第41回棋王戦 挑戦者決定トーナメント 佐藤康光 vs 橋本崇載 (横歩取らせ)

 棋王戦の挑戦者決定トーナメントもいよいよ大詰めですが、昨日の康光さんの将棋が凄かった!!先手番で横歩取らせですよw(゚д゚* )w。こんなの、僕は『羽生の頭脳』でおさえたきり。かなり早い段階で定跡から外れてしまいます。。こんなものまで指して来られたら、相手は対策の立てようがないわ。康光さんの研究にハマる事を警戒したのか、橋本さんもかなり早い段階で本筋を外した指し回しで挑み、ものすごい殴り合いの将棋になりました(笑)。

20151030棋王41挑決TN_佐藤康vs橋本_横歩取らせ72手 この将棋の何が凄いって、康光さんの玉捌き。数日前の羽生さんの玉捌きも強烈でしたが、羽生さんと康光さんは玉捌きが絶品で、相手はプロだというのに、ひょいひょいと逃げ回って王様が捕まらない( ̄△ ̄)。
 72手目盤面図は、後手橋本さんが王手銀取りの香車の串刺しを決めた瞬間。ちなみに、この局面になる前に、康光さんは必殺の顔面受けしてます。病気です(*○゚∀゚O)。。ここは一段龍が走ってくることが見えていて、先手は大ピンチ。僕なら軽く覚悟を決めそうです(^^;)。

▲68玉△78香成▲同銀△76桂▲58玉△68金▲同金△同桂成▲同玉△76桂▲77玉△79龍(84手目盤面図)

 橋本さんの猛攻!!これで先手は縦の一間龍状態に追い込まれましたが…

20151030棋王41挑決TN_佐藤康vs橋本_横歩取らせ84手▲24飛
 うおお、ここでじっと飛車筋を通す手か。これは先手玉が詰めろになってないと見越してるんだな、しかしこれは後手玉に詰めろがかかってるんだろうか?えっと、▲41角△62玉に…▲63角成と角を切るとして△同玉に…ああああ▲74金か!!これは詰めろだあああ!!というわけで後手は詰めろ逃れか寄せのどちらかを選ばないといけませんが…

△68龍▲86玉△66龍
 橋本さん、寄せに行ったあああ!!しかしこれが寄らず。いやあ、この一連の後手の猛攻を凌ぎ切った康光さんの玉捌き、絶品です。77手目なんて玉をどちらに逃げるかとか、難しい選択の連続、すこしでも間違えたら寄せられていたんじゃないかと思うんですが、これを躱し切るどころか、受けに回る事で駒を補充して後手を追い込んでしまいました。攻めさせて駒を補充というのは、僕は結果としてそうなる事はあるにせよ、狙って出来たためしがありません(゚ω゚*)。羽生さんが、タイトル戦の豊島戦とか行方戦とかで多用してましたね。あれで初めて「ああ、寄せで駒が足りない時は攻めさせて補充するという方法があるのか」と初めて学んだのでした(^^)。
 さて、ここで手番が回ったので寄せか。▲41角から入って…ああああ駄目だ、これはハッシーのトラップ、△66龍を入れた事で6筋に龍の利きが出来てこれが攻防になってるのか!!橋本さん強えええええ!!!!これは康光さん一転して大ピンチでは…

▲64桂
 うおおおお、歩頭桂というだけでなく、龍まで利いているところに打ち込むのか!!!いやあ、こんなの候補にすら挙げることが出来ないよ。。なんと、橋本さん会心の攻防を上回る寄せになるか?!…すみません、混乱して考えられません。。

 ここからも大激戦!!ものすごい終盤戦で、受けが利かないと見た橋本さんが更なる猛攻に出ますが、またしても康光さんは玉をヒョイヒョイと逃げ回って捕まらず。111手にて康光さんの勝ち!!

 なんだこの玉捌きは(- -*)。。こんな事やられたらどんなに優勢を築いても絶対に寄せられないじゃん。。いやあ、受けがどれだけ重要かを思い知らされる将棋でした。こんな人が最近タイトル戦から遠ざかってるなんて信じられない。棋王戦のトーナメント、急に康光さんを応援したくなってきました!!



第28期竜王戦 第2局 糸谷哲郎 vs 渡辺明 (横歩取り)

 始まりました竜王戦第2局、竜王 vs 棋王の戦いです!渡辺さんは大スランプに陥ってますが、はやく復調してほしい。戦型は…おっと横歩ですか、渡辺さんは後手角換わりを選ぶと思ってました。まだ1日目の10時前ですが、もう28手(・ω・)。横歩の決着がだいたい80~90手ぐらいだとすると、すでに1/3ぐらいでしょうか。これは中盤がじっくり進みそう、今日は明日の分の仕事まで頑張って、明日じっくり見るかな(^^)。。

◆◆◆◆◆
 な~んて言っている間に、すでに2日目の昼(^^;)。昨日は夜に王将リーグの深浦-羽生戦を見てしまいまして、これが竜王戦と似た形の横歩になって、そこから150手超えの大熱戦、メッチャ面白かった!!横歩は自分で指すのはおっかなすぎる戦型ですが、見ている分にはこんなに派手な将棋もないので、めっちゃ楽しいです(^^)。

20151029竜王28-2_糸谷vs渡辺_横歩30手 30手目盤面図、端歩の関係とかは兎も角、後手が飛車をぶつけに行くのは、ここ数年の横歩ではよく見る形ですね。しかしここからが凄かった!!

▲24同飛△同銀▲84飛
 糸谷さんは積極的!歩で守らずに飛車交換から即座に飛車を打ち込みました!しかしこれはちょっと嫌な予感が。というのは、糸谷さんって、序盤のこういう時に手堅くいかずに攻め手を選ぶことが多い気がするんですよね。だから、手の善悪はともかくとして、なんか渡辺さんの誘いに乗ったようにも見えたわけで…
 そうはいっても後手はいきなり難解な局面。これが横歩取りの恐怖ですよね、序盤早々に少しでもゆるんだら頓死筋(∵`)。簡単に▲82飛成を許したらもう劣勢だと思うので、△83歩が普通に浮かぶところですが、しかしそれをやると△83歩▲24飛△同角▲11角成で、飛車銀交換の駒得とはいえいきなり馬を作られてしまいます。しかもこの馬を切り取りにくくって、思いっきり暴れられそう。じゃ、手抜いて反撃筋を作る?△74歩で飛車を引っ張り込んでから角交換に行って△64角で飛車香両取り?いや、格下相手の駒落ち将棋じゃあるまいし、プロがこんなの喰らわないよなあ(^^;)。さて、渡辺さんは…

△83歩▲24飛△同角▲11角成
 おおっと、普通の順だ。いや~、渡辺さんは最近スランプですからね、指し手が消極的になっているかも…と思ったら…

△13桂
 ええええええ、外跳ねするのかw(゚д゚* )w!!!!いや~、序盤から妖しげな手が出ました、これは研究手だな、だって△33桂よりこっちの方が良いなんて普通ありえないだろ…。メリットと言って、自陣に角を引く道を開けておくという事でしょうが、しかしこの桂は使いづらいぞ。後手に速い攻め筋があればいいですが、こう着状態になったらそれだけで端攻めやら馬の活用やらで先手が良くなっちゃいそうです。

▲12馬
 ここからしばらくが、さすがタイトル戦という感じでした。この手はまったく見えませんでした。後手の角の紐が解いて桂をタダで抜いてじわじわと潰そうという事ですね、なるほど先手なら正しい構想じゃないかと。やっぱり糸谷さんは強い。さあ後手は急がないとジリ貧になるぞ、どうするんだろうか。

△62玉▲77桂△71玉
 ええええ、まじか、後手はじっと囲いに手をつけるのか!!いや~、馬が暴れるより先に先手陣を潰す筋ばかりを考えてしまいましたが、玉を遠くする方が有効と見たのか。しかも、この手を指せるという事は、先手から速い攻めがないと言っているのか?いや~、これも目からうろこの構想でした。

▲75歩
 う~~~んこれもすごい。糸谷さんというのは頭の回転が速いだけでなく、思考が柔軟である気がします。だって、自陣の急所にもなりかねない7筋から後手美濃を直撃する手なんて、最初に考えますかね?僕なんて100年たったってこんなの思いつかないよ。。しかもこれ、次の▲65桂がメッチャ厳しくないかい?渡辺さん、受けるにしても飛車2枚は守りにくいし、これは反撃に行くしかないかも。

△25桂
 これが渡辺さんの選んだ反撃筋。僕は飛車を使った手ばかり考えてました(・ω・)。。しかし解説のプロはみんなこの手を指摘していたので、プロならひと目なのかもしれません。いや~、細いどころか簡単に抜かれてしまいそうに見えたんですが、検討というのはもっと深くやらないといけませんね(^^;)。この桂跳ねに糸谷さんが唸り、1時間を超える長考に陥って封じ手。いや~、単純な攻め合いのスピード勝負なら桂を跳ねさせての△29飛がある後手の方が速そう。糸谷さんはここで何かひねり出さないといけなさそうですが…攻防はあるんだろうか、むずかしい。ちょっと弱気かも知れませんが、先手はいったん守るか、飛車の打ち込みに備えた手を考えた方が良いかも知れません。

20151029竜王28-2_糸谷vs渡辺_横歩47手 しかし糸谷さんが選んだのはシンプルな攻め合い。封じ手は▲65桂で、以下△15角▲74歩と進んで47手目盤面図です。これはすでにアマから見ても指す手はひとつですね( ̄ー ̄)。ただし、渡すことになる角を使っての攻防だけは良く考えてからじゃないと。ここは入念に時間を使って寄せ筋を確認、逆襲の攻防手もないことを確認して…

△48角成▲同玉△37歩▲同桂△49飛打
 角捨て!ですよね~。。糸谷さんは▲同玉といきましたが、代えて▲同金でも△28飛があるので、どちらを選んでも地獄です。さてこれで先手陣は受け切るのは難しい状況、しかしいきなりの寄せはないので、糸谷さんは手すきの間隙をついてどこまで渡辺玉に迫れるか。それが間に合わないようなら、すでに後手優勢になっている局面と言えるかも。
 しかしこうなってから複雑な局面を作り出して、「一手でも間違えたら寄せますよ」的な逆転将棋を作るのが糸谷さん。去年の竜王戦は羽生さんも森内さんもこれにやられ、今年の第1局も渡辺さんがこれに沈みました。さて、逆転将棋がどこまでつうじるか…駄目です(T_T)。渡辺さん、優勢になってからが鉄壁過ぎます。68手にて後手渡辺さんの勝ち!!まだ3時前なんですが、いいんでしょうか(^^;)。俺なんて、今日のためにオフにしたのに。。

20151029竜王28-2_糸谷vs渡辺_横歩67手 それにしても、渡辺さんの終盤、凄かったです。どこがスランプなんだよ。。67手目盤面図は投了一手前ですが、僕なら△53角と安全勝ちを狙いに行きそう。しかしここで渡辺さんがカッコよすぎる寄せに出ました。指された瞬間に「アッ」っと声が出てしまいました(^^;)。渡辺さんが指した手は、△46角。う~ん、この投了図はカッコよすぎる。。

 横歩の研究筋にハマる怖さが炸裂しまくった一局という印象でした。何年か前、森内vs郷田戦で、横歩序盤であっという間に森内さん優勢になった将棋がありました。NHK杯の三浦vs阿久津戦でも飛車切りからの瞬殺劇がありましたが、あれも横歩じゃなかったかな~。佐藤天彦さんが後手番で今日みたいな飛車ぶつけから敵陣を圧殺した将棋も見た事があります。
 というわけで、今日の将棋はなんと言っても△13桂の新手に尽きると思うんですが、新手って、まだ発見されていなかった最善手の可能性のものばかりじゃなくって、最善手とは思ってないけれど1度だけ有効というものもある気がします。ひとつの将棋で結論を導くには時間が足りなくてムズカシイが、研究されたらもう使えない、みたいな感じのやつですね。去年、何かの棋戦の深浦-中村太戦で、深浦さんが指した序盤の眩惑的な指し手に中村さんが長考に沈み、研究手一手にやられた将棋がありました。しかし、深浦新手は以降全然流行せず。つまり、返す方法が研究で発見されたんじゃないかと。こういう「一回限りの妖しい新手」というのを渡辺さんはたまに指すことがあります。何となくですが、「こう指したら糸谷さんは飛車切って馬作ってくる順に踏み込んでくるだろう」と渡辺さんには目論見もあり、また「序中盤で手の広い局面では、糸谷さんは長考せずに大体の手を指してくるだろう」という計算もあったんじゃないかと。序盤でアドリブではなかなか正着を発見できない複雑な研究局面に引っ張り込むというのは、糸谷さん攻略には有効かもしれません。森内さんや郷田さんなら、1時間でも2時間でも時間を使って深くまで考えそうですが、糸谷さんは1時間ほどで見切りをつけそう。序盤研究をあまりしないという糸谷さんの弱点と、糸谷さんの序盤での見切り発車の癖を利用した、渡辺さんの見事な戦略だったんじゃないかと思います。


第65期王将戦挑戦者決定リーグ 深浦康市 vs 羽生善治 (横歩取り)

 竜王戦の裏でやっていた王将リーグですが、これがなんと竜王戦と同じ形!!横歩取り△33角84飛23銀&72銀 vs ▲中住まいの将棋です。いや~、現在後手番の居飛車は横歩のこの形が最も可能性があると皆さん見ているんですね、きっと。でもって、この将棋が凄い!!またしても羽生マジック炸裂、なんという大逆転将棋。羽生さんの攻防、反撃筋の作り方が化け物じみてますが、特に玉捌きが半端じゃないです。鳥肌が止まりません。深浦さん、これは無念じゃないでしょうか。

 しかし、今日は仕事でヘトヘト。しかも明日に仕事がこぼれてしまった。明日は明日で竜王戦の2日目があるので、今日は寝る事にしよう。というわけで、おやすみなさいzzz。。


第63期王座戦 第5局 羽生善治 vs 佐藤天彦 (横歩取り)

 最終戦までもつれた王座戦、今の天彦さんなら羽生さんを破る事も普通にありうると思えるので、ドキドキです。注目の振り駒は羽生さん先手、そして…うおお、羽生さん、最終戦で天彦さんの後手横歩を正面から受けたあああ!!!いや~、相手の得意戦型をこの大一番で引き受けるか、凄すぎる。でも、勝算はあるんだろうか?

20151026王座63-5_羽生vs佐藤天_横歩23手 さてその勝算というやつですが、序盤早々に羽生さんが凄い形を選びました。横歩△33角84飛型に対し、23手目に▲77角!うあああ、なんだこれ、見た事ないよ…。。う~んなるほど、天彦さんが最終局で後手番になったら、悔いがないように自分の最も得意な横歩を持ってくるのは予想できること。それに対して先手側が戦型選択権を選べる形を用意したという事か。いや~、序盤早々、熾烈な駆け引き。しかしこの形は前例がないわけではないそうで、プロでは20局あるとの事ですし、ここ数年もたまに指されるそうなので、天彦さんも調べてないわけではないでしょうが、本筋の研究は外されたんじゃないでしょうか。

△51金▲68銀△62銀▲48銀△94歩▲58玉△23銀▲38金△95歩(32手目盤面図)
 こうなると兎に角気になるのは先手の陣形。どう構えるんだろうと思ってたんですが、なんとノーマル中住まい。後手は△23銀型でかつ9筋の位を取って、攻撃形としては万全。▲77角でひとめ何が危なそうって、先手左桂を77に跳ねにくい事です。穴熊崩しでも矢倉崩しでも、端攻めの典型で香を浮かせてから△85桂という筋がありますが、これに対抗する速さの手が先手にあるかという事。また、角交換後の△55角とか筋違い角もオッカナイ。いや~、▲77角はアマがアドリブで指せるような形じゃないぞ…

20151026王座63-5_羽生vs佐藤天_横歩32手▲36歩
 棋譜中継によると、この歩の突き出しは危険な一手だそうです。しかしこの歩を突けないようでは先手の攻撃は出遅れるし、これが無理なら▲77角は指さないような気がするので、多分これは間に合うという計算なんでしょうね。しかし、マジで間に合うのかな…

△96歩▲同歩△97歩▲同香△93桂
 おおお、天彦さん、▲77角を咎めに行ったああ!!いや~、早くも序盤の山場です(^^)。次の△85桂からの戦場のドンパチと同時に、角交換、2手かかりますが▲37桂、このあたりに加えて味付けがどれぐらいあるかという感じでしょうが、ちょっと後手の方が速い気がするなあ。

▲22歩△同金▲37桂
 角交換後の角の割り打ちに金が当たるようにしておくんですね。これは横歩の先手の歩得を存分に生かした味付け。これは勉強になりました(^^)。これで先手も次の▲45桂が楽しみになりましたが、しかし手番は後手。

△85桂▲33角成△同桂
 後手の△85桂が速い!!早々に△99角成を許すのは癪なので、先手からの角交換は本筋。ここ、初段位の頃なら絶対に▲66角と打ち込んでいたと思うんですが、△74飛みたいな手を呼び込む事にもなりそうですよね。僕はよく失敗するんです、横歩の角の打ちこみで(p゚ω゚*)。。しかしここで羽生さんが眩惑的な手が!!

▲86歩(45手目)
 ええええ(゚ロ゚ノ)ノ、なんだこの後手の攻めを督促するような手は?!!
いやあ、はやく攻めさせて潰すなら分かるんですが、単に受け切れなくなっちゃうだけじゃないのか、これ…。

△97桂成▲同桂△86飛
 攻めを督促しておいて、先手陣は破けてしまいましたよ。ちょっと羽生さんの考えが分かりません。どうなってるんだ、これ…ここで▲87歩は何やってるか分からないので、龍の成り込みを許しておいて反撃なんでしょうが…難しいいい!!

▲24歩△14銀
 ここも序盤の山場のひとつだった気がします。桂香交換をした時点で▲34桂とか歩頭桂の筋ができたので、▲24歩は僕も考えなかったわけじゃないんですが、△14銀で何でもない気がしました。また、△33桂の形の将棋の場合(角交換せずに△33桂の形の将棋は、プロでは全然見ませんが、道場だとたまにやられる^^;)、△35歩で飛車を止められるのが痛い事が結構あるんですよね。というわけで、早々に見切りをつけていたんですが、なんと羽生さんはここに着手。で、次が驚愕でした。

▲34角
 うおおお、すげえ所に角を打ったあああ!!!25を受け、23に攻めを集中し、そして角桂の手筋である▲44桂の筋まで作る恐ろしい手ですが、しかし△89飛成は大丈夫なのか?えっと、△89飛成▲44桂△42玉▲79金△飛車をどこかに逃げる▲23歩成…うわ、先手の方が速いのか!となると天彦さんはこの戦場を処理しないといけませんね。いや~、最終局はものすごい将棋になったぞ(o^ー^o)。

△25歩▲16飛
 そうそう、△25歩の合駒で飛車を止められるのが△33桂のいやらしい所なんですよね。僕はここで▲29飛と引くことで後手の飛車の成り込みを受けるんだと思ってました。ところが羽生さんの選択は▲16飛!!!いや、こんな手ありえないだろ…。。羽生さん、▲34角以下は勝負手連発というか、ちょっと信じられない構想。これで後手に龍を作られることが確定ですが、なぜそれで良いと思えるのか、まったく理解できず。。

20151026王座63-5_羽生vs佐藤天_横歩59手 ここからの将棋も驚異。あまりに凄すぎて、感動的でした。59手目盤面図は、先手の飛車が狭い所に封じ込められながら、羽生さんが▲55桂と打って43の地点に火力を集中したところです。この桂打ちがドラマチック。なぜ羽生さんが飛車を16に逃げたかは、ここに繋がってくるんですね。つまり、一番いいタイミングで飛車銀交換をすれば23の地点は破れるわけで、問題はそのタイミングと、破った後の構想に成算が持てるかどうか。これを遡ると羽生さんは角・歩・手駒の桂で手を作りに行ったわけで、この桂が55、44、34と、一手ごとに狙い筋を変えて後手受けにくくしていた。つまり先手の攻め手の中心は常になかなか打たれない桂だったわけですが、これを可能にしたのは、後手の龍の成り込みと引きかえに攻めを督促した45手目▲86歩の構想に遡ります。あの86歩、誰だって違和感を覚えたんじゃないかと思うんですが、▲77角で中住まいを構想した時点で先手が後手を踏むのは目に見えていたので、角桂で手を作りにいこうというのが、戦う前からすでに練っていた構想だったんじゃないかと。この桂を打ち込みと、16に飛車を逃げた手がつながった瞬間は戦慄でした!!
 昔、羽生さんの書いた「上達するヒント」という本を読んだ事がありまして、これで僕は初めて将棋というものの原理の一端を理解できた気がして、これが初段到達への原動力となりました。大局観というやつですが、▲55桂は遠大な構想がものの見事に結実した会心の一手だったんじゃないかと。こういうのは将棋ソフトに一手一手読ませてその時々の数字の評価を見ているだけでは絶対に理解できないと思うんですよね。人間が指す将棋だけが生み出せるドラマが刻まれた棋譜だったと思います。

 さて、この局面、ひとめ△34龍と角を抜いて先手の攻め筋を潰してから先着を狙いたいところだと思うんですが、しかしこれはやってみたら先手の方が速い。後手玉は寄ってしまいます。というわけで、後手は守るしかないのですが…

△32金▲14飛△同歩▲23歩成△42金寄
 先手は飛車銀交換して23の利きを弱くしてからと金作り。これで後手左辺は破れです。ここで後手の金が最初から32にいたらどうだったかと考えると…序盤の▲22歩△同金の手の効果がなんとここで出てくるとは、恐ろしすぎる。そしてこのと金を取ると▲43角成でゲームオーバーなので取れないというのが痛い。というわけで金を逃がしますが…

▲32銀
 この銀の打ち込みがこれまた激痛。この銀もさっきの飛車銀交換という駒損をして手に入れた銀ですが、今この瞬間に関して言えば、飛車よりも価値がある銀でした。いやあ、もう凄すぎて鳥肌ゾクゾクです。。

 以下、後手から迫る手はどれも足りません。△29飛ですら▲39金で何でもないというのが痛い。というわけで後手は複雑に逃げながら攻防手を挟んで紛れる順を探したいんですが、羽生さんは間違えるどころか考えてもくれません。結果、85手にて先手羽生さんの勝ち、王座防衛です!!

 この王座戦は5局とも素晴らしかった!!!今期タイトル戦の中で抜群の面白さでした(^^)。実際のところ、「ああ、羽生さんは失冠するかも」と感じたのは王座戦だけでしたし、それだけ天彦さんは強かった!!昨年度から後手横歩を携えてB1もA級もまったく負けず、今期もA級棋士相手に各棋戦で無双状態で勝ちぬけてきた天彦さんの強さは本物でした。今日だって、僕には天彦さんが緩手を指したように見えた所はまったく見えませんでした。そしてその天彦さん必殺の後手横歩を2度まで弾き返した羽生さんは見事、鬼神のごとき強さでした。素晴らしい王座戦でした!!

 それにしても、この後羽生さんは棋王と王将にも挑戦する可能性があるんですよね。本当に衰えてるのか?オソロシイ。



渡辺棋王、絶不調

 今日のNHK杯、仕事のために見ることが出来なかったんですが、渡辺さんが負けた模様。しかも、終盤で大きく崩れる展開だったみたい。いや~、この前の竜王戦でも優勢の終盤で受け間違えて逆転負け、公式戦で7連敗です。絶不調ですね、こりゃ。

 渡辺さんの不調で一番恩恵をあずかっているのは、現在渡辺さんとタイトル戦を戦っている糸谷さんじゃないでしょうか。糸谷さんはツキもありますね。去年の竜王戦では森内さんが絶不調、今年は渡辺さんが大スランプ突入なんですから( ̄ー ̄)。竜王戦は第7局までもつれてくれないと年末年始がタイトル戦が全然なくって寂しい事になってしまうので、渡辺さんには1日も早くスランプを脱出してほしいです。

第74期順位戦 B1級6回戦 木村一基 vs 村山慈明 (横歩取り)

 昨日はB1の6回戦がありました。個人的に応援しているのは木村一基さんと丸山さん。木村さんは、劣勢の中盤になるとすぐに暴発してしまう僕にとって、あの受けの指し回しは憧れなのです。まさか受け切れると思えない状況から相手の攻め駒を潰してしまったり、受けが攻防手の布石の連続だったりで、指し回しが凄い。攻めダルマの人よりも数段高度な指し回しなのです(^^)。そんな木村さん、現在B1で上位につけているので、余計に応援!!

20151022順位74B1_木村vs村山慈54手 将棋は横歩取り△33角85飛戦で、僕にとっては難解すぎる展開。そして、54手目盤面図。先手がかなりマズそうに見えるのですが、ここからが凄かった!!

▲16飛△27香成▲49桂△25歩▲35歩

 香を成り込まれて角筋を作られて、先手は一手でも間違えたら即死っぽくっておっかないっす。仮にこの局面、後手1筋の歩が14まで来ていたら飛車は詰んでましたね。おっかねえ。。しかし△15歩まで2手かかるので、その間に▲35歩が指せるので取りあえずは飛車を逃げられます。問題はその後。後手村山さんの△25歩は△24飛と回る手を見せているという意味もあるのでしょうが、それ以上に後手の飛車も狭いので、逃げ道を作ったという意味もあるんじゃないかと。ここ、攻める後手の村山さんにとっても山場だった気がします。

20151022順位74B1_木村vs村山慈64手△37角成▲同金△同成香▲同桂△26金(64手目盤面図)

 うおお、村山さん、角を切って総交換から飛車を寄せに行ったああ!!いや~、これで先手飛車は必至。しかも飛車抜かれた後の先手陣がスッカスカです(T_T)。。後手陣はガッチガチだし、僕が先手なら考えるのも嫌な局面、絶対にここでたばこを吸うかトイレに行くんだろうな。 ▲同飛△同歩は次の△38飛が激痛なので、先手はここで手抜いて反撃に行きたいですが、なんかうまいこと後手の飛車を寄せられないものだろうか。

▲46桂△64飛▲34香

 なる程、飛車詰めろじゃなくって、敵陣を直撃しに行くのか!いやしかし、飛車を抜かれた後守りきれるとは思えないんですが…いやあここの攻防は考えなくちゃいけないことが山ほどあって、早指しでは絶対に無理な局面ですね(^^)。これ、先手の構想が成立しているのか、見てみたい。

△42金寄▲55角

 ぐあああ、この角打ちは強烈!!!後手、歩切れがこれほど痛い局面もないんじゃないかと。こうなると、まったく遊んでいたかに見えた馬がいきなり光りだして、後手陣は挟撃形に。いや~、飛車を渡すのと引き換えに、いきなり敵陣を崩してしまうという構想があるのか。これはしびれました。木村さん、すげえええ!!ちなみに、この後後手は△48飛と打ち込みますが、木村さんは▲77玉と逃げて何でもなし。いやあ、飛車の打ち込みが寄らないという所まで見えてないと立てられない一連の構想なので、これは見ごたえありました!!

 この後も、劣勢と見た村山さんが果敢な攻めに出るのですが、これを躱しまくる木村さんの玉さばきが見事!!さらに、敵陣を崩す寄せもこれまた見事!最後には飛車をタダで取らせる華麗な寄せ順を披露したのはかっこよかった!もっと楽な寄せもありましたが、魅せに行きましたね( ̄ー ̄)。結果、113手にて先手木村さんの勝ち!

 それにしても、64手目盤面図を見て、先手が勝つなんて思えるアマがどれぐらいいるでしょうか。以下、村山さんに変な指し手があったようには見えないし、まさか飛車を寄せたのがまずい構想だった?いやあ、54手目以降の攻防戦で、どういう変化があり得たのかは、時間があったら考えてみたいです。

 これで木村さんは5勝1敗でB1同率首位!あれ、順位も悪くなかったから、もしかするとトップなのかな?昨日は他にも豊島vs橋本戦、丸山vs山崎戦、阿久津vs谷川戦などなど、かなり面白い将棋がたくさんあって楽しかったんですが、時間がなくってちゃんと見れてません(T_T)。しかしこの木村さんの将棋はものすごかった!木村さんの会心譜ではないでしょうか?!


第74期順位戦 A級4回戦

 去年のA級順位戦は大激戦で4者プレーオフにまで発展、壮絶でした(^^)。。ところが、今期はその去年を上回るんじゃないかというメンツが揃ってしまい、とんでもない事態になってます。だって、数年前の竜王名人と、現王座が降級候補に名が上がるほどなんですから。。というわけで、昨日の佐藤康‐深浦戦で4回戦が終了。この4回戦は面白い将棋が多かった!!

佐藤康○‐●深浦
 僕が将棋を見始めた頃、ちょうど康光さんがタイトル失冠してしまい、以降は1度もタイトル戦登場なし。深浦さんもA級ではありましたがタイトル戦に絡む事はなくなっていました。ところが、昔の棋譜を見まくっていると、両者とも超強豪であることが判明!でも、A級順位戦では、ここ数年どちらも中ほどをキープする存在になっちゃってます。というわけで、1勝2敗同士の対決は、早くも生き残り合戦という様相ですが…康光さん、先手番で角交換、ダイレクト向かい飛車だああ!!いや~、この将棋は面白かった!言いたい事が山ほどある名局だったと思うんですが、ひとつあげるなら佐藤さんの鉄壁の受けが凄い!あんな状態から寄せられず、しかも逆に詰ませてしまうとは。。これで康光さんは2勝2敗、これからが本当の戦いとなりそうです。一方の深浦さんは1勝3敗、まずい雰囲気になってきました。

佐藤天○‐●渡辺
 10/19の対局、3戦全勝同士の対局で、順位戦前半の山場だったと思います。それにしても、このふたりがA級上位とは、確実に世代交代が進んでいるんですね。詳細は前の記事に書いたとおりで、角換わり相腰掛け銀の激闘の末に天彦さんの勝ち!これで天彦さんは唯一の全勝棋士、しかも渡辺戦を終了しているというのが大きい!いや~、天彦さんの快進撃が止まりません(^^)。

行方●‐○屋敷
 10/8に行われた対局で、後手屋敷さんの急戦矢倉が思いっきり炸裂!しかも、2枚銀ですよ(^^;)。いや~、電王戦出場前後から屋敷さんは調子を大きく崩してA級陥落、もうこれは終わたかと思いきやなんと一期でA級復帰、しかし今のA級のメンツが恐ろしすぎるのでちょっと厳しいかと思いましたが、とんでもありません!順列1位の行方さんを速攻でフルボッコです(^^;)。屋敷さんは厳しいどころかこれで3勝1敗、好位置につけています!!

久保●‐○郷田
 10/2の対局で、先手向かい飛車!!互いに角道を開けたまま駒組みが進み、大駒の交換から互いの大駒が飛び交う空中戦に。この将棋の何が凄いって、後手の郷田さんです。先手陣は万全の美濃囲い、攻めも大駒交換から捌けた状態。対する後手居飛車陣はまったく整っていないだけでなく大きく駒損という状況なのですが、こんな状況から綺麗にまとめてしまいました。いや~、これは驚愕。また、互いに大駒の捨て所が見事で、見ていて舌を巻いてしまいました。結果、終盤で郷田さんが見事な寄せを見せて勝ち!郷田さんに初日が出ると同時に、実に面白い将棋でした!

広瀬○‐●森内
 10/1の対局で、これも面白かった!特に、森内さんの構想がビックリ。角換わり相腰かけ銀になったんですが、同形腰掛け銀になるかと思いきや、先手の廣瀬さんが4筋位取り。これを見た森内さん、あと1手で矢倉に入城できる所だった玉を一手一手戻し始め、なんと右玉に( ̄0 ̄)゛うひょ~。。しかしこうなると当然ながら先手の方が玉は堅いし、手損はないしというわけで広瀬さん先制。以下、さすがは森内さんという手が随所に飛び出すんですが、しかし序盤で奪われたリードを埋めきれずに負け。結果、森内さんは痛い2敗目、ひろせさんは嬉しい1勝目。ところで、タイトル戦の森内さんって王道極まる将棋を指しますが、それ以外の時って、奇想天外な事をけっこうしますよね。あれは何でなんだろうか。

 というわけで、今期A級順位戦は意外とばらけたレース展開。
(4戦全勝) 佐藤天
(3勝1敗) 渡辺、屋敷
(2勝2敗) 行方、森内、佐藤康
(1勝3敗) 久保、廣瀬、深浦、郷田


 なんとも綺麗なピラミッド(^^)。これは天彦さん有利か…と思いきや、残る対戦相手が屋敷さん、深浦さん、郷田さん、久保さん、行方さんなのか!!いやあ、さすがにこれを全勝で抜けるのはちょっと難しいんじゃないかい?1敗どころか、何かのきっかけでズルズルと連敗だってありうる気がします。今年のA級は「比較的勝ちやすそう」みたいな人がいないのが恐怖です(^^)。それにしても4回戦は素晴らしい棋譜がいっぱいで楽しかった(o^ー^o)。。


第74期順位戦A級 渡辺明 vs 佐藤天彦 (角換わり相腰掛け銀)

 新人王戦やらなにやらで、角道を止める従来の四間飛車の対抗形が指されまくってます。しかも、振り飛車が勝ってたりして。いや~、今週も面白い対局がたくさんあって、棋譜だけは見ているんですが、ブログを書いている暇がない( ̄ii ̄)ハナヂ。しかし、A級順位戦の佐藤天彦vs渡辺戦だけは見逃せない!!…と思ってたんですが、これも2日後の今日になってようやく見ている始末(^^;)。A級も4回戦に突入ですが、全勝対決となるこのカードは前半戦最大の山場じゃないでしょうか。そして戦型は、角換わり相腰かけ銀。いや~、これは渡辺さんに研究手があると見た( ̄ー ̄)。

20151019順位74A_佐藤天vs渡辺36手 36手目盤面図はまだ定跡の範囲、よく見る定跡の範囲ですが、意外と一手一手の手の意味が細かくって一本道じゃないのでたまに混乱します(゚ω゚*)。えっと、△73桂より△33銀を優先させた時点で同形腰掛け銀への変化が消えた瞬間ですね。先手2筋の歩が26の状態なので…

▲48飛
 そうそう、こう指すんですよ。僕は「△74歩に△73桂保留で△33銀と先に上がってきたとき、歩が26の地点にいたら▲48飛と指すもの」と丸覚えしてます。代えて▲25歩だと?いや、それは知りません( ̄ー ̄)。今度、後手は▲26歩48飛型に対しては△42金右として△42金右型を作って、ここからの分岐が壮絶。…と覚えていたんですが、ここで渡辺さんの指した手は…

△73桂
 ええええ、桂頭を的にされないようにしながら指すのが後手番での相腰掛け銀じゃないのかよおぉぉぉぉ。。いやあしかしなるほどと思ったのは、たしかに先手が飛車を4筋に振ったので、少なくとも同形腰掛け銀の42173や43172の歩の突き捨てからのラッシュは喰らわなくて済むのか。後手は角の打ちこみと銀を渡した後の打ち込みをケアする右金の処理をするまでは桂の跳ねだしはギリギリまで辛抱して的にさせないと考えていたので、これは考えてもいなかった。いやあ、これを糸谷さんが指したのなら定跡や研究を外しに来たのかと思う所ですが、渡辺さんが指すと用意の一手に思えるから不思議です(^^)。しかしこの盤面図は死ぬほど精査したいというか、先手に良くする順が何かある気がします。そして天彦さんは…

▲45歩△同歩▲75歩△同歩▲45桂△同銀▲同飛
 ああ、やっぱり桂頭を狙いに行きました。もし研究していなくって、しかも判断がつかなかったら、勝っても負けても桂頭攻めは試したい所だったんじゃないかと。しかしここで渡辺さん…

△54角▲48飛△76歩▲88銀
 角の打ちこみの攻防手!!いやこれはひと目好手だぞ。

△86歩▲同歩△74桂
 これで後手は先に飛車先の歩の突き捨てに成功し、さらに絶妙な位置に桂を設置。これは後手渡辺さんが先着した感じ。実際の形勢は分かりませんが、後手の方が楽しみの多い展開になったんじゃないでしょうか。

 そしてここから大激戦!なんと渡辺さんは早々に飛車を切って先手陣を乱しに行きます。たしかに先手陣の守備の金駒2枚を外し、しかも角が睨んでいる状態という意味では、踏み込みは納得。しかし不安もあって、天彦さんに反撃の攻防の角を打ちこまれて金が質になっていたので、展開によっては勇み足かもしれないとも思ったんですが、実際にはどうだったんでしょうか。感想戦ではこの辺は調べてそうなので、ぜひきいてみたかった。これで後手が攻め、先手が守るという、これで戦型的にも棋風的にもまるで天彦さんと渡辺さんが入れ替わったんじゃないかという展開になったんですが、ここからひっくり返すのが今の天彦さん。逆に攻防の角を打ちこみ、飛車をおろし、裸にされた玉を見事に躱し、怪しさ満点のいかにもひっかけ筋っぽい手を放ち( ̄ー ̄)、そして逆転してしまいました。131手にて先手佐藤天彦さんの勝ち!!

 渡辺さんがちょっと心配、ここのところ負けが混んでます。今日の将棋も、終盤は受け切る順があったかもしれないという気がしますし、それはこの前の竜王戦もそうでした(いや、「気がする」というだけで、本当にそういう順があったかどうかは分かりません)。中盤でも、渡辺優勢で、あとは勝負をつけに行くんじゃないかという所で、じっと質駒になっていた金を躱したところなんかは、連敗の影響からか弱気が出たのかも。せっかくの竜王戦挑戦中だというのに、ここで不調の波が来るというのは、渡辺さんはついてない。早く復調してくれ~!
 一方の天彦さんはA級無傷の4連勝!しかも広瀬戦と渡辺戦を制したというのがいかにも大きいです。マジでA級一期目にして名人挑戦もありうるんじゃないでしょうか。それにしても、糸谷さんといい天彦さんといい、終盤力というのはものすごい大きな武器だというのを改めて痛感させられる、最近のプロ将棋の動向です(^^)。プロのA級棋士ですら間違えるんだから、「劣勢になったら複雑な局面を作りながら攻め筋を作る」というのをガンバってやってみようかな。…だめだろうな、単純な狙いの筋しか思いつかないから(T_T)。。


第28期竜王戦 第1局 渡辺明 vs 糸谷哲郎 (横歩取り)

 ついに始まりました竜王戦!今回の竜王戦はなんと言ってもアングルが面白いです。森内さんから竜王位を奪ったのが渡辺さん。以後、9期連続防衛という渡辺さんの牙城と化していた龍王位を陥落させたのが、なんと森内さん。10年越しのリベンジというのがすごい!これで森内さんは竜王名人というプロ棋士の絶対的頂点に立ったものの、防衛戦で時間攻めや番外戦術までしてくるクセモノ糸谷さんに翻弄され敗北。その糸谷さん初の防衛戦に挑戦するのが、なんと渡辺さん。いや~、マンガでもありえないぐらいのドラマチックな展開です(^^)。この竜王戦、一手損角換わりや角換わりを中心とした争いになりそうですが、横歩も何局かありそうだし、場合によっては後手渡辺さんが振り飛車に出る展開もなくはないかも。さて、注目の第1局は…糸谷さん、後手横歩だあああ!!いや~、研究を外しに行くなら、糸谷さんは後手番で横歩を選ぶんじゃないかという気がしてたんですが、行きましたね~。後手番で渡辺さんに勝つなら、乱戦模様になりやすい横歩が実は一番確率がいい気もするので、これは正解かも。

20151015竜王28-1_渡辺vs糸谷_横歩36手 36手目盤面図、これは横歩では類似形をよく見ます。竜王戦に関して言うと、去年の挑戦者決定トーナメントの▲郷田-△深浦戦も大体こんな感じで、違いは後手玉が中原囲い、先手が33に上がったのが形ではなく銀だったことぐらいかな?郷田さんの見事な快勝譜で、1~3筋の争いになるこれ系の将棋の僕の基礎は、その対局です(^^)。しかし今日は…

▲68玉△62玉▲79玉
 おっと渡辺さん、右辺戦場よりも玉型の整備に先に手をつけました。いや~、この辺は「固めてドン」のいかにも渡辺流。羽生さんや屋敷さんならもういっちゃってるでしょうね(^^)。ただ、囲い合いになると美濃に組める後手の方がちょっと得な気もするんですが、そうなると先手の攻め筋が変わってくるのかな?

△34飛
 これが嫌な手なんですよね。僕はこの筋に何度やられてきたことか…。横歩を指し始めた最初の頃に得意にしていたのは、9筋の歩を切ってから▲92歩△同香と香を浮かしてからの▲56角みたいな筋でした。しかし、後手が2筋を潰しに来るこの形では、狙いが△25歩▲29飛△24飛なので、そんな悠長なのは間に合いません。というわけで…

▲29飛
 渡辺さんの構想としては、順は兎も角として▲29飛▲46歩▲47銀の組み合わせで押し返す構想だったんだと思います。玉をはやめに躱したのは、ここを派手な戦場にしても良いという計算だったんじゃないかと。ここは既に中盤の勝負どころで、僕はここで悪くして負けたこと数知れず(*^-^*)>。。横歩の難しさって、中盤でやたらと手が広くて、しかもどの筋もけっこう深く読まないと即死級の落とし穴がある事です。ここ、後手からの飛車ぶつけ、銀の進出、△16歩からの端攻め、2筋に歩を張ってからの飛車の転換など、先手はかなり怖くって、形よく守りきるのはすでに不可能。重要なのは先手の反撃筋で、後手の飛車が浮いているのでこの飛車をいじめながら攻防したいんじゃないかと。しかしここで糸谷さん…

△24歩
 これは渋い!もう1~3筋で戦いにしないと後手飛車が捌けそうにないので、2筋に歩を張るなら5段目より前と思ってました。糸谷さんの読みでは1~3筋の戦場がものに出来ないという事かな?ちょっとこの手はゴメンナサイに近い手に見えるのでアマには指しにくいと思うんですが、逆に言うと糸谷さんは先まで読んでいるという事でもあるので、これは唸らされました。これはさすが竜王だわ。。

20151015竜王28-1_渡辺vs糸谷_横歩46手▲46歩△34飛▲47銀△34飛
 しかしこうなってみると渡辺さんが見事。相手の手に乗りつつ右辺を綺麗に整備してしまいました。さて、あとは▲36歩でがっちり囲ってから右辺の反撃…かと思ったら…

▲56角
 おおおお、渡辺さん、打ったああああ!!!これ、糸谷さんが飛車を逃げずに△36歩で反撃するとどうなるんだ?△36歩▲34角△同銀▲36銀△83角▲28飛…これは先手の飛車が捌けそうだな。じゃ、飛車を逃げながら後手は反撃筋を狙うことになりそうですが…

△35飛▲36歩△85飛(50手目、ここで封じ手)
 これは既に先手が指しやすいんじゃないでしょうか。渡辺さんは先に角を打ちこみましたが、これが時限つきじゃなくって利きまくってるのがいい。後手は指し手を思いっきり制限されたうえに、この角を追っても▲66歩の一手で簡単に躱されるのがきっつい。。先手よしかどうかは分かりませんが、後手は最善手を指し続けてようやく互角みたいな状況に見えます。

◆◆◆◆◆
 うわマジか、あそこから糸谷さんが勝ったのか?!いや~、マジで終盤の逆転術がうまいんだな。さて、今日はまだ仕事が終わっていないので棋譜を見ることが出来ず(T_T)。明日見れるかな~。気になる。



第46期新人王戦 第2局 菅井竜也 vs 大橋貴洸 (四間飛車穴熊)

 新人王戦って見た事がなかったんですが、奨励会の方が決勝まで上がってきていてビックリ!しかし相手は菅井さんなので、これはあっさり負けるかと思っていたら第1局を取ってしまいました(^^)。すげえ。奨励会3段の方と駒落ちで何度か対局させてもらった事があるのですが、ガチで強くてビビりました(^^;)。悔しいを通り越して、感動してしまったぐらいです。僕の体感としては、女流棋士よりも大駒1枚以上強いんじゃないかというほどの圧倒的な強さ。少し安心したのは、「これでプロになれないなら、プロってどんな強さなんだよ」と思ったのですが、この新人王戦やプロvsアマの対抗戦を見る限り、差は紙一重なんでしょうね。ああよかった。

 さて、この対局は…大橋三段、強ええええ!!いや~、序盤と中盤の入り口に難がある僕としては、序中盤で甘いところなくきっちりとした構想を描ける人は憧れなんですが、この対局がまさにそれ。プロから見たらまた違うんでしょうが、アマの僕が見る分にはもうプロ将棋となんら変わりませんでした。

20151014新人王_大橋vs菅井_四間飛車穴熊20手 20手目盤面図、後手菅井さんはなんと角道を止めたノーマル四間飛車を構想!いや~、この前のNHK杯の藤井さんといい、角道を止めた四間飛車破りは昔必死に勉強したので、連続で見れてうれしい(^^)。ノーマル四間、復興の兆しでもあるのかな?僕はここで▲66歩一択なのですが…

▲66銀
 お~、銀をあがりました!こういう指し方もあるというのは知っていたのですが、自分で指さないものだから興味津々。これ、どうなるんだろうか。

△64歩▲78金△52金右▲98香△45歩
 先手の大橋さんは居飛車穴熊。後手の菅井さんは囲いよりも先に角道を開けました!いや~、穴熊に組むなら先着されることを覚悟しないといけないと思うんですが、歩ではなく銀で止めたために、すでに先手指しにくそう。僕は穴熊の基本を渡辺本で学んだもので、「穴熊に行くなら序盤は戦いにならないように凌ぎまくる」事を心掛けているもので、やぱり▲66銀は指しにくいな。▲55歩で銀を追い返す?下がってくれればいいですが、△65銀と出られるといきなり大決戦。まだ右金が浮いているのでそれはちょっと怖すぎるか。大橋さん、どうするんだろうか…

▲57銀△77角成▲同金△22飛
 ええええ銀を引いた?!角交換を呼び込んだぞ、おっかねえええ!!菅井さんは角交換から向かい飛車に振り直し。いや~、この局面で角交換振り飛車に合流するとは思ってもみなかったよ。あれ、という事は…あああ成る程、それに合流するなら右金がまだ動いていないのはあながち悪い手でもないという計算なのかな?いや~、これは先手の構想が凄いな。きっと、角交換振り飛車なら破る自信があるという事なんでしょうね。

 角交換後がまた面白くて、角交換に引っ張り込んだ大橋さんの構想に嫌なものを感じたのか、なんと菅井さんも穴熊を構想、これで相穴熊の対抗形。先手の駒組みが出遅れているので、後手は美濃で囲いは早々に切り上げ、あとは桂を跳ねだしての穴熊崩しを構想してくるかと思ったんですが、これで戦争はこう着状態に。この膠着状態でも先手は常に工夫があって、「まずはがっちり」みたいな事はせずに、囲いつつ攻めを狙う手をちょくちょく織り込んできます。善悪は分からないんですが、将棋を作っているのは完全に大橋さんで、菅井さんはその対応に追われているように見えました。

20151014新人王_大橋vs菅井_四間飛車穴熊61手 そして61手目盤面図。互いに手待ちしながら、相手の形が悪くなった瞬間をついての仕掛け待ちという状況だったのですが、先手が飛車を29ではなく28に引いた瞬間…

△35歩▲26飛
 菅井さん、仕掛けたああ!!いや~、本当に一瞬のタイミングというか、要するに攻め合いになったら△37歩成が飛車に当たるタイミングを待っての仕掛けだったんでしょうね。細かいですが、このわずかなタイミングが戦局にどう影響するか…

△65歩▲同歩△62飛
 うおお、先手の飛車の横利きが消えた瞬間に、続いて6筋から仕掛けたああ!!いや~、やっぱりプロはすげえわ、手待ち合戦の本当にわずかな瞬間の電光石火の仕掛け…と思ったら…

▲24歩△65銀▲23歩成△25歩▲29飛△36歩▲33と△37歩成
 うわあああ、大橋さん、6筋を手抜いて攻め合いに行ったああ!!!てっきり▲77桂で守るのかと思いましたが、完全に駒の拾い合い。これ、先手間に合うのか?細かくは読んでませんが、でかい戦場が玉に近い先手がまずい気がするんですが…

20151014新人王_大橋vs菅井_四間飛車穴熊75手▲43と(75手目盤面図)

 75手目盤面図は、終盤の分岐点だったと思います。僕が後手なら、時間の許す限りこの場面を考えたいっす(間違えたら即死しそうなので(゚ω゚*)。。まず考えたいのは、角を見捨てて△47と▲44と△57と、みたいに駒を拾い合うとどうなるか。…▲55角が攻防になるのか、これは先手良い気がするなあ。じゃあ角を逃がす手から選ぶことになりそうですが、△88角成と角を切って一気に勝負をつけに行くと?▲同金上△76銀▲53と△67飛成▲同金△同銀に…いや~、これは難解ですが、かなりいい勝負になりそう。ただ、後手は一気に寄せきっちゃわないと、大駒全部渡して攻防手の雨あられを喰らいそうですね(^^)。菅井さんの選んだ手は…

△35角
 いや~、角を渡さず、銀取りにもあたっているという意味で、もっとも危険の少ない手でした。でも、そんなの当たり前ですね(^^)。こういう決戦模様になるとすぐ熱くなって勝負に行ってしまうのが僕の悪い癖です(゚∀゚*)エヘヘ。。今度は、先手大橋さんの正念場となりました。ここで▲68銀と引いているようではだめ…というか、△66桂が激痛か。▲53との攻め合いは…ああ、俺はアホか、角でただじゃん(最近この手のミスが多くて死にたいです)。じゃ、一手を稼ぐ常套手段という事で、▲46歩は?△47とが激痛と思いきや、▲25飛で根元の角が詰むのか。以下△57と▲35飛に…いやあ、後手の攻めが難しい。桂を攻撃参加させたいけど、先手の▲53とが速そうです。ああ、▲46歩は粘りの一手だな…とおもったら…

▲52と△同飛▲64桂
 先手、3手一組の桂馬のふんどしだああ!!いやあ、これは全然考えてませんでしたが、ここで飛車を抜きに行く手は速度的にどうなんだ?抜くなら金の方でしょうが、金を抜いたところで後手陣にはあまり響かない気が…

△57角成
 菅井さん、飛車を助けずに攻めに踏み込んだ!!いや~、これはシロウト目には後手良い気がするなあ。

 以下、穴熊崩しに着手した菅井さんに死角なし。116手にて後手菅井さんの勝ち!!

 いや~、面白かった!!すごく高度な将棋でした!大橋さん、プロ若手の中でも間違いなく強豪のひとりに数えられる菅井さんを追い込んでいました。しかし、手筋中の手筋の歩の突き出しで角を止める手を見送ったのは、何かのウッカリか、それとも止めても先手やっぱり駄目だったんでしょうか。あそこは精査してみたいですが、たぶんウッカリしているのはいつものごとく僕なんでしょうね(*゚ー゚)>。。羽生世代の方々が「今の奨励会のレベルは、昔より確実に上がっている」と言っていましたが、まさにそんな感じ。「中終盤はプロ級だが、まだ奨励会だから序盤が雑」とか、そういう隙が全く見当たらない感じで、素晴らしかった!いや~、明日から竜王戦だというのに、今日の仕事が終わらなくなっちゃったぞ。これから急いでガンバろう。


一手損角換わりの後手居玉

 この前の王座戦第4局で、後手羽生さんが一手損角換わりから居玉のまま戦ってました。羽生さん自身、「玉を囲いきれないまま戦いになってしまって(中略)つまらない将棋にした」みたいな事を言ってました。ところが結果は後手勝ち。

 現在、竜王戦観戦に向け、夜に眠い目をこすりながら『山崎隆之の一手損角換わり』を読み進めてるんですが…うわあ、後手側が居玉のまま戦う構想は定跡化されてるのか?!先手で早繰り銀をまったく使わないので、全然知らなかったよ(^^;)。う~ん、3段にもなってこんなことも知らないのは僕ぐらいだろうな、ああ恥ずかしい。。

 もうすぐ竜王戦が始まりますね。どう考えても竜王戦が始まるまでに一手損をマスターするのは無理な状況になってきましたが、竜王戦を見ながら覚えて、終わるまでには一手損破りを何とかマスターしたいです。とかいって、一手損が全く指されなかったりして(*゚ー゚)>。


第65回NHK杯 藤井猛 vs 屋敷伸之 (先手四間飛車 vs 居飛車2枚銀)

 これも2回戦の好カード!!昨日は珍しく外仕事で7時間ほど中腰態勢、筋肉痛だわ足が吊りまくりだわでボロボロ状態ですが、このカードは見逃せません(^^)。よ~し、見るぞ~!!

 電王戦出場前後から調子を崩してB級陥落までしてしまった屋敷さんですが、しかしここから見事に持ち直して1期でA級復帰!今期のA級も好成績。コンピュータ対策で棋風変更を迫られてスランプ、途中から開き直って元の攻め将棋に戻した、という感じなのかな?ただ、この屋敷さんの攻め将棋への復活の仕方が極端で、昔よりもさらに過激、とんでもない2枚銀の連発!数日前のA級順位戦▲行方-△屋敷戦でも、急戦矢倉から2枚銀であの行方さんをあっという間に潰してしまいました。怖ええええ。。

20151011NHK_藤井vs屋敷17手 17手目盤面図、角道を止めての4間飛車から藤井システム的な出だし。ここで△52金右で後手船囲いから急戦調の将棋に持っていくなら普通だったんでしょうが、屋敷さんですから、ちょっと期待が( ̄ー ̄)…

△42銀
 キターーー(ノ゚∀゚)ーーー!!
これは2枚銀か?!!いや、しかしまさか角道を止める4間飛車相手に2枚銀か、オソロシイ。。せめて石田流相手なら理解できるのですが。。。

▲39玉△85歩▲77角△73銀▲28玉△53銀▲56歩△64銀右▲78飛△75歩▲57金△44銀

 うわあ、玉をろくに囲いもせず、マジで2枚銀で行ったよ…。一方の藤井さんは重厚な応対というか、藤井さんって駒組み段階ではけっこう「しっかり玉を囲って…」とか、かなり慎重な指し方をするんですよね。

 この後の将棋は、屋敷さんが暴れに行くんですが藤井さんがこれを悉く止めてしまいました。一瞬、「あ、これは先手陣破れたか?」と思た瞬間もあったのですが、いやいや藤井さんは凄かった。後手玉に対する寄せも派手に組み込むことなく、着実な手でがんじがらめ。結果、97手にて後手藤井さんの勝ち!!

 いや~、こういう無理攻めっぽい強引な攻め将棋は、負けると惨敗になってしまいますね。それにしても藤井さんの中盤が見事、暴れに来る屋敷さんに見事な反撃筋を用意していたのは、さすが元竜王。あと、感想戦の藤井さんというのが僕は大好きで、落ち着いた口調でありながらユーモアたっぷり、イキな感じでカッコいい。いや~、楽しめた休日でした(^^)。。


第65期王将戦 挑戦者決定リーグ 森内俊之 vs 久保利明 (ゴキゲン中飛車)

 いや~、今期の王将戦挑戦者決定リーグのメンツが凄すぎ。そんでもって今日は、▲森内-△久保戦が行われてました。仕事で忙しかった僕は、いまごろ棋譜だけ見ている次第です(^^;)。

20151008王将65挑決リーグ_森内vs久保29手 ゴキゲン中飛車を見たのも久しぶりな気がするなあ。そして、僕は中飛車相手には穴熊の人間なもので、超速▲37銀がまったく分からず(^^;)。指されてみて「ああ、こんなのあったなあ」と思い出す始末(^^;ゞイヤァ。盤面図29手目なんてその典型みたいな局面で、まさに「ああこんなのあったなあ」という感じ。さてこの局面、どう指すものなんでしょうか。順はともかく、先手の角を絶好の場所に引かせないために△44歩とか、飛車を走る前までには△42金(飛車の使い方次第では△52金もある?)とか、そういう手を指したい所なんじゃないかと思ったんですが、ここで久保さん…

△82玉▲45角成
 ええええ(゚ロ゚ノ)ノ、角に何の対処もしないまま囲いを優先させるのか?!!いや、これが△44歩より良いなんてことがありうるんだろうか、ちょっと信じられません。それが証拠に▲45角成が決まって紐のついていない63を直撃、先手が先を取った形になったようにしか見えませんが…

△44銀
 すげえええ、これはまったく見えなかったよ、歩じゃなくて銀で馬を抑えるのか。。しかし一歩間違えれば銀ばさみを喰らっちゃいそうな形ですが、大丈夫なんだろうか。

▲56馬△33角
 あああ、これもまったく見えず。久保さん、すげええええ!!!これ、もういきなり大決戦じゃないですか。現状で先手はすでに55が受からず、仮に▲58飛と援軍を送れば△36歩で桂跳ねを押さえこんでから△25歩がくるんだろうな。利きが何もない2筋の攻めって、真綿で首を絞められるようないやらしさですよね。。

▲58飛△36歩▲66馬△72銀▲88玉△25歩
 分かっていても、もう先手はこの筋を防げません。2筋を制し中央はこう着状態にして、玉形は圧倒的に後手がいい。まだろくに駒も当たっていないというのに、すでに後手優勢にしか見えません。

 後手大優勢に見えるものだから、以下はまじめに見る気になれず。「おお、さすが森内さん!!」という手が何度も飛び出したんですが、序盤の借金が大きすぎたのか追いつけず、114手にて後手久保さんの勝ち!手数こそ114手になりましたが、後手は美濃が綺麗に残って先手は裸玉だったので、80手目あたりでは既に森内さん必負の状況だったんじゃないかと。いや~、急戦志向の将棋って、序中盤でこういう事が起こるから怖いです。。

 それにしても、全員がタイトル経験者で、しかも全員がリアルタイムでA級棋士もしくはタイトル保持者という今期の鬼の王将リーグ。あの渡辺さんが既に連敗し、森内さんが振り飛車に惨敗するんですから怖すぎ。こんなところを誰かが勝ちあがるんですよね。こりゃ、誰が勝ちあがっても郷田さんは防衛できない気がします(^^)。渡辺さんと森内さんがスタートダッシュに失敗した今、序盤の山は羽生vs糸谷戦でしょうか。う~ん、仕事が忙しいというのに、将棋が面白すぎて困ったもんだ(^^;)。。


前に一手損角換わりを見たのは

 いや~、昨日の王座戦での一手損角換わり戦は面白かった!!結果こそ羽生さんの勝ちでしたが、相腰かけ銀にならなければ、一手損はやっぱり後手に苦労の多い将棋なんじゃないかなあ。別の見方でいうと、正調角換わり相腰かけ銀の研究合戦よりも、腰掛け銀か早繰り銀か棒銀かという、そういう序盤からの駆け引きからの手将棋になる事が多い気がして、見ている分には楽しかったという側面もありました(^^)。。

 ところで、一手損角換わりを久しぶりに見た気がします。僕は観戦したプロ将棋の棋譜は取っておくことにしているのですが、僕が前回見たのはいつなんだろうか。棋譜で振り返ってみますと…

2015.10.06 王座戦第4局 佐藤天 vs 羽生 ←NEW
2014.10.31 竜王戦第2局 森内 vs 糸谷
2014.09.02 竜王戦挑戦者決定戦第2局 羽生 vs 糸谷
2014.05.12 王位戦挑戦者決定リーグ 及川 vs 佐藤康
2013.11.07 順位戦A級 屋敷 vs 羽生
2013.10.08 王座戦第4局指直局 中村 vs 羽生
2013.09.04 王座戦第1局 羽生 vs 中村
2012.11.21 竜王戦第4局 渡辺 vs 丸山
2012.11.09 竜王戦第2局 渡辺 vs 丸山
2012.09.11 竜王戦好戦者決定戦第3局 山崎 vs 丸山

 いや~、直近ですら1年前か。リストより前の棋譜も結構あるんですが、だいたい2012年竜王戦より以前の棋譜になると一手損角換わりの将棋はけっこうたくさん出てきて、山崎さんや丸山さんや糸谷さんといったスペシャリスト以外の棋士さんも、一手損をガシガシ指しています。あと、佐藤康光さんが一時期多用していたダイレクト向かい飛車が、あくまで4手目角交換からの派生として指し始めたんじゃないかというのも分かってきて楽しい(^^)。僕がリアルタイムで見ているのは2013年以降で(つまり、渡辺-丸山の竜王戦はリアルタイムでは見ていない)、最近の一手損は丸山さんや糸谷さんなどのスペシャリスト専用みたいな状況で、たまに羽生さんをはじめとした居飛車オールラウンダーが相手の研究筋を外す程度に使う感じの戦型になったんでしょうね。
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 直近の▲森内‐△糸谷の竜王戦の将棋は良く覚えていて、後手糸谷さんが居玉のまま右に寄るか左によるかの態度を保留、その間に森内さんが棒銀で攻めるという手将棋。森内さんが中盤で攻め急いで自滅、さらに糸谷さんに難解な局面を作られ、天然の番外戦術に時間攻めやらあれこれ喰らって、アマの僕ですら疑問に感じる手を指してしまい、「あ、この竜王戦は森内さん失冠するな」と感じさせられた将棋でした。
 その前の竜王戦挑戦者決定戦での▲羽生-△糸谷の将棋も良く覚えていて、これは先手棒銀の左ルートに対して糸谷流の後手右玉。この将棋とその類似局だった昔の▲羽生-△佐藤康の何かのタイトル戦が(大昔の棋聖戦?なんか、youtubeか何かで見た記憶が^^;)、一手損右玉破りの僕の構想のひとつになっていたりします(^^)。この局は序盤構想だけでなく、羽生さんの寄せの組み立てがとんでもない切れ味で、糸谷さんがまとめる暇を与えてもらえずに天を仰いでいたのが印象に残っています。ああ、この後の最終局で羽生さんがうっかりさえしなければ、いまごろ龍王位は…いやいや、それも含めての将棋、人間ドラマですね(^^)。

 今期、僕は糸谷さんの将棋をあまり見れていないもので、今も糸谷さんが一手損を積極的に指すのかどうかは分かりません。そういえば、なんで糸谷さんの将棋を見かけないんだろうか…タイトル戦とA級順位戦しか見てないからかな?次の竜王戦、僕は一手損の経験が足りな過ぎるので、一手損角換わりの争いになってくれると嬉しいなあ。


第63期王座戦 第4局 佐藤天彦 vs 羽生善治 (一手損角換わり)

 やっと仕事が一段落。また明日から忙しくなりますが、今日は残務処理をするだけでダラダラできそう。こんな日に将棋やってたらなあ…あああ、王座戦は今日だったか!!けっこう先だと思ってたのに、時の経つのはやいなあ。

 天彦さん、急に強くなったと感じるんですが、今期の成績ってどんな感じなんだろうか…天彦さん、本年度成績は26勝7敗(0.788)で、対局数と勝数、連勝でランキング1位!!なんだこの数字、化け物か(゚ロ゚ノ)ノ。。いやあ、A級棋士となると当たりがきつくて勝率は下がるものですが、その中でこれは脅威。しかも、藤井システムとかダイレクト向かい飛車とかの自分だけのオリジナル戦法がブレイク中というわけでもないというのが、余計にすごい。しかもこの王座戦、タイトル奪取まであと一勝というところで先手番。流れは完全に天彦さんですね。羽生さん、これまでは天彦さんの先手角換わりに後手横歩と、相手の得意組み手に組ませて戦ってきましたが、さすがにここからはそうさせるわけにもいかないと思います。大注目は後手の戦型選択ですが…うおおおおおお、羽生さん、一手損角換わりに行ったたあああ(ノ゚∀゚)ノ!!!!いや~、矢倉は天彦さんが回避するとして、後手に選択権のあった角換わりと横歩を回避して、後手指しにくいと見られている一手損を選んだという事は、それだけ天彦さんの正調角換わりと横歩が脅威なんでしょうね。

20151006王座63-4_佐藤天vs羽生_一手損2手 自分のために、初心に戻って序盤の戦型選択の整理をしておこう。盤面図は▲76歩△34歩と進んだ本局。これで戦型選択権はほぼ後手に渡ったようなもので、後手が居飛車志向なら横歩か一手損角換わり。代えて2手目△84歩なら先手に戦型選択権があって矢倉か正調角換わり。ただし天彦さんは矢倉を回避すると思われるので2手目△84歩なら角換わりになってたんじゃないかと。

▲26歩△32金
 ▲3手目26歩で先手居飛車がほぼ確定。まあでもこれは天彦さんの将棋を知っていれば指される前からほぼ確定ですね(^^)。問題の4手目ですが、数年前まではここで角交換して、場合によってはダイレクト向かい飛車なんていうオソロシイ将棋も指されてましたが、そういえば最近ダイレクト向かい飛車を見なくなったなあ。そうそう、4手目角交換自体がすでにひとつの将棋でして、これが先手から見ると角交換振り4間飛車やダイレクト向かい飛車や一手損角交換への対応などなど、勉強しておかなくちゃいけない戦型が一気に増えてしまうクセモノ。序盤の勉強が全然間に合ってなかった頃、とにかくこれが怖かった(^^;)。将棋の勉強をはじめたての居飛車党の方には、鬼門の一手だと思います。そうそう、角交換四間飛車や三間飛車を除く4手目角交換将棋を勉強したい方には、糸谷さんの書いた『現代将棋の思想 ~一手損角換わり編~ 』が超おススメです。実際の一手損角換わり部分は、私は難しすぎて挫折してしまいましたが(まだ低級だったのに読んだのが間違いでした^^;)、序盤の作戦分岐やダイレクト向かい飛車対策あたりは超スバラシイ!…しかし本局はそうならず、△32金と慎重に指して羽生さんが横歩を回避、一手損でほぼ確定。

20151006王座63-4_佐藤天vs羽生_一手損13手▲25歩△88角成▲同銀△22銀▲68玉△33銀▲38銀△72銀▲58金右(13手目盤面図)
 以降は一手損角換わりから一直線。しいていえば、先手陣の右金をはやめに玉側に寄せたことで、37の地点の受けに金を間に合わせることが出来なくなったので先手は棒銀濃厚な展開でしょうか。そういえば、竜王戦で丸山さんの一手損角換わりを単手数で仕留めた渡辺さんの将棋も棒銀だった気が。。「一手損には早繰り銀」とはいうものの、先手棒銀の将棋も結構あるんですよね~。こうなると後手羽生さんの選択が気になりますが…

△74歩▲77銀△84歩▲78金△94歩
 おお~、先手棒銀と見て、棒銀の天敵早繰り銀を見せました!いや~、一手損戦を僕は先手でしか戦わないのですが、棒銀にしたことがないので▲棒銀-△早繰り銀戦は全然わかりません(^^;)。。角換わり棒銀を応用するにしても、この玉形では定跡は使えない…。。う~ん、こまった。。

▲36歩△73銀
 ん?こ、これは…相早繰り銀か?やばい、いくらでも前例のありそうな形ですが、全然わからない(^^;)。

▲46歩△85歩▲47銀△64銀
 ええええ(゚ロ゚ノ)ノ、先手、あそこから腰掛け銀にトランスフォームするのか?!いや~、後手に早繰り銀を決めさせておいてから有利な駒組みにシフトするのか、なんという序盤の攻防。天彦さん、ものすごい序盤の駆け引きを経て、▲腰掛け銀-△早繰り銀という、ジャンケンの法則だけで言えば先手指しやすい駒組みを作ってしまいました。う~んこれは凄い。これって定跡なのかなあ。一手損角換わり、奥が深いっす。それにしても参った、こういうのがあると山崎本の勉強だけではすでに対応しきれないじゃん。。やっぱり青野本も康光本も読まないと駄目か(;_;)。。しかしこれ、解説によると前例が少しだけあるそうで、すべて先手勝ち。う~ん、午前中にして、いつどちらが仕掛けてもおかしくない状況。

20151006王座63-4_佐藤天vs羽生_一手損28手◆◆◆◆

 さて、▲腰掛け銀-△早繰り銀となってからの中盤戦も凄かった!!いや~、この王座戦は難解極まる将棋の連続。今期タイトル戦でも断トツでハイレベルな戦いになった気がします。28手目盤面図も両者ギリギリの戦いというか、すごい。これ、早指しなら▲96歩とか▲56銀をパパッと指しちゃいそうですが、たとえば▲96歩と指すと後手の早繰り銀が成果を発揮して△75歩が間に合うんでしょうね。じゃあ追い込まれているのが先手なのかというと、後手はそもそも玉の囲いが全く間に合ってません。一手一手が手に汗握る展開、行ける所で一手でも見送ってしまうとそちらが悪くなっちゃう感じ、タイミングが異常に重要な気がして、見ているこちらがドキドキ状態です(^^;)。そして…

▲45歩△同歩▲56銀△46歩
 うおおお、天彦さん、先に仕掛けたああ!!!いや~、腰掛け銀からの4筋の仕掛けは常套手段ですが、僕はこれを後手がどう受けるんだろうかとドキドキしてみてました。後手は33の銀が動いたら▲24歩が飛んできて先手は飛車先の歩を切ることが出来るので、、4筋からの仕掛けを喰らったら後手は完全に受け切るのはもう無理、攻め合いにして勝つしかないと思ってました。というわけで、僕は▲56銀に代えて▲45同桂で先手勝負に行くのかと思ってたんですが、ここで天彦さんは腰掛け銀を完成。あれ、これはなぜなのかと思ったら…

▲66歩
 うわあ、天彦さん、早繰り銀を押し返す気か?!天彦さん、怖えええ。。羽生さん、ここは何かいい手を見つけないと大差になっちゃいそうですが…僕には指し手が分かりません(- -*)。攻めなら△75歩、受けなら…いや、受けるようでは負けかも知れない。

△35歩
 おっかねえええ、羽生さん、なんと3筋から反撃(゚д゙)!!
急所の桂頭を狙うのは分かりますが、自陣左辺を崩壊させる諸刃の剣にも見えます。だってこの局面、後手陣は居玉の上にスッカスカじゃないですか。もう、それぐらいに切羽詰まった状況という事なんでしょうか。えっと、▲同歩△36歩▲45桂に…

▲65歩△73銀▲45桂△36歩▲48金
 うあああ、全然違う、天彦さんも手抜いて反撃だあああ!!いや~、これは抜き差しならない状況になりました。これは大喧嘩になるか…と思いきや、ここで羽生さんは銀を引きました。第3局で受けに回って完封負けしたばかりなので、この銀引きはおっかなく見えるなあ。という所で、羽生さん…

20151006王座63-4_佐藤天vs羽生_一手損40手△59角

なんだこりゃああああああ!!いやあ、善悪はまったく分かりませんが、どうやったらこんな手を思いつくんだろうか。これ、仮に手抜いて攻め合うとどうなるんだ?▲71角だと△72飛▲53角成に…あああなるほど、△37歩成が間に合うと後手が良さそうになるのか!!という事は、▲33桂成でも同じことか。これは先手いったん守らなくてはいけないかも。いやあ、羽生さんすげえ、鳥肌立ったわ。。

▲26角△43金左▲68銀△48角成▲同飛
 先手は守るだけでなく攻防の角。対する金上がりは受けの駒を増やしながらの反撃の拠点を作るこれまた攻防手。そして▲68銀で後手角は詰み、角金交換の駒損となりましたが、これで飛車が2筋から逸れる事に。そして…

△44銀
 その4筋に駒を集めるとともに、絶対に助からないと思っていた左銀が助かりました。この魔術のような手順、信じられません。どちらが良いのかは分かりませんが、この驚異の順は感動的だ、鳥肌が止まらん。。

 さて、ここからも難解きわまりない局面が続き、両者の高度すぎる将棋が続きました。金取りを受けずに反撃、玉頭への利かしを手抜いて両取り狙い、連打の歩からの凌ぎ…互いに一手でも間違えたらアウトになりそうな難解な局面で見事すぎる手の連続。これはすごい…。。しかし、やっぱりあの恐怖の角の打ちこみから天彦さんのペースが狂ったか、あの居玉でボロボロ状態だった後手の方が良くなったみたい。信じられませんが、左辺まで相手の手に乗りながら修正しちゃった。最後は受け潰しからの着実な寄せが決まり、88手にて後手羽生さんの勝ち!

 いや~、すごい将棋でした!!本局に限らず、この王座戦はものすごい高度な将棋ばかり。今日も88手で最後は大差でしたが、内容はいやいやどうして、ほんの一手緩手を指しただけでも結果は変わっていたんじゃないかと思いました。だいたい、今日の天彦さんの指し手のどこに悪手があったんでしょうか。しいて言えば、仕掛けの場面で33銀を動かしに行かずに、欲張って抑え込みに行ったところ?いやあ、あれだって早繰り銀をつぶすのに成功したんだし、緩手どころか、作戦負けとも思えません。これだけスバラシイ将棋の連発だと、第5局で終わるのがもったいないなあ。ここまで来ると、どちらにも勝ってほしいなあ。


『山崎隆之の一手損角換わり』

Yamazaki_Ittezon.jpg 序盤勉強がなかなか進まなくなってしまいましたが、細々と続けていたのがこの本の勉強(^^)。今の勉強プランでは読み終わるまで待っていたら全然レビュー出来そうにないので、第1章(大体1/4)を読み終わっただけですが、ここでひとまずレビュー。僕が待ちに待った一手損角換わりの定跡書です!!いや~、これが発売になった時は飛びついて買ってしまいました。山崎さん、ありがと~。。

 この本の目次は以下の通り。
1章 △3二金型VS腰掛け銀
2章 △3二金型VS早繰り銀
3章 △8八角成型VS早繰り銀
4章 糸谷流△7三銀戦法
5章 棋譜解説


 まず、この本以前の知識として、「一手損で相腰かけ銀は後手大歓迎」という点と、「一手損は早くり銀に対応しにくい」というのがあります。とはいえ、一手損角換わり全盛期にはまだ将棋を始めていなかった僕は、実践で一手損を喰らうことが少なかったです。それに輪をかけて正調角換わりはガンガン喰らっていたので、先に角換わりの勉強を済ませてました。結果、角換わりでの自分の得意戦型が腰掛け銀になり、一手損では△85桂が飛んでくるのが分かっていながらも相腰かけ銀にしていたわけです(^^;)。。そんな僕なので、手っ取り早くいくなら第2章から読めばいいのに、正調も一手損も腰掛け銀だけで何とかならないものなかと、淡い期待を込めて第1章から読みました(^^)。

(1章:相腰掛け銀)
 全部で220ページほどのこの本、50ページほどが第1章に割かれています。普通の腰掛け銀の変化は、あまり丁寧に書かれてません。多分、一手損の本筋を早繰り銀と見ているんでしょうね。腰掛け銀を深く研究したいのであれば、青野さんの「後手番一手損角換わり戦法 (スーパー将棋講座)」の方がいいかも。あ、そうそう、青野さんの本は、角換わりの主要戦法となる腰掛け銀、早繰り銀、棒銀それぞれをバランスよく説明してくれていて、こちらもおススメです。とくに後手番で一手損を指す人にはマストかも。そうそう、渡辺‐丸山の竜王戦の棋譜なんかも、めっちゃくちゃ参考になります。
 えっと、ハナシをこの本に戻しまして、じゃあなぜこの章に50ページかかったかというと、山崎流△52飛戦法なるものにページを割いているからです(^^;)。いや~、こんな筋、僕は今まで喰らった事がないです(^^)。というわけで、先手で相腰かけ銀を指すなら、この部分は読んでおいた方が良いかも。山崎流を初見で破るのは至難の業に思えました。逆に後手で指すなら、まずは先手が相腰かけ銀にしてくれないと、そもそも相腰かけ銀の選択を出来ないし、またわざわざ山崎流にしなくても後手指しやすい展開に出来ると思うので、山崎流を選ばないなら飛ばしてもオッケーかと。

 あと、1章に関しての話ですが、山崎さんがはやめに検討を打ち切っている変化筋に注意。山崎さん、「これで先手は馬を作るので駄目」とか「端を突破されて終了」みたいに書いてある筋でも、僕ぐらいの棋力(千駄ヶ谷3段ぐらいです)だと、とてもそうは思えない所がちょくちょくありました。指し進めてみて「あ、なるほど」という所もあったんですが、どうしても打開の順序が分からないものもあったり(これは僕の棋力の問題かも)、反撃筋を思いついたりする所も。山崎さんは将棋も独特なので、羽生世代の将棋本や対局を中心に勉強してきた僕とは、形勢判断の感覚が違うのかもしれません。まあこの辺りは世代差や個人差があるんでしょうね。

 な~んて感じで、第1章のレビューでした。う~ん、糸谷vs渡辺という、角換わりの達人同士の対戦となった竜王戦が始まるまでに、全部読み終えることが出来るだろうか、自信ないなあ(^^;)。でも、出来る所まで頑張りたいと思います!!


第65回NHK杯 久保利明 vs 藤森哲也 (先手四間飛車)

 めっちゃくちゃ面白かったです!!仕事が忙しくって仕事場に連日連夜の合宿状態でしたが、この将棋は面白くって途中から見入ってしまいました(^^)。

 仕事をしながらのながら見でザックリとしか分からないのですが、序盤から駆け引きが凄かった!後手の藤森さんが1筋の歩を突き越して位取り、先手の久保さんは端歩を受けずに藤井システム気味の駒組みから攻め筋を優先、これで居飛車vs振り飛車の将棋に。先手久保さんの構想が功を奏し、角筋を開けて後手陣を直撃、これで後手に制約が加わって、後手指しにくい将棋になったかと思いました。しかしここからの藤森さんの中段玉からの受けと玉頭直撃の反撃が見事!!こうなってからは何度も逆転があったんじゃないかという大熱戦、終盤にも久保さんの見事な切り返し、藤森さんの素晴らしすぎる攻防の金上がり(これが凄かった!こんな手見えないよ…)などの好手連発、見ていてドキドキしてしまいました(^^)。

 いや~、今週は鬼のメンツになった王将リーグでの▲佐藤康-△羽生戦が、角換わり相腰かけ銀で佐藤さんが銀をあがらずに穴熊に組み、それを羽生さんが端攻め一発で仕留めた将棋とか、A級順位戦の▲久保-△郷田戦もめっちゃくちゃ面白い将棋で、将棋好きにとっては最高の一週間だったんじゃないかと思うんですが、どれもこれもたまに覗き見するだけで全然調べられてません(;_;)。ブログを書く時間なんて全くなし。

 でも、40歳を過ぎてからは、自分の人生の残り時間を考えるようになりまして、ぼんやり生きているわけにはいかない状況となってきたので、やっぱり将棋はあくまで趣味にしておかないと。でも、この仕事が終わったら、今週観た3局は全部ちゃんと見直してみたいなあ(^^)。





プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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