第63期王将戦 第7局 羽生善治 vs 渡辺明 (ゴキゲン中飛車)

 最終局にまでもつれた王将戦。泣いても笑っても、勝った方が王将です!渡辺さんが勝てば2冠、羽生さんが勝てば4冠か、どちらもすごいな。そして最終局の振り駒は…おおっ!羽生さんが先手、そして…なんと渡辺さん、再びゴキゲン中飛車を投入です!!最近後手番でちょくちょくゴキゲン中飛車を指す渡辺さんですが、対振り飛車戦の勝率が異常に高い羽生さん相手に、しかもタイトルをかけた大一番で連投というのは、なにか狙いの筋があるのでしょうか。ちょっと不気味…。

 さて、第4局では超速▲37銀戦法から中飛車を破った羽生さんですが、今回先に手を変えたのは、なんと4局で勝ったはずの羽生さんの方。やっぱり不気味なんだろうな…。そして羽生さん、穴熊に組みました!!おおお、対中飛車に穴熊とは僕と同じじゃないですか!プロは超速▲37銀が多いので、中飛車の穴熊戦を見る事が出来るのは貴重かも。と思ったら…なんと、渡辺さんも穴熊?!はやくも訳わからなくなってまいりました(^^;)。

20140326_36手 しかし、羽生さんの穴熊が面白い。対中飛車の穴熊って、面白い組み方になるものが多いですよね。今日の羽生さんの穴熊は、金の位置が一路違っていて、8筋じゃなくって7筋に並んでる。そういえば、今期のNHK杯で、渡辺さんを破った時の広瀬さんの四間飛車穴熊も、こんな組み方をしていました。たしかにこれだと穴熊にしつつ中飛車の5筋も受けられるなあ。メモメモ。。さて、この相穴熊、どちらも玉のコビンのラインの歩があいているのがおっかない。これは、既に角のラインが直撃している振り飛車側の方が指しやすそうに見えるなあ。これは相穴熊戦とはいえ、けっこうはやい決着になるかもしれません。。
 そして、ここからの中盤戦がもの凄い濃さで、一手一手にもの凄い駆け引きが。

▲86角△84歩

 86への角あがりは対中飛車戦でよく見る手ですが、相手が穴熊でも使えるのか。で、それに対する渡辺さんの△84歩がえらい強気の手。角を追い返そうという狙いだと思うのですが、先手玉の玉頭攻めにもなりますが、後手玉の穴熊の守りの歩が上ずるという諸刃の剣。いや、この手が勝敗を分けてしまったのだから、中盤の構想というのがどれだけ大事かという事を、改めて思い知らされました。。

▲38飛△51角

 この手の交換も面白かったです。先手は3筋攻め、後手は角の転換を図る手の交換。この一手で、互いの構想がはっきりしました。しかし、あの角を活用される展開になると、コビンがあいているのと、玉頭攻めになっているのが怖いなあ。先手は、玉頭攻めに対するカウンターは考えておきたい。出来れば、先手はやっぱり69の金だけでもいいから穴熊にくっつけて88の銀を補強しておきたいところだけど、そこに手を加えている暇がないかも。

▲35歩△85歩▲77角△35歩▲同銀

 うおお!!羽生さん、囲うより先に仕掛けた!!解説の中村さんも同じ手を推奨していたので、穴熊を堅くしていると、プロの目では後手からいい手があるんでしょうね。また、渡辺さんがそれをいきなり受けず、角を追い返し玉頭攻めにいってから歩を取り返しました。いやあ、こういう手順の尽くし方がプロは綿密だ。いやあ、さっきから別の戦場での速度合戦になっているんですが、こんな遠い段階から速度計算なんて、アマチュアにはとても無理です。。

△45銀

 うおお、後手は銀を取らないのか?!ここで突然曲線的な手を指すという事は、先手の方がいいと見ているのでしょうか?…いや、この3筋の戦場を決着させず膠着状態にしたまま捨て置いて、自分だけ玉頭攻めを専攻しようという事なのかもしれません。玉頭攻めなら、先手は手抜けませんからね。いやあ、これはスゴイ。。上手くいくかどうかは分かりませんが、これは渡辺さんの構想がいいように思えるぞ。

20140327_70手 こんな調子で、中盤は互いの主張を通そうとする意地の張り合い。そして70手目、とうとう渡辺さんの角が捌け、55の八方睨みとなります。まさに渡辺さんの構想勝ちですね。玉頭も押さえ、穴熊の弱点であるコビンから角のラインも利かせた後手に不満はなさそう。問題は先手の羽生さんの攻めですが、崩す手順はいくらでも見えますが、問題は速度。これぞ穴熊の暴力ですね。

▲53歩
 なるほど~、△53同飛と取らせて▲72歩で勝負か!しかしこれ、どっちが速いんだろうか…

△87歩成
 うおお、渡辺さん、手抜いた!!いや、ここで踏み込むという事は、渡辺さんは読み切ったか?!

▲同金△86歩▲同金△85歩
 渡辺さん、金を歩で叩きまくっております(^^;)。羽生さんの金が吊り出されていく、と思ったら…

▲52歩成
 うおお、ここで羽生さんは金を見捨てて飛車を取りに行ったああ!!いや、このタイミングか。

△86歩▲66歩
 いや、この羽生さんの▲66歩が個人的には難しすぎる一手でした。何度も見返しているんですが、いまだに意味が分かりません。▲77歩なら手順に金を穴熊にくっつけられるので分かるんですが…。なんか、既に悪くって、紛れの生まれる手だったとか、そういうフワッとした手だったのかもしれません。

△87歩成
 渡辺さん、踏み込んだ~~!!以降は手数こそ長いものの、渡辺さんの流れるような寄せが決まり、110手にて後手渡辺さんの勝利。渡辺さん、王将をフルセットの末防衛、2冠を死守しました!!

 う~ん、この将棋、遡れば、なんと37手目からの▲86角△84歩▲38飛△51角という手の交換の時点で、実は後手の作戦勝ちだったのかもしれません。▲86角なんて対中飛車でいくらでも出てくる、とても自然な手に見えたんですが…いやあ、中盤って、恐ろしいな。。それにしても、中盤の構想の時点で、なんと既にどちらが速いかという構想合戦になったと恐るべき将棋でした。こんなの、100年経っても僕は指せるようになれる気がしません(^^;)。いやあ、このふたりの強さは、ちょっと桁外れであると感じました。面白かった!!
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Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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