2014年05月27日 [火]
横歩取り 青野流vs△41玉型の落とし穴
正調角換わりの勉強が一段落し、一時的に横歩取りの勉強に戻っています。なんで苦手な戦型対策よりも先に、いちおうひと段落する所まで勉強して、勝率も悪くない横歩取りの勉強を優先したかというと…青野流です。先手番横歩取りの時、僕は△33角に対して間違いなく▲36飛と飛車を引いて来たんですが、もし飛車を引かない青野流が成立するんだったら、先手は△33角型での戦型選択権を持つことが出来ます。そうなると、玉型とか飛車の引き場所とか、あるいは▲87歩保留とか、変化がべらぼうに多い横歩取りでの勉強量を一気に減らすことが出来る、と考えたわけです(゚∀゚*)エヘヘ。横歩は大好きだし比較的得意な戦型に入るんですが、定跡がどんどん進化するので、ついていくのがけっこう大変なのです。しかも、青野流の勉強は、どの横歩の教科書でも、分量がそんなに多くないというのも魅力(^^)。
そして、定跡書やプロ将棋の棋譜を検討で密かに進めていた青野流の勉強が終わり、いよいよ生まれて初めてネット将棋で青野流を指してみました!!
青野流のデビュー戦の相手は、いきなりの高段者でした(だって、挑戦してきたんだもん;。;オネエ口調)。△33角に対して▲52玉として飛車を引かない時点で青野流が決定。後手の対策は色々とあるのですが、僕の勉強した本だと、青野流に対しての△41玉はあまりよくない手で、更に△22銀と△41玉の組み合わせになると最悪。こうなった場合に咎める順も、定跡書にはバッチリ書いてあって、これはちゃんと覚えていました。この高段の方、自分より弱い相手だと思って、わざと緩い手を指したのかと思いました。が…
▲36歩(19手目)△22銀
…マジか?この形、完全に先手優勢決定コースなんですけど( ̄ー ̄)。こうなると読みを入れる必要すらなく、定跡手順を淡々と指し続けるだけです。定跡書に書いてあった定跡順というのは…
(定跡手順)
▲37桂△62銀(ここは変化の余地があるけど、本譜はこう進んだ)▲23歩△同金▲33飛成△同桂▲24歩△同金▲33角成△同銀▲77角△89飛成▲33角成
途中、飛車切りからの捌きになるので怖い踏み込みなんですが、最後の▲33角成が決まると詰めろ金取りになって先手優勢。アマチュアなら優勢どころか勝勢かも。そんなわけで、定跡書には△22銀41玉の形が悪すぎという事で、説明すら省いているぐらいの悪形だったんですよ。ところが、実践では全く違った展開になってしまいました。
(本譜の手順)
▲37桂△62銀▲23歩
ここまでは定跡と同じ。完全に勝ったつもりで、お茶なんか飲んじゃって、「悪いね、お疲れ様」みたいな気分(^^)だったんですが…
△88角成(24手目)
えええええ?!ここで角交換?いや、そんなの定跡本には書いてなかったぞ。。いや、でも、如何にもありそうな筋だし、書いてなかったという事は、当たり前のように先手が良くなる順があるんじゃないか?僕は早くも大長考。しかし…これ、本当に先手よく出来るのか??自然な順は▲同銀△23銀で、ここで飛車を引いたら角の打ち込みが厳しいので以下▲77角△34銀▲86角の大駒の総交換か。しかしその瞬間に玉形は後手の方が良く、更に先手の角の位置が悪い、というわけですね。いやあ、それだと後手十分だろう。さすがにこの順は選びたくないぞ。。で、大長考の上に選んだ順が…
▲32飛成(25手目)△同玉▲88銀
飛車切りで玉を呼んでから角を切り取りました。で、僕の読み筋はここで△23玉。なぜなら、△23銀だと▲77角がすこぶる厳しく思えたからです。しかし本譜は…
△23銀
えええ?!それだと▲77角で先手いいんじゃないかい?それとも▲77角だと先手マズい順があるのか?…そうか、▲77角には△76飛か!!これは参った…。しかし、手を繋げない事にはいっぺんに負けだぞ…。しかし、さきほど長考に陥った僕に、時間はそれほど残されていませんでした。
▲22金(29手目)
これは△同玉としてくれれば▲77角の王手飛車になるという狙い。玉を逃げても後手は壁形なので、23の銀を切り取って先手悪くないんじゃないかと思った次第。しかし、どうもこれが敗着みたいでした。というのは…
△22同玉▲77角(王手飛車)△33歩▲86角(飛車取り)
後手の選択は王手飛車の受け入れ。しかし、先手は先に駒損したので、この飛車取りは駒得じゃなくって、駒損の回復というだけなんです(- -*)。ここで手番が後手になり、あとは蹂躙されまくって完敗でした(×_×;)。
◆◆◆◆◆
まず、この順が失敗だったとして、いちばん最初に疑うのが25手目▲32飛の飛車切り。しかし、ここで飛車を切らない変化は、やっぱり後手十分に思えます。
次に疑うのは29手目の▲22金。これで駒の損得を回復できたとは言えるんですが、その瞬間がコマの働きも玉形も手番も後手がいいとなれば、やっぱり後手十分以上の状況だったんじゃないかと。で、あそこで▲22金に代わる手があるとしたら…
(29手目、▲22金に代えての候補手)
①先に▲77角と打つ →やっぱり△76飛が厳しそう
②手を戻して▲87銀と受ける →飛車を引かれて何でもなく、飛車金交換の駒損
③金ではなくて▲22歩と打ち込む
検討する価値があるとしたら③でしょうか。▲22歩の場合、王手ではないので検討から外すどころかぜんぜん見えてなかったんですが、放置すると結構うるさいですよね。で、金打ちと同じように△22同玉と切り取ると、それこそ▲77角打ちで大きく駒得になるので、今度はさすがに先手十分になるんじゃないかと。じゃ、単に△33桂と逃げると?これが玉のコビンを閉める事にもなっていい手に思えるんですが、そこで▲77角または▲21歩成~▲77角は?…いやいや、▲77角には常に△76飛があるんだよなあ。じゃ、先に▲87銀と飛車を追い払ってから…いや、それはそもそも▲77角が飛車取りにならないのか。いや、銀で追ってからだと、意外と面白い?…いろいろ考えた結果、ちょっとやって見たいと思ったのは、こんな順です。
(24手目△88角成以降の指し手)
▲32飛成△同玉▲88銀△23銀▲22歩△33桂▲21歩成△同玉▲87銀(33手目盤面図)
ここで問題は後手の飛車の引き場所。
①△82飛か△83飛:▲56角で飛銀の両取り(△82飛と引かれたら歩で一発叩く)
→これは先手悪くないんじゃないかと。
②△84飛:▲66角で飛桂の両取り(△34飛と受けて来たら▲35金でどかす)
→これも先手悪くないんじゃないかと。
③△85飛:▲77桂で、飛車が下がればやっぱり角打ち両取りの筋に合流。
横に逃げるとすると?真ん中はやっぱり角打ちの間接両取りになるので、▲15飛か▲95飛で難しいという感じでしょうか。(*追記:▲77桂と桂跳ねすると、△89飛の打ち込みが発生してしまう事に気づきました。でも▲86歩で飛車を追うのは歩切れがキツイ・・・。難解です。。)
う~ん、これを持ち時間15分切れ1分の将棋で発見するのは不可能だわ。。しかし、ほとんどノータイムで、そんなに古くない定跡書ですら「先手優勢」と検討を打ち切った順に踏み込んできて、あっという間に優勢にしてしまったあの人、いったい何者だったんでしょうか。。
今回は、有名な定跡本にも書かれてなかった青野流の変化だったもので、知らない人は一発喰らう可能性があるので気をつけてください、という記事でした。。だれか、24手目△88角成に対する正着を知っている人がいたら、教えてくださいませm(_ _)m。しかし、新戦法投入のデビュー戦で勝てた試しが無いな、俺って。。将棋って、難しいです(泣)。
そして、定跡書やプロ将棋の棋譜を検討で密かに進めていた青野流の勉強が終わり、いよいよ生まれて初めてネット将棋で青野流を指してみました!!

▲36歩(19手目)△22銀
…マジか?この形、完全に先手優勢決定コースなんですけど( ̄ー ̄)。こうなると読みを入れる必要すらなく、定跡手順を淡々と指し続けるだけです。定跡書に書いてあった定跡順というのは…
(定跡手順)
▲37桂△62銀(ここは変化の余地があるけど、本譜はこう進んだ)▲23歩△同金▲33飛成△同桂▲24歩△同金▲33角成△同銀▲77角△89飛成▲33角成
途中、飛車切りからの捌きになるので怖い踏み込みなんですが、最後の▲33角成が決まると詰めろ金取りになって先手優勢。アマチュアなら優勢どころか勝勢かも。そんなわけで、定跡書には△22銀41玉の形が悪すぎという事で、説明すら省いているぐらいの悪形だったんですよ。ところが、実践では全く違った展開になってしまいました。
(本譜の手順)
▲37桂△62銀▲23歩
ここまでは定跡と同じ。完全に勝ったつもりで、お茶なんか飲んじゃって、「悪いね、お疲れ様」みたいな気分(^^)だったんですが…

えええええ?!ここで角交換?いや、そんなの定跡本には書いてなかったぞ。。いや、でも、如何にもありそうな筋だし、書いてなかったという事は、当たり前のように先手が良くなる順があるんじゃないか?僕は早くも大長考。しかし…これ、本当に先手よく出来るのか??自然な順は▲同銀△23銀で、ここで飛車を引いたら角の打ち込みが厳しいので以下▲77角△34銀▲86角の大駒の総交換か。しかしその瞬間に玉形は後手の方が良く、更に先手の角の位置が悪い、というわけですね。いやあ、それだと後手十分だろう。さすがにこの順は選びたくないぞ。。で、大長考の上に選んだ順が…
▲32飛成(25手目)△同玉▲88銀
飛車切りで玉を呼んでから角を切り取りました。で、僕の読み筋はここで△23玉。なぜなら、△23銀だと▲77角がすこぶる厳しく思えたからです。しかし本譜は…
△23銀
えええ?!それだと▲77角で先手いいんじゃないかい?それとも▲77角だと先手マズい順があるのか?…そうか、▲77角には△76飛か!!これは参った…。しかし、手を繋げない事にはいっぺんに負けだぞ…。しかし、さきほど長考に陥った僕に、時間はそれほど残されていませんでした。
▲22金(29手目)
これは△同玉としてくれれば▲77角の王手飛車になるという狙い。玉を逃げても後手は壁形なので、23の銀を切り取って先手悪くないんじゃないかと思った次第。しかし、どうもこれが敗着みたいでした。というのは…
△22同玉▲77角(王手飛車)△33歩▲86角(飛車取り)
後手の選択は王手飛車の受け入れ。しかし、先手は先に駒損したので、この飛車取りは駒得じゃなくって、駒損の回復というだけなんです(- -*)。ここで手番が後手になり、あとは蹂躙されまくって完敗でした(×_×;)。
◆◆◆◆◆
まず、この順が失敗だったとして、いちばん最初に疑うのが25手目▲32飛の飛車切り。しかし、ここで飛車を切らない変化は、やっぱり後手十分に思えます。
次に疑うのは29手目の▲22金。これで駒の損得を回復できたとは言えるんですが、その瞬間がコマの働きも玉形も手番も後手がいいとなれば、やっぱり後手十分以上の状況だったんじゃないかと。で、あそこで▲22金に代わる手があるとしたら…
(29手目、▲22金に代えての候補手)
①先に▲77角と打つ →やっぱり△76飛が厳しそう
②手を戻して▲87銀と受ける →飛車を引かれて何でもなく、飛車金交換の駒損
③金ではなくて▲22歩と打ち込む
検討する価値があるとしたら③でしょうか。▲22歩の場合、王手ではないので検討から外すどころかぜんぜん見えてなかったんですが、放置すると結構うるさいですよね。で、金打ちと同じように△22同玉と切り取ると、それこそ▲77角打ちで大きく駒得になるので、今度はさすがに先手十分になるんじゃないかと。じゃ、単に△33桂と逃げると?これが玉のコビンを閉める事にもなっていい手に思えるんですが、そこで▲77角または▲21歩成~▲77角は?…いやいや、▲77角には常に△76飛があるんだよなあ。じゃ、先に▲87銀と飛車を追い払ってから…いや、それはそもそも▲77角が飛車取りにならないのか。いや、銀で追ってからだと、意外と面白い?…いろいろ考えた結果、ちょっとやって見たいと思ったのは、こんな順です。

▲32飛成△同玉▲88銀△23銀▲22歩△33桂▲21歩成△同玉▲87銀(33手目盤面図)
ここで問題は後手の飛車の引き場所。
①△82飛か△83飛:▲56角で飛銀の両取り(△82飛と引かれたら歩で一発叩く)
→これは先手悪くないんじゃないかと。
②△84飛:▲66角で飛桂の両取り(△34飛と受けて来たら▲35金でどかす)
→これも先手悪くないんじゃないかと。
③△85飛:▲77桂で、飛車が下がればやっぱり角打ち両取りの筋に合流。
横に逃げるとすると?真ん中はやっぱり角打ちの間接両取りになるので、▲15飛か▲95飛で難しいという感じでしょうか。(*追記:▲77桂と桂跳ねすると、△89飛の打ち込みが発生してしまう事に気づきました。でも▲86歩で飛車を追うのは歩切れがキツイ・・・。難解です。。)
う~ん、これを持ち時間15分切れ1分の将棋で発見するのは不可能だわ。。しかし、ほとんどノータイムで、そんなに古くない定跡書ですら「先手優勢」と検討を打ち切った順に踏み込んできて、あっという間に優勢にしてしまったあの人、いったい何者だったんでしょうか。。
今回は、有名な定跡本にも書かれてなかった青野流の変化だったもので、知らない人は一発喰らう可能性があるので気をつけてください、という記事でした。。だれか、24手目△88角成に対する正着を知っている人がいたら、教えてくださいませm(_ _)m。しかし、新戦法投入のデビュー戦で勝てた試しが無いな、俺って。。将棋って、難しいです(泣)。
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こんにちは(^ ^)
この順は強襲が成功したとは言えないと思います。
いろいろ考えたのですが、自分なら25手目は▲88同銀とすると思います。以下△23銀 ▲35飛で△26角には▲87銀(▲66角狙い)、△44角なら▲87歩 △76飛 ▲77銀でしょうか。
この展開はお互い低い陣形で端の突き合いもないので、大駒を打たれる隙を作った方が不利になりやすいですよね。居飛車党の私にはとても興味のある内容でした。25手目の最善手がわかったらお教えくださいm(__)m ではまた!