第61期王座戦 第1局 羽生善治 vs 中村太地 (一手損角換わり)

 羽生三冠、王位戦が終わったばかりだというのに、もう王座戦が始まります。なんというハードスケジュール。羽生さんがこの忙しさという事は、もう一方の三冠である渡辺竜王も、いずれこの忙しさになるんでしょうね。
 さて、王座に挑戦するのは中村6段。で、この王座戦の挑戦者決定トーナメントを見てみると…中村さんは、佐藤康光さん、森内名人、郷田さんを破って勝ち上がってきたのか?!これはすごい…さすが若手最強です。でも、羽生さんはこの前の王位戦で、羽生戦以外では今期13勝2敗ととんでもない強さのA級棋士行方さんを、手合い違いじゃないかというぐらいの大差で潰しまくってたからなあ。さて、どうなりますか。。

 この将棋、面白すぎました。。見どころが序盤、中盤、終盤それぞれにあって、形勢もコロコロ変わる展開。すごかった。。将棋は、中村さんの先手で、1手損角換わりのオープニング。

 まず、序盤から羽生さんが怪しい手を放ちます。この前の王位戦で羽生さんが行方さんに指された、角交換前に後手がいきなり9筋の歩を突くというもの。…という事は、行方さんに指された後に、羽生さん研究したな。。で、それをいきなり指してみた感じ。これは太地さん、やりにくいだろうなあ。

2013090401.gif で、1手損角換わりからの、駒組みの段階で起きたこの状況。後手の羽生さん、玉を引いちゃいました。これの何がヤバいかというと、佐藤康光さんの説明では▲3五歩△同歩▲4五桂△2二銀▲7一角△7二飛▲5三角成△同金▲同桂成△5五銀▲8三金…玉を引いちゃうと、53の地点が受からないんですね。だから、▲35歩とされて△同歩は結構ヤバそう。というわけで、▲35歩には△44歩として、桂馬の跳ねを防ぐだろうと解説陣が健闘していたところ…

▲35歩△同歩▲45桂

 うわ、羽生さん、またいつもの如く危険な手に乗っちゃったよ。。しかし、今日の羽生さんは明らかに研究してそうな感じなので、これには何か裏があるのでは?で次の手が…

△同銀▲同歩△36歩▲26飛△55角

 …すげえ、序盤から損な駒交換をして、しかも銀を渡して、それと引き換えに先手陣の右辺を突破しちゃったよ。。この前の郷田vs森内の森内さんも序盤で損な駒交換から一気に敵陣に切り込みましたが、あれに似てる。う~ん、きっとここまでは研究手順なんだろうな。。すごい。で、序盤は羽生さんがかなりいいという感じ。

2013090402.gif 中盤戦、太地さんが放った飛車を追う銀打ちに出た局面。こんなの、▲72飛でただじゃん…と思っていたのですが、そうではない(シロウトでごめんなさい^^;)。で、ここから飛車をめぐる攻防戦が面白かった。途中、他でも駒のぶつかりがいろいろあったのですが、そこを割愛してこの局地戦だけを追うと、以下のような感じ。

▲92飛△83角~▲42金~▲93飛△61角成~▲92飛△83馬~△82銀成▲93飛△72馬

 まず、▲72飛と出来なかったのは、△61角と打ち込まれると飛車が詰むから。なるほど~。。この筋は級位者同士では使えそうだから覚えておこう。で、▲92に逃げたんですが、追撃の△83角が痛い。羽生さんはここで一度飛車を逃げるのを諦めます。しかし太地さん、飛車角交換に飽き足らず、これを飛車銀交換に持ち込む。明らかにいい交換にすぐ飛びつかず、更に良くしようというのが凄い。。ここで飛車が死んで、中盤戦は中村さんが逆転!!のはずが、この局地戦には更なる続きが…。

△95歩▲81馬△96歩

 なんと太地さん、飛車銀交換どころか、桂馬も取り、この局地戦を取れるだけ取ってしまおうというものすごい手に。しかし、羽生さんは9筋の歩を進め、怪しい気配。…結局は、太地さんがヤバい順に気づいたのか、△92歩と受けて、なんと詰めていたはずの羽生飛車を取り逃がしてしまいます。。というか、あの状況から羽生さんは飛車を救える算段があったんだな。…信じられん。で、この飛車は5筋に進出し、逆サイドに展開、なんと死んでいたはずが龍になってしまいます!!中終盤で羽生さん再逆転!!

2013090403.gif で、その逆転から普通に指していたら羽生さんの勝ちだったと思います。しかし羽生さん、自陣に危険が迫ったいるのに、自陣の整備を全くしないで攻撃に手を入れてばかり。ちょっと金を引いておくとか、あるいは玉の逃げ道を開けておくとか、1手入れるだけでかなり楽なのに、馬が目前に来ているのに全然守りを固めようとしない。これが、終盤のすさまじい寄せの攻防を生み出してしまいます。攻めるのは中村さん。ここからの攻防が凄かった!!この凄まじさは、ぜひとも全部並べてみて欲しいです!!このあたりはリアルタイムで見ていたんですが、面白すぎました。。

△31銀▲41飛△42銀▲同飛成△32歩▲31銀△12玉▲45桂△22歩▲33桂成△同金▲24歩

…いやあ、ここまでの攻防でもものすごい。でも、最後の▲24歩、いったいどうやって受けるんだ??

2013090404.gif △44角▲15金△53角▲同龍△同歩▲42角△41飛▲16金△42飛…

…△44角?!すげえ…。ものすごい攻防戦、息をつく暇もありません。どう見たって寄っているようにしか見えない局面を、羽生さんは延々と凌ぎ、さらに中村さんが1手空く度に着実に後手陣を崩していきます。中村さんが寄せに入ったのが103手目、投了が141手目だったので、40手近いものすごい攻防。しかも、羽生さんがまいったを告げた時、1手空いて、羽生さんは王手を出来る状況だったことを考えると、詰みまでやったら60手近く行っていたのでは?これはものすごい終盤戦を見た。。というわけで、終盤で中村さん大逆転勝利!!

 というわけで、逆転に次ぐ逆転の大熱戦でした。いやあ、すごいものを見せてもらいました!
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Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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