第28期竜王戦 挑戦者決定戦 第2局 渡辺明 vs 永瀬拓矢 (矢倉 脇システム)

 竜王戦挑戦者決定戦3番勝負の第2局をやってます。ただいま終盤ですが、この前の王位戦最終局に続いてこれも凄い!どちらも天才なんじゃなかろうか。手をひねり出し、まずい筋を消し、悪そうな局面では複雑な局面を作り出し、ここぞという所では時間を使って考えに考え抜いて手を作る。ものすごい棋譜、大名局じゃないでしょうか。見ていて涙が出てしまいそう。ここまで来ると、どちらにも勝って欲しいです(o^ー^o)。

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20150831竜王28挑決2_渡辺vs永瀬_矢倉脇システム75手 今日の将棋は矢倉脇システム。最近は矢倉になると先手が脇システムを選ぶケースが増えている気がしますが、先手の勝率はそこまで良くない気がします。それでも選ぶというのは、それだけ先手番の矢倉が苦労しているという事かも。そして、相棒銀のような形になって、75手目盤面図でいよいよ終盤という感じ。矢倉は開戦までの駆け引きが凄すぎる(^^;)。。この盤面図、後手は玉形が悪い代わりに攻撃態勢は十分、先手は守りの形は悪くないものの挟撃形を作られて受け切れるかどうかという感じ、攻めはちょっと出遅れた、みたいな感じでしょうか。これは、ここまでに先手渡辺玉が矢倉城に入ったり出たりしたので、実質2手損したのが大きかったかも。この盤面図で僕が凄いと思ったのは後手の47の歩。これ、永瀬さんが手裏剣で打ち込んだものですが、これはうまいと思いました。ほら、飛車の利きを逸らすか、と金を作るために78に歩を垂らす事があるじゃないですか。あれの応用じゃないかと思うんですが、これは僕には思いつかなかったもので、垂らされた瞬間は「あっ」と声が出てしまいました(*^_^*)。ここから…

△37歩成▲同飛△48歩成
 後手はこれで挟撃態勢が整いました!しかし、3筋の歩の成り捨てをしたために、先手飛車筋が後手陣に思いっきり突き刺さってます。いや~、これは先手から何かいい攻め筋はないんだろうか。

▲57金
 うおお、ここで攻めずにいったん守るのか?!しかもこの金寄り、ただでさえ重くなった角筋を更に止めることになるので、ちょっとどうかと思ったんですが…ああなるほど、後手が駒切れしている以上、と金の寄せはこれで止まるのか。う~ん、この守りの筋も勉強になりました(^^)。

△33桂▲同桂成△同金寄
 いや~、これも指された瞬間にビクッとしてしまいました。いや、これは踏み込んだ手というか、最近は終盤で知らず知らず踏み込めなくなっている僕にとっては「うおお、すげえな」という選択でした。だってこれ、先手の攻めを督促しているようなものなので、読みを入れてなくては怖くて指せないと思うんですよね。でも、これが上手くいくのなら、玉を広く出来ると同時に玉頭に厚みを築くことが出来、更に駒台を賑わすことが出来て自分から寄せに行きやすくなる、という事でしょうね。いや~、これは永瀬さん見事なのか、それとも負けをはやめたか…。それにしても、△33同金寄が速かった!これ、金か銀かはそれほど簡単じゃないと思うんですが(^^)。

▲34歩△43金寄▲45歩
 ここもまったく意外というか、僕の予想はこれでもかというぐらいに当たりません(゚ω゚*)。僕は▲34歩に代えて絶対に▲45桂だと思ってました。なぜなら、▲34歩の打ち込みは自分の銀が活用できなくないり、飛車筋も止まって重いから。昔、四間飛車破りの急戦棒銀を勉強した時、棒銀は捌けなくなったらその時点で負け、というのが身に染みてるんですよね。でも、なぜ▲34歩か。これは攻めの問題じゃなくって、通らない角筋を通さないと、と金の寄せが厳しいと思ってるんでしょうね。う~ん、将棋はこの攻防の計算が面白いと同時に難しい。
 しかしその代償に決まった▲45歩、これが今日の勝敗を左右しそうな気が。攻め合いになった時って、歩で矢倉城の金駒を2枚抜けるとめっちゃくちゃ大きいんですよね。仮に2枚替えでもお釣りがくるぐらいに得になる事が多いというか。

△86歩
 うおお、永瀬さん、銀取りを手抜いて攻めあいにいったああああ!!!!
マジかこれ、ここで踏み込んだという事は、読み切ったか、悪いと見て勝負に行ったのか。ここも大きなポイントだった気が。

▲同歩
 ここの渡辺さんの▲86同歩は普通すぎるぐらいに普通というか、これを取らないと大概悪い事が多い気がするんですが、しかしこの場合は先手からの歩の攻めと、後手棒銀なので95みたいないい所に桂を打ち込みにくいという事もあるので、代えて▲44歩の攻め合いにしたらどうだったんでしょうか。というか、ここはもう攻め合いなので、▲44歩の攻めで間に合うかどうかから僕は考えていたんですが、▲44歩△87歩成▲同金で、以下仮に単純な攻め合いだとすると、△86歩▲同銀△同角▲43歩成…いや、これは先手陣が危険すぎますね。いや~、攻め合いだと後手が良さそうなのか。というわけで、やっぱり先手が一度受けに回るのは仕方ないんですね。

20150831竜王28挑決2_渡辺vs永瀬_矢倉脇システム88手△85桂打(88手目盤面図)
 うおお、更に攻めを繋いだあああ!!!しかしこれ…歩で取れば更に△同桂でこれが激痛は分かりますが、今度こそここで先手が攻め合いに行くと?▲44歩△77桂成▲同角△同角▲87歩に…いやあ、ここから後手はどうやって手を繋ぐんだ?単に馬を作る?69に銀か角を打ち込む?ここで手を戻す?う~ん、なんか読みぬけてるのかなあ、これは無理攻めじゃないのか?

▲67金寄△77桂成▲同金△58と
 うおお、渡辺さん、ここも守りにいった!いやあ、この局面だけ見れば良い手なのかもわかりませんが、今日の渡辺さんは玉の出し入れに金の反復横跳びなどで、手損が大きい気がします。しかしこの受けも思いつかなかったというか、▲57金でと金を止めに行った以上は、負けてもそれで行くものだと思っていたので、やっぱり見えなかった(^^)。。僕だったら、先手も後手でも2~3回負かされてるな。。

▲44歩△86銀▲同金△同角▲同角△同飛
 ここでようやく先手待望の▲44歩!!しかし…永瀬さん、なんとこれを手抜いて△86銀から攻め合い!!いやあ、これは相ゴマ問題どころか、次の△69銀が厳しすぎて、もうダメなんじゃないかい?

▲87歩△69銀▲43歩成△78銀成▲同玉△69角
 ああああ、これは必至だわ。。というわけで、104手にて後手永瀬さんの勝ち!これで対戦成績は1勝1敗の五分、勝負は最終局にもつれ込みました!!

 いや~、これもすごい将棋でした!出遅れながらも勝負形に持って行った渡辺さんがまず見事。また、永瀬さんの踏み込みが凄かった!先手の守りに限っても、と金を一路遠ざけたままが良いのか、どうせ捌けなくなった先手角だから、後手の角桂という前に利かない攻め駒での攻撃というのを見越して、後手の手に乗って角を77に持ってきたらどうだったか…などなど、見ていてものすごく面白かったです。またこれに先手からの▲44歩の攻め合いに踏み込めるタイミングがあったか、もしあったならそれはいつだったか、なかったなら▲34歩に代えて▲45桂から銀を活用しに行けなかったか…など、見ていてものすごく考えさせられる、見事な棋譜だったと思います。こうなったのも、序盤から中盤に入っていくところの攻防、特に互いの読みが素晴らしかったからだと思うんですよね。
 これはいい将棋を見せてもらいました。面白かったああ!!!


買ってしまった、『山崎隆之の一手損角換わり』!!

Yamazaki_Ittezon.jpg 仕事に全力、将棋はあくまで趣味。あまりに将棋に熱中してしまうので、こう自分に言い聞かせた1年ほど前から、序盤定跡の勉強ペースがガタっと落ちました(^^;ゞイヤァ。まあこれは仕方ない。仕方ないんですが、それにしても一手損角換わりの勉強がはかどりません。これはどうにかしないといけないと思っていたところで、満を持して登場した山崎さんの一手損定跡書!僕は結構律儀な性格で、読み始めた本は最後まで読まないと気が済まないタイプ。でも、ぜんぜん進まないこの状況を打破するため、現在読み途中の『後手番一手損角換わり戦法』をいったん中止して、山崎さんの本を読む事にしました!いや~、本当に欲しいものを買ったときの喜びって、格別ですね(^^)。

 昨日から読み始めて、現在は相腰かけ銀のところ。相腰かけ銀に関してだけ言うと、青野さんの本の方が広いし深いし説明も丁寧ですが、これは多分山崎さんが後手一手損に対して腰掛け銀は不利とみているから、腰掛け銀は有名な定跡筋だけざっくり説明して先に進もうとしているからなんだと思います。というわけで、青野本も読んでいて無駄でなかった、よかったよかった。山崎本を読んで、逆に青野本も読みたくなったという相乗効果です(^^)。で、以降にどういう筋を紹介してくれているかを目次で確認してみると…すごく良い本という印象。山崎さんの軽さも伝わってきます(^^;)。いや~、この本を読み終わるまで、ものすごく楽しい時間が過ごせそうです。定跡書をこんなにウキウキした気分で読むのは初めてかもしれません(〃⌒ー⌒〃)ゞ 。山崎さん、ありがとう!!!



第56期王位戦 第5局 広瀬章人 vs 羽生善治 (角換わり相腰かけ銀)

 王位戦は羽生さんが先にリーチをかけたので、広瀬さんは背水の陣となりました。第4局の四間飛車穴熊で完敗したのが痛かった…な~んて事を言っていてもあとの祭りなので、広瀬さんはここは気分一新、一戦必勝で臨むしかない!そして戦型は…角換わりだああああ!!これは1日目はきっと定跡をなぞるぐらいのことで終わりそうだな、明日マジメに見ることにしよう、そうしよう(^^)。。

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 ただいま2日目の19時前、終局直後です。感動で震えが止まりません。とんでもない終盤、一方的な負け将棋になったかと思っていた局面を覆す驚異の指しまわし。羽生さん、いったいどういう頭脳をしてるんだ?こんなことがあり得るのか、相手は終盤力ではA級でもトップクラスの廣瀬さんだぞ…。この終盤、僕には互いの指し手があまりに難解すぎて、まったく訳分からず。今はパニック状態でとてもブログを書ける状態にありません。ちょっと気持ちを落ち着けた後で、記事を更新するかも。

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20150826王位56-5_広瀬vs羽生_角換腰掛銀62手 えっと、まずは封じ手となった62手目△69角から。後手の羽生さん、この封じ手を考えるのに1時間23分を使う大長考でした。
妻「え?▲58金ってされたらどうするの?」
俺「ああ、それは多分△95飛と走るんじゃないかなあ。」
妻「じゃ、▲26飛で36の歩に紐をつけられたら?」
俺「同じだよ、△95飛がやっぱり厳しい(実は自信なし^^;)」
妻(疑いのまなざし)

 とは言ったものの、じゃあ先手が何したらいいかというと…難しいいいいい。。プロの相腰かけ銀って、中盤がなんでこんなに難しいんでしょうね。攻める手は考えましたが何やっても遅そう、というわけで9筋の飛車が走るのを防ぐなら▲97香?

▲84角△36角成
 あ、香じゃなくて角で止めるのか。なるほどこれなら機を見て角の成りこみからの挟撃形を作れそうですね。一方の羽生さんは、この手と交換に馬を作りました。僕はここで△27歩▲同飛を挟んでから馬を作ると思ってたんですが、いくら飛車に当たるからと言っても引かれればそれまでだし、そんな手のために最後の一歩を遣うのは危険すぎる、という事でしょうね。

▲47金△27歩▲38飛△26馬
 羽生さんは飛車と馬の交換を迫りながら攻めを繋ぎます。いや~、△26馬のところ、僕なら絶対△35馬で24の歩を抜きに行くな、玉頭に垂れ歩なんて怖すぎ。あれを放置しておくなんて、僕なら絶対20手先ぐらいに頓死する自信があります(^^)。。しかし羽生さんは攻めの手を選択。うひょ~、おっかねええええ。。

▲66歩
妻「あれ、桂馬が捕まっちゃったよ、羽生さん大丈夫なの?桂馬をタダで取られるよりも、△57桂▲同銀で歩と桂の交換をした方がいいね」
俺「いやいや、それだと明らかな損だから、こういう受からない時は手抜いて反撃の筋を探すんだよ」
妻「たとえば、どんな手?」
俺「ぐぬぬ…えっと…(分からねええええええ)」

△67歩▲同銀引△35歩
 いやあ、なるほどそういう反撃筋か!!そうか一手で何とかしなくても、桂詰めろにするだけでもいいんですね。しかも一発叩いてから桂を手にした直後の打ち込みまで狙っているとは。しかし、先手の角の場所が良すぎ。もし2筋の垂れ歩を抜けないまま▲51角を実現されると、一気に先手勝ちになっちゃいそうです。

▲65歩△36歩▲25桂△同馬▲36金
 いや~、こうなってみると先手の方が良いんじゃないかい?後手は何とか24の歩を抜けそうですが、玉頭は馬ごと抑え込まれる形になっちゃったぞ…

△28歩成▲25金△38と
 うおお、羽生さん、ここで飛馬交換を迫りに行ったあああ!!!いや、24の歩を抜かずに残し、更に金の紐までつけられる形にして大丈夫なのか??いやあ、アマチュアなら絶対にこの手は選ばないんじゃないでしょうか。信じられません、仮に僕が形勢判断をするとすると、もうこれは先手よし、いやいや先手優勢と言いたいっす。

20150826王位56-5_広瀬vs羽生_角換腰掛銀83手 その数手後となる83手目盤面図。広瀬さん、矢倉城の急所中の急所に角を打ち込みました。あああ、もうこれは優勢どころか先手勝勢なんじゃないかい?後手はどうやって凌ぐんだよ…

△31桂▲43桂成△同銀▲34歩△25飛成
 いや~、攻めも守りもありそうな手のオンパレードですが、とにかく順序が難しすぎる。特に後手は少し順を間違えただけで即死しそうな局面ですが…

▲33歩成△同桂▲51角成
 あああああああ遂に来た、▲51角成!!!もうこれは終局も近いか…

△24龍▲97香
 しかしここで遂に羽生さんは24の歩を抜きました!!抜きましたが…おおおお、矢倉城の前方が視界良好になってます!!うああ信じられん、これは入玉を目指して粘れるか?!それにしても、ここで▲97香か、廣瀬さん辛いな、羽生さんの唯一の楽しみの反撃筋&51の馬を消す方法を摘んでしまいました。。そして…

△66歩▲同銀△48と
 ドラマはここから始まってしまった。
いや~、このと金の遅い寄せは、いかにも羽生さんっぽいというか、受けを読み切れてないとまず指せないんじゃないでしょうか。俺なら間違いなく入玉しやすいようにと金を残しておくな…

▲36銀△25金▲37金
 うおおお、廣瀬さん、入玉を消しに行ったあああ!!!いや~、入玉を消すために金駒2枚を投資するのはもったいない気がしますが…あああ歩じゃ止まらないのか。なんか、他の寄せの方法はなかったんでしょうか…なさそうです。なんと、後手は入玉と攻めのバランスを取る将棋に、先手は入玉を止めながら後手の攻め筋を消す将棋になってしまいました。信じられない話ですが、あの先手の優勢が決定したような飛車角交換は、入玉を見据えての交換だったわけですね。何という大局観と、受け将棋の読みの深さよ…。

△54桂
 いやあ、これは見事な打ち込み!これで▲55銀と吊り上げ57の利きを外してからと金の寄せですね。いやあ、これは見事と思ったら…

▲67銀△58と
 うああああ、廣瀬さん、銀を逃げずに勝負手を放ったああああ!!
いや~、なんだこれ、当然次に△66桂が飛んできて、しかもそれが金あたりで手抜けないんですけど。。これ、僕は読み切れませんでしたが、▲55銀でははっきりまずい順があったんでしょうね。終盤力が神がかった人同士の対局って、すごすぎる。何が起きているのかさっぱりわかりません(゚∀゚*)エヘヘ。

20150826王位56-5_広瀬vs羽生_角換腰掛銀105手▲25銀△同龍▲26金打(105手目盤面図)
 先手は龍に入られると完全に挟撃形になってしまうので、これを消しに行きました。たしかに、と金の単騎攻めならなんとか凌げそうですし、とにかく玉頭を押さえないことには寄せられなそうですしね。それは分かるんですが…26で止める駒は歩でなくて金?!いや~、廣瀬さんには何かまずい筋が見えてるんでしょうね。僕には全く分かりませんが、勘でいうと、あの龍さえ止めてしまえば自玉のよりだけは消せると思ってるんじゃないかと。

△66桂▲同銀
 うおおおおお、羽生さん、その龍を見捨てて踏み込んだああああ!!!いや~、この瞬間は、羽生さんと廣瀬さんで読みがずれた瞬間というか、羽生さんは龍が止まっても踏み込めると判断したという事ですよね?いや、僕にはまだ先手玉の寄り筋が見えません…

△69銀▲79金
 あああ、更に龍を逃げずに攻めに行ったあああ!!!これ、別に詰めろになっているわけじゃないですよね?先手が手抜けば確かに厳しいけど、何か寄り筋が見えてるんだろうか?逆に、飛車が逃げるとまずい?▲23龍は桂の打ち込みがまずいので、▲34龍あたりで…俺はアホか、歩で押さえられてヤバすぎる。じゃ、▲24龍だと?…△36桂かな?いや~なるほど、今ごろ広瀬さんが金で抑え込みに行った理由が分かりました。これ、後手は龍を逃げている暇がないじゃないかい!!いや~凄い終盤になってしまいました。しかし、ここからの寄せ方が分からない…

△68銀▲69金△同銀不成
 いや、△68銀は僕も考えたんですよ、でも▲69の方の銀を抜かれると、一路遠くなって寄せきれないんじゃないかと思ったんですが…

▲96香
 いやあ、この廣瀬さんの受けも抜群というか、後手に斜めの駒がないのを見ての玉の逃げ場作りですね。僕はこれで先手玉の詰みは消えたと思ってました。しかし…

20150826王位56-5_広瀬vs羽生_角換腰掛銀114手△52飛▲同角成△同銀
 うああああああああ何だこれは(゚ロ゚ノ)ノ!!!!こんな乱暴な斜めの駒の補充の仕方、見た事ねえええ!!しかしきついのは、ここで先手が速く後手玉に迫る手がない!!歩で叩いたら?…駄目だ、龍で弾かれてむしろ固くなっちゃうわ。。となると、△79角を受けなくてはなりませんが…

▲79銀
 先手、埋めました。これは当然の一着ですが、次の後手の手が分からない。ええっと…

△68角
 うおおお、そこか!えっと、しかし▲同銀で受かっちゃうんじゃ…いやいや、これ、△同とがめっちゃ厳しくないかい?ああああ、これは寄ったああああ!!!

というわけで、以下数手続きましたが、あとは一手一手。結果、124手にて後手羽生王位の勝ち、羽生王位の4勝1敗で防衛です!

 いや~、リアルタイムで見ていたときは終盤の逆転劇かと思っていたんですが、飛車馬交換を構想して入玉を見せた段階で、廣瀬さんはかなり厳しい戦いになっていたのかもしれません。という事は、中終盤での構想部分が勝負の分かれ目だったのかも。いや~、なんという大局観、しびれました。。ああ、こんな検討してたら深い時間になっちゃった。かみさんとご飯食べに行こう!!それにしても、素晴らしい将棋を見せてくれた羽生さんと廣瀬さん、ありがとう、感動しました!!


第65回NHK杯 糸谷哲郎 vs 井上慶太 (矢倉)

 これは面白かった!自宅で残務をやっつけながら見ていたのですが、ものすごい激戦!相矢倉とはいえ、序盤から後手の井上さんが工夫しまくり、角換わりとなるのを巧みに回避して糸谷さんの得意形にさせません。井上さんの将棋は、序盤ですごく趣向を凝らしてくるので、めちゃくちゃ面白いです(^^)。。ここからはほとんど力戦のような格好になり、井上さんが見事に中終盤を制しました!これは糸谷竜王、まさかの初戦敗退か…と思いきや、終盤の逆転術が炸裂!!いや~、力戦型になったので、そこから棋譜を取るのをやめてしまったんですが、これは取っておけばよかったなあ。。

 糸谷竜王の何が優れているって、劣勢での逆転を狙う手への踏み込みと、終盤で秒読みになると得意の早見えがいかんなく発揮されるところでしょうか。これが相乗効果で終盤で負けをひっくり返す将棋が多いことに繋がっている気がします。竜王奪取となった前回の竜王戦でも、挑戦者決定戦で羽生さんが餌食になり、番勝負では森内さんが餌食になりました。次の竜王戦、渡辺さんが挑戦になる気がしますが、渡辺さんはとにかく終盤に時間を残しておくようにした方がいいかもしれませんね(^^)。


第74期順位戦 A級3回戦 森内俊之 vs 佐藤天彦 (矢倉)

 A級順位戦ももう3回戦ですか、はやいですね~。A級注目の的は今年とうとうA級にあがってきた佐藤天彦さん。最近負け知らず、A級棋士ですら片っ端からなで斬り状態。なんで天彦さんって急に強くなったんだ?その天彦さん、ついに森内さんとの対局となりました!いや~、森内さんを斬ったらさすがに本物だぞ…。

 この将棋、とにかく難解でした。今期見た将棋の中で一番難解だったかも。昔、米長さんが「将棋が1局100手だとすると、どれだけ考えてもわからない手が2手(3手だったっけ?)ある」みたいなことを言ってましたが、僕にとってこの将棋は、どうやって指せばいいのかが分からない局面の連続でした。先手を持っても後手を持っても、ここでいい手がないとまずい、みたいな状況がどんどん出てくるんですが、それが分からない(^^;)。。将棋は森内さん先手の早囲い、それに対する天彦さんは角を84に設置(!)して玉を潜らずという急戦調の指しまわし。

20150821順位74A_森内vs佐藤天54手 54手目盤面図、ここまでもかなり難しい小競り合いが続いていてすごく難しかったんですが、ここでいったん先手の駒組みが一段落。この時点でどちらがいいかは分かりませんが、これだけ争点が多くて駒組みに差があると、もうどちらかが有利であってもおかしくないんでしょうね(^^;)。個人的にすごいと思ったのは先手の森内さんで、かなり際どい後手のちょっかいをかいくぐって、ここまで綺麗な形に組み上げてしまうんだからすごい。でも、争点そのものは先手陣営に多く、ここで先手の手番ですが、ここは右桂を攻撃参加させてもう少し溜めるか、端から行くか、後手から仕掛けさせてカウンターを狙うか…

▲15歩△同歩▲14歩
 おお~、森内さん、一番攻撃的な手で先着したあああ!!いや~、森内さんなら更に駒組みを進めるかと思ってました。これ、△同香なら▲25銀で先手の仕掛けは成功しそうですが、ここで手番は後手の天彦さん。反撃の厳しそうな局面かと思ったんですが…

△43金右▲15香△12歩
 うああ、天彦さん、ここでほとんど一手パスの玉固めか、ここ数手に関して言えば、まるで天彦さんと森内さんの人格が入れ替わったみたいだよ。いや~、これは強い人じゃないと指せないんじゃないかい?だって、1筋の攻防戦をどうぞどうぞと言っているみたいなものですよね。

▲54歩△同歩▲52歩△41玉
 ここもメッチャクチャすごいと思った手のやり取りでした。普通なら1筋から仕掛けた以上、右桂を跳ねだして1筋突破を目指すものだと思ったんですが、ここで森内さんは一転して5筋に手をかけ、挟撃を狙いました。う~んなるほど、後手玉は入城しなかったのだから右辺への逃げ出しが広いというわけで、そちらで先に火の手を上げておこうという事ですね。それにしてもこの仕掛け筋、すげえ。。これはちょっと覚えておこう。しかしこれで先手歩切れ。

▲75歩△同角▲65歩△55銀
 森内さん、更に7筋と6筋に歩の突き捨てを入れました。うあああ、もう分かんねえええ…。しかしここで天彦さんが△55銀の一発で先手角を止めてしまいました。いやあ、この角を止められると、先手の歩の突き捨ての仕掛けは失敗なんじゃないかい??森内さんは大局観的な指しまわしを見せましたが、こう受けられることが見えていたら、玉を右辺に逃がしてでも1筋を制圧しておいた方が良かった気もします。一筋を制圧したことにひとまず満足して手番を渡し、そこから攻守を繰り返しながら反撃、みたいにした方が森内将棋に引きずり込めたかも。

20150821順位74A_森内vs佐藤天105手 …な~んて偉そうなことを言ってしまいましたが、ここからの森内さんの指しまわしが見事、実際に後手右辺を制圧してしまいました。森内さん、アマチュア弱小のくせに偉そうなことを言って申し訳ありませんでした<(_ _)>。。106手目盤面図がそれですが、しかし恐ろしいのは先手も玉頭に思いっきり桂を利かされていること。しかも、この桂を外しにくい。ここ、先手は自分で玉形を整えに行くよりも、後手が迂闊な攻めをしてもらって応手しながら勝手に整えることが出来れば理想という気もしますが、相手は現在絶好調の天彦さんだし、そんなわけにはいかないですよね…。

△95香▲同香△97歩
 うわあ、先手玉狭すぎる…。これで先手は金駒をまったく渡せないという制約をつけられてしまいました。先手から明確な攻め筋が見えなかったら、悪いと思っても▲98歩とぶつけたいけど、そういう事をやってるからなかなか昇段できないんだよな。でも先手どうすればいいんだろうか。金駒を渡さず、後手の自陣飛車を眠らせたままで攻める手、という事ですよね。。

▲86銀(109手目)
 あ、森内さんも受けを選んだ(^^)。しかもこっちの方が全然いいや。

△15龍
 うああ、香を補充された!!次の△56香が受けにくいぞ、先手から見ると難解な局面続きです。。

▲97銀△56香
 それでも森内さんは自陣の危険を減らすことを優先。ここも先手でどう指せばいいか、難しすぎる。。こういう将棋を毎日見ていたら強くなれるんだろうな。反撃するならここですが、さて森内さんどうするか…

▲33歩
 うああああ、すげえ、ここで軽手か!!しかしこれ、金寄りで取ってくれれば▲53とが実現するけど、桂で外されたらどうするんだ??う~ん、仮に金寄りから△53とが実現したとしても、後手陣はむしろ引き締まる上に△57香成の方が速いんじゃ…

△57香成
 うおおお、天彦さん、どの受けも選ばずに攻め合いに踏み込んだああ!!!

▲同歩
 うああ森内さんやっちゃった、これは級位者ですらはっきりミスと感じる悪手なんじゃないかと。だって、先に▲32歩成を入れておけば王手だから後手は手抜けないし、これは金一枚を取り損ねたうえに、▲33歩自体が無意味になってしまうんじゃないかと。

 おそらくこれで勝負あり、以下一気に形勢が傾いて126手にて後手佐藤天彦さんの勝ち!!

 先手にとって難しい局面のオンパレードだったんじゃないかと。この苦しさ、横歩△45角戦法を定跡を知らないまま受けるような難しさというか、先手は一手でも間違えたら即死級の難解さと感じました。でも、最前手を見つけ続けたら先手の方が良いという事もあったんでしょうか。プロの解説では「先手有利」なんて言われていたので、プロが見たら「先手の方が難解な指し手の連続だけど、それでも最前手を指し続けたら先手の方が良い将棋」という事だったのかもしれません。

 では、中終盤の難解な局面で、では森内さんにどういう反撃筋があったか。まず、109手目▲86銀と守りに行った手は、一手頓死クラスの危険な形であったから指したい手だったと思うんですが、その手を指すと△15龍の香補充~△56香を喰らうことが確定。だから▲86銀を指すなら以下の流れを喰らっても先手の攻めの方が勝る筋を見つけてないといけないんでしょうね。じゃ、その手があるかどうかで▲86銀が成立するかどうかが決まると思うんですが、反撃筋はあったか。たとえば、△15龍に対して▲73角で香に紐をつけて2枚の銀にあてての攻め合いは?△57香成▲同歩△18龍…駄目だ、後手の方が速い。だとしたら、めっちゃくちゃ怖いですが、自陣を安全にさせないまま、金駒を渡さずに寄せるという方針が正しかったのかな?いや~、これも検討してみないと分かりませんが、金も銀も渡すわけにはいかなで攻めをつなげるって、ちょっと難しすぎる気がします(^^;)。
 
 それにしても、よもや森内さんまで倒してしまうとは、今の天彦さんは本当に強い!数年前までの天彦さんを知っている身としては、ずっと「一時的なものなんだろうな」と思っていたのですが、序中盤で見事な指しまわしを見せた森内さんを一蹴したこの将棋を見て、これは本物なんじゃないかと初めて思いました。戦慄。。



第56期王位戦 第4局 羽生善治 vs 広瀬章人 (△四間飛車穴熊)

 暑くて死にそうですが、今日も頑張るぞ!!というわけで、王位戦の第4局が始まりましたが、今日は仕事で見れません(^^;)。でも、昼休みに戦型だけでも確認しちゃおうかな。。おおお、第4局でついに来ました、広瀬さんの伝家の宝刀、四間飛車穴熊です!!かつてはこれで王位を獲ったんですよね、その頃僕はまだ将棋を見ていませんでした。記憶にあるのは何年か前のNHK杯で、広瀬さんが四間飛車穴熊で渡辺さんを破った将棋。あれは格好良かった!!う~ん、これは何としても今日中に明日の分の仕事まで終わらせて、明日は朝から将棋と高校野球に集中するかな(^^)。。

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 さて2日目、仕事がこぼれてしまいましたが、夜の早い時間には帰って来れました…って、夕方に終わってるじゃねえか!!いや~、横歩とか急戦調の将棋なら分かりますが、相穴熊で早く終わる事があるんですね。くっそ~、こうなったら、晩飯食った後にゆっくりみるか。

20150818王位56-4_羽生vs広瀬_後手四間穴熊43手 勝負は中盤にあった気がします。43手目盤面図、先手は5筋、後手は4筋に狙いを定めた状態。これは破った方が有利になりそうですね。

△35歩▲同歩△46歩▲同歩△35銀
 おおお、後手の広瀬さんが先に仕掛けた!先手もう4筋は受かりません。というわけで、先手はここで反撃かな?

▲34歩△22角▲54歩△54同歩▲同飛
 いや~、▲54歩で反撃かと思いきや、その前に▲34歩△22角の交換を入れておくんですね。わたし、こういう所でパッと目についた手を指しちゃう癖がありまして、これはいい教訓になりました。

△65歩▲55銀△56歩
 おお~、広瀬さん、歩で銀を吊り上げて57の利きを外してから垂れ歩!と金攻めに弱い穴熊崩しとして、これは素晴らしい手筋、覚えておこう(^^)。しかしこの後の展開を見る限り、この将棋に限ってはこの狙いがまずかったかもしれません。

20150818王位56-4_羽生vs広瀬_後手四間穴熊57手
▲53歩(57手目盤面図)
 ええ~、なんだそれは!!!
これ、△63金と上がられたら飛車が詰んでしまうじゃないか!!…うあああ成る程、△63金には▲52歩成で勝負なのか。でも、それで先手良いとはそう簡単に思えないんですが(^^;)。う~ん、でも後手の攻めは重いな、たしかにそうなったら先手少しだけ良いのかも(プロなら大差だったりする?)。いや~、最初の広瀬さんの仕掛けの時に、羽生さんは飛車先突破に行かずに面倒を見てから走りました。普通なら4筋が受からなくなるのが見えているので、その段階で攻め合いに行くものと思うんですが、そうしなかったという事は羽生さんは5筋を破る事が出来るという計算が合ったんじゃないかと。という事は、あの段階でここまでは読んでいたという事なんでしょうが…すげえ。最近の僕は中盤が課題でして、ここはすごく勉強になりました。要するに、中盤の読みが浅いというかいい加減というか、雑なんだと痛感。で、ここからの先手の攻めが圧巻。

△51飛▲33歩成△同角
 え、▲33歩成?ただじゃん…うあああ、そうか!△同桂ならおかわり、△同角なら▲34飛か!!いや~、これは形勢が先手に傾いたような気がします。と思ったら…

▲37桂
 えええええ▲34飛じゃないのか!!という事は角を呼ぶ成り捨てだったのかな?しかしこれもすごい手だな…。でも△44歩で桂跳ねを封じられたら?…▲36歩で銀の位置をずらしてから中央制圧かなあ。う~ん、めっちゃくちゃムズカシいけど、見落としさえなければ先手がちょっと良さそうかな?

△53金▲34飛△57歩成▲35飛
 いや~、後手もと金を作って55の地点をものにしました。これ、自分が先手を持っていたらけっこういやだよなあ。しかしプロの形勢判断は先手よし。マジか…。

△34歩▲同飛△43金
 後手は飛車を呼んでから金を当てました!ここは先手考えたい、なにか先手良くなる手がありそう。

▲33飛成△同金▲42角
 羽生さん、飛車を切ってから飛車取り!!これは決まったでしょう。

 以降は羽生さん、角で後手陣の金を外し、大駒2枚を叩き切っての穴熊崩し。いや~、これは凄かった、穴熊は金駒がなくなると守りにくいんですよね(^^;)。というわけで、相穴熊戦だというのに83手の速攻で先手羽生さんの勝ち!!これで羽生さんの3勝1敗、防衛にリーチをかけました!!

 中盤以降は一方的な羽生劇場!しかも相手はA級でも屈指の終盤力を持つ広瀬さんですよ…。やっぱり、羽生さんと渡辺さんは別格なんじゃないかと改めて思わされた一極でした。個人的に知りたいのは、この将棋、お互いにどこまでが研究だったのかという事。広瀬さんが中盤の仕掛けで悪い手を指したようには見えませんでした。というか、仕掛けないともうやばいという感じにも見えたので、そうなると問題はもっと前の局面?しいて言えば桂の働きの差?飛車引きで手損した?もう異次元過ぎて分かりません。羽生さんの圧勝だというのに、広瀬さんが悪い手を指したように見えない。。



ついに来た一手損角換わりの定跡書!!

Yamazaki_Ittezon.jpg
 ただいま、序盤定跡は一手損角換わりの勉強中です。これが定跡書の少ない戦型でして、しかし僕にとっては避けることのできない戦型。糸谷さんの本は、級位の頃に一度ざっくり読んだんですが、これが分かりにくくて挫折。というわけで、今読んでいる青野さんの本を読み終わるまでにいい本が出てくれないかな~と思ってたところに…キタ━ヽ( ゚∀゚)ノ━!!山崎さん、ありがとうございますうううう!!!

 また、帯の文字に期待。「その歴史と進化を凝縮」。う~ん、村山慈明さんの本がそうですが、こういう戦型の登場順に紹介してくれる定跡書が一番ありがたいっす。これは大期待、今やってる本が終わったら次はこれに取り掛かろう、そうしよう!!





第28期竜王戦挑戦者決定戦 第1局 永瀬拓矢 vs 渡辺明 (先手藤井矢倉)

 羽生さんが敗退して今期の永世竜王&永世7冠達成が消えてがっくりきている私ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。しかし、渡辺さんが竜王帰り咲きならドラマチックだし、永瀬さんが初戴冠ならそれはそれで竜王戦ドリーム。どっちでもいいから、糸谷竜王を倒してくれ~。というわけで、始まりました挑戦者決定3番勝負!!

20150811竜王28挑決1_永瀬vs渡辺37手 将棋は永瀬さん先手で矢倉模様から先手早囲い。いや~、矢倉はマジで誰も▲46銀37桂を指さなくなっちゃったな…。早囲いは『羽生の頭脳 最強矢倉』で勉強したとはいえ、あそこからガシガシ進化しちゃったし、今は矢倉を指さない方針に切り替え中だからこの勉強は後回しなんだし(´・ω・`)。。でも、藤井矢倉対策はちょっと勉強しておきたいので、仕事しながら横目で見ておこう。。というわけで、先手永瀬さんが普通の矢倉ではなく藤井流の矢倉を完成させたのが37手目盤面図。ここで後手の渡辺さん…

△22玉
 なるほど、ここはしっかり玉を矢倉に入城しておけば、玉形では後手が少しリード、という感じかな?

▲46角
 ん?角交換されるなら▲37角の方が手順に桂を跳ねだせる分だけ得かと思いましたが、なるほどそうじゃなくて矢倉を攻める絶好筋に角を入れておく方がいいという事ですね、きっと。これで次に▲55歩が打てれば先手不満なしの序盤に出来そうですが…

△同角▲同歩△64銀
 ああ~、やっぱり渡辺さんはそういうのを許してくれません(>_<)。。角交換になったら37の方が良かったであろうから、少なくとも後手は少し得してるはずですよね。それで現状が後手の方が良いかどうかはわかりませんが。これで今度は立場が逆転、先手は急がないと後手から△55歩があるぞ。

▲65歩△53銀
 というわけで、先手は歩を突いて銀を引かせました。しかし矢倉戦でこの歩を突くのは怖いんだよな、△39角があるから…

▲37桂
 おお、しかし永瀬さん、攻め手を先にした!!えっと…なるほど、次の▲45歩が厳しいから、先にこの手を入れておくことが出来るのか。いや~、永瀬さんって、綾をつけに行くとか複雑な局面を作るとかそういうんじゃなくって、機械のように確実な指し手を選んできますよね。。

△73桂
 渡辺さん、いやらしく同じ攻め手を選んできます。いや~なるほど、先後同形に近い指しまわしをしていったら玉形の差が出て勝手に良くなるという考えかな?昔、ネット将棋で「藤井矢倉の弱点は8筋」と教えていただいた事があるんですが、△85歩が入ってるので、まさにその形になってるしな。これは先手の仕掛けが成立するかどうかで優劣がはっきりしてくる感じでしょうか。

 ここからはまるで角換わり相腰かけ銀のような将棋になり、先手が▲45歩から仕掛けて自陣角を放って弱点の右桂を狙いに行けば、後手もそれを自陣角で受ける展開。マジで角換わりみたい(^^)。ここで中央と先手左辺の連動した戦いになったのですが、こうなると戦場が玉頭になってしまった先手が辛い。これで先手がこの戦場をものに出来れば話は違うんでしょうが、渡辺さんがここで絶品の指しまわし。単純な駒の損得よりも先手陣の守りの駒を外しに行きながらバランスを取って、自陣は無傷の状態で先手陣を崩壊させます。こうなるとさすがは2冠、永瀬さんの終盤の驚異の粘りも弾き返し、126手にて後手渡辺さんの勝ち!!

 いや~、先手早囲いは悪くない戦法だと僕は思ってるんですが、しかし藤井矢倉にしちゃうと指しこなすのがけっこう難しい気がします。というのも、相手にがっちり受け止められやすいし、そうなって互角で中終盤になだれ込んでしまったらやばい気が。というわけで、中盤の仕掛けでどうだったかという感じだと思うんですが、やっぱり渡辺さんは強かった。これで渡辺さんが先にリーチ、糸谷さん対渡辺さんになったら面白そうだな。渡辺さん、「お前、いいかげん離席とか駒乱したりとかやめろよ」としれっとした顔して言っちゃいそう(^^;)。。


第9回朝日杯将棋オープン戦一次予選 坪井祐二アマ vs 北浜健介プロ (△中飛車)

 昨日のNHK杯で羽生さんを後手中飛車の対抗形の相穴熊で破った北浜さん、今日は朝日杯でアマの坪井さんと対局。戦型は…またしても後手中飛車の対抗形、相穴熊です!しかも、先手の坪井さんの対策は4枚穴熊ではなく▲46銀型。いや~、対羽生戦と全く同じだわ。昨日の対羽生戦では後手北浜さんは9筋の位を取りに行きましたが、今日は先に穴熊に2枚目の金をくっつけに行くのを優先したので、そこで分岐。ということは、33手目ぐらいまではまったくの同じだったのかな?そして…北浜さん、負けたああああ!!!

20150810朝日_北浜vs坪井アマ_後手中飛車36手 中盤の入り口で、既に優劣はついていたのではないかと思いました。盤面図36手目は、後手の北浜さんが△74歩と突いてきたところ。これ、飛車を7筋に転換しようという狙いだったと思うのですが、この狙いが結構受けづらいんですよね(何度これで潰されてきたことか-_-*)。ここからの先手坪井さんの構想が見事すぎるぐらいに見事でした。

▲86角△64歩
 いや~、対振り飛車戦で自分が穴熊に組んだ時、いつも迷うのがこの角交換。86に角を出ること自体はよくあるんですが、角にぶつける場合というのが僕はちょっと指しにくいと思っちゃうんです。だって、これで後手から角交換されると穴熊の歩が86に上ずるじゃないですか。こうなると組み替えなりなんなりを目指した方がいいという事になる気がしてしまう(放っておくと87に桂を打ち込まれる筋が残っちゃうから)んですよね~。しかし坪井アマは堂々とぶつけに行きました!いや~、プロ相手にこの手を指しに行くというだけでも強いのがわかります(^^)。で、北浜さんはこの角交換を拒否。これがちょいとまずかったかも。というのは、この直後に角を動かしづらくなっちったから。

20150810朝日_北浜vs坪井アマ_後手中飛車43手▲24歩△同歩▲35歩△同歩▲65歩(43手目盤面図)
 ここから坪井さんが歩の連続突き捨て!!いや~、これは後手は角交換を避けられそうにないので、2筋へ利きを残すことが出来なくなるのは確実。先手飛車の成りこみを防ぐのが難しくなったんじゃないかい?いやあ、これはすでに先手十分になったかも…

△53銀▲64歩△62飛▲55銀△75歩▲同角△54歩▲66銀△64銀▲86角△65歩▲77銀引△75歩▲26飛
 さすがは北浜さん、プロならではの見事な切り返しで何とか角交換を拒否しながら左辺戦場で逆襲を試みますが、坪井さんが戦ってくれずいなされてしまいます。ああ、これは攻めが切れるんじゃ…

△61金左
 あああ、これは後手の反撃が切れた。。う~ん、こうなると分かっていたなら、飛車の7筋振り直しを示唆する△74歩を指す前に、この金寄せを先に指しておきたかったかも。

 多分、この時点で先手相当に良かったんじゃないでしょうか。これだけ差がつくと、ある程度以上の棋力がある人相手だと、いかにプロでも逆転は難しかったと思います。というわけで、127手にて先手坪井さんの勝ち!!

 あと、これは結果論ですが…43手目盤面図の局面、よく考えたら後手北浜さんは角交換に応じるという手もあったかもしれません。つまり凧銀での反撃を狙わず、44手目に△65同歩と堂々と取ってしまう。これで角交換されると先手に飛車を走られてまずいと僕も錯覚していたんですが、以下たとえば▲42角成△同飛で角交換になるとして、先手が▲24飛と走ったら△23歩で止められるんじゃないかと。この歩はタダですが、しかし先手が▲23同飛成と龍を作って喜んでいると△12角が用意の反撃で、これが龍金の両狙になって味がよさそう。ここで龍を逃げてくれれば△67角成で金を抜きながら穴熊崩しに食らいつき、後は昨日のNHK杯と同じ展開、どころか今日の方が圧倒的に良いですね(^^)。こういう粘り方は、むかし高道さんがNHK杯で指していたのをいくつも見たお蔭で覚えてました(^^)。あと、升田さんや大山さんの棋譜を並べていたことがありまして、こういう筋って古い棋譜を並べると結構出てきて、勉強になるんですよね(^^)。。しかし、早指し戦では際どい受け方というか、ちょっと選びにくい順だよなあ。。大体、そこまでいったら先手はさすがに△23歩の受けに気が付くでしょうしね。。

 坪井さんは元奨励会員だし、今も県代表だし、アマといっても限りなくプロに近いどころか、一部プロよりも実力的に上であろうことも確か。だから北浜さんが一発入れられちゃったとしても不思議ではないんですが、それにしても羽生さんを破った戦型でアマに負けるのか(´・ω・`)。いや~、将棋ってムズカシイな。。


第65回NHK杯 羽生善治 vs 北浜健介 (△中飛車)

 夏の甲子園、創成館と天理の試合が面白い!!ただいま2対2の同点、9回裏ツーアウト3塁で創成館サヨナラのチャンス、ここでNHK杯が始まってしまった。。う~ん、これは高校野球を見るべきだな( ̄ー ̄)。。な~んて書いているうちに、打ったああああ、創成館、優勝候補の一角を相手にサヨナラだああ!!!…な~んていうものすごい劇的な試合の直後、なんとか対局を頭から見ることが出来ました。でも、あんなのを見た後だと、北浜さんが大番狂わせをしそうな気がしてきたぞ…羽生さん、最近ちょっと調子を落としているみたいですしね。

20150809NHK65_羽生vs北浜51手 さて、将棋は羽生さんが先手となり、後手中飛車の対抗形からの相穴熊。おお~、羽生さんが穴熊を指すのはなんとなく新鮮。後手中飛車を破るのに、居飛車の僕は3筋に飛車を振る手をよく指すんですが、最近どうもそれで良いんだろうか…と思い始めていたところでした。しかし羽生さんが3筋に飛車を振ったので、「ああ、この攻め筋はありうるんだ」と、ちょっと一安心(^^)。これで51手目盤面図までなだれ込み、もう双方後には引けない状況へ。ここは後手の北浜さん、△33歩と守るか△56飛と走って攻め合いに行くかの2択かと思いましたが…

△57歩
 おお、こんな手があるのか?!なるほど、穴熊崩しにはと金攻めという事ですね。いや~、これは参考になる。。

▲31飛成△58歩成
 これで先手は龍を作り、後手はと金を作りました。ただ、穴熊戦でと金に喰いつかれると厄介。これは後手の方がちょっと攻めやすいか…

▲35角
 というわけで、先手羽生さんは攻防の角打ち!いや~、これが見えなかったら瞬殺されてしまうんでしょうね。

△57角▲同角△同と▲35角
 それに対して北浜さんは合わせの角で相手の角を消し、手損なしでと金をいいポジションに移動しましたが、羽生さんは合わせの角。

△68銀▲同金△同と▲同角
 あら~、北浜さん、ここを清算しに行ってしまいました。と金をなくしてしまうと、後手の穴熊崩しの構想も、龍を作らせた代償も失われてしまうんじゃ…しかしここからの攻め将棋の北浜さんの喰いつきが凄かった!

△56飛▲67銀
 後手は飛車を走ったものの綺麗に弾かれ、これで攻めが切れてしまったかと思いました。手番を渡すと後手陣は一気に崩れる感じですが、それでも△26飛として龍を作ることを確定させてからしばらく辛抱…かと思いきや…

△57角
 おおお、北浜さん、攻めをつないだ!いや、これは僕でも見えていた手ですが、しかし繋がるのか?飛車や角を渡すだけの代償のある攻めになるか…でも、穴熊崩すなら大駒と金駒の交換は、大駒切った方が得という事は往々にしてあるんだよな、大駒で穴熊は守りにくいですからね。。

20150809NHK65_羽生vs北浜76手▲79銀打△69金▲56銀△68金▲同銀△同角成▲78金打△同馬▲同金△69銀(76手目盤面図)

 いや~、北浜さん、本当に飛角を渡して、その代償に穴熊崩しに食らいつきました!!いや~、分かっていても、綺麗に崩せる順が見つけられないと飛車を渡す順は怖いです。。

 これで先手穴熊陣に食らいついた北浜さんですが、羽生さんは2枚飛車で後手穴熊に食らいつきました。これで北浜さんは詰めろをかけ続けないとまずい状況になり、羽生さんも手抜いて攻めると寄せられてしまうので受け続けることになってしまいました。僕は「穴熊を攻めるときに金銀で攻めていると、いつまでたっても駒が入れ替わるだけになってしまうから他の駒を使え」と勉強してきたんですが、金駒しか持っていない状況で、さらに手を渡せないというこの状況が千日手模様の先手穴熊の攻防戦を呼び込んでしまいました。ここで羽生さんは綺麗に受け続けましたが、ひとつ学んだことは…これ、一手30秒の早指し戦で、間違わないで受け続けられているのは羽生さんのようなプロだからであって、アマだと間違えずに指し続けることは難しいんじゃなかろうか、という事。つまり、仮に僕みたいなアマが大会に出るなら、対穴熊は多少危険でも先に手をつけて攻め将棋に踏み込んだ方が有利なんじゃなかろうか。いや~、これはちょっと良いヒントになりました。あと、この長手数続いた穴熊の攻防は、攻め手も受け手もすごく勉強になりました(^^)。

 さて、この将棋はおそらく千日手にするのが互いに最善。ところが、最後に羽生さんは危険を承知で打開の攻めに行きました!しかしこれが裏目で、羽生さんの攻めはつながらず、166手にて後手北浜さんの勝ち!!

 いや~、終盤に羽生さんが千日手打開に行ったところは、おそらくNHK杯が視聴者に見せるためのテレビ将棋という一種のエキシビジョン・マッチという側面があるために、千日手にしてはまずいと思ったんじゃないでしょうか。勝つことが大優先の、この前の竜王戦決勝トーナメントみたいな重要な対局だったら、勝ちを読み切れていなかったらまず打開にはいかなかったんじゃないかと。これはプロ棋士としては正しい判断だったんじゃないかと。また、一方の北浜さんも、今まで一度も勝ったことのない羽生さんに対し(北浜さんだって相当に強い棋士なのに、羽生さんの壁が高すぎて対戦自体がほとんどない)、徹底して勝負に拘った指し方も、やはり正しかったんじゃないかと。それにしても、直前の高校野球を見たときに感じた悪い予感が当たってしまった。この手の虫の知らせって、けっこう当たるんですよね(^^;)。。


昨日の記事の続き

昨日の王位戦、大熱戦の素晴らしい将棋だったんですが、見終わった後にご飯食べに行って、帰ってきたら疲れて寝てしまいました(^^;)。というわけで、終盤の感想を追記しました。でも、「すげええ」しか言ってませんが(あはは)。。

第56期王位戦 第3局 広瀬章人 vs 羽生善治 (横歩取り△33角85飛)

 永世竜王への挑戦がならなかった羽生さんですが、しかしタイトル戦は続いています。絶賛開催中の王位戦は羽生さんの2連勝でスタートとなりましたが、果たして第3局はどうなりますか。戦型は横歩取りですが…おおお~、△85飛型だああ!!僕が将棋の勉強を始める少し前は、横歩は△33角85飛全盛だったみたいでした。だから、僕が横歩の勉強を始めたばかりのころの最新の定跡書は、横歩スペシャリストの野月さんが書いた本も、最近ついに頭角をあらわしてきた稲葉さんが書いた本も、△85飛を結構大きく扱ってました。ところが僕が横歩の勉強を始めたころは△85飛破りがかなり浸透してきていて、僕にとってのそのとどめが何年か前の▲羽生‐△渡辺戦(棋聖戦だったかな?)での羽生さんの△85飛破り。これが強烈で、渡辺さんが瞬殺されるという驚異の攻め潰し。というわけで、僕の横歩△33角85飛破りは、今でもその時の羽生さんの構想がメイン。そんなわけで、△85飛を抹殺した張本人のひとりである羽生さん自身が、△85飛を指すのはちょっとビックリでした。

20150805王位56-3_広瀬vs羽生_横歩22手 で、1日目は…すげえ面白い!!いや~、超一流同士の対局って、やっぱりいいですね!22手目盤面図、僕は後手で△85飛型は指さないので、この形を眺めるときは常に先手目線。最初のころは▲33角成~▲96角の筋一辺倒だったんですが、どうもこれがうまくいかない。というわけで、ここでは▲62玉か▲52玉のどちらかしか指さないのですが…

▲77角(23手目)
 いや~、これは定跡を知らなくたっていかにも指したくなりそうな手だし、また実際によく見るんですが、自分で指さないものだからまったくのうろ覚え(^^;)。おs、この機会に覚えてみて、先手を持って指せるかどうかを見極めよう!

△62銀▲68銀△51金▲69玉
 後手は△41玉型の中原囲い、先手は69に玉をもぐりました。なるほど、先手がこう指すことになると、既に23手目▲58玉や▲68玉には合流できないですね。

△74歩▲59金△73桂▲48銀
 後手は△74歩73桂という、横歩中原囲いの典型的な攻め筋を作りました。一方の先手は、なんだかちょっと変わった左美濃みたいな感じ?いや~、級位者だったら先手陣をつぶすのに手間取ると思うので、これは先手指しやすいと思いますが、実際のところはすでに攻撃態勢を築いている後手のほうが指しやすい?

△65桂
 うおお、羽生さん、いきなり桂を跳ねたああ!!…な~んて驚きましたが、しかし跳ねられてみると、この形、どこかで見たような気も。しかしこの桂、すぐに負担になっちゃわないのかしら。先手の選択は、ここで▲33角成と踏み込んで角交換か、あるいは▲66角△同角▲同歩で手順に桂取りをかける順か。

▲66角△同角▲同歩
 広瀬さんの選択は後者。いや~、この桂取りを受けるにはひとつしか手がないと思うんですが…

△44角
 これで飛車取り&桂を取られれば歩の壁がなくなって▲99角成があるという両狙い。しかし、この中盤でこんなに際どい指し方をすることになるのか、いかにも横歩的な一手バッタリのおっかない将棋だなあ。…よし、やっぱり僕は、△85飛型に対して23手目▲77角は指さないことにしよう(^^)。

◆◆◆◆◆◆
 そして、この将棋の本当のすごさは終盤でした。今期一番の驚異の終盤ではないでしょうか?!羽生さんも広瀬さんもとんでもない凄まじさだったのですが…

20150805王位56-3_広瀬vs羽生_横歩104手 104手目盤面図、羽生さんが金取りに桂を打ち込んだところ。この桂の打ち込み自体が素晴らしくって(しかし感想戦では代えて△25桂で後手はっきり良かったとのこと。う~ん、将棋ってムズカシイ)、打ち込んだ瞬間は一瞬「え、紐もついていないし両取りでもないのに?」とか思っちゃいました。アホです。これ、▲77金は…ああそうか、△48銀が激痛なのか。それにしても、後手陣もメッチャクチャ危ないし、これは速度がよく分からん。普通に考えれば▲78金ですが、その前に王手を入れて手の交換をして先手は攻めの形を進めておくかな?

▲14香△13歩▲15桂
 というわけで、金を逃げる前に先手は手を作っておきました。しかしここで後手に手番を渡すので…

△38金▲27飛△88桂成
 羽生さん、おっかねええ~!!挟撃形を作りますが、これは後手玉の速度が見えてないと恐ろしいなあ。…とりあえず、どちらも詰めろじゃないですが…

▲25歩△36飛▲23桂成△同玉▲24歩△32玉▲23歩成△43玉▲36歩
 いやあ、広瀬さんの▲25歩も見事!△同歩と取ると?…金とって歩で叩いて▲63角成か、これは取れん。というわけで羽生さんは攻めの拠点となっている先手角を外す飛車切り。で、広瀬さんは飛車を外す前に決めるだけ決めてから飛車を抜きました。…というか、先手詰めろだったから王手するか飛車抜かないとやばかったじゃねえか、あぶねえええ。。私なら頓死してたかも(^ロ^;)。。

20150805王位56-3_広瀬vs羽生_横歩120手△78角(120手目盤面図)▲59玉△48銀▲同銀△56角成
 いや~、これもすごい踏み込み。後手も後手で▲61角で必死なので詰めろ逃れの△26歩と打ち込むとばかり思ってました。で、取ってくれれば△78銀から詰ませられそうですしね( ̄ー ̄)。しかしそうではなくてここも踏み込み!!う~ん、羽生さんや康光さんの踏み込みは、谷川さんからの流れを汲んだ終盤の指し方という気がします。僕は読み切れていないだけでなく、ビビり屋なのでこれは指せない…。それにしても、角を成り銀を抜きながら先手玉頭を押さえて、しかも自玉の上部脱出も可能にするというこの構想、羽生さんすごいです。僕はこれで後手勝ったと思ってました。が…

▲61角△52桂▲58飛
 ケツから角を打って王手しつつ後ろへの出口をふさがせるのは理解できます。問題は…▲58飛?いや、これはなんとおっかない反撃筋を作るんだ、広瀬さんすげえ。しかし、これは△67銀で馬に紐をつけつつの詰めろをかけて勝負あったんじゃ…

△67銀▲同飛△同馬▲53桂成△同銀
 いやあ、こうなってみると結構危なっかしいな…。しかしここで後手の馬が34の利いているのが素晴らしすぎる。これ、▲34銀が通らない以上、後手玉は寄らないんじゃないかい?いや~、際どすぎる終盤を1ってが地なら踏み込むというのが、谷川高速流から羽生世代へ受け継がれた将棋革命だったんだな、すごいものを見せてもらいました。さて、飯食いに行こう。と思ったら…

▲53同飛成
 えええ~~、広瀬さん、飛車を切ったあああああ!!!!!これは無理攻め?それとも寄ってるのか??ええっと…

△同玉▲54歩△43玉▲52角成△同玉
 …いやあ、信じられん、歩で頭を押さえ、角を捨てて玉を下段に落としたぞ、これは完全に詰将棋じゃないかい。

▲53銀△同金▲同歩成△同玉▲54歩
 あああ~、またも頭を押さえられたああ。。

 以下、しばらく進みましたが、どうもこれが長手数ながらも必死の模様。というわけで、147手にて先手広瀬さんの勝ち!!ええっと、桂捨てから飛車捨ての時点では既に必死っぽいから…27手詰めぐらい?いやあ、プロの中でも詰め将棋力がすごい広瀬さんの本領が発揮された終盤でした。う~ん、この終盤力はすげえ、鳥肌立ってしまったよ。。また、敗れはしたものの1分将棋であんなすごい寄せ筋と玉の脱出口を作り出した羽生さんの構想力と読みの深さもすごかった!!

 いやあ、この終盤をリアルタイムで見れたのはよかった!!これは大名局じゃないでしょうか。あと、最近の佐藤康光さんもそうなんですが、羽生世代の人たちは、終盤でもう少し安全な勝ち方に行ってもよさそうなのに、ものすごい踏み込み方をしてしまうのが、ちょっと裏目に出てる気がします。いや、自分に勝ち目が出た瞬間に踏み込むというのはもちろん最善だと思うんですが、全盛期よりも少しだけ読み力が衰えてきているのかも。そして羽生さん、超絶好調だったのが、ちょっと負けが続いてしまいました。少し調子を崩したかな?

 いや~、それにしても、プロ強豪の対戦はやっぱりすごいですね。こんな面白い終盤を見ることが出来るんだから、将棋をやっていてよかった(^^)。。


第28期竜王戦決勝トーナメント 永瀬拓矢 vs 羽生善治 (矢倉 先手早囲い)

 竜王戦決勝トーナメント、これを観る為に、昨日はNHK杯を観るのをパスして仕事していたのさ( ̄ー ̄)。今日は遂に羽生さんと渡辺さんが登場です!!どちらも決勝に残って欲しいですが、羽生さんの相手は永瀬さん。超のつくほどの癖ものです。これは嫌な相手だなあ。将棋は矢倉の先手早囲い。少し前まで、矢倉戦になるとそのほとんどが▲46銀37桂だったのが嘘のようです。さて、どうなりますか…。

◆◆◆◆◆
 夜の10時半、大熱戦です!いや~、これ、どっちがいいんだ…飛車と馬という大駒が攻めに参加している分だけ、シロウト目には先手永瀬さんが良いような気もしますが、しかし羽生さんもメッチャクチャいやらしい攻防の反撃筋を作り出します。やばい、目が離せない(^_^)。

◆◆◆◆◆
 10時50分、やばい、羽生さんが挟撃態勢を作られて防戦一方(T_T)。。あああ~、永世竜王/永世7冠の夢が遠ざかるうう。。

◆◆◆◆◆
 11時前、永瀬さん、腹銀を決めたああああ!いや~、幾らなんでもここから逆転は無理、ここで羽生さん無念の投了。うわあああ、俺の今年の竜王戦の夢が終わった_| ̄|○

 一方の右の山は、渡辺さんが稲葉さんを圧殺。序盤から中盤に入るところ、渡辺さんがいきなり角交換に行った時点で既に渡辺さん良しだったんじゃなかろうか。こうなったら、渡辺さんに竜王返り咲きしてもらうしかないな。渡辺さんが挑戦したら、糸谷さんより強そうだし(^^)。いやいや、糸谷さんと永瀬さんが竜王でいてくれた方が、羽生さんは永世竜王を打を取りやすいか?
プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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