第74期名人戦 第2局  佐藤天彦 vs 羽生善治 (矢倉)

 第1局はとんでもない逆転劇となった名人戦。この名人戦は面白くなりそうです。まだ先手番で羽生さんが1本取っただけとはいえ、この第2局をブレイクされると、天彦さんは雲行きが怪しくなってしまいます。ここは取りたい所なんじゃないかと。となると、得意の角換わりだろうな…おおお、矢倉だああああ!!!天彦さんは先手早囲い、これは相手の読みを外すと同時に研究があるな( ̄ー ̄)。さて、どうなりますでしょうか。


第29期竜王戦1組5位決定トーナメント 阿久津主税 vs 羽生善治 (角換わり相腰掛け銀)

 毎年、竜王戦は予選が面白いです!中でも1組の争いは壮絶なので、むしろ2組で勝ちあがって本選トーナメントに行った方が楽なんじゃないかというほどに熱いです(^^)。今期の場合、すでに羽生さんがあと一敗したらオシマイの所の崖っぷちにいるので、ハラハラしながら観ています。この将棋は阿久津さんとの対局で、角換わり相腰掛け銀。時代は羽生世代同士の潰し合いだけではなくなってきていて、若い世代と羽生さんの争いという様相も出始めています。中村太一さん、豊島さん、天彦さん…タイトル戦も羽生さんと紙一重なんですよね。阿久津さんは若手とは言えないでしょうが、羽生世代のひとつ下の世代の中心にいるひとりだと思います。

20160414_竜王29-1組_阿久津vs羽生75手 
 さて、75手目盤面図は、既に羽生さんが相当に忙しそうな局面に見えました。後手羽生さんに飛車取りが掛かり、それを手抜いて先に9筋の歩の交換を後手が行って端攻めを見せたところで、阿久津さんが▲92歩と打ち込んで香を止めた所。後手は飛車取りが掛かっているしかなり忙しい所なんですが、実はここに来るまでに後手に面白い順がありまして、なんでそうなのかな…と思っていました。それは相腰掛け銀の一番の戦場になる中央での折衝で、羽生さんは銀交換も出来たのに、自分から銀桂交換という駒損の交換を先に行ってここに辿りついたんです。僕みたいなアマチュアからしたらなんで銀交換じゃないんだろうか、桂を手駒にしておいた方が有力な攻め筋があるのかな…と思ったんですが、しかしその桂の使い方が分かりません(;_;)。ここは飛車を逃げたい所ではありますが、しかしそうなると桂も香も拾われてジリ貧状態になりそう。だから、ここは手抜いて反撃に着手したい所だとは思うんですが、見えるのは11-99へのラインが素通しで、まだ角を下ろしていない羽生さんとしてはこのラインの角を働かせての攻めを作る事が出来るならそれを作りたい所。でも、どうやればいいのか…

△75桂
 うわああああ、なんだこの桂の打ち込みは?!!…ああああああなるほど、87の歩に紐をつけてから角の打ちこみを狙うのか!!いやあ、これを想定して11手も前に銀桂交換を優先しておいたのか、鳥肌が立ってしまった。なんという構想力と大局観、こんな構想できないよ。もう、△87歩▲同歩△86歩とか、相腰掛け銀のややこしい中央の駒の交換順とか、部分的な手筋が考えなくてもひとかたまりで身についていないと、こんな構想は無理なんでしょうね。部分的な手筋の組み合わせやその速度を一生懸命考えているレベルじゃ、ここまで構想するのはとうてい無理だわ。…しかし、だからと言って羽生さんが良いのかどうかは別問題。仮にこんどは先手がつきあわずに▲71馬と飛車を抜いて攻めを急いだらどうなるんでしょうか。

▲22歩
 あ、そうか、そんな味消しをせずに、先に味つけが入るのか。どうもこういう急場になると、味つけとかよりも踏み込んでどうなるかばかりを考え始めちゃうんですよね(._.〃)ゝ。これはひと目好手、△同玉とさせておいてから…

△56銀
 うあああああああ、羽生さん、手抜いて踏み込んだあああ!!いくらなんでも▲21歩成を許していいのか?あり得ないだろう…。

 ここで考えてしまったのは、ふたつ。もう速度的に後手が早いと見て羽生さんが手抜いて踏み込んだのか。それともその逆で、先手がいいと見て、間違えたら許さんという局面を先に作りに行ったのかという事です。ちょっと考えてみたんですが、僕レベルではとても判断できなかったです。考えてみたのは…
 ▲21歩成は王手で絶対に入るので、▲21歩成△同玉は先手から見てほぼ必然。でも次が僕には分からなかったです。攻めるなら数が足りないので持ち駒の桂を投入するとすれば、▲33桂△同金右(全部清算するなら△同金直でも結局同じ?)▲同歩成△同金。本譜もそう進みました。さらに普通に行くなら、ようやくここで▲71馬で飛車確保、あとは悠々と飛車を下ろせば、後手はもう守り駒を外されてほとんど坊主状態ですし、端も詰められているので脱出経路もなしなので、ここで後手からスピードある攻めがないのであれば先手大差勝ちかと思うんですが、飛車を抜いた瞬間に手番が渡ってしまうんですよね。後手に手番が渡ると、その瞬間に後手からは角や銀の打ち込みがあって、これが詰めろ。こうなると、先手は詰めろ逃れで凌ぐかどうか、あるいはそれを手抜いて寄せられるかどうかの計算になると思うんですが、ここが棋力が足りなくて分かりません(;_;)。手が見えないのはどうしようもないけど、自分の能内将棋盤の靄のかかり方だけでもどうにかしたい。。

 そして、なんとこの数手後に後手ではなく先手が投了。つまり、少なくとも阿久津さんの見解では、先手は飛車取ってる場合じゃなかったという事ですよね。これは恐るべき将棋、とんでもない凄いモノを見せてもらいました、震えが止まりません。

 さて、たかが3手しか書いてませんが、僕は先手を持っても後手を持っても、3手ともこう指せなかったんじゃないかと思います。しかも、指された後は「あああ、これはひと目いい手だ!」と思ってしまうんですから、やっぱりプロの凄さはけた違い。将棋の勉強時間が寝る前の数時間しか取れない僕は、「とにかく苦手の序盤を克服しなきゃ」と、そこに集中してきた1年ほどなのですが、とんでもないです。あそこで銀桂交換に行ってすでに終盤局面を描いていたこの将棋を見るに、中盤も終盤もまるで話になりません。後手が作ったこの将棋が見えるためには、構想以前に△75桂が全然見えていなかった時点でもう絶望的なんですが(^^;)、それでも中盤に関しては柔軟な発想や考えるテクニックみたいな所も重要だと思うので、やっぱりプロ将棋を見るのが一番いいのかも知れません(といって、プロ将棋を見る言い訳を作ってみたりして^^;)。


石川泰さん、奨励会を退会

kakogawa03_start-01.jpg 奨励会3段でプロ一歩手前だった石川さんが、奨励会を退会したようです。3段の中でも、もう少しで4段プロ入りという位置にいた人だけに、ちょっとビックリ。でも、今年が大学卒業の年だったようで、本人にとっては決断の時だったのかも。

 思うのは、将棋についてです(野球でも音楽でもいいんですが)。僕はもう40代半ば、自分がこれと思って飛び込んだ仕事が実力の世界なものだから、若いうちは良いも悪いもなく、好きというだけで苦労も苦労と感じずに頑張れたんだけど、30代、もうすぐ40代…となるにしたがって、「ああ、もう俺はこの世界で自分がやりたかったところまで行くのは無理なんだろうなあ」みたいに見えてきちゃって、頑張れなくなっちゃった時がありました。そこから何とか立ち直って頑張り始めたのが数年前。運や人にも恵まれて、それなりの成果を出すことが出来ました。それで今は次のステップへの過渡期だと思うんですが(将棋でいえば40代にしてB1から初のA級挑戦みたいな感じ?)、次の挑戦に乗り出す今、夜になると「この生き方で正しい人生なのかなあ」と思ってしまうんです。次の人生の大きな選択が、好きとか習慣になってる毎日の連続で良いのか…みたいな。死ぬ瞬間になって、「この生き方で良かったか」という後悔をしたくないんですよね。でもそれって、生きている時の瞬間瞬間の決断で、常に問われている問題と思うんです。
 
 石川さんは、年齢制限ギリギリでもなく、奨励会3段まで行っているぐらいですから、子供の頃から将棋をやってきたのでしょう。僕にも(将棋じゃないし、そんなにすごいレベルでもなかったんですが)そういうものがひとつありました。ずっとピアノをやってきてコンクールの受賞歴もそれなりにある人とか、ずっと野球をやってきて甲子園まであと一歩の所まで行った人とか、そういう「子供の頃からの自分にとってのすべて」みたいなものを持っている人って、けっこうたくさんいると思います。そういうものって、もう半分は自分自身みたいなものなんじゃないかと。でも、石川さんみたいにこれから社会に出る瞬間になって、その「自分のアイデンティティにすらなっているようなもの」の価値と、自分のこれからの人生のあり方を天秤にかけた時、果たして将棋やピアノや野球でいいのか…という設問の立て方は正しいと思うし、また分かる気がします。たとえ話ですが、もし比較の対象が「子供の頃から大好きでずっと打ち込んできた○○」と、「これから大人になって、社会で果たしたい○○という大きな仕事(例えば病人を救う医師とか、貧困国を救う国際援助の仕事とか、人間はどうあるべきかを考える哲学者とか…)」の比較だった場合、好きか嫌いかじゃなくって、進むべき道かという観点から後者を選ぶ…という事はあり得ると思うんですよね。そして仮にそういう決断だった場合は、僕は後者を選ぶのが正解だと思うのです。

 奨励会退会は、石川さんにとって、人生最初の大転換期かも。そしてこの決断が正しいかどうかは、外野にはとうてい分からないし、もしかすると当人だって今は分からないかも知れません。でも、僕はいい決断だと思いました。そして、これが本当にいい決断になるために、自分が選んだ方の人生が、将棋の道以上の価値あるものにしてもらいたいと思います。石川さん、卒業おめでとうございます。社会に出てからが本当の人生。どうぞ、がんばってくれ~~!!


昨日の名人戦の記事に追記しました

昨日の名人戦は凄かった!劣勢に見えたあそこから、どこでひっくり返ったのか自分なりに頑張って考えてみたんですが、結局よく分かりませんでした(゚ω゚*)。ただ、何かあったんですよ。しかし、面白い名人戦だったな~。。

第74期名人戦 第1局 羽生善治 vs 佐藤天彦 (横歩取り)

 ついに始まりました名人戦!春ですね~。今回は羽生さんが負けてしまうような気もしていて、ちょっとドキドキです。第1戦は天彦さんが後手。これは嫌な予感が…おおお~後手横歩取り、きたあああ!!羽生さん、初戦から相手の得意戦法を受けて立ちました!△33角戦法から双方とも玉をまっすぐ立った所までは現在の横歩の本筋。面白かったのは、先手羽生さんが右の金も銀も立たないうちから▲36歩を先に指したところ。まだ1日目の午前中ですが、これは面白い事になりそうです。。

20160405名人74-1_羽生vs佐藤天_横歩27手 で、羽生さんは右の金銀を動かさないままという方針を貫いてしまいました。それが27手目盤面図。▲36歩を突いて飛車の横利きが止まり、これを後手が咎めるとしたら△74飛が第一感。それは当然先手も分かって指しているので「これは最初のチャンスは見送れという典型的な形かな?」と思ったんですが、天彦さんは積極的にこの順に飛び込みました。そうなると▲35歩は必然…みたいな流れで、27手目に辿りついた感じ。ここから…

△25歩
 後手横歩で先手右辺にアヤをつけに行く手を得意にしてきた天彦さんらしい手です。▲同飛だと飛車の横利きが消えるので、ここは当然横に逃げるんでしょうが、だとすると▲56飛?こうなると古い横歩の構想で、両桂跳ねて…みたいな感じが本線かな?でもそうなると△24飛との競争になる?いや、その前に角交換をどちらが入れるかという問題もあるのか…う~~んむずかしいいい。。

▲同飛△76飛
 マジかああああ、羽生さん、さほど時間も使わずに取ったああああ!!!これだけはないと思ったんですが、そこに踏み込んじゃうのか。。でもそうすると、僕レベルでは既に先手がどう受けていいか分かりません。まともに行ったら先手左辺が破れなので、ここで▲34歩や右辺の整備は全部無いとすれば、ここで先手にありそうな手は…強い手なら▲33角成、受けるなら77に合駒を入れるか、超絶に怖いけど▲68玉ぐらい?いや、玉寄りはいくらなんでも戦場に近すぎるうえに3枚目の金駒の援軍なしが怖すぎるからちょっと指せないですよねえ。じゃ、合駒かな?僕なら恥も外聞もなく謝っちゃって▲77歩で延命を図っちゃいそうが(^^)、この形に誘導した以上は善悪ではなく▲77金かな…

▲77角
 いや~すげえ、角なのか、これも角はないと思ったんだけどなあ。でも、という事は、角筋を通しておかないと△55角がヤバすぎるという事かな?それとも、後手から角交換して貰って手順に金をあがりたい?まだ31手目なのにすでに△45角戦法なみの激しさ。難しくって分かりません(∵`)。

△同角成▲同金△36飛
 しかしこれは…本筋っぽい手を指していくだけでも、後手の攻撃が厳しく見えます。でも、あんまりゆっくりしてると▲34歩とかいろいろ飛んできちゃうので、見方を変えれば後手もスピードを要求される攻めなのかな?これは、先手はしばらく受けに回る方針かな?

 この後もう少し指して37手まで進み、天彦さんが38手目を封じました。天彦さんは封じ手にけっこう時間を使ったんですが、これはここで良くしてしまおうと考えていた気がしました。たしかに、なんかいい手を指したら決まっちゃいそうな局面にも見えます。いや~横歩はオソロシイ。見ている分にはこんなに激しくて面白い将棋もありませんが、こんな激しい&危険な順に行くのは、自分では怖すぎて無理。プロの評価では後手持ちの人が多かったみたいですが、一手でひっくり返りそうな超急戦模様なだけに、野球で言えば乱打戦、どうなるか分かったもんじゃないですよね。さて2日目はどうなりますか。。

◆◆◆◆◆
 ただいま、2日目の夕食休憩明け、夜7時です。メッチャ面白い(^^)。羽生さんの▲96歩がすげええ!!天彦さんの、十字飛車を掛けさせてからの掛け返しもすげええ!!横歩じゃないとなかなか見られない大技合戦なんじゃないかと(^^)。今日はニコニコ生放送をずっとチラ見出来たんですが(ちょくちょく追い出されます(。^д^))、渡辺竜王の解説がメッチャ分かりやすいです。今でもどちらが良いのかよく分かりませんが、難解な最善手を求められていて、それを指せないとどちらもいきなり劣勢になる…みたいな感じなので、形勢判断はそこまで重要じゃないかも。いや~、すごい名人戦になりましたよ、これは(^^)。

 ただいま8時25分。羽生さんの美濃崩し、思いっきり入っちゃってます。天彦さんがどこまで粘れるかという感じですが、これはキッツイんじゃないかなあ。

 ただいま8時58分。天彦さん、投了しました。第一局は羽生名人の勝ち!!いや~、昨日の封じ手の時点では後手模様良しと言われていたのに、一体どこで逆転したんでしょうか。いや~、マジックというか、横歩はほんの少しで簡単に優劣が入れ替わるから難しいっす。
 これで名人戦は羽生さんの先勝。とはいえ、先手番の一勝なので、まだ全然分からないですね。本当は振り返りたいんだけど、実は仕事が終わってません(^^)。さて、ちょっと仕事がんばるぞ~!

◆◆◆◆
20160405名人74-1_羽生vs佐藤天_横歩54手 仕事終わりました!!さて、日付が変わっちゃったけど、一体どこでひっくり返ったのかがまるで分ずに???状態だったので、2日目をちょっと見直してみようかな(^^)。少なくとも54手目盤面図あたりまでは、シロウト目には先手かなり悪いように見えました。なんといっても自陣の形が厳し~い。いや、アマチュアなもんで、普通じゃない形になると悪いように見えちゃうのかも知れませんが(^^;)。何が厳しいって、①自陣左辺の金銀の連結は最悪、②角が思いっきり的にされている上にあまりいい働きをしているように見えない、③飛車の攻め筋がない上に、守りも飛車だけでは角頭を守り切れるようには到底思えない、こんな感じでしょうか。この局面図に至るまでの流れも、先手が打ち込んだ怪しい角を咎められて押し返されての37角、さらにその角頭を狙って銀を伸ばされて、角頭を押さえられるのは時間の問題。飛車も1日目の△25歩の叩きを▲25同飛として以降、▲24飛~▲84飛~▲85飛~▲84飛と追われまくって今に至る感じ。左辺の金銀の連結も悪い所に後手飛車の照準を合されちゃってるし。つまり、1日目後半から2日目アタマのこの辺までは、先手の模様が悪い→羽生さん粘りつつ怪しい手で複雑な局面を目指しに行く→天彦さんそれを片っ端から咎めてむしろ差を広げる→先手ピ~ンチ!!…みたいな感じなのかな?いや~、アマの僕からしたら、この盤面図で先手が何を指していいのかまったく分かりません。ところが、ここからの羽生さんが…

▲76飛
 うおおお、飛車をぶつけたああ!!!
いや~、とうてい捌けそうになくなった飛車の活用をみるのは分かりますが、でも仮にこれを△同飛▲同金と進んだら、スッカスカの左辺の金まで浮かされちゃって、もう取り返しのつかないぐらいにひどい形になっちゃわないかい?それでも飛車を捌きに行く方が良いという判断なのか。
 しかし考えてみると、後手はこの飛車交換を拒否しづらいかも知れません。交換以降の後手の攻め筋はおいておくとして、飛車を逃げたら▲74歩ですよね?それを△74同歩としたら▲91角成で後手陣が一気に潰れるうえに、後手からしたら的にしてきた角頭の攻め筋がなくなるので、さすがにこれはまずいっす。それは代えて△74同飛でも同じ事。という事は、飛車をかわす場合には、▲74歩よりも厳しい攻めが後手にないといけないのか。あるとしたら44か54でしょうけど、それでも▲74歩だと?△44飛▲74歩△35銀▲73歩成△同銀▲74歩△64銀に…▲同角とバッサリ行って△同歩▲82銀とか?いや~先手は角銀交換の駒損ですが、けっこう怪しい状況になる上に、先手が手番を握るのか。いきなり銀を打ち込む前に▲36歩を入れて銀を追い返しておけば先手の攻撃を遅らせる事も出来るのかな?なんか他にも色々味つけできそうだな…これは手も広い上に、結構ちゃんと読みを入れないと怖くて踏み込めそうにありませんね(^^;)。というわけで天彦さんは…

△同飛▲同金
 飛車交換に応じました!そして手番は後手天彦さん。働きの悪い飛車を捌かせた以上、ここで一気に攻めきりたい所ですが…

△43角▲77金△35銀
 桂頭を守りつつ金に当てる筋違い角を打ってから△35銀!この角打ちが受けの天彦さんらしいというか、手番を渡さないように攻防手で受けてから攻めに行くんですね。これ、屋敷さんや丸山さんだったら勝っても負けてもいきなり△35銀だった気がします(^^)。次の△36歩が厳しいですが、ここで手番は先手で…

▲21飛△46歩▲同歩△26歩▲同歩
 ▲21飛は入りますよね。しかし驚いたのは、天彦さんの応手。アマ的には、美濃を横から飛車で攻められるのは異常に守りにくいので、△31飛▲同飛△同金で一段金を作って打ち込み場所を消すのかと思いました。しかしなぜそうしないで△46歩なんだろう。大体、△46歩ってどういう意味なんだ?…もしかして▲55角が厳しい?!いや~、先手の角は、思いっきり的にされている時限爆弾ですが、しかし爆発するまでは美濃の急所に刺さっているという、勝っても負けてもこの将棋のキーマンだったのかも。しかも、先手には常に▲74歩があるので、薄いと思っていた7筋の歩がないのは、こと攻撃に関しては先手に都合がよかったとすら思える展開。しかも、天彦さんの歩の攻めを全部単に▲同歩と取ってしまうのが異常に不気味…

△31飛▲同飛成△同金
 あ、やっぱり飛車を合わせて消すのか(^^)。でもこのタイミングなんですね。あがった金を下げる事になるので若干悔しいかも知れませんが、やっぱり美濃で守るなら飛車の打ち込みを消しておく事を優先した方が良いですよね。

▲78玉△71玉▲68銀△82玉
 なんと、ここで囲い合い(^^;)。いや~しかしこの囲い合いはどちらが得したんでしょうか。少なくとも先手はデンジャラスすぎる即死級の玉に金銀を引っ付けられたのは大きい。対する後手は…いや~角のラインがありますから、むしろ美濃崩しの餌食になりそうな不安もあるし、△71玉まではいいとして△82玉は展開次第では良し悪しかも。これは先手得した囲い合いの気もします。そして…

20160405名人74-1_羽生vs佐藤天_横歩73手▲56歩(73手目盤面図)
 うわあ、この手は指せない…。指された瞬間はよく分からず、しかし考えるほどにぞわっとくる一着でした。▲48角~▲66角or▲75角と攻撃に使いに行くわけですね。これは名人戦第一局でもっとも鳥肌の立った手でした。

 あの「先手打つ手なし」に見えたあの状況から先手は、まずかったハズの左辺を固め、飛車角を捌き、後手美濃囲いの美濃崩しに入ってしまいました。そして、美濃崩しに入ってからはあっという間、すげえええ。そうそう、今回の羽生さんの美濃崩しは『光速の寄せ』や『美濃崩し200』に出てくる手筋がバンバン出てきて、懐かしかったというか、けっこうおもしろかったです(^^)。

 それにしても、きっとあの飛車のぶつけから▲56歩までの間に、何かがあったんですよね。自分なりに振り返ってみましたが、全然わからんかった(^^;)。囲い合いが先手の得だったとして、ではそこを手抜いて後手に速い攻めがあったかというと…飛車の打ち込みを消せないとキツイから、それも違う気がするし、じゃあ速い手で最初の構想の角頭を押さえられたかというと、それよりも73の地点の先手からの攻めの方が速い。なんか、どこがというより、角筋と飛車の捌きと左辺の問題を一本に纏めちゃった羽生さんの構想がスゴすぎたという事かも知れません。羽生さん恐るべし。でも、前回の郷田さんとのタイトル戦もそうですが、羽生さんは序盤で押し込まれる将棋が目立ってるので、名人の圧勝で終わる事はない気がします。まあ、対局数が多すぎて昔からその傾向はあったそうなんですけどね。この名人戦、すごく面白くなりそうだなあ(^^)。


プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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