第63回NHK杯 羽生善治 vs 木村一基 (角換わり相腰掛け銀)

 NHK杯、ついに最強棋士・羽生さんの登場です!今期が始まった時は勝率2割台と絶不調だった羽生さんですが、気づいてみれば勝率は7割に迫る勢い、自分の持っている3つのタイトルをすべて防衛、棋王戦挑戦者決定トーナメントはベスト4に進出、王将戦挑戦者決定リーグも現在2連勝でトップと、とんでもないレベルの絶好調状態。いま、トップ棋士の中で一番状態が良いのは羽生さんと森内さんじゃないでしょうか。一方の木村さんは調子を落としていて、順位戦でもかなり苦戦中。しかし、木村さんの書いた矢倉の本はちょっと気になっているので、今日は矢倉戦にしてくれないかなあ。

2013102702.gif さて、将棋は羽生さん先手の角換わり相腰掛け銀に。序盤はサクサクと進み、そして35手目に▲48飛として、角交換右四間飛車へ。おお、羽生さん、これは中村太地さんとの王座戦で2度出て来た戦型じゃないですか。きっと、今の研究課題なんでしょうね。秋に入ってからの羽生さんは対局過多で殺人的なスケジュールなので、実践で研究もしちゃおうという感じなんじゃないかなあ。で、互いに玉を入城し、後手は右金を42に引いて右四間飛車を受け、11の香を12にあげて穴熊への組み替えへ。ん?△42金引?△12香?…あ、あれ、この受けの形、羽生vs森内戦で見た事あるぞ…調べてみたら、今年の竜王戦決勝トーナメント準決勝での森内vs羽生戦でした。羽生さんが一方的に攻めまくって端も破ったんだけど、森内さんが受け切っちゃったんだった。そうか、羽生さんは今年この戦型で何度か負けているからこそ研究したいんだな。
 角換わりの将棋のレパートリーを増やしたいので(僕は木村定跡しか出来ないのです(・_・、))、ここからの攻撃術は丸覚えしようと思って見ました。以下の指し手は…

▲28飛△74歩▲45歩△同歩▲35歩△44銀

 おお、ここで飛車を戻すんですね。これは△12香に対応した手だそうで。△74歩は、後手からの攻撃の拠点作り。以下の▲45歩△同歩▲35歩は、角換わり相腰掛け銀の常道手段。これだけは知ってます。これを△35同歩としてしまうと、▲45桂△44銀▲24歩△同歩▲同飛で王手銀取りの十字飛車が決まると。で、それをさける△44銀が受けの手筋だそうで。これは絶対に覚えておこう。次は…

▲15歩△同歩▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲29飛

 ▲15歩は端攻めの下準備ですね。で、あとで▲13歩とか▲14歩とか。つぎの▲24歩は飛車先を突き捨てておく、と。なるほど、これは狙いが分かり易くて覚えられそうです(^^)。しかし、飛車を引いたところで後手に手番が移り、木村さんは△35銀から反撃。ここで羽生さんは相手の手に乗るような格好で、立て続けに銀交換と桂交換、駒を捌きました。

2013102703.gif で、図は交換したばかりの桂を25に打ち込んだところです。やっぱり、この狙いは変わらないんですね。さっき下準備しておいた、1筋の歩の突き捨てがちゃんと生きてます。ここで▲24金と逃げると、▲13歩△同香▲同桂成△同玉▲28香が結構痛い。というわけで、木村さんは…

△75歩

 うわ、木村さん、ここで攻め合いに出ました!このまま受けても受からないという事ですね。こういう戦場の増やし方が、プロの将棋は勉強になります。でも、間に合うのかなあ。

▲13歩△同香▲同桂成△同玉▲31角

 羽生さん、これを受けずに攻めます!しかし、最後の▲31角がするどい!これは浮かびませんでした。だって、間駒したら何でもないように見えたもので。しかし、仮に間駒をすると、△22銀▲15香△14歩▲同香△同玉▲15歩△同玉▲42角成…ああ、これは寄っちゃいますね。というわけで

△12玉

これで寄りは無くなりました。が、後手から見るといかにもヤバそうな格好、先手から見ると角が死にそうな格好。いや、ここから先手が攻めを繋ぐのは案外難しいんじゃないか?と思っていると…

▲56香△32金寄▲53角成△43角▲13歩

 ▲56香か!なるほど、強引に一点突破ではなくて、手筋で繋ぐんですね。勉強になる…。しかし、後手が駒を躱した後の▲13歩の叩きの意味が分かりません。最後の1歩をつかってまでやる手なんでしょうか?あとで1歩手にした時に、更に▲14歩と叩くという事なのかな?う~ん、この手の意味はちょっと良く分かりませんでした。以下、羽生さんは最初の構想の端攻めから飛車の成り込みを狙った攻撃を狙い続け、木村さんは意地でも守り続けた7筋の攻めを実現させた叩き合い。しかし、速度も攻め駒の数も違いすぎました。

2013102704.gif そして、最後の羽生さんの寄せです。これが寄せの問題集に出てきそうな形で、すごく面白かった。ちなみに僕は寄せきれませんでした(T-T)。最後の寄せを全部!

▲63桂△41玉▲42銀△同飛▲同金△同玉▲43金△31玉▲13角

まで。131手で羽生さんの勝ち!投了図以下は、△21玉▲23飛で詰みです。

 それにしても、木村さんの受けの技術と、銀のタダ捨て、勝負手を放つタイミングなどは見事でした。悪い時にどう指すかというのも、プロ将棋は凄く勉強になります。僕には木村さんが悪い手を指したように見えたところは1か所もなかったんですが、それでも大差になってしまったように見えました。う~ん、一体どこが勝負の分かれ目だったんだろうか。

 そして、今日は佐藤康光さんの解説がもの凄く分かり易かった!!疑問に思っている変化を全部丁寧に説明してくれて、見終わった後は角交換の定跡本を1~2章読んだぐらいの満腹感です。今日の将棋は、先手番での角換わりでそのまま使えそうなので、何度か見直して、今度のネット将棋で試してみよう(^^)。



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Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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