がんばって将棋初段を目指すページ!

Entries

第63期王将戦 挑戦者決定リーグ 羽生善治 vs 久保利明 (石田流)

 ただいま絶賛開催中の竜王戦ですが、これがどうにも森内名人の方が1枚上に見えます。このままもし森内名人が竜王位を取ると、森内(名人・竜王)、羽生(棋聖・王位・王座)、渡辺(棋王・王将)という事に。完全なる3強ですね。しかし、9期も連続で竜王位を守ってきた渡辺3冠が竜王位陥落となると…今季の残り2つのタイトルである棋王戦と王将戦が気になります。で、そのどちらも渡辺さんが持っているという。ヘタすると、渡辺さんは一気に無冠になっちゃう可能性があります。う~ん、竜王、好きなんだけどなあ。

 で、王将戦の挑戦者決定リーグは、羽生さんと佐藤康光さんの2強のデッドヒート。この直接対決を羽生さんが下し、王将リーグはいよいよ大詰めに。羽生さんと佐藤さんの対戦が終わった時点で、成績はこんな感じ。

羽生(4) 4勝0敗 残るは久保・豊島戦
佐藤(1) 3勝1敗 残るは郷田・久保戦
深浦(2) 3勝2敗 残るは郷田戦
豊島(3) 2勝2敗 残るは谷川・羽生戦
郷田(5) 2勝2敗 残るは佐藤・深浦戦
久保(5) 1勝3敗 残るは羽生・佐藤戦
谷川(5) 0勝5敗 残るは豊島戦

 そして一昨日、羽生vs久保戦が行われました!プロの将棋は、早指しでなければこれほど勉強になるものもないので、いつも楽しみに見ているのですが、とにかくタイトル戦絡みは居飛車党だらけなので、振り飛車対策の勉強がなかなか出来ません。特に、段位になってからは4間飛車使いの方と当たる事は急に減ってきたのですが、逆に多いと感じるのが石田流を使う人。昨日は、6戦ぐらい指して4戦が対石田流でした。で、この一戦は・・・おおっ、居飛車vs石田流です!!とにかく、石田流の棋譜を見たいので、解説がないのは我慢して、眺めてみると…

20131125_25手 先手が居飛車の羽生さん、後手が石田流の久保さん。最初の駒組みから、勉強の間に合っていない僕には見慣れない駒組みの進め方になったのですが、いざ組みあがってみると、石田側は不満のない駒組み。しかし一方の羽生さんの駒組みは…う~ん、藤井矢倉気味の囲いというか、僕も間に合わない時はこれを使う事があるんですが、急場しのぎ程度で、あまり堅くない感じがするんですよね。しかこの場合は金銀3枚ではなく2枚。

 で、端歩を突き合った後、後手の久保さんは5筋の歩を伸ばし、飛車を5筋に振り直す気配を見せたところで…なんと羽生さんは▲66銀と守りの銀を繰り出していきました!いや、対石田で左銀を対角線上に伸ばして攻撃に使う筋は何度も見た事がありますが、しかしスッカスカの2枚囲いのうちの1枚を攻撃に使うって…。。で、ここからが異常な将棋でした。羽生さんの攻撃がとんでもない。


序盤:ものすごく小さな傷から突破口を見出す

20131125_34手 久保さんが飛車を5筋に振り直したところで羽生さんは▲58金と受け、そして久保さんが△24歩と駒をぶつけて盤面図へ。ここで羽生さんが放った手は…

▲41角

え、なんだこれ…。。特に駒が取れるわけでもない角の打ち込みって、矢倉や角交換の定跡にも出てきますが、僕の中では有力手に見えなくって、どうしても思い浮かばないんですよね。しかも、すぐに馬に出来るとか戦線離脱できるとかじゃないと、逆に詰まされてしまいそうで怖くって。で、これ、金を躱されたらいずれ詰まされちゃうんじゃないのか…と考えてみたんですが、その場合は△22金▲24歩△同飛▲同飛△同銀で…あとは?ああ、▲24歩で馬を作れて先手よしになるという計算か。なるほど~。これはかなり意識的に自分の将棋観を変えていかないと、この角を使い方を出来るようにはなれそうもないぞ。。で、久保さんはこの順を警戒してか、まったく違う応手に出ました。

△23角▲55銀

△23角はこの1手という感じがします。やっぱりこう受けますよね。で、先ほどの角の打ち込みに続いて、▲55銀が凄い。これも完全な錯覚で、タダにしか見えずに読みから外していたのですが…なるほど、△同飛だと▲24歩から後手陣は一気に崩壊なのか!!いやあ、中盤にして終盤のような駒の使い方、これは綺麗だ。こうなると、飛車の横利きを残したまま逃げるしかありませんが、しかしそうなると後手は角を抜かれる筋もケアしないといけませんよね。あとどこかで▲22歩の打ち込みがヤバい気が…

△34飛▲24歩△同銀▲22歩△33桂▲21歩成△25桂

 う~ん、ここまでは角の打ち込みの所からの読み筋なんでしょうね。ほんのわずかな切り口から先手よしの状況を作った気がします。この将棋、▲41角の打ち込みからのと金作りの一連の攻撃で、先手が良くなった気がします。しかも、このと金作りが進展性に優れているというか、先手の優勢を広げる次の手筋の組み合わせに繋がっていきます。


中盤:優勢を勝勢に広げる

20131125_44手▲31と△33金▲23角成△同金▲45角△44歩▲34角△同金

 たぶん、と金作りまでが一連の読みで、ここからがまたワンセットの読み筋であったのだという気がします。▲31とも、地味ながら実に素晴らしいと思いました。ここ、▲11とでも十分先手よしであるというのに。▲31との後に金を逃げられると、角交換になった後にどうなるのかを読むのが結構面倒くさくて、無意識のうちに読みを打ち切っている自分がいます(^^;)。。ここを考えるかどうかが大きいんだろうなあ。
 そして、角交換直後の▲45角が見事。後手は飛車を横に逃げると23の金を素抜かれる上に馬まで作られる。では、△33飛で守ると?…なるほど、と金を▲32に寄せられて、結局は同じことか。いずれも敗勢になってしまうので、飛車角交換に応じるしかありませんが、こうなると形勢の差は駒の損得にまで及び、僅かな差がどんどん広げられていく展開。そして後手はこれを防ぐ手だてがありません。いやあ、明らかに良い100点の手があるところから、更に120点の手を探すという、この厳しさがプロだと思いました。すげえ。


終盤:手数を計算し、1手でも速ければ受けずに一気に寄せ切る

 最後にすごかったのが、先手の寄せです。駒得した先手は飛車の打ち込み、後手は先手の玉型の急所である11~99の対角線上に角を放ち、これを受けにも利かせての攻防の角。この中終盤にかけての攻防戦が双方ともに見事!!そして、後手がついに馬を作れるかも、という状況になってからの寄せ合いがもの凄かったです。これは、まさに教科書のような手数計算でした。

20131125_74手 図は74手目、後手が2枚目の角を64にあげたところ。次の△47歩成が決まると飛車取りと角成りを同時に受けることが出来ず、また飛車取りは王手に直結するのでかなりキツいてになりそう。受けるなら▲18飛なんでしょうが…

▲25歩

攻め合いキタ━━━(゚∀゚).━━━!!!
この終盤で攻め合いという事は、詰みを読み切ったという事だと思うのですが、逆に言うと後手はどういう読みだったのでしょうか。しかし、ここから寄るかどうかを読んでみると…いやあ、これは相当に難解に思えるのですが。。…ダメだ、また自分のヘボさばかりが露呈してしまう。。

△47歩成▲同銀△19角成▲24歩△29馬▲23歩成△15角▲33と

いや、これは見事。攻め合いになった時に、歩だけで相手の駒をボロボロと取る手はけっこう効くんですよね。この方法、遅そうに感じるので、意外と軽視している人が多い気がします(なんといっても、僕自身がそうです^^)。それにしても、この将棋の場合…いやあ、羽生さん、恐るべし。特に最後の▲33とが強烈。あとから考えればという話ですが、ここで攻め合いに行くと、遠そうに見える羽生さんの方が実は速いですよね。しかし久保さん…

△48角成

う~ん、もう間に合わないと分かった上での攻め合いなのか、それとも久保さんほどのA級棋士でも手数計算が難しいのか。いずれにしても簡単に手数計算というけれども、簡単な事ではないという事の証明であるかのように僕には見えました。逆に言えば、攻め合いに来ると分かった上での▲33とだったとしか思えない。以下は…

▲同金△39馬▲43と△48馬▲71銀
 
まで、89手にて先手羽生さんの勝ちです!!あ、圧倒的じゃないか。。いやあ、74手目で受けずに攻め合いに出た時点で、この手数計算を羽生さんは出来ていたのでしょう。受けていれば優勢のまま進められたのですから。決めに行けるところになったら受けずに攻め合いに出て、一気に寄せに入るというお手本のような終盤。勝機が来たら逃さないんですね。僕の将棋は、勝つ時は長手数になる事が多いのですが、寄せに行ける時に寄せに行けてないんだろうな、と痛感。さすがはトッププロともなると、15手ぐらいの寄せだと逃さないんですね。いやあ、マジで尊敬します。。

 さて、この将棋、将棋を勉強中の身としては、飛車を5筋に振り直す3間飛車破りの定跡として、そのまま使えそうです(って、僕が無知なだけで、既に定跡だったりして^^;)!また、序盤定跡としてだけではなく、将棋の序盤の戦い方、優勢の広げ方、終盤の戦い方と、まさに「なるほど、将棋というのはこういう風に指すんだな」という教科書のような将棋でした。勉強になっただけでなく、実に面白い将棋でした。


 この結果を持って、羽生さんは王将リーグ唯一の全勝。最後の豊島戦に勝てば文句なしの挑戦者決定、仮に負けてもモテさんが郷田さんと豊島さんを連覇しないといけないという、圧倒的に有利な状況。これは、王将戦は渡辺vs羽生の可能性が濃厚になってきました。…渡辺3冠、これはピンチかも。。

関連記事

コメント

コメントの投稿

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

トラックバック

トラックバック URL
»»この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

左サイドMenu

プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

新刊棋書

最新記事

右サイドメニュー

検索フォーム

これまでの訪問者数

アド

ブログランキング

ブログのランキングサイトに参加してみました。 よかったら、クリックしてくださいね!

QRコード

QR