『5手詰ハンドブック』

5tedumeHandBook.jpg 11月は結構ヒマだったのに、12月は仕事が忙しいです!!一昨日は1日中外出先でせっせと働き、昨日は昨日で朝の7時まで仕事。ね、眠い、この齢で徹夜はキツイな…。おかげでNHK杯の始まる時間には起きることが出来ず。トイレに起きてぼんやりテレビをつけると、ちょうど終盤戦でした。あら?広瀬さんって、居飛車も指すんだ。渡辺2冠を破った四間飛車穴熊が印象的で、てっきり振り飛車党かと思っていました。しかし…これ、広瀬さん勝ってないかい?7手詰に見えるんですけど。。で、ボンヤリしていてよく聞いていなかったんですが、解説も詰みを発見していたように聞こえました。しかし、広瀬さんは詰みを発見できず。広瀬さんって、いまB1でトップ、来期A級昇級の最有力ですよね。いやあ、早指しだとプロでもキツいんだなあ。終盤のクソ下手な僕でも見つけられたという事は、アマチュアでも見つけられたん人はけっこう多いんじゃなかろうか。テレビの前でひっくり返っていた人も多かったりして( ̄ー ̄)。

 さて、この本は7手詰でなく5手詰めの本です。一昨日の仕事の出先は、朝から夜まで現場だったんですが、とにかく待ち時間の多い仕事だったので、詰め将棋の本を持っていって、解いていました。将棋の勉強を始めた今年のアタマごろ、最初に一生懸命やっていた将棋の勉強が詰将棋。最初は3手詰めから始め、この5手詰めの本まで進んだのですが…いやあ、2周しても正答率が5割に届かないような有り様で、これは詰め将棋を解くより先に寄せ方の勉強をしないとどうにもならないな、と思い、以降放置状態でした。で、仕事の待ち時間に読むなら、いつ仕事になってもその場で中止できる詰将棋はいいかな、と思って持って行ったというわけです。
 というわけで、半年ぶりぐらいになるでしょうか、久しぶりに詰将棋を解いてみたのですが…おおっ!!けっこう解けるじゃないですか!!なんで詰め将棋をやってないのに上達してるんだろうか。囲い崩しの本や寄せの本をやったので、なんか応用がきいているんでしょうか?それとも、ネット将棋を指して上達した?プロの将棋を見て上達した?う~ん、理由は分かりませんが、詰め将棋、解けるようになるとパズルゲームみたいで面白いです(^^)。

 さて、詰め将棋本のバイブルのような扱いを受けている浦野さんの『○手詰ハンドブック』のシリーズですが、3手詰めと5手詰めをやった感じでは、あまり差を感じませんでした。もしかしたら、3手詰めがきっちり解けるようになったら、自ずと5手詰めは解けちゃうんじゃないかという気がしました。どうなんでしょうね。で、この浦野さんの詰め将棋ハンドブックをやって、自分で上達できたなあと思えるところが、3つあります。

 第1に、寄せのメソッドを言語化して覚えた気がします。「いきなり全方位検索するのではなくて、まずは急所を考える」「急所と手筋を手掛かりにしてみる」「相手の駒を動かす」「自分の邪魔駒を捨てる」「難しかったら、ありえそうな初手のチャートを頭に描いて整理する」「退路を封鎖する」「両王手は受けにくい」「桂の独特な寄せ方、捨て方」「一見タダ捨てに見える手でも、それを取れない筋を考える」…みたいな感じで、なんか寄せの思考を言語メソッド化して自分の中に確立していった気がしました。いや、言語化しようと思ってそうしたわけではないのですが、詰め将棋をやっていたら自然とそうなった気がします。
 詰め将棋を始めた頃、格言を手掛かりに手を考えるというのは、アナログな方法過ぎて本当の将棋の考え方じゃない、全方位検索が正しい、なんて思っていました。しかし、本将棋でそれをやっていたら、とても間に合わないんですよね。頭の中で分岐図を作ってみると、例えば1手であり得る選択肢が5通りあり、それを5手先まで考えるとなると、5x5x5x5x5で、3125通りを読む必要がある事になります。7手詰めなら?…もう、考えるのも嫌になります(- -*)。まあこれは極端な例ですが、それでも1000通りを超える計算なんて、機械には簡単かも知れませんが、人間には不可能。全方位検索というのは非現実的で、思考する手を絞る必要があります。で、ある種言語的な思考様式を確立するというのは、人間が考えるという条件では実は非合理的どころか合理的なんじゃないかと。「一見タダ捨てに見えても、それを取れない筋」なんていうのは、初心者と中級車の間にある壁のように思いますし、またこれは中盤戦の捻じり合いのコツのひとつのようにも感じるので、寄せ以外の棋力アップにもつながってくれた気がします。

 第2に、寄りそうな形やパターンというものを、リクツではなく感覚で感じる訓練になったような気がします。将棋を指す人ならだれでも「あれ、これは寄るんじゃないの?」という直観みたいなものがあると思うんですが、その「寄りそうな形や条件」みたいなものって、詰め将棋で学習しているような気がします。僕が良く指しているネット将棋では、終盤は1手1分とか30秒とかになるので、この「詰むんじゃないか」という直観がかなり大事だと思うんです。寄せる順があるのにそれに気づかず、詰みを逃して受けに回り、それが敗着なんていうのはしょっちゅう。また、寄らないのに寄せを考えて時間を使っちゃうと、それが命取りになっちゃったりもします。長時間考えることが出来ない僕らアマチュアの将棋にとって、この詰みの有無の直観って、かなり大事な気がします。

 第3に、手っ取り早く終盤の経験値を増やすことが出来たんじゃないかと思います。将棋に強くなる方法って、何が正しいかを学ぶ事と、それを覚える事なんだと思うのです。で、正解を学ぶ為には、いくら実践を繰り返してもダメで、座学や反省が必要。しかし、覚える事は全くその逆で、いくら座学をしてもダメで、何度も何度も実践しないと覚えられない気がします。ほら、日本人って、英語を読んだり書いたりは出来ても、聞いたり話したり出来ないじゃないですか。ところが東南アジア系の人は全く逆で、読み書きが苦手で会話が出来る。これは、座学と実践の差が端的にあらわれた例だと思うんですよ。僕は大学まで卒業させてもらったので、英語の勉強は、座学で10年以上やっていました。で、大学入試でも、英語の本を読むのでも、なんとか読むことが出来ます。しかし…幼児向け番組のセサミ・ストリートの会話ですら聞き取れなかったのです。これって、英語圏では5歳児ぐらいが見ている番組なのに、10年勉強して聞き取れないって(x_x)。それが、仕事で外人さんと一緒に行動しなければならなくなった時に、ひと月ほどでなんとか聞き取れる、話せるようになりました。これは、思考と記憶というのは別の作業であって、記憶というのは頭で考えるのではなく、量を経験しないと覚えられないものという典型例だと思うのです。で、将棋の終盤というのは、思考だけでなく経験も重要になるものだと思うんですよね。どんなに頭のいい人でも、実践無くして終盤が強いという事はありえないと思うのです。で、詰め将棋は実践をものすごく効率的に体験できる勉強法なんじゃないかと。

 逆に、久しぶりに詰め将棋を解いてみて、注意したいと思った事もありました。今年の初めにはじめて将棋を勉強し始めた時と比べると、自分の詰将棋の解き方が変わっている事に気づいたのです。本将棋を指している時とは全く違う条件を追加して、詰め将棋を考えているんです。たとえば、詰む事を前提に考えている。駒を全部使い切る事を前提に考えている…などなど。これがちょっと厄介。「あ、これは龍捨てから入る形の詰将棋を作りたかったんだろうな」とか「この邪魔な銀をどう捨てるかという問題なんだろうな」とか、そういう事を考えちゃっているんです。なんだか詰め将棋のための詰め将棋をやってしまっている気になってきて、複雑な気分になりました。う~ん、こういう事は気にしちゃいけないんですかね?特に厄介なのが、僕が「5手で詰む」という事を、最初から知っているという事。ここで話は最初に戻るんですが、今日のNHK杯の広瀬さん、あれを7手詰だと知っていたら、広瀬さんはあっという間に寄せたと思うんですよ。詰め将棋を解くこと自体を楽しむなら何の問題もないんですが、本将棋のトレーニングのために詰め将棋をするのならば、じっくり詰め将棋を解くというトレーニングはしない方がいいんじゃないかという気がするのです。プロ棋士ですら、詰みがあるかどうかが分からない状況では、詰みを発見できないんですから。寄せのメソッドを自分の中に作るための勉強、第1観で急所に検討をつけるトレーニング…何でもいいんですが、解けなくてもいいので、どうやって詰将棋をやれば本将棋に活かせるか、というところを意識しながら詰将棋をやらないとマズいかも、なんて思ってしまいました。

 やっぱり、詰め将棋って、棋力アップに直結する、良い将棋の学習法のひとつだと思いました。詰将棋をやった事のない初心者の方は、3手詰めからやった方がいいかも。僕は、いま段位まできましたが、それでも3手詰めは難しいので、5手詰めが簡単なんて思わない方がいいと思います。
 あと、詰め将棋って、手軽な所もいいですね。いま僕は、仕事があまりに忙しすぎて、将棋の勉強が中断状態ですが、こういう時でも勉強できるというのも詰将棋のいいところですね。3分でも5分でも時間があれば、いつでもどこでも出来る。
 それから、詰め将棋の本って色々と出ていると思うんですが、この浦野さんの『○手詰ハンドブック』のシリーズは、実戦向きで、また実力アップの為にはちょうどいいバランスなのかも知れないと思いました。図書館にあったある本は、もう芸術的な詰め将棋で、「うわ、こんな順で寄るという事があるのか!」みたいに感動してしまったのですが、しかしこんな例外中の例外を解けるようになる為のメソッドを自分の中に確立するのは不可能なんじゃないか…と思ってしまいました。難しすぎるんですね。逆に、同じ5手詰めでも、簡単すぎる本もありました。簡単すぎると、そもそも棋力アップにならない気がするのです。で、浦野さんの詰将棋は、難しさのバランスが凄く良いような気がします。

 ぼくは序盤定跡の勉強が終わっていないのですが、それがもしひと通り終わったらどうなるんだろう…と思うんですよ。そうなったら、将棋の勉強って、プロ将棋を見て戦型別の定跡の幅を広げる、詰め将棋を解く、実践する、という3本に絞られるんじゃないかな、という気がするのです。もしそうなら、詰め将棋というのは、将棋を始めてからも、ひと通りの勉強が終わった後も、ずっと付き合い続ける事になる物なのかもしれませんね。





関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

新刊棋書
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
ブログランキング
ブログのランキングサイトに参加してみました。 よかったら、クリックしてくださいね!
QRコード
QR
これまでの訪問者数
アド