第65回NHK杯 横山泰明 vs 菅井竜也 (力戦相居飛車)

 名人戦も白熱して面白かったですが、今日の将棋も面白かった!しかし、名人戦の長時間将棋の後に、1手30秒のNHKの超早指しを見ると、なんかまるで違うゲームみたい(^^;)。

 角換わりになりそうな出だしだったんですが、後手の菅井さんが角道を開けずに力戦決定。力戦となると定跡が使えないわけですが、ここが長時間将棋と早指し戦で違う所。早指しの手将棋だと最善手なんて考えている暇がないというか、よくある手筋の中から悪くない手とか手筋の組み合わせとか、そういうのをパパッと決断していくんだな、な~んて観ていて思いました。

20150531NHK_横山vs菅井68手 68手目盤面図、先手の横山さんは王手飛車の筋に自ら踏み込み、駒の損得で言えば飛車と金を交換した形の駒損で、攻めの拠点も無し。しかし手番だけは握っていて、ここからどうやって手を作るのかに興味がありました。歩3枚と角を持っているので、なんとか飛車の両取りか王手飛車などをかける順あたりでも探したいところですが…

▲33歩
 おお、形の手筋というよりも、駒の手筋ですね(^^)。早指し戦は、そんな手でないと思える手筋の組み合わせ、良い解説の突いた早指しをバンバン見るだけでも、けっこう強くなれるのかも。この歩の打ち込みは最終的に▲46桂の拠点作りを狙ってるな。うまくすれば両取りにもなるし、いきなり王手の角のラインも消せるし、これは好手だと思いました。

△同龍▲46桂
 おお、▲34歩を打つより先に▲46桂を打ってしまうのか!!しかし、何故だ?…なるほど、それだと△34龍の躱しが相手の手を利用した好手になってしまうのか。でも先に打ってどういう手になるんだろうか…と思ったら、村山慈明さんが名解説!これを△45銀と躱してくれれば次こそ▲34歩なんだな。

▲45銀△34歩
 おお~、解説的中!!そうそう、こういう所で手抜いての反撃の筋とか、その時の速度計算とかを考えている暇がないのが早指しなんですよね(^^)。終盤ならまだ手が狭いからしやすいけど、中盤で広い上にその先が長いと読んでいる時間が無い。う~ん、早指し戦の醍醐味です!しかし、桂と歩を使った拠点づくりをされてしまうとかなり強い拠点になってしまうんですよね。

△同銀▲同桂△同龍
 というわけで、後手の菅井さんはこの先手の拠点を放置せず、銀桂交換の駒損上等で崩しに行きます。まあ、大駒を得している状況ですから、ここは少しくらい挽回されても自玉を安全にしておいた方が得、という考えかな?こうやって割り切られてしまうと、先手は無理してでも手を作りに行った構想自体を否定されてしまったようなもんだな、と思ったのですが…

▲83角
 うおお、これはひと目いい手!!飛車が逃げれば▲56角成で後手の拠点を消しながら馬を作りながらそれが龍取り。では飛車を逃げながら56を守ろうと52に飛車を逃げれば▲61角成の追撃です!!

 以降、菅井さんも矢倉崩しの△86歩から△88歩とか、駒の手筋や部分的な手筋のオンパレード。こんな感じで、大体有力筋と、その先10手以内ぐらいの確認程度の読みだけで、実に綺麗に将棋を作ってしまうんだなあ。結果、大白熱の大接戦になり、最後は134手にて後手菅井さんの勝ち!いや~、面白かった!!

 で、なんでこんな「早差しが」みたいな視点でばかり見ていたかというと…実は先日、プロの先生に「これだけ指せるんだったら、何かの大会に出てみたらどうですか?入賞できると思いますよ」と言って貰えたからです( ̄ー ̄)。涙が出るほどうれしかったんですが、しかし何を隠そう、長考型の僕は早指しがメチャクチャ苦手、せめて1手1分あればもう少し指せると思うんですが、一手30秒は考えちゃって切れ負けする事山の如しなのです(^^;)。で、NHK杯をもうすこし真剣に観て、早指し戦の勘所を掴もうと思った次第。…でもなあ、あんまり将棋に夢中になって本業が疎かになったら嫌だなあ。
 しかし、早指しで、互いにあんなに綺麗に手を作って、またウッカリもないんだから、プロってやっぱりすごい。

第73期名人戦 第5局 行方尚史 vs 羽生善治 (先手藤井矢倉)

 3勝1敗で羽生さんがリーチをかけた名人戦。それにしても第4局の大逆転劇は凄かった!行方さん大優勢と言われていた状況から、行方さんがこれといった悪手を指したようにも見えないのにいつの間にかひっくり返っていたんですから。あの負けは行方さんもショックだったみたいで、負けた後にグッとうつむいた感じになり、羽生さんが声をかけられない状況であったほど。行方さん、なんとか気分を切り替えて第5局に向かってほしいです!

20150529名人73-5_行方vs羽生_藤井矢倉60手 今回の名人戦、シリーズ最初から流れがあるというか駆け引きがあるというか、メチャクチャ面白い!今日は第4局に続いて角対抗型の矢倉、先手の攻めが棒銀という所も同じ。違うのは、当たり前ですが先後が逆である点と、先手玉が藤井矢倉になっている点などで、同じ定跡形の争いになっているわけではない所。そして盤面図は60手目、行方さんが角交換から角と歩をうまく使って後手陣をバラバラにしたところです。いや~、先手陣の無傷ぶりに比べ、後手陣は金銀がマジでバラバラですね(^^;)。実際の形勢は分からないのですが、素人目にはさすがに先手が良いように見えるなあ。第2局以降、序中盤は全部行方さんが羽生さんを上回ってるんじゃなかろうか。

▲24歩△同歩▲15銀△32金▲61角
 行方さん、思いっきり棒銀をかまし、そして角の打ち込み!ちょっと自慢すると、僕はこの▲61角を当てました(*^ー゜)v。。へっへっへ、最近は観ながら頓死やウッカリを連発していたから、なんだかうれしいっす。で、この▲61角、思いっきり厳しいと思っていて、じつはもう後手寄り筋なんじゃないかと。だって、本当なら△33金と玉を固める方向に避けたいと思うんですが、それをやると▲24銀で思いっきり棒銀が決まってゲームオーバーですからね。それとも、羽生さんが指すと逃れてしまうなんて事があるのか?いやいや、如何に羽生さんと言えど、これは厳しいんじゃないかなあ。

△53金▲24銀△23歩▲同銀成△同金
 ああ~、思いっきり棒銀炸裂です(T_T)。これ、自分だったらもう指す気がしないというか、後手はずっと受ける展開になっちゃうんじゃないかなあ。しかも、一手でも間違えたら寄り、みたいな。。

▲24歩△33金▲37桂△36銀▲34歩△32金▲23歩成△同金▲24歩
 続いて、行方さんのダンスの歩が炸裂!!いや~、こんなにきれいなダンスの歩は、何年か前のNHK杯での羽生-森内戦(?)以来の気がするなあ。これは既に後手グッタリの気がしますが、しかし伸びた銀を活かして先手の飛車を止めに行って凌ぐ感じかな?

20150529名人73-5_行方vs羽生_藤井矢倉80手△27銀(80手目盤面図)
 えっ(;゚д゚)?歩じゃなくて銀で止めた??羽生さん、もしかして入玉を狙ってるのか?!うおおおお、2局続けて、角対抗型からの角交換、後手入玉模様の攻防戦となりました!!いや~、これは単にこの将棋の勝ち負けだけじゃなくて、今後の羽生-行方戦の格付けを狙う心理戦。前局で羽生さんは大優勢にみえた行方玉の入玉を食い止めて押し返しましたが、行方さんにそれが出来るのかという駆け引き。いや~、これは一種の往復ビンタ狙いと言えるんじゃないかでしょうか。

▲23歩成△同玉▲27飛△同銀成
 いや~、ここは一直線という気がしますが、先手はここからどうやって手を作ればいいんだろうか。角を捌く、入玉を防ぐ、拠点を作る…もう、方針自体が難しい気がします。

▲55歩
 うおおお、これは行方さん凄い!角を捌きに行きましたが、その働きかけが▲55歩からというのは全然見えませんでした(^^;)。。う~ん、さすがは名人戦、第2局以降はどの将棋も絶妙手が当たり前のように飛び出してくる凄さです。

△同歩
 羽生さん素直に応じましたが、これは▲54歩を喰らってオシマイなんじゃないか…と思ったら、先手歩切れだああ!!!

 ここからは第4局と真逆の展開、先手行方さんが入玉を防ぐか、後手羽生さんが入玉するか。ここでの羽生さんの指し方が入玉将棋のお手本のような指し回しで、玉が入る事を急ぐのではなく、まずは上部開拓をして利き駒を外しながら成り駒を作り、玉が入るのは相手の応じながら。これで羽生玉は入玉成功。この段階で、プロ的には既に勝負がついていたのかも知れません。以下、手数こそ長くなったものの、羽生さんは万全の守りから間違っても行方玉を上部に逃がさない万が一すら起こりえないような鉄壁の指し回し。最後は170手にて後手羽生さんの勝ち、名人防衛です!!

 いや~、これまた羽生さんの逆転将棋(たぶん)。羽生さん得意の自分から攻める将棋ではなくて、先制させて受け潰してしまいました。羽生さんの将棋というよりも、一緒に研究会をやっている木村一基さんの将棋を見ているような気分。それにしても羽生さんのこの強さは何なのでしょうか。行方さんは詰め将棋がメッチャクチャ強い棋士、序中盤で優位に立てれば勝負になるのではという戦略自体は間違っていなかったと思うし、それはおおむね成功していたような気がします。しかし、問題はその自信の中終盤で、羽生さんが強すぎた。考えられないような指し回しを見せられて、ことごとくひっくり返されてしまいました。それでも、面白い将棋が多かった素晴らしい名人戦でした。行方さん、負けてあっぱれです!!

 さてこの先、羽生さんは豊島さんとのタイトル戦など、若手とのタイトル戦が待ち構えています。少し前なら羽生世代同士か渡辺さんとの戦いが大半だったと思うのですが、中村太地さんや豊島さんや糸谷さんなど、タイトル戦に徐々に若手が顔を出すようになってきています。個人的には、渡辺さんに抜かれるよりも先に、それより下の若手棋士に抜かれてほしくない。羽生さん、次のタイトル戦もがんばってくれ~(ついでに竜王戦を制して永世竜王&永世七冠をとってくれ)!!


第65回NHK杯 佐々木勇気 vs 藤原直哉 (角換わり相腰掛け銀△73歩待機型)

 おお~、藤原さん、初めて見た気がします!プロ将棋観戦歴が短いもので、ベテランの方で名前しか知らない人が結構いるんですよね~。普通に考えれば若手超強豪の佐々木さんが勝つと思うんですが、ベテランさんは今ではあまり指されなくなった戦型に引きずり込んで若手を翻弄する事があるので、全盛期を過ぎた人でも侮れないんですよね。

20150524NHK_佐々木vs藤原38手 38手目盤面図、角換わり相腰掛け銀になりました。珍しいのは後手が△73歩待機型に出た事。いや~、去年に中村さんと深浦さんが何かの棋戦で指したのが、僕が見た△73歩待機型の最後の気がします。藤原さん、古い戦型どころか、最新形に踏み込みました(^^)。△73歩▲48飛の場合、後手の右金の位置が最終的に42に来るか43に来るかがかなり重要で、最終的に▲25歩48飛となった時に△42金右になってないと▲45歩から後手がマズイ事になる仕掛けがあるんですよ。何故そうかは『これからの角換わり腰掛け銀』に詳しく書いてありまして、この凄すぎる本で大の苦手だった角換わりが、今では自分の主力戦法になってしまったんだから、定跡書の威力は侮れません(^^)。しかしこれが先手と後手の指し手の公倍数で変わってくるので、計算しにくくって大変だったりして(^^;)。

▲18香△42金引▲66歩△43金直▲25歩△42金引▲68金右
 でました、相腰掛け銀最大の難関、手待ちです(^^)。先手はどんどん形を作っていきますが、しかし進めきったところで仕掛けが難しいという飽和状態に達してしまうという、とんでもなく嫌らしい将棋なんですよね、△73歩待機って。それにしても、佐々木さんの▲68金右は工夫の一手というか、これで僕は公倍数が狂ってしまいました。アホです(6 ̄  ̄)ポリポリ。

△12香
 ここで後手は穴熊を示唆!△73歩待機&穴熊は何度か見た事がありますが、先手が仕掛けられないと見ての、後手の△42金右を固定したままの手待ち&隙あらば穴熊の合わせ技なのかな?

▲28飛△74歩
 角換わりで、羽生さんが後手が穴熊に潜った一瞬の隙を突いた仕掛けを見た事がありますが、完全に忘れてます(^^;)。あれは端から行ったんだったかなあ。しかし、仮にここで玉が潜ったとして、先手にどういう仕掛けがあるのか全然分からん。

20150524NHK_佐々木vs藤原57手 しかし対局者の藤原さんは何かまずい順を発見したようで、穴熊に潜らずにここで△73歩待機を解消。まったくの直観なんですが、これが何となく絶妙のタイミングの気がしました。この瞬間に佐々木さんが4312の順で歩を突き捨てての仕掛け!!これで57手目盤面図に辿り着いたんですが、ここで藤原さんから凄い手が飛び出しました!!

△46角
 おお~、僕はてっきり桂頭の歩の△36歩の一択かと思ったんですが、こんな手があるのか!!いや~、たしかにこの桂は守りにくいぞ、▲38飛でも▲27飛でも△36歩が激痛の気がする。

▲26角
 おっと、これも綺麗な受け!…と思ったんですが

△35銀
 うおお、藤原さん、これは見事な切り返し!!!これは駒の拾い合い必至、もう後戻り不能のいきなりの斬り合い!!いや~、ここの盤面図はめっちゃくちゃ面白かった!色んな取り順があるし、またそれがまずければ別の指し手もありそう。ここが今日の山だったと思います。

▲47銀△26銀▲46銀△同歩▲26飛
 おおお、佐々木さん、この局面の片をつけに行きました!しかしここで△47歩成とすれば後手は駒損なしでと金を作って不満なしかと思ったんですが、ここでまたしても藤原さんから素晴らしい手が!

△35銀
 ああああ、攻めを継続する好手が出たあああ!!!!う~んなるほど、後手不満のない見え見えの手があるのに、それ以上の手をさらに考えるんですよねえ、プロは。いや~、なんかこれは後手が良くなったような気がするぞ。もしかしたら佐々木さんもこの手は見えてなかったんじゃなかろうか。

 ここからの藤原さんの指し回しは見事!プロって一度よくなると逆転させない鉄壁の指し方をしてくるのでオソロシイ。。相手の飛車をいじめながら抑え込み、そのまま玉まで入玉してくる構想、この構想はこの前の名人戦でも観たぞ。。
 ところが佐々木さんも若手超強豪、完封負けかと思いきや、素晴らしい指し回して自分も入玉の狙える形まで漕ぎつけてしまいました。いや~、もう自分とは棋力差がありすぎて、ため息しか出ないですね、プロ将棋は(^^)。

20150524NHK_佐々木vs藤原129手 そして最終盤。これは佐々木玉も入玉か、と思ったところで、またしても藤原さんの妙手が飛び出しました。盤面図は129手目、後手は入玉を防ぐ押さえ駒が少ない。いや~、これで入玉を防ぐ指し回しって簡単じゃないと思うんですが…

△78飛成▲85玉
 うわあ、9筋から飛車をどかして大丈夫なのか?!これは手順に先手玉にグイグイ入ってこられるような気がするのですが、大丈夫なんでしょうか…

△64金
 おっと、これはひと目好手、しかし本当に入玉を防げるんだろうか…

▲91銀不成
 佐々木さん、これで上部の押さえ駒を全部掃除してしまいました。俺なら寄せられる自信がないぞ…

△93銀
 上部に逃がしたらオシマイなので、寄せるならこの一手かも。

▲84馬
 しかし佐々木さん、この銀を外しに行きます。これを取りかえしていると手順に入玉コース。持ち駒が色々あれば「取ったら寄り」みたいな仕掛けが作れそうですが、後手は持ち駒が少なすぎる。これは「玉を危険地帯に誘え」が使えるかどうか…

△76龍
 おおおお~~、マジで龍捨ての寄せだあああああ!!!これは決まりました、なんというカッコいい決め手!!これをみて佐々木さん投了、藤原さん、カッコ良すぎる決め手で若手強豪を一回戦で葬り去りました!!!この投了図、カッコ良すぎです(^^)。

 いや~、定跡を外れて以降は完全に読み比べの将棋になったと思うのですが、要所要所で藤原さんの読みが佐々木さんを上回っていたように思いました。序盤も古い戦型に誘導なんてとんでもない、相腰掛け銀の最新形課題局面に引きずり込んで若手を上回る見事さ。いや~、これは素晴らしい将棋を見てしまいました。この将棋も面白かった!!ちょっと藤原さんのファンになってしまいそうです。


将棋こども名人戦

 今日はオフ。夜はコンサートに行く予定があるので、昼間は髪切りに行ったりたまった雑務を片付けたりしてました。途中で一服、何気なくテレビをつけると…おお、将棋こども名人戦なるものをやっているではありませんか!
 これが早指し戦なんですが、出てる子供がみんな強い強い!!僕は思いっきり長考派なもので、なんでこんなに速くさせるのか、その原理を訊いてみたいです。部分的な筋を知っているというのは勿論なんですが、それが成立するかどうかをなんであんなに速くジャッジできるんだろう。子供、凄いです。
 また、戦略も見事で、四間飛車穴熊のスペシャリスト相手に居飛車急戦を仕掛けたりして、「これ知らないだろ」という感じ(^^;)。いや~、駆け引き入ってますねえ。

 で、最後のインタビューが秀逸。大人のインタビュアーが「将来は何の仕事をしたいですか?」という質問をぶつけます。こんなの、言わせたい事がはっきりしていて、大人って嫌だなあと思ってみていました。子供の解答は注文通りの「プロ棋士です」のオンパレード。しかし優勝した子は…「普通の仕事がしたいです」。いや~、これ、分かってはぐらかしたのだとしたら、大したもんです。僕はこういう子供だったなあ(^^)。ちなみに、居飛車急戦を仕掛けたのもこの子。彼はどんな世界に行っても出来る奴になるでしょう。同時に、友だちを選ぶ人間にもなるんだろうな。良さを理解されないタイプ。

 しかし、大人もさるもの、この返答に対して「でも、一生将棋をやるよね?」。いや~、意地でも言わせるんですね。大人は嫌いです(^^;)。

昨日の名人戦第4局の記事に追記を加えました

 昨日の名人戦はすごかった!!しかし、終わらせなくてはいけない仕事があったために、記事がちゃんと書けず(T_T)。ちょっと自分でも勉強したい事があったりしたので、今日になって自分なりに考えながら追記しました。

 いや~、それにしても大名局だったと思います。名人戦史上にも残る対局だったのではないでしょうか。翌日になった今も余韻が残っている感じです(^^)。。

第73期名人戦 第4局 羽生善治 vs 行方尚史 (矢倉)

 羽生名人の2勝1敗で迎えた第4局。この名人戦、行方さんは終盤の入り口あたりまで羽生さんと互角以上に渡りあいながらも最後で時間に追われてしまう展開が続いています。将棋自体の実力差じゃなくって、時間の使い方という戦略で負けている気がするので、すこし勿体ない気がします。この第4局を落とすと崖っぷちなので、行方さんガンバレ!

20150520名人73-4_羽生vs行方_矢倉36手1 将棋は矢倉になりました。そして行方さん、またしても序盤の普通の手で1時間ほどの大長考(*゚∀゚*)。急戦矢倉へのルートもありそうでしたし、行方さんは終盤に自信があるので、とにかく序盤で差をつけられないで行けば…という考えなのかな。盤面図は36手目、僕は▲46銀37桂マニアなので(^^)、手損になってもギリギリまで▲25歩は指したくないタイプなのですが…

▲25歩
 おお~、矢倉はどちらが先手を取るかが重要という事かな?▲46の角を引かずに2筋の歩を前進させました!しかしベテランは見ていて恐ろしいです。特定の戦型だけでなく、脇システムだろうがなんだろうが指しこなしてしまいます(^^)。

△62飛
 おお~、行方さん、飛車を6筋に据えました!これは角交換後の事を考えた構想かな?でもこれ、何となく見た事があるので、定跡なのかも。

▲68角
 いや~、なんで突いておきたい端歩を突かないのかと思ったんですが、なるほど△62飛が角交換を見据えた構想なので、相手の注文には応じませんよ、という事ですね、きっと。

△85桂
 直接の形以外にも、飛車を6筋に回した以上、角を引く場所を作らないと飛車を使えないという理由もあっての桂跳ね。う~ん、ゆったりとした進行とはいえ、1日目の駆け引き面白い(^^)。

 ここで一日目は終了、羽生さんの封じ手となりましたが、▲86銀以外はあり得ないでしょう(^^)。いや~、矢倉持久戦はものすごい序盤駆け引きからいきなり切り込んでねじり合いになるので、現状ぐらいが一番ドキドキします。先手は攻撃態勢を作るのにもう少しだけ時間が掛かりそうだし、後手も離れ駒の右金とか飛角の活用あたりも万全に組んでから行きたいんじゃないかと思うので、戦いは明日の午後ぐらいからかな?

◆◆◆◆◆◆

2日目です。ヤバいです、面白すぎです!!信じられない大逆転劇。これは大名局といっていいんじゃないでしょうか!!

20150520名人73-4_羽生vs行方_矢倉41手  まず、昨日の封じ手は▲86銀(41手目盤面図)。後手は飛車を6筋に振った以上、角引いて6筋から攻めるとばかり思ってたんですが…

△72飛▲16歩△43金右
 おお~、行方さん、飛車筋を変えました!!いや~、指されると納得ですね。で、羽生さんはここで指したかった端歩を突き、行方さんは離れ駒の右金を玉に引き寄せて駒組みを進めます。

▲46角
 ええええ~(゚ロ゚ノ)ノ、さっきは手損しても角交換を避けたのに、今度は角をぶつけた?!なるほど、飛車筋が変わったので自分から角交換して歩が前に来てもそれが手損に繋がるわけではないので、さっきとは状況が違うという事かな?

△45歩▲64角△同銀▲35歩△同歩▲26銀
 その角を行方さんが追い返しに来たところで、羽生さんは角交換。たしかにここで引くようなら最初からあがりませんね(^^)。で、ビックリしたのは▲26銀。うおお、羽生さん、棒銀だああああ!!!いや~、▲25桂と桂を跳ね出す形マニアの私からしてみると、▲25歩型での攻め筋はとても興味あったんですが、よもやの棒銀か。。

△34金▲15銀△82飛▲24歩△同歩▲61角
 先手は銀の進出から強引な▲61角の打ち込み!▲61角の単純な狙いは▲24銀△同金▲34歩とかその辺りなんでしょうが…

△43角▲同角成△同金▲26銀
 A級最強の行方さん、それを合わせの角で完璧に弾き返しました。羽生さん、棒銀撤退です(×_×;)。いや~、角交換~棒銀という羽生さんの構想は完全に失敗。行方さんは相手の手に乗りながら上部に厚みを築き、しかも2歩得。羽生さんは2歩損のうえ、歩切れで痺れてしまいそう。互いに角を持ち合っているので、迂闊な駒組みが出来ないという制限こそついているものの、行方さんはそれさえ気をつけていれば抑え込めちゃうんじゃなかろうか、と観ている時は思いました。

20150520名人73-4_羽生vs行方_矢倉70手 ちょっと進んで70手目盤面図。予想通りというか、行方さんは玉を2筋から逸らして万全の状態。玉形こそ崩れていないものの、もう先手は打つ手なしというか、ジワジワと抑え込まれて飛車も銀も桂も全部取られながら入玉されて完封負けしかないような状況に見えました。ここで羽生さんが放った手が…

▲23歩
 うわあああああ、なんだこれは(゚ロ゚ノ)ノ!!
いや~、放っておけばジリ貧なので、何か指さなくてはならないのは分かるんですが、これって玉を2筋に呼び戻すためだけの狙い?…いやいやいや、△同玉だと▲41角か!!いや~、この歩が働くようになるとは思えないんですが、それでも簡単に切り取れないというだけでもものすごく嫌な利かしではありますね。まあでもここから手なんて作れないだろ。何といっても相手は行方さん。変な手を指さず、延々と好手を指し続けるという、劣勢になった時にはもっとも嫌なタイプの棋士だからな。

△33金寄▲22角
 うおお、角を打ち込んだあああ!いや~、攻めを繋ぐならこれしかないという感じですが、しかしこれは角を捕獲されること決定じゃないかい?桂跳ねて飛車を引かれたらどうするんだろう。角捕獲には少し手数がかかるので、それまでに手を作るという事か。でも…手が作れるんでしょうか。

△13香▲11角成△23金▲26銀△33銀
 うわあ、後手は拠点の歩を外し、馬を寄せに来ました。羽生さん、攻めを切らされた上に無理攻めを強要されて終了コースか…。。しかし▲26銀って、意味わからんぞ。いや、これ、何かを狙ってるのか?

▲37桂△36歩
 いやあ、この桂跳ねも、歩で頭を押さえられて無駄死にの爆死コースかと思ったんですが…

20150520名人73-4_羽生vs行方_矢倉81手▲25桂(81手目盤面図)
 いやあ、すげえ…タダ捨てにしか見えずに読みからガッツリ外してましたが、これはちょっとゾクッときました。抑え込みからジリ貧圧死コースだった筈が、いつの間にか攻めと受けの速度計算をしなければならない複雑な局面図になってないかい?なんか、ものすごく嫌な予感がする…

△同歩▲同銀△37歩成▲34銀
 うあああああ、まじでマジックだろ、これ。
速度計算勝負に引きずり込む常套手段として、こちらの大駒を取らせている間に相手の守りの金駒を2枚以上外すというトリックは僕も使いますが、ここで△28と金と飛車を抜きに行くと▲21馬△同玉▲23銀で一気に寄り形じゃないか!!

△同銀
 というわけで、行方さんは飛車を抜きに行けず、△同銀でここでの攻め合いを終結させました。いや~、ドキドキしたけど羽生さんの反撃もこれまで。寝よう。  と思ったんですが…

▲22金
羽生さん、攻めを繋いだあああ!!でもこれ△同金で何でもないんじゃ…うおお、まだ飛車が生きていたんだった(^^;)。それやったら▲同飛成でオシマイか。さっきから僕は頓死しまくってますね(^^;)。。

20150520名人73-4_羽生vs行方_矢倉98手 しかしこの羽生さんの猛追も、またしても「間違えない人」である行方さんに正しく受け切られてしまい、羽生さんはとうとう飛車まで抜かれて、「もう逆転は無い」(渡辺さん談)状況になって、終わったかと思いました。しかし…

 盤面図は98手目、ついに行方さんが寄せに行った局面。金取り(逃げれば馬抜き)と玉のラインという3つを同時に狙う準十字飛車のような激辛の打ち込み。これは自分が先手だったら読む気も失せるというか、まず先手玉が詰めろになってるかどうかを考えて、大丈夫なら…な~んて考えていたんですが…

▲25桂
 いやあ、これもため息が出てしまった。。金取りを受けつつ攻め駒を増やして▲33桂成を見るのか。う~ん、この将棋を見ているだけで中終盤の棋力がやたらと上がっていく気がするぞ(^^)。なんか、すごい物を見せて貰ってる気がする。

△35玉▲17銀
 行方さんは入玉含みの躱しに対して羽生さんは押さえ駒の▲17銀。この入玉の構想、ニコニコ生放送では渡辺さんが疑問視していましたが、だからといって玉を引く手はいよいよ先手の馬が働いてしまいそうで怖すぎると感じてました。しかしたしかに▲17銀は待ち駒になると同時に飛車取りに当たっていて、これで飛車が2筋から逸れてくれるといよいよ2~3筋の後手陣の攻防戦が分からなくなってくるという味の良い手に見えます。

△38飛成▲33桂成△24玉▲34成桂△同玉▲26銀
 うわあ、羽生さん、後手の囲いを全崩壊させましたよ…

△32歩
 しかしここで行方さんは馬の道を遮断しました。いや~、ヒヤヒヤしましたが、これで先手の攻めは切れ模様かな?お疲れ様でした。そろそろ仕事に行く準備をしなくちゃ…

▲22馬△33桂▲13馬
 うわあ、羽生さん、馬の運動だけで危機を作りながらこの馬が守りにも聴いて攻防の馬になっちゃったぞ…

△36と▲37香
 うあああああ、すっげえ香打ち!!!いや~なるほど~、全然見えませんでしたが、△同龍は龍を抜かれて大逆転なので問題外として、△同歩でも▲35馬が激痛なのか!!マジでこれ大名局なんじゃなかろうか。。

20150520名人73-4_羽生vs行方_矢倉114手△95歩(114手目盤面図)
 行方さん踏み込んだアアアア!!この辺、行方さんがビシッと良い手つきで指すものだから、僕は後手が勝ったと思ってしまいました。

▲36香△43玉▲35馬
 羽生さん、受ける前に反撃だあああ!!!!
互いに寄せ合い、ものすごい終盤戦になりました。しかし▲35馬が王手になっていないので、ここで後手は一気に来るでしょう!

△96歩▲98歩△97歩成▲同歩△同香成▲同香△96歩▲同香△98金▲79玉△46桂
 行方さんも一気に寄せに行ったあああ!!!しかし△46桂で手番が羽生さんに渡ってしまいました。しかし羽生さんも後手玉を寄せるのは容易じゃないぞ、寄るのか、これ…

▲68銀
 うおお、羽生さん、受けたあああ!!!
いやあ、これも指された時に予想だにしない手だったものでゾクッときました。。いやあ、この記事のこの部分は観た翌日に書いてるんですが、記事を書いているだけで昨日のあの興奮が甦ってきてしまった。この名人戦を僕は一生忘れないんじゃなかろうか。
 それにしてもこれ、後手は王手をかけるなら△39龍▲59香(これを打つための▲68銀でしょう)△58桂成の一直線ですが、これで詰めろ。その時に先手がどうするかというと…う~ん、後手玉は64の銀と82の飛車の横利きがよく利いていて、寄せ方が分からない(^^;)。というわけで、受けには▲99歩ですかね。それなら受け潰しの気がします。
 じゃ、先に△58桂成から入ると?…やっぱり▲99歩か。いや~、これは激辛の一手、ここに来て羽生さんは受け潰しか?!!じゃ、ここで行方さんは受けの手を指すのが正着かというと…ああああ、持ち駒が歩しかねええ(;_;)。

△58角
 というわけで、先手の攻めの拠点となっている香を抜きに行く裏からの受けの手。これが攻めにもなっていたら攻防の角だったんでしょうが、飛車が1段目に落ちていないので詰めろじゃないんですよね。

▲59香
 うわあ、羽生さん辛い、寄せを見ずに受け潰しに行ったあああ!

 以下、羽生さんは鉄壁の受け潰し。141手にて先手羽生さんの勝ち、3勝1敗となり、羽生さんは防衛にリーチとなりました!!

 この名人戦第4局は面白かった!!凄すぎて感動してしまいました。名人戦の歴史の中でも語り継がれておかしくない神局だったのではないでしょうか。いやあ、2日目の将棋は色々と勉強したい所もあって、途中から翌日に書いたんですが、翌日になっても興奮が収まりません。負けた行方さんですが、第5局はあまり間隔があかずに来週すぐに行われてしまうので、とにかく次の先手番までに気持ちを切り替えたいところです。ここまで来たら一戦必勝、行方さんガンバレ!!


第56期王位戦 挑戦者決定リーグ最終戦 一斉対局

第56期王位戦七番勝負・挑戦者決定リーグ白 昨日は王位戦の本選リーグの最終戦一斉対局がありました。いや~、最終戦一斉対局というのは、順位戦でも何でも気分的に盛り上がりますね(^^)。王位戦の本選リーグは、紅組と白組のふたつに分かれていて、互いでトップを取った棋士同士が挑戦者決定戦に進むというシステムです。ややこしいですが、独自色があって意外と好きです(^^)。ただ私、このシステムの細かい所まで知らなくて、これが思わぬことになりました。

 まずは白組。佐藤康光さんと千田さんのベテラン強豪vs若手強豪対決は、佐藤さんに軍配。これで佐藤さんは4勝目、菅井さんが負ければ白組優勝だったんですが、菅井さんも勝ったために4勝1敗が2名となり、佐藤vs菅井のプレーオフへともつれ込みました。これは納得。

第56期王位戦七番勝負・挑戦者決定リーグ 一方の赤組。これがちょいとビックリな結末に。木村一基さん、広瀬さん、山崎さん、佐々木勇気さんと、3勝2敗が4名出る結果に。私は当然プレーオフになるかと思ったんですが、プレーオフなしでなんと広瀬さんが紅組優勝決定!えええ~~、これはどういう事なんだぜ?!…どうも、3勝2敗がトップ成績で同率になった場合は、プレーオフ削減のために、直接対決の成績が反映されるみたいです。えっと…4者の中で直接対決2勝1敗の勝ち越しが広瀬さんと山崎さんだけで、更にこの両名の直接対決が広瀬さんの勝ちだから広瀬さんに決定、という事かな?う~ん、分かりにくい。。なんか、前期挑戦者の木村一基さんが、最後に広瀬さんを倒して同率首位になったのに、その広瀬さんが優勝で、勝った首位の一基さんはリーグ陥落って、なんかすごく腑に落ちないな。まあ、ルール自体は理屈に合ったものだと思うんですが、単純に何か引っかかる感じです。

20150518王位戦挑決リーグ_木村一vs広瀬_角換38手 面白かったのはこの木村vs広瀬の直接対局。第一局は千日手!そして迎えた第2局ですが、これが木村さん先手番の角換わり同形腰掛け銀。来ました、先手必勝の結論の筈なのに、プロでは後手からこの形に誘導してくることがちょくちょく見られる戦型です!一時けっこう指されていたので、プロの水面下の研究では後手側の新手が見つかったんじゃないかと思っているのです。盤面図38手目は同形腰掛け銀の基本図。ここから先手の歩の突き捨てが始まるわけですが、43172が旧型で途中で後手が手抜いて反撃する筋があるコース、42173が新型で、これで先手よしになるはずなんですが…

▲45歩△同歩▲35歩
 あああ、木村さん、古い突き捨て順を選んだ。。やっぱり、42173には何かヤバい変化があるのかな。ず~~~っと知りたいと思ってるんですが、またしても見れなかった(T_T)。。ここまでプロが42173の順を回避すると、やっぱり何か後手の反撃筋が見つかってるんでしょうね。

△65歩
 そうそう、ここでこの反撃があるから、43のコースは普通に43172と進む事が出来ないんですよね。この将棋は結構見ているのですが、どちらが良いんだか未だによく分かりません(^^;)。

▲同歩
 そうそう、これは同歩が最善なんですよね。

△86歩
 おっと、△44銀が最新形かと思いましたが、広瀬さんは古い筋を選択しました!この筋は『羽生の頭脳』に出ているんですよね(^^。でも、新し目の定跡書には出ていないもので、これも結論を知りたかったりします。

 この後、広瀬さんは羽生本とは違う順に踏み込んだんですが、結果は完敗。面白いように同形腰掛け銀の部分的な筋をあれもこれも使われてフルボッコ、手合い違いかと見紛うほどの大差でした。きっと、先手に42173と指して欲しかったんでしょうね(^^)。これで両者3勝2敗の同率一位となった訳ですが、前年挑戦者で順位1位で広瀬さんをフルボッコした木村さんがリーグ陥落、負けた広瀬さんが紅組優勝となった訳です。僕の違和感はここです(^^;)。。でも、6人のリーグで4人プレーオフじゃ何のためのリーグ戦だかよく分からないし、久々に同形腰掛け銀が見れて楽しかったからオッケーですね!

 さて、これで王位戦挑戦者決定戦は、佐藤康光さんと菅井竜也さんの勝者vs広瀬章人さんとなりました。これは誰が挑戦者になっても面白そうだなあ。


第65回NHK杯 丸山忠久 vs 宮田敦史 (角換わり相腰掛け銀)

 今日の将棋はものすごく面白かった!!!将棋自体も、角換わり相腰掛け銀の中でも珍しい形で見応え十分だったんですが、シロウトの僕にしてみれば、渡辺さんの解説が凄すぎました!いや~、今日の将棋は渡辺さんの解説つきで、録画して永久保存版にしておきたかったぐらいです(^^)。必死に渡辺さんが言っていた事を覚えようとしたんですが、解説がメッチャクチャ速いのでついていけなかった(^^;ゞ。。
 渡辺さんの解説によると、丸山さんは序盤巧者なんだそうで。マジか、いきなり踏み込んでくる攻撃的中盤型の棋士かと思っていたんですが、プロから見ると違うんですね。たしかに角換わりのスペシャリストですしね。

20150517NHK_丸山vs宮田_角換相腰掛銀34手 34手目盤面図、すでにこの駒組み段階から面白かった!僕の常識は△74歩型に対しては▲66歩の一手。他であり得るのは▲37桂の跳ね出しですが、これもたしか合流するハズ。しかし丸山さんの指した手は…

▲45歩
 ええええ(゚д゚ノ)ノ !!いきなり仕掛けの急所の4筋の位を取りました!!いや~、飛車や桂の援軍もない状態でいきなり行くのか。ここでまた渡辺さんの解説に驚き。「丸山さんは、74の歩を先に突くと、位を取ってくる確率が高いんですよ。」うおお~、渡辺さんはそんな対戦相手の癖までデータ収集してるのか、一流のプロは怖ええええ!!これには鳥肌が立ちました。。というわけで、「この形、実は後手宮田さんが誘い込んだんじゃないか」との事。

△65歩
 おおお、後手も位を取りました!まず、▲45歩自体が見た事のない形だったもので、すでに僕の知らない未知の将棋なんですが、それでもここで△73桂みたいな手なら似たような形に合流する事もあったかも…な~んて思っていたんですが、ここで宮田さんは突っ張り!いきなり激しい事になっちゃったぞ。渡辺さんは「互いに位を取るのは珍しい形」と言っていた気がします。渡辺さんの解説、金を払ってでも聴きたいぐらいにスバラシイ。

▲46角△73角▲同角成△同桂
 後手の歩が上ずったところでの▲46角。これは受けにくいので狙いたいところではありますし、▲45歩とした場合の角換わりの常套手段でもあります。しかし渡辺さんの解説によると「合わせの角で消し合った後に後手は桂を跳ねた形になるので、後手は手得できる。」渡辺さん、神です。しかし桂を跳ねてしまったので、いつか来る▲75歩には常に気を遣う感じ?

▲46角△63金▲37桂△64角▲同角△同金
 丸山さん、おかわりの角打ち!しかしこれも角を合わせられ、角を取り合ったところでまたも後手は駒が前に来て手得。ここでの渡辺さんの解説は「後手が2手得みたいなもの」。う~ん、たしかに。ヤバい筋さえなければ、後手の少し良い将棋なのかな?ちなみに、▲37桂に代えて▲25歩みたいな手だと「桂を跳ねられなくなるので手詰まりになりやすい。」なるほど、それは後手不満なしの展開ですね。

▲46角△62飛▲47金
 丸山さん、三たび角打ち!!これを「△63金と引いているようでは後手何やってるのか分からないので、飛車で受けるでしょう」との事。ごもっとも。▲47金は、これを指すために先手は銀の割り打ちもある右金をわざわざ保留しているようなものなので、ものすごく自然な手に見えたんですが、どうもこれがすこし疑問だった気がしました。というのは、渡辺さんの解説で「△22角という手があって…」みたいな話がありまして…

20150517NHK_丸山vs宮田_角換相腰掛銀50手△22角(50手目盤面図)
 で、実際に宮田さんは△22角を打ち込みました。これ、55を戦場にして普通に取った取られたとやると、数の攻めで後手が中央を制圧する事になる激痛の一手。この角の打ち込みがのちのち勝負を決するほどのキツいラインになってしまった。先手は千日手を避けたいので保留してきた▲25歩ですが、もし▲47金に代えてもし▲25歩なら△33銀となってその筋は消えた、というわけです。いやあ、実際のところどうなのかは分かりませんが、もし超自然な▲47金よりも手詰まり気味になる▲25歩の方が良い手だったとしたら、将棋というのは恐ろしくむずかしいゲームです。こんなの、アマじゃわからないよ(T_T)。それにしても、渡辺さんの指摘する狙い筋、100発100中なんですが…。。

▲25歩
 というわけで、ここで先手は歩を伸ばします。そうそう、どうせ▲25歩を指すなら、さっきだったら△22角を喰らわずに済んだ、という事の気がしたわけです(後出しじゃんけん( ̄ー ̄)。。これで△33銀としてくれれば角のラインが死ぬのでしめたものですが、もちろんそんな手は指してくれず…

△55金▲24歩△同歩
 後手、先着しました!先手は中央の戦場に手をつける前に、飛車先の歩を交換。そうですね、後にしてしまうと入らなくなる可能性があるので、今なんでしょうね。そして…

▲24同角
 うおおお~~、丸山さん、踏み込んだあああ!!!いや~、この手が成立していたのかどうかが、感想戦でも話されていたみたいですが(電話が来てしまってうろ覚え^^;)、この踏み込みが僕にとっての丸山さんのイメージなんですよね。感じとしては、中央の戦場に手をつけたら分が悪そうなので、別の戦場に火種をつけるという事なんでしょうが…

△23歩▲42角成△同玉
 これで角銀交換、後手の駒得です。先手としては攻めなければ駒損だけが残ってしまうので、何か手を作らなければいけませんが…

▲75歩
 ここでようやく来ました、桂頭攻め!筋としてはここか十字飛車狙いしかなさそうな感じですが、問題は速度な気がします。渡辺さん「△56金か△66歩のどちらか」。いや~、△66歩は駒の拾い合いの速度勝負の将棋になるので、正確に読むだけの時間が残されていない早指しではギャンブルになっちゃうんじゃないかと。しかし、△66歩は調べてみたいですね。

△56金▲同金△64角
 おお~、宮田さん、確実な手を選びました!これは先手の応手を打診する手で、手抜きは△47金からボッコボコなので論外として、「▲同金なら△64角、▲同歩なら△39角」。いや~、これはどちらも地獄だな、後手がちょっと良い気がします。

20150517NHK_丸山vs宮田_角換相腰掛銀90手 というわけで、中盤を制したのは宮田さんに見えました。こうなると先手は攻め続けるしかなく、丸山さんの猛攻!!ところが宮田さんは駒得というリードを奪って以降は、絶対に逆転を許さないという感じで、丸山さんの攻めを受け切ってしまいました。これは宮田さんの圧勝かと思いきや、さすがは名人経験者の丸山さんが何度も「これぞプロ!」という手を出しました。これがすごかった。

 まずは90手目、他にもいろんな手が考えられそうな所で、宮田さんは△55歩という非常に辛い手を指しました。寄せの手を狙っていくかと思ったんですが、指されてみるとこれが高道さんの手のようないやらしさ。しかし、ここで丸山さんがひねり出した手が凄かった!!

▲22飛成△同角▲46角
 うおお、飛車捨てから王手馬で馬を消しに行って、しかも金を助けるのか?!すげええええ!!


△35桂
 うああああ、宮田さんも凄い受けをしたああ!!!桂と金の交換を狙った?!

▲37角△同銀不成
 丸山さん、まずは馬を消しました!いや~、すげえ。しかし丸山さんはこの手を作る為に飛車を渡してしまった。しかもほとんど入玉確定みたいな格好。金取り。いや~、ここからどうやって繋ぐんだよ。イタチの最後っ屁だったかな(^^;)。

▲73角
 うおおお、凄い所に角を打ち込んだあああ!!!いや~、これはとんでもないというか…なるほど△54歩と金を取ってきたら、相手の手に乗って成り駒2枚を抜きつつ自玉も強化できるのか。いやあ、これはちょっと鳥肌が立ったぞ。。

△47角▲49飛△58角成
 宮田さん、その筋に乗らずに、寄せに行ったあああ!!!!いや~、先手は69の飛車を取られると入玉も防げなくなるわ枚飛車で一気に寄せられそうだわで、逃げ場所が難しい。しかし狭い。。これで飛車が寄ってしまいましたが…

▲55角成
 丸山さん、飛車を見捨てて反撃だあああ!!!

…いや~、すごかった!!投げたっておかしくないような状況から、ここまでの反撃をしてしまうんですから。最後は力尽きて届かず、114手にて宮田さんの勝利でしたが、最後の丸山さんの粘りも見事!素晴らしい大熱戦、知らない定跡筋の勉強にもなったし(相腰掛け銀相位取りというこの将棋、今後も指されることになるんじゃなかろうか?)、めっちゃくちゃ面白かったです!!

 それにしても感想戦での渡辺さんの丸山さんに対する態度…本当に嫌いなんだな(笑)。


第26期女流王位戦 第2局 里見香奈 vs 甲斐智美 (相三間飛車)

 振り飛車がよく見られるという事で、今年から見始めた女流将棋。里見さんと甲斐さんの対決は、現在の女流頂上対決という事になるのかな?さて、対抗形の将棋になってくれれば僕の序盤勉強が捗りますが…相振りだああ!!!

2015051322手 いや~、相振り飛車はマジで全然知らないので、すべてが新鮮。相三間飛車というのもビックリ、双方が浮き飛車というのもビックリ、相金無双なんて、生まれて初めて見たような気がします。これって、この将棋だけ独特の進行になったんだろうか、それとも現在の相振りの最前線?いや~、自分だったら、ここから何を指していいか全然分かりません。先手でも後手でも、とにかくおっかないから角道を止めちゃうんだろうな(^^;)。。

▲86飛△24飛▲16歩△14歩▲96歩△94歩
 いや~、完全に先後同形のまま進んでます。もしかして、女流さんもどう打開していいんだか分からないんだったりして(^^;)。

▲68銀△88角成▲同飛△42銀
 おお、ここで角交換が入りました!余計に難しい将棋になっちゃいそうです。。

2015051368手 以降は角の打ち込みを気にしながらの難しい将棋。後手甲斐さんの方針としては、自分は手待ちして相手に何か指させようという感じなのかな?信じられないような手待ちをするのですが、これを駒組み段階だけではなく、中終盤まで同じ方針を引きずったのが良くなかった気がします。細い攻めでも強引に繋げなくてはならない所とか、攻め合いに行かなければヤバなそうな所とかがあった気がしました。

 例えば68手目盤面図。この盤面図、後手の甲斐さんが角を切ってまで作り上げた玉頭攻めの局面。そこまでして踏み込んだ以上は攻めるべきだと思うんですが、どうなんだろう。ここで、先手里見さんは…

▲64歩△同歩
 63の地点は金無双の急所。つまり里見さんは▲64歩△同歩(銀?)の交換は手抜けないと見ての突き捨てだったと思います。しかし、甲斐さんは角きりで一気に踏み込んだ以上、これを手抜いて攻めこむ手は無かったんでしょうか?というか、踏み込んだ以上は、まずは攻める手から考えたいですよね。例えば、△18銀と打ち込んだ以上は、△29銀不成から入る順は狙っていたと思うんですが、すると▲29同玉△17桂成…あら?結構うまく行かないかい?仮に▲29同玉としてくれなくても、それから△64歩(銀?)でも遅くない気がするんですが(^^;)。。

▲89飛
 ああ~、△29銀不成を消されちゃったよ(- -*)。まあ仕方ない、この戦場は意地でもモノにしないといけないから、△17桂成▲同桂△16歩で、邪魔駒の桂を香と交換して龍を成り込む筋を考えるべきなんだろうな。仮に龍を作る順が見つからないにしても、邪魔駒の桂は捌いておけば飛車道も通る一石二鳥、捌いて損はないだろう…

△44歩
 ええええええ~~、また守っちゃったよ。。…いやこれ、香逃げられると桂香交換も出来ずに角の捨て損だぞ…

▲16香
 …これは先手受け潰しでしょう。角銀交換の駒得の上、後手の銀桂は捌けず仕舞いで終わりそうなので、駒の働きから見れば、実際の駒の損得以上の大差かも。

 まあ、この盤面図だけ見たら守りもあるかもと思っちゃいますが、しかし角切ってまで踏み込んだ以上は、やっぱり多少細そうでも攻めないといけなかったんじゃないかと。それで負けるなら、ここでの攻めが悪いんじゃなくって、角切りの構想自体が悪かったわけですから。この瞬間だけでも2手パスみたいな感じ、序盤の駒組み時も62の金を△61金~△62金のように動かす2手パス、終盤で自分に手番が回っていた攻め合いの局面でも、なんと△84歩の玉の逃げ道作り。なんか、要所要所で、攻めか受けかの選択では受けに偏った手を選択している気がするんですよね。結果は先手里見さんの勝ち。トータルで6手パスぐらいの指し方だったので、これでは負けてやむなしという所ではないでしょうか。

 それにしても、相振り飛車、難しいです。見ていて全然分かりません。でも駒が当たって以降は将棋には違いないので、知っている手筋を使えない、自分で考える力戦将棋を見ているみたいで楽しかったです。この手の将棋の考え方は、僕は羽生さんの『上達するヒント』とか、谷川さんの『光速の終盤術』とかで、すごく色んなことを学ばせて貰いました。甲斐さん、里見さん相手という事で手が伸びなくなってしまったんじゃないかと思いますが、次戦は頑張ってください!!


羽生さん、竜王戦 1組ランキング戦優勝!

 竜王戦 1組の決勝が行われました。カードは羽生さん対阿久津さん。電王戦から解放されてから快調に勝ち続けていた阿久津さんですが…羽生さんに敗戦。阿久津さん、羽生さんにはどうしても勝てませんね。これで羽生さんは2期連続で竜王戦1組トップとなりました。う~ん、羽生さん強すぎる。

 こうなると、今度こそ羽生さんの永世竜王&永世7冠を期待してしまいます(^^)。トップ通過で決勝トーナメント進出なので、羽生さんは準決勝からの登場。しかし、1組トーナメントと違い、決勝トーナメントは負けたら即敗退なので、緊張感が違います。勝手な予想としては、準決勝の相手は康光さんか天彦さんあたり、決勝3番勝負は渡辺さんか豊島さんあたりでしょうか。う~ん、決勝どころか、準決も楽じゃないなあ…。

 年齢的に、羽生さんは衰えていないとおかしい頃。きっと、もう緩やかには衰えているのでしょう。というわけで、とにかく竜王戦だけは冒険したり相手の得意形を受けたりしないで、全力で行ってほしいです!!

第65回NHK杯 村田顕弘 vs 北浜健介 (向かい飛車)

 今日は休みなんですが、残務があったので、午前中からチンタラと仕事を進めてます。NHK杯を横目で眺めながら仕事を進めるって、至福の時間だなあ。

201505104手 今日は好きな棋士のひとりである北浜さんが出てましたが…えええ、北浜さんって、振り飛車も指すのか?!居飛車の超絶攻め将棋な人かと思ってました。まずは、序盤の駆け引きがメチャクチャ面白かったです(^^)。盤面図は4手目、後手の北浜さんはゴキゲン中飛車狙いかな?というわけで、先手村田さんは▲25歩が8割がたで、変わった指し方をするとしても▲48銀とか▲58金かと思っていたんですが…

▲68玉
 えええええ~(゚ロ゚ノ)ノ、級位の頃は訳も分からずこういう手を指していた気がしますが、これでも大丈夫なのか?何が怖いって、中央も守れず、飛車先の歩もつけないままの角交換に来られたら…

△88角成▲同銀
 ですよねえ…。いやあ、これで先手悪いわけじゃないとは思いますが、これで角交換振り飛車で後手不満なしの展開になるのが、なんとなくイヤだなあ。

△22飛
 これで角交換振り飛車の主力戦法である向かい飛車。しかしこれは村田さんの方から呼び込んだようなものなので、村田さん自身は角交換振り飛車戦は望むところなんでしょうね。僕は、角交換振り飛車戦は、勝率は悪くないんですが、何となく苦手意識があって(振り飛車の人は指し慣れているだろうし、しかもタイトル戦で全然見ないので、僕が知らない間に研究がどんどん進んでいる気がしてしまう)、これはちょっと真似したく無い指し方でした。

 しかしこのあたりから仕事の電話が来たり色々ありまして、中盤を色々と見逃してしまいました(T_T)。。で、終盤になってやっとじっくり見る事が出来たんですが、詰め将棋の達人のおふたりの終盤戦がめっちゃくちゃ面白い!!寄せ合いではなく、寄せ切るか受け切るかというような感じになったんですが、村田さんの受けが凄いし、それを攻める北浜さんがこれまたすごい。しかも、これを一手30秒の超早指しで指しているというのが凄いです。人の将棋を覗き見している楽しさというんでしょうか、ゲームの達人がプレイしている魔界村を見ているような楽しさです(例えが悪いか)。先日まで時間たっぷりの名人戦を見ていたものだから、この時間に追われる感じがスリリング。北浜さん、最後は飛車2枚を渡して寄せるという華麗な寄せ!これはカッコいい!!早指し戦って、たまに見るとめっちゃくちゃ面白いですね。面白かった!!

 
 

第73期名人戦 第3局 行方尚史 vs 羽生善治 (角換わり相腰掛け銀)

 第1局は超早投げ、第2局は大長考、そしてどちらも後手番が勝つというジェットコースターのような緩急のついた今回の名人戦。行方さん、将棋界トップとなる名人位奪取に向けて、全力の試行錯誤なんでしょうね。それにしても第2局の中終盤は凄かった!あれを見るだけでも棋力はかなりアップするんじゃなかろうか。終盤まで互角で行ったら、今の行方さんなら羽生さんと五寸で渡りあえる気がします。さて、待望の第3局は…角換わり相腰掛け銀だあああ!!!

20150507名人73-3_行方vs羽生_角換相腰掛銀42手 盤面図は42手目、後手羽生さんは△74歩型に対して先手は▲68金型。ここで羽生さんは豊島新手の△24銀の手待ち。そういえば、去年のNHK杯で行方さんは後手でこの豊島新手を指していたような気がします。あれは佐々木戦(ウソかも)?あの時はいきなり▲45歩と突っかけられた気が…

▲45歩
キタ━━━━(`Д゚)━━━━ッ!!
いや~、行方さんはこれを喰らってヤバい状況に追い込まれてましたから、バッチリ研究済みなんでしょうね。

△同歩▲同銀
 いや~、完全に思い出しました、佐々木さんは▲45同銀ではなくて、▲65歩みたいなすごく複雑な順を選んだんですよ。で、これを▲45同銀と取るとどうなるか、僕はその時に研究したぞ。△同銀で先手が良くなるんだよ、これ…

△59角
 ありゃりゃ、はやくも僕の研究破れたり( ̄ii ̄)ハナジ。。なるほど、たしかに▲68金型にした時点で、△59角は常に狙い筋ですからね、良し悪しは兎も角、たしかにこれを考えない方がおかしいかも。

▲38飛△45銀▲同桂△44銀
 △44銀は、代えて△26角成が馬を作れて自然だと思ったんですが、解説の真田さんによると▲55角があるとの事。な、なるほど。

▲25歩△同銀 
 うあ~嫌な吊り出しだなあ…。後手は形を乱され、玉を薄くされてます。ちょっとこれは…

▲63角
 ついに先手も角の打ち込みだああああ!!なんかすでに先手よしの気がするけど…いやいや、自分だったらどっちを持っても次に何を指していいか分からん(゚ω゚*)。

△47歩
 うおおお、そんな垂らしがあるのか?!!
…いやあ、まったく考えも及びませんでしたが、この垂らしの歩、強烈に良い手じゃないかい?羽生さん、これって研究手なんだろうか。もしアドリブで指したんだとしたら、この人はやっぱり化け物だ。。

 1日目はここで封じ手。名人戦第3局は定跡を何ぽも前に進める、歴史に残る将棋になる気がします。。

◆◆◆◆◆◆◆

 2日目、昨日に引き続き、なんだかすごい将棋。なんというか…さすが名人戦というか、「なんか変な感じの手だな」みたいなものが全然ない。強い人が見たら色々と他の変化もあるのかも知れないですけど、僕レベルだと、指される手が全部最善手というか、この一手に見えちゃう。そして、シロウト判断ですが、玉型と手番の都合で、行方さんがわずかなリードをじわじわと拡げ続けているような、そんな感じ。1日目最後の△47歩みたいに、羽生さんも素晴らしい手を返すんですが、離されずについていくのがやっとという感じ。しかし攻め合いの格好になっているので、1手間違えるだけでひっくり返っちゃうのかも知れませんが。

20150507名人73-3_行方vs羽生_角換相腰掛銀80手 そして2日目夕方ごろ、盤面図80手目。いや~、羽生さんの馬の逃げ場所が凄いというか、矢倉崩しの69に馬を設置するのが普通かと思ったんですが、なぜか△58馬。なんでなんだろうかと考えると…う~ん、次の△76歩を狙っているのか。これが先手にプレッシャーをかけていまして、先手は手番を握り、また攻め筋もひと目▲43歩とか▲24歩とか▲31銀の割り打ちあたりが見えますが、問題はここで寄せに行って駒を渡したうえに寄せ切れないと、△76歩が飛んできてひっくり返っちゃうという事なんでしょうね。この逆転術は驚きというか、行方さんという詰め将棋と終盤の凄い人相手に、ここで手を渡して逆転を狙うというのが凄い。行方さん、ここは読み切りたい所なのですが、しばらく前から自分が良いんだろうけど紛れが多そうな課題を突き付けられ、時間を削られて…

▲68金打
 行方さん、守ったああ!!
これは見事というか、僕の場合、自分が良さそうだけど際どい終盤って、読み切れてないのに攻め急いでしまって悪くしてしまう事があります。読み切れてないのに無理攻めに行って逆転を許してしまうかもしれないより、確実に守るという判断は、なかなか胆力のいる指し方だと思います。A級棋士って終盤がクソ強いんだよなあ…。しかし別の見方をすると、守ってくれれば△58馬と指した羽生さんの描いた絵に入ったとも言えそうですが…

△76歩打
 うおお、受けられたというのに、馬を見捨てて、羽生さん、勝負に行ったあああ!!
しかしこれ、攻めきれるのか?普通に馬を外して先手受け切れるような気がしますが…しかし行方さんは難しい局面を突き付けられ続け、時間を削られている状況。持ち時間が1時間を切り、時間にも追われています。

▲58金△77歩成▲同玉
 羽生さん、一気にまくりますが、ここでなんと夕食休憩。天は行方さんに味方したかも。連続王手でなくてもいいなら後手からの攻め筋は色々あるので、実はこの局面、後手玉の寄り筋を行方さんが発見できるかどうかという将棋であるような気もします。正解があるかどうかは分かりませんが、少なくともここで時間を稼げたのは大きい。さて、夕食後は大詰め、どうなりますか(^^)。。

△69飛
 休憩明けの羽生さんの一手。いや~、△69銀なんて悠長な事はやらずに、一気に寄せに行っちゃうんですね。次の△76歩が厳しいぞ…

▲24歩△同歩
 行方さん、手抜いて踏み込んだあああ!!!いや~、これは読み切ったか、それとも見切り発車か。なんといっても行方さんの残り時間は30分しかない…いや~、アメフトやサッカーのノーサイド直前みたいで、ドキドキします(^^;)

▲23歩△同玉▲25歩△同玉
 行方さん、後手玉を引っ張り出していきますが…

▲76銀△89飛成
 羽生さん、逆襲だあああああ!!!
いや~、これ、どっちがいいんだ??というか、逆転じゃないか、これ…

▲71銀
 あ、あ、行方さん…これはさすがに悪手じゃないかい?いやあ、色んな要素が重なってしまったか…

△69銀
 決まった…。

 以下、寄りまでしばらく続きましたが、羽生さんの勝ち!行方さんは必敗の局面で羽生さんにトイレに立たれ、辛い時間となってしまいました。タイトル戦の終局前って、次に取材とかが始まるから終わる前にトイレを済ませると言いますが、これはきっついなあ。

 ずっと行方さんが押していたと思うのですが終盤での大逆転劇!行方さんは実力で負けたというよりも、時間に追われた事と、寄せられなかったら寄せるという局面を作られた事と、相手が羽生さんというプレッシャー、名人戦…なんかいろんなものが重なっちゃったんでしょうね。それにしても大熱戦、ものすごく面白い将棋でした!!羽生さんお見事、負けた行方さんもあっぱれでした!!

 それにしてもこの名人戦、全部後手が勝ってますね。相居飛車は先手苦難の時代を迎えている気がします。。

『よくわかる石田流』の記事を更新しました

序盤勉強でしばらく何をやっていたかというと、『よくわかる石田流』の3章に書いてあった石田流破りの居飛車穴熊&右四間飛車の研究。これが実際にもなかなか有力な戦法なうえ、玉は堅く攻め筋は分かりやすいという指しやすさ( ̄ー ̄)。今の流行じゃないかも知れませんが、僕レベルの人間同士の対局なら、居飛車側の方が勝率は高くなるんじゃないかなあ。しばらく道場に行ってませんが、今度久々に行って試してみようかと思ってます。

というわけで、『よくわかる石田流』の記事を更新しました!
http://shougix.blog.fc2.com/blog-entry-383.html

しかし、序盤勉強は半年で1冊のペースになってきちゃったな(^^;)。研究をせずに書いてある手だけを追えばもっと早くなりそうなんですが、研究自体が面白いんだから仕方がない。仕事を優先させちゃうと、社会人なんてこんなものかも知れません。そうそう、仕事は絶好調、本業あってこその趣味ですね!

第86期棋聖戦 挑戦者決定戦 豊島将之 vs 佐藤天彦 (力戦)

 昨日は棋聖戦の挑戦者決定をやっていたみたいですが、完全に見逃してしまいました(^^;)。というわけで、今ごろ棋譜をチェックしております。
 決勝は天彦さんと豊島さん。豊島さんはいよいよタイトル戦に絡む常連になってきましたし、天彦さんはA級昇級と共にタイトル戦にも絡みつつあると感じ。世代交代の進行を感じされるカードです。そんな両者の大一番は、なんと力戦。そして序盤早々にはやくも山場が。

20150430棋聖86挑決_豊島vs佐藤天_矢倉風力戦24手 盤面図は24手目。なんかちょっと変わった手順で進んだ相矢倉みたいな格好ですが、ここから先手豊島さんは…

▲35歩
 うおお、いきなり突っかけました!なんと先手から急戦調か!!しかし先手の角の位置は68とか57のラインに乗ってないぞ、これは飛車銀だけでどうにかしようという事か?

△同歩▲38飛△73角
 うああ、この△73角は、自分が指されたらその瞬間に飛び上っちゃいそうな手です。指されて納得、これは序盤早々にしてすでに後手よしではないかい?それとも、角の成り込みよりも速い攻めが先手にある?いや、ないだろ…。矢倉の序盤って、定跡から外れて手将棋にすると、こういう怖さがあるんですよね。。

▲35銀
 いやあ、それでも豊島さんは突っ張りました!しかしこれ、僕はブラフだと思うんですが…だって、△65歩とされたらどうするんだろうか…受けの手ではダメだから、▲34歩△22銀▲46銀で一応受かるのか。いやあ、さすが豊島さんレベルでそんなウッカリは無いという事ですね。僕の目は相変わらず節穴のようです(>.<)。

△54銀
 おっと天彦さん、ここは見送りました。しかし…これは右四間狙いか?!なんか、後手絶好になった気がする。。

▲79玉△62飛▲18香
 う~ん…豊島さんの将棋って、アマチュアから見るとどういう構想なのかが分かりにくいものが結構あります。自ら急戦誘導で3筋から仕掛けながら、ここで受けとは、どういう考えなんだろうか。天彦さんから見れば、相手の手に乗るだけで絶好の右四間。これは行くでしょう!

△65歩
 いったああああ!!!後手は最悪でも馬が出来て桂香を拾える事確定、いい順が見つかれば6筋突破でゲームセットすらあり得る展開!こうなると先手は馬に小駒を拾われる隙に速い反撃をしたいところですが、間に合うんだろうか。

▲34銀
 ▲34歩では自ら飛車道を止めてしまう事になるし、速度的にはこれしかないかも。先手は飛角を33の地点に集める反撃となるので、これで一気に押し切れるかという勝負かな?いや~、こうなってみると実はいい勝負じゃないか、これ。互いに突っ張ったら、どっちが勝つにせよ早い決着になりそうです。

 互いに飛角を戦場に集中させた生きた心地のしない序盤でしたが、ここがめっちゃくちゃ面白かったです。しかしこれが意外な長期戦になり、決着はなんと145手。結果は豊島さんの勝ち、羽生棋聖への挑戦権を獲得しました!

20150430棋聖86挑決_豊島vs佐藤天_矢倉風力戦57手 僕的には天彦さんの方が相当に押していたように見えました。ひとつ言えそうなのは、踏み込む手もあったところで、天彦さんが慎重な手を指す場面が再三あった事。例えばさっきの△65歩もそうですし、57手目盤面図なんて、まさに右四間炸裂の盤面図。普通に△66歩から入って銀を吊り出してからの香打ちも激痛でしょうし、棋譜中継にあった様に、いきなり香打ちでも大優勢だった気がしますが、ここで天彦さんは駒得をはかる慎重な手を指してしまいました。もちろん、天彦さんの選択が最善だったのかも知れませんが、悪手は無いんだけど、勝負に行く手を見送り続けて無難な手を選んでいるうちに、徐々に差を詰められてしまった、みたいな印象。タイトル挑戦のかかった大一番というプレッシャーで手が伸びなくなってしまったのかも。羽生さんや谷川さんの本には、「大一番のプレッシャーで駒が前に進まなくなってしまった」みたいな体験が書かれていますが、今回の天彦さんがまさにそれなのかも。こういうのって、何度も大舞台を経験してなれていくしかないのかも知れませんね。
 いずれにしても、三度目(?)となったタイトル戦での羽生vs豊島戦。今までは羽生さんの厚い壁に跳ね返されてきた豊島さんですが、今度はどうなりますでしょうか?!
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Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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