第74期順位戦A級 行方尚史 vs 佐藤天彦 (横歩取り)

 ついに来ました一番長い日、A級は天彦さんが勝てば他の結果関係なしに名人挑戦決定、負ければプレーオフ持ち越しです!しかも、ここで天彦さんと行方さんの1位と2位の対戦&天彦さん後手という神がかりの展開(^^)。天彦さんは後手横歩を狙いに行くでしょうが、行方さんは…おおおカッコいい、天彦さんの横歩を受けたあああ!!!

20160227順位74A_行方vs佐藤天_横歩28手 この将棋、序盤から行方さんが▲68玉など趣向を凝らした面白い展開ですが、記録係がピンクのジャケットを着ていて僕は全然集中できません(^^;)。行方さんが先手横歩で▲68玉の玉型を作るのは最近も見た気がしますが、思い違いかな?横歩△33角85飛型全盛の頃なんかは普通にあった形みたいですが(定跡書を読んでるとそんな気がするというだけで、リアルタイムで見ていないので実は知りません^^;)、ここ3年ほどでは珍しいんじゃないかと。28手目盤面図は、先手玉の位置を除けばここ数年の横歩では珍しくない形だと思うんですが、ここからの行方さんの工夫が面白かった!

▲56飛△62金▲36飛
 いや~、後手の金を吊り上げてから3筋に飛車の照準を合した動きをしましたが、僕なんぞには狙いが全然わかりません(゚∀゚*)エヘヘ。これ、多分先々なんかあるんですよね?後手が終盤で美濃に逃げ込む形をあらかじめ潰しておいたとか、あとで71や82への打ち込みをしやすくしたとか?う~ん、研究手だと思うんですが、こんなの指されたら僕ならビビりまくりです。。

△75歩
 これは手筋、7筋から仕掛けたというより、飛車の横利きをとおした意味が強いと思います。で、▲同歩に対しては△73桂か△73銀か…

▲17桂
 うおお、行方さん、早くも手抜いたあああ!!!
いや~ここで攻撃優先か、ちょっと考えにくいというか、すごいです。。なるほど、徹底して33の地点に利きを集めようという事かな?でも、△76歩の取り込みには?▲同飛でも特に悪くはないのか、なるほど…。

△73桂▲75歩
 うわあ、天彦さんも脚の速い攻撃筋を選んだああ!!これぞ横歩の恐怖、もうどっちかが良くなってたとしてもおかしくないんでしょうね。さすがに桂跳ね&△76歩が決まっちゃうと先手ヤバいので、ここは▲75歩と取りましたが…

△54飛
 天彦さん、先に来ました!桂跳ね&5筋の浮き飛車の攻撃というのは、中原さんとかの時代の将棋ではよくある攻撃筋だったと、高道さんが話していたのをきいた事があります。これが露骨な数の攻めになる時があるんですよね。こうなると、後手の角の使い方が鍵になってきそうですが…そこに先手の攻撃の照準があっているわけですね、難しい(^^;)。

20160227順位74A_行方vs佐藤天_横歩39手▲33角成△同桂▲24歩(39手目盤面図)
 うあああ、中央を受けずに先に角交換だああ!!しかも、角交換後も▲58金とか中央を先受けしとかないんですね。でもそうなると、実は先手も忙しいというか、もう決戦に踏み込まないとまずいのかも。で、この▲24歩が僕には素晴らしい手に見えます。一瞬分からなかったですが、2筋突破となりそうな△同飛には▲15角を用意してるんですね。手なりで指したら△同飛としちゃいそうです(^^)。じゃ、単に△同銀は?…なるほど▲25歩と連打の歩か!!個人的に、中盤の部分的な手筋が一番使いにくいのが横歩だと思ってるんですが、マジで棋力を問われる戦型だと思います。自分では指したくないけど、観戦している分には一番面白い戦型(^^)。

△34銀
 いや~、それでも飛車なり銀なりで取った上で速度勝ちや反撃筋を探しに行くかと思ったら、天彦さんは凌ぎに行きました。という事は、攻め合いに持ち込まなくても、これで受かると見ているのか。

▲58金△27歩
 いや~、この将棋、面白すぎというか、凄すぎです。今度は天彦さんが2筋に垂れ歩。という事は、この歩は取りにくいという事なんでしょうが、何故なんだぜ?▲同銀に…△45角?でもそれだと▲26飛と躱して、そこからどうつなぐんだろうか。その前になんか味つけしとくのかな?それとも角を敵陣に打ち込める?いや~、難しい…

▲74歩△65桂
 行方さん、△27歩を取れず。これは行方さん厳しいか…と思ったら、この行方さんの指し手も厳しい!△同飛には▲56角、そこで攻め合いに持ち込むにしては▲68玉が戦場から一路遠くなる見事な大局観になりそう!という事は、やっぱりこれも取れないのか。。これは大熱戦です!

▲76角△64歩
 いや~、ここで▲76角と打てるアマがどれぐらいいるでしょうか、ちょっと感動してしまいました。ついにここで天彦さんが謝って△64歩と桂を支えに行きました。しかし、横歩取りは角桂を使った手筋がやたらと使える戦型なんですよね。例えば▲46桂のふんどしが見えているので、ここで角切って▲46桂とか、先手から指したい手が一気に増えた気がします。

 さて、ここからの寄せあいになった終盤戦もメッチャクチャすごかったですが、僕の棋力ではちょっと書けません。昨日、終盤の入り口付近を少しだけニコニコ生放送で見てたんですが、プロの解説も同じところをぐるぐる回っていて、「あ、難しいんだな」と思いました。最後、行方さんが自陣に打ち込まれた飛車を抜いた瞬間は、後手玉への挟撃型も出来ていたし、これは行方さん勝ったか?!と思ったんですが(解説でもそんな感じでした)、ここで行方さんが安全勝ちを目指してしまって徐々に追いつかれ、また終盤の天彦さんの受けが素晴らしくて、110手にて後手天彦さんの勝ち!天彦さん、なんとA級1期目にして名人挑戦です!!すげえええええええ!!!!

 いや~、すばらしい将棋でした!行方さん、勝ったと思ったのになあ。でも、プロの中でも屈指の詰め将棋力を持っている行方さんが寄せられないんだから、天彦さんの受けが素晴らしかったという事なんでしょう。紛れを作るというより、本当に受け潰した感じだったのが凄かった。
 それにしても、天彦さんの後手横歩の強さはいったい何なのでしょうか。信じられない強さです。これは羽生名人4冠ピンチか?…といいつつ、この前の王座戦で羽生さんは天彦さんの後手横歩を連続で破ったんですよね。こうなると、どちらが有利か全然分かりませんが、天彦さんは研究を全部名人戦に集めてくるでしょうから、4~5冠を抱えている羽生さんよりも、天彦さんの方が若干有利かな?いや~、もし天彦さんが名人奪取となった場合は、歴史に残る名人戦になるかもしれません。

第42期女流名人戦 第5局 里見香奈 vs 清水市代 (ゴキゲン中飛車)

 記事には書けなかったんですが、この前の第4局が面白かった!!清水さん、角換わりでないのに右玉を指してました。しかも、指し方が慣れてるというか、「おお、なるほどそう指すものなのか」という手が随所にあってめっちゃ勉強になりました(^^)。さすが右玉の使い手という感じで、里見さんに快勝!これで女流名人戦は最終局までもつれ、今日の対局に。そして振り駒は…清水さんの先手!!いや~、これは清水さんに流れがきたか?!将棋はゴキゲン中飛車vs超速▲37銀!いや~、超速▲37銀とか二枚銀は居飛車がおっかなくって、僕にはとても指しこなせません。。

20160224_女流王将42-5_清水vs里美_後手ゴキ中50手 しかしプロでは超主力戦法になっている超速▲37銀なだけに、定跡化も進みがはやいみたいで、序盤はサクサク進みました。そして先に定跡から外しに行ったのは清水さん、29手目の事でした。これは研究なのか、里見さんの研究にハマるのを避けにいったのか。そしてここからの駒組合戦が面白かった!!振り飛車からの5筋突破は無理そうだし、先手居飛車は綺麗に抑え込めれば理想ですが、持久戦タイプの僕はやっっぱり玉型の悪さを先に解消したいとか思っちゃうので(でも清水さんがそう思うなら超速にはしないわけですよね)、駒組み争いがメッチャクチャしびれました。そして50手目盤面図は、なんと後手の里見さんが、美濃の好形の△63銀を引いての手待ちに行った所です。いや~、これは清水さんチャンスか?!マジで清水さん女流名人を奪い返すかも!とはいえ、次に△25歩があるので、先手は玉形のトランスフォームに手を使っている暇はなさそうですが…

▲24歩
清水さん、2筋の争いで先を取った!というか、手待ちしたんだから里見さんが取らせた形ですね(^^)。しかしここ、里見さんはどちらで取るか悩ましいところです。△同飛だと▲同飛△同角で飛車交換、ここで先手の手番なので▲22飛が先に入るので、これは先手の方が指しやすいか。…でも、居飛車は玉が薄いんですよね、交換を避けられるなら避けたいところですが…

△同角
里見さんは飛車交換を避けて角で取りました。いや~、ここは先手も怖いところじゃないかと。角捨てが王手になるとか変な見落としがあると、飛車を素抜かれたりとかあるかもしれないので、ここは慎重に考えたい重要な所じゃないかと。僕なら…何指していいか分かりません(^^;)。▲86歩とかで取りあえず玉を広くしておく?▲25歩はどうしても手が見つからない時までは指したくないな…。▲65歩で歩を吊り上げてから角を覗きに行ったら?いや~、2筋がそれまで持ちこたえられるかどうかもあるし、そもそも取ってくれないんだろうな。▲32歩の手裏剣は?あ、これ良いんじゃないですか?これですよ!と思ったら…

▲35歩△25歩▲同飛
 おっと、清水さんは角筋を止めました、完全な抑え込み狙い、第4局と同じ展開を狙いに行ったか?!しかしここで里見さんは飛車を叩いて…うわあ、なぜ叩いたか分かりました。これは嫌な筋があるぞ…

20160224_女流王将42-5_清水vs里美_後手ゴキ中56手△45歩(56手目盤面図)
 これは激痛!里見さん、やっぱり強いわ…。これ、めっちゃきつくないですか?だって、銀で取ると△33桂と味よく跳ねて飛車銀の両取り。しかし桂馬で取ると△44歩と叩かれます。という事は、ここで先手は技をかけに行きたいですが…

▲45同銀左(57手目)△33桂
 これは決まってしまったか。。

▲29飛△45桂▲同桂△44歩▲23歩△同飛▲15桂(65手目)△21飛▲22歩△同飛▲23歩△15角
 清水さん、後手の飛車を吊り上げてから桂打ちで飛車筋を止めようとしますが粘れず。飛車と銀桂桂の交換の上に馬の成り込みも確保、さらに玉の堅さにも差があるとあっては、形勢に差がついたんじゃないかと。ここからは里見さんは普通に指すだけで差は開く一方で、118手にて後手里見さんの勝ち、女流名人防衛です!

 いや~、▲35歩と止めて抑え込みに行く構想は無理があったみたいです。それが通るなら理想的な抑え込みの展開だったとは思うんですが。じゃ、他に何があったかという所ですが、これが難しい。持久戦志向の僕としては、「だから超速は怖いんだよ」みたいな根本的な所に安易に行っちゃうんですが(^^;)、それはアマの早指しでの事であって、プロの戦績的にはそんな事はないんでしょうね。
 仮に▲35歩が正着だったとして、じゃ以降の先手に何が出来たかというと、56手目△45歩以降のどこかで先手に何かなかったかは調べてみたいです。というのは、「向かい飛車は間に駒を入れている方が不利」というジンクスがあるじゃないですか。角に桂なり銀なりを当てて、飛車を飛車で抜きに行く手をどこかで入れられなかったか…というのを、検討してみたいです。たぶん感想戦でもやるんじゃないかなあ。感想戦観たいなあ。。本譜だと、歩で抜きに行って重くなったところで後手から一気に捌かれ、突破できはしたものの重すぎて龍が全く使えない将棋になってしまったのが痛かったですし。
 アホなので読みぬけだらけでしょうが、ちょっとだけやってみると…成立するかどうかわかりませんが、例えば65手目は▲15桂と飛車に当てに行くのではなく、▲16桂か▲36桂と角に当てに行って飛車を飛車で抜きに行ったら?でもそうすると今度は△45歩からの桂銀抜きとの競争になるのか…簡単じゃないんですね。まったく同じ理屈で、57手目▲45同銀左に代えて▲45同桂だったら?当然△44歩が飛んできますが、ここで桂を抜かれた後の桂の打ち込みも△15角も飛車にあたらない▲29飛あたりに引いてから、△45歩▲同銀左で、次に△35歩以外の手だったら▲34歩~▲35銀で角に当てて飛車を素抜きに行く順、△35歩だったら▲同銀でやっぱり素抜きに行く、みたいな。いや、仮にその通りに進んだとしてもそれで居飛車戦えるのかどうかすら分かりませんが、あそこで何かあやをつけに行きたかった。でも、ああいう所で強引に良くしちゃうんだから、やっぱり里見さんは強いです。防衛、おめでとうございます!





第65回NHK杯 久保利明 vs 藤井猛 (後手中飛車)

 今日は久々に妻と将棋を見てました。で、妻から質問の雨あられ。「居飛車と振り飛車って、どっちが有利なの?」「戦型って、いくつぐらいあるの?」「そのうちいくつぐらい指せればいいの?」この質問攻めに丁寧に応接していたら、NHK杯をちゃんと見れなくなっちゃいました(^^;)。せっかくの貴重な羽生さんの解説だったのに…まあ、しょうがないか。妻が将棋に興味を持ってくれる方がうれしいですしね。

 将棋は、後手藤井さんが、久保さんの得意戦法である後手ゴキ中を採用!対する久保さんは…うおお、なんと居飛車で受けました!!いや~これは考えても見なかった展開、藤井さんも凄いですが、自分の得意戦法を反対を持って研究してしまおうという久保さんもさすがです。。でもって、中盤は、妻の質問攻めに答えていたためによく分からず(^^;)。終盤では、羽生さんが「ここはXXXなので、攻防手を探す事になります」とか、具体的な指し手よりも、将棋の考え方を解説してくれていて、すごく良かった!!NHK杯前の将棋フォーカスでの山崎さんと飯島さんの1分切れ負け将棋でも、山崎さんが具体的な指し手よりも、どう考えたかを解説してくれてましたが、一手数秒の間にあそこまでたくさん考えているのか…と思うと、ここがプロは全然違うんだな、と思いました。長考派の僕は、具体手以前に今日羽生さんが「xxxなので攻防手を探す事になります」とパッと出した考え方の根本的な所に辿りつくまでですら、すごく時間が掛かるんです…。最後は藤井さんの攻めが切れ、そこからは久保さんが一気にまくって先手久保さんの勝ち!!藤井さんを応援していた僕はちょっと残念でしたが、しかし藤井さんは今期NHK杯で素晴らしい将棋を見せてくれました。ありがとう、藤井さん!!

 そして、大局後の感想戦が凄かった!!藤井さんに久保さんに清水市代さん、そして羽生さん…なんだこの神々の戯れは。で、相変わらず藤井さんが渋い、カッコいいです。ニヤニヤしながら、色々と思った事とか、「これが敗着級でひどいな、」とか、相変わらずマジメに検討しつつも楽しそうな感想戦です。いいな~、こういうの。しかし、藤井さんは羽生さんを意識しているというか、絶対に目を見ません。また、羽生さんへの返事にだけ強がったような口調になるのは、気圧されているのを撥ね退けようというプライドなのかも。あと、久保さんの会話が先輩に向かっての口調に聞こえたんですが、それほど年齢差があるわけではないと思うんですが、やっぱりあれぐらいの年齢になっても和気あいあいとはいかない上下関係が棋界にはあるのかな?いずれにしても、感想戦のムードや内容が素晴らしかった!!やっぱりNHK杯はこれぐらいの時期になると面白くて見逃せませんね(^^)。


第41期棋王戦 第2局 渡辺明 vs 佐藤天彦 (横歩取り 青野流)

 今期の棋王戦、面白いです!面白いんですが、運悪く自分の仕事と思いっきり重なって、ぜんぜんちゃんと見れません(>_<)。第1局もなんとか棋譜だけは見ましたが、時間がなくって全然検討できなかったしな…。今日は、後手天彦さん躍進の原動力となった後手横歩に行けば、先手渡辺さんはそれを青野流で受けるという、超面白い展開。横歩は後手に選択権がある形が多くって、このすべてを定跡化して覚えきるのは、僕程度の将棋への時間のかけ方では到底無理。というわけで、△33角型の場合、僕は先手では青野流を使う事が多いもので(この戦型はめずらしく先手に選択権があるので、他の△33角型の戦型の研究をゴッソリ手抜ける^^)、この将棋は超おもしろかったし、たぶん定跡化されるんじゃないかという将棋で良かった!!でも、ちゃんとは見れず。
 とにかく難解でした。先手も後手も、少しでも間違えると即死級のカタチの綱渡り。最後は66手で後手天彦さんの勝ちになりましたが、これはちょっと見ただけではどれが緩手なのかがちょっと分かりません。渡辺さんも一気に踏み込んだところがあったので、途中では渡辺さんも成算があったんじゃないかと。そうなると天彦さんの攻防手が絶妙だったのかも知れません。何はともあれ、これで1勝1敗のタイ。棋王戦も王将戦も実力伯仲の熱戦が多くって、面白いです(^^)。

第74期順位戦B1 木村一基 vs 谷川浩司 (角換わり相腰掛け銀)

20160218順位74B1_木村一vs谷川_角換腰掛銀38手 B1は12回戦、ラス前です!昇級争いは混とんとしていますが、キーマンのひとりは自分も昇級のかかっている木村さん。今日勝てば、最終戦で稲葉さんとの一騎打ちが待ってます!!対戦相手は…かつて一世を風靡した光速流・谷川さんです!!ただ、年齢的なものを考えると、今は木村さんの方が一枚上かと思うんですが…

 将棋は角換わり相腰掛け銀。一手の違いをすべてのプロ居飛車党が研究しまくっているような状態ですが、最近では端歩の突くつかないという所まで調べまくるような、まさに重箱の隅状態(^^)。この対戦、38手目では自玉の囲い側だけ歩を突いての先後同形。さて、ここで木村さんは1筋を受けるか…

▲45歩△同歩▲同桂△44銀
 おお~、木村さん、端を受けずに仕掛けました!!桂跳ねから行ったのは飛車が2筋にいたから。いずれ▲24歩から飛車先の歩を切るのは確実。その前に1筋の駒を浮かせて端を破りに行く順があるか、桂頭を叩いておくか、銀取りと王手の十字飛車の筋を作れるか、あるいはこの前の羽生さんみたいにいきなり正面突破に行くか…

▲75歩
 おお~、やっぱり桂頭の歩を突き捨てておくんですね。今は歩がありませんが、歩を手にしたらいきなり叩けますし(^^)。と思ったら…

△86歩▲同歩△45銀右▲同銀△同銀
 うおお、谷川さん、早くもここで手抜いて反撃に転じた(゚∀゚)━!でも、これだと次の▲74歩は受からないですよね。これで良いという事は…△65桂から良くする順がある?

▲74歩△65桂▲同歩△76歩
 いや~、これは悩ましい手です。これは谷川会長の研究手じゃなかろうか。。第1感は…▲66銀ぐらい?でもそうすると△33角とか△86歩▲同歩△同飛とか△54桂とか、なんか色んな手を組み合わされてヤバそうな順もありそう。木村さんは…

▲同歩
 うおお、木村さん、いちばん強い手で返しました!!いや~、取って大丈夫なら一番いいでしょうが、本当に取れるのか?!△55角が見えているのに、すげえな…

△55角▲48飛△99角成▲77角△同馬▲同金
 谷川さん、本当に打ち込んだ~!!!これはもう抜き差しならない所まで行くでしょう。▲45飛は△46香の返し技があるので無理、ここは木村さん合わせの角で対処しましたが…

△33角
これで谷川さんが11~99のラインを角で抑えました。相変わらず▲45飛には香打ちの返し技があるので無理。ここは後手が制した感じですが、しかし先手には▲24歩△同歩▲23歩とか、もっと単純に▲73歩成があるので、単純ではありません。いや、でも後手には角切りから飛車を走る手もあるのか…いや~、後手から何かありそうな、難解な局面だな~。。

20160218順位74B1_木村一vs谷川_角換腰掛銀61手▲73歩成(61手目盤面図)
木村さん、と金を作って飛車取りに当てました。ここで谷川さん…

△77角成▲同桂△86飛▲87銀打△66桂
 うおお、谷川さん、本当に角を切って踏み込んだああああ!!!谷川さんは攻めを繋ぎますが、しかし飛車が質駒状態…

▲68金△59銀
 ここで逆に銀の割り打ちで飛車取りをかけ返し!いや~、これは先手受け切れるか?!

▲45飛△41香▲42歩△同香▲43歩△同香▲44歩
 木村さんは飛車を立てに逃げました。この飛車さえつかまらなければ、先手良くなりそう。谷川さんの香打ちを連打の歩で仕留めた木村さんですが…

△68銀不成
 ここで谷川さんは先に王手。この応手がまた難しいです。出来れば▲同玉と銀を抜きたい所ですが、そうすると△87飛成と飛車を切って補充した銀で△58銀と縛られるんでしょうね。その瞬間に寄せられれば良いのですが、この瞬間は後手に王手がかからない状態。しかし…

▲88玉
 いや~、銀を取らずに逃げました。超絶に危ない形ですが、▲同玉は勝てないという事でしょうね。受け師最高峰が無理と見たんですから、これはもしかすると飛車を縦に走った時点ではすでに後手良かったのかも。あるいは、その前にすでに何かまずい手が先手にあったか(やっぱり△55角を許したのはキツかったか?)、この前の王将戦みたいに先手の仕掛け自体が無理筋であったとか??

 しかし▲88玉もやはりダメだったみたいで、この後は谷川さんがZの形を活かした怒涛の寄せを決め、90手にて後手谷川会長の勝ち!!いや~、谷川さんはこの前のNHK杯での解説も凄かったし、いくら昔より衰えたとはいえ、さすがに光速流の終盤は凄いです(^^)。今日も、手抜いてからの反撃と踏み込みが何度かありましたが、いずれも見事!!しかも複雑にするだけでなく、仕留めてしまう所までいっちゃうんだから恐ろしいです。

 これで木村さんのA級昇級が消え、自動的に三浦さんのA級復帰が決定。三浦さんはあまり印象に残らないんですが、1期で返り咲きするわ、タイトル獲得経験もあるわで、やっぱり強いんですね、さすがです。さらに稲葉さんが畠山さんに勝ったので、稲葉さんも自力で初のA級昇級を決めました!稲葉さんは好きな棋士なので嬉しいですが、しかし関西若手で最初にA級になるのが豊島さんでも糸谷さんでもなく稲葉さんになるとは想像もしてなかったよ(^^;)。これでB1は最終節を待たずに昇級決定。そして、もうすぐA級の最終戦!!しかしその日は残念ながら仕事(;_;)。それでも、なるべく早く帰ってきて観るぞ~!!


第65期王将戦 第4局 羽生善治 vs 郷田真隆 (角換わり相腰掛け銀)

 挑戦者の羽生さんが2勝1敗と白星をひとつ先行させた王将戦。第4局は先手が羽生さん。郷田王将から見れば、1勝3敗になってしまったら羽生さん相手に防衛は至難の業になってしまうので、第4局は超重要!さて、戦型は…互いに端歩を受ける角換わり腰掛け銀です!端歩を受けないのは、定跡が整備されていないから試してみる価値があったのかも知れませんが、前局で羽生さんにあれぐらい綺麗に咎められる前例を作られてしまうと、もう指しにくいのかも知れませんね(^^)。

20160216王将65-4_羽生vs郷田_角換腰掛銀38手 38手目盤面図は、仕掛け直前の盤面図。後手が右金を寄らずに、先に右桂を跳ねたのが特徴で、A級順位戦の▲佐藤天彦-△渡辺戦がこの形だった記憶があります。ここから天彦さんはすぐに▲45歩から開戦しましたが…

▲45歩△同歩
 おお~、羽生さんも仕掛けたああ!!ここまでは▲天彦-△渡辺の順位戦と同じですが…

▲同銀△同銀▲同桂△44銀
 うわあ、まじか…。羽生さん、単純にこの戦場だけで勝負に行きました!!天彦さんはここで▲75歩△同歩と桂頭にいやみをつけてから▲45桂△同銀▲同飛として、飛車の活用を狙ったんですよね。あれは良い構想だと思ったし、実際にそれで先手が勝ったはずなんですが、その順は選ばないのか…。

▲71角
 いやあ…。毎度同じ事を書いてる気がしますが、角換わり腰掛け銀での先手からの▲71角みたいな角の打ちこみが、僕には難易度が高すぎ、難しすぎます。よく出てくる先手からの仕掛け筋ではあるんですが、どうしても成算が持てないというか、ムズかしいです。たぶん、この角の打ちこみが根本的に分かってないです。自分ではうまくいかないんですが、やられる時のパターンとしては、角を抜きに行くのに飛車が微妙な位置に行くので、そこで角と刺し違えた金駒の打ち込みに厳しい筋がある…みたいな。打ち込む側のいちばん成功する例としては、駒損と引きかえに後手の4筋崩壊なんでしょうね。でも、こんな一直線の単純な仕掛けで、本当にうまくいくんだろうか。だとしたら、後手の右金の寄りを保留する待ちの形はもうダメという事になりそうですが…

△81飛
 飛車を交わしつつ角に当てたので、この時点で先手の角は質駒に。一気に行かないと、タダで抜かれる事になります。

▲53桂成△同銀
 というわけで、先手は仕替けを続行、まずは桂の成り捨てで、ほぼ桂損。

20160216王将65-4_羽生vs郷田_角換腰掛銀49手▲41銀(49手目盤面図)
 飛車筋が通ったところでのこの銀の割り打ちはこの一手という感じです。ここまでは▲71角の構想から読めるんです。問題は、この辺から僕は思考に霧がかかっちゃうというか…なんか受け切られちゃいそうで、怖くて打ち込めないんですよね。もし失敗したら、角を抜かれて桂損して…みたいな感じで、先手はほとんどゲームオーバーになっちゃいそうな気になっちゃう。でも、そういう経験もいっぱいしとかないと、いつまでも指せるようになれないのかなあ。
 まず、一番単純に、受けずに△71飛と角を抜きに行くと?▲52銀成で金を抜きつつ銀取りに当てて飛車筋を通して…なるほど、もし後手が角桂と金銀の交換をゆるすと、その瞬間の玉形に差がありすぎるという事でしょうか。でも△54銀なんて逃げたら金の打ち込みで先手勝勢か。ということは、後手はそこで反撃に行かなくてはいけないけど、玉に働きかけるのは無理。では、飛車をいじめながら飛車を止めに行くと…△47歩か、飛車筋は止まりませんが△37角か、いや~難しいけど、派手な駒の総交換は、玉周辺の金駒をザックリなくされる後手の方が嫌ですか。
 じゃ、受けに行くと?神崎さんは△51銀を指摘していましたが△43銀だと▲44歩が嫌だから、ということだそうです。なるほど~。

△43銀▲44歩
 と思ったら、なんと郷田さんは△43銀!!これは当然▲44歩が飛んできます。ちなみに、封じ手がこの▲44歩でした。これに△同銀右なら▲同角成から大決戦ですが…

△41玉
 うわあ、玉で銀を抜くのか…これは僕には指せません。少なくとも、第1感でこれを思いつくのは無理、自分から飛車筋に飛び込むのは危なすぎると思って無意識に除外しちゃいそうです。しかし郷田さんに指されると、「ああ、これで大丈夫なのか」と思えるからすごい。なんか、とんでもない将棋になってきました。というか、ここまで進んでもまだよく分からないから、僕は▲71角みたいな手が怖くって打ちこめないんだな…。

20160216王将65-4_羽生vs郷田_角換腰掛銀56手▲43歩成△同金左▲53角成△同金上(56手目盤面図)
 一気に清算!これで角桂と銀の交換になり、先手はひどい駒損ですが、手番は先手。もう、先手が攻めを繋げるかという将棋になってきました。でも…いやなるほど、飛車が変な所に行くから、角と金駒の交換になった後の打ち込みでどこまでよく出来るかという状況にやっぱりなるんだな。でも、▲71角の打ち込みの段階で、以降の攻防もかなり手が広いので、ここまで読み切るのは僕には絶対無理だわ。これは研究してないと指せません。というわけで、ここで羽生さんが放った手は…

▲62銀
 これはひと目好手に見えました。だって、金を逃げればすかさず▲44歩ですよね。しかしビビるのは、なんとこの局面で、千田さんは「後手有利」の見解。しかも、千田さんはここは研究済みのようです。千田さんって、2期前ぐらいの竜王戦トーナメントか何かで羽生さんを撃破していましたが、序盤研究が凄まじいんでしょうね。やっぱり角換わり腰掛け銀は研究してないと指せないわ。。でも、受けるといってもどう受けるんでしょうか…僕ならここで時間を使い切ってしまいそう。。

△32玉
 郷田さん、長考から凄い手をひねり出しました!受ける時って、普通に受からないので、取らせて受けるとかありますが、いや~なるほど~、変形の顔面受けというか、これは見事!!それにしても、先手の仕掛けから▲71角以下、もう感動的な棋譜が続いています。よくこんなの指せるな…プロってやっぱりすごい。

 △32玉が見事すぎる受けで、こうなると羽生さんが攻め続けられるかどうか、という感じ。ほとんど終盤の様相ですが、まだ2日目の昼です(^^;)。
 この後、手番が後手に回った瞬間に、後手の猛反撃。△88歩や△69銀など、角換わり腰掛け銀の最後に出てくる矢倉崩しの手筋のオンパレード。やはり攻めきれなかった時点で先手の負けは確定だったみたいですが、しかし後手が綺麗に寄せなければ先手の逆転があるというギリギリの戦い!いや~、こんなのどちらを持ってたって、生きた心地がしません。。そして最後は郷田さんが綺麗に仕留めて、98手にて後手郷田王将の勝ち!2勝2敗のタイに戻しました!!

 いや~、やっぱりプロ将棋は凄まじいですね。どちらも凄かったんですが、解説の千田さんがまたすごかった。あんな所まで研究してあるという事と、終盤での解説がものすごいデジタルですごかった。ああいう解説を聴いていると、僕がいかに何となくボンヤリと指しているかが分かります。いや~、凄い解説でした。。
 これで2勝2敗、王将戦はがっぷり4つです。それにしても、対局のあった青森の弘前は大雪だったみたいですね。雪景色に将棋って、日本的でいいなあ(^^)。。


第65回NHK杯 千田翔太 vs 行方尚史 (角換わり腰掛け銀)

 昨日から、東京は妙にあったかいです。調子に乗って洗濯しまくっていたら、朝からいきなり嵐のような豪雨(>_<)。あわてて取り込んだりしてたら、NHK杯のアタマをちょっと見逃しちゃいました。15分遅れぐらいだったと思うんですが、もう終盤みたいな状況。11時前に終わっちゃうんじゃないかというぐらいの勢い、超急戦調の序中盤だったんじゃないかと思うんですが、ここからがめっちゃくちゃ面白かった!!

 将棋は角換わり腰掛け銀だったみたいなんですが、僕が見始めた時には先手はもう角を打ち込んでたし、元の戦型が何だったのかわからない状況。ここから先手千田さんは駒損を繰り返しながら攻め。飛車まで切るほどに攻めを繋げることに特化した攻め!!先手陣は手付かずなので、後手行方さんは攻め合いに持ち込むのが難しく、こうなると後手が攻めを切らせるかどうか。しかし…これが切れません。まず、ここの攻防が面白かった!!飛車のアタマを歩で叩く筋を、解説の谷川会長もしていたし、実際に千田さんも叩いていたんですが、私はこれを軽視していたので、かなり勉強になりました。なるほどな~、直接手以外をちょっと軽く見ちゃう傾向が僕にはあるんだな。
 そして、先手の細い攻めが繋がりはじめ、これはワンサイドゲームで決まっちゃうか…という所まで行った所から、行方さんの反撃!駒得を活かし、角換わり腰掛け銀の後手反撃筋の有名な筋の連発!角換わりの相腰掛け銀の後手の反撃筋って、△49銀の割り打ちとか、桂の打ち込みとかから電光石火で決まってしまう事があるんですよね。後手は△11玉と手を稼いで、自玉の受け切りを捨てての反撃でしたので、今度は先手玉が寄るか寄らないの勝負!!見ていて、「あれ、寄ってるんじゃないの?」とか「いや、これは逃れたんじゃないか?」とか、ハラハラドキドキの展開でした(^^)。最終的には…プロの中でも広瀬さんに並ぶほどの詰め将棋の達人の行方さんでも、寄せきれませんでした。結果、先手千田さんの勝ち!千田さん、ベスト4進出です!!

20160214NHK_千田vs行方_角換腰掛銀127手 あれは寄っていたか…これが知りたくって感想戦を見たんですが、128手目に△69銀ではなく、△48角成と角を成り捨てて「玉を危険地帯に誘え」れば、寄っていた模様。いや~、角の成り捨てにさえ気づけば、あとは難しい詰め将棋じゃないんですが、とにかく一手30秒はきついですね~。一手1分あったら、行方さんなら絶対見つけていたでしょうし(千田さんは気づいていましたし、谷川さんも気づいていたみたい)、アマでも結構見つけた人はいたんじゃないでしょうか。でも、30秒の早指しって、実際には23~4秒ぐらいしか考えられないし、第一感で見えなかった手って、見えにくいんですよね。また、今回は可能性のありそうな他の順が見えていたので、そちらに先に気付いていると、その読みを深く入れたくなるでしょうしね。
 でも、あそこからの反撃で後手は実際にまくれていたんですし、あそこで反撃に行かなかったらそれこそ後手は寄せられていたような気がするので、行方さんが反撃に転じたタイミングも反撃筋も、絶妙だったんじゃないかと。最後に勝ちこそ逃しましたが、さすがA級1位だなと思わされる凄さ。大熱戦で、めっちゃくちゃ面白い将棋でした(^^)!!


第59期王位戦リーグ紅組 豊島将之 vs 佐藤康光 (ダイレクト向かい飛車)

 王位戦の挑戦者決定リーグが始まりました。が、また仕事がぼちぼち忙しくなってきたので、あまりちゃんと見れず。その幕開けは、豊島さんと康光さんの対戦!康光さんは今期好調で、色んな棋戦でいい所まで行くのですが、あと一歩届きません。一方の豊島さんは、タイトル奪取を逃がした辺りから一時勝ち星に恵まれない時期がありましたが、最近はけっこう戻してきた印象。さて、将棋は…康光さんの後手番の切り札、ダイレクト向かい飛車です!!

20160209王位59リーグ紅_豊島vs佐藤康_D向飛車46手 この前のA級順位戦での広瀬vs佐藤康戦で、ダイレクト向かい飛車に対して、先手の広瀬さんが銀冠に行ってました。あ、これは隙を作らずに駒組みしやすいし、玉頭戦にもいいし、相手の角のラインに入らないから、展開によっては居飛車からは狙いやすい駒組みかも…と思ってました。そしてこの将棋も、居飛車を持った豊島さんは銀冠。やっぱり糸谷さんの本だけでなく、ダイレクト向かい飛車専門の定跡書を一度読んでおきたいな~。昔、角交換からの右玉対策として、地下鉄飛車からの端攻めをメイン戦術にしていた僕は(これは『よくわかる角換わり』に載っていた構想^^)、こういう後手の9筋が薄い局面図を見ると、ついつい▲98香~▲99飛な~んてやりたくなっちゃうんですが、そうなるともういきなり大決戦というか、速度勝負になっちゃいそう。もしその順に踏み込むならここで長考して成立するかどうかをちゃんと読みたいですが、でも突破出来た後も中央が広そうですし、やっぱり無理かな…(^^;)。。ここで豊島さんは…

▲45歩△83玉▲46角
 いや~、この角の筋も囲い崩しで昔勉強したなあ。しかも、康光さんの本でした。しかしそれを先受けした康光さんの手が凄い!△83銀から銀冠に行くのではなく、玉をあがりました!いずれ▲65桂があるので、角のラインから玉を外しておくのは分かるんですが、この段階で早くも顔面受け的な感じなのか。普通ならあたりを避けるにしても△92玉とかにしそうなもんですが…ああ~なるほど、そうすると今度こそ端攻めが飛んでくるのか。いや~、康光さんのこの感覚が凄いです。

△53銀▲98玉△33桂
 後手は64を手厚くしながら右辺の反撃筋の準備、先手は玉の角当たりを避けてから…

▲65歩△同歩▲同桂△64銀▲73桂成△同金
 いよいよ開戦!!▲46角のラインを作ってからのこの囲い崩し、僕は右玉破りで覚えたんですが、角と桂の囲い崩しって、受ける方がすごくイヤです。きちんと応接できれば凌げる事の方が多い気がするんですが、ちょっと間違えると一気に敗勢になっちゃったりして(^^;)。ここでいうと、▲73桂成を何で取るかは、間違えるとえらい事になっちゃう場合がありそうで、考えちゃいました。僕なら銀引きで取っていたかも。

 で、なぜ康光さんが金で取ったかというと、次に△62飛の反撃を狙ったから。以下、△65歩と打ち込んでから銀が55(または75)~66みたいに進出できると、豊島さんの仕掛けを逆用してものすごい反撃になるし、しかもその時に玉が角のラインから逸れているので、強く戦うことが出来るというオマケつき。これ、結局は実現しなかったですが、プロ将棋で、色々な伏線が構想によって全部繋がった時に、「おお~すげ~」と思ってしまいます(^^)。
 しかし相手は若手超強豪の豊島さん、そんなに簡単には破らせてくれません。ここからは相手の手の消し合いに、異様な搦め手。康光さんはちょっとアマでは想像もつかないような変な形に囲いをトランスフォームしたり、かなり複雑な将棋になって、またしても私はついていけず。。そして最後、康光さんが玉のコビンを狙って垂らした歩がオソロシイ威力を発揮し、なんかあっという間に寄ってしまいました。いや~、あんなに威力のある拠点の歩になるとは思いもしなかったよ。後手は飛車も封殺されていたし角も使えていなかったし、対する先手は角のラインは強力だわ囲いは堅いわで先手がいいと思っていただけに、なんか手品のような終盤術でいきなり決まっちゃったように見えました。最後、豊島さんは詰まさなければ負けという所で連続王手に行くのですが、ここで連続王手の千日手という珍しい状況になり、これを打開できなかった豊島さんが無念の敗北。

 いや~、これは面白い将棋でした。連続王手の千日手打開できずは、自分では指したことが何度かありますが、プロ将棋では初めて見た気がします。また、中盤の互いの構想が面白かった!!僕の中でのダイレクト向かい飛車破りは、やっぱり昔覚えた定跡をメインに据えながら、変化次第では銀冠も視野に入れるという方針に傾いています。いや~、プロ将棋を見ていると、こういう勉強になるからいいですね。。


第64期王座戦予選 丸山忠久 vs 橋本崇載 (横歩取り)

 格やキャリアは丸山さんの方が断然上だと思うんですが、しかしここ数年の丸山さんvs橋本さんは、超互角のライバル同士みたいな印象です。互いが互いを上に行かせないというか、ここ一番で相手のチャンスをつぶし合う関係、みたいな(^^;)。王座戦はまだ予選の段階ですが、両者の対局とあらば見ないわけにはいきません(^^)。

20160208王座64予選_丸山vs橋本_横歩23手 先手丸山さんの横歩取り、ここでびっくりする構想を見ることが出来ました(^^)。というか、僕が知らないだけなのかなあ。そろそろ一手損角換わりの後に何を勉強するかをプランしなくてはいけないんですが、勝率の低さからすると横歩なんですよね…。23手目盤面図は、先手の玉の位置を除いては、すごくよく見る形。いや~、ここに玉をあがるのは青野流を受ける後手とかを除いては、最近はあまり見ない気が。ここから後手ハッシーは…

△23銀
 これはよく見る形。金に紐をつけておくという意味が一番強くて、あとは飛車をぶつけに行くとか端攻めとか、先手の飛車を狭くして行ったりとか。というところで、丸山さんが…

▲22歩
 うわああ、いきなり打ち込みだあああ!!いや~、これは見た事がない気がしますが、なんかいい手の気がします。…なるほど、△同角と応じたらそれでほとんど勝負ありなのか。。

△同金▲33角成△同桂▲31角
 うわあ、早くも先手が馬を作る事が確定でしょうか。それを受けようとしたら後手の左辺はボロボロだよ。。

△32金▲53角成
 というわけで、橋本さんは左辺を受ける代わりに馬を作られる事を甘受。先手はいきなり後手玉頭に馬を据えました。とはいえ、あまりに序盤過ぎるし、こういう超派手な展開は横歩にはけっこうあるし、実は思いっきり優勢に見える方が実はマズイ、みたいな事もあるので、実際の形勢はよく分かりません。でも、先手から見てじれつく△14歩~24銀の展開を嫌いたいなら、この手はいいかも。すごくいいかも。これは今度やってみよう(^^)。

20160208王座64予選_丸山vs橋本_横歩38手 で、ここからが超名勝負。簡単に受けたり攻めたりではなく、かなり難解な手の連発。見ていて「ああ、プロ将棋だな」と思うような、凄い手が互いに飛び出しまくる、超絶に面白い将棋でした。特に38手目の局面図からの丸山さんの指し手が凄かった!後手が△25銀と正面にあがって飛車取りをかけたところですが、ここから…

▲33馬△同金▲25飛
 うわあ、丸山さん、馬と銀桂の2枚替えに行ったああ!!
この2枚替えで先手が良くなったかどうかは分かりませんが、仮に▲28飛と普通に弾く穏便な指し方にすると?…▲28飛△27歩▲同飛△26歩で頭を抑えられてから角の打ちこみか。なるほど、そちらよりは2枚替えの方が飛車が捌けそうな分だけ良さそうですか。

△24金▲46桂
 うおお、飛車取りを避けずに飛車取りを返した!!!
さっきの3手一組の2枚替えも凄かったですが、これもすげえ。。う~ん、丸山さんって、強い手を指すというか、激しい順を好むんですよね。いや~、丸山さんの将棋って、面白いんですよね。ついつい穏便な手を選びがちな僕なので、丸山さんの将棋を見て攻めの感覚を学びたいな。。

 この後も、後手橋本さんの受けながら敵陣直撃になる△12角とか、あたりを何枚も打たせる丸山さんの中段飛車の使い方、いきなりスローペースに戻して△12角を咎めに行く端攻めとか、とにかく面白かった!!そして最後も飛車を犠牲にしての香の重ね打ちというちょっと珍しい形の寄せ。結果、115手にて先手丸山さんの勝ち!!

 いや~、この将棋はめっちゃくちゃ面白かったです。僕は一番読んだ数の多い序盤定跡の本って横歩なんじゃないかと思うんですが、でも実践で使っている筋って、定跡本よりもプロ将棋で出たものを参考にしたものが多いんですよね。羽生vs渡辺の棋譜とか。この将棋、もしかすると自分の横歩取りの主戦法のひとつにしたくなるような感触を覚えた、素晴らしい将棋でした。中盤以降は高度すぎて真似できそうにありませんが、序盤だけでもこんど道場に行ったら試してみよう(^^)。でも、次に行けるのはいつの日か…。

第65回NHK杯 豊島将之 vs 村山慈明 (角換わり)

 今日は糸谷さんの解説が、とにかく良かったです(^^)。対局中は将棋の解説だけで無駄話がなく、これがいい!糸谷さんの解説って、序盤とか中盤とかの手の広い所は、あまり細かい定跡筋の説明よりも、「受けた所に攻めていくのは無理筋」とか「いずれ発生する銀の割り打ちの対処」とか、、すごく大局的な説明をしてくれるので僕には分かりやすいです(^^)。一時、角換わりの研究に嵌まり込んだ事があって、「金が42の場合は…」とか、ものすごい細かい所まで暗記して、だんだんわけわからなくなってしまった事があったのです。でも、糸谷さんみたいに大きなところでの見通しがあった上に細かい定跡を重ねて覚えていたら、もっと覚えやすいんだろうな~…な~んて思いました。いきなり細かい読みを入れてしまう前にはやい段階で大雑把な方針が立てられたり枝刈り出来たら、早指しを指すことがほとんどの僕みたいなアマにとっては、すごく有利なんじゃないかと。
 また、終盤になると、当たりを打たせるとか、渡してはいけない駒とか、とにかく終盤術をリアルタイムでガンガン喋ってくれるので、見ているだけでめっちゃ勉強になる。リアルタイムで『羽生善治の終盤術』を解説してくれている感じです(^^)。

 今日は若手強豪対決、角換わり。村山さんは攻めの手を増やすよう棋風改造中との事でしたが、今回はどうか。…いや~、角換わり相腰掛け銀は難しいですね。アマだと最善の形で駒組み出来ているかどうかの判断自体が難しいし、かといって仕掛けると無理筋で咎められちゃったり。今日は先手豊島さんが積極的に仕掛けに行き、しかも飛車を拾ったのに、その時には多分すでに慈明さんが良くなってたんじゃないかと。終盤の桂打ちの縛りも最後の角打ちも、今日は珍しく見えてたんですが(*゚∀゚)、たまにでもいいので指し手が当たると嬉しいですね(^^)。この前の王将戦は、中盤の構想も寄せも異次元過ぎて訳わからずでした。。

 さて、勝った村山さんは森内さんと豊島さんを倒したことになりますが、これは凄い!村山さん、この1~2年で一皮むけて一段上の棋士になっていきそうな予感がします(^^)。


第65期王将戦 第3局 郷田真隆 vs 羽生善治 (相掛かり)

 第1局が矢倉、第2局が角換わりときた今回の王将戦。ここまで1勝1敗とがっぷり4つですね~。さて、第3局は…おお~、郷田さん得意の相掛かり!!3局とも違う戦型、相居飛車のだいご味炸裂ですね。。それにしても羽生さんは避けようと思えば避けられたのに、勝った方が勝ち星の先行する対局で相手の得意形を真正面から受けに行くとは…。

20160204王将65-3_郷田vs羽生_相掛21手 21手目盤面図、お互いに引き角から銀を繰り出し、更に先手が棒銀を示唆したところです。同形なので後手も棒銀に行ったら先手が1手有利なんでしょうね。ということは、腰掛け銀か?飛車を浮くなら、なんとなく一度引き角にした手が損する気もするし…な~んて色々書いてますが、相掛かりの勉強が出来てないもので、なんの根拠もないです。一手損角換わりの勉強が終わったら、次は相掛かりの勉強をしようとは思ってるんですが(^^)。ここで羽生さん…

△88角成▲同銀△22銀
 おお~、いきなり角交換です!!いや~、これはいろんな制限の加わる将棋になるか、派手な速攻になるか…

▲77銀
 郷田さんは1時間ちょっと考えて▲77銀。これはじっくり行くのかな?少なくとも、超急戦はなさそうな気がします。

△64歩▲36銀△63銀▲25銀
 対する後手羽生さんは、腰掛け銀を構想。その間に郷田さんは棒銀を繰り出していきます。でも、これは△33銀と受けられて銀交換ぐらいで済みそうかな…

△54銀
 うおお、羽生さん、受けない?!!いや~、これは大丈夫なのか?えっと、▲24歩からは…全然ダメですね。じゃ、▲34銀から襲い掛かると?…ああ、すぐに破れるわけではないのか、なるほど。そりゃそうですよね、羽生さんが選ぶんだから(^^;)。

▲68玉
 郷田さんはここで囲いに1手を使いました。この辺りは「そろそろ寄っておかないとまずいかも」みたいな、感覚的なものも結構あるのかな?

 そしてここで後手羽生さんが封じ手。二人合わせて7時間半以上かかって31手というのはけっこうスローペースとも感じますが、それぐらい神経を使う難しい将棋なんでしょうね、相掛かりの序盤って。しかも、角交換が入ってますし。さて、アマ的には、後手は△33銀から玉を囲いに行くとは思うんですが、それは先手次第。それぞれの構想が言えてくるのはもう少し先になりそうかも。

*****
20160204王将65-3_郷田vs羽生_相掛36手 2日目です。風邪ひいたみたいで、せきが出るしだるいっす。特に、のどが痛いのと悪寒がするのがちょっときつい(;_;)。さて、昨日の封じ手からは端を突きあった後…

△45銀
 うわあ…。。
たしかに▲34銀と指されるとなかなか嫌だとは思ってたんですが、飛車浮きでも△33銀でもない手で守るのか、どうしてこんな手を思いつけるんだろうか。しかも、端の突き合いを入れたために、△63角が打てなくなってるのか。しかしこの銀自体に圧力をかけられると一気に形勢が動きそうなので、時限つきの指し手に見えるのですが、どうなんでしょう。例えば一番単純に▲46歩と突かれると?△同銀でも△54銀でも▲34銀は実現できそうですが、問題はその後か。ひと目△47角の打ちこみですが、同じように▲63角と打ち込み返されると?…いや~、これはどっちがいいんだか全然わかりませんが、絶対にどちらかが良いんでしょうね。さて、これが最善手なんてとても思えないので、咎めに行きたい気がするんですが…

▲38金
 いやあ…。
もう、僕なんぞがいくら考えても分かりません。飛車のコビンが開いた後の蓋を考えている?どちらもかなり時間を使いながら慎重に指しているので、かなり先で嫌な順があって、それを互いにケアしてるんじゃないかと思います、きっとそうです。棋譜中継なった木村さんの言葉を借りれば…「パスも難しいです。△7四歩だと▲6三角があるし、△5二金は飛車の横利きを止めてしまいます。後手は2五銀が働いてきても得できるような展開を考えているのではないか」との事。う~ん、やっぱり角を持ち合っての将棋になると、打ち込みをケアしながらになるので、どうしてもこう着状態に陥りやすいですね。下手に動いた方が負け、みたいな。

△24歩
 すげえ、羽生さん打開に行ったよ…。
これは後戻りできそうにありません。アマがひと目思いつくのは▲23歩△同銀▲24銀で捌きに行く手ですが、それで良いかどうかはちょっと分かりません。右金が離れた分だけ、先手若干指しにくいのかな?他には突き違いの歩じゃないけど▲46歩ですが、これはさっき指すのと状況が似ているので、郷田さんはこれがまずいと見て指さなかった以上、ここで指すこともなさそう。▲63角△54銀で駒損覚悟の決戦は?…いや~、次の指し手が見つかりません。単なる駒損になりそうだな。あとは普通に銀を引く手ですが、右金を右に寄せたのだから、これが濃厚かな?

▲36銀△同銀▲同歩△23銀
 お、そうなりましたね(^^)。これで互いに角銀を手駒にして、羽生さんは銀冠が出来ましたが玉はまだ居玉。郷田さんは右金を攻撃に使うのかな?いや~、でも敵陣までは遠いぞ。相掛かりって、横歩みたいな派手な決戦になる事もありますが、角換わりのような序中盤で少しも間違えられないような神経戦になる事もあるんですね。というか、これは出だしが相掛かりだったというだけで、もうほとんど角換わりですね。。そして…

20160204王将65-3_郷田vs羽生_相掛43手▲46角(43手目盤面図)△52金▲37桂△42玉▲66銀△33桂▲55銀△35歩
 郷田さん、角を下ろして、左銀を攻めに繰り出した!!角銀で後手飛車のコビンを狙いに来ました。それに呼応する形で羽生さんは先手右辺の桂頭狙い!いや~ここで一気に将棋が動き始めました、お互いに技のかけあい!!これはどちらの構想が優れているんでしょうか。さすがにもう互角という事はないでしょう!!

▲35同角△86歩▲同歩△同飛▲87歩△76飛
 桂頭を守るためには▲35同角しかありませんが、これで飛車のコビンを狙っていた角筋が逸れてしまいました。その瞬間に後手羽生さんは飛車先の歩を交換してから横歩もかすめ取り!いや~、あんなにジリジリとした神経戦だったのに、いきなり凄い戦い!!こうなると後手は△88歩の手裏剣や△36飛みたいな良さげな手がいくつもあるので、後手が指しやすくなったかな?でも、飛車が狭くっておっかないな…。

▲77桂△88歩▲66銀△93桂▲29飛△25桂▲46角
 羽生さんの攻めと郷田さんの受けという展開になりましたが、これって本当に攻め切れるんでしょうか?とにかく、飛車が狭いです。先手は角も46に戻ってきたし、受け切られてしまうと64の傷から殺到されて反発が厳しい気がするんですが…

△37桂成▲同角△74桂▲55銀
 うひょ~、先手が相手の手に乗りながらじりじりと反撃筋を用意してます。ついに▲55銀まで来てしまったので、最初の郷田さんの攻めの構想まで戻った形ですが…

△89歩成▲同飛△86歩
 羽生さん、歩を成り捨ててから打ち直し!しかしここで郷田さん…

20160204王将65-3_郷田vs羽生_相掛71手▲75歩(71手目盤面図)
 いや~、ちょっとこれはゾクッと来ました、これは素晴らしい!よくぞ△87歩成が見えているこんな所でこんな手が指せるなあ。本当に間に合うなら絶妙手に見えますが…・

△85桂▲74歩△77桂成▲同金
 うああ、激しい攻め合い、駒の拾い合いになりましたが、ちょっと広瀬さんが凄い手を指摘してるんですが…

△88銀
 うわあ、マジで来たあああ(゚ロ゚ノ)ノ!!!ほとんど詰め将棋みたいなカッコいい手です!!▲同飛なら△79角~△77飛成、▲76金なら△89銀不成か。いきなり先手玉は裸にされ、しかも飛車交換は後手の方が打ち込みの傷が少ないのか。なんという終盤力、一瞬にして後手良くなったんじゃないでしょうか。さすがはプロ屈指の詰め将棋名人の広瀬さん…といいたいところですが、それを羽生さんも指しちゃってるってことは、やっぱり羽生さんの終盤力は尋常じゃないんだな。

 以下、先手も嫌味をつけながら反撃するも届かず、100手にて後手羽生さんの勝ち!!

 △88銀がとにかくカッコよかったです!!僕は全然見えませんでしたが、プロだとみんな見えるのかなあ。アマの段位だと、どれぐらいの人が見えるんでしょうか。けっこうみんな見えるのかなあ。。
 序盤から定跡を外れたところでジリジリと駒組みの続く将棋って、独特の面白さを感じます。△45銀なんて構想、この将棋を見た後でも、ちょっと僕には真似できないなあ。角交換しているので打開以外にも色々な構想がありえたかもしれませんが、もしあれが最善なのだとしたら、将棋って難しすぎる。。そして郷田さんが▲46角と角を下ろしてからは一気に激しい将棋となりましたが、差なんてほんの少しなんでしょうね。どちらが良いのか全然わからない所で、いきなり一撃で決まっちゃうんですから。あそこから寄せには入れる後手がどれぐらいいるんでしょうか…。とにかく凄い終盤術でした!!これで羽生さんは後手番をブレイクして2勝1敗。羽生さん、マジで5冠とっちゃうんじゃなかろうか。

第74期順位戦 A級 8回戦

 昨日はA級順位戦がありました。一番長い日のラス前、場合によっては名人挑戦者が決まる重要な一斉対局!ファンとしては、最終戦までもつれて欲しいなんて思っちゃうなあ(*^_^*)。

郷田真隆 ●-○ 行方尚史
 天彦さんを追う2敗の行方さん。自分が負けてしまっては挑戦が遠ざかります。ここは意地でも食い下がりたいですが、ここに来て相手は王将!!しかも、郷田さんの超得意戦型である相掛かり(゚д゙)アワワ。しかも行方さん後手。これはマズイ…と思ったら、行方さん勝利!!いや~これは名勝負の大激戦、100手近くまでは先手郷田さんの攻めが繋がりまくり、行方さんは飛車を狭くされ、自陣に銀は入られるわと金は作られるわで防戦一方に見えました。僕的にはもう勝負あったかと思ってました。しかし、金取りを受けずに反撃筋を作るとか、辛抱しながらの指し回しでいつの間にやら逆転!王将に真正面から行って、しかも王将の得意形を潰すんだから、行方さんやっぱり強いです。こうなると気になるのは…

佐藤天彦 ○-● 久保利明
 名人挑戦の動向には、単独首位の天彦さんの動向が一番重要です。単独首位なので、天彦さんが負けない事には他の人に目がないですからね。その天彦さん、ここでA級唯一の振り飛車党の久保さんと対戦。これはちょっと苦戦するか…うおお、天彦さん勝ったああ!!対抗形の右辺の戦場を力で制してしまう時点で、今の天彦さんは他の棋士より力が上というか、もう勝負ありだったんでしょうね。さて、天彦さんが勝ちとなると、他の2敗棋士は負けた時点で脱落になりますが…

渡辺明 ●-○ 屋敷伸之
 これで2敗棋士は負けられなくなりました。2敗の渡辺さん、将棋は矢倉…あら、急戦調になったぞ…うああ、またしても屋敷さんは2枚銀急戦!!この前は康光さんにものの見事に咎められて完封状態でしたが…あらら、屋敷さん、渡辺さんの反撃を無視して攻め続けてます。23の地点も守らず、桂取りも無視して攻め、馬取りも手抜いて攻め…うおおお、屋敷さん、勝ったあああ!なんだこの波状攻撃は(゚д゚Ⅲ)。いや~、将棋ってこういう攻め一辺倒で勝てるようにはできていないゲームだと思うので、最善を指し続ければ先手受かったのかも知れませんが、現在プロ№2の渡辺さんですら受け切れないんだから、屋敷さんの攻撃力が凄すぎるという事なんでしょうね。だいたい、2枚銀の連発でA級で勝ち越しとか、尋常じゃないっす。これで渡辺さんの名人挑戦はまたまた消えて、次回に持ち越し。いつも惜しい所まで行って次回またのパターンは、さながらタイムボカンのごとし。去年も惜しい所まで行ったのに、渡辺さんは名人に縁がないですね。。

20160201順位74A_広瀬vs佐藤康_D向飛車35手広瀬章人 ○-● 佐藤康光
 これも2敗の康光さん。いや~、10人なので星の差が付きにくいんでしょうが、それにしても2位以下はメチャメチャ激戦。ここで康光さんは…ダイレクト向かい飛車だあああ!!いや~、自分がやられるとけっこう嫌な戦法なんですが、プロ将棋では最近は分が悪い戦型に見えるんですよね。そして…広瀬さん、完勝!ここで康光さんの挑戦も消えました、残念。それにしても、ダイレクト向かい飛車破りはずいぶん進化したんですね。広瀬さんは角の打ちこみを消す▲48金29飛の形を作ってから銀冠に囲って万全の駒組み(35手目盤面図)。ここから▲56銀で腰掛け銀を作り、▲45桂△同桂▲同歩で打開です。僕はそこからどう攻めを繋げるか、難しいと思ってたんですが、広瀬さんは綺麗に攻めをつなげてました。

森内俊之 - 深浦康市
 この対局だけは名人挑戦とは無縁の対局ですが、しかし生き残りをかけた戦いとしては超重要、負けた方はかなりやばいです。将棋は…森内さん先手の相矢倉だあああ!!!▲35歩から早めに仕掛けましたが、深浦さんはこれを逆用、矢倉に潜らないまま銀を伸ばして先手陣の飛車先を抑え込み。これが最後まで響いて勝負あり、128手にて後手深浦さんの勝ち!いや~、羽生世代の矢倉の強さは森内さんだけじゃないというか、構想から何までみなさん尋常じゃないっす。。これでどちらも3勝5敗。しかし森内さんは5敗以下の棋士の中では順位が一番低い。という事は…森内さん、最終局に負けるとけっこうヤバいか。。

 というわけで、A級のレース展開はこんな感じになりました。
------名人挑戦の可能性あり------
(7勝1敗) 佐藤天(9)
(8勝2敗) 行方(1)
------残留決定------
(5勝3敗) 渡辺(2)、佐藤康(8)、屋敷(10)
(3勝5敗) 深浦康市(5)
------降級の可能性あり------
(3勝5敗) 森内(7)
(2勝6敗) 久保(3)、広瀬(4)、郷田(6)

 すごいのは、名人挑戦のかかった次の一斉対局は、天彦さんと行方さんの直接対決!しかも追う行方さんが先手、天彦さん躍進の原動力となった後手横歩を正面から食いちぎりに行くか、それとも…いや~、待ちきれないっす、2/27はオフにしたい、仕事よ入らないでくれ~。
 もっとすごいのは残留争い。前期とは逆で、今期は残留争いが熾烈ですね(^^)。最下位3名のうち最も順位が低いのが郷田さんなので、郷田さんは負けたら問答無用の降給、勝っても他力。郷田さん、降給レースでいつも苦しんでいる気が。。他の人も楽じゃありません。森内さんは勝ち星がひとつ多いものの、最終局が6敗棋士の久保さんとの直接対決の上、降級候補4名のうち一番順位が下。もし久保さんに負けると自動的に久保さん勝ちになるので、かなり危険。いや~、万一郷田さんと森内さんが降級なんて事になったら、羽生世代の時代から、一気に世代交代してしまいそうです。ほぼ同世代の僕としては、その日は少しでも遅れてきてほしい。。

プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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