電王戦ファイナル第3局の記事の追記

 この前に書いた電王戦ファイナルの記事に、無記名さんからコメントをいただきまして、僕が疑問に思ったところからのソフトの読み筋を教えていただきました。無記名様、ありがとうございました!!

 というわけで、前回記事に追記をさせていただきました。やっぱりソフトというのは恐ろしい。こんなもん、手が広すぎるうちに形勢を有利にしておかないと、勝てるわけないわ。。むしろ、一瞬で何万手も読むヤツを相手に、ハメ手的なものを使わずに2勝もしているプロ棋士は凄すぎるのかもしれない。

電王戦FINAL 第3局 稲葉陽 vs やねうら王 (横歩取り)

 今日は3時ごろから用事があって外出。その直前に電王戦を少しだけ見ていました。今日はプロ棋士の先手番、戦型は横歩取りだったんですが…なんと△33桂型。いやあ、この形は昔に『羽生の頭脳』で少し勉強しただけだぞ…。今回のプログラマーさんは、前の電王戦でもルール破りの不正を働くという癖のある人なので、色々と定跡外しを狙ってくるようなプログラムをしているとか、そういう事もあるんだろうか。

20150328電王final-3_稲葉vsやねうら_横歩46手 そして、昼休みが終わって過ぎぐらいの所で、個人的には大変に面白く感じた局面を迎えました。それが、盤面図46手目。先手の稲葉さんは後手からの2筋攻めに備えて先に桂を跳ねて合駒を出来るように備えていました。で、ニコニコ生放送の解説では、成立しそうな手を検討していて、そのうちのひとつが▲85桂。なるほど、これは角道も通る上に玉頭直撃でなかなか良いんじゃないかと思っていたのですが、稲葉さんの選んだ手は…

▲27歩
 うおお、こんなのまったく考えていなかったよ。。ちょっとすぐには意味が分からなかったんですが…

△同銀成▲25歩△同桂▲27金△37桂成▲同金
 25の歩合いに対して飛車を見捨てて金駒や桂を外しに行くべきかどうか。こういう所だけでも時間を使って考えたいところだと思ったのですが、互いに指し手が速い!で、コンピュータの選択は△25同桂で、こうなると▲37同金までは必然。ここで、ニコニコでで用意していたソフトの推奨手は△22角。…いやあなるほど、やっぱりソフトって凄いな。僕ならすぐに△29飛成と龍を作って十分と考えそうな所。で、やねうら王の選択は…

△29飛成
 あ、やっぱりそう考えるソフトもあるのか(^^)。しかし、敢えて後手の攻めが速くなってしまう▲27歩を選択した稲葉さんなら、この局面は絶対に読んでいる筈。つまり、この局面になっても、稲葉さんは自分が良いと考えていたと思うんです。ところが、ニコニコ生放送のソフトの評価値は、ここで後手に振れていました。つまり…人間とコンピューターで、形勢判断がずれていたのがこの局面だったんじゃないかと。そういう所こそ、人間vsソフトで一番面白いところなんじゃないかと。で、その形勢判断のどちらが正しいのかは、駒が当たって王手がかかり始める以上、この後の数手で分かるんじゃないかと思ったのですが、稲葉さんの構想は…

20150328電王final-3_稲葉vsやねうら_横歩57手▲74歩△同歩▲85桂(57手目盤面図)

 いやあ…正直に言って、僕はこれは稲葉さんの構想は見事で、これで先手良くなったんじゃないかと思ったのです。だって…シンプルに考えて、先手の有力手は▲73歩。これを△同金なら▲同桂△同桂▲同飛で先手はほとんど勝ちなんじゃないかと。じゃ、代えて△同桂としたところで結局は同じような事が起きて、▲同桂△同金で金を斜めに吊り上げてから▲85桂のおかわりで多分先手よし。これが飛んでくるので、△85桂や△19龍などの手は全部間に合わない。だとすると、守るなり、先手からの攻撃に働きかける手を指すなりしないといけませんが・・・後手は、ここでさっきのソフトの読み筋にあった△22角でどうか、と。でも、そんなの66あたりに桂合いでもかましておいてから悠々と▲73歩で先手優勢じゃねえか、という気がしたのです。ところが…
 なんと、この状況になってもニコ生のソフトは後手持ち。やねうら王だって、△25桂を外すなり、龍を作る前に△22角なり、色々な選択肢があったにも関わらずこの局面に飛び込んできたという事は、これで後手が良いと思っていたんじゃないかと思います。更に…この辺でニコ生アンケートというのをやっていまして、多くの視聴者の人もソフト有利(40%ぐらいだったかな?稲葉さん持ちは10%台だったような気がしました)という形勢判断だったのです。う~ん、人間もコンピュータも、この局面で後手が良いと見るのか。という事は、僕はきっと速度を読み違えているんじゃなくって、何か読み抜けてるんだな。俺は間違えて稲葉さん有利のボタンを押しちゃったよ(゚∀゚*)エヘヘ。。でも、なんで後手の方が良いのか、それを見届けてから出かけたかったんですが、この辺で用事のために外出(>_<*)。。

◆◆◆◆◆
 で、7時過ぎに帰ってきてみると…なんか後手勝勢になってました(゚∀゚*)エヘヘ。さっきのところ以降、どう進んだのか知らないのですが、やっぱりソフトの形勢判断って、かなり信用できるんでしょうね。さすがです。またこれから出かけなくてはいけないのですが、さすがにもう稲葉さんの勝ちは無いでしょう。さっきのところ、ソフトの読み筋がどうだったのか、知りたいなあ。

 (3/30追記)コメント欄より、該当箇所以下の、ソフトの読み筋をお教えいただきました。書き込みいただきました無記名様、ありがとうございました!以下、転記させていただきます。(ちなみに、最初の△22角が58手目になります。)

(以下、転記)
自宅のやねうらおで検討させてみましたが、あまりスペックは高くありませんので参考までに。

△2二角(13)▲同角成(88)△同金(32)▲3九銀打△2七桂打▲3八金(37)△3七歩打▲2八金(38)△3九桂成(27)▲7四飛(76)△7三歩打▲2九金(28)△4九角打▲6九玉(58)△8五角成(49)▲2四飛(74)△2三歩打▲4四飛(24)△2九成桂(39)▲4二飛成(44)△3八歩成(37)▲2二龍(42)△4八と(38)▲1一龍(22)△1九成桂(29) (転記終わり)

 なるほど、△22角に▲同角成がソフトが判断するところの最善なんですね。僕は角を渡すと△49角打の筋がべらぼうに厳しいと思っていて、検討すらしてませんでした(^^;)。しかし…代えて▲44桂や▲66桂の桂合いは記事を書いた後に色々と考えてみたのですが、やはり角を渡さない変化を作るのが予想以上に難しく、だったら手番を渡さない先手からの角交換の方が利がある、という事かな?しかしどのみち角を渡す事になるなら、遡って△29龍を許す変化に飛び込んだ構想自体が思わしくないみたいでした。やっぱり46手目▲26歩の強手は成立しにくいみたいで、あそこは当日に解説をしていた深浦さんの手がたい順や、糸谷さんの解説していた「端歩を突いてお茶を濁す手」あたりの方が良かったのかも知れません。やっぱり、A級棋士や竜王となると凄いなあ。一瞬で解説してましたから、手自体はひと目で見えて、あとは成立するかどうかの検討なんでしょうね、ああいう別格の人たちは。

 それから…いただいたやねうらおの指し手ですが、僕程度の棋力では「え、これがソフトが判断する最善なのか?!」という手が結構あって面白かったです。例えば、△27桂打なんて全然見えなかったし、それを▲同金とせずに▲38金と受けるとは…それって、△39桂成としてくれれば▲同金が飛車あたりになるので先手を取れますが、△37歩と叩き込まれたらどうするんだろうか。きっと、なにかすごい返し技があるんでしょうね。いずれにしても、自分がいかに早い段階でガシガシと枝刈りをしていたのかを痛感させられた次第です(._.〃)ゝ。。



第64期王将戦 第7局 郷田真隆 vs 渡辺明 (相掛かり)

 郷田さんには申し訳ないですが、よもや郷田さんが現在無類の強さを発揮している渡辺王将をここまで苦しめるとは思いませんでした。苦しめるどころか、王将を取ってしまうかもしれません。さて、角換わり大流行の最近のタイトル戦ですが、そうなると振り駒が馬鹿に出来ない。勝っても負けてもこれでオシマイ、勝負の女神はどちらに微笑むでしょうか?!振り駒は…おおお、郷田さん、先手を取ったあああ!!!初手から

▲26歩△84歩
 さて、▲76歩でまたもや角換わりに誘導して、課題局面にケリをつけに行くか…

▲25歩
 うおお、相掛かりだあああ!!!郷田さん、渡辺さんの角換わりの研究を避けたという感じでしょうか。これは本気で王将を取りに来たぞ(^^)。。

20150326王将-7_郷田vs渡辺_相掛48手 さて、そこから先手郷田さんは右銀を繰り出し、先手から角交換をする展開。郷田さんは踏み込んでいけそうな所を何度も見送り、生角を打ち、ついには左銀で飛車と桂頭まで狙おうかという、アマの僕には難解すぎる構想。そして辿り着いた48手目盤面図、左銀まで繰り出した以上、郷田さんは後手の飛車を狙いに行くかと思いきや…

▲15歩△同歩▲13歩△同香▲12歩
 おおお、端から行ったああ!!いや~、これって角換わりで出てくる筋ですよね。双方が中住まいや中原囲いを放棄して矢倉に移行しかけているような形で、角交換されていて、先手が飛角銀で攻める…横歩のような、矢倉のような、角換わりのような、いろんな戦型のミックスみたいで面白いです(^^)。。さてここ、後手は部分的に受けがありませんが、△44歩みたいな形で角道を遮るか、それとも手抜いて攻めこむか…

△53角
 おおお、これはひと目好手!!端攻めで先手歩切れになった瞬間に8筋と1筋の両方に狙いを定めました!!いや~、渡辺王将、さすがだわ。。しかし先手も▲11歩成から後手の左辺を崩壊させることが確定なので、好手を指したからといってどちらが良いかはよく分かりません(^_^;)。。

▲11歩成△86角▲同歩△同飛
 お互い我が道を行く攻めあい!!ここ、郷田さんに歩があれば何でもないんですが、残念ながら歩切れ。持ち駒が角だけと合駒が悪すぎます。だからといって、この戦場を放棄して▲21となんてやったら△89飛成でゲームオーバーですから、ここは何か受けないといけませんが…

▲87角
 それでも角合い!!いい攻防手も速い攻めもなさそうなので、歩の打ち込みを消す場所への角合いは実は最善なのかも。そして、意外とこうされると、ここで後手の指し手が難しそう。渡辺さん、ここでいい手を指さないと、と金の寄せが来てしまいます。しかしここ、後手はどうしたらいいんだろうか。△85飛で角取りに当てる事で手番を渡さないようには出来ますが…それだけか。。いやあ、ここは難しいぞ…

△85飛▲66角
 お、やっぱりそれが本線なんですね(^^)。で、この飛車引きで△86歩と歩を打ちこむスペースが出来ましたが…ダメだ、▲66角が飛車に当たって先を取られるのか。いやあ、こうなってみると、先手の端攻めが意外と厳しい。角換わり棒銀なら、後手は21の桂を跳ね出せるようにしてあるのですが、それが出来ないのが恐ろしくキツイ。後手はいい手を見つけられなかったらすぐ終わっちゃいそうだぞ…

 しかし、渡辺さんは▲21とを上回る手を見つける事が出来ず。以下、果敢に攻めるも、郷田さんに綺麗に受けられながらじわじわと挟撃体勢を作られてしまった。。最後は馬を犠牲に飛車の成り込みを狙いに行きますが、これをものの見事に手抜かれて勝負あり。99手にて先手郷田さんの勝ち、新王将の誕生です!!

 いや~、最終戦の最初の明暗は振り駒、次の明暗は戦型選択だったように思います。僕の勝手なイメージですが、郷田さんって、急戦的な将棋とか、乱戦模様の相居飛車戦なんかでやけに強いイメージがあります。急戦矢倉はもとより、相掛かりでも絶好調の頃の森内さんをグッチャグチャな局面から仕留めてしまった事があったような…。郷田さんがやろうとしている事って、もしかしたら現在の序盤大研究とは少し違う所なのかも知れませんね。
 一方の渡辺さんは、好調すぎて棋王戦と王将戦と名人戦挑戦プレーオフの3つが一気に重なったのが不運だったかも。それでも、幾つかの将棋で研究の使い回しをするなどの工夫でうまく戦っていたように見えたんですが、相掛かりに誘導され、しかも郷田さんから敢えて研究外しのような構想を連発されてしまっては、後手番で負けの目が高くなってしまっても仕方なかったかと。羽生さんで感覚がマヒしてしまっていますが、複数冠をキープするというのは尋常でない難しさなんでしょうね。今年は渡辺さんが3冠ぐらいまで伸びてきて、ついに渡辺さんの天下となる年なんじゃないかと思っていたのですが、いやいやどうして、衰えてなお強い羽生世代、恐るべし。。いずれにしても、郷田新王将、おめでとうございます(/*゚ー゚)/!!


し、仕事が…

 今日は仕事が忙しくて、NHK杯決勝だったのに見る事が出来ず。いや、見ようと思えば見れたんですが、「この仕事を意地でも今日中に終わらせるぞ!!」という気合のもと、執念で将棋を我慢したのでした。そんな自分を褒めてあげたい!!でも、本当は見たかったな(´・ω・`)…

 棋譜は全然見ていないんですが、森内さんが優勝した模様。森内さん、おめでとうございます!!というか、いまだに森内九段というのに違和感あるなあ。はやくタイトル取ってくれえ~。。行方さんは残念でしたが、名人戦頑張ってください!

電王戦FINAL 第2局 Selene vs 永瀬拓矢 (角換わり)

 うわあ、なんかすごい事になったぞ…
 永瀬さん、角を成る以外にはありえない所で、いきなり意味不明の角ならず。なんだこれは…と思ったら、この手を指された瞬間にコンピューター側がおかしなことになったのか、ざわざわし始めて、立会人まで飛び出てくる事態になっております。一体何が起きたのか分からないんですが、どうも永瀬さんはこう指すとコンピュータが誤作動するのを知っていた模様。鬼のように研究してたんだろうな…
 これ、どうなるんだろうか。19時チョイ過ぎ、今も揉めているみたいです。これは立会人の裁定という事になるのかな?

◆◆◆◆◆
 まだはっきりしませんが、どうもこの将棋ソフトは歩不成、角不成、飛不成とされると誤動作してしまうという欠陥があった模様。で、これを永瀬さんは知っていたみたい。じゃ、なんでこの局面までそのチャンスがあったのに指さなかったのかというと…勝ちか負けがはっきりする所まではその手は指さないつもりだったのかな?で、今回の場合は既に勝勢だったので、ついでにソフトの不具合を指摘した…という事かな?
 ただいま19時半ぐらい。立会人の裁定待ちの隙に屋敷さんと広瀬さんの解説をやってますが、仮に成ったとしても永瀬さん優勢だったみたいです。いやあ、これはこれで面白いイベントになりました(^^;)。

◆◆◆◆◆
 19時50分ぐらいっす。ソフトはどうも王手放置で別の手を指してしまったみたいです。ということは、プロ将棋だったら反則負けになるのかな?しかし現時点での発表は「ソフトの投了ということで」みたいな事を言ってます。立ち合いの三浦さんは、「指し続けていただいても良かったけど、局面自体が永瀬さん優勢の局面でしたので、もうこれでいいんじゃないかと」との事。
 個人的な興味は、決まる直前の局面。いきなり後手優勢になりそうな局面にソフトが踏み込んできて、しかもニコニコ生放送の形勢判断ソフトもそれでソフトよしと読んでいたんですけど、あれは一体何が起きていたんだろうか。水平線効果という奴か??

◆◆◆◆◆
 記者会見が始まりました。ざっくり要約すると…

 永瀬さんの発言。なぜ成らずを指したかというと、「優勢ではあると思ったんだけど、長手数になると思ったから決断した」「ならずとした場合に(ソフトは読まなければならない順が増えるので)時間を稼げるので、成るならずの局面で時間が拮抗しているようなら指そうとは思っていた」「そうなる局面に誘導しようとは狙っていなかった」などなど。あと、「練習対局での勝率は1割程度」うおお、永瀬さんでも1割しか勝てないのか(゚ロ゚ノ)ノ。。そして「しかし本番でその1割を引く事が出来るという考えもあった」な、何だこのメンタルの強さは!!

 記者会見での三浦さん。「角成らずが出る前の時点で、控室では永瀬さん勝ちの判断だった。永瀬さんは99%勝ちの状況で、さらにそれ以上を選択をしたという事で、同じ棋士としてその勝負魂に震え上がった。」コメントうまいな( ̄ー ̄)。

 ソフトの開発者さん。「中盤ではソフト+100ぐらいの形勢判断、終局間際は+500ぐらいだったので、(寄せ筋が)読めてなかった。」なるほど、強豪ソフトでも終盤で読み抜けするのか。。

 電王戦、今回に限ってはプロ棋士が本気でソフト解析に取り組んでいる模様。練習対局の量が今までと全然違う印象です。ちょっと本来の対局目的と違う方向に行っている気がしますが(^^;)、プロが何度も転ばされているという現状では、対局の意味なんかよりも勝つことが最優先なんでしょうね(^^)。ものすごい幕切れでしたが、これはこれで面白かった!それにしても、永瀬さん勝負強いな( ̄ー ̄)。これでC2なんだからプロは怖い。。

第64期王将戦 第6局 郷田真隆 vs 渡辺明 (角換わり相腰掛け銀)

 いやあ、これはすごい事になりました。タイトル戦は3戦連続で同一局面を争う展開!!もしこれで渡辺さんが勝つような事があれば、渡辺さんの研究恐るべしという事になりそうです。

20150319王将64-6_郷田vs渡辺_角換49手 角換わり相腰掛け銀、課題の49手目です。羽生さんも郷田さんも、ここから渡辺さんの研究に引きずり込まれてやられちゃったんだよなあ。しかし今回の渡辺さんは、後手を持ってこの局面を戦う事になりました。自分の研究手を自分で破らなければならなくなったわけですが…

△43金左
 渡辺新手だあああ!!!
いやあ、僕がプロ将棋を見るようになったのはここ数年の事でよく分かってないのですが、昔から将棋を見ていた友人は「竜王は研究将棋だからな」な~んて事をよく言います。その言葉の意味が今日ほどよく分かった日もありません。男性棋士の解説を聴いていると、皆さん現状の課題局面に関して「これは新手だ」とか「これは去年の○○戦で誰々が指した手だ」とか、恐ろしくよく研究しているなとほとほと感心するんですが、そういう中に入っても、渡辺さんはずば抜けているんでしょうね。いやあ、一流とは天才の事ではなくて努力を怠らない人の事だなんて言いますが、まさにそういう事なのかも。素晴らしい。

▲24歩△同歩▲25歩△同歩▲24歩
 しかし、矢倉を守る要の金がどいたのだから、玉頭を直接攻める▲24歩からの継ぎ歩に垂れ歩は指してみたいですよね(^^)。普通に考えればこれで悪いなんて事は無いと思うのですが…

△63歩▲46角△32玉
 おお、渡辺さん、第5局で郷田さんが放った△63歩をここで使ってからの早逃げ!!いやあ、ここ、後手はけっこう難しい選択だった気がします。単純に玉を守る事を考えれば△32金とかで玉頭を守りに行くのが自然なんじゃないかと。でもその場合には問題がふたつあって、ひとつは4筋の攻防がどうなるかという点、もうひとつはここで△32金とするんだったら、新手のところは△43金直の方が良かったんじゃないかという点です。特にプロ将棋は謝りたくない人が多い最初の構想が成立するかどうかを最後まで指して見極めようとする風潮があるみたいなので、善悪は兎も角として△32金は指しにくいのかも。そんな事もありつつの早逃げだったと思うのですが…なるほど~、ここの攻防で後手の主張をあげるとすれば、拠点は作られたが先手歩切れ、2筋からの攻めは細くて繋がりそうにない、という感じでしょうか。僕がビビりすぎなのかも知れないけど、なんか全部渡辺さんの読み筋な気がしてきた(^^;)。。

▲15歩△同歩▲64歩△同歩
 おっと郷田さん、ここで歩の連続突き捨てを入れた!!継ぎ歩に垂れ歩を入れた以上はここで▲28飛と戻すのだと思ってました。しかし、その前に歩の突き捨て。…おおお、なるほど~、▲15歩は単純な角のラインの端攻めとか香を吊ってから飛車で抜くための下準備、▲64歩は5段目を通す事で飛車を28~25~85と展開する構想かな?いやあ、すぐに直接手に飛びつかずに色々と味付けするんだな。

▲同角△26歩
 △26歩が封じ手なんですが…これ、なんだ?全然分からん(゚ω゚*)。無論、この歩を成れてしまえば、と金一発で先手の飛車の攻め筋を完封出来てしまいますが、普通に▲28飛と回ったらどうなるんだろう。△27歩成▲同飛で歩を消してから△22歩と改めて受けるのかな?…な~んて思ったら、解説によると▲28飛には△75歩なんだそうで。なるほど~、全然分からん。。

 以降、壮絶なねじり合いになり、難しすぎてわけわからん状態になったんですが、ひとつ言える事は、なんと△27歩成が成立した事。こうなると、さっきの郷田さんの歩の突き捨ては不発に終わった模様(p゚ω゚*)。。強すぎて色々見えちゃうのも善し悪しなんだな。それにしても、捻じり合いになった時の相腰掛け銀ほど難しい戦型もないぞっと(^^;)。

20150319王将64-6_郷田vs渡辺_角換88手 ただいま2日目の午後3時すぎ、88手まで進んでいます。互いにあまりに難しい手を指しまくるので中央で駒が当たりまくっていて訳が分からない状態になってます(^^)。後手からの端攻めは現状では足りないので、王手も質駒も飛車筋直撃もある先手が良くなる順のひとつぐらいは見つかりそうな気がするので、ちょっと先手有利のような気がします(^^)。…と書いたところで

▲63同桂
 エエエエ~(゚ロ゚ノ)ノ!!
▲同桂は△同飛で眠らされていた後手の飛車がいきなり元気になってくるので、これだけは絶対に無いと思ったんですが…。いやあ、△同飛と来たら、先手はどうするつもりなのか、それとも先手は何か必殺の順を見つけたか。

△63同銀
 これも飛車で取らないのか!!いやあ、絶対僕がなんか見落としてるんでしょうね。やっぱり将棋は中盤がむずかしい(^^;)。あ、でも、飛車で取らなければ、駒を補充できたら端攻めが復活できるのか。たしかに飛車が飛び込んで来たら先手玉はあっという間に寄っちゃいそうだな…

 で、ここからの終盤がすごかった!9筋の折衝で郷田さんがついに後手の飛車を捕獲、しかし渡辺さんは27に成り込んだと金を存分に活かして入玉狙い。郷田さんはこの玉を後ろから追い出すという非常に難しい寄せに。渡辺さんの入玉狙いが98手目からだったので、この追撃戦は50手近くに及ぶ壮絶なものとなったんですが、見ていた印象としては「こりゃ掴まりそうもないな」という感じでした。しかし…

20150319王将64-6_郷田vs渡辺_角換120手 盤面図は120手目。ああ、もうこれは捕まらないんじゃないかと思いました。しかしここで郷田さんが放った手が…

▲59角
 ん?これじゃ入玉を防ぐ要の飛車が抜かれてしまうんじゃ…おおお、△48銀成には▲同角で必至じゃねえか!!すげええええ!!!

△25歩
 う~ん、これも見事、角道を遮って△36玉にも行けるようにして、逃げ場を広くしてるんですね。A級棋士同士の終盤は凄いわ。

▲53桂右成△同銀▲同桂成
 ここで郷田さんは金駒を補充に行きました。渡辺さん、この桂を外すのに金でなくて銀。全然読めてませんが、金を渡すとと金を浮かされた瞬間の▲13金が怖いという事かな?そして渡辺さん、最後の桂成りを取らずに…

△48銀成▲同角△38桂
 桂が手に入ったので飛車を抜いた後に37に桂合いが出来る事になったというわけで、飛車を抜きに行きます!!いやあ、後手玉はもう寄らないだろ、どうするんだ、これ…

▲38桂△同と▲47銀
 王手から入って、この将棋で大活躍していたと金に銀を当てに行きました。いやあ、後手が寄ってるのかどうか全然わからん(^^;)。しかしこの瞬間は王手ではないので、入玉を狙うなら△27玉、王手から入って攻防の利きを作っておくなら△79飛なんかもありそう。強引に△79飛▲66玉△69飛成▲68歩△同飛成▲同金△同龍と迫ると?…単に▲67歩で受かっちゃいそうだな、こうなると相入玉戦になっちゃって難しくなるのか。いやあ、後手も意外に簡単じゃないんだな。

△17飛
 いやあ、なんという手!穴熊崩しで、相手の金駒とこちらの飛車角を交換した方が得になる事がありますが、原理としては似たようなものか。すごい終盤になったぞ…

▲18銀△同飛成▲同香△65歩
 ついに渡辺さんの反撃!!次の△66銀を狙った一手空きです!ビビりの僕なら先に入玉しちゃいますが、飛車を渡した以上、万一相入玉の自将棋になったら負けてしまいますから、寄せられずとも先に入玉を消しておくという事かな?

▲66歩△69銀
 先手は当然ながら詰めろ逃れ。そして後手は…おおお、△78飛成を見た詰めろ、寄せに行ったああ!

▲17銀△27玉▲38銀△18玉▲68金
 しかしここで手番は郷田さん。いきなりの▲68金の受けは△55桂~△68飛成から一瞬で詰まされそう。が、王手でと金を消しつつ銀あたりを避けた後で▲68金で詰めろを消しに行くと…おおお、△55桂には▲69金で銀を抜きながらの受けが利くではありませんか!!しかもこれ、質駒になってる金を補充されたら、後手負けじゃないかい??いやあ、とても一分将棋の指し手とは思えない、郷田さん、スゲええええええ!!!!さあ問題は、ここで後手が寄せられるかどうか…

△46桂
 後から考えて気づいたんですが、後手は金じゃなくて銀を渡しても△27銀打があるのでヤバい。というわけで、43の金を補充される事だけでなくって▲69金もケアしなくちゃいけない。つまりこの桂打ちは▲37角△37桂成とか、▲47銀△58桂成の詰めろあたりを狙ったんじゃないかと。

▲29銀
 うわあ、すごい所に逃げたな…もうどっちが勝ってるかさっぱり分かりませんが、これはさっきの詰めろの筋があるので、消去法で選んだのかも。
 
△同玉
 え、△同桂成じゃないのか?こ、これは…

▲28飛△19玉▲43成桂、まで
 渡辺さん、投了だああ!!!すげえ、郷田さん、入玉将棋を仕留めちゃったよ…。

 いやあ、最後の一分将棋での指し手がものすごかった!!僕は後から悠々と考えながらブログを書いて、やっと指し手の意味を推測しているという感じなのに、渡辺さんも郷田さんも時間に追われながらこれなんだから、ちょっと神がかりだわ。しかし、めっちゃくちゃ面白い終盤でした!!

 この将棋、勝ちこそ郷田さんに滑り込みましたが、実際には渡辺さんが勝ちでもおかしくない所まで行っていた気がします。その意味では、あの渡辺新手は成立しちゃってるんじゃないかという気が。そして終盤戦、さすがはA級トップ棋士同士、凄すぎ、メッチャ面白かった!!さて、これで王将戦は3勝3敗でフルセットまでもつれ込みました!!もしこのまま角換わりシリーズでいっちゃうなら、第7局は振り駒が異常に重要な意味を持っちゃうんじゃないかと。いやあ、王将戦、面白いっす!!


第26期女流王位戦 挑戦者決定戦 里見香奈 vs 清水市代 (向かい飛車)

 角落ちではありますが、女流棋士に勝った事があります。むろん指導対局ですので、色々と見逃してくれたのだと思います。指導対局で勝たせて貰った人なんかいくらだっているでしょうしね。でも、なんというのかなあ…その時、プロ女流棋士よりも奨励会員の方が圧倒的に強いという事実を、身をもって思い知らされた気がしました。しかし、僕は女性の脳が男性のそれより劣っているとはどうしても思えないのです。では、なぜ女流はプロ棋士より劣るのか。

20150317女流王位挑決_里見vs清水26手 今日の女流王位戦の挑戦者決定戦。里見さんは奨励会員でもありますので、いくらかつて女流で無双状態だった清水さんとはいえ、地力で里見さんに勝てないのは仕方がない。これは本当に仕方がない。しかし…序盤研究も、里見さんが圧倒的にリードしてないかい?この将棋、里見さん先手の向かい飛車になったんですが、清水さんは角交換振り飛車の向かい飛車戦でケアしなくてはならない所にあまりに無防備でした。盤面図は26手目、まだ駒の衝突していない駒組みの段階ですが、僕にはこれは既に先手がかなり良いように見えます。
 僕の形勢判断はやや極端なのですが、大変親しくしていただいている高段の方とこの局面の話をしていると、その方も「この局面、里見さんがもういい気がするよね」「何で清水さんは角あがったのかな」「その前に、急戦調のまま応接するなら…」みたいな感じで、ここまでの感想が僕とほとんど同じ。つまり…たぶん、アマ3段もあれば、みんな似たような感想を持つんじゃないかと思ったのです。この将棋は100手を待たずに里見さんの勝ちとなりましたが、序盤も中盤も終盤も、里見さんが上回っていたように思います。里見さんに中終盤で負けるのは仕方がない。しかし、序盤研究で、つまりは努力の部分でまで負けるという事は…。これと似たような印象を、僕は女流将棋を見て、立て続けに感じています。

 プロとアマは違います。例えば、クラシック・ピアノの場合はどうか。アマチュアなら、しかもプロを目指しているわけではないアマチュアなら、最善の努力を自分に強要する必要なんてないと思います。では、プロの場合は?プロなんだからグールドと同じぐらい演奏しろと言われたって、それはあまりにむごい。プロ棋士だから羽生さんと同じぐらい勝てと言われたってそれが不可能である事と同じです。では、演奏中にミスをしたら?いくらプロだといっても、僕からしたら一発勝負の本番でのミスを完全に防ぐことは無理。クラシック・ピアノでも、実際に聴きに行くと、演奏ミスのないコンサートなんてほとんどない。むしろ、ミスのない方が稀だと思います。では、自分のコンサートで演奏する曲の暗譜さえして来ない場合は?これに限っては、ちょっと意味が違うと思うのです。これは、やろうと思えばできる努力ですから、怠慢と言われても仕方がないのではないでしょうか。

 対抗型の将棋をもっと勉強したくて、女流将棋を見始めて暫くたちました。棋譜だけで言えば、ブログになんて書ききれないぐらい見ています。しかし、女流の将棋の特徴って…残念ながら、今日の戦いとか、この前のNHK杯予選とかにあらわれた通りなんじゃないかと。そして残念な事に…これって、別にこの2局だけの事じゃないと感じています。才能云々の前に、女流棋界にはプロ意識に対する体質的な欠陥があるのではないかという気がした一番でした。清水さん、もう全盛を過ぎて苦しいだろうけど、女流棋界にはあなたしかいない。せめて里見さんが人間として組織を背負えるようになるまでの間だけでもいい、頑張ってくれ~~!!

第73期順位戦A級P.O 挑戦者決定戦 久保利明 vs 行方尚史 (相振り飛車)

 プレーオフもとうとう決勝!いやあ、今年の順位戦は面白すぎる!!記録にも記憶にも残る順位戦ではないでしょうか。そして激闘の4者プレーオフもこれが決勝、羽生名人への挑戦を賭けた戦いは、久保さんと行方さんの対局です!!

 先手久保さんは▲76歩~▲75歩と早々に石田流を明示。これは想定の範囲内だったんですが、対する行方さんは…おっと、角道を開けた後に△54歩と突いたぞ、これは中飛車か?!しばらく前に石田流対策のひとつとして流行った形ではありますが…いやちがう、二間飛車だ、相振りだああ!!!う~ん、NHK杯に続いて相振り飛車になってしまった、全然分かりません(^^;)。。それにしても居飛車党の行方さん、これは相当に研究してきたんじゃなかろうか。ものすごい気迫を感じます。

20150316順位APO_久保vs行方_相振15手 相振り飛車は何もわからないので、すべてが新鮮!ただし、▲三間-△二間の相振りは、幸いなことに数日前のNHK杯で見たばかり。もしかしたら、相振り飛車の中ではよくある形なのかな?盤面図は15手目という超序盤。先手は角道を止めてから左銀を繰り出し、玉を囲いに行こうかという感じ。後手は全く態度を保留しているように見えるんですが…

△25歩
 おお~、はやくも飛車先の歩を交換に来ました。仮に交換しないまでも先手玉頭を押さえる形になるので、ど素人的にいうとこの部分ではすでに後手がポイントを取った気がしますが、どうなんでしょうか。後手はまだ居玉だし、まだ形勢云々の段階じゃないのかな?

▲28銀
 あら?38から美濃にするんじゃないのか?NHK杯の香川女流も38ではなく28としてから金無双に構えていましたが、これは何でなんだぜ?矢倉を目指してから隙あらば穴熊、という構想なのかな?う~ん、相振り飛車、全然分からん…

 そして駒組みが終わってみると、▲金無双/二間飛車vs△美濃/二間飛車の形に。互いにすぐに崩れてしまいそうな形に見えるんですが(^^;)、特に後手の行方さんは慣れない戦型だからか、不用意に歩をあがってしまい、その瞬間に痛いところに角を設置され、駒組みに制限を加えられてしまいました。アマチュアの僕なんか当然見えてなかったんですが、角を置かれた瞬間にビックリして心臓が飛び出そうになりました。慣れない戦型を指すとこれがあるんですよね…(^^;)。

20150316順位APO_久保vs行方_相振56手 で、互いにどう戦ったかというと…どちらもなんと端攻めの構想!盤面図は56手目、ここから久保さんが仕掛けたんですが…

▲74歩△同歩▲95歩△同歩▲93歩△同香▲73歩△同銀▲85桂
 7筋と9筋の歩を切って、裏から歩を打って駒を吊り上げての桂跳ね。美濃崩しでも穴熊崩しでも矢倉崩しでも常に出てくる筋ではあるんですが、これが分かっていても受けにくいんですよね(^^;)。しかしここで…

△94香
 僕は自分で美濃囲いをほとんどしないし、美濃を崩す時も桂跳ねの両狙いはほとんど指さないので知らなかったんですが、こういう躱し方があるのか…。たぶんこれは振り飛車を指す人ならきっとみんな知っている逃げ方の気がしましたが、僕にとってはちょっと衝撃。いやあ、こう躱されると先手はマズいんじゃ…

▲95香△同香▲73歩△同銀▲同桂
 とはいえ、ここまで来てしまったら先手は後に引けず、攻めを繋げるしかありません。銀の吊り出しに成功して銀桂交換は成功ですが…

△同玉
 …これ、もう捕まらないんじゃ?目先を変えて▲44銀みたいな手で玉が中央に逃げ出しにくくしておく?

▲92銀
 あ、そういう手があったか(^^;)。。最近、本将棋を指せてないからなのか、手が見えない事が多くてヤバいです。道場に行ったら10連敗ぐらいしちゃいそう。。

△72金▲81銀成△84香
 久保さん、怒涛の攻めでしたが、行方さんの受けが完璧すぎる。△72金で▲93角成を消し、▲81銀成に対しては角道を消しつつ飛車取りに当てる△84香が感触が良すぎます。

▲85桂△62玉
 久保さん、それでも攻めを繋ぎますが、△62玉と逃げ出されてしまうともう捕まらない。ここの攻防は行方さんに軍配。しかもこの戦いで行方さんの駒台には歩が溢れ返っております。いやあ、これは行方さん勝ったでしょう。

 …と思ったら、ここからも大熱戦が続き、100手以降は延々と続く殴り合い、大駒飛び交うスリリングな展開でした!!見てる方は最高、やってる方は寿命が縮んだんじゃないかと( ̄ー ̄)。ガッチガチの斬り合いですが、持ち歩の数が違い過ぎた。行方さんは手駒となった歩の手筋を連発して情勢を有利にたぐり寄せてしまいます。3歩あると何でも出来ちゃうんだよなあ。。

 そしてついに後手に形勢が傾いたかと思ったところからの行方さんの指し回しがちょっと面白かった。あの鋭く寄せ切る行方さんが、丁寧に受けて勝ちに行ったんですよ。これはきっと「意地でも名人に挑戦する」という気迫が選ばせた選択だったんじゃないかと。これはちょっとホロっときてしまった。。負けを悟った久保さんの最後の指し手も見事、ここ最近見ていた将棋のひどい終盤とは全然違って、無意味な連続王手とか単なる手数伸ばしとか見え見えの頓死狙いとかはせず、ギリギリまで死力を尽くした受けにいっての投了。負けたとはいえ、この久保さんの態度もものすごくカッコよかった!!というわけで、150手にて後手行方さんの勝ち!行方さん、ついに名人戦挑戦です!!

 むかし、行方さんについての記事を書いた事があります。人生に一度挫折しかけて、そこから渾身の思いで立て直してというのが、「ああ、俺もここで頑張らなくちゃ…」と強く思わされて、自分が本業で頑張り直す動機のひとつになったのでした。というわけで、あの見事すぎる棋譜のほかにも、行方さんには思い入れがありすぎ。その行方さんがついに名人挑戦かあ。他人事なのに、なんかものすごく感動してしまいました。一方の負けた久保さんですが、順位戦最終局で渡辺さんに完敗しながら、直後のプレーオフでその借りを返しての見事な勝ち上がりは凄かった!そしてこの将棋も大激戦、すごかったです。

 さて、これで名人戦は羽生名人四冠と行方九段の対戦に決定。最近の羽生さんは調子が悪い。そうは考えたくないけど、もしかしたら年齢的な衰えも…。というわけで、名人戦は大方の予想を裏切って大接戦になるんじゃないかと思っています。羽生マジックが凄すぎてプロ将棋ファンになった節もある僕なので、羽生さんには勝ってもらいたい。しかし、行方さんにも勝ってほしい。これは困った展開ですが…もし行方さんが名人を取るような事があれば、僕は泣いてしまいそうです。そ、そうだ、もし行方さんが名人を取ったら、僕は死ぬ気で仕事を頑張る1年にしよう(なんだそれ)!!


第65回NHK杯予選 甲斐智美 vs 香川愛生 (相振り飛車)

 今日のNHK杯は来期の予選、女流同士の対戦でした。対抗形の将棋をもっと見たい僕は、振り飛車を指す人が多い女流の将棋を最近見始めたのですが、今日は…相振り飛車だあああ!!いやあ、相振りまでいっちゃうと全然分からん(^^;)。

20150315NHK_甲斐vs香川_相振12手 それにしても、今日は阿久津さんの解説が凄すぎました。もし阿久津さんが指していたら5回ぐらい詰ましてたんじゃなかろうか。例えば、序盤も序盤、12手目の盤面図で…

阿久津さん)ここ、▲72歩と指したらどうなるんですかね?

 ん?…おおお、金や銀で取れば角がタダ、飛車で取れば飛車交換から角がタダというわけで、取れないのか!!いやあ、全然見えませんでした(*゚∀゚*)。というより、安全に駒組みする以外の事をまったく考えてなかった…。というわけで、▲72歩には後手から角交換をして、すぐに後手が寄るわけではない気がしますが、この時点から虎視眈々と鋭い手を考えているというのが驚愕でした。
 他にも、「ここで△26歩からの飛車先の歩の交換には、その瞬間に▲73歩があるかも」とか、鋭い筋をバシバシと披露。実際にはその手が成立するかどうかは検討してみないと分からないと思うんですが、ひと目で色んな筋がパパパッと見えるというのがスゴイ。長考派の僕なんて、いっつも死ぬほど考えて1~2個思いつくのがやっとだというのに。。阿久津さん、今期初挑戦のA級では残念ながら全敗だったのですが、女流タイトル保持者のお二人に対して飛車一枚では済まないないぐらいの棋力差があるんじゃなかろうか。

 でもって、将棋は香川さんがいつものように攻め一辺倒の将棋、そして受け潰されて大差負け(^^;)。香川さんの悪くなってからのクソ粘りって、劣勢になった時の糸谷さんの指し方とか、関西の若手棋士全体に共通する指し回しに思えて感心します。しかしそうなる前の段階が…受けるべきか攻めるべきかとか、そういう将棋の勝敗を分ける重要局面で、善悪ではなくていつでも攻め一択というのがちょっと(^^;)。。こういう剛腕頼りの攻め将棋に負けると、けっこう悔しいんですよね。。逆に、一生懸命暴れてる相手を冷静に受け潰す甲斐さんは、これぞ強い人の指す本当の将棋という感じで、カッコよかった!!

 というわけで、僕にとっては阿久津さんの凄さにビビった一局でした。相振り飛車、全然分からん。。


電王戦FINAL 第1局 斎藤慎太郎 vs Apery (四間飛車)

現在夜の7時40分、仕事から帰ってきました!電王戦はどうなってるかな…おおお、斉藤さん優勢っぽいじゃありませんか!!これは阿部光瑠さんと豊島さんに続く人間側3人目の勝利か?!しかしこれ、戦型は何だったんだろうか。居飛車vs振り飛車の対抗形ではあるみたいですが、プログラムは振り飛車を選ぶのか。人間に研究を絞らせないために序盤の定跡範囲でのある程度の所まではランダム選択なのかな?う~ん、面白いなあ。。

20150314電王final斉藤慎vsAper四間飛車28手 現在夜の9時近く、斉藤さん、勝ちました!!いやあ、対局姿勢といいコメントと言い、素晴らしい好青年ではありませんか。将棋界の未来は明るいぞ(^^)。序盤から棋譜をザックリ見ましたが、これは齋藤さん完璧な指し回しというか、ひと目ソフト側の疑問手は28手目△65銀かな?これはアマチュア弱小の僕レベルが学んできた形勢判断だと、角交換から▲24歩で先手十分だと思うんですが、将棋の教科書に書いてある形勢判断の方法とソフトのそれでは、判断の基準が違うという事なのかな?ここは、この場面でのコンピューターの読み筋があったら是非見てみたいです。今回は不発だったかもしれないけど、人間がダメと思っている手の中から実はそうではないものを見つけてくるのがコンピューターの長所でもあるわけですからね(^^)。で、本局は…

▲33角成△同桂▲24歩△同歩▲同飛△46歩▲21飛成

 まあ角成以降は一直線ですよね。しかし驚いたのは、ソフトの△46歩に対して▲同銀ではなくて▲21飛成と一気に攻め位に行った所!!いやあ、この手を指せるというのは、この時点で自分が優勢と見ていたんでしょうね。こういう所でいきなり踏み込めるところがプロって凄いと思います。こういう手が指せるようになりたいな(^^)。

 色々あるイベントだとは思いますが、それでも人間が勝つと純粋にうれしいです(^^)。斎藤さん、でかした!!


今日から電王戦FINAL

 今日からコンピューターvs人間という異例の対局、電王戦の最終戦5対5の戦いが始まります。

 僕は、どちらかというと電王戦否定論者でございます。理由は、昔の記事に書いた通り。でもですね、プログラムがプロ棋士に勝てるかどうかという所に来ていた第2回電王戦は、全局リアルタイムで見てたんですよ。それまでは渡辺さんがボナンザを倒したりしていたので、さすがに現役プロ棋士の方が上と思われてました。しかし終わってみれば…。特によく覚えてるのが、引き分けとなった塚田戦での木村一基さんの名解説。入玉将棋になって退屈きわまりない展開になったのに、木村さんのトークが面白すぎて中継が成立してしまった(^^)。解説もへったくれもない状況に追い込まれた司会の安食女流がなんとかひねり出した質問が「コンピューターがと金を作っている意味はなんですか?」ww。もう喋る事がなくなってしまったんでしょうね、何でもいから喋らなきゃ、みたいな。しかしこれに対する木村さんの答えが見事で、「ひらがなが好きなんじゃないですか」。僕がお茶を吹いたのは言うまでもありません。

http://youtu.be/UmpCNV89oxY

この動画の1時間51分ぐらいから10分間は、完全に木村一基トークショー。僕はたまに寄席に行くんですが、もう落語の大家に迫る勢いのトーク力です(^^)。で、この第2回電王戦を見ていた時の楽しさが、世紀の大イベントに立ち会っていたような感じで、すごく印象に残ってるんです。。以降の電王戦がどうなったかは推して知るべしですが、しかし今回で最後のようですし、あの時のスリルの1/10でも味わえたらいいなあ…と。

 さて、最後の電王戦。今週は結構暇だったんですが、これから3月いっぱいまでは結構仕事が忙しくて、電王戦を全局見るのは到底無理。今日も昼から夜までは仕事で外出なんだけど、せめて夜だけでも覗いてみようかな。ニコニコに入れればの話ですが。。

第64期王将戦 第5局 渡辺明 vs 郷田真隆 (角換わり相腰掛け銀)

 今期の王将戦、始まる前は渡辺さんの圧勝かと思っていたんですが、郷田さんの素晴らしい追い上げで2勝2敗の五分に。というわけで、ここから仕切り直しの3番勝負となります!!さて、1日目の午前、戦型だけ確認したら仕事にかかろうかと思ったら…昨日は天候不順で両者佐渡に渡れなかったようで、まだ始まってねえ!!う~ん、今日は佐渡に渡れたのかな?明日だけの1日制に変更になったりして(^^;)。

 おお、なんとか無事に始まったみたいですが、どうやら持ち時間が7時間に短縮された模様。で、時間が短くなったからか、互いにガシガシと指し進めます。角換わり→相腰掛け銀→△74歩型→▲48飛25歩型…あ、あら?これは最近見た記憶が…この前の▲渡辺-△羽生の棋王戦第3局とまったく同じだああ!!

20150312王将64-5_渡辺vs郷田_角換腰掛銀49手 棋王戦と同じ局面に進むべきかどうかという所で郷田さんが長考しましたが、郷田さんの選択は同一局面。49手目まで棋王戦第3局と全く同じ形に。…なるほど~、棋王戦に王将戦に名人挑戦プレーオフと過密スケジュールだった渡辺さん、同じ局面に持ち込めれば研究の使い回しが出来るわけですね。これは渡辺さんにとっていい展開かも。
 実はこの局面、この前の棋王戦で指されてから、自分で調べたり研究したりしてみたのです。で、僕の結論は△47歩が良いんじゃないかと。この歩を何で取るか、あるいは▲28飛と回るかはけっこう悩ましいと思いませんか(^^)?でも、飛車で取らないと45の地点を後手に制圧されるので、たぶん▲同飛が無難じゃないかと思うのですが、そうすると角の打ち込みが炸裂、後手は先に馬を作る事が出来ます。しかしその馬を活用するのがなかなか難しい上に手番が先手に渡るので、その先がけっこう難解。。飛車の吊り上げを狙うこの歩の打ち込み、この前の棋王戦で羽生さんはもう少し後の局面で指して飛車金両取りをかけていましたが、ちょっと遅すぎた感がありました。というわけで、それを今指してしまうのがいいんじゃないかと。(ちなみにこの歩の打ち込みは前例があるみたいで、僕の新手なんかじゃありません(^^;ゞ。)しかしここで郷田さんが指した手は…

△63歩
 おおおお!!!郷田新手、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
この手は予想外だったか、あるいは羽生戦と同じ順に行くかどうかで2時間近く長考した郷田さんに半分返しするためなのか、渡辺さんはここで1時間以上の長考。そしてそのまま封じ手に。この封じ手も見事で、将棋以外の所で色々と渡辺さんの工夫が見られます。これは明日の昼前後が勝負の山場になる気がします(^^)。

◆◆◆◆◆◆
 そして、2日目。う~ん、なんといえばいいのか…郷田さんは必死に手をひねり出してやっとギリギリ、少しでも緩い手を指したら即先手優勢になっちゃう、みたいな状況でしょうか。腰掛け銀の後手でよくある展開と言えばそれまでですが、この状況で郷田さんは飛車を抜かれ、打った角の利きを封じられ、飛車桂の矢倉崩しを喰らう羽目に。ああ、これはもうダメだわ。。結果、97手にて先手渡辺さんの勝ち!!

 渡辺さんとしては、羽生さんと同じ順に進んで同じように勝ったんだから、してやったりだったんじゃないかと。郷田さんは、序盤で大長考したり相手の研究手順に敢えて踏み込んだりという事を結構しますが、普通に勝ち負けだけ考えたらそれはあり得ない行為だと思うんですよね。という事は、なにか勝ち負け以外の事を考えているような気がするんですが、それが何であるかは俗人の僕には分からず(ノ゚ー゚)ノ。いずれにしても、これで渡辺さんは防衛にリーチ。郷田さんを応援している身としては、次だけは勝ちだけにこだわって指して欲しいと思っちゃったりします。


第73期順位戦A級P.O #2 久保利明 vs 渡辺明 (向かい飛車)

 渡辺さん、棋王戦に名人挑戦者決定プレーオフに王将戦と、超重要棋戦の連続です。もしこのプレーオフを勝ち抜いたら名人戦にも登場する事になるのか。長年守り続けた竜王を落としたというのは、実は渡辺さんが次のステップに進むのに必要な事だったんじゃないかとすら思えてきます。一方の久保さん、順位戦最終局では渡辺さんに短手数での大差負け。しかしあれは後手番だったし、ここは久保さん何としても先手を取りたいと思うのですが…おおお、久保さん、先手だああ!!!初手は…

▲56歩
 おおおお、先手中飛車、キタ━━━(゚∀゚)━━━!!そういえば渡辺さん、この前の早指し戦の決勝で羽生さんの先手中飛車を喰らって負けてたな。去年まで遡れば、羽生さんもタイトル戦で先手中飛車をっ喰らって負けていた気が。先手中飛車ってメチャメチャ優秀に感じます。

△84歩▲76歩△85歩▲77角△54歩
 後手渡辺さんは、8筋を伸ばして先手の角を吊り上げてから5筋の位を守った!!こ、これは…

▲88飛
 中飛車じゃない、向かい飛車だあああ!!!僕は5筋の位を取らせて受けるタイプなので、この向かい飛車の定跡はあまり知らない(^^;)。これ、しばらくは居飛車バランスのとり方が難しそうだなあ。。

20150310順位APO_久保vs渡辺_向飛車19手△34歩▲68銀△42玉▲48玉△32玉▲38玉△62銀▲28玉△53銀▲16歩△14歩▲38銀(19手目盤面図)

 以降は淡々と駒組み。う~ん、5筋の位を取らせないで指すと、後手は既に63銀の形を作れないんだな(^^;)。しかし、この形での向かい飛車は居飛車怖いなあ。桂の跳ね場所を作る△74歩は…その瞬間に歩をぶつけられて飛車交換か。玉の腹が空いている分だけ、それは先手が先着できそうだなあ。居飛車はもう少しだけ辛抱したい…

△52金右
 角交換がいつでもある状況で右辺をガラ空きにするんでおっかない気もしますが、渡辺さんが指すんだからきっと大丈夫なんでしょうね。う~ん、角交換四間の研究の遣い回しで何とかしている向かい飛車対策ですが、きちんと勉強しないといけなそうだな…。

▲78金
 ま、また難解な手を…。。ここは先手の方針の分かれ所だったんじゃないかと。▲66歩ならじっくりという感じになるんでしょうが、角交換振り飛車の形でそれはちょっと癪なんでしょうね。あとは▲58金左とか▲57銀とかかと思っていたんですが、▲78金かあ。これは角交換後の打ち込み筋を消しながら勝とうという事…なのかなあ。

△74歩▲57銀
 お、先手はここで▲57銀。これは5筋を戦場にするか、玉頭銀を含みに残してるかな?ここで渡辺さんは…

△64歩▲96歩
 うわあ、これは強い人じゃないと指せないんじゃなかろうか…。居飛車はここで囲いに手をつけるか、銀の方針を決めるか、8筋を良くしに行くか、角交換を拒否しに行くかみたいな分岐点かと思ったのですが、ほとんど一手パスみたいな手を指しました。後手の態度をきいてからという事か?しかし、ここで久保さんも相手の様子をうかがう手( ̄ー ̄)。ここ、先手があまりゆっくりしていると、後手が追いついてきちゃうぞ(^^)。

△24歩▲66歩△23玉
 おお~、天守閣に囲うのか?!う~ん、天守閣美濃って、この前の女流名人戦で清水さんが使っていましたが、角のラインから玉を外せるメリットはありそうですが、しかし顔面受け上等になるので怖すぎる(^^;)。しかし角交換振り飛車を受けるなら、天守閣美濃の勘所は覚えておいた方が良さそうだなあ。。はやくも、自分では構想しない類の将棋になってしまいました。。しかし、▲66歩とは…▲67金~▲46銀~▲58飛で中央から行く気か?!

▲26歩△32銀▲27銀△44銀▲38金
 その前に、相手の天守閣美濃を見て玉頭を盛りあげに行きました。ですよねえ、後手はかなり神経を使う将棋になるんじゃないのかなあ…。実際の形勢は分かりませんが、居飛車党の僕でもこれは振り飛車を持ちたい気分…。

△31角▲46銀△33銀引
 おお~、先手の構想は予想通り(=^▽^=)!しかし後手は…これは堅く囲うまでは戦いに行かない渡辺さんの棋風が出た感じでしょうか。でも、振り飛車は右桂を跳ねて万全の片銀冠を作って、▲67金~▲58飛で捌きの目途がつくんじゃ…

20150310順位APO_久保vs渡辺_向飛車37手▲55歩(37手目盤面図)
 うおお、久保さん、いきなり仕掛けたあああ(゚ロ゚ノ)ノ!!!悠長に万全に駒組み出来るまで待たずに行きました!!捌きのアーティストにいきなり踏み込まれると怖すぎるわ。

△同歩▲同銀△53金
 また渡辺さんがなんか変な誘いをやってるぞ…△63金としておけば▲54歩が金に当たらずに歩の拠点を作らせずに済むものを、なんで△53金なのか。分からん( ̄ii ̄)。。普通に考えれば▲54歩と打たせたいという事なんでしょうね。いやあ、これは久保さんが捌きに行ったように見えて、渡辺さんに呼び込まれたか??

 渡辺さんの狙いは金銀交換から飛車を5筋に回しての抑え込みでした。たしかに、5筋に駒の利きが全然ないので、これは渡辺さんうまく指したか。しかし久保さんもうまく指して後手陣はバラバラ、これで成り駒を作られたら後手陣は一気に崩壊しそうで、案外バランスが取れていそう。色々ありましたが、進んでみれば対抗形の典型みたいな作りの将棋になりました。

 さて、ここで夕食休憩が終わり(僕のです^^;)、またまた仕事に戻らねば。。なんか、今日はもう帰ってこれない気がする。。いやあ、何となくですが、後手の玉形が悪すぎて、もし5筋を抑え込めたとしても先手のほうが指せる気がする。

◆◆◆◆◆

 帰ったのは夜中。フラフラで、夕食休憩以降の棋譜を翌日の昼ごろになってようやく見ている有様です(^^;)。。中終盤戦は…おもしれええ!!!いやあ、凄すぎる場所がありすぎて、書ききれません。。仕事まで1時間ほどあるので、それまでに書けるだけ書いてみると…

20150310順位APO_久保vs渡辺_向飛車58手 まず、前日の夕食休憩直後の58手目盤面図。昨日の夕方前は、ここは勝負のポイントだと思っていて、僕の想像では、後手の抑え込みを防ぐ手だてはもうなくって、その代償に先手が何を出来るかという感じになると思ってました。そうなれば玉型に差があるので、先手若干いいような気がして。。しかし、この「後手の抑え込みを防ぐ手だてなし」という見立て自体が間違っていたとは。。ここはもう▲59飛か▲55歩しかないと思ってました。ただ、▲59飛は、直前にようやく飛車を7筋に回せたのに謝る事になって癪だし、また▲59飛自体が抑え込みを認める手でもあるので、他の手があるなら探したい。そうなると▲55歩ですが、△同銀としてくれれば成功だけど△同飛は?▲66金打から中央を手厚くして追い返す?しかし、攻め駒が完全になくなっちゃいますね。。飛車を読んでから▲59飛で飛車をぶつけに行って、飛車交換で飛車を捌いて玉形の差で勝負?ああ、これしかないかな、と思ったところ…

▲64金
 えええ、これ、成立するのか?!一瞬考えたんですが、△同角▲同歩△53歩成で5筋が破けたと思って検討を打ち切ってました(^^;)。う~ん、やっぱり、もう少し持ち時間の長い将棋を指す癖をつけないといけないな…

△同角▲同歩△57歩成▲72角
 おおお、そんな返し技があるのか?!…なるほど~、飛車が前に出ると飛車が詰んで…下がっても▲54歩で飛車が詰むわ。しかし、と金の紐が外れるとはいえ、△64飛とすると?

△64飛▲57金
 これで先手は金を守りながらと金を外す事に成功!しかし、後手は龍を作る事に…おおっと、飛角金がそれぞれに利いていて、成り込む事が出来ない!!先手は抑え込まれて辛抱するどころか、打開した上に大駒を捌いてしまったぞ。久保さん、つええええ!!

20150310順位APO_久保vs渡辺_向飛車94手  以降は大駒の飛び交うものすごい中盤!今度は先手の角が活き場を無くしてどうするのかと思ったら、玉のコビンに収めて片銀冠を補強して無駄駒を無くしたり、なんか久保さんの指し回しが冴えわたっている感じ。それどころか、その角の捌きをつけてしまいに行った狙いがすごくて、94手目盤面図から…

▲83銀
 え?なにこれ?△84飛と当てられたらどうするんだ?と思ったら…な、なるほど!!すげえ…

△84飛▲74歩
 これ、△83飛としたら▲72銀の割り打ちから、73に殺到してしまおうとしてるわけですね。いやあ、久保さん、スゲエ…

△64歩▲73歩成△同金
 しかしさすがは現役トップ2の超強豪棋士である渡辺さん、落ち着いています。その筋にはいかず、角のラインを消し、桂を犠牲にこの銀を切り取りに行きます。やっぱり強いな、久保さんの幻惑的な指し回しもこれまでか…と思ったのですが、久保さんの本当の狙いはここからだった!!

▲55角
 …いやあ、これはちょっと感動してしまった。相手の角に駒を拾われるのを消しつつ、角交換で遊んでしまいそうな自分の角を捌きに行ってしまうという。もう、銀は見捨てて、駒の利きで勝負に行くんですね。佐藤康光さんの将棋みたいだ。

△同角成▲同飛△66角
 これで先手のニート角が捌けましたが、渡辺さんはここでおかわりの角打ちで反撃!

▲44角△33銀▲53飛成△同金▲66角△83飛
 うおお、今度は久保さんが角を合わせて、飛車を犠牲に角を抜いて飛車角交換!!いやあ、ものすごい大熱戦、どっちがいいんだ、これ…。後手は最後の△83飛で銀を切り取る事に成功、この瞬間は後手が銀1枚まるまる駒得、大駒も後手が飛車2枚。しかし、玉形の差と、メチャメチャ痛い所に角のラインが。そして、11手目に久保さんの指した継続手が…

20150310順位APO_久保vs渡辺_向飛車110手▲54歩
 いやあ、これはこの一手という感じ、これを指せていなかったら後手が良かったんじゃないかと思うのですが、これで決まったでしょう。△43金と逃げれば飛車金両取りが掛かり、△44金なら▲53歩成~▲54とでやはり飛金両取り。△63金なら▲44銀の直接手で論外。しかし、まっすぐ引くと…

△52金▲53銀
 いくら駒得と言え、中央を制圧され、飛車の利きは封じられ、玉型に差があって、先手の大駒が自由自在に動きまくれるという形になれば、さすがの渡辺さんでもどうにもならず。夕食休憩直後の中盤の山場で主導権を握ってからは、久保さんの独壇場だったんではないでしょうか。結果、123手にて先手久保さんの勝ち、プレーオフ決勝に進出です!!

 なんというものすごい将棋!!そして、久保さんは指す手指す手がいちいちカッコよかった!!渡辺さん相手に7連敗ぐらいしていて、しかも直前の対局では短手数での大差負け。この状態で、次の対局、しかも大一番でキッチリ借りを返すんですから。僕としては、羽生さんが衰えてしまう前に、1度でいいから羽生vs渡辺の名人戦を見たいと思っていたので残念な事ですが、しかしこれだけの大名局を見る事が出来たんだから、文句を言っちゃいけませんね(^^)。さて、名人挑戦を賭けた大一番は、行方vs久保戦になりました!でもなんか、行方さんが勝っちゃう気がするなあ。。


第40期棋王戦 第3局 羽生善治 vs 渡辺明  (角換わり相腰掛け銀)

 よもやの羽生さん2連敗となった棋王戦、やっぱり冬の渡辺さんは強かった。。今日渡辺さんが勝つとストレート防衛になりますが、羽生さんは1本返せるか?!なんといっても、3月になったから冬は終わったしな( ̄ー ̄)。。

20150308棋王40-3_渡辺vs羽生_角換腰掛銀40手 将棋は角換わり相腰掛け銀で、40手目までは定跡通り。僕は、角換わり腰掛け銀になると、定跡局面までは復習のつもりで一生懸命見てます。意外と手順が違ったりするので、「あ、ここは順が違ってもいいのか」とか、「あれ?金は42だっけ、43だっけ?」とか、あるんですよね(^^)。で、ここからも定跡は続くんですが、ここは手が広くて、腰掛け銀の分岐点のひとつ。この局面では先手は▲18香、▲68金右、▲25歩、▲67金右などなど、かなり手が広いんですが…

▲25歩△65歩▲64角△92飛▲45歩△同歩
 おお、渡辺さんは▲25歩を選びました!!さすがは攻め棋風、受け将棋にはいきません(^^)。48飛型で▲25歩って、△65歩での開戦が後手としては一番積極的なようで、僕も『これからの角換わり腰掛け銀』にこれが本筋みたいな事が書いてあったので、大概これです(^^)。で、そうなると後手の6筋攻めvs先手の4筋攻めみたいな展開になって、45の地点は先手が突き捨てた後に3筋に手をつけて、と思いきや…

▲45同桂(47手目)△44銀
 おおお、渡辺さん、桂で取りに行ったあああ!!!いやあ、これが新手かどうかは知りませんが、普通は取る順から考えますよね。でもこれ、桂で取るとどうなるんだろうか。いやあ、研究将棋の匂いがしますが、これは渡辺さんペースになったんじゃ…

▲65歩
 なるほど、▲45同桂に対する△44銀は絶対の交換なので、これを入れてから悠々と6筋の歩を切り取る事が出来るのか。しかしここで手番を後手に渡す事になるので…

△75歩
 先手が先着した▲64角がよく利いていて、後手は手番を手にしながらもいきなり急所に角を打ち込む事が出来ない。これは凝った手(というか、僕には狙いがよく分からない^^;)ですが、こういう手を指すというのは、羽生さんとしては既にあまり良い状況ではないと見ているのかも。いやあ、47手目▲45同桂、有効かもしれません(^^)。今度真似してみよう。

20150308棋王40-3_渡辺vs羽生_角換腰掛銀69手 というわけで、仕掛け以降の中盤は渡辺さんが押し気味に進めたんじゃないかと。で、僕だったら投了したくなるような終盤(とこの時は思っていた)の入り口での、羽生さんの粘りがすごかった!ここからの終盤戦は大名局だったんじゃないかと思います!!盤面図は69手目、渡辺さんがものすごく嫌らしい歩の打ち込みで、△22同玉としたら▲35金が激痛、△33桂と逃げたら▲同桂成から4筋を数の攻めで潰すんでしょうね。というわけで、羽生さんはここで攻め合いながら攻防の一着が生まれる筋を探したいところですが…

△48歩▲同飛△37馬
 おっとなるほど、これはひとめ好手!飛車を狙いながら馬の活用を目指しました。すっごく難しいんですが、さっきの△75歩とした局面で、この飛車の吊り出しからの角の活用を狙っていたらどうなっていたんでしょうね。

▲49飛△28歩
 これで飛車金両取り!ではあるんですが、これ後手は金をとってもあまり嬉しくないというか、飛車を抜くなり攻めが繋がるなり攻防手に繋げるなりしたいところですよね…

▲29飛△46馬▲21歩成
 飛車当たりを躱しながら2筋に飛車を設置!あああ、これは飛車が成り込んで先手勝ちだわ。。

20150308棋王40-3_渡辺vs羽生_角換腰掛銀81手△45銀右▲24飛△56銀▲22飛車成(81手目盤面図)
 羽生さん、玉の早逃げもせず、飛車の筋の逸れた中央の戦場に手をつけ始めましたが、渡辺さんは飛車の成り込みからの寄せを目指します。と金を龍を作られ、しかも龍がピッタリ玉に貼りついてる(・ω・ノ)ノ。。こんなもん、投了ですよ、投了。しかし…

△41玉▲58桂△45馬▲56歩△同馬▲64歩
 渡辺さんって、こういう所で一気に寄せないで、激辛の手を指す時があります。しかし去年の順位戦とかで、万全に行ってひっくり返された将棋を何回か見た事があったりして(^^;)。渡辺さんは挟撃形を作りに行きますが、しかし6手前と大きく違うのは…羽生さんの馬が思いっきり捌けて、後手も寄せに行けそうな形になっているところ。さらに驚くのは、81手目の形で龍を使っての寄せがないという事を羽生さんが見切っているところです。いやあ、あの形から寄らないのか…。羽生さん、捌きながらも金を渡さないという所がまたすごい。そして…

△32金
 うおお、龍を寄せに行った?!いやあ、全く考えもしなかった、攻め駒を攻めるという格言がありますが、この状況で寄せ合いや攻防手以外の狙いを思いつくところが凄い!これは鳥肌が立った…

▲11龍△12金
 先手の龍が寄ったあああ!!!しかしここ、盤面図がすごく面白くて、、後手は実は9筋の端攻めの形が出来ているし、右桂も跳ね出せていて、馬で先手玉の右辺逃げ出しも封じる事が出来ていて、金銀桂歩を持っている。先手は先手できわどい形を呼び込むのと引き換えに確実な挟撃形を作る事に成功していて、後手がウッカリ変な駒を渡しすぎたり、寄せ損ねたりすると一手必至みたいな事にもなりかねない感じです。いやあ、あんな所から勝負形に持ち込めるのか、すごいな…

▲57歩
 渡辺さん、受けに回ったああ!!な、なるほど、馬のラインを変えるのか。手抜いて龍取りは…馬を抜かれた後に▲74角が王手飛車か、これは後手負けだな(^^;)。いやあ、素晴らしい終盤になったぞ…

△66馬▲12龍△67馬
 先手は飛車を助けながら金を取る事に成功、後手は馬を助けながら角を取る事に成功しつつ…おお、これが龍取りになってる!!しかし手番は先手、龍を避けつつの寄せがあるような…

▲56銀△57馬
 なかった(*^^*)。。しかし、攻防に働いてしまっている馬の筋を消す事が急務なんですね。しかも馬取りに当てて手番を渡さずに行くのが最善、と。う~ん、素晴らしい逆襲でしたが、驚異の粘りもここまでか…と思いきや、逃げた場所が△57馬!これ、次の△79角を狙ってますね、中級ぐらいの人だと騙せそうな手ですが( ̄ー ̄)

20150308棋王40-3_渡辺vs羽生_角換腰掛銀97手▲52歩(97手目盤面図)
 いやあ…この垂らしの歩は絶妙、見ていてため息が出てしまいました。渡辺さん、スゲエわ…そしてここでの深浦さんの解説もすごかった。「ここで△78銀はどうでしょうか。」…まじか、とんでもない絶好の寄せかと思いきや、△78銀で後手勝ちなのか!!ここ、僕は囲い崩しとか詰め将棋の寄り筋の勉強が裏目に出たというか、△79角ばかり考えていて銀なんて全然見えませんでした。いやあ、とんでもない将棋を見せられたものです、こんな逆転劇があるのか…

△56馬
 これは銀を抜きながらの龍取りなので、寄る寄らないの終盤でさえなかったら絶好手の筈。しかし、これが敗着になっちゃうというんだから将棋はオソロシイ…。以下、▲31金から龍の横利きを通して、先手勝ち!!

 さすがはタイトル戦というものっすごい中終盤の攻防でした!!これ、もし羽生さんが逆転していたら名局賞最有力だったんじゃなかろうか。最後だって、羽生さんが間違えたというにはあまりに難しい手だったし、△78銀は、将棋界最強のふたりにすら見えてなかったみたいだし。

 結果、今期棋王戦は渡辺さんがストレート防衛!!いやいや、冬将軍の勢いはまだまだ続くか?しかし、角換わり腰掛け銀は、やっぱり研究の深さで差がつくところがありますね。そうなると…あら、名人戦挑戦尾プレーオフでは、渡辺さんは研究時間が無いけど、行方さんはそれだけに絞ってきそうだぞ?!これは名人挑戦は行方さんになるかも。



第64回NHK杯 行方尚史 vs 橋本崇載 (角交換四間飛車)

nifunoshunkan.jpg よもやの幕切れ…。プロ将棋で、リアルタイムで二歩を見たのは初めてでした。秒読みに追われ、良い手が見つからず、縦に駒が沢山並び、普通ではありえない所に歩が打ち込まれ…実は条件が整っていたのかも。
 将棋自体はメチャクチャ面白かった!!後手橋本さんは角交換四間飛車、途中で向かい飛車に振り直してからは手待ちで先手に悪い手を指させようとします。角の打ち込みがおっかないので駒組みに制限が加わり、向かい飛車は相居飛車よりも飛車が動かしにくいという事で、余計に打開が難しいと思ってみてました。こうなると、低く構えて角の打ち込みの隙が少ない美濃に構えた振り飛車有利と思っていたのですが、さすがはA級トップの行方さん、この難しい将棋を打開に!!カッコいい、これは男だわ。。

20150308NHK_行方vs橋本_角交換四間85手  駒を盛り上げ、美濃の玉頭を圧迫し、5筋にアヤをつける事に成功して85手目盤面図に辿り着きます。いやあ、ここは遂に均衡が破れた瞬間という感じの場面だと思うのですが、5筋の戦場は手をつけたら速くなってしまうにしても、後手からは△26歩、△45歩、△61角、△47角などなど、色々と考えてみたい手が山積み。成立するかどうかは速度次第な気がしますが、これだけあったらひとつぐらいは成立しそうな手がありそう。ここで橋本さんが指した手が驚愕!!

△67歩
 いやあ…解説の木村さんも「解説不能」と言っていましたが、5筋攻めが見え見えの状況で、ここで単に嫌味をつけるだけの手を指すとは、プロの凄さを感じてしまいました。これ、▲同銀と取らせて上がったばかりの銀を下げさせようとしたのか、▲同金としてくれば飛車交換の後に飛車の打ち込みがいきなり王手になって先手を取れるという狙いなのか、▲58飛が見えているので、その時の△47角が歩を垂らしておくとより厳しくなると見ているのか…。なんか、羽生さんみたいな手で、もし橋本さんが勝つならすごい手になったかもしれない。。あるいは、自分が悪いと見て、相手が考える手や、複雑な局面を狙いに行ったという事なのかなあ。

▲58飛△47角▲59飛
 こういう手に対して、迷わず本筋に踏み込むところが行方さんは強い。本格派というか、横綱相撲のような印象です。行方さんが踏み込むともう読み切っちゃってる気がして、「ああ、行方さんの勝ちだわ」と思うようになっている自分がいます(^^)。これも、すごく自然な手なだけに、凄いという感じはしないんですが、後手としては揺すぶりがまったく通じないという怖さはあるんじゃないかなあ。
 しかし、ここもすごく難しいというか、後手は苦しいけどすぐ詰む筋があるわけじゃないので、速度計算が重要になりそう。しかし、既に互いに秒読みで時間が無いというのが辛かったと思います。△67歩と指した以上、後手の攻めの本筋は飛車のサイドアタックだと思うんですが、それを成立させるには△26歩~△27歩成~△37と~飛車の成り込み、というわけで4手掛かる。いやあ、これはさすがに間に合わなそう。じゃ、△38角成は?…桂成りが速すぎる、これだったら垂らしの歩はむしろ悪手だわ。ここ、1時間ぐらい欲しいな…。

△45歩
 うわあ、これは辛い辛抱。飛車の横利きを通して受けに行きますが、しかしそれと引き替えに角の成り込みを許す事になりそうだぞ…

▲64金
 これは5筋突破と共に▲33角成を狙うひと目絶好手。▲33角成が決まれば5筋は破られ、駒損し、飛車が封じられてしまう。。橋本さん、何かここでいい手を指さないといけませんが、ここで秒読みが進んで…

△63歩
二歩だああああ!!!!
あああ、素晴らしい中盤から、急転直下の幕切れ!!!!橋本さん、反則負けです!!

 いやあ、リアルタイムでプロ将棋の二歩を見たのは初めてです。橋本さん、「本当に申し訳ありませんでした」なんて謝ってましたが、見ているこっちが可哀想になっちゃいました。僕としては、すごく珍しいものを見せて貰ったので、むしろ感謝です(^^)。。いい手がなければ一気に悪くなる状況での秒読み、ギリギリの状況だったんでしょうね。ハッシー、ここまでよく勝ち上がった、大健闘でした、お疲れ様!!

 これでNHK杯決勝は、森内さんと行方さんというA級本格居飛車党同士の対決!やっぱり最後に残るのは実力者なんだなあ。。


小学生時代の放課後

 今日は、小学生時代の悪友と久々に会いました。一緒にスパに行ってのんびり。さすがに互いに大人になったので、最初は節度ある付き合いというか、無難な話題に終始。しかし、別れ際になって、結構きわどい話題になって大盛り上がり(笑)。結局、2次会までなだれ込んで飲みまくりました。

 最後に話題になったのが、小学校時代の放課後の反省会。僕のクラスにはやんちゃな奴がひとりいて、そいつがスカートめくりをしたとか誰かを殴ったとかで、大体は他のクラスより30分押しぐらいの下校時間になってました(^^;)。覚えている最長記録は、土曜日で午前でオシマイのハズなのに、帰りが夕方になった時。で、友人が言うには、その反省会時間に、僕が後に麻布中学に進学した秀才君とよく紙将棋を指していたそうで。紙将棋というのは、紙に書いた将棋盤に、消しゴムで消しながら一手ごとに手を進める将棋。こうすれば、将棋盤なしで将棋が出来るんですよね(^^)。で、悪ガキ君が先生に「お前、いい加減にしろばか野郎!!!」「白状しろこの野郎!!!」と怒鳴られて教室中が凍り付いている時に、僕は「25歩」とか優雅にやっていたんだそうで。いやあ、僕自身は完全に忘れてしまってるんですが、言われて見ると何となくそうだった気が(^^;)。

 小学校時代の思い出というのは、独特の懐かしさがあります。当時の友達も、以降に知り合った友達とは全く異質の連帯感があるというか。スタンド・バイ・ミーという映画がありますが、もうあの感じそのものなんですよね。子供の頃の友達というのは、僕の一生の宝物です(^-゜)v。

第73期順位戦A級P.O #1 広瀬章人 vs 久保利明 (ゴキゲン中飛車▲58金右急戦)

 始まりました、A級プレーオフ!順位による優劣のついた4人パラマス・トーナメントなので、順位が低めの久保さんと広瀬さんは3連勝が要求される棘の道。僕の挑戦可能性予想は広瀬さん>渡辺さん>行方さん>久保さん、個人的な応援順位は渡辺さん>行方さん>久保さん>広瀬さんです。とはいえ、今回の4名は皆好きなので、全員に勝ってほしいというのが結構つらい。悪役って必要なんだな~(^^;)。

20150305順位A-PO_広瀬vs久保21手 そして広瀬さんが先手となり、将棋は…おおお、ゴキゲン中飛車▲58金右の急戦だああ!!いやあ、これはNHK杯で豊島さんが指したのを見て以来の気がするぞ…。僕が昔お世話になった村山さんの名著『ゴキゲン中飛車の急所』でも、最初に紹介されていた居飛車側の対策なので、すごく思い出深い戦型です、自分じゃ指さないけど( ̄ー ̄)。そうそう、▲58金右急戦の定跡を進化させた主役のひとりも久保さんですよね。

△54銀▲75角△21歩▲同龍△32銀
 盤面図は有名な局面ですが、ここで後手は色々な手が考えられるんですよね。で、この△54銀は、NHK杯で北浜さんが豊島さんに放った手だった筈。そう言えば▲三浦-△渡辺戦でも似たような折衝を見た気がする。で、この局面で…

▲12龍
 おおお~、▲11龍じゃないのか!広瀬さん、これは研究してきた模様(^^)。まあそうじゃなかったらデンジャラスな▲58金右急戦には踏み込みたくないですよね。

△89馬▲23歩△99馬▲22歩成
 そうそう、▲58金右急戦って、後手の馬に桂香を片っ端から拾われてしまうんですよね…。で、後手玉が意外に遠くて寄せにくかったりする。横歩△45角戦法なんかもそうですが、この手の急戦の中盤って、形勢判断がものすごく難しいです。一手頓死の危険はあるわ、いきなり終盤だわで、僕みたいなウッカリ者にはとにかく怖い構想っす。

△77馬▲68金上△76馬
 ああ、△77馬の筋も昔勉強したなあ、懐かしい。しかしこれ、やっぱり難解だ。頓死筋はなさそうだけど、先手の攻めは重そう。間に合うのか?

▲66角△64香
 急戦の怖さってこれですよね。いきなり終盤なので、駒の損得なんかより攻めの速度が重要になっちゃうという。これ、先手はガッチリ受ける手はもうないんじゃないかい?というわけでここで攻め合いに行きたいですが、確実な攻めはあるけど速い攻めってあるんだろうか?攻防手があれば理想ですが…

▲77歩
 うおお、辛抱か?!!う~んなるほど、多少悪くなってもと金攻めという確実な攻めが残っているし、▲23歩の打ち込み以降の構想を活かすとしたらこれしかないという事でしょうか。いやあ、急戦のオールレンジ攻撃を凌ぎ切ったら先手は龍の紐をつけたと金の寄せだけで勝てそうですが、相手は捌きの神様だぞ、大丈夫なのか?!

 しかし、ここの攻防で久保さんの速攻を凌ぐ事が出来ず、広瀬さんは一気に潰されて68手にて久保さんの勝ち!!広瀬さん、ここで脱落です。

 今回のプレーオフ、組み合わせの綾がある気がします。渡辺さんを倒せるとしたら広瀬さんが筆頭だと思うのですが、しかし広瀬さんはその前に超苦手の久保さんと戦わなくてはいけない。ここさえ超えれば広瀬さん行けると思ってたんですが、振り飛車党トップ棋士の壁は厚かった。
 一方の久保さんは、順位戦最終局で渡辺さんに70手弱の短手数で惨敗、これは精神的にキツイかと思ったんですが、その次の対局で70手弱の短手数で快勝してしまうんだからカッコいい!!俺ならひと月ぐらい引きずっちゃいそうだわ。これでプレーオフ2回戦は渡辺vs久保戦が決定!ここでも少し綾があって、渡辺さんはふたつのタイトル戦を戦っている最中に、これを戦わなくてはならない。しかも、久保さんだけが振り飛車党なので、久保戦だけは研究の遣い回しが出来ない。これはヤマを張って対策する事になるんだろうな…。で、久保さんからしてみれば渡辺さんは超鬼門で、連敗中(7連敗ぐらい?)。う~ん、パラマスの組み合わせが違っていたら、結果はぜんぜん違う事になるのかも知れませんね。


花粉症がひどすぎるぜ

 花粉症が辛すぎで、鼻をかみまくっていたらついに鼻血が出たわけです。例年は市販薬で適当にやり過ごしてるんですが、今年はくしゃみが許されない仕事が色々あるし、病院にいった方が実は安く済むという噂を聞いたもので、意を決して病院へ行ってきました!まあまあ混んでましたが、半分ぐらいは花粉症の患者に見える(^^)。しかし、前に座ってる女の人…小学校の時の同級生じゃなかろうか。向こうもこっちをチラチラ見てるし、声かけようとも思ったんですが、名前を憶えてない

20150211棋王40-1_渡辺vs羽生_横歩43手 待ち時間は30分ぐらい。暇つぶしのために『凌ぎの手筋200』を持って行ったんですが、病院備え付けの雑誌を眺めると…おおお、『将棋世界』があるではありませんか!!時間があまり無かったので拾い読みした程度なのですが、巻頭の渡辺二冠vs羽生四冠の棋王戦第一局の記事が面白かった!43手目盤面図から、後手の羽生さんは飛車を引くわけでもなくいきなり仕掛けるのですが、その手は…

△15歩
 羽生さんはこの手を指すのに一番考えさせられたそうで。感想戦では、羽生さんはこの手を疑問視したそうですが、指された渡辺さんは「打開するとしたら△15歩しかない」と読んでいた手で、しかもこれで先手が良いとは全然思ってなかったそうです。というわけで、感想戦での羽生さんの疑問手発言に肯かなかったそうです。両者そんな事を感じてたのか。。で、1筋の攻防→後手からの角交換→後手飛車を的にしながらの▲56角の打ち込み→羽生さんが1筋の争いで辛抱の△12歩、という流れで当時の記事の盤面図に繋がった次第。ここも、松尾さんは「後手は攻めても良くならない」、屋敷さんは「すさまじい辛抱」と表現しましたが、渡辺さんは自分がいいとは全く思ていなかった模様。いやあ、あの時のブログで、僕は「どっちがいいんだか全然形勢判断できない!先手の角が働けば先手良し、働かなければ後手よし」みたいな詐欺みたいな形勢判断をしたのを覚えてますが、あながち外れではなかったのかも( ̄ー ̄)。。コンピューターならどういう形勢判断するんでしょうね。ああ、やっぱりいい加減将棋ソフトを買うべきか…。

 それから、青野さんの連載記事も面白かった!!大山さん、升田さん、米長さん…名棋士たちの将棋以外での色々な感想が、言葉は選びながらも結構正直に書かれていて、価値ある情報でした。僕みたいな将棋連盟に対して無責任な立場からすると、こういう記事を読んでいつも思うのは、個人的な好き嫌いで言えば升田さんや米長さんは好き、でも上司だったら結構めんどくさそうだな…な~んて思ってしまいます。

 他にも読みたい記事はいっぱいあったんですが、ここで診察の時間(^^;)。…なんだよ、安いと聞いたから病院に来たのに、採血されて痛いわ、診察と薬代あわせて8000円近く払わされるわで、踏んだり蹴ったりでした。…でも『将棋世界』を読めたし、もしかしたら同級生の顔も見れたかもしれないので、良しとするか。



『矢倉5三銀右急戦』届いた!!

 アマゾンで安く出ていたので買った『矢倉5三銀右急戦』が、今日届きました!読みたい本とか聴きたいCDとかが届いた時の何とも言えないワクワク感っていいですよね(^^)。。すぐ仕事に取り掛からなくてはいけないので、昼休憩にパラ読みした程度なんですが…おおお~、この戦型での激しい争いになった去年の渡辺-羽生の王将戦まで出てる、これはいい本っぽいぞ。しかも予想以上に分厚くって(310ページ以上ある!)、なんかすでに満足感が(^^)。

 それにしても…よく思うのですが、アマゾンとかで買う古本って、「これ、1回もページ開いてないだろ」というぐらいに綺麗な本が届く時がありませんか?僕は結構あります。今回届いた本も、まだ新刊の部類だと思うのに、超絶に綺麗。ページを開いた形跡すらナシ。半月ぐらい前も、仕事で読んでおきたかった専門書をアマゾンで中古で買いました。定価で1万円超えする新刊本がいきなり半額だったのですが、届いてみるとこれも絶対に読まれてないな…という綺麗さ。読まずに売っているんだとしたらなんと勿体ない事だと思ってしまうし、そうでないとしたら…どういう事になっているんだろうか。



 

第73期順位戦 A級 9回戦

 おお、やっとスカパーの無料放送が観れた!!しかし、今日が無料デーって事は、夜の12時で放送が切れたりして(^^;)。それにしても、各対局ごとに違うチャンネルで、総合解説のチャンネルは有料なのか、これは見にくい…。タダで見てるんだから、文句言っちゃいけませんね。

 さて、今期のA級順位戦はもつれまくり!こんなに楽しみな最終局は、プロ将棋を見始めて初めてです(^^)。現状で行方さん、久保さん、渡辺さん、広瀬さんに名人挑戦の可能性あり!その条件がまたグッチャグチャで面白い(詳しくはA級8回戦の記事を見てね^^)。個人的には、やっぱり羽生vs渡辺の名人戦が実現しないまま終わる事は無しにしてもらいたいので渡辺さん応援ですが、渡辺さんは自力では無理なんですよね。。

渡辺明 ○-● 久保利明
 その渡辺さん、最終局に難敵かつ苦手としている対振り飛車戦。しかも、相手は振り飛車最強棋士の久保さんです!将棋は予想通り角交換振り飛車(4→3戦法)になったんですが、ある意味では今期ずっと挑戦してきた後手振り飛車の研究が実を結ぶか?!そして…渡辺さん、短手数で圧勝だあああ!!!久保さんは痛恨の3敗目、これで渡辺さんと久保さんが3敗で並びました!!という事は、もし行方さんが敗れると2敗棋士が全滅、3者以上のプレーオフが決定します。これはもしかするともしかするぞ…
 ただいま夜の10時半。他の対局は続いております(^^)。。

森内俊之 ○-● 行方尚史
 日付を跨がず終わったのは渡辺-久保戦だけ。あとは日付を跨いでおります。今日はNHK杯からずっと見てるんで、さすがに眠いっす。しかし…久保さんが負け、渡辺さんが勝った時点で、行方戦の行方だけでも観てから寝よう(マギラワシイナ)。行方さんが負ければプレーオフ確定、森内さんが負ければ森内さん降級のピンチです。。それにしても、髪を切った森内さん、カッコいいな。。森内さん、午前に見たNHK杯では、歴史に残るようなもの凄い終盤術を披露してくれました!本局も得意の矢倉…かと思いきや、急戦矢倉だああ(実はさっきアマゾンで慈明さんの『矢倉5三銀右急戦』が安く出ていたので注文してしまった^^。ところで、いつ読むんだ??)!互いに自分の力を出し切る事の出来る得意戦型となった感じかな?で、森内さんが変な所に角を打ち込んだときはやらかしたかと思ったんですが、とんでもなかった!森内さんの勝ち!!行方さんが負けて、プレーオフ決定だああ!!!!同時に、森内さんの残留も決定!いやあ、今日は森内さんの強さを見続けた一日だったな。。さて、これで行方さん、久保さん、渡辺さんのプレーオフ進出は決定。残るは、広瀬さんがプレーオフに進めるかどうか。あれ?という事は…まだ寝れないじゃねえか(^^;)。。
 ちなみに、ただ今深夜12時半です(^^)

阿久津主税 ●-〇 郷田真隆
 森内さんが降級を逃れた事で、郷田さんピンチ(^^;)。。阿久津さんは残念ながら既に降級決定。問題は、最後に郷田さんを道連れに引きずりおろす事が出来るかどうかという所ですが、こういうのってやりにくいだろうなあ。将棋は角換わり腰掛け銀だったのですが…あら、あらら?これ、阿久津さん、やらかしたんじゃ…阿久津さん、投了だああああ!!!これで郷田さんの残留決定!ということは…三浦さん、自分の将棋の結果を待たずに、降級決定(T-T)。。阿久津さんはこれで全敗。A級は高い壁でしたが、気落ちしないで来期B1で頑張ってほしいです。一方の郷田さんは、降級濃厚と言われた状況から見事に連勝、降級を逃れるどころか勝ち越しちゃいました。すげえ。
 ただ今深夜12時50分。寝るべきか…しかし、広瀬さんの結果が気になる。。

三浦弘行 ●-○ 広瀬章人
 三浦さんは既に降級決定ですが、当人はそれを知らずに指し続ける展開。これは切ないな。。一方の広瀬さん、今期途中までは快調に飛ばしていましたが、後半戦でA級の厳しさを教えられてズルズル後退。しかし今日勝てばまだプレーオフに残れる(残った後がきつい条件だけど…)!!将棋は角換わり相腰掛け銀。結果は…広瀬さん、長手数の詰みを読み切ったああ!!!これで広瀬さんはプレーオフに残り、4人プレーオフだああ!!いやあ、すごい展開になりました。しかしプレーオフはパラマス方式みたいだから、広瀬さんは久保さんと渡辺さんと行方さんの3者を破らないといけないのか。う~ん、これはキツい。一方の負けた三浦さん、ついにA級を落っこちてしまいましたが、A級14期連続は見事。また、将棋に取り組む姿勢というのも、見ていて尊敬するところがあります。気落ちせずに、来期A級に戻ってきてほしいです!

佐藤康光 ●-○ 深浦康市
 唯一降級にも名人挑戦にも絡まない一局というわけで、ほとんど観てませんでした(^^;)。。あ、そうそう、序盤で角換わり相腰掛け銀になったところだけ見ました。結果は…ただいま深夜1時30分。まだ指しております。限界です。おやすみなさいzzz。…で、朝になって結果だけチェックしたところ、どうやら深浦さんが勝った模様。佐藤さんも深浦さんも、ギリギリまで挑戦の目があっただけに、このカードが消化試合になったのが信じられません。しかも…佐藤さん、勝てば5位だったのに、負けて来期は8位スタートか、これはまずいぞ…。勝った深浦さんは5位スタート。今期の降級が頭ハネで決まった事を考えても、この順位差は天国と地獄になる可能性が。実は大きな一番だったんですね。

 さて、これで4者プレーオフが決定!う~ん、すごいことになったなあ。。プレーオフは順位に準じたパラマス方式のようなので、まだまだ熱戦が続きそう。特に、棋王戦と王将戦とプレーオフの掛け持ちとなる渡辺さんは、日程的に苛酷そうです。全部取ったらすごいけど、どうしても研究が追いつかなくなりそう。移動の新幹線の中とかでも研究するんでしょうね。プレーオフ第1戦の久保-広瀬戦は3/5に行われるようです!!

第64回NHK杯 準決勝 深浦康市 vs 森内俊之 (矢倉)

 うう、無料の筈のスカパーでの「将棋界の一番長い日」の見方がよく分からん(T-T)。仕方がない、せっかく早起きした事だし、NHK杯でも流し見しながらじっくりと作戦を立てよう。と思ったら…NHK杯、メチャクチャ面白ええええ!!!流し目で見ている場合じゃなく、魅入ってしまいました。う~ん、このねじり合いがあるから、矢倉は面白い。。

20150301NHK_深浦vs森内_矢倉22手 盤面図は22手目、着々と駒組みが続いているところです。最近は矢倉を全然指していないもので、この辺りは駒組みの順番の復習のつもりでボンヤリと眺めてました。しかしここで先手の深浦さん…

▲35歩
 おお、仕掛けたああ!!いやあ、先手▲35歩からの仕掛けは、『羽生の頭脳』などなどで色々と勉強した事があって、将棋の勉強を始めたばかりの時は常にこれを狙ってました。しかしプロの実践で見るのはこれが初めての気がする。最近は▲46銀37桂ラインか急戦矢倉が多いから、森下システムとかその他もろもろは勉強したけど綺麗に忘れちゃったなあ。。

△64角▲18飛△74歩▲34歩△同銀▲46歩△43金右▲47銀
△53銀▲68角△31玉▲79玉△35歩▲88玉△22玉▲67金右
△85歩▲16歩△14歩▲96歩△94歩(44手目盤面図)

 このあたり、かなり神経を使う駒組みの順だと思うのですが、先手の深浦さんも後手の森内さんも指し手が異常に速い!!このあたりまで来て、また開始から10分ぐらいしか経ってません。という事は、まだ定跡の範囲なのかな?矢倉の再勉強は来年になりそうなので、これは今日中に覚えてしまおう。。

20150301NHK_深浦vs森内_矢倉44手▲38飛
 解説の佐藤康光さんが、「まあどこかで▲38飛と戻す事になるんでしょうが…」な~んて言ってる矢先から、予言通りの▲38飛(^ー^)。これ、後手は△73桂みたいな悠長な手を指してると▲36歩からあっという間に逆襲されて潰れそうなので、ここは仕掛けるタイミングなのでは?

△45歩
 森内さん、仕掛けたあああ!!いや、それにしても二人とも手が速い!!解説の康光さんが追いつかないぐらいです。▲同歩は△19角成でゲームオーバーでしょうから、先手は手抜いて反撃に行きたいところ。銀がしゃしゃってきている時って、どうしても銀ばさみを狙いたくなりますが、まだ銀はそこまで来てない。角を引きつけてからというなら▲55歩か?いやいや、どうせ桂跳ねで受けなくちゃいけなくなるんだから、▲26歩としておいてから△46歩を呼び込んで角を当てるか?

▲55歩
 仕込みを入れずにいきなりか!いやあ、将棋の勉強を始めたばかりの時、先手で矢倉を指すと、中盤の入り口であっという間にボロボロにされまくってました(^^;)。大体は右辺を軽く突破されちゃってオシマイという事が多かった気がします。そんな事もあって、僕は古い定跡形を切り捨てて▲46銀37桂と急戦のふたつに戦型を絞りこんだのですが、自分が知らない(覚えてないだけ?)こういう形での矢倉のねじり合いは昔を思い出すというか、観ていて手に汗握ってしまいます。解説通り(今日は康光さんの解説が神だった!!)△46歩▲同銀△44銀みたいに行けば、素人目には後手不満なしの展開に見えますが…

△同角▲37桂△46歩▲同銀△73角
 おおお、森内さん、強く角で取ったあああ!!矢倉戦でのこの手の展開って、先手は飛車あたりを避ける順を探すのが大変なんですよね…。▲37桂は形なのでひと目、手順に銀をあがって角に当てて下げさせ、手番を握る事が出来るという事ですね。いやあ、既に大熱戦の匂いがしてきたぞ…

▲15歩
 ここも解説がすごかった!!「感覚的には、端で味付けしてから…」みたいに言っていた瞬間の▲15歩!指し手も解説も全員羽生世代なので、将棋の形勢判断とか指し手の傾向が似てくるんでしょうか。シンプルな狙いとしては▲15歩△同歩▲13歩なのかな?(実は矢倉で雀刺し以外の端攻めは、僕はこの手の歩を使っての吊り上げしか知らない^^;)。後手の反撃筋では△36歩が見えますが、さすがに手抜けないかな?

△同歩▲75歩
 うおお、なんだこの▲75歩は?!いやあ…僕は、深浦さんの将棋こそ泥沼流だと感じているのですが、深浦さんって、優勢でも劣勢でもこういう盤面が非常に複雑になる手を指してきますよね。いきなり駒に働きかけていないだけに、後手に手番を渡す事になりそうな怖い手ですが…

△86歩(56手目)▲同銀△36歩
 85の歩はそのまま残しておいて将来の△86桂を狙いたいところかとも思ったんですが。しかし、森内さんは長考しての一手だったので、なんかすごい読みが入った一手なんでしょうね。凡人の僕には難しすぎる一手で、少し進むまでこの突き捨ての意味が分かりませんでした。
 また、先手は▲同銀に代えて▲同歩なら△87歩から形を乱されるので▲同銀の一手。で、これを見てから急所の桂頭△36歩。なるほど、こうすれば先手陣を乱してから主戦場の先手右辺を崩しに行けるという事ですね。しかし…

▲74歩
 ああああ…すごい攻め合いになりました。これ、単純に大駒の拾い合いになったらさすがに先手が良さそうですが、躱されたら…

20150301NHK_深浦vs森内_矢倉60手△64角(60手目盤面図)
 この△64角は▲65歩で角が詰むんですが、佐藤さんの解説みたいにそこで△86角と角を切ってきたら?あるいは、その前に△37歩成で桂を取り込みつつ飛車に当ててから角を切ってきたら?いやあ、56手目△86歩の意味がやっと分かった、鳥肌が立ってしまった…

▲45桂
 ものっすごく形勢判断が難しくって、どっちがいいのか全然分かりませんが(^^;)、しかし取り込みあいは飛車当たりになる先手不利となりそうなことだけは確か。しかも桂を抜かれだとたまったものではないので、この▲45桂は最善なのかも知れません。しかし桂を跳ねるという事は、37桂と跳ねた意味が消えてしまい…

△同銀
 泥沼流の深浦さんに対し、森内さんはまとめに来ました(^^)。狙いは単純明快、▲同銀としたら△37歩成で…

▲同銀△37歩成
 しかし深浦さんはそれを避ける手立てがなく、森内さん恐怖の中盤力に押し込まれた模様(^^)。僕の中では、これで後手優勢になったと思ってました。しかしこれは今期NHK杯最高の名局じゃないかというぐらいの将棋の折り返し点に過ぎず、ここからも互いにものすごい手を指しまくる展開に!!

20150301NHK_深浦vs森内_矢倉148手 角に当てつつ、矢倉の防御に働く飛車の横利きを遮る▲52歩、飛車に当てながらと金を玉ににじり寄せる後手の攻め、銀を吊り上げてからのと金の寄せを狙う△55歩、その取り込みをすると飛車抜きとなる△46角…そして最後は、深浦さんの怒涛の寄せ!!守りの金駒をそっぽに行かせ、と金と桂を成り込んで玉を引っ張り出し、上から飛車でバシンと抑え込み!!ああ、これは完全に決まったわ…と思ったら、森内さん、驚異の受け!!この受け力が神がかり、すごすぎました。なんと打ち歩詰めになっていて寄らない(148手目盤面図)。いやあ、この紙一重で凌いでしまうからすごい。しかもこれ、先手からの寄せがやけに難しいではないかい。。で、ここから終局までが森内さん驚愕の終盤術。

▲36桂△23歩▲34飛△79と▲25桂△22玉▲79金△57角
▲68桂△同角成▲同金△79角▲同玉△68と▲88玉△78と
▲同玉△48龍

まで、166手にて後手森内さんの勝ち!!

 うおおお、まじか?!!…大逆転にしか見えない上に、どこで逆転したかもわからん(^^;)。少なくとも△79角が入った時点で既に必至ですよね、信じられない終盤力だわ。こんなとんでもない強さの人が、A級陥落かも知れないというのだから信じられんぞ。。いやあ、こんな凄い将棋があるのか。今日のNHK杯を見れて良かった(^^)。。

 今日は順位戦最終局一斉対局を見ようと思っていたのですが、タナボタでものすごい将棋を見る事が出来ました。なんか、自分で将棋を指すより、こういう棋譜を並べていた方がきっと強くなるんでしょうね。。大名局だったと思います!!



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Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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