく後手は△69銀からの反撃、そしてその直後の89手目▲68金寄りで、羽生さんから定跡から外れた、という感じでした。よ~し、10回ぐらい見直して、今日中にこの変化を覚えるぞ(^^)。。

◆◆◆◆◆◆

 玉頭を押さえこまれたあのデンジャラスな89手目がどちらに形勢が傾いていたのかなんて、僕なんぞには分かりません。しかしあの危険な玉型が全てを物語っているというか、89手目の時点で、後手は少しでも間違えたら負けてしまう将棋だったんじゃないかと。仮にあそこで後手の形勢が多少良かったとしても、相当に間違えないで指し続けないとヤバい。緩手や悪手ではなく次善手ぐらいでも、相手が羽生さんだと危険な事になっちゃう状態だったのかも知れません。で、棋譜速報の解説のニュアンスでは、どうも豊島さんが102手目で少し緩い手を指してしまった模様。たしかにシロウトの僕からしても「え、ここで攻め合いに行って、速度的に間に合うの?」という手ではありました。なにせ、先手玉は堅いうえに広かった。そして、この一手が命取り。やっぱり羽生さんは付き合ってくれず、後手玉を寄せに行きます。羽生さんは完ぺきに手数計算が出来ていたみたいで、2~3手空きの手を続けて確実に仕留めてしまいました。結果、121手にて先手羽生さんの勝ち!!

 豊島さんが寄せ合いを狙いに行った瞬間、「おお!こんな所からマジで寄るんだとしたらすげえな」と思ったんですが、結果は多分それが敗着。しかし、こういうのを僕は前に見た事があります。去年、「間違えない」という、将棋としては最も理想的な棋風でA級にまで駆け上がって快進撃を続けていた行方さんが、いざ対羽生さんのタイトル戦になった途端にウッカリを連発。あの行方さんが、どうみてもいつもと違っていた。それぐらい、タイトル戦というのは、何回も戦って慣れないと、普段だったら絶対にやらないようなミスをしてしまうほどの緊張する場なのかも知れません。
 
 それにしても…番勝負を3つ掛け持ちの羽生さんですが、なんかそのすべてに勝ってしまいそうだぞ。。頼む、他は負けてもいいので、竜王戦だけは頑張ってくれ~~。。
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王座戦凄かったですね。この定跡は後手やや良しなのですが実戦的に先手勝ちやすいそうです。羽生王座は王座戦とても強いですね。

そうなのですか!

 ユダオ様、いつも書き込みありがとうございます。

 そうなのですか、後手の方が若干良いとみられている定跡なのですね。たしかに先手の攻めは一度切れていますものね。しかし、僕みたいなヘボだと、この裸に近い後手の陣形を持って指したくないです。

 羽生さんは強いですね。しかし、王位戦も王座戦も負けてくれていいので、なんとか竜王戦は勝ってほしいと思っています。


> 王座戦凄かったですね。この定跡は後手やや良しなのですが実戦的に先手勝ちやすいそうです。羽生王座は王座戦とても強いですね。
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Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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