第39期棋王戦 第3局 渡辺明 vs 三浦弘行 (横歩取り)

 2連敗ではやくもカド番に追い込まれた三浦さん。しかも、悪い事にこの第3局は後手番です。ここは何とか得意の横歩に誘導出来ればという感じでしょうか。そして戦型は…おおお!横歩になりました!しかし相手の得意戦型に飛び込んで受け止めるとは、渡辺さんはすごい自信だな。なんか、王将戦の羽生戦を計算に入れての選択の気がします。鬼神のように読みの冴えわたっている今の羽生さんと、力将棋になり易い横歩は指したくないでしょうしね。

 しかし、横歩取りは見ても指しても一番面白いです。玉型と飛車の位置というふたつの組み合わせだけで、序盤からすぐに前例ナシの力将棋に突入するところがイイ!!また、攻め筋も幾つもあって、角換わりの腰掛け銀なんかだと攻め筋は限られるのに、横歩は色んな手筋や攻め筋を組み合わせながら、多彩な攻めを考えられるのが楽しいです(^-^)g。

20140316_33手 今日も、そんな横歩の特徴が思いっきり出たような将棋になりました。いくらでもありそうな形なのに、33手目にしてなんと前例がないとの事。う~ん、これは序盤にしてメチャクチャ面白い形だぞ。。互いに端歩を突いていないので、端歩の突き捨てから香頭を叩くというような筋はお互いにナシ。先手の狙いは角頭とか2筋の叩き辺り…かな?一方の後手も結構いい形に見えるなあ。後手は8筋の攻めが本筋っぽいけど、飛車を振るというのもあり得そうです。桂を跳ねての玉頭攻めはなさそうかな。ここに互いに桂跳ねや角交換を絡めて来る筈なので…いやあ、この盤面図、見ているだけでワクワクしてきます。。で、先に仕掛けたのは…おお、後手の三浦さんです!!

△86歩▲33角成△同桂▲88銀△35飛

 △86歩とされたら、もう角交換は必然なんでしょうね。しかし、その後で後手がどうするのか楽しみに見ていたんですが…なるほど、△35飛で歩を補充するのか。で、手抜いてくるようなら△15角あたりで先手陣右辺は崩壊なので、先手は受けなくちゃいけない。受けてくるようなら、飛車を戻して8筋攻め…かなあ。

▲28飛

 いや、この飛車はシブい。つまり先手は、手番が来たらすぐに2~3筋の攻めを狙っているという事かな?

20140316_43手△87歩成▲同銀△86歩▲98銀(43手目盤面図)

 後手、これはいい攻めだ!先手は非常に嫌な形にされました。僕ならここで迷わず△55角で強引に突破しますが、なんとここで三浦さんが長考。

△45桂▲46銀△27歩▲同飛△38角

 三浦さん、利かせた先手の左辺は一段落と見て、今度は右辺を崩しに出ました!これがまた凝った手順で、△38角の打ち込みの所では、飛車交換か馬成り確定かのどちらかは保証されている感じ。この順はさすがプロ、すごいなと思ったんですが、気になったのは、なぜここで長考して、非常に凝った手順で模様を張りにいったのかという事。これは△55角ではマズい変化があった?それとも、先手からの2~3筋の反撃の方がキビシイと見て、先に2~3筋の戦場を先手陣寄りの場所で起こして、飛車を抑え込みに行った?で、次の渡辺棋王の手がビックリでした。

▲24飛
 信じられん。。渡辺さん、金を取られた上に馬を作られる順を選んででも、飛車を2筋からどかそうとしません。塚田さんの解説だと、さっきの△27歩に対して▲48飛でも先手十分ではないかとの事。それを敢えてこのデンジャラスな順を選ぶという事は…

△49角成▲35銀
 後手は金を取って馬を作った代わりに、飛車を渡しました。しかし、後手陣には飛車の打ち込み場所がないぞ…

△48馬▲46銀△57桂成
 三浦さん、踏み込んだ~~!!寄せ切るには駒が足りなそうだけど、先手陣をムチャクチャにすることが出来そうだぞ。。しかし…ここからの渡辺さんの受けが凄まじかったです。

▲同銀△58金▲77玉△57馬
 渡辺さん、すごいわ。。寄らないと読み切っての危険な変化への誘導だったか。なんか、この前の王将戦の羽生さんを思い出しました。そして、ここで手番が渡辺さんに!

▲33歩
 いやあ、横歩取りの手筋中の手筋ですが、これは受けにくいでしょう。。ここで三浦さんはどんな手をひねり出すか。

△31金
 …う~ん、普通に引いちゃいましたね。他に有効手があったのかどうか分かりませんが、金を引くようだと既に先手いいんじゃないかなあ。
 で、ここからは渡辺さんの怒涛の寄せ!!最後は詰め将棋のような華麗な銀捌きを決め、85手にて渡辺さんの勝利!!いやあ、これは▲33歩の時点では既に先手が良かったように見えます。じゃ、桂を跳ねないと?そうしたら▲34歩がさらに厳しかったと思うので、さらに遡ると…左辺を押さえた後に右辺に展開した構想がまずかったのか?いや、このあたりはアマチュアの僕ではまったく分かりません(^^;)。しかし、一貫していたのは、超序盤の先手の駒組み▲68玉33銀と、渡辺さんが絶対に譲らなかった2筋の飛車です。▲33銀と右銀を攻めに使いやすかったのは、玉を6筋に構えて、一路左辺に寄せたからなんでしょうね。もう、この駒組みと構想が完全に一致していて、最後までぶれませんでした。いつも方針転換ばかりしている僕なので、こういう将棋って憧れるなあ。いや、これはメチャクチャ勉強になりました。今度、▲68玉型から▲33銀と指してみよう。。

 しかし、この棋王戦は、いずれも渡辺さんの圧倒的な強さばかりが目立ったように見えました。メチャクチャ強い。三浦さんだってA級棋士ですよ。しかも、タイトル戦出場だって初めてという訳じゃない。その三浦さんの得意戦型である横歩で戦って、1局も3局も渡辺さんが圧倒してしまうんだから、とんでもない実力なんじゃないでしょうか。いやあ、こんな化け物を、羽生さんや森内さんは倒しているのか。。今の将棋界は、羽生・森内・渡辺の3人が、ちょっと段違いに強いんじゃないか、そんな印象を覚えた棋王戦でした。

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Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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