第29期竜王戦1組 5位決定トーナメント 羽生善治 vs 橋本崇載 (横歩取り)

 羽生さんが7大タイトル全てで永世位を獲得するための最後の関門が竜王です。しかし、あと1回が遠い。。今期なんて、5位決定トーナメントに回って、竜王挑戦どころか1組残留ですら危うい状態。そして、このトーナメント最初の相手が橋本さん。橋本さんはポロっと取りこぼしたりもするんだけど、大物も平然と倒したりするので、楽な相手などではありません。実際、羽生さんを何度も倒してるし。

20160324竜王29-1組_羽生vs橋本30手 将棋は羽生さん先手の横歩取り。序盤はまあまあよく見る展開で30手目盤面図。端の位の取り方が普通と逆の気もするんですが、最近はプロ将棋はタイトル戦ですら観戦ままならない状態なので、今はこういうのも普通にあったりするのかな?そして、ここからがアマの僕にはメッチャ勉強になりました!

▲36歩△62玉▲37桂
 先手から見れば▲36歩~▲37桂は王道の攻め筋でしょうか。玉形などでも違いますが、僕も横歩では銀より桂を繰り出したくなります(^^)。それにしても橋本さん、先に玉を美濃に寄せるんですね。

△88角成▲同銀△33桂▲77銀
 ここで後手橋本さんは角交換から△33桂の形にシフト!△33桂から△25歩で飛車が封じ込められることが多い僕にとって、プロがどう指すのかよく見ておきたいな…

△44角
 橋本さん、歩ではなく角を打ち込んだああ!!あああなるほど、これは1筋からの端攻めを絡めていこうという事かな?となると、飛車の引き場所が結構重要かも。普通なら△17角成に飛車を当てる事が出来る27に引きそうですが、それだと△26歩で一手損するのか。う~ん…

▲29飛
 羽生さんの飛車の引き場所は29でした。28に引くと今度は△17歩成や香成や角成が飛車に当たるからかな?

20160324竜王29-1組_羽生vs橋本40手△35歩(40手目盤面図)
 そして橋本さんは桂頭攻め。いや~、これは橋本さんの攻撃が入っちゃったかも…。▲同歩も手抜きも次に△36歩が来ます。ここは手抜いて反撃筋を作りたいですが…

▲56角
 羽生さん、角を打ち返した!いや~、横歩の中盤って、矢倉や角換わりの中盤と違って玉が薄いから、終盤っぽいんですよね。中盤にしてもう既に駒の損得よりも寄せが形勢に大きく関わってくるというか。。
 これ、ハッシーが手抜いて△36歩を決めるとどうなるんでしょうね。△36歩▲23角成△同金▲同飛成△37歩成▲同銀…いや~頓死のケアをしなくちゃいけないので簡単じゃないですが、さすがに龍を作った先手の方が良いかな?

△24歩▲35歩
 というわけで、橋本さんは飛車道を止めました。これで後手は歩切れ。一歩千金なんて言いますが、この歩切れは桂頭攻めが切れるのでつらい謝りだったんじゃないかと。ここで羽生さんは悠々と35の歩を外して

△54歩
 ここで橋本さんはペースチェンジ。角頭を狙いつつ、角の引き場所を作りました。なんか、攻めと受けの中間をとったような手。ただ、攻めの△55歩を指すにはもう一手かかります。たしかにここで後手にプラスになる手が私には分かりません(゚∀゚*)エヘヘ。こういう時って難しいですね。右辺が先手の方が模様が良さそうになったので、ここは暴れに行くべきなのかも知れませんが、逆に簡単に暴れに行くようでは弱い証拠な気もするし。2~3筋はこう着状態で放っておければ後手にとっていう事なしなんでしょうけど、先手からの角切りとか▲34歩が見えているので、手番を握った今は攻めから考えるのが筋かも。しかし、この△54歩は間に合うんでしょうか。△35角で角のラインを先手玉に入れることが出来るので、それを有効に生かした攻め手を考えた手…がやっぱり本筋なんでしょうね。でも、同じ角頭狙いでも△54飛と△35角をうまく入れる順さえあれば、その方が速いんでしょうけど…いや~この陣形で飛車を切る順は寄せまで見えてないと無理か(^^;)。。しかも、とても寄りそうにないし。やっぱり、相手にはいい手がいっぱいあって、自分にはプラスになる手が見えにくい時って、指し手が難しいです。。

▲23角成△同金▲32銀
 羽生さん、いきなり切り込んだあああ!!!いや~、先手が僕みたいなアマなら△55歩が間に合っちゃいそうですが、プロ相手だとその一手を赦してくれません。的になるはずの角を切られて、しかもこの銀打ちは痛烈。これはもう受からないんじゃないでしょうか。

 以下はアマの僕が見てももう大差。意外だったのは、寄せに入ってからの終盤で、羽生さんが結構慎重に指し回したところでした。これは名人戦と何か関係があるのかな?天彦さんが間違えの少ない棋士という事なので、慎重に読む練習をしてるとか。

 いや~、プロの横歩はどれを見てもすごく勉強になります。角換わりや矢倉は、僕はかなり定跡を重要視してますが、横歩に関しては、いつの間にか自然と部分的な手筋の組み合わせに頼るようになってきました。というか、中盤で手が広すぎて、定跡を覚えるというやり方では間に合わなくなっちゃってるという事なんでしょうけど(^^;)。そんなわけで、これも素晴らしい将棋でした。1組5位決定戦って、5位決定戦の割にメンバーが強烈すぎます。生き残っている棋士だけ見ても、羽生さん、佐藤康光さん、阿久津さん、糸谷さん、豊島さん。竜王戦の挑戦者決定トーナメントって、プロ将棋の中で一番面白いと思うんですが、竜王への道は遠い…。


第41期棋王戦 第4局 渡辺明 vs 佐藤天彦 (横歩取り)

 仕事に情熱を取り戻し、がんばってきた成果が出てきました(=^▽^=)。いずれ死んで人生を終えてしまうのに、何となくボンヤリ生きたり、「仕方のない事」に時間を費やしてばかりで自分にとっての最優先事項であるハズの事をずっと後回しにしてきたり、またそれが簡単でない事なものだからいつの間にかズルズル先延ばししてたり…そんなだらしない自分が簡単に治るわけではありませんが、それでも何とか頑張って、いま正念場かも。プロ将棋でいえば、40を超えてもA級に行ったことのない人間が、はじめてAに行けるかどうかの正念場…みたいな感じでしょうか。というわけで、タイトル戦は何とか見ていたものの、ブログを書いている暇がなかったです(´・ω・`)。でも、今日の▲渡辺-△佐藤天戦は素晴らしかった!!素晴らしいどころか、感動してしまいました。

 △85金ですか、1分将棋でそんなの見えないよなあ…。しかも、天彦さんは指した直後に気付いた模様。終局直後に「金でしたか?」と渡辺さんに訊いたそうなので。しかも、感想戦の結果、△85金ならなんと天彦さん勝ちだったそうで。もしこれが1分将棋でなかったら、結果は逆だったかもしれませんね。
 中盤の渡辺さんの▲34桂も、それを受けた天彦さんの△25桂も凄すぎ。渡辺さんが終盤で粘りに行った▲77桂も、指された瞬間に鳥肌が立ちました。そして問題の…。
 双方の序盤研究の深さ、中盤の構想の素晴らしさ、そして秒読みになってからの終盤でも、ここまで指すなんて、本当に素晴らしい。お二人に、最大級の拍手を送りたいです。本当に素晴らしい将棋を見せてくれて、ありがとう!!




第65回NHK杯 久保利明 vs 千田翔太 (先手四間飛車)

 プロ将棋を見るようになってすぐの頃は、知らない棋士さんだらけ。ネット中継やNHK杯を見ながら、少しずつ棋士の名前を覚えていきました。若手ですごく強いと言われていた人で覚えているのは、糸谷さん、豊島さん、天彦さん、稲葉さん、佐々木さん、斎藤さんなどなど。プロの慧眼は凄いなと思ったのは、天彦さん。天彦さん、僕はどういう風に強いのかがよく分からなかったんです。でも、その直後からB1一期抜け、タイトル戦に連続挑戦、そしてA級も1年目で名人挑戦と、とんでもない活躍!同じく、大好きな棋士さんだけど、そこまで強くはないんじゃないかと思っていたのが稲葉さんで、しかしA級昇級してしまいました。プロの見る目は流石だなあ。
 そんな中、上の人ほどは褒められていたわけじゃないけど、なんかすごく強そうと思ったのが、千田さんです。序盤構想が独特なので、アマから見ると新鮮で印象に残っていただけなのかもしれませんが、とにかく印象に残っていました。そんな千田さん、ついにNHK杯の準決勝まで上がってきました!相手は久保さん、これは千田さんの実力が試される戦いになりそう(^^)。ここで跳ね返されるなら有望株のひとり、これを倒せる力なら一気に抜けてくるかも?!
 将棋は先手久保さんが角道を止めてからの藤井システム気味の四間飛車。これに対する千田さんの指し手がスーパーおもしろくって、やっぱりすごい。プロの課題局面まで一直線に進むのではなく、はやい段階で独特の構想。しかしこれが、相手の研究や得意形に入るのを避けた変化というのではなくて、研究してきたような変化に見えてしまのが千田さんで、コンピュータで万全の対策をしているんじゃないかと思えてしまう怖さ。いや~、そういう順で銀冠から穴熊に入るのか、すげえ。。そして、駒組みが出来てからは一直線、久保さんの端攻めを跳ね返しての一気の寄せ、千田さんの勝ち!これは強い…。

 いや~、明らかに強い棋士がなかなかCから上がれなかったという前例はいっぱいありますし、これですぐに千田さんは強豪という事にはならないかも知れませんが、それでも僕みたいなアマから見ると、派手な棋譜なだけに強そうに見えます。それに、このNHK杯では阿久津さん、糸谷さん、行方さん、久保さんを破っての決勝進出なので、実際に強い!決勝は村山慈明さんとの対局ですか。棋戦優勝は大きな勲章ですので、どちらも研究温存なんてしないと思います。これは序盤が面白そうですね、超楽しみです(^^)。

第41期棋王戦 第3局 佐藤天彦 vs 渡辺明 (ゴキゲン中飛車)

 昨日はNHK杯も面白かったですが、棋王戦も凄かったです!1勝1敗で迎えた重要な第3局、終盤は1分将棋で170手を超える大熱戦となりました!!

20160306棋王41-3_佐藤天vs渡辺_ゴキ中50手 戦型は後手番の渡辺さんがゴキゲン中飛車を示唆したところから大きく動きました。いや~、この重要な局面で振り飛車を指すのか…。度胸がすごい、感情よりも論理で動ける人なんですね。対する先手の天彦さんは▲37銀から持久戦狙い。これに反応したか後手も穴熊に囲い、対抗形の相穴熊になりました。対抗形の相穴熊って、玉頭攻めをすると、むしろそれで相手からの玉頭攻めを呼び込む事になっちゃったり、先に手をつけられた方が延々と防戦し続ける展開になったりするので、なんか「中飛車戦」というよりも「対抗形相穴熊戦」という印象を強く感じます。面白かったのが、振り飛車を持った後手渡辺さんが、穴熊を盛り上げていった所。▲86角と出た天彦さんの手に乗って、それを咎めにいく所からそうなったと思うんですが、渡辺さんは「自陣は固めるだけ固めてから攻撃ドン!」みたいな棋風と思っていたので、ちょっと驚き。発想の柔軟性がすごいなあ。そして50手目盤面図。後手はまだ自陣に手を入れられそうですが、先手はもうこれで十分な形に見えます。6筋に飛車を合わせて5~6筋を破られないように守るか、それとも他で火の手をあげて勝ちに行くか…

▲45銀
 いやあ、いきなりビックリです。こういう仕掛けがあるのか…。なるほど△同銀▲同桂となると次の▲53銀や▲54銀が受けにくくなるのか。天彦さんって、仕掛けが強いというか、荒っぽいんですよね(^^)。剛腕でねじ伏せる感じがします。それにしても、よくこんなの思いつくなあ。。

△53銀
 うああああ、マジか?!これもちょっと考えにくい手というか、さらにビックリ。▲45銀は取ってもヤバそうですが、放っておいても▲34銀や▲54銀の進出が厳しそうなので、後手はどこか別のところに活路を見出して仕掛け返すと思ってました。というか、谷川本とか羽生さんの『上達するヒント』あたりで形勢判断や構想を勉強してきた僕にとっては、とても信じられない感覚。だって、次の▲34銀で歩がタダだし、さらにその後の▲43銀まで攻撃が繋がっちゃうぞ…

▲56歩△44歩
 天彦さん、なんとタダの歩を取らずに見送り。ここは「最初のチャンスはパス」というやつでしょうか。どう考えても渡辺さんが天彦さんの攻めを呼び込んでいるので警戒したのかも。しかしこの歩の合わせ、意外に厳しいです。今度こそ渡辺さんは他で仕掛けるかと思いきや…なんと攻めの督促。う~ん、この感覚が信じられない。

▲34銀△56歩▲43銀不成△57歩成▲54歩
 先手は角銀交換も出来ましたが、それは攻めが切れるので攻め駒を足しに行きました。一方の後手は代償にと金を作ってから…

20160306棋王41-3_佐藤天vs渡辺_ゴキ中60手△35歩(60手目盤面図)
 いやあ、ここで桂頭攻めか
…もう中盤の山場という時に、玉からそんな遠いところでと金を作っていて間に合うのか?渡辺さんは、角や銀を抜かれるよりも、と金を作る方が大きいと見ているんでしょうか。あるいは、玉頭を抑えているだけに、桂を拾えれば桂とと金の攻めが厳しいとか?そういえば渡辺さんの本で、「穴熊に囲ったら駒の損得よりも攻めをつなげる事」みたいに書いてあったな。たしかに穴熊戦ではと金が驚異なんですよね。う~ん、もしこれで後手が本当に良いなら、渡辺さんの大局観、恐るべしです。。

▲65歩(61手目)△36歩
 あくまでシロウト考えで、たぶん外れていると思うんですが…タダの歩を取らなかった▲56歩以降、天彦さんが渡辺さんの考えを測り兼ねて、踏み込めない状態のようにも見えました。だってここ、普通に▲53歩成で銀得をして何が悪いのか、アマには難しすぎて分かりません(/TДT)/。以下、もし読み抜けがないものとして普通に進めると、△同角▲54銀成△31角でまるまる銀得。更に▲26飛とすれば、桂頭攻めも凌げるうえに、飛車も捌けそうです。そこで飛車を浮くと横利きが消えて、後手からのと金攻めのカウンターが厳しいとかあるのかなあ…。いや~、ここはどうして銀得してはいけないのか、誰か教えてくれ~。。61手目に限って、棋譜中継の解説がないし(;_;)。。味つけ…なのかなあ。でも、味つけと引きかえに△36歩を赦すのは損な気がするんですが…これも大局観というやつか。プロの大局観って、凄すぎてついていけないっす。

▲53歩成△同角▲54銀成△52歩
 ワンテンポずらしてから、天彦さんは踏み込みました。しかし、ここで渡辺さんの受けが凄かった。角を31や42に引くのではなく、△52歩!!角どうぞという事か。。むしろ成銀が盤面に残る方が、角を使われるよりも穴熊が崩れにくいという判断?凄い…

▲45桂△同歩▲64歩(69手目)
 タダの所に跳ねだした桂は、△同歩と取らせて角道を開けさせての△11角成狙い。…と思ったんですが、ここでまたしても天彦さん捻って▲64歩。…この将棋は先手の大局観も後手の大局観も僕にはついていけません。難しすぎるよお…。ただし、感想戦ではこの69手目▲64歩は疑問手だった模様。まあそれは結果論なんでしょうけど、悪いはずがなさそうな手がある時に、さらに味つけやら何やらを考えられるところが凄いっす。。

20160306棋王41-3_佐藤天vs渡辺_ゴキ中76手 この後手陣中央の戦場の攻防がひと段落した瞬間が、76手目盤面図。駒の損得は、飛車と桂の交換となって後手駒損。しかし後手はと金をひとつつくり、また次に△37歩成の権利もあります。結局、僕が全然理解できてないのは、ドンパチが終わってひと段落したところでの局面図のイメージと、その形勢判断だったんじゃないかと。これ、飛車を渡したとはいえ、後手には穴熊の頭を押さえていて、と金を作っていて、立派な主張があります。で、これで良いかどうかが、穴熊戦ならではの大局観なのかも。穴熊戦って、接近戦になると、特に守勢になった時は、飛角よりも金駒やと金の方が価値があったりするので、ちょっと大局観が矢倉や美濃と違う感じなんですよね。驚きでした。以降、穴熊崩しに着手したのは渡辺さんが1手速く、この1手の差があまりに大きかったです。結果、170手にて後手渡辺さんの勝ち!!渡辺さん、先にリーチです!

 中盤の形勢判断が恐ろしく勉強になりました。そしてそれ以上に感動したのが、終盤の天彦さんの執念の凌ぎ。後手のと金と、先手の守りの金の交換となったのが77手目、天彦さんは渡辺さんの波状攻撃を凌ぎ続けます。後手玉がZなので、王手絡みの攻防手も入らず、受け切れるかどうかだけが争点。タイトル奪取に執念を燃やした90手超のこの凌ぎ、根性、観ていて涙が出そうになっちゃいました。本当に素晴らしかった!!しかしZを作ってから攻めを繋ぐのは渡辺さんの18番、これで永世竜王位に就いたと言ってもいいほどの達人芸、最後に天彦玉は捕まってしまいました。これで渡辺さんが先にリーチですが、素晴らしい対局が続いているので、次局は天彦さんに頑張ってほしいです。


第65回NHK杯 準決勝 広瀬章人 vs 村山慈明 (矢倉)

 NHK杯も準決勝、若手の台頭が素晴らしいです。40歳以上の棋士で残っているのは久保さんだけ。A級も年々若手が入ってくるし、じわじわと世代交代が進んでるんですね~。というわけで、今日はアラサーの広瀬さんと村山さんの対局。どちらも指し盛り、両方がんばってほしいですが、村山さんはここで突き抜けないと中堅棋士で終わっちゃいそうなので、村山さんをちょっと応援したい。最近、積極的な攻め手を意識的に多くしたとの事で、NHK杯ではそれが結果に出てるみたいですしね~。

20160306NHK65_広瀬vs村山慈_矢倉38手 今日は阿久津さんの解説が素晴らしかった!阿久津さんの解説はムラがあるというか、いい時とやる気減退の時があるように感じるんですが(*゚∀゚)、今日は良かった!!具体的な順や指し手もいいんですが、大局観に裏打ちされた解説が素晴らしかったです。まず、序盤。今日は矢倉、先手広瀬さんが工夫の出だしで▲46角57銀という形を作りました。これに対して村山さんは△64角とぶつけてから△85歩~△84銀で棒銀(38手目盤面図)。ここで阿久津さんは先手雀刺しの解説をしてくれたんですが、「先手雀刺しには棒銀が有力という事で雀刺しは衰退」との事。いや~、勉強して知っていたはずなのに、実践で全然出てこないからすっかり忘れてました。今についていくのがやっとで、米長時代の棋譜なんて、全然並べられてませんし(゚ω゚*)。ちなみに、阿久津さんも実際にはプロになってから雀刺しを指した事はないそうで。で、相居飛車でいつでも角交換ができる形は、打ち込みのケアや交換のタイミングが際どいので、僕は相手から角交換されて一手得、そしてその時に自陣の打ち込みが大丈夫な形からまずは探すことが多いんですが、打ち込みの発生する△84銀と出た村山さん、たしかに積極的!ここから…

▲25桂△24銀▲64角△同歩▲63角
 広瀬さん、桂を跳ねだしてから角交換、そして敵陣に打ち込んだ!!これで馬が出来るのは確定、でも桂の跳ねだしで飛車のコビンが空いたので、何かの拍子に△37角があります。という事は、もっと先まで読んでの踏み込み、または大局観的な行けるという判断かな?たしかに、先に馬を作って桂も跳ねて自玉も右金が囲いにくっつけられなかった以外はほぼオッケーに見えます。相矢倉って、アマだと先着した方が一手早くてそれが勝負に直結する事が結構あるので、踏み込みどころの見極めが既に勝負なんですよね。。

△73銀▲41角成
 広瀬さん、これで先に馬を作りました。でも、村山さんはこれが嫌だったら△84銀と出ませんよね。これで悪くないと見ている理由は…ここも阿久津さんの解説が素晴らしかった!阿久津さんの解説は、じっくり読んで解説というのではなくて、第一観をバンバン言っていく感じなのですが、早見えの上に、何故そうなのかの後ろにある大局観が素晴らしい。で、村山さんがここからどう指したかというと…

20160306NHK65_広瀬vs村山慈_矢倉48手△42金寄▲51馬△94角(48手目盤面図)
 村山さん、馬を消しに行きました。それは当然なんですが、△62銀より先に△94角なのか?!いや~、角交換ではなくて角金交換と欲張りに行きました!でもこれは手番を渡すリスクもあります。こうなると…

▲13桂成
 ここが一番見ごたえがありました!△62銀が来ると先手の馬は死亡。しかし、金か銀のどちらかとは交換できるので、それが得か損かは計算しないといけません。では、ここで先手が何を考えるか。手番を握ったわけですし、角金交換が入った後に一番良い状況を作りたいわけですよね。直接踏み込むなら本譜の▲13桂成からの端攻めですが、いかにも攻めが薄そうです。間に合うなら右銀を攻撃参加させたいですよね。問題はその▲46銀が間に合うかどうかですが、仮に銀を攻めに使うと、右金を寄せきれなかったのでいずれ△69銀の割り打ちもありそうで、本当なら▲67金右も入れておきたいはず。でも、さすがに2手の余裕はないだろうから…とまあ、このあたりを考えたんだと思うんですが、ここで広瀬さんが時間を使いました。結論は、もっとも単純な▲13桂成。これは▲46銀が間に合わないor無理と見たのか、▲13桂成で充分と見たのか。ちょっと広瀬さんが苦しそうな顔をしているようにも見えたので、もしかしたら苦しいと見ての踏み込みだったのかも。…でも、広瀬さんって無表情だから、そういう顔なのかも。

20160306NHK65_広瀬vs村山慈_矢倉79手 で、ここからは先手の端攻め→後手飛車先の歩の突き捨て→角金交換と、双方の中盤の構想通りに進んで79手目盤面図。いや~、双方とも派手な踏み込みをしたのに、なんかどっちがいいんだかわかりません。先手は明らかに攻めが細そうですが、後手の攻めが遅いようだと1筋の香の取り込みから間に合ってしまうのかも。でも、後手玉は広いな…。じゃ、後手から速い攻撃があるかというと…桂を使うなら△75桂か△76桂でしょうか。でも△76桂は▲77玉と出られると…△88歩▲76銀△89歩成に…いや~、先手からいつ▲14歩が入るかを考えないといけないので、これはちょっと怖そうですね。じゃ、角を打ち込むなら…

△49角
 うおお村山さん、そこに打ち込むか?!2枚替えを狙いに行ったああ!!いや~村山さん、マジで積極的だわ、しかも難解。。▲68金右で2枚替えさせたとして、どっちがいいんだ?他にも、先手は手抜いて▲14歩とか▲25歩とか踏み込む順とか、▲76歩で止める手とか、パッと見でも色々あります。

▲14歩△58角成▲同銀△同角成
 広瀬さん、手抜いて攻め合いに行ったあああ!!!でもこれ、ここからどうするんだ?これで決められないと金銀2枚抜かれて、馬を作られて、更に銀が質駒になっちゃったので、ヤバくないかい?

▲11角
 いや~、指された瞬間、ビクッとしてしまいました。すっげえな、こんな手があるのか…。でも、取ってくれなかったらどうするんだろうか。

 そして村山さんはこれを取らず、玉を躱しました。こうなると先手の攻めはつながらず、あとは後手の寄せを待つばかり。結果、108手にて後手村山さんの勝ち!!村山さん、決勝進出です(/*゚ー゚)/オメデトウ!

 最近は仕事に打ち込んでいるもので、NHK杯を観るのはちょっと気がひけるんですよね。でも、今日は観て良かった、メッチャ面白かったです(^^)。阿久津さんの素晴らしい解説があったから面白さ倍増、そして村山さん、決勝進出おめでとう!!さて、もう一方は久保さんと千田さんですか。これは来週も見てしまいそうだな(^^)。。


プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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