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第55期 王位戦 第2局 木村一基 vs 羽生善治 (矢倉▲46銀37桂戦法) 

20140725_habuvsKimura.jpg 後手番の初戦を取り、羽生さんに今季初の黒星をつけた木村さん。第2局は先手番、これを取ると一気に王位奪取に近づきます!ここは18番の矢倉に誘導したいだろうな。…矢倉だああ!!いやあ、これは羽生さん、嫌な流れなんじゃないでしょうか。

 しかし仕事が忙しく、1日目からチラチラ見るので精いっぱい。ようやく2日目の夕方に何とか時間が来て、様子を見ると…木村さん、優勢っぽい。更に木村さんが踏み込み、羽生玉を寄せに行きます。羽生玉は追い詰められ、紛れを作ろうにも駒が足りなすぎる。攻め合いに持ち込むどころか、木村さんの攻めを凌ぐので精いっぱい。いやあ、木村さんは時の名人相手に矢倉で往復ビンタか、これはムチャクチャ強い、ただの解説の面白いおじさんという訳ではないぞ…というところで、東京に雷が落ちて停電。あらあ、将棋どころか、仕事の続きも出来ないわ(T_T)。で、1時間ほどでようやくネットが回復、どうなったのかを見てみると…なんだこりゃ、羽生さんの勝ちになってるじゃないか?!マジか、あそこから受けの達人の玉を詰ましたのか?!…う~ん、信じられん、ちょと夜にでも棋譜を見てみよう。そうそう、竜王戦の挑戦者決定トーナメントの屋敷vs糸谷戦も、一手損角換わりで凄い将棋になってたんだよな。よ~し、仕事を早く終わらせて、はやくうちに帰るぞ!!

◆◆◆◆◆

 とか言って、帰宅が日付を跨いでしまった(T_T)。もう夜中の1時半を回ってるじゃねえか。…今年の夏はずっとこうだろうな、あきらめよう。

20140724王位55-2_木村一vs羽生_矢倉45手 さて、将棋はガッチガチの矢倉戦。先手から眺めれば▲46銀37桂戦法で、僕が一番好きな矢倉の戦型です。しかし、この戦型に対する後手の対応策が、実はよく分かっていないので、これはよい勉強機会かも(^^)。盤面図は45手目、先手の羽生さんが▲65歩と宮田新手に行った所。これ、僕はいつも先の見通しもないまま△64歩とぶつけちゃうんですが(^^;)、実際はどう指すのが良いんだろうか。

△85歩▲25桂△42銀
 8筋の歩を伸ばしちゃうのか!いやあ、矢倉戦で玉頭の歩を伸ばしちゃうと、桂を跳ね出すことが出来なくなってうまく指しこなせないんだよなあ。…でもそんなことを言っていたら一向に上達しないので、宮田新手には△85歩と覚える事にしよう。。次いで、右銀も守りに回すのかあ。これは攻めさせておいてのカウンター狙いの構想に見えるけど…先手は桂も跳ね出して絶好の駒組み、これ以上進展性がないので、次に仕掛けると思うのですが、さてどこから開戦するのか。

▲35歩△同銀▲同銀△同歩
 まずは攻めの銀と守りの銀を交換!矢倉の王道ですね。北島6段曰く「▲3五歩の仕掛けに対しては△同銀が定跡です。▲3五歩に△同歩と取るのは▲1五歩△同歩に▲5五歩と突かれて後手が損」との事。なるほど、勉強になります(^^)。

▲15歩△同歩▲64歩
 でもって、調子に乗って▲35同飛としてしまうと、△34歩と守られて攻めが切れちゃう。まあそれでも銀交換は成立したので悪くはないんでしょうが、ここで1筋突き捨て~6筋突き捨てと行くのが最近の流行だそうで。手番を渡さないまま攻めきっちゃうんですね。やっぱり定跡手順で指してくれる将棋が一番勉強になるなあ(^^)。6筋突き捨ての歩を、後手は歩で取るべきなのか角で取るべきなのか。大駒の利きを優先してしまう僕は絶対に角なんですが、そうすると「△64同角には▲3五飛△2四銀▲6五飛△7三桂▲6六飛と飛車を6筋に転回して捌きを目指す順」があるんだそうで。いやあ、棋譜中継の解説はマジでありがたい、恐ろしく勉強になる。。

△64同歩▲35角△34歩▲57角
 しかし、羽生さんの選択は歩で取る順でした。これだと後手は馬を作れるのが先延ばしになっちゃうけど、守る構想で行ったのだから徹底的に守る、という事かなあ。これは真似したくないというか、受けに自信がある人じゃないと指せない順の気がする。。後手の角道が止まったので、先手は悠々と3筋の歩を外して、そのまま角を引きあげ。角の引き場所は▲68角もあったと思いますが、宮田新手に行った以上は57~66のルートは狙いたいところなんでしょうね。5筋の角頭が恐い気もするけど…ああそうか、△52飛と回して来れば▲63銀で勝負ありですね、なるほど。

20140724王位55-2_木村一vs羽生_矢倉60手△24歩(60手目盤面図)▲12歩△同香▲24角△23銀▲46角△24歩

 後手陣は次に▲14歩と打ち込まれたらどう見ても崩壊。どう受けるのかなと思ったのですが、ここの受けの定跡は見事!これは丸覚えだな( ̄ー ̄)。「大駒はひきつけて受けよ」というやつですね。△24歩で角を呼び込んででおいてから△23銀、先手は角を逃げるのに一手使わざるをえないので、そこで改めて△24歩。いやあ、このリペア術は素晴らしい。
 先手も素晴らしい工夫。いきなり取るのではなく、一度▲12歩△同香の交換を入れてから切り取りました。こうして香を吊り上げておけば…

▲13歩△同桂▲15香△14歩(70手目)
 ▲13歩が香に当たるので、桂をタダで抜かれなくて済むという訳ですね(^^)。で、後手もこれを△13同香で抜くと、▲同桂成△同桂▲17香打で決まっちゃいそう。で、最後の△14歩で70手ですが、これもまだ定跡の範囲なんだそうで(^^)。う~ん、矢倉はマジで奥が深いなあ。。しかしまだまだ定跡順は続いて…

▲33歩△31金▲32銀△15歩▲43銀成△同銀▲63金△25歩▲同歩△42銀▲24歩△14銀(82手)

 ▲33歩以下の攻撃は、矢倉戦でいかにもありそうな攻撃手順。駒損覚悟で攻め潰す事になるおで、後手はここを凌げば勝ち、先手はここで攻めきれれば勝ち、という感じだと思います。僕程度のレベルのアマだと、この手の攻撃を受け切るというのは容易ではなくって、だから駒の交換が入った後の矢倉崩しを先着できる先手が勝つことが多い気がします。ちなみに、この82手目でもまだ定跡順なんだそうで。す、すげえ…。いつも思うんですが、プロはこれを平然と指しこなしていますが(今回の羽生さんもパンパン指していた)、アマってどれぐらいまで定跡順を覚えているものなんだろうか。この定跡は素晴らしすぎるので頑張って丸覚えしちゃおうと思いますが、1か月後に覚えている自信がないぞ。。

20140724王位55-2_木村一vs羽生_矢倉92手 ちょっと進んで92手目。ここで木村さんと羽生さんの双方に凄い指し手が出ました!まずは木村さん。羽生さんに受け切られ、ついに後手の反撃という状況に見えたんですが…

▲75歩
 うああ、ここで手を変えて桂頭攻めか!!う~ん、もう良くても悪くても▲71角あたりから一気に決戦に行っちゃいそうですが、ここでこんなゆっくりした手を指すとは。しかも数少ない守り駒の歩を伸ばすのは、怖すぎるだろ。しかしこれを後手の立場から見てみると…受からないんじゃないか?じゃ、受けずに攻め合いといくなら…アホな俺には▲25香しか見えない。速度的には行けそうですが、駒が足りるかどうか分からんなあ。…足りなそうだなあ。。これは羽生さん参ったか。ここで羽生さんが何を指したかというと…

△26歩
 うああああああああ~~~!!!!なんだこれはw(゚д゚* )w。。いやあ、まったく意味が分からないぞ、いきなり何もないところに歩を打ち込みやがった。…窪田6段曰く、「上部開拓しつつ▲7四歩を誘い好条件で△8四飛と浮く意図」との事。いやあ、こんな部分的な手筋があるのか、知らなかった。。

 以降の攻防戦は、素人目にはもう圧倒的な先手よし。後手の羽生さんは飛車を9筋に追いやられて動きを封じられ、急所のラインに角を打ち込まれ、もう入玉して逃げるしか可能性は残されていないような状況。プロの解説コメントも、後手玉の寄り筋が書き込まれているほどですが…もう、どこで逆転が起きたのかさっぱりわからないうちに、羽生さんが逆転!!なんと、最後の最後で遊ばされた9筋の飛車が決め手になるという合理性。あれ、どこまで分かって指していたんだろうか、信じられん。。木村さんに悪手があったようには全く見えなかったんですが、162手にて羽生さんの勝ち!

 とにかく、記事で書かなかった終盤が凄すぎる。僕には全く理解できなかったから、書けなかったのですが(^^;)、すごいの一言、夜中にパソコンの前で感動しております。。大名局だったんじゃないでしょうか。もし、未来に「羽生名局集」みたいなのが出版されるとしたら、この一戦は大逆転劇として間違いなく採用してほしい。

 これで王位戦は1勝1敗の5分、しかし優勢のこの将棋を落とした木村さんのショックは大きいんじゃないでしょうか。一方の羽生さんは負け将棋を拾ったのが大きい。でも、このまま矢倉シリーズになったら、まだまだ分からない気がします。分かったのは、今の木村さんが、もしかすると森内さんや渡辺さんよりも強いかもしれないほどの絶好調である事。この王位戦の木村さんの将棋を見て、『木村の矢倉』を読みたくなったのは僕だけではないはず(^^)。しかし…今の羽生さんの終盤は凄すぎる。なんか、竜王戦の挑戦者も羽生さんで決まってしまう気がするなあ。7冠とはいかないまでも、5冠ぐらい行っちゃうんじゃなかろうか。


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コメント

 

すごかったですね!王位戦。木村八段強いですね。私は矢倉の勉強は木村八段の本と森内竜王の「矢倉の急所」所司八段の「早分かり相矢倉定跡ガイド」でやっていてとてもオススメです!
  • ユダオ 
  • URL 
  • 2014年07月25日 11時14分 
  • [編集]
  • [返信]

Re: タイトルなし 

 ユダオ様、書き込みありがとうございます。

 王位戦は凄かったですね。木村さん強い。…が、羽生さんのあの終盤力はちょっと異常です。なんであの状態からプロ相手に逆転が出来るのか、まったく理解不能でした。いまだにどこでひっくり返ったのか、僕にはよく分かっていません。

 おお、「木村の矢倉」を読んでいらっしゃいましたか!私も、いずれ読んでみようと思っています。

  • ShougiX 
  • URL 
  • 2014年07月25日 22時08分 
  • [編集]
  • [返信]

はじめまして。 

ShougiXさん、はじめまして。
将棋を観る派から指す派になって1カ月の初心者(ウォーズ3級、24Rは100前後)が強くなるために先人のブログを辿っていたら、ここにたどり着きました。

お尋ねしたいのですが、将棋の本(特に定跡書)を読むのに苦労された経験はございませんか?私は法律をやっているので情報の体系化や論理力には自信があったのですが、将棋の本の内容がさっぱり頭に入ってこず、10冊弱ある定跡書で読破できたものがありません…。いつも適当な右四間飛車をやっては指す手に困って負けています。

そんな初心者ですが、ShougiXさんのブログからかなりの量の書籍を読みこまれた軌跡が窺えたので、アドバイスを頂きたく、書きこませていただきました。

これからも購読して初段を目指したいと思いますので、更新頑張ってください!

Re: 定跡書の読み方 

Lexis様、はじめまして、そしてこんにちは。書き込みをいただき、ありがとうございます!

> 将棋を観る派から指す派になって1カ月の初心者(ウォーズ3級、24Rは100前後)が強くなるために先人のブログを辿っていたら、ここにたどり着きました。

なるほどなるほど、有難うございますm(._.)m。
ちなみに、駒の動かし方も分からない所から勉強し始めて1か月なのでしょうか、
それとも定跡は知らないまでも将棋を指す事はできたのでしょうか。


> お尋ねしたいのですが、将棋の本(特に定跡書)を読むのに苦労された経験はございませんか?私は法律をやっているので情報の体系化や論理力には自信があったのですが、将棋の本の内容がさっぱり頭に入ってこず、10冊弱ある定跡書で読破できたものがありません…。いつも適当な右四間飛車をやっては指す手に困って負けています。

そうですね、似たような質問をいただいた事がありますので、近々それについての記事をアップするようにしますね。
とはいうものの、僕もたかだかアマチュアの分際なので、良いアドバイスを出来るかどうか、自信がありませんが(^^;)。

しばしお待ちを。。
  • ShougiX 
  • URL 
  • 2014年07月26日 22時44分 
  • [編集]
  • [返信]

 

素早いレスポンス、ありがとうございまず!
将棋は観戦はしていたので、将棋を指すこと自体はできる、という程度でした。
たまに24で観戦しても定跡通り進んでいるものはほぼなく、定跡の有用性についても疑問を持っている状態です。

記事化していただけるということで、楽しみにしています☆

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Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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