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第26期竜王戦 第5局 渡辺明竜王 vs 森内俊之名人 (矢倉)

 第4局までで3勝1敗、はやくも竜王を追い詰めた森内名人。竜王奪取のかかったこの第5局で、先手番です!しかもこの竜王戦、森内さんが相当に押しているように見えます。これは第5局で決まってしまうかも知れないなあ。渡辺竜王からすれば、この後手番を凌げば次は先手番。というわけで、本局が最大の山場となりそうです。この後手番でどの戦型を選ぶかという所も、重要になってくるんじゃないかと思います。

 さて、森内名人の▲76歩の出だしに対して、竜王の応手は△84歩。いや、これは矢倉になっちゃう可能性があるので、マズいんでないの?で、名人は…▲68銀、矢倉です!う~ん、完全に矢倉シリーズになりましたね。ところで竜王、押されっぱなしの矢倉を選び続けるというのは、どういう考えなのか、狙いを訊いてみたいです。この間、森内さんが指した後手番の戦いは、先手が桂を跳ねないとあの形にならないしなあ。5筋交換型かどうかは兎も角、急戦なら後手から誘い込めるので、そこに研究手があるのかな…と思ったらサクサクと序盤が進み、竜王は急戦を選択せず、持久戦模様です!…いやあ、これは今の森内さんには勝てないんじゃないでしょうか。。これで森内さんが敢えて宮田新手の▲65歩突かずに▲25桂としたら、ちょっと面白い事になりそうです(^^)。

 な~んて1日目の午前中に書いたまま、その日はその後仕事で忙しく、夜中になってクタクタになり、爆睡。翌日に棋譜中継を見てみると…うわあ、森内さん、宮田新手に行かずに▲25桂としました!!!これは1~2局に続いての往復ビンタ狙いか?!森内さん、これで勝ったらすげえな。。な~んて、知ったような口をきいていますが、実は僕、宮田新手に行くとどうなるのか、まったく分かってません(^^;)。せっかくの矢倉シリーズを見れた事ですし、本格矢倉の序盤の駒組みの定跡というものを、近いうちにまとめよう。


2013112959手 というわけで、▲25桂以下の定跡通りに進んで59手目、先手の森内さんが▲44歩と突いたところです。この局面、第4局とほとんど同じに見えるんですが…。で、前局では△45馬▲43歩成△同金▲19角△64歩…という感じで進み、金銀交換となって後手が若干の駒損だったのですが、中央付近に構えた馬の威力が絶大で、後手の勝ちとなりました。で、本局は…

△同金

おお、金で弾きました!ここで第4局とは分かれ。この手を竜王は去年の豊島戦で指したことがあり、その時には負けたそうで。…という事は、その後に研究をしているな( ̄ー ̄)。あれ、という事は…これは竜王にも勝ち目が出て来たのか?!

▲71角△43金引▲57金

▲71角は痛打!いやあ、アマチュアなら2~3段位でもこれで先手よしなんじゃないでしょうか。しかし、△43金引に▲82角成と飛車を取らないんですね。う~ん、僕ならノータイムで飛車を取るけどなあ。また、それにかえての▲57金とした名人の意図が全然わかりません(;;)。。これ、△同馬でタダじゃないのか??ああそうか、金を取らせても飛車を取った上で馬が残った方がいいという事か。でもそうすると、△44歩で銀が死ぬから2枚換えになるよなあ…。いやあ、この難解な中盤で2枚替えの順は、僕にはどちらが得なのかまったく分かりません。分からないだけに、恐い順過ぎて選べません(選ばないどころか、気づきもしませんでしたが^^;)。しかし、これは竜王も名人も、お互いに自分からこの順に踏み込んでいる気がします。という事は、竜王と名人で形勢判断が異なっているという事でしょうか。目立たない局面ですが、実はここが勝負の分かれ目だったりして。

△同馬▲82角成△44歩▲34銀△同金▲51飛

あら、予想通りの2枚換え。しかし…そうか、ここで飛車の打ち込みが出来るのか!いやあ、これは先手の森内さんが良い気がするなあ。

△42銀▲81飛成△69銀

これで名人が桂を取りつつ龍を作って、先手優勢だろう…というところで、手番が竜王に。そこで竜王の放った手が△69銀?!いや、この攻めはさすがに繋がらないんじゃないか?…と思ったら、飯塚7段によると「▲7九金では△5八金▲6八桂△2五銀▲同歩△6七桂で後手の攻めが切れない」との事。いやあ、竜王って、細い攻めを繋げるのが半端でなく上手い。見ていて感動してしまうほどです。しかしさすがは受けの名手・森内名人です。森内名人の受けは…

▲68金△同馬▲同飛△58金▲46馬

 見ていると何となく通り過ぎてしまいますが、いやいや自分で指していたら100%この順は選べないと思います。プロの読みの深さ・正確さには驚かされます。しかし最後の▲46馬は、意味すら分かりません。僕には危険すぎるようにしか見えないんですが…。
 ここらへんの攻防戦がもの凄いハイレベルというか、見ていてゾッとしました。ぼくみたいなヘナチョコなアマチュアの将棋って、指し手のどちらも、どっちが得かのはっきりした攻防戦を繰り広げるじゃないですか。その攻防戦を勝った方が勝ち、みたいな。しかしこの中盤戦…飛車を取らせた方が得とか、またそれが本当に得なのかとか、僕程度ヘナヘナな棋力では、判断がつかないのです。先の2枚換えの所も実際にどちらが得なのか分かりません。またこの局面での森内さんの▲46馬も、別に▲67飛で問題ない気がするんですが、敢えて飛車を相手に取らせる選択ですよね。金駒を2枚外され、守備駒として貴重な飛車の横利きをここで捨てる順って、どうなのかと思ってしまいます。で、竜王は普通に…

△68金

と、飛車を取りました。という事は…名人は飛車を取らせるのが得で、竜王は飛車を取るのが得だと思っているんじゃないかと。だから、どちらかが仕方なくそうするしかないと思って指しているんじゃなくて、どちらも選んでその順に踏み込んでいるように見えるのです。もうこれは、戦場を突破する棋力の勝負ではなく、形勢判断力の棋力勝負なんじゃないかと。もうどちらかが良い状況になっていると思うのですが、しかしどちらが良いのか分かりません。この竜王戦、段々すごい事になってきた気がします。いやあ、この前の羽生vs中村の王座戦ももの凄し将棋の連続でしたが、竜王戦もすごい事になってきました。これだけハイレベルな将棋なのに、渡辺vs森内はなぜか対戦が少ない気がするので、これは竜王に勝ってもらって、第6局、第7局もやってほしい。

 しかし、ここからの名人の受けが見事。そして名人、いちどもの凄い桂打ちから反撃に出ると…

2013112998手(11.30 追記)その桂打ちというのがここ。あまりに素晴らしい将棋だったので、翌日になっても棋譜を見返してしまいました(^^)。98手目に竜王が△57銀と打って、先手の馬の利きを潰しながら馬取りをかける攻防手を放った場面。ここで森内さんが指した手が▲33桂打。いやあ、素人考えでは、単に馬を逃げる手でもそんなに悪そうでもない気がしますし(しかし藤井9段によるとそれだと攻めを切らすのは容易ではないそうで)、馬で清算するとか、攻めるなら香の打ち込みとか(これらもシロウト考えなので良いのかどうか分かりませんが^^;)、そんな手以外の手を思いつくところがビックリ。で、昨日観戦している時点では、この桂馬の打ち込みの意味が良く分かっていませんでした。しかし、屋敷itumonさんのtwitterの書き込みを発見!「▲3三桂打は、△同銀▲同桂成△同玉▲2一龍△3一金打で金を使わせる事で自玉を安全にすると言う構想」…う~ん、なるほど。これはスゴイ。攻め手だとばかり思っていたのですが、これは受け切りを考えた構想だったのか。手抜けば寄りなので、ある意味で攻防手とも言えちゃいますね。いやあ、背筋がゾッとします。ニコニコ動画ではコンピューター将棋のPonanzaが状況判断や推奨手を出していましたが、これで負けが完全になくなる一着なので、Ponanzaを上回る手なんじゃなかろうか。森内さん、渡辺さん、羽生さんの3者は、コンピューターより強いんじゃないかと思わされる一着でした。(追記終わり)


 そして、最後は綺麗な寄り形に。渡辺さん、9期連続で守り続けてきた竜王位を遂に失冠です。

 プロの将棋を見始めたのは去年の後半あたりからだったのですが、それ以前から渡辺竜王という存在は知っていました。羽生さんより強いかも知れない人として。竜王と言ったら渡辺さんの代名詞にすらなっているぐらいでしたし。なにせ、9連覇ですからね。それが失冠するとは、なんか少し寂しい感じがします。逆に、森内さんから見れば、これはドラマチックな展開だったと思います。10年前に自分が奪われた竜王位を、森内さんは10年越しで遂に取り返したわけですから。

 去年は、森内さんも羽生さんも、もう誰も渡辺竜王には勝てないんじゃないかという感じだったのに、羽生さんは棋聖戦で竜王を跳ね返し、森内さんは絶対的だった渡辺さんの竜王位を崩しました。これで7大タイトルは、羽生3冠(王位・王座・棋聖)、森内2冠(名人・竜王)、渡辺2冠(王将・棋王)という事になります。3強という感じですが、しかし今期は、あと王将戦と棋王戦が残っています。で、どちらもタイトルホルダーが渡辺さん。う~ん、渡辺2冠は、このふたつを死に物狂いで守らないと、ズルズルといってしまいそうな気がします。…がんばれ、将棋のワタナベ君!!

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コメント

竜王名人誕生 

森内名人やりましたね!
やってくれました!
57金は失敗だったかなと思っていましたが、最後は見事でした。
これで、序列は、森内竜王名人、羽生三冠、渡辺二冠の順番に!
早く初段になって、森内竜王名人の免状取らねば!
  • コールセンター 
  • URL 
  • 2013年11月29日 21時40分 
  • [編集]
  • [返信]

Re: 竜王名人誕生 

コールセンターさん 書き込み有難うございます!

> 森内名人やりましたね!

いやあ、この竜王戦は森内さんが凄かったですね。特に4~5局は名局だったと思います。
今年の竜王戦は面白かった!

> 57金は失敗だったかなと思っていましたが、最後は見事でした。

▲57金は思いつきだったそうですね。一方の竜王は、あの変化は研究済みだったそうで。
しかし、あれを最善と判断する形勢判断力、化け物です。
僕にはあれが好手なのか緩手なのか、未だに判断がつきません。

あと、寄せに出た▲33桂も凄かったです。あれで寄るという構想を思いつくこと自体、
プロというのは凄いなと思わされました。あんなの、どうやったら思いつくんだろうか。

> これで、序列は、森内竜王名人、羽生三冠、渡辺二冠の順番に!
> 早く初段になって、森内竜王名人の免状取らねば!

コールセンターさんならすぐですよ!
竜王名人の免状は、少ないチャンスでしょうから頑張ってください!
  • ShougiX 
  • URL 
  • 2013年11月30日 09時05分 
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  • [返信]

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駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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