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第63期王将戦 第6局 渡辺明 vs 羽生善治 (急戦矢倉)

 3勝2敗と渡辺さんがリーチをかけた王将戦。追い込まれた羽生さんですが、第6局は羽生さん先手です!さて、ここのところ後手番ではゴキゲン中飛車やら角交換四間飛車やら、振り飛車を連採している渡辺王将ですが、今回は…おおお!!矢倉急戦です!!やっと渡辺さんらしくなってきました。

 序盤から意地の張り合いで面白い。急戦調で進んでいくんですが、お互いに相手の駒組みに付き合わずにどんどん自分の攻め手を優先して指していきます。なんかこれ、見た事あるぞ…。こ、これは…第3局と同じ将棋じゃないですか!あの将棋は、序盤で飛び出した後手羽生さんが△85飛というデンジャラスな手から△62金というこれまた異常な手を指し、それが最終盤になって意味が出てきて勝ってしまったというとんでもない将棋でした。あまりにすごすぎる構想で、とても真似できないと思ったのですが…なんと渡辺さん、第3局で羽生さんが使ったデンジャラスな△85飛戦法をそのままなぞってきたああ!!羽生さんに負かされた手で羽生さんを負かそうという訳か。。そして将棋は37手目までまったく同じ形。そして38手目、第3局では羽生さんが38手目に△62金という鬼手と悪手の紙一重のようなとんでもない金あがりを見せたのですが、ここで本局は分かれ。

20140313_38手△31金(38手目)
 さすがに羽生さんが指した恐怖の△62金は指しませんね。。渡辺さんらしく、まずは玉を固めました。あんまり先まで読めない僕みたいな人間なら、ぜったいこっちの方がいいよなあ。。

▲77角△33角
 先手はガッチリいきたいでしょうから、壁形を解消しつつ8筋の守りも良くなる羽生さんの▲77角は理解。しかし後手の渡辺さんは、急戦指向の攻撃でもなく、離れ駒の金をくっつける△51金でもなく、△33角なのか。いや、ここまでは急戦の手順だったとはいえ、実際には急戦を志向しないのか?

▲16歩△51金▲96歩△14歩
 渡辺さん…全然仕掛けません。この辺りの一手の交換はもの凄く濃い駆け引きというか、見ていてメチャクチャ勉強になります。しかし、さっきの△33角の後の、この何でもなさそうな▲16歩△14歩の手の交換が、なんと勝敗に直結する事になろうとは…。しかし、いつ仕掛けるのか、ハラハラなんですけど(^^;)。

20140313_45手
▲15歩(45手目)△同歩
 なんと、仕掛けたのは先手の羽生さん!しかも全く予想外の端攻めだよ。1筋に駒が集まっているのは後手の方なんですが、そこから仕掛けるのか?!信じられん。。しかし、この羽生さんの構想が凄かった。渡辺さんが見事な反撃をしたので、この端歩の突き捨てからの構想が実現するのは随分と先になったんですが、手がつきはじめてからは一気でした。

▲65歩
 おお、端歩を突き捨てておいてから主戦場で仕掛けか!!いやあ、この仕掛けは6筋の攻防と同時に、角交換の意味もありますよね。これが端の突き捨てとどう絡むのか、全然わかりませんが…。。しかし、プロってとんでもなく難解な局面を作るよなあ。

△57歩
 渡辺さんの返しも驚愕の一手!!なんと、△同歩でも角交換でもなく、歩の打ち込みですか!!なるほど、取れば△65桂で桂馬のフンドシか。この歩は嫌だぞ、先手は駒の交換に神経を使わないといけなくなってしまった。。この見事な反撃が効いて、羽生さんは暫く最初の構想を保留しなければならない羽目に。

▲33角成△同金
 角交換、キタ━━━(゚∀゚)━━━!!いや、角交換となると、飛車の横利きが無い分、後手の△85飛が裏目に出ちゃうんじゃないのかなあ。。

▲77桂△82飛
 この飛車の追い返し方は横歩みたいな手順だな。。飛車の横利きが無い分先手が有利かと思ったんですが、角の打ち込みのラインを閉じつつ飛車をバックさせました。…そうか、これで▲71角か?

▲55歩△63銀
 全然違いました(^^;ゞイヤァ。しかし、羽生さんの狙いが何となく分かったぞ。。▲71角は最初の構想から外れてしまうので、それは指さずに保留。しかしその前に、後手の攻め駒を全部追い返し、拠点にされた歩を払おうという狙いなんじゃないか?!

▲45桂△32金▲57銀
 すぐに後手の拠点の歩を取る▲57銀かと思ったんですが、その前に▲45桂と踏み込みました!!これは33の金取りと53の桂成の両狙いなので、後手は両方を受けることが出来ませんが、しかし飛車のコビンが思いっきり空くので、後手の△37角の反撃を呼び込む事にもなります。いやあ、先に桂跳ねを選ぶと、一体何を得するのでしょうか?…もう全然ついていけませんが、少なくとも攻め合いに誘導した事は理解できる気がします。これは凄い将棋になったぞ。。しかしこれで手番が渡辺さんに渡り、後手からの反撃!!

△75歩▲24歩△同歩▲12歩△同香▲64歩
 渡辺さん待望の反撃である△75歩なんですが、羽生さんはそれを手抜いて、攻めを優先!いやあ、今ごろ分かってきました。1筋の歩の突き捨ては、後手玉が矢倉城に入城しないのを見越しての香車の叩きを狙った手。香を浮かせてからの角打ちとか、そういうのかと思ったんですが、狙いははもっと複雑で、更に6筋の攻防で銀を浮かせてからの飛車あがり、それを受ければ更に香を叩いて1筋突破、場合によっては角の打ち込みで玉のコビンから崩す、という感じなんじゃないかと。
 もっと大局的に将棋全体の構造を見ると、こういう感じだったんじゃないかと。5筋交換型の急戦矢倉になったら角が向かい合った交換形になるわけだし、またこの将棋だと、後手玉はたいがい矢倉城に入らない。で、概ね6筋が攻防になるんだから、後手の銀がそこにあがってくるのは見えている。こうなると角換わりの将棋によく出てくる十字飛車の狙いがそのまま使える。更に、玉が入場しないのだから、端攻めの受け駒が1枚少ないので、この2つの狙いをうまくミックスすることが出来れば、5筋交換の後手玉は潰しやすくなる、という事なんじゃないかと。いやあ、これはスゴイ…。で、これを実現するために局地戦でのやり取りが色々あったり、この絵図を実現させないために渡辺さんは違う局面に誘導しようとする、羽生さんはそれを元の狙いに引き戻す、というやり取りであったと思うんですが、ちょっと鳥肌が立ちました。うまく指せるかどうかは兎も角、矢倉急戦での先手番の狙い筋が、初めて理解できた気がします。

20140313_64手 渡辺さんは受け切れないと見たか、ここから受けずに角の打ち込みから反撃、壮絶な叩き合いの終盤戦に。これがまた羽生vs渡辺という最強棋士同士の見事な将棋!盤面図は64手目、羽生さんの例の攻め筋に付き合わず、△39角打から反発したところです。で、ここで羽生さんは…

▲63歩成(65手目)
 なんと、飛車取りを逃げずに踏み込みました!!
いや、これは飛車を犠牲に挟撃形を作った格好ですが、しかしこのスッカスカな玉形で飛車を渡す手はありえないだろう…。あり得るとしたら、先手玉が詰まず、後手玉は詰むという速度計算が出来ているという事になりますが…マジでそんな事があり得るんだろうか。
 案の定、ここから後手の猛攻!飛車を打ち込み、龍を作り、成香と金で玉を挟み、ついに先手玉を詰めろに追い込みますが…ここで手番が先手に渡ります。21手の猛攻の末、たった1手空いただけだったんですが、その1手だけで羽生さんには十分だったようで、そこからは一気の17手詰め!!…すげえ、65手目に飛車を逃げずに踏み込んだ時には、詰みを読み切っていたわけか。17手詰めといっても変化がたくさんあるので、これもまったく簡単でない寄せだと思うのですが、それ以上に、受けで先手玉が詰まないと読み切った所がマジで凄すぎる。。最後は101手で先手羽生さんの勝ちとなりましたがが、勝負は65手目でついていたわけですね。…なんか、とんでもない将棋を見せつけられた思いです。更に言えば、玉が入場しない急戦矢倉の5筋交換型で、△33角とあがった角対抗型にして、▲16歩△14歩の交換を入れた時点で先手の勝ちだった、という事…だったんだろうか。やばい、改めて鳥肌が立ってきた。。

 なんか、すさまじい将棋を見せられました。あまりの凄さに感動してしまった。これで王将戦は3勝3敗となり、遂にフルセットの最終戦第7戦になだれ込みました。羽生vs渡辺の将棋はオモシロすぎるので、フルセットになってくれただけでも大満足。最終局は、どちらが勝ってもいいので、ぜひ素晴らしい将棋にして欲しいです!
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駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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