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『上達するヒント』 羽生善治・著

book_JoutatusuruHint.jpg この本、タイトルからは分かりにくいですが、大局観の本という認識で良いかと思います。序盤定跡とか、囲い崩しとか、駒の手筋とかの勉強は、誰でもすると思うのですが、大局観というのは抽象的な部分が少なくないので、勉強するのも教えるのもなかなか難しいんじゃないかと思います。しかしこの本は、大局観という、将棋の指し手を選ぶ為の判断基準や指針という抽象的なものを、明文化・法則化しているところが素晴らしかったです。。

 この本、将棋の大局的な指針というものを13に分けて説明していますが、これが実に秀逸です!
 例えば、6章の「主戦場について」。将棋では、駒がぶつかり合う戦場が1か所でなく複数になる事が多く、またひとつしかない場合でも自分次第で駒のぶつかる場所を増やすことが出来る。で、持っている駒の数は同じなのだから、どこかの戦場で不利であるなら、理屈としては他の戦場では自分の方が良いハズ。だから、やみくもに今駒が当たった戦場での戦いを進めるのではなく、いま戦いを進めればいいのはどの戦場であるか、これを選択するのが重要、というわけですね。これは分かっているつもりなんですが、アマチュア同士の実践例を例に挙げて具体的に説明されると…いやあ、僕は全然わかってなかったな、と痛感させられました。。そういえば、たしか今年の郷田vs行方戦だったと思うのですが、7カ所で駒がぶつかっているのに、互いにそれを取らないで、更に新たな場所で駒をぶつけていく将棋がありました。あれなんかは、まさにその戦場でどう成果をあげるか以前の、戦場選択の駆け引きの究極だったのかもしれません。

 他にも、今までに日記に書いてきたような僕の悩みの解決策そのものの章がありました。特におススメの章は、「位取りについて」「スピードについて」「構想について」「基本方針と形勢判断」。このあたりは定跡本を読んでも手筋本を読んでも学ぶ事のできないものと思います。これらは、定跡や手筋を使う以前の段階で常に考えていなければならない重要な指針だと思います。で、こういうものが理路整然と整理されている。形勢判断には4つの指針があるとか、形勢判断によって構想が変わってきて、構想はどう立てるのかとか、構想の中で主戦場はどう選択するのか、とか…。ゴチャゴチャになっていた、将棋を考える脳の回路が、見事に整理されていく感じで、素晴らしい。。

 僕が悩んできた曖昧な幾つかの課題、これが大局観とか形勢判断に関するものであったこと間違いないようです。ネット将棋の対戦でも、上級同士であっても「あれ、ここで仕掛けてきちゃうんだ」と思う事があります。駒組みや情勢が少し悪い程度で焦って攻めちゃうなんていうのは、定跡や手筋を知らないというのではなくて、形勢判断が出来ていないとか、構想が良くないという、まさに大局観に属するところの棋力なんだと思います。

 大局観というものは、勉強したり習うものではなくて、将棋を指しながら自分で身につけていくもの。少なくとも、僕は何となくそう思ってました。しかし、ここまでキッパリ言葉で定義してくれると、自分でも分かっているんだかいないんだかという状態でモヤモヤしていたものが、ものすごくすっきりと整理されていく感じでした。この本は、大局観の本として、間違いなくおススメです!!

 ただし…初心者の方は、ちょっと注意が必要です。「上達するヒント」というタイトルから、将棋初心者向けに書かれた本と思えなくもないですが、中級車以上の人向けに書かれているように思います。僕みたいに、初歩から将棋の勉強を始める方は、序盤定跡、駒の手筋、囲い崩し、寄せの勉強、こういうスタンダードなところを先に勉強した方が良いと思います。この本は、あくまで「将棋の基本が出来ている人が、そこからさらに上達するためのヒント」なんじゃないかと(^^)。


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駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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