第65回NHK杯 藤井猛 vs 北浜健介 (角交換四間飛車)

 藤井さんのトークが好きです。解説もいいんですが、棋士同士の会話の時が最高。声も高すぎず、かといって聞きにくくもなく。ちょっとブラックだけどユーモアがある、僕の一番好きな中年男性像です( ̄ー ̄)。NHK杯で解説をしている時、終局後の渡辺さんに「作戦負け?」と声をかけた時なんて、カッコよかったなあ。敬語を使わずにニヤニヤ話しかけてるのに、失礼に感じさせないどころか「お、カッコいいな」と思わせるところなんて、人間力なんでしょうね~。部下に敬語を使う上司っていますが、あれは悪くないとは思いますがベストではないと思うんです。でも、敬語を使わない事で偉そうに押さえつけている感じになっちゃうのは最悪なので、「先輩や上司としての威厳もあるけど、同時に優しさもある」というあたりに出来るのがベストなんでしょう。でもそうなるためには、後輩側に尊敬されるような先輩じゃないといけないわけで、その時の振る舞いだけじゃなくって、それ以外の部分での仕事力とか実力とか人間的な魅力とか、いろいろ必要なんでしょうね。カッコつけてないカッコよさです(^^)。

 今日は最初の方を見逃してしまったんですが、先手藤井さんの振り飛車(美濃)と後手北浜さんの居飛車(銀冠)の対抗形。僕がテレビをつけた時にはすでに先手厳しそうな状況で、藤井さんは懸命にしのいでいる感じでした。これがあっという間に大逆転、綺麗に寄せきって100手ちょっとで先手藤井さんの勝ち!北浜さんとしては、△89角成に代えて銀を拾って先手の飛車を捌かせたのが流れを変えてしまった手でしょうか。藤井さんは、2回連続の攻防の▲66角が見事でした!藤井さん、最近調子いいですね~。

 そして終局直後、藤井さんから北浜さんに声をかけていました。(藤井)「まずかったねえ」(北浜)「ひどすぎる」(藤井)「そうね」…藤井さん、最高です(^^)。



第74期順位戦 B級1組 橋本崇載 vs 稲葉陽 (横歩取り)

 昨日のB級1組順位戦、凄い事になりました!面白い将棋が色々とありましたが、なんといっても主役はハッシーでしょう!!

20160129順位74B1_橋本vs稲葉_横歩33手 橋本さんの相手は稲葉さん。現在、B1で単独トップです。稲葉さんからすれば残り2戦を連勝すれば他の人の勝ち負けに関係なくA級昇級!しかし、1度でも負けるとけっこう雲行きが怪しくなって、昇級レースが混戦模様に。そんな中、橋本さんが稲葉さんを倒しました!!いや~、橋本さんって、大丈夫そうな相手にコロッと負けたりするのに、上位棋士を倒したり絶好調の棋士にブレーキをかけたり、ここ一番に強いイメージがあります。33手目盤面図は、横歩ではありがちな形ですが、ここから後手の稲葉さんは…

△88飛成▲同銀
 うおお、飛車切り?!いちばん激しい手で行ったあああ(゚∀゚)-----!!!

△55角打
 いや~なるほど、角2枚を使った88への攻めと△19角成の両狙いか。飛車切り自体がありえない手だと思っていたもので、こんな順はまったく思い浮かびませんでした(^^;)。ここ、▲77桂と受けると銀を叩かれてアウトなので▲77銀で凌ぐのかな?それとも手抜いて攻め合いにする?いや~、早くもアマには難解極まる局面図になってしまいました(^^;)。。

▲83歩
 うおお、手抜いて攻め合い!!ハッシーも一番激しい順を選んだああ(゚∀゚)-----!!!いや~、これはもうすでにどちらかが良いんじゃないかい?少なくともこの順の選択は稲葉さんが選んだものなので、稲葉さんは自分が良いと思っているんじゃないかなあ。

△88角成▲同金△同角成
 まずは稲葉さんが馬を作りました。これで飛角と金銀の2枚替え。あと、望めば桂香も拾えそうですが、これだけ激しい順だとその暇があるかどうか。

▲82歩成△99馬▲84歩
 ここで橋本さんの反撃ですが、しかし▲84歩は渋いというか、すごい…。たしかに普通に▲72とと銀を補充するだけだと攻めが切れちゃいそうではありますが、それにしたって自陣の左辺を完全に崩壊されている真っ最中。速度的に大丈夫なんでしょうか。

20160129順位74B1_橋本vs稲葉_横歩46手△25歩▲46飛△89馬(46手目盤面図)
 稲葉さんは先に飛車先を抑えてから△89馬。ああ、これは67に集中砲火を狙ってるな。これは後手すでに良いんじゃ…少なくとも、僕ならここから受け切れる気がしません。先に詰ます自信もありません。。

▲72と△69銀
 橋本さんの反撃ですが、稲葉さんは△72同金じゃないのか?!稲葉さん、攻めダルマと化していますが、もしまけたらこれは指し過ぎでは?それとも、△同金にはマズい順があるんでしょうか。えっと…△同金▲83歩成に…△同金だと飛車打ち込んで寄りますね。じゃ△62金と躱すと…ああああ▲73と△同桂から▲81飛で馬取りを絡めた両狙いか!いや~これは橋本さんの深謀遠慮が見事。じゃ、後手としては△同金▲83歩成のところで手抜いて反撃…いやいや、そんな事やるんだったら、先に△69銀を入れておく方が全然良さそうですね。う~んなるほど~。

▲49玉△67馬▲39玉
 いや~、ここまで来ると、意外や意外、先手玉が捕まりそうにないぞ。。横からの攻めって、金駒だといくらあっても掴まえきれない時があるんですよね。歩を垂らすという遅そうな攻めを選んだ橋本さんは、あの時点で受け切れそうだと見切ってたんでしょうね、そうじゃなかったら他を選んでいたでしょうし。いや~、橋本さん、凄いわ。。

 で、ここから稲葉さんはハッシー陣に襲い掛かりますが、駒が足りません。しかも相手は受けの達人の橋本さん。恐ろしくデンジャラスな状況で、王様がヒョイヒョイと逃げてしまいます。この王様、うちの王様とはえらい違いだ。。最後は、一気に寄せに行っても良さそうな所で、万一にも勝ちを逃さないように、相手の攻め筋を潰す▲27歩打ち。というわけで、75手にて先手ハッシーの勝ち!!それにしても、横歩で中盤で大駒切っての攻め合いになる将棋は、見ていて生きた心地がしません。。

 いずれにしても、橋本さんお見事!!橋本さん、順位戦終盤に来て三浦さんと稲葉さんというB級トップ2を連続撃破です(o^ー^o)。。これで稲葉さんは痛恨の2敗目。でも現状2敗はふたりだけですので、残り2戦を勝てば無条件でA級昇級。しかし最終戦が追う3敗の木村さんとの対局で、順位は木村さんの方が上。12回戦の結果も絡んでくるのでまだ何とも言えませんが、負けたら木村さんにアタマ跳ねを喰らう可能性も。また、稲葉さんの敗戦で、現状4敗の棋士にもわずかながら可能性が出てきました。仮に稲葉さんが4敗となった時も、アタマ跳ね喰らうのは稲葉さんなんですよね。とはいえ、負けさえしなければいいので、稲葉さんは次の畠鎮戦が正念場、そして13回戦の稲葉vs木村は大一番になる気がします。いや~、B1の順位戦は、毎年面白いです(^^)。。


第9回朝日杯将棋オープン戦 藤井猛 vs 糸谷哲郎 (四間飛車)

 昨日は朝日杯をたくさんやってました。全部は見れなかったんですが、広瀬さんが解説してくれていた藤井vs糸谷戦だけは横目で見てました。そしてこれが序盤から終盤までずっと面白かった!!
 将棋は先手藤井さんが藤井システム気味に玉寄りを遅らせてのノーマル四間飛車。そういえば、藤井さんの先手藤井システム相手に糸谷さんが単手数で仕留められた将棋が最近ありましたね。なんだったっけな(ゴソゴソ)…勘違いでした、藤井さんではなくって久保さんとの対局、今期の地獄の王将リーグでの出来事でした(^^)。そうそう、糸谷さんがちょっと変わった構想を見せたら、藤井システム全盛期を生き抜いてきた久保さんに見事に咎められてしまったんでした。

20160127朝日杯9_藤井vs糸谷_四間飛車21手 というわけで、今回糸谷さんはどう指しまわすかな…お、今日は急戦を見せつつ穴熊を伺うという、けっこう定跡通りっぽい指し方でした(^^)。最近、道場でも藤井システム指す人がまた増えてきた気がするので、序盤の復習をしておこう。。
 21手目盤面図は、藤井システムの先手四間飛車vs居飛車でよく見かける形。ここで△33角と上がって穴熊にいくと4間飛車の餌食になるんですよね。僕が覚えている定跡は、ここから△33角▲36歩△44歩▲37桂△43金▲65歩△22玉▲56銀△32金▲25桂で、この桂が角に当たりつつ1筋を狙って激痛。以下、△24角▲45歩で角のハッチが開き、△12玉で角当たりを避けるも▲44歩△同金▲15歩△22銀▲14歩、これでもう先手受からない、みたいな。居飛車党の人なら、みんなこれと似たような筋の藤井システムに何十回も泣かされたことがあるんじゃないかと(^^;)。というわけで、糸谷さんは…

△55角▲47金
 そうそう、角を浮いて▲46歩を咎めに行くんですよね、これは『杉本昌隆の振り飛車破り』に書いてありました。僕の先手藤井システム破りの基礎はこの本です(^^)。で、ここから△75歩▲同歩△64銀と出て、先手は急戦気味に決戦に行ってしまうんですよ。ここからが実力勝負、みたいな。でも、タイトル戦とA級順位戦ぐらいしか見れない僕は対抗形をあまり見れていないわけで、プロはガシガシ定跡化が進んだんじゃないかと思うんですが…

△73角
 おおお~、角を引いて先手美濃に照準を合わせました!!いや~、この位置に角を据える形も見た事がありますが、△55角~△73角という順もあるのか~。勉強になります(^^)。

▲39玉△94歩▲96歩△44歩▲65歩
 お、ついに振り飛車の角道が開きました!これに銀桂を絡められての攻撃が嫌なんですよね。。45歩はどちらに有利になるのかなあ。。

△43金
 いや~、こういう時は△33桂かと思いましたが、金あがりが先なのか!これ、すぐに▲45歩だと?…ああ、それから△33桂でも間に合うのか。なるほど~。

▲28玉△14歩
 藤井さんは玉が入るのを優先、糸谷さんは1筋の位を取らせない手を指してから…

▲66銀
 いや~ここで藤井さんは角頭攻めに行きました!さすがはノーマル四間飛車史上最強棋士、これは居飛車受けづらい気がします。

20160127朝日杯9_藤井vs糸谷_四間飛車118手 そして、終盤での藤井さんの寄せが凄かった!糸谷さんが狙った1筋端攻めを逆用、後手糸谷さんが先手飛車の成り込みを止めようと相駒を打った119手目盤面図。ここから藤井さんは

▲44歩△同金▲62角△33金打
 藤井さん、叩いてから角の打ちこみで金桂両取り。金をタダで抜かれたらそれが王手にもなって即死なので、ここは糸谷さん金を貼り付けて受けつつ自陣を固めます。

▲15歩△68と
 藤井さん、1筋の香を取りつつ、これが1筋逆襲の起点にもなるか?糸谷さんは成銀を守りつつ飛車道を通す△68と、これはこの一手の気がします。そして藤井さん…

▲14歩△12歩▲17香△21桂▲16香打
 うおお、一気に端を詰めに行ってから香のロケットだ~!!ちなみに…たしかここだったと思うんですが、解説の広瀬さんが、視聴者からの「ここで▲13銀は?」の質問に即答で「それは取ってくれないんじゃないですか」と答えてました。いや~、雑談を含めたいろんな話をしながらの解説だったのに、喋りながら色んな手をちゃんと読んでるんですね~。ちなみに、僕の第1感も▲13銀でした(^^;)。修行が足りん…。

△43金引▲44歩△同金左
 ここの金引きは、アマ的には謎でした。結果的に、後手から見ると1歩得して金の駒組みを変えた形になりますが、別の見方をすると単に手損しただけなんじゃ。いや~、この金の組み換えがどうして得になるかは、僕にはわからず。そして、ここからが凄い!

▲73角成△46桂▲同銀△同歩▲同飛△57角▲47飛△46歩▲57飛△同成銀▲51馬△42金引
 僕は▲73角成に代えて▲41銀を考えてました。俗手すぎますよね、そうですよね。。でも、終盤は俗手って言いますし…。なんとなく▲73角成の桂補充は、せっかく急所に刺さっていた角筋も逸れちゃうし、なんか攻めあぐねている感じがして嫌だったんです。その後、糸谷さんが追いあげたようにも見えたし。でも解説の広瀬さんはクールに「後手は足りないですね」といっていたのが印象的。見えてるなあ。。しかしこの桂補充、ぬるい手どころか、藤井さんには狙っていた手がありました。

20160127朝日杯9_藤井vs糸谷_四間飛車145手▲25桂(145手目盤面図)
 おおおお~、桂のタダ捨てだあああ(ノ゚∀゚)ノ!!いや~なるほど、△同歩と取ると歩の裏から角か銀の打ち込みか!これはひと目好手、決まったんじゃないでしょうか!!いや~、この終盤の寄せは絶品、魅せてくれました!!このあと少し続きましたが、先手優勢は覆る事はなく、157手にて先手藤井さんの勝ち!!

 いや~これは面白い将棋でした(^^)。藤井さん、かっこいい!!…しかしこの後、藤井さんは戸辺さんに敗け、ベスト8で消えてしまいました。でも、この将棋は良かった!また、負けはしたものの、僕が読んでいた本には載っていなかった藤井システム破りの構想を見せてくれた糸谷さんにも感謝です。今度道場でシステムと当たったら、△55角~△73角をやってみようかなあ。。



王将戦第2局、すごすぎ

 昨日の日記を書いた後で、感想戦コメントがアップされてまして、それを読んだり、終盤のあの壮絶な戦いをもう少しちゃんと考えてみたりしたんですが、いや~~~~~凄すぎる!!!

20160124王将65-2_羽生vs郷田_角換47手 まずビビったのが、47手目盤面図からの郷田さんの構想が手順前後だったかもという所。郷田さんはここから△86歩と歩の突き捨てを入れてから6筋開戦に踏み込み、受ける羽生さんは角交換を優先させる事で最悪の事態を免れたものの、その後も郷田さんの攻撃は続きますし手番も渡さず。決して後手郷田さんにとって悪い指し方ではなかったと思うし、△62金81飛の形を作った以上、後手は6筋に飛車を振って飛車を活用しにくいわけだから開戦前に8筋の歩を切っておくのは鉄則中の鉄則とすら思っていたんですが、なんとこれが「手順前後で郷田さんが悔やんだところ」だったそうで。いや~あんな細かい所で勝負にあやが付いちゃうのか(゚ロ゚ノ)ノ。その後に飛車の利きと玉のコビンを攻めつつ9筋の位取を有効活用しつつ57と玉のコビンまで守る受けの要にまでなった超絶に働きまくった▲66角の将棋になったので、そういう見解になった…のですよね、きっと。で、本当にそうなのかとその辺を考えると、激痛となったコビン攻めを先に消す△33銀とか、先に角交換するとどうなるかとか、あるいは角交換後に後手から先に11~99のラインに角を打ちこむとか、いろいろ考えちゃいました。でも、先に角交換すると手順に桂を跳ねられる上に飛車筋が通って、先に香をあがって避けておいた羽生さんの構想が生きてくる展開になっちゃうんじゃないかとか思えてきちゃう。じゃあ先に銀をあがっておいてコビンに蓋をしておくと?今度は先手から角交換してやっぱり飛車筋を通されて、先手が手番を握るのか…。僕程度のアタマではとてもとても読み切れませんが、羽生さんが香をあがった時点で、もうほとんどの後手の応手は検討済みだったんだよな…というのが改めて見えてきて、ちょっと戦慄でした。まして、僕みたいなシロウトですらすぐに浮かぶ△46角の順なんて、相当入念に考えていたんじゃないかと。いや~、定跡から離れる瞬間ぐらいまではかなりテキトーに指している僕がアホなだけなんでしょうが、それ以降の中盤の作りにまで▲18香がつながっているのがすごい。「手待ちの一種」とか、アホみたいな書き込みをして申し訳ありませんでしたm(_ _)m。。

20160124王将65-2_羽生vs郷田_角換65手 あと、終盤がやっぱりすごい。昨日の記事はあの▲94歩までで終わらせたんですが、あそこからも強烈です。後手はこの歩を取れば叩かれて馬を作られて速くなっちゃうので、ここで手抜いて反撃に踏み込んだんですが、それが…

△31馬
 玉の退路を防いでいる飛車をどかしに行く手です。これ、飛車を縦に逃げるといじめられるので、▲68飛と横に逃げるのが筋だと思ってましたし、また郷田さんもそう思っていたから玉の早逃げ&銀引きの構想に行ったんじゃないかと思うのですが、なんと羽生さんは…

▲44飛△43歩▲46飛△28馬▲48飛△37馬▲68飛
 単に▲68飛と逃げるんじゃなくて、合駒請求してから逃げました。これはむしろ後手玉が堅くなっちゃったんじゃなかろうかと思ったんですが…うあああなるほど、△41飛の反撃筋を消してるのか!!相手の反撃筋を絶ってしまう構想なのか、これは辛い。羽生さんって、当たりを打たせるのがうまいんですよね。
 しかしここで手番は後手に。ここで後手が攻撃に転じて…

△65銀
 ここがプロの見解の分かれた所。森下さんは「△4三歩を打たせた効果(後手の反撃筋を消した事?)より、キズがなくなったこと(後手玉が右に逃げられるようになった事?)の方が大きく見えます」。佐藤紳さんは「後手ペース」。しかし、僕の好きなハタ鎮さんは「先手有利」で、まったく見解が逆。ここからの羽生さんが凄くて…

▲55角
 うあああ、馬を消しに行ったよ、消すとどっちが得なんだ?△同馬▲同銀に…角が消えたからここで△94歩かな?そうなると…いやあ▲66歩があるのか!そこまで行っちゃうと速度計算が必要になるぞ。。で、最後の後手玉への迫り方が見えていたかどうかが、この▲55角の真意だと思うんですが…

△59馬
 角交換に行かずに速度勝負に踏み込んだのが郷田さんの選択。ここも深いです。結局、先手の角を消しに行こうが行くまいが、▲55の地点に角か銀のどちらかが来るので、▲63歩が発生するんですよね。▲55角はプロの方は誰も候補に挙げてませんでしたが、こう考えるともしかして凄い踏み込みだったのかも。また、この後に実現した▲63歩の最善の受けは、なんと金を玉から遠ざける△72金だったそうで。これは僕の棋力では絶対に選べません(・_・)し、郷田さんもそれが見えていなかったが故の△59馬の選択だったのかも。

 そして、最後は郷田さんとの寄せの速度勝負になったんですが、羽生さんは全部手抜いて一気に迫りました。ここでプロ棋士がようやく揃って「先手勝勢」といった場面で、女流棋士の香川さんが「本当に先手優勢なんでしょうか」みたいにtwitterでつぶやいたそうです。しかしこれは個人的にはちょっと香川さんを擁護したいというか、あの速度計算は決して簡単ではないよなあ…。

 というわけで、安易な手待ちとか、単純にその場その場で最善手を考えているというのではなく(いや、もちろん考えているんでしょうけど)、その後ろに凄い対局感があって、「角換わり相腰掛け銀の後手9筋不突き」というテーマを先手からどう咎めるか、という点で、棋譜が一直線につながっているのが凄いです。なんか、見れば見るほど鳥肌ものの棋譜。今の定跡進化のタイミングもあるんでしょうが、この王将戦、矢倉になっても角換わりになっても横歩になっても相掛かりになってもぜんぶ面白そうです(^^)。


第65期王将戦 第2局 羽生善治 vs 郷田真隆 (角換わり相腰掛け銀)

 郷田さんの先勝で始まった王将戦は、昨日から第2局が始まってました。昨日からNHK杯に女流名人戦に王将戦にと、将棋好きには嬉しい悲鳴の2日間です(^^)。さて、王将戦第2局は角換わり相腰掛け銀に。角換わり相腰掛け銀も、矢倉と同じように大きな過渡期みたいです。腰掛け銀は重箱の隅をつつくような研究合戦に入っていたかと思いきや、後手の9筋の歩を突かない…たったこれだけで全然変わってきちゃうんだから、将棋は恐ろしいです。。

20160124王将-2_羽生vs郷田_角換40手 40手目盤面図は、9筋は後手が不突きで先手が位を取った形。あとは、後手が62金&81飛の打ち込みの隙がない形に組み、先手は桂跳ねとか右金の上下運動の待ちとか▲25歩とか、そのあたりの手と後手からの仕掛けのタイミングを見ながら…みたいな感じでしょうか。ところがここで羽生さん…

▲18香
 えええええ~何だこりゃ(゚ロ゚ノ)ノ
。ノーマル四間飛車的な感覚でいえば、角当たりを避けておく、みたいなニュアンスを含んだ手待ちじゃないかと思うんですが、飛車を1筋に寄せる手は消えるし、いずれ19への打ち込みも生じるかも知れないぞ。いやあ、これはアドリブなのか、研究なのか。

△22玉▲45歩
 うああああ、手待ちでなく、羽生さんいきなり仕掛けたああ!!9筋の位を取るのに2手使ったので、仕掛けは後手からかと思いましたが、後手が飛車を引いた形だから先に行けるという事でしょうか。それにしても、桂跳ねする前に…とはいっても香をあがったから桂跳ねは怖いか。それ以外にも、空いた46に角を打ちこまれるとどうなっちゃうんだろうか。

△46角
 郷田さん、咎めに来ました!!という事は、ここは羽生さんと郷田さんで形勢判断が違うという事かな?普通に▲48飛では△19角成でしょうし、角を合わせるしかなさそうですが、ここで羽生さんが長考、封じ手になりました。これで1日目は終了。

*****
 でもって、2日目。それにしても、現地島根は昨日も今日も寒そうですね。。島根か~、行ったことないけど、一度行ってみたいなあ。

▲37角△45歩▲48飛
 羽生さんとしては、これしかないんじゃないかという感じの順ですが、これは先手苦労しそうに見える…。

△86歩▲同銀△65歩
 後手の郷田さん、8筋の歩の突き捨てを入れてから仕掛けたああ!!!いや~、先手のせめてもの救いは後手が6筋に飛車を振っての攻撃参加に手間取る点ですが(というか、だからあの羽生さんの構想に行ったんでしょうが)、これは普通に応じて▲同歩△66歩と打ち込まれると既に先手大ピンチじゃないかい?

20160124王将-2_羽生vs郷田_角換53手▲46角△同歩▲65歩(53手目盤面図)
 というわけで、先に角交換をして△57角成の筋を消してから6筋の歩を取りに行きました。しかしこの瞬間に後手の手番。どちらも玉のコビンががら空き、6筋の攻防戦もあるし、4筋を先手に取らせたくない気もするし、後手が良さそうでいて手が広くて難解そう。ここは勝負所かと思ったんでうsが、ここで郷田さんが昼休みをうまく挟みながらの長考。いや~、ここは郷田さんの時間の使い方がうまかった(^^)。そして、郷田さんは…

△47歩成▲同飛△38角▲66角△33銀▲48飛△29角成
 これで後手は馬を作って桂得、さらにこの馬が65の争点に利いているので、シロウト目には後手が良さそう、場合によっては一気に勝負がついちゃいそうな気が。。しかし棋譜中継のプロの検討陣の判断は「互角」。マジか、この中盤、難しいよお。。先手の打開策は▲35歩△同歩▲34歩でしょうが、当然そうはならないわけで、これは一気に終盤戦か…

20160124王将-2_羽生vs郷田_角換61手▲35歩(61手目盤面図)
 とはいえ、先手唯一の反撃筋ですから、これは行くでしょう!問題はこれを郷田さんがどう受けるか。 △42桂は、歩を取った後に桂頭を叩かれるのでダメ。△43銀は…いや~これは深く読まないと分かりませんが、飛車に当たってくるし、歩を使った攻めが続きそうな気もするので、先手良くなる変化がありそう。だとしたら、受けずに攻め合いは?角のライン自体を消しに行くなら、△65銀▲同銀△同馬ですが…いやいや、これは良さそうですね、右金が52じゃなくって62にいるから直後の銀の割り打ちもないし。と思ったら…

△31玉▲34歩△22銀
 うわあああ、早逃げか!!いや~、これで受かるなら完封ですが、角のラインから逃れたとはいえ、飛車のラインに近づいてしまったぞ!!

▲94歩
 いやあ、これは見事、「あっ!」と声が出てしまいました(^^;)。現在の角換わり腰掛け銀の争点になっている9筋を位取りをここで活かすとは。。△同歩と取れば連打の歩から角の成り込みですね。

 これで控室の評判は「羽生よし」に傾いたそうです。しかし、ここからの中終盤の攻防がまた激しくて、僕には先手よしに全然見えない。。一手差の将棋は、読みぬけがちょっとでもあると顔面蒼白になるのでおっかないっす。しかも、決して簡単ではない寄り筋だったんじゃないかと思うんですが…。しかし、壁形になった後手玉に対する羽生さんの寄せが凄すぎた!!瞬殺、超光速、あっという間です。郷田さんも飛車詰めろ&寄せにふみこんでるんですが、羽生さん目もくれずに一気の寄せ。結果、99手にて先手羽生さんの勝ち!1勝1敗の五分に戻りました!!

 ▲94歩は凄い!後手玉に近い1筋の位取りなら分かるんですが、後手が9筋の位を明け渡して先手が9筋の位を取ったとしても、どれほどの効果があるんだろうかと思っていたんですが、まるで横歩取りのように角のラインを使って活用するとは。いや~、攻防の角からの▲94歩、最後に伏線がすべて回収されるこの凄すぎる構想力。見れて良かった将棋でした(^^)。
 それにしてもこの将棋、僕が1日目が終わった時は「郷田さん良さそう」の評判、今日の昼に見た時は「郷田さん良し」みたいな評判。プロの検討陣だけは「互角」の見解でした。そして、夜帰ってくると「羽生勝ち」。羽生さんは化け物か。。羽生さんは衰えるどころか、なんと5冠に手が届きかけている状態。感想戦を見ていないのですが、郷田さんのあの玉引きがマズかったのか、それとも他の順に行くとでまずい順を郷田さんが見つけてしまったのか。もし、羽生さんの構想を咎めに行った△46角以降、郷田さんに悪手らしい悪手がなかったんだとしたら、▲18香以下の羽生さんの構想、恐るべしという事になりますが、どうなんでしょうね。いずれにしても、毎度毎度とんでもない指し回しやとんでもない逆転劇を生み出す羽生さんはすごすぎる。神です。。

(*追記:65手目▲94歩以下の感想なんぞを、翌日の日記にアップしました。これ→http://shougix.blog.fc2.com/blog-entry-549.html。。まあ、アマチュア弱小のボクが「わ~」とか「きゃ~」とか言ってるだけなんですけどね^^;)。。

第65回NHK杯 千田翔太 vs 糸谷哲郎 (四間飛車)

 NHK杯もメッチャクチャ面白かったですが、その前にやっていた先崎さん特集も良かった!!対羽生戦も対南戦も、めっちゃくちゃすごい!どちらもあんな中盤の入り口みたいな所で飛車を切りに行くのか~、カッコいい!中盤入り口あたりまで、いかに自分がぼんやり指しているのかを思い知らされました。

 そしてNHK杯…おおお~、森信雄さんの解説だ~!聖の青春」も映画化されるみたいですし、森門下はここ数年勢いがありますね(^^)。糸谷さん、千田さん、山崎さんと、森門下は個性派ぞろい、研究会とかやっているんだとしたら楽しそうだな~(^^)。そして将棋は…やはり千田さんは曲者でした、初手▲78金!そしてそれを見た基本居飛車のはずの糸谷さん、躊躇なく△34歩から四間飛車!!これは千田さん予想していなかったか、はやくも千田さんは駒組みしにくくなって、糸谷さんは伸び伸びと駒組みを進めます。自分からの仕掛けが難しくなった千田さんは駒組みが飽和状態になったところで反復運動の待ち。これは糸谷さん、この気にどんどん最善形を作ってしまうか?!…と思ったら、なんとここで糸谷さんも反復運動の待ち、戦う前に千日手模様になったぞ。。森さん「攻めの難しそうな千田さんは千日手やむなしで待ちですかね~」という所で…

20160124NHK65_千田vs糸谷56手 58手目盤面図、なんと先手千田さんはこの局面から打開に行きます。

▲24歩△同歩▲15歩△同歩▲35歩△同歩
 おお~、まるで角換わり相腰掛け銀定跡のような歩の連続突き捨て。というか、角交換が入っているので、打ち込みを想定しての連続突き捨て、という事になるのかな?森さんも大体似たような打開を解説してましたが、プロはこういうのが見えるのか。

▲15香
 いや~なるほど、この歩の補充で▲34歩が狙えるようになることを狙っての連続突き捨てか!解説にもあったように、△同香▲34歩△22銀▲51角の打ちこみ狙いか、なるほど…。ここはかなりの勝負どころだったんじゃないかと思います。根拠があるわけではないんですが、こういう強引気味の仕掛けは、探しまくると「受からないようで受かってる」事が多い気がする、みたいな。しかしここで糸谷さん…

△36歩
 うわああ、糸谷さんはここで手抜き、速度勝負に行ったああ!!糸谷さんは難しい手を選ぶんですよね、アマには速度計算するのが大変だぞっと(^^;)。強引な仕掛けだっただけに受け潰しから探してしまうのが普通の気がしますが、これは善悪じゃなくって、棋風なんでしょうね。えっと、▲同銀に香を走って…

▲34歩
 と思ったら、今度は千田さんが手抜き!!いや~、こういうのって先に飛車取りのかかる後手の方が良さそうな気がするんですが、そうじゃないのか。先に後手が桂を取ると?△37歩成▲33歩成△同桂…ああそうか、ここで先手は飛車を走れるのか。いや~、この手抜いての歩のうち返しは見事!これは千田さんが良くなったんじゃ…

△22銀▲12香成△37歩成▲同桂
 このあたりが、メッチャクチャ見ごたえありました(^^)。後手は△22銀に代えて△44銀と上に逃げる手、△同銀▲24飛に△37歩成と勝負に行く手なんかもあったかもしれないし、先手は香成に代えて▲36銀の方が自然の気もしましたし、お互いに一直線ではなく、またどれが最善かがかなり難しい局面だったと思うんですが、選択されたのはシロウトには難解な手というか、かなり読みの入った指し手だったんじゃないかと。そして…

20160124NHK65_千田vs糸谷70手△85歩(70手目盤面図)
 いや~、この糸谷さんの△85歩には脱帽というか、指された瞬間に「うわ、凄いわ」とうならされた一手でした。なるほど、先手の飛車先が少し重くなったこの瞬間を突いて、先に別の戦場を作り出して速度勝ちを狙うのか。。ただ、この前の竜王戦もそうでしたが、糸谷さんは難しい局面になると辛抱したり最善手を探すより、難しい局面を作って暴れたり最善手を問いに行く時があるので、これが成立しているかどうかはちょっと分かりませんでした。ただこれ、歩を浮かした後に叩いて△59角の両取り狙いですよね。いや~、糸谷さんの反撃は綺麗に入ったかに思ったんですが…

▲同歩△86歩▲同銀△59角
 糸谷さんの狙い通りに進んでしまったぞ、これは決まったんじゃ…

▲22成香△86角成
 さりげなかったですが、この先手の銀を取りに行ったタイミングも見事と思わされました。銀補充が先なのか、なるほどこれを△同飛と取ると飛車の攻撃参加は遅れるから取りにくい。このタイミングしかないんだな。しかしここで糸谷さんの△86角成が実現。しかしここで…

▲88香
 森さんも指摘していた、用意の返し技、これが玉頭に刺さる強烈な攻防手!この瞬間に、先手の方が良くなったんじゃないかと思いました。いや~、この2つの戦場を跨いだ攻防戦、他にもいろいろな選択肢や順があったところだったので、もしかしたら後手が良くなる順もあったのかも。それにしても、打開に行ってから強引に良さそうな局面図まで持って行った千田さんのこの指し回し、凄かった(o^ー^o)。。

20160124NHK65_千田vs糸谷88手もうひとつ、終盤で驚いた構想を見ることが出来ました。先手の方が良さそうではあったんですが、先手陣は守りが金ではなくて銀中心だったもので利きのない所が結構あり、頓死筋もありそう。87の銀を浮かされると一気にヤバい事になるし。また、後手玉への迫り方が上からになりそうなので、思わぬ攻防手も入りそう。後手玉への迫り方は意外と簡単じゃないんじゃないかと思った88手目盤面図。ここで千田さんは…

▲33歩成△同桂
 いや~、この歩のタダ捨て、意味が分かりませんでした。まあ、当然とりますよね。次の指し手が驚愕で…

▲15角△18飛成
 うわあ、飛車取りと敵陣に利きが通る攻防の角の打ちこみではありますが、なんかぼんやりしてるぞ。。糸谷さんに角取りをかけられて攻めを督促されてしまったし…

▲61角成71金打▲同馬
 うおお、角を切って寄せに入ったあああ!!!

△同玉▲35角△81玉▲61銀
 いや~、またしてもぼんやりした角打ち!!これが急所に刺さってるんだとしたら、千田さんは角の名手だわ。でも、もう寄せに行ってるよなあ…と思ったら、銀をひっかけました。ああ、これはもう寄るか…

△85桂
 いや~、糸谷さんが金引きの辛抱じゃなくって攻めに行ったという事は、守りに行ったら勝ち目はないという事でしょうか。しかしこれを千田さんが丁寧に応接、最後は数の攻めで糸谷さん万事休す。119手にて先手千田さんの勝ち!!

 いや~、今日のNHK杯は面白かった!!最近仕事が忙しくって疲れ気味だったんですが、早起きして良かったです(^^)。素晴らしい手や構想の連続、二人とも凄かった!!
 あと、勝ち負け以外にも「いいな~」と思った事が。30分ぐらいを残して対局が終了したので、かなり長い事感想戦をやっていたんですが、これがお二人ともニコニコして、笑ったりしながら楽しそうにやるんですよ。感想戦って、負けた方に気を遣いながら、時にはちょっと気まずい雰囲気になったり暗いムードになったりしながらになる事もありますが、こういう風に気持ちよく、楽しくやれたら良いなあ、と思ってしまいました。これは、見ていてすごく気分が良かったです(o^ー^o)。。

第74期順位戦 A級 7回戦

 このブログを始めて以来、最大のピンチです。仕事が大変で全然将棋が観れない!詰め将棋だけは続けていますが、深夜に家に辿りついたときには、もう定跡勉強を進める体力なんて残ってないっす。。フリーランスの仕事は、暇な時は趣味があると最高ですが、忙しい時は趣味なんてとうてい無理だと思い知らされました(>.<)。がんばりすぎて倒れないように気をつけよう。。

 そんなわけで、昨日はA級7回戦の最後の対局がありました。昨日の対局だけでなく、A級7回戦をざっと追っかけてみようかな。

20160118順位74A_佐藤天vs郷田58手佐藤天彦 ○-● 郷田真隆
 これは1/18の対局。とにもかくにも、唯一の一敗棋士である天彦さんが負けない事には、名人戦挑戦レースはもつれる事がないので、天彦さんの勝敗は重要。しかし、天彦さん強いです!これは正調角換わりの相腰掛け銀戦でしたが、今は「角換わりの端歩は位を主張させない方が良い」という考えは破綻したみたいで、特に後手が9筋の端歩を突き返さなくなる将棋が増えました。ビックリしたのは後手の郷田さんで、なんと後手から1筋の位を取りました!いや~、これだと結局同形になっちゃうんじゃないかとか、いやいや先手がまだ9筋の位を取ってないからそれは先手次第かとか、僕の中ではぜんぜん分からず(^^;)。最終的には郷田さんが手待ち、天彦さんが飛車を6筋に振って打開を狙い、このタイミングで逆に郷田さんが中央から仕掛け(58手目盤面図)。ところがこの中央の戦場を天彦さんが制してしまって勝負あり。いやあ、これは強い。。これで天彦さんが1敗をキープしたので、残るは2敗棋士の生き残りレースの展開…かな?

20160121順位74A_深浦vs渡辺27手深浦康市 ●-○ 渡辺明
 そして、2敗で天彦さんを追う渡辺さんの対局は、昨日でした。渡辺さん、ここでなんと後手中飛車!!いや~、これは意表を突くというか、一時期取り組んでいた後手番での振り飛車を、大事な対局で投入、そして完勝です!!オールラウンダーは相手にこちらの戦型を絞らせないというだけでも価値があると思いますし、研究しなくちゃいけない範囲が一気に広がるので尊敬しちゃうんですが、それどころかそれでA級戦で勝っちゃうんだからすごいです。しかし、破れた先手深浦さんの対中飛車対策も面白かった!角を97にあげた(27手目盤面図)のですが、最近中飛車に対するこの角覗きをよく見かけます。この前の女流名人戦での清水さんもこんな感じだったような。深浦さん、しかしここで構想をまとめきれず、角を反復運動させたりして、その間に渡辺さんにやられてしまいました。これは新しめの対策で指し馴れていなかった…みたいな感じなのかな?でも、なんかすごく可能性を感じる駒組みだったので、勉強になりました(^^)。

行方尚史 ○-● 森内俊之
 同じく2敗で追う行方さんの対戦、1/8の対局です。これは印象的な対局だったので記事に書いたので覚えてます、相矢倉で、5手目に▲77銀から先手早囲い模様の将棋になったやつです。矢倉は5手目にまで遡って序盤の再考が求められてるんですね、オソロシイけど、今見ていて一番面白い戦型と感じます(^^)。で、結果は行方さんが勝利!2敗棋士、負けません。

屋敷伸之 ●-○ 佐藤康光
 1/14、2敗対決となった名人挑戦生き残り戦でした!これも記事に書いたので覚えてます、やっぱり記事に書いておくと覚えが違うなあ、アップするペースが落ちても、やっぱりブログは続けるべきかも。これも相矢倉戦だったんですが、どちらかというと序盤再考というよりは、屋敷さんの2枚銀研究シリーズの一環の棋譜だったのかも(^^)。しかし今期好調の康光さんに少し強引気味の攻め将棋は通じず、見事に跳ね返されて屋敷さん破れました。これで康光さんが2敗キープ、屋敷さんは一歩後退です。

久保利明 ○-● 広瀬章人
 これは逆に1勝同士の対決、残留争いの直接対決なので、本人たちにとってはムチャクチャ大事な対局。結果は、久保さんの勝ち!!将棋自体はめっちゃくちゃ面白くて、久保さんの先手中飛車→広瀬さん3間に振る→久保さん飛車浮き!!いや~、たまに見る形ですが、居飛車党の僕は相振り飛車はサッパリなので、広瀬さんが3間に行った時点で序盤を覚えるように見るのはやめてしまった(^^)。。それでもめっちゃくちゃ面白かったです。囲い切った上に、大駒の働きも良さそうで先に相手陣に手をつけた広瀬さんの方が良いのかな…と思ってたんですが、さすが振り飛車党の現在のトップ棋士の久保さんは凄かった。角を切らされた時は「ああ、もう勝負あったな」と思ったんですが、どこで逆転したかが全く分からぬうちに、いつの間にやら久保さんの玉が固まり、広瀬玉が薄くされてました(^^;)。これで久保さんは2勝目、広瀬さんは三浦さんみたいにA級に長期滞在するんじゃないかと思ってたんですが、これはヤバいか。

 これで1敗は天彦さんひとり、2敗は行方さん、渡辺さん、康光さんです。残り2戦しかないので、名人挑戦はこの4名に絞られたんじゃないかと。天彦さんとしてはプレーオフにならないよう残り全勝で行きたいところですが、次は久保さんとの対抗形、最後は順位1位の行方さんとの直接対決、楽じゃないです。だれが挑戦だと一番面白いのかな…羽生vs渡辺の名人戦は、1度は実現してほしいビッグカード、行方さんだと昨年のリベンジ(プロ野球やNFLだと、2年連続同一カードは戦術戦になる事が多いので大好き)、康光さんは年齢的にラストチャンスかもしれないので挑戦してほしい…天彦さんはいずれ名人になる気がするので、渡辺さんか康光さんに挑戦してほしいかな?でも、どのカードも面白そうです(^^)。




第74期順位戦A級 屋敷伸之 vs 佐藤康光 (矢倉)

 いま、相矢倉戦が熱いっす(^^)。先手▲46銀37桂を渡辺さんが咎めて以降、矢倉は戦国時代に突入!僕は将棋の定跡勉強を矢倉から始めたんですが、先手番では「あ、急戦のケアと▲46銀37桂だけ覚えとけば大丈夫じゃん」と思って以降、脇システムも森下システムも早囲いも勉強を途中でやめちゃったんですよね(^^;)。というわけで、昨日のA級順位戦は、2敗同士の生き残り戦、負けた方は名人挑戦レースから脱落気味になる重要な一戦。そして…矢倉だあああ!!!

20160114順位74A_屋敷vs佐藤康5手 先手は屋敷さん。まず、▲76歩△84歩▲68銀△34歩の出だしに対する▲77銀にビックリ!いや~、これは昔の矢倉定跡手順だと思うんですけど、急戦を誘発するから避けておいた方が良いという事になった駒組み手順じゃないんかい?この順が駄目という事になったので、僕は矢倉の超序盤の定跡書を読み直す必要に迫られたことがあるんですが…。もう、5手目まで遡って考え直すほどの状態に矢倉は来ているのか、すごいなあ…。

△62銀▲26歩△42銀▲25歩△33銀▲38銀△54歩▲36歩△52金右▲37銀△44歩▲56歩
 そして、後手の康光さんも凄かった!読みの深さに加え、序盤での斬新な構想、中盤でのとんでもない形勢判断と、康光さんの将棋にはビビらされますが、昨日は後手番の矢倉で早囲い気味の駒組み!

△43金▲78金△32金▲69玉△41玉
 おっと、ここで康光さんは早囲いを捨てて通常の矢倉組み手順に合流。早囲いは囲い切る前に上部で戦いが始まると、左金が上部で働かない分ちょっと怖いんですよね。…何でそこを警戒するかというと、最近の屋敷さんの指し方を警戒してるんでしょうね…

▲66銀
 やっぱり来ました、屋敷さんの2枚銀!それにしても、相矢倉戦の先手でも2枚銀に行くのか、信じられない…。もう囲いの面で脆くなるのは見え見えですからね。序盤で定跡順を踏まない方が中終盤型の自分にとっては好都合とか、2枚銀が通る序盤戦型を調べるとか、色んな意味があるのかも知れません。屋敷さんのこの一年の指し手は徹底しているので、外から見ているだけでは分からない、なにか深い考えや信念があるんでしょうね。

 この後、マジで屋敷さんは2枚の銀を攻撃に使い、銀の組み替えとか、色々な技が出たんですが、康光さんの咎め方がえげつなかった。飛車先を綺麗にこじ開けて龍を作り、これで大勢は決しました。やっぱり急戦型の将棋って、綺麗に抑え込まれると「やっぱり構想が強引すぎなんじゃないかな~」と思うんですが、しかしそれは短絡的な観方なのかも。だって、屋敷さんは負けたとはいえ、この作戦を貫き、A級で4勝3敗と勝ち越していますし。

 一方、勝った康光さんは5勝2敗で、1敗の天彦さんを追撃!!康光さん、1年を通してずっと好調です!最後の挑戦者決定に敗れるとか、どの棋戦もあと一歩の所までは来てるんですが、名人挑戦はどうなるかな~(^^)。こうなると、18日の天彦さんvs郷田さんが待ちきれません。郷田さんは運悪くここで王将戦の羽生さんとの掛け持ちになってしまいましたが、天彦戦は全力でいって欲しいです!!それから、僕の矢倉定跡の勉強はまたしても序盤からやり直し。でも、仕事に本腰を入れるようになって、やっと生活のリズムが安定してきたので、あんまり将棋には時間が使えないし、ここはこの矢倉ブームが一段落して、ある程度定跡が整備されるまで待とうかな( ̄ー ̄)。でも、真田さんの本が気になって心の動いているのでした(^^)。。


第65期 王将戦 第1局 郷田真隆 vs 羽生善治 (矢倉)

 はじまりました、今年最初のタイトル戦、王将戦です!!僕が将棋を見るようになってから、竜王戦が年を跨いだことがないもので、王将戦が始まると「また1年が始まったんだな」と感じるようになってきました(^^)。例年と違うのは、今年は東京の冬がやたらとあったかい事。今日も今まで妻と近所の広い公園に散歩に行ってたんですが、あったかくって途中でコートを脱いじゃいました。

 というわけで、第1局は先手郷田王将、初手は…
 ▲76歩!おおお、相掛かりを誘ってくるかと思ったんですが、違いました。そして羽生さん…
 △84歩!いや~、これは矢倉を誘っているような気がしますが3手目は…
 ▲68銀!これで矢倉にほぼ決定です(^^)。これは、双方ともに狙い通りの戦型選択に進んだ気がします。

20160110王将65-1_郷田vs羽生_矢倉15手 そしてここから王道のガッチガチの相矢倉になるかと思いきや、先手郷田さんが早囲いに!▲46銀37桂全盛の数年前はほとんど見なかった先手早囲いですが、最近はこれを目にすることの方が多いんじゃないかというぐらいに良く出てきます。15手目盤面図は先手が早囲いを見せた瞬間で、後手は既に重要な戦型分岐点。僕が早囲い戦を学んだ教科書は『羽生の頭脳』…と書いていたところで、散歩の帰りに寄った喫茶店に忘れ物をした!!ちょっととってきます(><)。。

◆◆◆◆◆
 帰ってきました!遠くの公園まで散歩した上に、その一番遠い所にあった喫茶店に寄ったものだから、えらく時間が掛かりました(^^)。それにしても、かなり混んでる喫茶店に入ったのに、忘れ物をちゃんと保管してくれてました。日本って、こういう所が良い文化だなあ。届けてくれた人、ありがとう!!それにしても今日は6時間散歩していたことになるのか、慢性の運動不足だからちょうどいいか。。さて、どうなったかな…終わってる(T-T)。

 えっと、15手目から羽生さんは…

△74歩
 △74歩は、△52飛を見せる事で先手の早囲いを牽制する意味があるんですよね(^^)。…と思ったら高道さんの解説では「この歩を先に突くと、矢倉中飛車はない感じ」との事。いや~、ボクの記憶力なんて当てになりません。

▲26歩△33銀
 いや~、この前のA級▲行方-△森内戦といい、この将棋といい、先手は後手からの矢倉中飛車は全然怖がらないで、普通に早囲いor藤井矢倉の構想を貫徹しちゃうんですね。▲46銀37桂が崩れて以降、相矢倉戦は序盤がとんでもない研究合戦になってますね~。

▲68玉△31角▲78玉
 郷田さん、中飛車を警戒せずに早囲いに踏み込んだああ!!いや~、これはボク的には思う所があって…

△53銀
 そうなんですよ、こういう時って、羽生さんは善悪よりも、成立するかどうかを調べに行っちゃうんですよね。普通なら角をどかして玉の侵入口を先に作りたくなりそうなものですが、壁形のまま銀の繰り出しを優先させたってことは、マジで矢倉中飛車来るんじゃないでしょうか…

▲79角△73桂▲36歩△64銀
 △64銀73桂型を作ったのはなんと後手。恐らくしばらく前から定跡のなぞりでは既にないので、互いに時間を使いながら慎重な駒組みです。実は僕、序盤のこういう所が将棋で一番好きなんですよ(^^)。将棋の完全解へ一歩近づく定跡が作られる瞬間を目撃してる、みたいな。

20160110王将65-1_郷田vs羽生_矢倉28手▲88玉△55歩(28手目盤面図)
 うおおマジか、羽生さん、壁形のままいきなりつっかけたああ!!!いや~、これでいいなんてリクツがあるのか?!突き捨ててから飛車を寄るという事なんだろうか…

▲同歩△52飛
 羽生さん、矢倉中飛車に行ったあああ!!!いや~、これは僕の勝手な推測ですが、先手早囲いに対する△74歩を見せてもさらに早囲いに行った時点で、結果がどうあろうと矢倉中飛車に行こうと決めていた気がします。勿論深く読んでるんでしょうが、あくまでそれが成立するかどうかを軸に考えている、みたいな。

 とはいうものの、中央が手厚いので簡単には破れないんですよね。先手はある程度形がついているうえに早囲いを貫徹できたのでさらに手得。後手は壁形の上にそこから玉を入れなくてはならず、しかも戦場が中央では、今は後手の方が危険すぎに見えます。シロウト目には後手の方がまとめるのが大変な形に見えるんですが、急戦調の将棋って居玉側が勝ったりするから、実際の形勢は何とも言えず。以下、羽生さんはちょっとビックリするような歩の突き出しから角を振り戻したり、飛車を8筋に戻したり更に6筋に振ったりしてました。指し手が難しかったのかなあ。これを郷田さんが咎める格好で形勢が先手に傾き、以下は郷田さんが鉄壁の指し回し。結果、87手にて先手郷田さんの勝ち!郷田さん、お見事!!

 いや~、矢倉は激動の時代に突入している気がします。あんな序盤から長考合戦ですからね。定跡を知らない形って、早い段階ほど考えなきゃいけない事が多くて難しいんですよね。個人的な希望としては、この王将戦は矢倉シリーズになってくれると嬉しいなあ。。




第65回NHK杯 村山慈明 vs 森内俊之 

 夜中まで仕事してたら寝坊してしまいました(^^;)。コーヒーでも飲んでテレビでもつけて目を覚ますか(スイッチポチー)…おお、今日は日曜か!王将戦は知ってたんだけど、NHK杯はウッカリしてました。。しかも慈明さんと森内さんの好カード、そして解説のこの声は永瀬さんかな?…いや、天彦さんだあああ!!!これは見ないわけにはいきません(^^)。

 天彦さんの解説によると、慈明さんは棋風改造中だそうで、意識的に攻め将棋にシフトしているそうです。たしかに、自陣を整備に行っても良さそうなタイミングでも積極的な攻め手をバシバシ指してました。勝てば好手、負ければ疑問手になりそうな中盤の筋違い角とかも、積極的に着手してました。そういえば豊島さんなんかも棋風改造に着手していましたが、順位戦で上の方に行って強豪棋士と当たるようになると「あ、今のままではダメだ」とか思うようになるんでしょうか。そして…おおお、慈明さん、森内NHK杯を倒したああ!!!

 ゴキゲン中飛車にしても急戦矢倉にしても、慈明さんの書いた定跡書って、定跡の進化順に書いてくれているし、解説も丁寧なので、分かりやすいんですよね。棋書をきっかけに慈明さん好きになった僕的には、慈明さんの躍進は嬉しい限り。序盤に穴のない慈明さんが中終盤が今より鋭くなったら鉄壁、相当に手ごわい棋士になる気がします。慈明さん、ガンバレ!
 一方の森内NHK杯は、現在調子があまり良くなかったし、その中で得意にしていない早指し戦で上位進出ですから、これは十分だったんじゃないでしょうか。今日も、2筋の攻防とか、いきなり馬を成り込んだところとか、見どころがたくさんありました。森内さん、A級陥落しないように、あとは順位戦に専念してほしいです。


第74期順位戦A級 行方尚史 vs 森内俊之 (矢倉)

 A級順位戦もすでに7回戦、天彦さんが1敗で単独首位です。こうなると2位以下の棋士の人は天彦さんが負けるものとして、星を落とさずについていくしかありません。というわけで、今期順位戦は1~2敗が優勝ラインになりそうな展開、昨日は2敗棋士のひとり行方さんがトップバッターとして7回戦挑戦!相手は…森内さんか、今期のA級は強い人しかいないな…。
 そして将棋は相矢倉戦に。先手矢倉の46銀37桂型が苦戦を強いられるようになってから、相矢倉戦は序盤で工夫の雨あられ。この将棋も先手行方さんが早囲い、後手の森内さんは右銀を繰り出して銀交換!両者囲い切る前から激しくぶつかりました。ダメだ、仕事を頑張るようになってから序盤定跡の勉強が追いついてないもんで、ついていけない…。しかし、中盤以降の激しい攻防は面白かった!

20160109順位74A_行方vs森内45手 45手目盤面図は、後手森内さんが7筋で銀交換をして飛車を引き、行方さんが4筋から反発を見せた所。互いに玉を入り切れていないこの局面、先手は2筋突破、後手は角の使い方次第でなんか互いに良く出来ちゃいそうな気もします。あと、中央が戦場になったら怖いなあ。△55歩や△22角を絡められて飛角銀を使われる展開になっちゃうと先手を持ちたくない気もしますが…

△62飛▲37桂△22角▲77桂
 おお~、森内さん、6筋に飛車を振り直しました!いや~、7筋の歩を切ってから6筋振り直しって最近見た気がしますが、どの将棋だったっけな…。これは△22角から右四間飛車の狙いでしょう!それにしても、先手がここで受けを探すのではなく▲37桂を入れておいて叩き合いに間に合うようにしておくこの感覚、いかにも対右四間戦っぽいです。

△52金▲25銀
 森内さんはいきなりつっかける前に、まずは離れ駒の金を玉に寄せておきましたが…ここでなんと行方さんが▲25銀で先着!いや~、▲45歩とか▲47銀とか、そういう普通の手を指すとばかり思っていたので、先手が先着するとは思ってもいませんでした。これはひとめ良さそう!でも、後手の銀の動きを計算するのが難しいな…

20160109順位74A_行方vs森内52手
△65歩(52手目盤面図)▲同歩 うおお、森内さん、受けずに右四間の攻めを継続!いや~、これは既にどちらかが良い気がします(^^)。なんとなくですが、後手玉の方が遠い気もしますが…

△35歩
 これは桂頭を狙いに行った?う~ん、ここまで来ると▲34銀がもう受からない気がするんですが、飛車先が重くなっている間に後手の方が速くなるとかありうるのか?

▲57角
 マジか、行方さん、行きませんでした。という事は、まともに行ったら後手の方が速かったのかも…森内さん、恐るべし。しかし、こういう中終盤の要所で、行方さんは相手の勝負手を丁寧に消すというか、間違えないんですよね。この「間違えない」「丁寧」「きれいに咎める」というところが、行方さんはずば抜けている気がします。

△55歩▲34銀
 いや~、この辺のあやが面白かった!だって、森内さんは△35歩と突いた以上、△36歩と行きそうじゃないですか。でも先手狙いの▲34銀を指してくれなかったものだから、△36歩には▲同銀が待っていて指しにくくなってる。つまり、△35歩は相手の手を利用した指し手だったんじゃないかと思うんですが、行方さんはそれを外した。そこで△36歩に代え、浮いてきた角頭を狙う△55歩から入ったわけですが、これで一瞬後手角のラインが消えた瞬間に、今度こそ▲34銀、この折衝では先手かなり得したんじゃないでしょうか。というか、これは後手もう受からないんじゃ…

△36歩▲45桂
 銀がどいたところで後手ようやく△36歩ですが、桂を逃がす▲45桂は逃げながら後手陣の急所となった2~3筋を直撃するので、これは味がよすぎる…

 これで先手優勢…かと思いきや、しかしさすがは森内さん、単に戦場を明け渡す事はせずに先手飛車を寄せて捕獲!ところがここで行方さんは飛車を捨てて後手陣を崩壊させに行きます。いや~、先手は玉が79まで来ているなら分かりますが、まだ69にいたので、飛車を渡すのはかなり怖く感じたんですが、これを受かると見た判断はカッコよかった!中終盤の行方さんはマジで強いわ。。結果、83手にて先手行方さんの勝ち!行方さん、2敗をキープして天彦さんを追撃です!!

 いや~、この中終盤は面白かった!よもや鉄板流の森内さんが鉄板の指し回しをされて弾き返されるとは。しかも、森内さんが最重要視している順位戦&得意の矢倉戦ですからね、これはちょっと衝撃でした。
 行方さんの強さは素晴らしかったですが、心配なのは森内さんです。森内さん、これで3勝4敗ですが、順位が7位なんですよね。もし5敗目を喫すると、下位棋士の中で一番順位が低いのは森内さんという事になり、アタマ跳ねでB級降格の可能性が出てきます。ほんのちょっと前は竜王名人だったというのに…。そういえば、僕がプロ将棋を見始めた頃は渡辺さん大全盛で、羽生さんに勝ちまくるわ3冠を取るわで、「もう羽生さんたちの時代は終わりなんだな」と思ったものでした。ところが、複数冠を取った途端に防衛に苦しみ、的にされてタイトルを失っていき、なんと9期連続で守り続けた竜王まで失う結果に。いや~、複数冠を維持するのって、とんでもなく大変な事なのかもしれません。ひとりだけ、平然とそれをやってのけている人がいますが(*゚∀゚)。。

第74期順位戦 B級1組 10回戦

 あけましておめでとうございます。ことしもよろしくお願いします!私は正月、ずっと仕事してました(^^;)。その間、タイトル戦でもあればながら観しながら息抜きできたんでしょうが、それが出来なかったので結構きつかったな~。。というわけで、昨日が今年見たプロ将棋の公式戦の最初でした。B1の10回戦、そろそろ来年のA級昇級候補が見えてくる頃です。

三浦弘行 ●-○ 橋本崇載
 うああ、三浦さん、負けたあああ。。稲葉さんと並んで1敗で首位だったんですが、これで2敗目。それでも追う棋士の次のグループが3敗以下ですし、順位は高いわけで、昇級に優位には変わりないんですが、もう1回負けると嫌な感じです。それにしても橋本さんは大物食い、強豪棋士に一発入れる事多くてすごいです。というか、橋本さん自身がA級経験ありの強豪には違いないんですが。この将棋、三浦さん先手で青野流の横歩取りになったんですが、橋本さん圧勝。玉で飛車を追いに行く所とか、バラけた金駒をまとめに行かずに先に寄せに踏み込むところとか、かなりカッコよかった。こういう「マジで強いな、橋本さんは」と思う棋譜がいっぱいあるのに、負ける時はコロッといく所がハッシーのキャラなのかな(^^;)。。さて、こうなるともう一人の一敗棋士である稲葉さんの星が気になりますが…

稲葉陽 ○-● 丸山忠久
 稲葉さん、勝ったああああ!!いや~、去年今年と稲葉さんは絶好調、天彦さんのような勢いを感じます(^^)。電王戦に出て大きく調子を崩してしまった棋士が多い中(中にはいまだに調子を取り戻せない人も…)、稲葉さん素晴らしいっす。。何年か前、NHK杯を見始めた頃に、天彦さんと稲葉さんは「若手の中でも超強豪」みたいに紹介されてたんですよね。それが数年後にこうして成績となってあらわれるんですから、プロの印象ってすごいんだなあ。そうそう、その時のNHK杯戦も対丸山戦で、丸山さん優勢という所から入玉して大逆転したんでした。これで稲葉さんは唯一の1敗で単独首位、これは昇級待ったなしか…と思ったら、残りにハッシーと木村さんがいる!!!これは簡単じゃないぞ。。

先崎学 ●-○ 木村一基
 木村さん、勝ったあああ!!前半は勝ち星を集めてA級復帰の期待をしまくってたんですが、後半で失速、これはうダメか…と思ったんですが、なんとか3敗で踏みとどまりました。木村さんは稲葉戦を残しているので、残り2局はぜひとも勝ってほしいっす(^^)。一方の先崎さんは1勝8敗、大好きな人なので応援してたんだけどな~。残りでなんとか意地を見せて欲しいです。

松尾歩 ○-● 山崎隆之
 山崎さんはとにかく不思議な棋士です。棋譜も不思議なら、勝ち星の集まり方も不思議。棋戦優勝もあればタイトル戦の挑戦者決定にもあがってくるし、叡王戦では優勝までしてプロ棋士代表になったのに、順位戦はこれで3勝6敗です。例年は「お、これは昇級来るか?!」と思わせてからの失速が多かったので、今期の方が変な期待をしないで済みましたが( ̄ー ̄)。とにかく、今期順位戦は降級しないように頑張って、電王戦頑張ってくれ~。そして一方の松尾さんは6勝4敗。松尾さんも、A級に昇級しない程度に勝つという不思議な強さを持つ人です。松尾さんもかなり好きな棋士なのでがんばってくれ~。。

谷川浩司 ●-○ 豊島将之
 豊島さん、前半5連敗からの4連勝です!これはやっと復調か?!コンピュータと指してると、対人戦とは感覚が違くって狂うとかあるんですかね~。あるいは羽生さんとのタイトル戦で狂わされたとか?いずれにしても、次世代の棋界を背負う柱の一本の復調は嬉しい限りです(^^)。一方の谷川さん、今期はなかなか好成績だたので応援してたんですが、いかに超大物とは言えど、年齢的に若手強豪相手はキツいかも知れません。それでも会長職を見事に務めながら、53歳で5勝5敗は見事!こうなったら、今期はなんとか勝ち越してフィニッシュしてほしいです。

村山慈明 ●-○ 畠山鎮
 正直言うと、慈明さんがB1に上がった時、A級にいくのはちと難しそうだけど、真ん中よりちょっと上ぐらいの所で安定するんじゃないかと思ってました。松尾さんとか山崎さんとか橋本さんみたいな位置で安定する序盤巧者、みたいなキャラになると思ったんです。しかし今期はこれで2勝7敗。しかも残りに三浦戦やら豊島戦を残してます。やっぱりB1以上になると終盤力が今までと違うという事なんでしょうか。さらにA級の終盤の切れ味はとんでもないですからね…。一方の畠鎮さんも降級争いには違いないんですが、これで3勝目、残留に望みをつなぎました!!いや~、ここ数年の 畠鎮さんの棋譜はいくつも見た事があるんですが、あの凄さでB1下位なんだから、プロがいかに強いのかがよく分かります。。

 さて、10回戦が終わったところでの上位陣の成績はこんな感じです。
8勝1敗:稲葉(12)
7勝2敗:三浦(1)
7勝3敗:木村(6)
6勝4敗:松尾(3)
5勝4敗:橋本(5)、丸山(11)

 いちおう、ここまでは昇級の可能性が残ってるのかな?でも、4敗勢は上位3棋士が1勝すると相当きつくなるので、すでに結構きびしい気がします。三浦さんは順位はいいし現状2敗だし有利…かと思いきや、慈明さん、丸山さん、山崎さんと、、タイプの違う強豪棋士との対戦を残しているのが意外ときつそう。三浦さん、あと1個ぐらいは黒星が増えてもおかしくないですが、それは順位的にセーフ。問題は2個黒星を増やしたときですね。
 そうなった時に三浦さんを食う可能性が出てくるのが、木村さん。木村さんから見れば、最後に稲葉戦の直接対決を残しているのも大きいです。しかしとにかく残りふたつを勝たなくては厳しそうですが、谷川戦と稲葉戦の連勝はそこまで非現実的じゃないというか、ありえそうだな~。木村さん、順位戦はいつも最後のキーマンになりますね(^^)。
 稲葉さんは、星的には圧倒的に有利。しかし残りはハッシー戦、畠鎮戦、そして最後に木村戦です。順位戦終盤で上位棋士が崩れる展開は何度も見てきましたし、また今の稲葉さんよりも実力上位かも知れない人を二人残しているというのも、楽とは言えないな~。稲葉さんとしては、2敗まではオッケーなので、とにかく残り3戦を2勝したい。最終戦までもつれさせないためには、まずは次のハッシー戦が超重要になるかと。ハッシー、これまたB1終盤のキーマンです。

 今期B1も熾烈ですね。まだまだ波乱が起きそうな気がします(^^)。


プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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