▲豊島△羽生戦の記事を更新しました

 昨日のA級順位戦▲豊島さん-△羽生さんの日記を更新しました。いやあ、豊島さん強いわ。。羽生さんがむかし森内さんや深浦さんにやられていた「自分から打開しにいってカウンターを喰らう」というタイプの将棋ではありましたが、しかしそうやって羽生さんを咎められる事自体が超一流の証拠であって、みんなそのまま押し切られちゃうわけですからね。う~ん羽生さんの構想もすごいし豊島さんのカウンターも見事、さすがA級戦でした!!

第76期順位戦A級 豊島将之 vs 羽生善治 (角換わり)

20170721順位76A_豊島vs羽生_角換40手 大混戦になりそうなA級順位戦ですが、2回戦屈指のカードはこれでしょう、羽生さんvs豊島さんです!どちらも名人挑戦候補ですからね、2回戦とはいえかなり重要な対局になるのではないかと。

 先手は豊島さん、将棋は角換わりになりました!それにしても速い速い、まだ午前中なのに40手目まで進んでしまいました(^^;)。という事は、ここまではお互いに研究範囲という事ですね。しかし後手は一度左辺に向かった玉を戻して右玉の方針。いやあ、これは打開の難しい長い将棋になりそうだな…。右玉での戦い方も見たいし、この将棋に勝った方が前半のA級順位戦を引っ張っていく事になりそうなので見ていたいのはやまやまだけど、今日僕は夜遅くまで仕事(T_T)。帰ってくるころには終わってるだろうな…。仕事中に将棋の事を考えないようにしないと(^^;)。

◆◆◆◆◆
 帰ってきました、ただいま夜中の3時10分(>.<)ツカレタ。。とても棋譜を見る元気はありませんが、結果だけは見たい…あああ~羽生さん負けたか、やっぱり右玉は厳しいっすよねえ…。羽生さん、切り替えて竜王戦に全力を注いでくれ~。眠くてもうだめだ、おやすみなさいzzz

◆◆◆◆◆
20170721順位76A_豊島vs羽生_角換62手 翌日、昼まで寝てしまいました(*゚∀゚*)>。。棋譜を見ると…おおお、羽生さん、あそこから右玉に入らずにさらに逆サイドに玉を寄せたのか!なんという手待ち、角換わりは52金型も62金型も手待ちが難しいです。。駒組みは62手まで進んで飽和状態、後手の羽生さんが9筋に飛香の利きを集めて端攻め狙いの将棋を作りにいき、豊島さんが迎え撃つ格好になりました。しかし、よくもこんな構想を思いつくもんだな…ここから開戦!

▲64角△95歩▲同歩△同香▲97歩
 まずは後手から9筋を攻めに行き、豊島さんは香交換には応じずに歩で止め…

△35歩▲同歩△36歩▲29飛△63金▲46角△37歩成▲同角
 ここで後手は3筋を歩を浮かせての桂頭攻め。これで後手は桂得。

△64桂
 いやあ、これは驚いた…なんという踏み込み、しかしこれ▲67銀みたいに躱されたらどうするんだろうか…とりあえずは△45銀で歩切れを解消して…う~んその後が分からん、ここから中盤第2ラウンドかな?

20170721順位76A_豊島vs羽生_角換78手▲64同角△同金
 うわあああ、豊島さん、角桂交換に行ったああああ!!!いやあ、これで後手は角桂交換の駒得になりましたが、これでバランスが取れてるなんて事があるんでしょうか、引きかえに後手陣が乱れているようにも思えませんが、手番を握ってここから厳しい反撃が出来るという事でしょうか…。いやあ、構想は羽生さんが見事、しかし豊島さんの形勢判断もスゴイ。

▲96歩△75歩▲95歩
 ここで先手豊島さんは9筋から反撃、しかし後手はそれを手抜いて7筋から攻めを継続、大喧嘩になりました(^^)。しかしここで羽生さん…

△65桂▲同歩△同銀▲24歩△同銀
 うおおお~後手は普通に△76歩と取り込まずに駒得を生かしてひねった手で行きました!う~ん駒の利きを増やして中央制圧という事かな?先手は桂を抜いてから2筋の歩を切っておいてから…

▲66歩△76歩▲65歩△77歩成▲同金△76歩▲同金
 またしても大ゲンカ(^^;)。でも、こういうのって玉に近い所で戦ってる方が不利になりがちと思うし、まして先手は守りの金を上ずらされて守りに役立たなくなっちゃってるように見えますが…

△33角▲44銀
 いやあ、この敵の歩頭に打ちこんだ合駒がすごかった…さっきの角桂交換といい、豊島さんの形勢判断がスゴすぎます。▲77歩かなんかで止めておいてから次の▲34香を楽しみにするんじゃダメなのか…う~ん僕は後手の攻めの何かが見えてないんでしょうね(^^;)。ちょっと今日の豊島さんのカウンターは、いちいちすごいというか、これはプロだわという手のオンパレードでした。

 結局後手は角桂交換の駒得ながら、先手は駒の交換を繰り返しながら駒台を充実させ、ここから一気のまくり、119手にて先手豊島さんの勝ち!!終盤の寄せも鮮やかでした。

 いやあ、豊島さんは棋風改造に着手してしばらく低迷してましたが、しかしそこを抜けて見事に開花してますね。もともと強かったのが、どうしても越えられない壁を突破する為にそこに甘んじないで自分を変えに行くというのは、すごい事だと思います。そして、20代でA級に辿りついた豊島さんも稲葉さんも、どちらも関西の棋士。ついでに20代でB1に辿りついた糸谷さんも斎藤慎太郎さんも菅井さんも西のひと。20代棋士は西が圧倒的に強いです。将棋界を20年以上引っ張り続けた羽生世代が東、下の世代で孤軍奮闘していた渡辺竜王、そこに追いついた天彦名人も東でしたが、ここにきて西の巻き返しがスゴイです。昔は大山さんも升田さんも西の棋士だったので、時代がひとめぐりしたという事でしょうか。ここから数年の世代間闘争は、熱い事になりそうです。

第7期女流王座戦本戦トーナメント 鈴木環那 vs 塚田恵梨花 (急戦矢倉)

 今日は女流王座戦のトーナメントが2局やってました。里見さんの妹と香川さんの将棋は相振り飛車だったのでパス、塚田さんの娘さんが出ている方は…おお~相居飛車だ、これを見よう、そうしよう。
 矢倉模様といっても、左美濃への変化を見せたり、簡単に囲いに入らずに居玉で駒組みを進めたりと、かなり神経をつかう序盤でした。そして、先手の塚田さんが左銀を繰りだしたところで急戦調に。そして、かなり強引にみえた急戦がみごと成功、これは先手優勢かと思った終盤の入口で、塚田さんが間違えた(^^;)アチャア。。う~ん、取れる角を取らないとか、駒得で満足じゃないかという所でそれをスルーして縛りに行くとか、塚田さんは勝負手的な指し手が目立ちましたが、これは欲張りすぎというか焦りすぎというか、結果論でいえば急戦がうまくいったところで満足すべきだったのかも。普通に指していれば先手良かったと思うんだけどなあ、上位者との対局だとプロでもアマでも女流でもみんな焦るんだな…。結局、最後は格上の鈴木さんが勝ち。対局後、お父さんが「81手目に代えて▲73桂成だったら先手勝ちでした」といってましたが、複雑な気分だったにちがいない(^^;)。。

 いまの矢倉、ほんの数年前みたいに30~40手ぐらいまでは本組みへの王道の定跡で…なんて事が出来なくなってしまいましたね、今日は先後ともに矢倉になりましたが、しかし急戦でどちらの玉も矢倉城の中に入ってませんし、これに左美濃や雁木も加わる今の矢倉は、僕的には力戦に近いです。でも、これぐらいの方が、実力勝負という感じでゲームとしては面白いのかも。いや~ハイレベルな縁台将棋みたいで、すごく面白かったです(^^)。

第30期竜王戦決勝トーナメント 佐々木勇気 vs 久保利明 (後手ゴキゲン中飛車)

 藤井聡太くんと阿久津さんを下してあがってきた佐々木勇気さんでしたが、現タイトルホルダー久保王将の壁は高くて厚かった。。僕はゴキ中対策は先手後手問わず居飛車穴熊なもので、超速▲46銀ぎみの今日の将棋はよく分かりませんでした。でも、中盤で銀を丸損したことろからはずっと悪かったんじゃないかなあ…というか、やっぱりものの見事に弾き返す久保さんが強いのかも。

 竜王戦の左の山は、佐々木さんと久保さんのどちらかがあがってくると思っていたのですが、聡太くんも勇気さんもまだ久保さんレベルの棋士を超える所までは来ていないのかも。トップ棋士相手でも一発入れる力はとっくにあるんでしょうが、トップ同士の戦いで安定して勝ち続ける力まではもう少し…みたいな。それにしても、今の久保さんは本当に強い!中盤は華麗、終盤は豪腕、抑え込みに来られても綺麗に捌いて切り返し、果敢な攻めは咎めて潰します。今日の勇気さんも、序盤から積極的に攻めに行ったものの分厚い壁に弾き返された感じ。これで竜王戦決勝トーナメントの残るは羽生さん、久保さん、稲葉さん、松尾さんですか。オッズをつけるなら、羽生1.5、久保2.0、稲葉3.1、松尾8.5、ぐらいかな ( ̄∀ ̄*)?

第30期竜王戦決勝トーナメント 羽生善治 vs 村山慈明 (横歩取り勇気流)

 東京は暑いです、部屋の中なのに30度もあります(X_X)。。かき氷でも作って、今日の予定をチェックして…おお、今日は竜王戦決勝トーナメントに羽生さん登場じゃないですか!!仕事に入る前にちょっとだけ観よう( ̄ー ̄)。。

 相手は村山慈明さん。少し前は「序盤は村山に聞け」なんて感じで序盤定跡にくわしくて、定跡を踏襲した慎重な気風という印象だったんですが、最近は序盤から激しく踏み込む攻め将棋に棋風変更したように見えます。羽生戦の前の対康光戦では一方的に攻めてタコ殴りの完勝でしたし、今の村山さんは研究を裏付けにした序盤の踏み込みがオソロシイ。羽生さん頼む、王位は失冠してもいいから、村山さんの序盤の踏み込みをかわして竜王を取って永世竜王&永世7冠を達成してくれ~m(_ _)mオネガイシマス。。

20170714竜王30TN_羽生vs村山慈_横歩勇気流20手 先手羽生さん、横歩取りで勇気流に構えました!おお~羽生さんが採用するのは珍しいんじゃないかい?同じ勇気流でも▲天彦-△稲葉の春の名人戦では後手稲葉さんが早々に△22銀としていたので、既に名人戦の筋から分岐。後手△52玉~△76飛の将棋は、僕は▲58玉型の青野流で勉強したんですが、これは△31銀型だから成立できるんですよね、そしてこの順が青野流では比較的新しめの順で、これが後手有望であるというのは『長岡研究ノート相居飛車編』で学んだこと。あ、そうそう、横歩と青野流の勉強、『長岡研究ノート』は超おススメです!でも今回は▲68玉型ですから、この差がどう出るか…

▲37桂
 青野流ではここは▲77角の一手だったんですが…なるほど、玉が78に紐をつけてるから、角交換されての急襲を喰らっても大丈夫なのか。勇気流はこの筋のケアの意味もあるわけですね(^^)。それにしても、最近の相居飛車はとにかく桂をはやく跳ねだすなあ、まだ左銀も立ってない段階だというのに。

△74飛▲同飛△同歩▲38銀
 おお、ここで後手は積極的に飛車をぶつけ、先手は強く飛車交換!似たような筋は相横歩の激戦定跡でもあるし、何年か前のNHK杯の▲丸山-△三浦戦でも見た事がある…どれも、先手はここで強く飛車交換するのがいい事が多いですね(^^)。そして、次の慈明さんの一手が驚愕でした。

20170714竜王30TN_羽生vs村山慈_横歩勇気流26手△28飛(26手目盤面図)
 ええええ、慈明さん、飛車を打ち込んだあああ!!出たよ、この序盤の踏み込みが怖いんだよなあ…。でもこれ、蓋歩をされたら飛車逮捕ですが、大丈夫なんでしょうか。ここのところこのブログで取りあげたプロ将棋の横歩は、龍vs馬になると龍が勝ってるし、こんなの研究してても僕なら即却下です(^^;)。この手、慈明さんはすぐ着手したので研究手順、羽生さんは応手に時間を使っているので予想外だったんじゃないかと。

▲27歩△26歩▲39金△27歩成▲28金△同と
 いやあなるほど、▲27歩に△26歩と合わせるのか、取れば飛車脱出で龍を作れて後手はポイントを挙げるので飛金交換は必然、その時に先手陣の右辺にと金が威張る形になるのが大きいというわけですか。いやこれは後手の立派な主張ですね、先手陣は右辺はと金で制圧され左辺はまったくの壁形(T_T)。

▲49銀△39と▲58銀△38と▲45桂△88角成▲同銀△48と
 と金で追われ、桂にあてられ、桂を逃げつつ跳ねた手が後手の角にあたり、後手は角を逃げつつの角交換をして先手に▲88同銀と取らせる事で手番を渡さずにさらにと金で銀を追いつつ玉に迫り…というわけで、26手目△28飛の打ち込みからここまでは変化の余地なしの一直線。慈明さん後手十分になる筋として研究してきているとしか思えません、羽生さん危うし…さて、そろそろ仕事しよう(^^)。

 仕事が思いのほか時間かかった。お、まだやってました(^^)。なんという難解な終盤、矢倉や横歩の急戦でみかける、駒損しながら後手が攻めてるので受け切れたりどこかで攻防手が入れば先手がオセロのようにひっくり返りて一気に優勢になりそうでもありますが、しかしそのまま押し切られそうでもあり…。それにしても後手玉への攻め方が難しいです、詰めろの入れ方ですら簡単じゃない。羽生玉、捕まりそうになりながらもギリギリのところで躱し、そしてすぐには詰めろをかける事が出来ないながらも攻防手を打ち、寄せの手掛かりを作りました。そして…99手にて先手羽生さんの勝ち!!これは羽生さん負けたかと思ったよ、なんという際どい将棋。。

 完全に村山さんの研究に嵌められ、途中は2時間以上も持ち時間に差をつけられ、しかしそこからひっくり返すというのは、一体どういう事なんでしょうか。相手もものすごい激戦を勝ち抜いてあがってきたプロだというのに、すごいとしかいいようがありません。そして終盤の▲54角ってなんか妖しい手でしたね、騙されているような…あれは勝負手だったのかな?36の歩と自陣の両方に紐をつけつつ、寄せの足掛かりにしたという、一手で3つの狙いを持った手という事なんでしょうが、あの前後はちょっと感想戦のレポートをきいてみたいです。あれが最善手なのだとしたら、僕は絶対に思いつけないな…。今日がギリギリの戦いといった感じでしたが、羽生さんが竜王戦で生き残ってほっとしました(^^)。

第76期順位戦A級 久保利明 vs 行方尚史 (先手中飛車)

今年のA級順位戦は、40代の棋士の生き残り戦になりそうですが、それでも羽生さんと久保さんは降級する気がしないです。昨日は久保王将と行方さんの対局。どちらも終盤の強い棋士、特に最近の久保さんの切れ味はヤバいですからね(^^)。

20170712順位76A_久保vs行方94手 将棋は先手久保さんの中飛車。中飛車といっても、はやい段階で角道を止めた上に、飛車をあちこちに振り直したので、これは中飛車というより伝統的な振り飛車といった方がいいかも。角道を止めての古い形の対抗型の中盤は、大駒の総交換&銀桂交換で、後手行方さんの駒得。引きかえに先手の久保さんは手番を握り、歩を浮かされていない分だけ玉型もいい感じだったでしょうか。お互いに主張の通った五分ぐらいの中盤から終盤になだれこみ、先に敵玉に迫ったのは行方さん。かなり細い攻めだったので一気に寄るとは思いませんでしたが、さすがはA級だけあってなるほどという手で見事に繋いできます。そして途中で手番が久保さんに渡り、今度は久保さんの寄せ返しとなったのが94手目盤面図。先手に駒がたまっていたのでけっこうヤバそうな感じではありましたが、久保さんはなんとここから45手詰めを詰ましてしまいました(゚д゚* )シンジラレナイ。。全部書くと…

▲32銀△同玉▲23銀△42玉▲32金△同金▲同銀成△同玉
▲23金△41玉▲71龍△51銀▲21飛△31銀▲同飛成△同玉
▲22と△同銀▲32銀△42玉▲24馬△33銀打▲同馬△同角
▲31銀打△同銀▲同銀不成△同玉▲32銀△42玉▲33金△同玉
▲45桂△22玉▲14桂△32玉▲33香△21玉▲51龍

まで、133手にて久保さんの勝ち!以下△51同金▲32銀△12玉▲22桂成△同玉▲31角、かな?いやあ、すげえ…。。もしかして行方さんの逃げ方にさらに最善があったとしたら、さらに長手数の詰みだった可能性もあったりして。。

 いや~、やっぱり将棋で終盤力があるのはとんでもない武器ですね。聡太くんの将棋とかこういうのを見ると、詰め将棋はサボっちゃいかん、と思ってしまう。最近、終盤に詰みを逃したりするし、やっぱり詰め将棋の練習を復活しようかな(^^)。


第88期棋聖戦 第4局 羽生善治 vs 斎藤慎太郎 (横歩取り)

 第3局、徳俵に足がかかりつつ最後にひっくり返した斎藤さん。あの金打ちはすごかったなあ。持ちこたえた斎藤さんですが、この第4局を取ると流れは一気に斎藤さんじゃないかと。羽生さんとしては、先手のこの第4局で決めたいところですが、さてどうなりますか。

20170711棋聖88-4_羽生vs齊藤慎_横歩40手 戦型は横歩取り△33角戦法で、先手羽生さんは中原囲い▲68玉型、後手斎藤さんは中原囲い△52玉型。どっちの形が優れているのか僕には全然わかりませんが、指されなくなった▲68玉が最近リバイバルしてきたので、なにか見直された部分も出てきたのかも。将棋は早い段階で後手斎藤さんから角交換、これで難解な中盤に突入。いや~、横歩って「一手の価値が高い将棋」なんて言いますが、それは総手数が少ないというだけでなく、中盤の手がかなり難解というか、本当にひねり出す感じになる所もあるんじゃないかと。矢倉や角換わりや対抗形だと、定跡から外れた後も比較的狙い筋や指し手が似ていると思うんですが、横歩はプロの対局をいっぱい見ているにもかかわらず、毎回のように「うわ、そうするのか」みたいな見た事もないような手がバンバン飛んできて毎度ビックリ。しかもその見えづらい手を指せないと一気に敗勢になったりするので、それこそ「一手の価値が高い将棋」という感じがするんですよね。この将棋もそんな感じで、40手目盤面図では、僕は考える以前の問題で▲75同歩の一択としか思えません。しかしここで羽生さんは…

▲66角
 いやあ、なんでこんな手を思いつけるんだろう…なるほど△76歩なら▲84角で飛車抜き、それ以外の手なら▲75角で歩を切り取るのか。。う~ん同じ角交換系の将棋でもこれが対抗形なら思いつく筋でしょうが、横歩と思うから思いつかないのかなあ。仮に思いついたとしても、いかにも角が狭いし、せっかくの角を敵陣でないところに早々に手放す手だし、この手の狙いも細かいというか、睨んだ先の33の地点にすぐに利いてくるわけでもなさそうなので、すぐに却下しそう。後手としては、飛車を躱すだけにならないような手を指したいところですが…

△54飛▲75角△73桂▲66角
 先手は桂頭を守る歩を吊りあげずに桂頭を守る事に成功、後手は歩損しながら角を温存したまま2枚桂のを跳ねだしに成功。いやあ、中原囲いの怖いのは、こういう時に右辺がけっこうがら空きになる事ですよね。後手は馬を作れることが確定したように見えるので、先手の▲66角の打ち込みは本当に成功なんだろうか…

△36歩▲同飛△28角
 ああ、これで後手は香を抜きつつ馬を作る事が出来るのが確定。先手はやっぱり▲66角に代えて普通に▲75同歩の方が良かったんじゃ…

20170711棋聖88-4_羽生vs齊藤慎_横歩53手▲56飛△同飛▲同歩△19角成▲21飛(53手目盤面図)
 うおおお、先手ここで飛車交換から敵陣に飛車を打ち込んだあああ!!この盤面図のどちらがいいか、これが難解。後手が飛車を合わせて消そうとしたら、飛車交換から▲33角成でいよいよあの角が大活躍。というわけで後手は攻めに行くんでしょうが、後手からは△36香とか飛車の打ち込みでしょうか、しかし先手の66の角は銀に紐をつけてもいるのか。先手の攻め筋は▲11飛成で香を補充してからの桂頭攻めが第一感でしょうか。どっちがいいのか全然わかりませんが、どちらも受けを間違えたら即死しそうです(^^;)。

 このあと、双方の狙い筋はやっぱり上記の通りでしたが、しかしその順がスゴイ。後手が良くなる順があったかどうかは分かりませんが、本譜を見るかぎりではどうも飛車の打ち込みをした先手が優勢、そこからは先手の寄せ対後手の受けの終盤。互いに一分将棋となりましたが、攻める羽生さんもすごければ守る斎藤さんもすごかった!いやあ、昨日の竜王戦決勝トーナメントでの終盤の稲葉さんと丸山さんもすごかったですが、よくも終盤敗勢で守りながら「間違えたら一瞬でこちらが寄せますよ」という手を放てるもんです(^^;)。しかし羽生さんが隙を与えず見事に寄せきり、127手にて先手羽生さんの勝ち、棋聖防衛です!!ついでに、棋聖通算16期は最多タイ記録だそうで…すごい、すごすぎる。。

 横歩なので早い段階で序盤から中盤に突入するのは当然ではあるんですが、しかしあんな早い段階からこれだけ一手の価値が高い将棋になってしまうと、敗着が40手代とかになっちゃう可能性もあるんですかね、オソロシイ。どこで優劣に差がつき始めたのかは分かりませんが、斎藤さんは歩切れが響いた局面があって、その歩切れは後手横歩という以外では、あの▲66角でさらに歩損を進行させられた事もありました。さらに、後手左辺崩壊の原因となった3筋桂頭攻めにその角が刺さり、先手陣は突破されると脆そうだった右辺に対してまたしてもあの角の紐がついていたという。かりに序盤構想ですでに差がついていたとしたら、あの▲66角は名角だったのかもしれません。う~ん羽生三冠の大局観おそるべし。
 早い段階で互いに勝負手のようなすごい手を指していましたが、今の僕のレベルだと、アドリブであの手をひねり出せというのはとても無理。やっぱり僕は、横歩の手筋の本を買うべきなんだろうな(‥`)…早く発売日が来ないかな。。

第30期竜王戦決勝トーナメント 丸山忠久 vs 稲葉陽 (相掛かり)

 竜王戦決勝トーナメントは、どの将棋も序盤から激しくいく順の将棋ばかりで恐れおののいてます(^^;)。今のプロはどれだけ早く相手よりも先に変化して自分の研究にひきずりこむかという戦いのようです。今日は、昨年の竜王挑戦者の丸山さんと、名人挑戦者の稲葉さんという、あともう一歩で頂点に立てた人同士の戦い!いや~、丸山さんの強手連発の棋風、僕にはとうてい真似できないので大好きなんです(^^)。

20170710竜王TN_丸山vs稲葉_相掛14手 将棋は横歩取りのような出だしで14手目盤面図。僕は横歩も指すんですが、相掛かりがちゃんと勉強できてないもんで、ここから数手がちょっと怖いんです。というのは、ここで先手が横歩を取れば、超急戦にせよ△33角戦法にせよ横歩に進む事が出来て、勉強してきた横歩の定跡が使えるんですが、▲87歩とか▲28飛(これは後手優勢と棋書で読んだんですが、しかしボク程度の棋力では咎めるのは容易でない…)みたいな手を指されると相掛かりに合流しちゃうので、ドキドキなのです。さて、先手の丸山さんは…

▲58玉△52玉
 あら~どっちも横歩を取らないよ…。
僕は横歩とか角換わりとか矢倉とか、決まった形をまず目指すんですが、将棋って実際には早い段階でけっこう未知の局面に飛び込めちゃうんですよね。横歩と相掛かりは特にそう思います。そして丸山さんは…

20170710竜王TN_丸山vs稲葉_相掛19手▲22角成△同角▲77角(19手目盤面図)
 うあああ、はやくも角交換からの両狙い!はやくも激しい順マニアの丸山さんの将棋に突入です!!いや~逆45角戦法みたいな形になりましたが、これって△45角戦法とか相横歩の激戦定跡みたいなもので、実はもうどっちかがいいんでしょうね、僕にはどっちがいいのかはさっぱりわかりませんが(^^;)。実際にはそれなりに前例のある形みたいですが、僕はまったく分からず。相掛かりの勉強したら出てくるのかなあ、やっぱり角換わり▲4八金・2九飛型より相掛かりの勉強を優先すべきか…。。

△89飛成▲22角成
 ここまでは必然、問題はここでの後手の指し手です。横歩の超急戦とかだと、こういう所で「うおお、そんな手があるのか?!」みたいなのが最善手だったりするので、きっとなんかあるんでしょうが、ぜんぜん分からん。。△23歩とか?いやあ、そんなんじゃなくって、こういう所ってなんかあるんですよね…

20170710竜王TN_丸山vs稲葉_相掛25手△15角▲21馬△24角▲32馬(25手目盤面図)
 なんという激しい順を選ぶんでしょうか、互いに攻めっ気タップリです(゚ω゚;)。 稲葉さんの△15角はなるほどと思いましたが、しかし先手は飛車を引かずに2枚替えに行くのか…。でも、これは僕みたいなヘナチョコにはありえない順で、僕的な形勢判断では後手+3000、みたいな感じ。理由はふたつで、こういう形の玉形を右から竜じゃなくて馬で寄せるのは至難の業という事と、逆に先手は次に△86桂を喰らうと激痛という事。僕なら、40手行かずに投了もある形としか思えない。。

△86桂
 やっぱりそうですねよね(^^;)、僕にはこれで先手陣崩壊、後手陣に迫るにも速い攻めがないようにしか見えないんですが、一体これでどうするのか。…しかし、ここからの丸山さんの指し方が実に勉強になりました!

▲69金△28歩▲同銀△78桂成▲同銀△99龍
 間に△45角戦法でも出てくる△28歩▲同銀の交換が挟まりましたが、先手は金を貼って金桂交換をしつつ、金銀の連結の形を整えながら桂を取った手を飛車に当てて手番を奪回。いやあ、これは見事。しかしこの程度では僕的にはまだまだ後手+1000ぐらいの印象なんですが(^^;)…しかし、ここで後手の龍が8筋から9筋にどいたのが、先手にとってメチャクチャ大きい一手になるかもしれません。だって、8筋にいるうちは後手龍は攻防に利いてるわけなので、これで先手から▲83角とか▲83銀とか▲84桂とか、この形での後手右辺からの押さえ形が利く事になりました(^^)。まあ、角は今は持ってないですが。

▲25歩△26飛
 ここもなんという難しい手を互いに指すんでしょうか、すげえ。▲25歩という角の追い方も、いかにも裏から飛車とか香を打ち込まれそうな怖い追い方だし、またそれに対する後手も角を逃げないままいきなり飛車の打ち込み。ここでの先手の応手もムズカシイですね、挟撃形を許してでも角を抜きに行くか、それともいったん銀を躱すか…いや~難解だ。。

▲39銀△25飛▲33銀△29飛成▲24銀不成
 先手の丸山さんは難しい順に行ったように見えましたが…ああ~なるほど、飛車を打ち込まれても銀を抜かせずに▲49金39銀という形で受けられれば右辺からの攻めを遅らせる事が出来るという事かな?しかも後手の角も抜けたし、僕的な形勢判断では後手+800ぐらいまで差を詰めた感じ(^^)。。しかしそれでもこの後手玉は遠く見える…先手の馬が竜だったら一瞬なんですけどね(^^;)。

 さて、今は夕方5時ごろ。ちょっと出かけなくちゃいけません。帰ってくるまでやっててくれればいいけど…なんか決着が早そうな形の気もします(^^;)。

 帰ってきました!おお~まだやってた、難解みたいでお互いに長考を繰り返したみたい、まだ60手代なのに9時を超えてる(^^;)。将棋は2枚の龍と2枚の馬の対決になってましたが、これは龍の方が強かったです。最後は丸山さんが粘るも、98手にて稲葉さんの勝ち!!

 終盤の稲葉さんの速度差を計算しきっての冷静な垂れ歩や玉捌きはさすがでした。大体じゃなくって、ちゃんと見切ってるんですね、さすがトッププロ。しかしその後、簡単に寄せさせない丸山さんもすごかった。稲葉さんが攻めあぐねて受け潰しに回ったところできっちり詰めろを何度も入れて「のんびりしてるとひっくり返すよ」と迫る丸山さんが、「あ、なるほどこれも詰めろか…」「あれ、これも詰めろじゃね?」って感じ。79手目▲61馬も詰めろ、83手目▲87香も詰めろ、91手目▲55馬も、97手目▲96金も詰めろですよね…。いや~、もう優勢だと思ってこれが詰めろになってる事に気づかないと一瞬で負かされるという(^^;)。。あれだけ追い込まれても稲葉さんが一手でも緩手を指した瞬間に勝敗が入れ替わる所まで持っていく技術はさすがでした。見え見えの詰めろはさすがに僕でも分かりますが、▲77玉みたいなのはウッカリしやすいんじゃないかなあ、僕なら3回ぐらい頓死されられてた気がします(^^;)。
 結局、25手目盤面図から丸山さんは後手玉を捕まえきれなかったわけですが、丸山さんでも捕まえられないんじゃ、僕がいつもああいうのを寄せられないのも仕方ない(^^;)。というわけで、やっぱりああいう形にしたら実践的には勝つのが難しいという事なんじゃないかと。羽生さんや聡太さんみたいな寄せ力がとんでもない人なら寄せるのかも知れませんが、趣味で将棋やってる程度の僕みたいな人には踏み込んではならない将棋という気がしました。いや~それでも序盤から一手の価値が高い将棋で、見ている分には最高に面白かったです!

第30期竜王戦決勝トーナメント 佐々木勇気 vs 阿久津主税 (角換わり▲腰掛け銀-△棒銀)

 藤井聡太くんの連勝を止め、竜王挑戦に一歩駒を進めた勇気さん、今日の対戦相手は阿久津さんです!!僕的には阿久津さんと勇気さんのイメージって似ていて、切れ味鋭い強さなんだけど格下にも平然と負けるという。というわけで、聡太くんを倒した直後にコロッと負ける事もあるんじゃないかと(^^;)。

 さて、将棋は角換わり。先手の勇気さんは角換わりで最近流行の▲4八金・2九飛型を目指しますが、これに対して阿久津さんは…おおお~棒銀だあああ!!少し前に一手損角換わり破りの勉強をしていたんですが、その時に棒銀を見直しました。棒銀が捌けることは少ないんですが、なんというか…仮に銀が出戻りしたとしても、早繰り銀より戦いやすく、相腰掛け銀より打開しやすいです。今回は一手損ではないのですが、角換わり棒銀が▲4八金・2九飛型にどう効果があるのか、これを勉強させて貰おうと思います(^^)。。

20170708竜王30TN_佐々木勇vs阿久津_角換腰掛銀vs棒銀30手 まずは序盤が勉強になりました(^^)。30手目盤面図は、後手の阿久津さんが棒銀から飛車先の歩を交換、銀を出戻った後に8筋の繰り替えを狙ったところです。阿久津さんは棒銀での歩交換を仕掛ける前に序盤にして1時間15分の長考。この筋に自信を持ってたんじゃないかと思います。しかも、たしかに受けにくい、これは銀交換は必然か、いやあお見事…と思ったところで、勇気さんが1時間超の長考の末に指した手は…

▲77桂
 いやあ、これはすごい、言葉が出ないよ…。僕はここに桂を出る形が悪いと覚えてしまってるので、もう考える事すらしてませんでした。なるほど△85銀を防ぎながら2枚桂で居玉の玉頭直撃も見せるのか、これは攻防手じゃないですか。鋭い阿久津さんの攻めを鋭さで返した、そんなすごい手に感じました(^^)。いやあ、勇気さんはやっぱり切れ味が鋭いわ。。

△64歩
 これもすごいというか、僕が指したら悪手認定っぽい手ですが(^^;)、阿久津さんは角を打ち込まれる隙を作りながら、桂跳ね自体を許さない歩の突き出し。これ、▲63角と打ち込まれたらどうするんだろうか。▲96角成とされ角のラインを利かされつづけるといやなので62じゃなくて△52金で▲45角成。う~んこれでも先手悪くないように感じますが、跳ねだした77の桂頭を攻められてこういう馬を作ってじっくり、みたいな感じだと間に合わないのかな…

20170708竜王30TN_佐々木勇vs阿久津_角換腰掛銀vs棒銀38手▲45桂△44銀▲24歩△同歩▲同飛△23歩(38手目盤面図)
 おっとその前に勇気さんは右桂を跳ね出しての飛車先の歩の交換!これもいつかは指したい手なので有力筋ですね(^^)。しかし驚いたのは△23歩で追い返された勇気さんの飛車の動き。なんと…

▲34飛
 えええええ~飛車を引かないのか(゚ロ゚ノ)ノ?!!
いやあ、こういう時に横歩を取れるかどうかは誰でも一瞬は考えると思うんですが、△33歩の一手詰めなので第1感として即却下しちゃったよ。。なるほど△33歩は▲44飛で銀を抜き、△同歩▲53桂成ですか。う~ん昔初段から3段にあがっていったときは、いちいち読んでいたので大長考型ではあったんですがこういう手も序盤から考えてたんですが、最近は形で覚えちゃってて手なりで指しちゃうんだよなあ、反省。では△33歩が打てないとして…いやあ、仮に△53桂成を許した場合にそれがどれぐらい厳しいのかを読まないと方針が立てにくいので、これは難しい…。

△55角
 阿久津さん、これはひねり出しました、なるほど飛銀交換自体を許さない方針ですね。しかし、今度は後手の角も狭い(^^;)。いやあ、お互いに激しい手を選びますね、序盤から中盤入り口ですでに斬り合いの連続といった感じ。解説はここで先手がポイントを取ったという事で、先手の方針として一度ペースを落ち着かせて▲22歩なんていう手を推奨していましたが…

▲32飛成△同飛▲56金
 うああああ勇気さん、飛車を切ったあああ!!それにしてもとにかく一番激しい順を選んできます、プロ将棋はボクの指してる将棋とは全然違う。僕だったら、この辺はまだお茶でも飲みながらぼんやり指してる頃だよ。。

 このあと将棋は完全に勇気さんペース。しかしさすがは阿久津さん、すぐに詰まされてもおかしくないような状況から粘るどころか、逆襲までしてしまいました。解説の中には逆転模様という人まででるほどの寄せ合いの終盤!しかし勇気さん、馬と龍で攻められながらそれを受け切り、最後は上から潰して111手にて佐々木勇気さんの勝ち!!

 
 いや~激しかった、角換わりのはずがまるで横歩取りのような激しさでした(^^;)。。今日の将棋は鋭い阿久津さんの踏み込みを、それを上回る手で強く跳ね返し、その直後に今度は自分から踏み込んでいったこの▲34飛が入ったところで決まったように思いました。プロ将棋で度胆を抜かれる事のひとつはこういった中盤の入り口。僕なんかの場合、中盤は戦いながらいろいろ考えてる感じですが、プロは入口の踏み込み段階ですでに「これで俺が有利だろう」と読み切ってすごい踏み込みを見せる時がある事。これは持ち時間によるところもあるかもしれませんが、それにしてもほんとうに凄いと思います。あと、中盤で自分が多少良くなったとして、そのまま勝ちきる力もすごいですね。まくられても簡単には逆転を許さないというか。いや~、壮絶な将棋でした、途中でテレビの藤井聡太くん特集を見るために抜けてしまいましたが(^^;)。。


第58期王位戦 第1局 羽生善治 vs 菅井竜也 (角交換振り飛車)

 今期の名人挑戦は稲葉さん(28歳)、棋王挑戦千田さん(23歳)棋聖挑戦斎藤さん(24歳)、そして王位挑戦は菅井さん(25歳)。全員20代です。いや~羽生世代&渡辺さんの争いだった数年前に比べると、新興勢力の20代棋士の台頭が著しいですねえ(^^)。20代棋士は今のうちにタイトルをとっとかないと、後ろからスゴイのが追ってきてるしね( ̄ー ̄)。

 挑戦者の菅井さんは振り飛車中心のオールラウンダー。王位リーグで渡辺さんを破ったのも角交換振り飛車だったし、挑戦者決定戦の澤田戦でも角交換振り飛車でした。そして初のタイトル挑戦となったこの王位戦第一局は…角交換振り飛車だああ~~!!これで勝ち上がってきた以上は伝家の宝刀で勝負ですよね、やっぱり。こういう自分独自の戦型をひっさげて向かってくる人って、キャラが立ってていいですよね(^^)。居飛車大優勢のプロ将棋なので、角交換振り飛車をタイトル戦でじっくり見られるのは有り難いです。
20170705王位58-1_羽生vs菅井_後手角交換振飛車29手 菅井さんが王位戦決勝リーグで渡辺さんを葬ったのは三間飛車から角交換して向かい飛車に振り直す指し方でしたが、この第一局もおおむねこういう感じでした。僕の角交換振り飛車の対策はぜんぜん間に合ってませんで、角交換四間飛車対策を応用してなんとかしてます(^^;)。端的に言うと、「強敵は向かい飛車への振り直しで、これを何とかこらえて隙あらば穴熊」というだけ(^^)。。居飛車を指していて角交換振り飛車が厄介なのは、居飛車側の玉型が悪いんですよ。。でもって、この将棋での羽生さんの戦い方が見事。いきなり穴熊ではなく、▲66角を打って(ここに角を打つのは角交換振り飛車で向かい飛車にされた時の振り飛車の急所…ですが、こんな状況でも打つのか!!角が逮捕されそうでおっかねえ…)攻めを見せ、戦いながらいつの間にやら玉形を整え、しかも穴熊に潜ったのでした。いや~角を打つタイミングは別としても、やっぱり角交換振り飛車に対しての構想はおおむねこういう方針ですよね(^^)。しかし、後手菅井さんが飛車を5筋に振り直してからは超難解な将棋になり、まったくついていけなくなってしまいました(T_T)。これは中盤終わりもそうで、居飛車も振り飛車もどちらも穴熊に潜った状態で、どちらの玉にも近い所が戦場になったもんだから、中盤と終盤が一緒になったような感じになって、受けと攻めがどちらも一体の速度勝負になってました。いやあ、これは難解だ…。。そして最終盤、1時間以上の持ち時間の差が影響してか、羽生さんが強引な角の打ち込みから寄せに踏み込みますがこれが失敗、144手にて菅井さんの勝ち!

 時間攻めでの敗退といえば、森内-糸谷の竜王戦を思い出します。早指しは若い人が有利なんて言いますし、実際それもあったかも知れないけど、この前の棋聖戦の一手バッタリはそうじゃなかった。今日の羽生さんの終盤での強引な角打ちが一手バッタリの敗着だったとしたら、羽生さんは2局続けての一手バッタリという事になります。羽生さん、この前の棋聖戦といい、終盤で若手に競り負けてるみたいです。これまでは、互角でいったら終盤は羽生さんのものだったのに今は競り負けてしまう、これは衰えでしょうか(T_T)…。大山さんが中原さんにタイトルを全部剥がされたのが49歳の時、羽生さんは今年47。近年、森内さんや郷田さんといった羽生世代の超強豪が急激に衰えているように見えます。その中で羽生さんだけは名人を奪い返したり3冠を維持してたりしたんですが…羽生さん、藤井聡太くんがタイトル戦に出てくるまで、なんとか頑張ってくれ~!!


7月発売の棋書がヤバい

 棋書って、ここ半年ほどで40冊ぐらい出てると思うんですが、その中で読もうと思ったのは斎藤さんの『矢倉左美濃急戦』の1冊だけ。欲しいものがあまり出ずに助かってました。だって、まだまだ勉強したい定跡が山積みなのに、新しい定跡にどんどん来られても追いつかないんですもん(p゚ω゚*)。ところがこの7月、良さそうな棋書が2冊出てしまいます。ひとつはコバ裕さんの角換わり▲4八金・2九飛型の本、もうひとつは高道さんの横歩取りの手筋本。いや~どちらも居飛車党の自分が勉強したいところのツボ。こまった…。。

 買うのはなんの問題もないんですが、趣味で将棋を指してる僕の場合、将棋の勉強に割ける時間が限られていて、やたらめったら買ってもちゃんと読めないんです。最近は有力そうな筋の変化や棋書でサラッと終わらせてあるところも疑問に思うと調べたりしてるので、1冊取り組み始めるとけっこう時間かかるんですよね(^^;)。う~ん、もう一回今年の勉強プランを練り直して、なにをどの順番で勉強するのかよく考えよう。でも飯島さんの横歩の本みたいにすぐ絶版になったらいやだから買っとくかな…。

第30期竜王戦決勝トーナメント  佐々木勇気 vs 藤井聡太 (相掛かり気味からの相横歩みたいな)

 連勝記録の続く聡太くん、ここからの竜王戦トーナメントは「若手強豪」じゃなくて「プロ強豪」という相手ばかり。勇気さんはボロッと変な負け方をしたりするけど、勝局での切れ味の鋭さは強烈。ボディーブローをドスドス入れるんじゃなく、「あっ」という電光石火のストレート一撃で倒す感じ。聡太くんが負けるまで全局見逃さずに行こうと誓ってしまった僕としては、そろそろ負けてくれないと将棋に時間を取られ過ぎて困っちゃう状態、勝ってほしいけど複雑な心境です(^^;)。

 先手は勇気さん、相掛かり模様ですが、先手の勇気さんが早めに▲68玉と上がってちょっと変わった出だしになりました。勇気さんは横歩でも玉をここに構えますが、この形の守りを研究しまくってるんでしょうね。都民の僕はこれから奥さんと選挙に行ってまいります(^^)/マタネ。

20170702竜王30TN_佐々木勇vs藤井聡_相掛35手 帰ってきました!悪い政治家や役人が減って世界が平和になりますように( ̄人 ̄)。さて将棋は…なんか青野流横歩みたいな格好になってましたが、なんとなく勇気さんの方が指しやすそうに見えるぞ。しかし35手目の▲82歩の打ち込みはすごいな、▲87歩が利かなくなるからおっかないけど、犠打を放って端桂を強要するのか。勇気さんはこういう鋭い手がいきなり飛んでくるんですよね。そしてここからが超高度な中盤。

△93桂▲37桂△42銀▲95歩△86飛
 先手の指し順が難しいですが、駒のあたっている場所がたくさんあるからこういう拡散的な指し回しになるんでしょうね。先手の狙いを整理すると、攻撃では右桂の跳ね出し、後手の端桂を目標にする、と金の捌き、角交換や飛車切りのタイミング。受けは飛角の攻撃のケア、端攻めの逆用、2筋の歩の垂らし、8筋の歩の打ち込み、このへんでしょうか。後手藤井さんは…いや~本当ならはやく△86飛と指したいんだろうけど今指すと次の桂跳ねが厳しい、というわけで苦肉の△42銀に見えます。攻めるといって攻め手が難しいし。というわけで、先受けしてからの△86飛、という感じかな?これにどう応接するか、順が難解ですがうまく指し回せれば先手がよく出来そうな気がする…

▲81歩成△27歩▲29歩
 なるほど、先に歩を成り捨ててお役御免で8筋に歩を打てるようにしつつ、しかしこれを取りに行くと▲94歩以下端攻め炸裂なので取りにくいのか。。というわけで、ここで藤井さんはこのと金を放置して2筋に嫌味をつけに行きます…が、これを佐々木さんはガッチリ受け、辛い(^^;)。。もう8~9筋方面の模様がいいのだからこういう所で危険を冒さなくていいという事ですね。これは何か先手が指しやすくなってきたみたいだぞ…

△23金▲35飛△81飛
 普通に行ったらヤバそうとみたか、藤井くんは攻め駒の飛車を下げさせてからと金を払いました!いや~△23金は一時しのぎ的というか、紐は外れるわ形は乱れるわで綺麗な手とは言えませんが、なるほどこれで飛車が5段目に落ちるので無条件の84飛は回避できるし、後手から角交換に行った時に金が飛車あたりにならずに済むのか。場合によっては先手玉を右に追い出した後の止め駒になるかも。これは△42銀を指した時からの一連の構想だな( ̄ー ̄)。。というわけで、これは後手からの角交換も視野に入れた反撃の布石かも。しかし、先手に桂を跳ねさせられる方が速そうですが…う~ん先手も後手も争点や指し手は何とかついていけるんですが、読まなきゃいけない部分が多いし順番が難しいよ、ついていけないよ(T_T)。。

▲94歩△97歩
 先手だって飛車角直撃を喰らってるので怖くないわけがないんですが、こういう所で局面を落ち着かせないまま強く指してくるのが勇気さんなんですよね(^^;)。これが直線的に入るなら話がはやいですが、しかし端攻めは逆用のリスクとセットの手なので、とうぜん後手は代償を求める△97歩、さてこれでどうか。いや~ここで単なる駒交換だけにさせられずに利きを作るなり駒得を主張できる状況なり、明確な主張を通せれば先手の勇気さんが中盤は取った気がしますが…

 この後は凄すぎて絶句。この際どい局面で、勇気さんは1時間21分の大長考の末、攻めでも受けでもなく、なんと玉を1路遠ざけるだけの手。一方の藤井さんも難解な飛車あがり。これはアマ弱小の僕にはとても分からない…。。夕食休憩もすぐに行かずに盤面を見つめ、はやく帰ってきて盤面に向かって…どちらも若くしてすでに立派なプロ意識が身についていました。大人だって自分の仕事にここまで情熱をかけられる人って多くないと思う…全身全霊をかけた戦い、感動してしまった。。藤井くんはこれまでの公式戦で使った事のないほど時間を削られ、終盤で勝負の踏み込み。勇気さんはそれを紙一重でかわしながら、最後に手抜いて寄せに着手。最後、藤井さんは何度か水を飲み、そして投了。101手にて佐々木勇気さんの勝ち!

 最後、勇気さんが寄せに踏み込んだ時には、アマの僕が見てもすでに勝負あり。それでも10手以上淡々と形作りを指し続ける藤井さんを見ている時、なんともいえない気持ちになりました。互いに夕食休憩も切り上げ、大長考もあり、これまでにないほど時間を使い、どちらも死力を尽くした将棋でした。今日の東京は選挙でしたが、自分の権力を笠に悪事を働いたり思い上がった事をしたり、それを指摘されてもとぼける、謝罪どころか誤りを正そうともしない、自分を改めようともしない…自分の本職で何を全うすべきか、ここでプロフェッショナルでいるのではなく、いつの間にか何が最善かではなく自分のしたい事を強引に通すばかりの思い上がりや欺瞞だらけの汚れになっていく大人が多い中で、この対局の20代前半と14歳は、若くしてふたりとも立派なプロフェッショナルでした。藤井さんが最後に暴れにいってから投了するまでの間、涙が止まらなかったよ。。ここから10年20年と将棋界を引っ張っていくふたりでしょうから、これからも激戦を見せてくれると思います。その公式戦初戦は、いきなり大名局でした。プロとして申し分なし、あとは棋士である前に社会人である事を忘れずに最低限の常識と教養と意志力を身につけて、文化の積極的な作り手のひとりとして今後もがんばって欲しいです。本当に素晴らしかった・・・素晴らしかった!

第88期棋聖戦 第3局 斎藤慎太郎 vs 羽生善治 (後手藤井システム)

 昨日は明け方まで友人とファミレスで話し込んでしまった、クソ眠いzzz。そうだ今日は棋聖戦だった、戦型だけ確認したらもうひと寝入りするか…うおおおお、羽生さん、後手藤井システムだあああ!!!いっぺんに目が覚めてしまいました(^^;)。いや~、若い棋士は藤井システムの洗礼をあまり受けていないから、という事なのかなあ。たしかに、今の斎藤さんに矢倉や角換わりを採用するよりも効率がいい気もします。そういえば、非公式戦ですが羽生さんが藤井聡太くんを破った将棋も藤井システムだった気が…。。ただいま昼食休憩、システム対策が実にいい加減な僕としては、システム破りの棋譜はひとつでも多く見たいので、これは見逃せない一番となりそうです(^^)。

20170701棋聖88-3_齊藤慎vs羽生_後手藤井システム30手 僕も後手藤井システムに対して▲55角とせずに穴熊を目指すタイプなので、30手目盤面図までは納得…というか、これでいいんだとひと安心(^^)。さてここから…

▲38飛△45角
 ウヒョ~(ヒフミ風)先手は穴熊に囲うより先制を目指すのか(゚ロ゚ノ)ノ?!いや~僕は渡辺さんの本で穴熊を学んだもので、「穴熊に囲い切るまではとにかく辛抱」を忠実に守ってますが、プロは少しの隙でも突くとか一手遅れが命取りとか、そんなに単純にはいかないんでしょうね。一方の後手はこの飛車に対応した動きなんでしょうが、これもムズカシイ手だなあ、△43銀か△63金が普通だと思うんだけどなあ。

▲98歩△43銀▲28飛△33角▲99玉△54銀▲88銀(39手目盤面図)
 あ、結局角の活用を見せられて飛車を戻しました、これでありがちな居飛車穴熊vs四間飛車美濃の形に(^^)。先手穴熊は取りあえず駒組み一段落、あとは端歩とか桂跳ねとか角引きあたりを指せれば万全ですが、それを待たずに攻める手もあるかも。

20170701棋聖88-3_齊藤慎vs羽生_後手藤井システム39手△84歩
 後手ここは玉を固める手もあったんじゃないかと思いますが、攻め手を優先。この△84歩もよくやられますね、穴熊を横やコビンではなく上や端から潰すやつです。しかし、ここで先手が手番を握って…

▲35歩△同歩▲24歩△同歩▲65歩
 斎藤さん、いったあああああ(゚∀゚)!!!いや~細かい所の形の差はあるかもしれませんが、これは対抗形でよくある攻め筋なので、プロではビッタリ一致の前例もあるんでしょうね。でも、ここで後手はムズカシイですね。さすがに△同歩は無いでしょうが、△同桂は良さげに見えて角交換を許して2筋の飛車を走られるし、角交換を仕掛けてから△22飛と受ければ2筋は受かりそうだけど▲64歩は許してしまうし。それでも僕なら龍を作られるのは嫌だから角交換だな。

△65同桂
 うあああ、羽生さんこの歩を桂で取ったああ!!という事は、先手から角交換された後に飛車を走られるのは確定なので、それで良いと思ってるのか…。これは先まで読みを入れてないと怖くて指しにくい順だと思うんですが、さすがプロはすごい。このあたりの桂跳ねと角のラインを活用しての穴熊のコビンの攻防は、居飛車穴熊と四間飛車美濃の戦いの醍醐味ですね(^^)。

▲33角成△同桂▲24飛△57桂成▲同金
 先手は飛車を走って龍を作る事が確定、後手は銀桂交換の駒得。う~ん、ここまではバランスが取れてる気がしますが、問題は龍が出来た後。こうなると、後手の捌きのテクが明暗を分けそうです(^^)。

20170701棋聖88-3_齊藤慎vs羽生_後手藤井システム78手
 ここからは大喧嘩、お互いに局面を落ち着かせに行かずに攻めを選択、一手差を争う速度勝負の将棋になりました。そして双方の飛車角が敵陣の急所に突き刺さり、金を渡すか銀を渡すかで寄せの図が全然変わり、どちらも角を切って寄せに行くとその角で攻防手を打ち返される筋があるというとんでもなく面白い終盤。どっちも勝ってるように見えましたが、先手攻防の馬の受けの筋を消す△67桂を羽生さんが指した78手目盤面図。ここで斎藤さん…

▲73金
 うおおお、斎藤さん、すごい手をビシッと指したああああ!!!!いやあ、ネットTVでダブル解説をしていた光瑠さんも太地さんもまったく見えてなかった一手、どよめいていました。これが奇跡の逆転の一手、このあと羽生さんはとんでもない形作りをして(しかしあんなのよく思いつくな…)109手にて投了。斎藤さん、1勝を返しました!!

 斎藤さん、タイトル戦初勝利です!いや~ストレート負けだと「レベルがぜんぜん違う」と本人も思ってしまうと思うので、この1勝は大きい(^^)。しかし羽生さんが終盤で悪手を指すというのは珍しい、つまり▲73金が見えてなかったんだと思いますが、それだけあの手はプロでも見えにくい手だったのでしょう、羽生さんだけじゃなく、色んな寄せ筋や受けを考えまくっていた光瑠さんも太地さんも見えなかったですからね。いや~今日は藤井システム対策の勉強も出来たし、超高度な終盤戦も見れたし、いい将棋だったな(^^)。。

プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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