第64期順位戦 A級2回戦 久保利明 vs 渡辺明 (先手中飛車)

 あぢい、夏ってこんなに暑かったでしたっけ(- -;)。仕事は忙しいし、将棋は見れないし。というわけで、いまごろ2~3日前にやっていたA級2回戦の棋譜を眺めております。いや~、どっちも凄い将棋だ!A級ってやっぱりすごいな…。特にすごかったのが、▲久保-△渡辺戦の中終盤。先手中飛車から相穴熊となったのですが、ここでの渡辺さんの指し回しが強烈。いや~、穴熊全盛時代を築いて若くして竜王位につき、それを9期も守り抜いただけの超人だけあって、穴熊戦の攻めも受けも知り尽くしたような見事な指し回しでした。

20150729順位74A_久保vs渡辺63手 63手目盤面図、互いに穴熊を組み上げての攻め合いですが、この盤面図、どちらが良く見えるでしょうか。ものすごく感覚的な形成判断をすれば、穴熊崩しで最もオソロシイと金攻めを成立させている先手久保さんを持ちたいという人が多いんじゃないかと思うのです。ここから渡辺さん…

△45歩
 いや~、すっごい嫌な手を指すな…。これ、攻め合いが良いのか、丁寧に面倒見た方がいいのか、えらく難しいぞ。でも、先手のと金攻めは紐をつけにくいので、後手は駒損はするだろうけど、速度的には遅そう。とすると、攻め合いよりも面倒見た方がいいのかな…

▲同銀△57桂成▲36飛△58成銀
 ここの攻防が互いに見事!久保さんも同じように考えたかどうかは分かりませんが、久保さんの選択は面倒を見る▲45同銀。これで57の地点の駒の利きが薄くなったところで、渡辺さんは桂を成り込み、それを躱す手を逆用して今度は久保さんが飛車を逃げながら利かされていた歩を切り取りました。しかし飛車が5筋からどいたのを活用して今度は渡辺さんが△58成銀と角取り。いや~、どちらも2つ以上の狙いのある手の応酬で、だいたいこういう手を指すと良くなるもんですが、互いがそうなので一体どちらが得をしたのか。…う~ん、現状どちらが良いのか全然分かりませんが、しかしここの応酬は大駒をいじめながら攻め駒を穴熊に近づけた渡辺さんが少しは差を縮めたんじゃないかと。
 で、この局面がまた死ぬほどムズカシイ。角を逃げたいところですが、86への利きを外せば後手が飛車を走る権利が出来るし、しかし紐をつけたままにげると…△48歩の垂らしで今度は後手がと金攻め。攻め合うと?…う~~~ん、複雑すぎて手数計算が出来ない(*゚∀゚*)。。

▲52と△59成銀▲42と△同金
 おおお、久保さん、攻め手を先にしたああ!!結果としては金とと金の交換なので、先手駒得ではありますが、これで攻めがいったん切れるので、有利だったのかどうか。問題は、先手玉の耐久力ですが…なるほど、先手カッチカチだわ(^^)。。

▲34歩△67角
 一度攻めの切れた久保さんは飛車先の歩を突いて攻め筋を作りますが、ここで渡辺さん反撃の角の打ち込み!!

20150729順位74A_久保vs渡辺79手▲33歩成△同金▲44銀△同金▲32歩(79手目盤面図)
 
 おお~、先手の久保さん、これは凄い手の作り方、よくこんなの思いつくな、すげえええ。。で、79手目盤面図に辿り着いたわけですが、これ、どっちが良いんだろうか、全然分からん。単に玉型の乱れからすると後手が乱された感じがしますが、ここからの渡辺さんの受けがまたしても神がかり!

△42銀▲52成桂△33銀
 おおお~、なんという銀捌き!!銀を避けながら敵の飛車をラインを止めました!!成り駒2枚と飛車の直撃を、角銀の2枚と飛車の横利きという非常に守りにくい駒だけで受け止めてしまったぞ!すげええええ。。

▲72金△83飛
 久保さん、この飛車の横利きを殺しに行きました。その狙いは素晴らしいですが、痛いのはこれがなけなしの持ち駒の金だった事。いや~、これは渡辺さん受け切ったんじゃないか?

▲41成桂△48歩
 とうとう来ました、穴熊崩しのと金攻め!先手玉はカッチカチですが、しかし後手玉はどうも寄りそうにないぞ、という事は速度は関係なし、これは…いつのまにか後手、逆転してるんじゃないか?すげ~!!!でも、いつ逆転したんだ?飛車筋を逸らすためだけに打ち込まざるを得なかった▲72金がまずかった?

 以降は渡辺さんの攻めの穴熊崩しと、守りの玉捌きが凄すぎ、108手にて後手渡辺さんの勝ち!渡辺さん、A級順位戦連勝スタートです!!

 いや~、これは凄かった!僕は逆転だと思っているのですが、もしかして63手の時点で後手の方が良かった?いやいや、まさかね。それにしても見事な棋譜、これぞプロです(^^)。暑いわ忙しいわでイライラしまくっている私ですが、なんかものすごくすっきりしました(^^)。そうそう、もうひとつの対局だった行方-佐藤戦は、行方さんの勝ちで、これも連勝スタート。前期名人戦挑戦を果たした行方さんと、名人に挑戦した事すらないのが不思議な渡辺さんが好スタート。今年のA級もメッチャクチャ面白そうです(^^)。。


第5期女流王座戦本戦トーナメント 本田小百合 vs 里見香奈 (角換わり相腰掛け銀)

 今日は免許の更新で仕事休み。時間が余ったのでなにか将棋やってないかなと思って検索してみると、女流の対戦がありました!女流はわけあってあまり見なくなったのですが、里見さんは別。彼女だけはスゴイ。。

 対戦相手の本田さんという女流棋士をよく知らないのですが、居飛車本格派との事。で、将棋は本田女優の先手で角換わり相腰掛け銀に。それにしても本田さんの玉形がスゴイ。左美濃気味で、しかも11~99の斜めのラインががら空き。これはかなり恐ろしいというか、このラインにどちらが角を活用する事になるかで勝敗が分かれそうだなあ。

20150728女流王座TN_本田vs里見_角換38手 で、このラインを放置したまま、本田さんはいきなり▲45歩からの同形腰掛け銀王道の仕掛け!うわあ、ガッチリ囲う前にいきなり仕掛けたよ、おっかねえええ。。そこから3筋2筋と歩の連続突き捨てで38手目盤面図になりました。ここで本田さん…

▲24同飛△23歩▲28飛
 いや~、危険な玉形を顧みずに仕掛けたというのに、単なる飛車先の歩の交換だけで終わらせました。僕が大変疑問に思ったのは、この2筋の仕掛けの5手ほどを、本田さんがノータイムで指しつづけた事。これ、お金をもらって将棋を指す人間の態度として、どうなんでしょうか。

 例えば、▲24同飛に代えて▲77角なら?角のラインを敢えて開けつづけた以上、▲77角は常に狙い続ける手なのでどう考えたってひと目ですが、右四間飛車と似たような狙い筋が出来ます。これに対して後手は浮いた銀を守る△43金右と受けて普通、以下▲45銀△同銀右▲同桂。この桂を抜きに行くと▲11角成で後手陣は破れなので取れず。ここで後手は反撃を考える事になるんですが、例えば飛車をいじめに行く角の打ち込み(例えば△37角)なら、ここで▲24飛と走って△23歩の守りに対しては▲34飛と飛車を捨てて突破を目指せば後手は破れ、馬を作って先手良しなのでは?また、考えてみれば角のラインを決めてからの▲34飛の構想が通るのであれば、本譜▲24同飛△23歩に対して、引かずに▲34飛△43金右▲77角△34金▲同歩の手順でも同様にして破れるのでは?場合によっては、この方が後手に反撃の機会を与えずに潰せるので、読み抜けさえなければ、こちらの方がいいかも。
 まあ、これは深く読んだわけではなく、後手からの反撃筋はもう少し精査してみると何かあるのかも知れませんし、さらに遡って銀を守る手を△43金右ではなくて△22角とするとどうなるか…とか、考えなくてはいけない点は色々ありますが、これらを読み進めるだけでもノータイム指しなんてありえない。まして▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲28飛なんて、ノータイム指しするような手じゃない。こんな、僕みたいなアマチュアですら疑問に感じる手を指しているようでは里見さんに勝てるはずもなく、80手の短手数で後手里見さんの圧勝。負けた本田さんは1時間以上を残しての敗戦。

 この将棋は持ち時間3時間、女流棋士にとってはタイトル挑戦の掛かった重要棋戦です。そんな大一番で、ろくに考えもしないで仕掛けでノータム指しをして、1時間以上残して負けるというのはどうなんでしょうか。仕掛けの瞬間なんて、将棋で一番重要な部分なんだから、ノータイムで指して何でもないなんて事やるなよ…。。あああ、だから女流将棋は見たくなかったんだよなあ。男性プロ棋士や奨励会員より劣るのは仕方がない、全力でやって負けるのも仕方がない、誰だって上手下手はあるんだから。しかし、金貰って将棋を指している人間が、こんなイージーな取り組み方で将棋を指すのは止めてほしいです。本選ぐらい、自分の脳味噌がパンクするんじゃないかというぐらい考えまくって、最善手や最善の構想を探しまくって、死ぬ気で指したらどうかと思います。里見さん相手の大一番で、何も考えていないような手を指しているようでは…。本田さんは、お金をもらって仕事をしている人間として、ものすごい恥ずかしい事をしたという事を自覚してほしいです。これは、女流将棋全体に対して言える事かも。

第65回NHK杯 谷川浩司 vs 阿部健治郎 (横歩取り)

 夏の高校野球、西東京大会の決勝がものすごい劇的な展開、5対0で負けていた早実が、8回の1イニングで大量得点を入れて試合をひっくり返しました!いや~、数日前の神奈川県大会の横浜vs横浜隼人も劇的な展開でしたが、やはり駒をたくさん使う勝負事は面白い(^^)。。というわけで、今日のNHK杯は高校野球を観ながらチャンネルを切り替えつつの観戦。山は中盤…だった気がします(ながら見だったのでいいかげん( ̄ー ̄))。

20150726NHK65_谷川vs阿部健_横歩26手 まずは26手目盤面図。横歩ではありがちな形です。しかし、後手の囲いは本当に△72銀型一辺倒になってきたな…。普通に中住まいに囲うならここで▲48銀だと思うんですが、先手谷川さんは…

▲56飛
 おお、最近はこの中央狙いが流行なのかな?最近も見た気がしますが、これって2筋は面倒な事にならないんだろうか。

△24飛
 だよな~、取りあえずは飛車を回して歩を使わせたいところですよね。と思ったら…

▲28銀
 あら、谷川さん、歩を節約して銀を2筋に回しました!いや、これはまずいだろ、角が質駒だし、△23銀型の餌食になるぞ…

△34銀▲75歩△88角成▲同銀
 いや~、後手の狙い通りの進行ですが、さすがプロだと思ったのが先手谷川さんの▲75歩。角交換はオッケー、先に飛車の逃げ場と8筋攻めの筋を確保しておくわけですね。衰えたとはいえさすが光速流。この時点で優劣はあまりないかもしれませんが、先手は守りにくい形になった気がします。つまり、遡って▲28銀はどうなのかなあ。さらにさかのぼると、やっぱり▲56飛は難しい狙いの気がします。桂を跳ね出すところまで行けばいいですが、その暇がないし、歩頭飛だしなあ。

20150726NHK65_谷川vs阿部健_横歩42手 で、ここからが横歩取りの恐怖、大駒の捌き合いです(^^;)。これが難しいんですよね、少しでも間違えると一気に形勢が傾いちゃう、みたいな。そして飛車角総交換となって最後の角を取りきる場面が42手目盤面図。まさにここが勝負どころだった気がします。感想戦でも、ここを精査してました。この馬を取れば大駒の総交換が完了ですが、玉と金のどちらで取るかが悩ましい。どちらで取ってもただでは済まない局面、取り切った後の飛車の打ち込みに対するカウンターまで考えたい場面なので、ここは早指しでさえなければ1時間ぐらい使って考えたいところ。ここで谷川さんは…

▲47同玉(43手目)
 玉で取りました。で、この後どうなったかというと…

△49飛▲58玉△29飛成▲56角
 ここの攻防、先手は苦しいながらも見事な受け。▲56角は見えなかった、すげえ。これがあるから43手目は同玉だったのかも。しかし先手の波状攻撃は続き…

△26歩▲36銀△44桂
 ああ、桂フンを喰らってしまった。。両取り以上に、龍を働かされてしまうことになったのが激痛じゃないでしょうか。この辺りでは既に後手よしになってたんじゃないかと。

 さてそうなると43手目ですが、あれは玉でなくて金で取ったらどうだったか。まさに感想戦でやってたやつですね。どのみち飛車の打ち込みは飛んでくるわけですが、横歩中住まいの最大の脅威である龍の成り込んでの大暴れを何とかするとすれば…

▲47同金(43手目)△28飛打
 まあ、ここまでは仕方なし。

▲48金
 27の銀を犠牲にしてのこの金引きは、本譜で谷川さんが放った▲56角の筋があるからこそ。銀を犠牲に龍の暴れを防ぐという構想です。56角が銀取りと29に利くのが見事な攻防になるんじゃないかと。

△29飛成▲56角△27龍▲34角
 もしこうなったら後手の方が速いんじゃないかと。しかしこれは都合の良い展開で(^^;)、仮に△29飛成に代えて先に△27飛成なら?…やはり▲56角で、次に後手は?いや~、後手は結構指し手が難しいんじゃないかと。この角をいじめに行くとしても、角を38に引かれたら、後手は龍を敵陣に入れて暴れる事が出来なくなります(先手もそこから速い攻撃がなくなりそうですが^^;)。

 結局、この中盤を制した阿部さんが以降は見事な指し回しで、82手にて後手阿部さんの勝ち!!
 勝負の分かれ目は大駒の切り取り方という、横歩でよくある「一手間違えるといきなりピンチ」の42手目に対する応手にあったんじゃないかと。でも、早指しで中盤の難所を読み切るのは不可能だよなあ。。ここは指し運もあったかも。全部読むのは無理なので、マズい筋がある方を避けるという消去法的な指し方になる部分があっても普通でしょうから。僕は▲56角自体が見えてなかったので、どちらにしても先手を指していたらフルボッコでした(゚ω゚*)。あと、序盤の、先手から指しにくい形にもって行ったのは、これがNHK杯だったからかもしれません。本当の研究手は順位戦に取っておきたいでしょうから、調べてみたい順に踏み込んだという事だったのかも。


第28期竜王戦決勝トーナメント 永瀬拓矢 vs 佐藤康光 (矢倉)

 竜王戦決勝トーナメント、本命は羽生さんと渡辺さんだと思っているのですが、しかし弱い人がひとりもいないので、誰が勝ち上がってもおかしくない感じでドキドキです。トーナメントなので負ければオシマイですからね。。さて、昨日は佐藤康光さんと永瀬さんの対決で…矢倉です!!康光さん、まともな将棋に行きました!最近の矢倉は後手が良くって古い早囲いとか脇システムとかがまた指され始めているので、こうなるとその手の将棋全盛期に最先端を走っていた康光さんとしては望むところ、という感じなのかな?

20150724竜王28TN_永瀬vs佐藤康_矢倉61手 しかしさすがは若手強豪の永瀬さん、序盤は押していたように思います。盤面図は61手目、これ、後手は相当悪いんじゃないかと思いました。なんといっても先手の74の歩の利きが良すぎ、右銀が少しでも動いたら▲73歩成が決まってしまいます。しかし飛車が横に動けば▲84角、飛車を浮いて73を守りに行けば▲56金で中央を制圧されて完封模様、△45歩から仕掛けて▲同銀△55銀の進出にはその瞬間にやっぱり▲73歩成。ここで康光さん…

△14歩▲16歩
 これ以上動くと悪くなりそうという事で、端歩を突いてお茶を濁しましたが、突き返されてまたも自分の手番。いや~これ、自分が後手ならもう指したくないなあ…。

△45歩
 ああ~、悪いと思っていても指さなくてはいけない時ほど嫌なものもありませんよね。これは佐藤さん、と金を作られて飛車を追い返されるのを承知で踏み込んだか?

▲同桂△44銀
 おっと永瀬さん、銀ではなくて桂で取りました。これは銀の進出すら許さない完封勝ち狙いか?

▲15歩△同歩▲12歩△同香
 永瀬さん、続いて端攻めを絡めた!

▲73歩成△同銀
 続いて永瀬さん、歩を突き捨てて守りの銀をそっぽに行かせた!!しかし、なんと複雑な手順。ちょっとこれは真似できないな(^^;)。。

▲24歩△同歩▲25歩
 更に玉頭に継ぎ歩!しかしここで後手康光さん…

△56歩
 いいなりになっていた康光さん、歩一発で反撃だあああ!!!

▲79角△25歩
 いや~、これ、けっこういい勝負になってないかい?しかしどこで後手が挽回したんだ?私にはまったくついていけません(^^;)。ただ、永瀬さんの3か所に渡る攻めの組み合わせがやたらと複雑だったのは確かなので、そこで何か誤算があったのかも。受ける時は複雑に、攻めはシンプルに、という格言の通りになったのかな?いや、しかしムズカシイ。。

 そして終盤がまた凄かった!!康光さんは敵の飛車を的にしながら入玉狙い、かなり際どい形からいきなり先手玉を寄せに行きました!僕を含めてアマチュアならまずは入玉を確定させてからと考えると思うんですが、あそこから寄せに行くところが、A級棋士の終盤力の恐ろしさなんでしょうね。。…と思ったら、寄せ切れず!!どこかで間違えたのか、それとも無理な寄せだったのか。。結果、永瀬さんが大激戦を制して勝ち!!

 いや~、逆転に次ぐ逆転から、最後の最後にどんでん返し!竜王戦決勝トーナメント、熱いです!!なんか、みんな優勝しそうに見えるんですが…やっぱり本命は羽生さんと渡辺さんなんだろうなあ。


第56期王位戦 第2局 羽生善治 vs 広瀬章人 (角換わり相腰掛け銀)

 猛烈に仕事が忙しい上に、暑くて倒れてしまうそうっす(^^;)。現在、竜王戦挑戦者決定トーナメントで永瀬vs佐藤康の大熱戦が繰り広げられていますが、その前に見逃していた王位戦第2局を観なくては…。。う~ん、この夏は全然将棋が見れなくなるかも知れん。

 さて、王位戦第2局は羽生さん先手で角換わり腰掛け銀。相腰掛け銀と言っても色々な形があるわけですが、今回面白かったのは後手の広瀬さんが△73歩保留&65歩突き越し&穴熊に出た事。実は最近僕も後手角換わりになると△73歩保留を多用しているんですが、穴熊は指さないなあ。さすがは振り穴で一世を風靡した広瀬さん、自信のある穴熊戦で羽生さんに一矢報いようという感じかな?ただでさえ仕掛けの難しい角換わり腰掛け銀ですが、穴熊に潜られてしまうと余計に厄介なので、無理にでも先手は攻めなくてはいけないのかも知れませんが、ここがちょっとビックリでした。

20150721王位56-2_羽生vs広瀬_角換58手 58手目盤面図、後手は穴熊に潜る事に成功。また、ひとつ注目なのは羽生陣右辺の陣形で、金も飛車もひもがついてないゆる~い感じかと思いきや、これが綺麗に角の打ち込み場所をすべて消している!!途中手待ちの展開になったので出来た技ですが、これは覚えておこう(^^)。でもって、ここから…

▲64角△52飛
 羽生さん、△65歩型の弱点の64のスペースに角を打ち込みました!このスペースに角を打ち込めることは分かってるんですが、問題はその角を捌けるかどうかなんですよね。広瀬さんは53を守る△52飛。これで打ち込んだ角は撤退しかないような気がするんですが…

▲53桂成
 うおおおおお、なんだそりゃあああああ(゚ロ゚ノ)ノ!!!!
△同金で桂がタダじゃないのか?!いや~、羽生さんが指したからビビりまくりですが、もしこれを俺が指したら絶対に笑われるぞ(^^;)。。でも…これが成立するなんて事があるんだろうか。。

△同金▲同角成△同飛
 踏み込んだからには角を切りますよね。で、先手はここからどう攻めを繋ぐか…

▲64金
 これで一応飛車銀の両取りですが、飛車を引かれて銀だけ取っているのではソロバンが合わないのでは?いやあ、ちょっと考えられないな、ここまで見ても桂成りが成立しているとは到底思えないぞ…

20150721王位56-2_羽生vs広瀬_角換67手△51飛▲64金(67手目盤面図)
 うわ、羽生さん、普通に清算しに行ってしまった…ええっと…あああああああああ!!!!やっとわかった!!△64同飛と行ってしまうと▲43銀と打ち込まれて潰れなのか!!うおお、信じられん、神がかりの踏み込みを見てしまった、鳥肌が立ってしまったよ。。

△42歩
 というわけで広瀬さんはここで歩を打って銀の打ち込みを消しました。う~ん、もしかすると広瀬さんも桂成りの時にはまだ気づいてなかったんじゃなかろうか。

▲43銀
 うおお、それを無視して銀の打ち込み!!これもちょっとゾクッときました。。なんという攻め潰し、これ、後手はもう受からないんじゃないか…

 以後、広瀬さんは穴熊の弱点の銀の腹になる32をぐりぐりいじめられ、と金攻めでフルボッコ。形作りすら出来ずに攻め潰され、117手にて先手羽生さんの勝ち!!羽生さん、強すぎる。。

 いや~、これは鳥肌モノの棋譜、とんでもない攻め将棋でした。これはすごい。。あんな桂捨て、誰だって早い段階で読み進めるのを止めそうなもんですが、それでも読み進めたというのは、羽生さんはなにか「いけるかも」と引っかかる所があったんでしょうね。その嗅覚が凄すぎる。王位戦、これで羽生さんが2連勝ですが、星の差以上に、広瀬さんはこの負け方は尾を引くんじゃないでしょうか。もう、実力差を見せつけられたような圧殺劇ですから。はぶさん、すげえええええ。。。


第63期王座戦 挑戦者決定戦 豊島将之 vs 佐藤天彦 (△三間飛車)

 王位戦の第2局もやっているし、王座戦の挑戦者決定戦もやっています。しかしそれより大変なのは、これから仕事に出かけなければならない事(*゚∀゚*)。どうしよう。。苦悩の末、王位戦は2日制なので明日見る事にして、王座戦の挑戦者決定の駒組みだけ見てから出かける事にしました(えらく普通の対応だな)。
 王座戦の挑戦者決定は▲豊島さんと△佐藤天彦さんの対決。あれ?棋聖戦の挑戦者決定もこの組み合わせじゃなかったっけ?たしか、矢倉模様からのグッチャグチャの力戦になったような。そして今日は、▲76歩△34歩に豊島さん▲66歩!!豊島さん、天彦さんの恐怖の後手番横歩取らせを回避しました!!対する天彦さんは…△32飛!うおお、天彦さん、後手三間飛車だあああ!!いや~、序盤からものすごい駆け引き、天彦さんの△32飛の着手がえらいはやかったので、天彦さんは豊島さんが横歩を避けてくるのを読んでいて、後手三間飛車を用意していたという事でしょうか。それとも、3手目▲66歩に対しては三間飛車を常套手段にしている?いずれにしても、序盤からすごい駆け引きになったぞ。。さて、今日の大一番はどちらが取るか…というところで、仕事に行ってきます!!

◆◆◆◆◆◆
 ああ、もう翌日の夜か、ヘロヘロです( ̄_ ̄)。。疲れ切っていてちゃんと研究出来てませんが、何となく見た感じでは、序盤に後手が馬を作った時点で後手十分だったんじゃないかなあ。で、どういう経緯でそうなったかというと…

20150721王座63挑決_豊島vs佐藤_後手三間10手 盤面図は10手目、いくらでも前例のありそうな局面な気がしますが、実際はどうなんでしょうか?しかしこれ、先手は左美濃~銀冠としている暇がないような…

▲65歩△72銀
ええ~、先手は角道を開けちゃうのか?!いや~、玉型の差から考えて、角交換になると振り飛車が得になってしまう気がするのですが、豊島さんの狙いは何なんだろう。

▲48銀△35歩▲56歩△36歩
 いや~、後手の3筋の歩が速い。先手は囲い切れずに、はやくも形を乱されるんじゃ…

▲同歩△同飛▲67銀
 いや~、先手は守りの銀を嫌な場所に上がらされました。はやくも玉形で差がついた気がします。

△64歩▲同歩△88角成▲同玉
 ああ~、後手は速くも角交換!これ、すでに後手指しやすいんじゃ…

△66歩▲同銀
うああ、先手は銀を浮かされた。これは…

△67角
 これで後手は馬を作ること確定。そればかりか、先手陣は大きく形を乱され、後手陣は一糸乱れぬ美濃囲い。まだ26手ですが、これは既に後手十分じゃないでしょうか。以降は、天彦さんが差をじわじわと拡げて危なげなく勝ちました。急戦調の三間飛車の典型的な攻め筋ですが、プロでもこれを食ってしまうんだなあ。

 さて、天彦さんは人生初のタイトル戦出場。おめでとうございます!!しかし天彦さん、どうして急に強くなったんだ?う~ん、最近はA級棋士やタイトル出場棋士を蹴散らしてますが、羽生さん相手に通じるのかどうか。ちょっと、気になります。。


なかなか上達しない妻が取った作戦

 久々に将棋を再開した妻、すっかり駒の動かし方を忘れております(^^;)。妻いわく「将棋は勝てないからつまらないんだよ~。勝てれば楽しいはず!」ということで、すっごく弱いコンピューター将棋のサイトを見つけてきました。名前は「こまお」。う~ん、名前からして弱そうだ(^^;)。
http://www.geocities.jp/komao81/

komao.jpg で、この「こまお」、10枚落ちから始められるうえに、相手がネコで、色々と喋ってくれます。「かくをとられたにゃ。もうだめにゃ」みたいな感じ。そして妻、連勝につぐ連勝で、とうとう2枚落ちまで来ました。ここで一度負けるも、もう一度美濃囲いを教えたところ、2枚落ちを撃破!現在、平手で五分のようで、午前中からずっと戦い続けております(^^)。やっぱり、勝つと楽しいんですね。

 というわけで、駒の動かし方を覚えたばかり、みたいな段階の方がいらっしゃいましたら、「こまお」で対戦してみてはいかがでしょうか。幼稚園とか小学1年生とかの子供もたのしめるかも(^^)。こまお、ネコだけあって相当弱いです。。

第74期順位戦A級 広瀬章人 vs 佐藤天彦 (横歩取り)

 仕事に追われまくっているので、まだ序盤の順位戦はなるべく観ない…と思っているのですが、天彦さんが連勝ときいて、見ないわけにはいかなくなってしまいました(^^;)。いやあ、広瀬さんと天彦さんでは広瀬さんが一枚上と思っていました、横歩以外は。そしてこの対決は…横歩です。いや~、これは天彦さん願ってもない展開だったかも。

20150717順位74A_広瀬vs佐藤天26手 盤面図は序盤26手目、やはり後手は△72銀の一手で右辺の囲いを終わらせる速攻。これ、場合によっては美濃にも潜り込めるし、角を使っての端香狙いと飛車の捌きをケアできさえすれば、確かに良いかも。一方の先手はガッチリ▲38金。いや~、やっぱりこの方がしっくりくるなあ。ここで先手広瀬さんは…

▲56飛
 うおお、ここで飛車を中央に据えた?!!古風な狙いですが、これは左右の桂を跳ね出す展開か?!

△24飛▲27歩
 後手は薄くなった2筋を狙って飛車まわり。そして広瀬さん…おおお、▲28銀とせずに歩でガッチリ受けたああ!!いや~、これで受かるなら理想ですが、ちょっと飛銀の捌きが難しくなるような気もするので、後手に先制を許す事になっちゃわないのか?

△34銀▲75歩△44歩▲86飛△83歩
 広瀬さんは8筋に飛車を回し、天彦さんはそれを受ける△83歩。この歩を打った以上、もう後手は美濃に潜りに行くんじゃなかろうか。まだまだ何とも言えませんが、駒組みがこのまま進展したら後手の方が指しやすい気がするのは僕だけ??

20150717順位74A_広瀬vs佐藤天40手▲96歩△43銀▲68銀△94歩▲48銀△62玉(40手目盤面図)

 これで▲中住まいvs△美濃が確定した感じ。攻撃態勢は後手の方が整っているように思えるので、ここから先手がどう手を作りに行くのか、ちょっと参考にしたいなあ。

▲36歩△54歩▲37銀△71玉
 おお、先手は右銀を攻撃に使いました!!その間に後手は美濃に潜る展開。しかしここから情勢はどうも後手ペースになった感じで、先手は飛車を捌ききれず、角も活用できないまま封殺。そのまま天彦さんに差を広げられ、128手にて後手佐藤さんの勝ち!!

 飛車が封殺されたという結果をしっているという後出しじゃんけんですが…▲36歩からの銀の進出のところは、右辺を戦場にしに行くなら、銀の進出の前に▲35歩で飛車を通しておいてから、銀と桂を進出するという構想は、なにか無かったかなあ。普通に行ったら先手は飛車は狭いし攻撃は立ち遅れているし玉は薄いので、右辺で勝ちに行くなら駒を集中しないと難しかったような気がしました。って、具体的な手は全然分からないんですが(^^;)。。まったく検討すらしてないんですが、例えば▲35歩を突いて飛車筋を通しておいて、あとは相手の出方次第で▲36銀~▲37桂~▲25銀とか。2筋の歩の進出を狙て飛車を戻すとか。ああでも、角交換を挑まれるタイミングも考えないといけないのか、これは考える事が結構あって、先手は指しにくい…かなあ。結局、27手目に▲56飛と回ったのは、天彦さん得意の後手横歩取りの研究を外しに行く為じゃないかと思うのですが、その手自体が結構難しいという事だったのかもしれませんね。
 それにしても天彦さんは絶好調。僕的には強さがいまいちピンとこない人なので、いまだこの快進撃が信じられません(失礼^^;)。。A級では3~4勝ぐらいになるんじゃないかと思っていたのですが、これで開幕2連勝!他の棋戦でも挑戦者決定戦にガンガン出てきていますし、どうしていきなり強くなったんでしょうか。やっぱり、渡辺さんと一緒に研究しているのが大きいのかなあ。


第74期順位戦A級 森内俊之 vs 郷田真隆 (急戦矢倉)

 順位戦が始まっておりますが、3~4回戦あたりまでの勝ち負けで一喜一憂するもんじゃないと思い、見ないようにしていたのですが…気になる(^^;)。というわけで、「A級ぐらいは見ても良いだろ」とついつい自分を甘やかしてしまい、見てしまいました。。A級はただいま2回戦、羽生世代の強豪同士の対決!

 将棋は後手となった郷田さんが得意の急戦矢倉に持ち込み、激しい将棋。しかし森内さんの受けがすごくて、郷田さんは敵陣にまったく入り込む事が出来ず。はじめて歩以外の駒が敵陣に入ったのは何と116手目でした。急戦を咎められるときの一番嫌な咎められ方って、駒を全く捌かせて貰えない時だと思うんですよね。速い勝負に行きたいのにガッチリ受けられて、自玉が薄いだけの将棋になっちゃったりして(^^;)。で、初めて駒が当たった時にどういう情勢になっていたかというと、先手森内陣は鉄壁の囲いと攻めの拠点が出来ている状態。森内さんの強さって、駒が当たり始めた時には既に森内十分になっている事だと思うんですよ。序盤から中盤の入り口あたりがどうしても雑になってしまう僕にとっては、こんなにお手本にしたい棋士さんもいない、という感じなのです。

20150716順位74A_森内vs郷田127手 しかし終盤で郷田さんが激しい追い上げ、127手目盤面図の局面に。ここで郷田さんが指した手は…

△45銀右
 ええええ~~、1筋の端攻めを受けずにいいのか?!!しかもこの手は速度的にも問題がありそうに思えるんですが…

▲13銀△31玉▲15飛
 なるほど、先手飛車先が重くなった隙をついての早逃げですか。しかし…

△57歩▲45銀△同桂▲56桂
 あああ、もうこれは先手大優勢じゃないかしら。以下しばらく続きましたが、最終的には165手にて先手森内さんの勝ち!!

 やっぱり128手目は△45銀右なんていう「間違えたら寄せますよ」みたいなプレッシャーの掛け方じゃなくって、△16香みたいな直接飛車を止める手を指して露骨に粘った方が良かったんじゃないかなあ。いや、それで後手がどうなったのかは分かりませんが(無責任^^;)。。昨日のもうひとつのビッグイベントだった棋聖戦もそうでしたが、終盤で「やべえなこれ」と攻め急ぐと、それが命取りという事はあるんだなあと改めて実感しました。とはいえ、秒読みでは仕方がないですね。。
 これで森内さんは連勝スタート、今期の名人戦挑戦レースは森内さん、渡辺さん、行方さんあたりを中心に展開されたりして。そうなったら楽しい事になりそうです(^^)。


第86期棋聖戦 第4局 羽生善治 vs 豊島将之 (相掛かり)

 2勝1敗で羽生棋聖がリーチをかけた棋聖戦。ここで先手番は羽生さん、これは防衛決定か…と言いたいところですが、最近のタイトル戦の相居飛車は後手が大きく勝ち越している気がする(^^;)。さて、将棋は…▲26歩△84歩▲25歩△85歩…相掛かりだあああ!!羽生さん、先手が苦しんでいる最近の矢倉や角換わりを避けた形でしょうか、これは勝ちに行ったな。。しかし、最近の傾向からして横歩や相掛かりを示唆してくる事はあり得たので、これは豊島さんも想定の範囲内でしょう。さて、どうなりますか。。

2015715棋聖86-4_羽生vs豊島_相掛23手 相掛かりは自分では全く指さないので、将棋観戦で覚えてもすぐに忘れちゃいます(^^;)。今日こそ、狙いぐらい覚えておこう!盤面図は23手目、先手は棒銀狙い、後手は…

△74歩▲76歩
 おお、銀桂の進出を狙いに来ました。先手は、ここで角道を空けておかないと△75歩で角を使いにくくされてしまうからですね(^^)。

△88角成▲同銀△33桂
 ここで豊島さん角交換!ああ、これは知ってます、後手は銀冠を目指すんですよ(^^)。相掛かりって、数少ない僕の経験では、囲いに苦労する戦型というイメージです(^^)。。

▲16歩△22銀▲15歩△42玉
 お、先手は後手が銀冠に組む手と引き替えに端の位を取りました!ここひと月ほどで見たプロの将棋も、端の位を取られて負けた将棋がけっこうあったなあ。

2015715棋聖86-4_羽生vs豊島_相掛36手▲46歩△73銀▲77銀△64銀(36手目盤面図)
 ▲46歩は銀の繰り替えの狙いがあるそうです。何となく見た事がある気がするけど、完全に忘れております(^^;)。。一方の後手は桂ではなく銀の進出!全然分かりませんが、分からないなら銀を進出させたいですよね(^^)。で、ここまでは前例のある将棋だそうです。以下、▲47銀△24歩という事ですが…△24歩?タダじゃん、と思ったのですが、蓋歩とか、取ったらヤバい順が何かあるんでしょうね。いいや、今日はそっちの研究は無しで先に進もう(暑さで弱っている)。

▲66歩
 おお、ここで羽生さんから新手!今日の羽生さんは、自分の指した手を否定するような指し回しをする瞬間が何回かあって、ちょっと面白かったです。

 ここからは後手豊島さんが攻撃態勢を作り、先手羽生さんは右銀を47に戻して防戦。とにかく見ていておっかなかったのは、羽生玉は居玉の上に金駒の守りが薄く、しかも連結していない。いやあ、こんなのプロだから指せるんであって、僕なんかが指したら簡単に頓死する自信があります。。

2015715棋聖86-4_羽生vs豊島_相掛81手 そして、終盤が強烈でした!81手目盤面図、この盤面図がどう見えるでしょうか。先手玉はスッカスカでいかにも捕まりそうですが、しかし後手玉も逃げ場がなくて恐ろしい。何より角のラインに入っているのが脅威です。ここ、一体どちらが勝っているのか。。自分なら、普段はこういう時に攻めに行くんですが、ここは攻めか守りか、方針が難しいです。

△75飛▲同歩
 うおお、豊島さん、飛車を切って攻めを選択したああ!!!いやあ、まさか寄せ筋が見えてるなんて事はないよな…さすがにそれは無いと思うのですが、攻めを繋ぐ自信があるのか、ここは踏み込まないとまずいという判断なのか。

△76歩▲同金△49角
 おお、これは綺麗に角を使ったああ!!しかしここで手番は羽生さん、どうするか…

▲45飛△38角成
 羽生さん、飛車を当てに行きました!これ、△58角成なんていったら完全な受け潰しなのでこの角成は致し方なしと行った所でしょうか。しかし…あらら、これ、存外厳しくないかい?いや~、すごくいい終盤戦になりました。ここ、先手はどうするんだろう?? 

▲67金
 56の地点を守りに行きましたが…これで先手玉はほぼ丸裸(^^;)。しかも後手玉への速い寄せも見えないですし、先手どうするんだ…

△47銀▲66金寄△58銀打
 56の攻防戦、先手も後手も利きを増やし、最後は後手の枚数が上回りましたが、この瞬間は詰めろじゃありません。先手反撃するならここですが、しかし手が見えない…

▲44歩
 おお、そこからか!!しかし、△同歩▲同銀△同角▲同飛△43歩で後手受け切れるんじゃ…

△67銀成▲同玉△44歩▲同銀
 豊島さん、先に王手から入ってから手を戻しました!

△56銀不成▲同金
 え?守らずに王手?なんでなんだ豊島さん…ああああなるほど、▲44同銀に対し△同角▲同飛△43歩でも、その後に飛車を6筋に回られた後で1段飛車で寄り筋か。それは分かったけど、この攻めを繋げることが出来るのか??

△投了
 うあああ、豊島さん、受け潰されて投了だあああ!!!99手にて先手羽生棋聖の勝ち、羽生さんは棋聖位を防衛です!!

 いや~、終盤も凄かった!しかし、56の防衛戦ですが、あれは羽生さんが駒を使わせ、受け潰しを狙ったのでしょうか。後手玉の寄せが難しかっただけに、あそこで攻めを督促されて切らされた豊島さん、なんか羽生さんに嵌められた感じがしなくもありません。そういえば、この前も羽生さんは相手に攻めさせて受け潰してたなあ。とはいえ、豊島さんは一度受けに回るといっても、飛車を切った時点で1段飛車の厳しい寄せが見え見えなので、そうなると飛車捨てからの打開がまずかったのかなあ。でもあの段階で優劣の判断は難しい…いやいや、横に逃げられない飛車の打ち込みに弱い形なんだから、やっぱり飛車を渡したら…だめだ、僕程度が幾ら考えても分からんわ(^^)。。

 それにしても大熱戦、面白い棋聖戦でした。しかし第3局も4局も、中終盤力だけで羽生さんは豊島さんをねじ伏せてしまった感じがしました。強すぎる。豊島さんは若くして何度もタイトル戦に挑戦している若手強豪ですが、すべて羽生さんに跳ね返されています。今回の棋聖戦を見る限り、差は終盤なんでしょうね。ところで、若手相手に終盤力で差をつける45歳って、化け物です(^^;)。。


好調と不調

 6月後半は極度のスランプで、失意の11連敗(ノjДj)ノ。う~~ん、以前より将棋の勉強に時間を割いていないので、スランプというより、これが今の実力なのかも…なんて思い始めていました。ただ、今までもこういう事は結構あって、大概は「いつの間にか深く考えないで手なりで指している」状態になっている事が多い気が。で、もうちょっと考えてから指そうと心掛けたところ怒涛の9連勝(o^ー^o)。少なくとも、「あ、ここは間違えるとまずいな」とか「ここは何か良い手がありそうだな」という所ぐらいは、時間を使って考えないとダメですね。大体、序盤勉強では負けているのだから、身の程をわきまえて、中終盤は丁寧な将棋にしないと、勝てる理屈がありませんでした。。
 現在、序盤勉強はマイペースに一手損角換わりを勉強中。青野さんの本、恐ろしく分かりやすいです(^^)。糸谷さんもこれぐらい丁寧に書いてくれ~。丸山さんも一手損の本を出してくれ~。。


第28期竜王戦決勝トーナメント 阿久津主税 vs 渡辺明 (横歩取り)

 竜王戦トーナメントは、優勝候補のひとりで竜王返り咲きを狙う渡辺さんの登場です!阿久津さんは強いですが、渡辺さんの方が一枚上なんだろうなあ。

20150710竜王28TN_渡辺vs阿久津27手 さて、渡辺さんの先手となり、戦型は横歩取り!盤面図は27手目、僕が後手なら△23銀の一択という所で、阿久津さんが指した手は…

△94歩
 おお~、後手は9筋から行きました!端を抑えるなら1筋かと思った…というのは、僕が△23銀から飛車をぶつけて端からドン!みたいな手ばかり指しているからでしょうね(^^)。9筋から行く手はかなり興味深いです。。

▲37銀△95歩▲38金
 対する先手は右銀の活用を狙いました!それにしても最近の横歩は囲いを最小限に済ませていきなり攻撃態勢を作るんだなあ…

△96歩▲同歩
 うおおお、阿久津さん、いきなり行ったあああ!いや~、攻め駒が全然足りてないのに、これが成立するとは到底思えませんが、どうするんだろうか。

△97歩▲同香△93桂
 端攻めの定番、香を浮かてから桂で狙う感じかな?これは角交換との兼ね合いが難しそうですね…。これで阿久津さんの狙いははっきりしました。ここで手番が渡った渡辺さんは…

▲46銀
 おお~、本筋ですね~。しかし、対右四間飛車にしても横歩の反撃にしても、先手の右銀の攻撃活用ってなんとなく遅いよな気がしてしまうのは、私がザックリとしか考えていないからでしょうね(^^;)。。

△98歩
 おお、これは綺麗な利かせです。この歩を切り取るのは大変そうなので、先手の方針はこれを放置したまま攻めに行くことになるんでしょうが、渡していい駒と悪い駒を考えながらになるので、ちょっと嫌らしいですね。まだどちらが良いというわけではないと思いますが、序盤の阿久津さんの狙いはひとまず成功ではないでしょうか。

20150710竜王28TN_渡辺vs阿久津39手▲55銀(39手目盤面図)
 渡辺さんは角交換を拒否。角交換から▲66角の飛車取りも見てみたかった気がしますが…

△85桂▲37桂△97桂成▲同桂△96香▲45桂
 いや~なるほど、踏み込まずとも先手は左辺を守り切りながら万全の攻撃態勢。横歩でありながらこれは先手堅実というか、既に先手よしの気がします。
 以下は渡辺さんの鉄壁の差し回しが冴えわたり、阿久津さん暴れる事すら出来ません。最終的に87手で先手渡辺さんの勝ち!強すぎる。。

 いや~、竜王戦決勝トーナメントの右ブロックは渡辺さんが勝ちあがってくる気がします。左ブロックは羽生さんだろうなあ。そして、最近の羽生さんや渡辺さんの将棋を見ていると、どちらが勝ちあがっても糸谷さんはピンチじゃないでしょうか。羽生さんが竜王を取ったら永世竜王&永世7冠、渡辺さんが取ったら3期ぶりの竜王返り咲き、どちらもドラマチックな展開になりそうです(^^)。。



第56期王位戦 第1局 広瀬章人vs羽生善治 (横歩取り△33角84飛戦法)

 始まりました王位戦!これで羽生王位4冠は棋王戦と王位戦の掛け持ちです、これはきっついなあ。豊島さんに広瀬さん…とうとうタイトル戦も羽生さんに若手が挑むという形になってきました。ここで羽生さんが崩れると一気に世代交代なんでしょうが、この前の棋聖戦を見る限りでは、そう簡単には崩れない気がするなあ。そして戦型は…横歩取りです!タイトル戦で横歩を見るのは久しぶり?最近は稲葉さんの横歩ばかり見ていた気がしますが、電王戦の印象が強いだけかな?
 横歩取り…級位の頃、僕は横歩取りの勉強が全然間に合わず。で、どうしていたかというと…大雑把な狙い筋の幾つかだけをバクッと把握しておいて、あとはタイトル戦で飛び出した手をそっくり真似してました( ̄ー ̄)。そんなものだから、僕の横歩は羽生&渡辺型、といえるかもしれません。そんな羽生さんの後手番横歩は久しぶりに見る気がします。

◆◆◆◆◆◆
 うう、仕事が忙しくって全然観れませんでした(T_T)。終わった翌日の今ごろになって棋譜を追いかけているところですが…いや~、これは凄まじい。横歩は自分で指すと、勝つ時は派手に勝って「あれ?俺って横歩に向いてる?」な~んて調子に乗る事もあるんですが、負ける時は派手にすっ転んでボッコボコ。自分にしても相手にしても、横歩ってうっかりっぽい手が出やすい気がするんですよね。そんな横歩で、羽生さんも広瀬さんも如何にも危険そうな形のまま指し続けるから凄いです。特に後手羽生さんの飛車なんて、えらく危なっかしい所をウロウロしているのに捕まらない。また、棋譜中継の解説でも、いったいどうなってるんだか分からない所で、プロから「後手やや有利」とコメントが出るのも凄い。いや~、僕には形勢不明以外のなにものでもないというか、強いて言うとしても後手まとめにくいようにしか見えなかったんですが(^_^;)。。もう、形勢判断力がプロは段違いなんしょうね。

20150707王位56-1_広瀬vs羽生_横歩65手 形勢判断といって驚いたのは、中盤の羽生さんの構想。盤面図は65手目。この局面に辿り着く前が、後手が42という場所に潜った角を使うために危険な△54歩を指してハッチを開けたという流れがあったのですが、ここで羽生さんの指した手が…

△64歩
 えええええ~~~自分から角の退路を絶っちゃうのか?これは…2枚換え?!例えば矢倉戦での守りの金駒2枚を抜きに行く2枚換えとかなら踏み込めますが、角と桂香の2枚換えは普通構想しないだろう…。これが終盤で明らかに自分が良くなる2枚換えなら分かるのですが、この状況でこんな構想を立てるのか、信じられない。

▲76銀△98歩▲82歩△同玉▲98香△97歩▲87金△77角成▲同金△98歩成
 うわあ、本当に角と桂香の2枚換えだよ…。あとづけで理屈を考えれば、働きの悪かった角を捌き、合せて相手陣を弱体化させつつ守りの金駒を孤立化させ、仮に角を渡したとしても自陣は美濃囲いで耐久力があるから全体のバランスとすればこちらが良いだろう…みたいな判断なのだと思いますが、これを構想できる人が、アマチュアでどれぐらいいるでしょうか。しかも、これで本当に後手は良くなったんでしょうか、僕の棋力ではまったく形勢判断が出来ません(&p゚ω゚*)。。

 しかしこのオソロシイ構想の直後、広瀬さんは羽生さんに角金両取りの桂フンを喰らって、あとは完全な後手ペース。結果、122手にて後手羽生さんの勝ち!最近の羽生さんは強い、強すぎる。。

 これで羽生さん先勝、ただし王位戦は2日制のうえ7番勝負という長丁場なので、まだまだ分かりません。広瀬さん、今日は中盤で幻惑されてしまいましたが、終盤の叩き合いになったら広瀬さんの終盤力は脅威。なんとなく、いい王位戦になる気がしてきました(^^)。。


女子ワールドカップサッカー決勝

la-us-japan-wre0029797036-20150705.jpg 女子ワールドカップサッカーの決勝は、日本vsアメリカ。日本は序盤に4点を失い、結果は2-5の敗戦。

 序盤、セットプレイで相手の空中戦を警戒していたところで低いボールを入れられ、これを続けられて連続失点。将棋に例えれば、序盤の用意の一手で差をつけられた感じでしょうか。離された中盤は勝負手を打たされ、それを綺麗に咎められました。終盤は意地を見せ、守りの銀を攻めに繰り出し、相手の悪手も重なって相手玉に迫りましたが、攻め駒が足りず寄り筋なし、時間を使い切ったところで無念の投了。

 身長差を含め、実際にはかなりの実力差があったと思います。アメリカは、日本戦以外の戦いを見ていても、1チームだけ別格な感じがしました。羽生さんとは言いませんが、好調時の2日制渡辺さんぐらい抜きん出て強い。日本も準決勝まで「負ける気がしない」と言って、またその自負通りに勝ち進んできたのですが…。B1全勝で鼻息荒くA級に挑戦したものの、厳しさを思い知らされて追い返された感じ。僕的には、女子日本代表は、豊島さんぐらいの力なんじゃないかと思いました。間違いなく強いけれど、タイトルホルダーとはちょっと差があるというか。

 それでも、これだけの体格差を弾き返しての準優勝は見事でした!特に、オーストラリア戦で奪った虎の子の1点の取り方は凄かった!何人も引きつけ、遂にセンターにボールを入れた瞬間にすごい勢いで飛び込んできた…と思ったらこれをスルー、その後ろから入ってきた人が絶対に取れない所にスゴいシュートを決めていました。あんなの止めようがないだろうというほどの見事さ、31手詰めに匹敵する寄せでした。そして今日、ノーサイド寸前まであきらめずに全力で走り続け、足を吊って倒れ込む鮫島選手を見た時には涙が出てきてしまいました。もういい、あと数分で3点差は追いつけない、走らなくていいよ、形作りでもういいよ…。そうそう、僕的な女子選手のツートップは、サッカーの鮫島選手と、将棋の室谷さんです( ̄ー ̄)。

 いずれにしても、女子サッカー代表チームの皆さん、本当にお疲れ様でした。見事な戦いぶりでした!!




第86期棋聖戦 第3局 豊島将之 vs 羽生善治 (矢倉 脇システム)

 まずいです、仕事が忙しすぎてタイトル戦すら見れない(T_T)。。翌日の昼になってようやく棋譜を見ている状態です、うう。。

20150705棋聖86-3_豊島vs羽生39手 将棋は相矢倉の脇システム。脇システム、実はちゃんと勉強した事がありません。盤面図は39手目、ここまでは先後同型。角交換しない状態での同型は、角の打ち込みのケアをしなくていい状態での純粋な一手損となるので、後手は変化するならここだと思うのですが…

△42角
 おお~、角交換せずに角を引きました!いや~、こうなると後手は専守防衛という事なのかな?後手がどういう反撃筋を構想するのか、それがちょっと見てみたい…

▲35歩△同歩▲同角
 後手の角のラインが先手の飛車の欄から逸れたので、先手は一歩を獲得しに行きます。矢倉戦後手番の恐怖は、普通に攻め合い叩き合いになると、どうしても先手の方が速いという所。この3筋の一歩交換は、後手は△34歩は手抜けるなら手抜いた方がいい…と、昔『羽生の頭脳』で勉強したけど、当の羽生さんはどう指すんだろうか…

△92飛
 おおおお~、手抜いて端攻めの構想だあああ!!!
棋譜中継によると、前例は全て△84銀だったそうで。そりゃそうだよなあ…

▲57角
 おっと豊島さん、▲46ではなくて57に引いた?!という事は、▲66歩からの防御なり反撃なりを狙っているという事かな?…あ~なるほど、△84銀を咎める形となるのか。ただ、それで守り切れるかどうかはちょっと計算してみないと分かりません。どうなんだろう。

 しかしここから先後とも棒銀の構え、しかし先着は後手の筈の羽生さんで、しかも端攻めの態勢を整えていたのも羽生さんでした。でも矢倉は上からの攻めに結構堅いので、強い人同士がやるとワンサイドにはならないんですよね…と思ったのですが、ここからの後手の襲い掛かり方が変幻自在。飛車と銀2枚の2枚替えとか、構想自体からしてちょっと真似しにくい感じ。いや、2枚替えはアマ弱小の僕ですら狙いに行くことがありますが、交換した後もどちらが良いんだかよくわからないこの状況では、僕なら躊躇してしまうなあ。このあたりの判断は、もう突っかけないと端攻め自体を咎められたと判断したのか、同形将棋の後手だから強引にでも仕掛けていかないとという判断だったのか。怖いと思う所でも、根拠を立てて踏み込むべき所では踏み込む、という事かなあ。
 更にすごかったのは、羽生さんがこの猛攻を強引に通してしまったところ。もう、この戦場での戦いだけで勝敗が決してしまった感じ。豊島さんが歩頭桂の打ち込みでようやく反撃に出たのは79手目でしたが、もうこの時には後手優勢だったんじゃなかろうか。結果、108手にて羽生さんの勝ち!!

 まず、この手の同形将棋で後手から先制を許す展開となったところが驚き。一歩入手という確実な手と引き替えに、後手からの先制を許す事になった、という事かな?普通に行ったらジワジワと先手が良くなるだろうから、良いにしろ悪いにしろ後手はどこかを悪くしてでも(例えば3筋の防御とか1筋の歩の突き合いの手抜きとか)、という所は勉強になりました。それにしたって、先制を許したからところで、あそこまで矢倉が簡単に崩されるとは。歩の手筋のオンパレードだったんですが、あれを防ぐ手だてはなかったんだろうか。途中までは無理攻め模様に見えたし、また豊島さんが受け間違えたようにもまったく見えなかったんですが…攻め将棋の強い人と指すと、こういう事ってあるんですよね(実は数か月前、小学生にこういう強引な打開をされてボロボロにされた;_;)。。それにしても、アマ同士の将棋ではなく、プロ同士で、しかもタイトル戦で、若手最強棋士相手に中終盤の腕力でねじ伏せるって、一体どういう事なんでしょうか。羽生さん、怖すぎます。先手番のこの一番を取れなかったのは、豊島さんにとってあまりに痛い一敗となりそうです。


くっそ~

 竜王戦の決勝トーナメントが着々と進んでいるというのに、忙しくて見られない(>_<)。。いまごろ、棋譜速報で真田vs渡辺戦なんかを見ている状態。それにしても渡辺さんの棋譜は凄いな、圧倒的じゃないか。渡辺さんの棋譜は「うおお、すげえ」という手でも、「こんな手成立するのか?!」という驚きじゃなくて、「う~んなるほど」という感じなので、見ていてすごく勉強になる感じがします。
 別の言い方をすると、真田さん、渡辺さん相手に角換わりを仕掛けちゃいかん、自殺行為だ。真田さん、もう途中で指し手がなくなって、悪手を指さされているみたいな感じ。…でも、序盤で▲19角なんて指すんだから、研究しまくった上に自信もあったんでしょうね。それを平然と跳ね返す渡辺さんがやっぱり強いんだな、きっと。
プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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