今年の反省会

 今年中に済ませておきたかった仕事が何とか終わった!!やっておきたい事はまだあるけど、あとは来年でいいや。さて、石田流対策でもして楽しむか…と思ったら、机の片隅になんか袋があるぞ。なんだこれ…うわ、買っておいた年賀状じゃないか!年賀状書いてねえええ!!!…いいや、あとでやろう。。

 というわけで、将棋をマジメに勉強し始めて2年目の今年、ちょっと反省会をしてみよう。。

中盤&終盤&詰め将棋
 ここは一番時間を使った気がします。やらなかった日なんてほとんどなかったと思うので、成果のほどは兎も角として、許された時間内で努力したという点では一応合格点かも。道場でも、この中終盤での成果はまあまあ出た感じで、指導対局してくれた先生いわく「素人の序盤、段位に見合った中盤、高段の終盤」なんだそうで(^^;)。。特に「逃げる」とか「凌ぐ」という受けの技術は褒めてあげていいんだそうです(*゚ー゚*)。そういや、子供の頃に鬼ごっこは異常にうまかったぞ(゚∀゚*)エヘヘ。しかし、詰め将棋はやっぱり苦手。ある手数を過ぎると、いつの間にか駒が消えたりする現象がひとつの壁です。これを何とかせねば。
 そうそう、今年、自分でも明らかにステップアップできた実感を感じた棋書がありまして…『羽生善治の終盤術1』と、『実戦式詰め将棋』。これで指し手が変わってきたような気がします。ほら、将棋って、指していると「あれ?俺、強くなった?」って感じる時って、周期的に来ませんか?上級あたりでずうっと互角だったのが、ある時点から「1級相手ならまあ負けないだろうな」みたいになっている、みたいな。なんか、この2冊をマジメにやった後で、この周期が来た感じでした。前者は、初心者の方にはちょっと難しいかもしれませんが、後者は初心者でも読めると思いますので、終盤を苦手に感じている方はぜひ一読を!!
 そうそう、今年うれしかったのは、プロ将棋で、プロが見逃した寄せで「あれ?〇〇から入れば勝ちじゃね?」と気づいた対局があった事。こんなのは100万局に1回ぐらいしか起きないんでしょうが、しかし一瞬でもプロより上に行った瞬間があったのは嬉しかったです。死ぬまで自慢したいです。爺さんになって孫が出来たら、この話を1万回ぐらい話そうと思います。

棋譜並べ
 これは勉強というより、ほとんど趣味でやってた1年だった気が。プロ将棋がある度に、疑問に思ったところはブログに的外れな考察を書きながら(p゚ω゚*)楽しんでました。特に序盤定跡部分の勉強が間に合ってないので、そこはアホと思われてもいいので書きまくった。きっと、「こいつ馬鹿だな」と思われているんだろうな…まあいいや、本当に馬鹿なんだし。。このやり方、振り返ると、良いところと悪いところがあった気が。まず、書くとけっこう覚えるんですよね。ブログに書かなかったプロ将棋も結構見たんですが(ブログに書いた棋譜の5倍は見ている)、しかし見ただけの棋譜は忘れが速い。並べて検証した棋譜も結局は忘れるんですが(^^;)、それでもざっと見ただけの棋譜よりも覚えがいいような気がしました。で、悪いところは…一応勉強した戦型の棋譜並べは積み重なる気がするんですが、ザックリとしか勉強していない戦型や変化となると、せっかく並べてもその場限りであまり積み重なってきていない気がします。やっぱり、序盤定跡の勉強が急がれる所なのかも。理想としては、序盤定跡をもう少しちゃんと身につけてから観戦したいです。
 あ、そうそう、今年のプロのタイトル戦の棋譜中継では、矢倉戦の進化と、その解説が秀逸だった!!棋書を読んでの定跡勉強が億劫な方は、少なくとも矢倉戦は、今年のタイトル戦の棋譜中継を読むだけでもけっこうレベルアップできる気がします!!森内vs羽生戦、羽生vs木村戦なんて絶品です。

序盤定跡
 まず、戦型別に見ると…今年は正調角換わり中飛車破りに費やした1年だった気がします。このふたつは合格点。特に角換わりは、道場でも勝率7割を超える得意戦型になってきました(^^)。これは、『これからの角換わり腰掛け銀』をベースに、プロ将棋の観戦で補ったのが良い方向に転がったんじゃないかと。中飛車破りは悪くない成果ですが、残った最大の課題は先手中飛車。でもこれは時間の制約もあったし仕方がない、来年の宿題にしよう。
 横歩。横歩はマジメにやって、一時は「これを主力戦法に据えてもいいんじゃないか?」と派手な思い違いをする所まで行ったんですが、電王戦で飛び出した後手美濃囲いの登場で大崩れ(T_T)。。ソフトめ、余計な事をしやがって…。今年の僕の横歩を振り返ると、超急戦調の戦型はなんとか互角以上に戦えるようになったものの、肝心の△33角戦法というメインストリームがいい加減すぎる…。今年前半までプロで流行していた後手△23銀からの飛車ぶつけはまずまず研究できたけど、後手番に権利がない青野流が明らかな研究不足。電王戦で後手が美濃に行く順に至ってはまったくの手つかず。というわけで、横歩は不合格(T-T)。来年またやり直しですね…。あ、横歩でいえば、今年は横歩の棋書が色々出ましたが、内容がかなり被っていたのが残念。『これからの角換わり腰掛け銀』とか『四間飛車激減の理由』クラスの決定的な棋書の登場を待つばかりです。。
 他には…そうそう、角交換四間飛車破りも勉強しました。これはあまり深くまでやってないのですが、勝率は悪くないので、いちおう合格点かも。角交換四間飛車って、ダイレクト向かい飛車と近い印象があって、もちろん佐藤康光さんや藤井さんみたいなスペシャリストが指したら超オッカナイ戦型になるんでしょうが、僕と同じぐらいのレベル同士で指すなら、非常に脆い戦型な気がするんですよね。居飛車党の僕は、大げさに言えば、右辺の駒組みと角の打ち込みの反撃筋だけを覚えているだけの気もするんですが、それでもけっこう勝負になっているという…甘いか(^^;)。こんな事だから、プロの先生に「素人の序盤」と言われちゃうんだなあ。

 序盤定跡の勉強全般で言えば…勉強法の変更に失敗、それを元に戻すというロスがありました(T_T)。今年のアタマ数か月で、(一手損角換わりを除いて)自分で実践で指す将棋の序盤勉強をいちおう一巡。そんなもので、「これからはひとつひとつの戦型を丁寧に研究していこう!」と思ったんですが、これが早計だった。例えて言うと、小学校の勉強が終わった後で、「よーし、これから本気で勉強しよう!まずは数学だ!」と言って、いきなり大学レベルの勉強をしてしまったような感じ。自分の指す戦型を、小学校、中学校、高校、大学…というように、徐々にステップアップした方が良かったんじゃないかと。いきなり深い所に飛び込んだ中飛車破りは、それだけで半年近く費やしてしまう事になってしまった。これは大きな反省点、途中でダレちゃったんですよね。。
 まとめると、序盤定跡を棋書で勉強する時は、疑問に思った手が登場したら、それをどこまで研究し、どこで打ち切るのかを判断するのが重要、と思わされた一年だったかも。中飛車では、なんと179手まで研究してしまった筋があるのですが(^^;)、冷静に考えるとアホすぎました。まああれは序盤研究というよりも穴熊研究だったと思えば、いつかはやらなくちゃいけなかった勉強だったのかも。

将棋と仕事のバランス
 これも深く考えさせられた一年だった気がします。人によると思うんですが、僕は将棋とは相性が良いようで、放っておくと1日中でもやり続けてしまう。定跡勉強も楽しいし、研究も楽しいし、観戦も楽しいし、本将棋なんて始めたら何番でも指し続けちゃう(^^)。。もし僕が小学生ぐらいで、しかも「俺は将来プロ棋士になるんだ!」というのであればそれでもいいんでしょうが、社会人である僕にとってはこんなことをしていて良いはずが無い。で、あまりにのめり込み過ぎて、本業が疎かになり始めたのはまずかったです。しかし、なんとか将棋の勉強時間に制限を加え、また本業に明確な目的を立ててひとつひとつクリアしていく事で、何とか立て直す事が出来たと思います。というわけで、ここは今年8~9月ごろまでは不合格、しかしそれ以降は良いとは言わないけど許容範囲、ということにしよう!

 振り返ると、なんだかんだで、将棋があってくれたおかげで楽しく過ごせた1年だったかもしれません。正月ははオヤジの喜寿祝いで旅行に行く予定なんですが、旅館でオヤジと謎人戦対局を繰り広げてくるつもりです。。
 ではでは、皆さん、よいお年を(*^ー^)ノ☆。・:*:.・★



2015年 個人的プロ将棋ベスト10!!

 もうすぐ今年もオシマイですね。今年中に終わらそうと思った仕事もなんとか間に合いそう、餅喰ってのんびりしてます(o^ー^o)。今年見た将棋で面白かった対局のベストテンでもやってみようかな。

(10位) A級順位戦 広瀬章人 vs 渡辺明 (8月)
 今年の夏も暑かったですねえ。。そんな中で行われた対局で、今期何度も見せつけられた、新A級棋士の広瀬さんの驚愕の寄せが炸裂した対局のひとつ。渡辺2冠の後手中飛車で、渡辺さんが持ち味を存分に発揮、細い攻めを繋ぐ繋ぐ!!そしていよいよ広瀬玉を捉えたか…という所で、広瀬さんがいきなり踏み込んでの29手詰!終盤の寄せ合いでいきなり29手詰をキッチリ詰ますというのが凄かった。これ、確実に行くならいきなり必至に踏み込まなくても大丈夫そうだったという所がまた凄い。つまり、結果として寄ってたというんじゃなくって、読み切って踏み込んでるんですよね。プロはすげえ。広瀬さんは次の名人戦に登場する可能性がありますが、なるほどそれも納得の見事な寄せでした!!

(9位) 王位戦 第4局 木村一基 vs 羽生善治 (8月)
 今期の王位戦は、特定の対局というよりも、全体を通して面白かった!!タイトル戦でなんと指し直し局が登場!!先後入れ替えてまったく同じ局面で戦おうとする意地のぶつかり合いが出た!!今期竜王戦のような勝ち優先の将棋ではなく、課題局面での最善手探求を優先したような、互いが惜しげなく新手を繰り出す展開が連発!!素晴らしいタイトル戦でした!!
 中でもこの第4局と第2局が凄かった!どちらも後手が▲46銀37桂をバンバン破ってしまうという驚愕の展開。この第4局では、羽生さんの△73角~△64歩~△65歩の後手からの攻め将棋は痺れました。。一方の第2局は宮田新手破りとなった将棋で、先手飛車の動きを封じる△26歩、さらに終盤でのふたりの死闘が凄かった!!そうそう、この対局中、東京に雷が落ちて停電となったんですが、それもこの激闘を暗示するかのように思えて印象に残ってるんですよね~。。そういえば、第1局は矢倉戦で、この時は後手の木村さんが勝ち、これが今期無敗だった羽生さんに土をつける大殊勲となる1勝だったのも覚えてます。もう、今期王位戦は全局名局賞ですね!!

(8位) NHK杯 渡辺明 vs 佐々木勇気 (8月)
 横歩取りは激しい将棋になりやすいので、見ていて楽しい事が多いですが、横歩なのに150手超となったこの対局は大白熱でした!渡辺さんが僅かな優位を確実に広げ、さすがは2冠、自力が凄いな…と思ったら、最後の最後で佐々木さんが電光石火の逆転劇!!いやあ、今年は佐々木勇気さんの凄さを知る事の出来た一年でもあった気がします。あれ?そういえば佐々木さんはNHK杯を取る可能性があるのか。タイトルホルダーが全員消えるという波乱の展開の今期NHK杯ですが、橋本さんか佐々木さんに取ってほしいなあ。

(7位) NHK杯 木村一基 vs 森内俊之 (10月)
 木村さんが中盤で見せた素晴らしい構想にしびれた一局!角換わり相腰掛け銀で後手の森内さんが良いように見えた局面で、森内さんの放った自陣角を呼びこんで抜こうとした木村さんの構想が凄かった!しかも、後手がそれを回避しようとすると、攻防手となた桂打ちが後手陣を潰す跳ね出しをする事になり…。しかし早指し戦のNHK杯、木村さんの逆転勝ちにまでは至らず終局。ところが終局後の感想戦をきいていると、どうも木村さんが勝ちの筋もあったようで、長時間の将棋だったら見事な逆転勝利だったんじゃないかと。もしこれがNHK杯でなく何かのタイトル戦だったら、ベスト3に入っていたかもというぐらいの素晴らしい将棋でした!

(6位) 王将戦 挑戦者決定リーグ 羽生善治 vs 三浦弘行 (11月)
 羽生さんがいきなりとんでもない打ち込みから31手詰めを寄せきってしまった対局。角換わり戦で、三浦さんが羽生玉を銀でグルっと取り囲んだんですが、羽生玉がチョロQ並みの機敏な動きで逃れてしまう。三浦さん、掴まえきれずに攻めあぐんでいたところで、羽生さんからいきなり意味不明の銀の打ち込みの王手!え?何これ…と思ったら、なんとそれが31手詰めの必至。いやあ、自玉が寄る寄らないという局面で、読み抜けたらそれが敗着になっちゃいそうな31手詰めに切り込めるなんて神すぎる…と思った一局でした。詰め将棋がメチャクチャ強い三浦さんですら、これが必至だとは気づいていなかったようで、受けなければいけない所で攻めていたんですよね。解説では、対局者を差し置いて寄せを発見してしまうほどの詰め将棋の名手である三浦さんが、ですよ…。

(5位) 棋聖戦 第1局 羽生善治 vs 森内俊之 (6月)
 横歩取りで、互いが序盤の駒組み争いで凌ぎを削って力戦調になった対局。終盤で先手森内さんが一段飛車の打ち込みに成功、しかも先手玉が結構安定しているように見えたのに、ここから驚愕の逆転劇、そして見事すぎる寄せ!!いやあ、これは面白すぎる将棋でした!今期の棋聖戦、森内さんはついていないというか、この1局も、羽生さんでなかったらできなかったんじゃなかろうかというようなアクロバティックな神業でひっくり返され、第3局も森内さんに悪手らしい悪手がひとつも見当たらないというのに、羽生さんにやられてしまいました。今期棋聖戦は、羽生さんが神がかりすぎ。結果はストレートでしたが、個人的には「羽生さんだけじゃなくって森内さんも凄すぎるわ」と思わされた、すごく面白いタイトル戦でした。

(4位) 竜王戦決勝トーナメント 羽生善治 vs 郷田真隆 (7月)
 中盤だと思っていたらいきなり不思議な手が飛び出し、あっという間に寄ってしまった手品のような一局。矢倉の中盤戦で、先手羽生さんがボンヤリとした▲55歩。これが銀ばさみ&焦点の歩&飛車の吊り出しのミックスになっていて、いきなり後手玉が寄ってしまう。この羽生マジックを消しに行った郷田さんの手が、更に当たりを打たされただけとトラップにかけられていたりで、タヌキにだまされたかのような、ものすごい眩惑的な将棋で印象に残っています。唖然というか、みていてポカ~ンとなってしまった。

(番外編 3局) 選考から漏れてしまいましたが、しかし素晴らしかった対局を!!
NHK杯 佐々木勇気 vs 大石直嗣 (12月)
 先手石田流からの大駒の捌き合い!最後の最後で、先手玉の金駒の守りを全部剥がし、横に利く駒があと一枚あれば勝ちという所まで追い込んだ大石さんでしたが、これが足りない。この瞬間にビッグ4のカッチカチの穴熊を短手数で料理してしまった佐々木さんが凄かった!
竜王戦決勝トーナメント 中村太地 vs 深浦康市 (7月)
 角換わり腰掛け銀戦で、深浦新手△16歩の飛び出した対局。これで中村さんが大長考、ものすごい時間を使った挙句に普通の手(^^;)。もう、指し手が解らなかったんでしょうね。結果、深浦さんの泥沼流に引きずり込まれて敗退。今期の竜王戦は中村さんが躍進すると思っていたんですが、それがベテランの老獪な戦術に嵌まって蹂躙されてしまった…という印象があって、すごく印象に残った一局でした。ところでこの新手、以降はプロ将棋で登場していないようなので、先手から破る順があると思うのですが、僕にはいまだわからず。。
NHK杯 橋本崇載 vs 畠山鎮 (12月)
 なにより、ハッシーの加藤一二三さんモノマネが似すぎていて爆笑(^^)。。しかも、インタビューでは「矢倉戦になると予想」と言っておきながら、初手▲56歩と自分で指した(笑)。僕が飲んでいたお茶を吹いてしまったのは言うまでもありません。橋本さんって、エンターテイナーぶりが目立ちますが、しかし電王戦や将棋連盟がらみで、将棋界全体を見渡したうえで至極まっとうな発言をしたり、またそれを実行したり、ファンサービスしたりと、実に素晴らしい人だと思います。自分の事だけで手一杯な人が多い中、全体が見えている感じがするんですよね。この将棋でも感想戦で、視聴者に分かりやすいように大きい声で話して、簡単な変化も符号だけ言って終わらせないでちゃんと並べてテレビに映して…という感じで、すごく気づかいのある人だなあ、と思いました。そしてこの将棋…橋本さん、強すぎる。。序盤から圧倒、最後の玉の華麗な受け流しも華麗、寄せも正確。強すぎると思いました。

(3位) 棋王戦 挑戦者決定戦 羽生善治 vs 深浦康市 (12月)
 この対局はふたつ印象に残っている事があって、ひとつは深浦さんの香香飛の三段ロケットを食らった羽生さんが、なんとそれを切り崩したこと!僕なら即投了です(^^;)。もうひとつは、深浦さんの入玉を阻止した羽生さんの手!いやあ、羽生さんて入玉阻止で凄い手を出す時がありますよね。いやあ、素人目にもわかりやすい神業がいくつも飛び出した、すごい将棋でした!

(2位) 名人戦 第4局 森内俊之 vs 羽生善治 (5月)
 羽生さんの名人返り咲きとなった第4局、プロですら誰も予想できなくなった、寄せの途中で難解極まるあの▲41金の打ち込みが登場した局です!なんだこれは…と思ったら、最後の最後にこの金が光ったという恐るべき一局。友人曰く「あの一手はうちのコンピューターは候補にすらあげていなかった」そうで。。この寄せ合いの局面、羽生さんだけでなく、解説のプロ棋士の誰も読んでいなかった飛車切りに入った森内さんも凄まじく(しかもどうやらそれが最善手)、手に汗握る大名局だったと思います!見ている時は、本当に固唾をのんで魅入っていました。青の終盤が凄すぎて、実は序盤の相掛かり戦での駒組みの駆け引きがアツかったことを既に忘れている始末です(^^;)。

(1位!) 王座戦 第5局 豊島将之 vs 羽生善治 (10月)
 豊島さん、初タイトルなるか?!という、勝った方が王座となる、もつれにもつれてなだれ込んだ王座戦の最終局!今後も伝説となるであろうあの▲91銀が飛び出した大名局です!!いやあ、その前からの羽生さんの受けと寄せの構想が超絶で、あまりの凄さにこの最終盤だけで何日も研究してしまいました(^^)。さらに、難解極まる終盤なのに、研究してみると受ける豊島さんも最善手の連続というのがスゴイ。こんなに痺れる将棋を見せてくれて、羽生さんと豊島さんには大感謝!!僕的には、これが2014年度ナンバーワンでした!!

 振り返ってみると…羽生率が高けエエエエ!!!考えてみたら、タイトル戦がらみの将棋を追いかけるので精いっぱいの僕からすると、タイトル戦に悉く登場してくる羽生さんの将棋が多くなるのは当然かもしれませんね。考えてみたら、タイトル戦に羽生さんが登場しない将棋って、竜王戦ぐらいの気がするぞ…。その竜王戦だって挑戦者決定の番勝負まで勝ち上がってたしなあ。こういうスーパースターの全盛期をリアルタイムで見る事が出来ているというのは、幸福な事なんでしょうね。。さて、年が明けたら1月に渡辺-郷田の王将戦、2月は渡辺-羽生の棋王戦か。来年は渡辺将棋からスタートですね。来年も楽しみです(^^)。。

第73期順位戦 B級1組 10回戦

 今期の順位戦は、A級もB1もB2も熱いです!!昨日はB1の10回戦があり、昇級レースも苛烈な展開!!

橋本崇載 ○-● 山崎隆之
 首位の山崎さん、負けたあああ!!!いやあ、相手は橋本さんですからあり得る結果ではありますが、逆にいえばここを乗り切ればA級昇級が見えてくる一戦だっただけに、これは残念。山崎さんはこれで3敗目、これで昇級レースが更に苛烈になってきました!一方の橋本さんは3敗だったのですが、これで自力で首位を引きずり下ろし、昇級ラインを下げる事に成功!!これは価値ある一勝と思います(^^)。

佐藤天彦 ○-● 村山慈明
 山崎さんが負けた事で、残る2敗棋士はあと3人ですが…天彦さん、勝ったああ!!いやあ、天彦さんが強い事は知っていましたが、しかしB1は抜けられないと思ってました。それが10回戦を終えて単独トップとは恐れ入りました。しかし…うああ、屋敷戦と丸山戦を残しているのか、まだ昇級決定とは言えないですね。。一方の慈明さんは4勝5敗、どうやら昇級も降級もない感じになりそう。初のB1の戦績としては悪くないのではないでしょうか?!

屋敷伸之 ○-● 丸山忠久
 残る2敗棋士はあとふたり…屋敷さん、勝ったああああ!!いやあ、去年の坂を転げ落ちるようにA級を落ちた時の連敗からの不調は何だったんでしょうか。B1では2連敗からの7連勝!!しかし天彦戦、木村戦を残しているのか…こちらも昇級戦線に残ったとはいえ、まだまだ楽じゃないですね。。一方の丸山さんは4勝5敗。うう~、この人だけはA級にいてほしい人なのに…。

畠山鎮 ○-● 木村一基
 最後の2敗棋士である木村さんは…(゚m`;)アチャァ…。。いやあ、実はひそかに屋敷さんと木村さんがA級に行くんじゃないかと思っていたんですが、これは痛い3敗目。3敗だとまだ可能性がありそうにも思えるんですが…順位が8位の木村さんは、同じ3敗の中では7位の橋本さんや6位の山崎さんより低いんですよねえ。これは厳しくなったかも。

豊島将之 ●-○ 松尾 歩
 お互いに昇級も降級も絡まなそうな対局。来期の順位をひとつでもあげる戦いという事になりますが…豊島さん、崩れてしまったか。やっぱりタイトル戦を戦うと、他の棋戦にも影響が出るんでしょうか。豊島さんの場合は電王戦での対コンピュータの研究にも時間を使わされたからなあ。豊島さんはこれで5勝5敗、一方の松尾さんは5勝4敗です。なんとか最後まで気持ちを切らさないで行って、来期に繋げてほしいです。

谷川浩司 ○-● 飯塚祐紀
 こちらは降級を食い止める生き残りレースですが…谷川さん、勝ったあああ!!!これに負けたら陥落濃厚という感じだったと思うのですが、これは嬉しい2勝目、相変わらず苦しい事に変わりはありませんが、なんとか首の皮一枚繋がった感じです。一方の飯塚さんは全敗。あれ?残り3戦を全勝しても、畠山さんや藤井さんより順位が低いから…うおお、これで飯塚さんはB2降級確定だああ!!!飯塚さん、残念でしたが、飯塚さんは降級レースを戦っている畠山さんと藤井さんとの対戦が残っていて、対飯塚戦が今期B1の生き残りゲームに影響しそう。飯塚さん、置き土産の死に馬キックを見せてください( ̄ー ̄)。。

 いやあ、A級もし烈ですが、B1もし烈な展開になってきました!昇級レースは2敗が2人に3敗が3人というわけで、昇級はこの中から決まりそうですね。今後の展望を考えてみると…

(8勝2敗)
佐藤天彦:問題は、同じく2敗の屋敷戦を残している事。もしこれに負けて3敗目を喫すると、12位という順位が影響して頭ハネを食らいそう。さらに残りも丸山さんという強豪との対局を残しているので、現状首位ではあるけれども楽とは言えない気がする
(7勝2敗)
屋敷伸之:現状2位だが、順位が1位というのが大きい。自分自身が2敗なので、残り全勝なら文句なし、仮に自分が3敗目を喫しても昇級ラインが自動的に3敗まで下がり、その中では自分が最高順位となるという有利さ。というわけで、実質的に一番有利なのは屋敷さんかも。
(7勝3敗)
山崎隆之:昨期もいい所まで行って最後にズルズル負けてしまい、今期もトップを走っていながらこの終盤で2連敗。ちょっと嫌な予感がしてしまう(^^;)。。現状では自力昇級の目が消えてしまいましたが、3敗で踏ん張れば、順位的には木村さんや天彦さんや橋本さんよりも有利です。残る対局は…松尾さんと豊島さんか。どちらも楽に勝てる相手とは言えないけど、勝てない相手でもなさそう。棋士人生を左右する残り2戦になりそうです。
(6勝3敗)
橋本崇載木村一基:この二人も自力昇級が消えていますが、3敗で踏ん張ればまだ可能性はある!山崎さんと天彦さんがそれぞれあと一回でも負けたら、この二人が上に行くことになる!!僕の予想では、最近の屋敷さんの終盤の鋭さからすると、天彦さんは屋敷さんにやられる気がする…というわけで、最大の山は、なんといっても次の橋本vs木村の直接対決でしょう!!これで11回戦ではこの二人のうちのどちらかが確実に消える事になります。

 う~ん、熱い!目が離せないですね。。山崎さんがあと2戦を連勝できるかどうかが読みにくい。。僕の予想としては、本命屋敷、対抗橋本、3番手山崎といった感じでしょうか。橋本さんはうまく行くとA級返り咲きと共にNHK杯を取るなんて事もあるかも。一方の降級レース、ひと枠は決定ですが、もうひと枠は…谷川vs藤井の直接対局は結構重要、あとは藤井さんと畠山さんのどちらかが飯島さんの死に馬キックを食らうとヤバそう。こちらもデッドヒートです(^^;)。。

石田流対策に乗り出してみた

 もう今年も終わりですね。今年最大の将棋ニュースと言えば、僕の中では羽生さんの名人返り咲きでも新竜王誕生でもなく、自分が将棋道場にデビューした事です!!道場で驚いたのは、石田使いが結構多い事でした。しかもみんなけっこう強い…。そんなわけで、最近は石田流対策の勉強をしています。

 石田流というのは結構歴史のある戦型みたいなので、時間をかけてまじめに勉強してみようかと思っています。というわけで、一から始めるつもりで、高崎さんの書いた『よくわかる石田流』という本に手を出してみました。ところがこの本…なかなかどうして、タイトルとは裏腹に、初心者向けとは到底思えない内容。いやあ、一冊でここまで広く俯瞰したというのは、けっこうすごい事なんじゃないかと!!これは高崎さんの力作といっていい気がします。逆にいうと、内容が濃い分説明が省略してあるところもあって、最低でも上級ぐらいの棋力が無いと「え?なんで?」と思う所も結構出てくるんじゃないかと。で、この本を読んだ後で、銀冠狙いか穴熊狙いか、あるいは攻めなら2枚銀で行くのかどうかとかの方針を決めようと思っているわけです( ̄ー ̄)。…そんなにうまく行かないか。。

 来年の2月ごろまでに、石田流対策の目途がつくといいなあ。




第73期A級順位戦 6回戦

 竜王戦がはやく終わって退屈な12月…かと思いきや、各棋戦の決勝トーナメントやら決勝リーグやらが壮絶。名人戦に直結するA級順位戦も壮絶な潰し合いとなって相当に熱いです(o^ー^o)。昨日行われた三浦-森内戦で6回戦が終了、いまだに混沌とした展開になっています。

三浦弘行 〇-● 森内俊之
 昨日、大白熱の棋王戦挑戦者決定戦の裏でやっていたこの対局、森内さん負けた…。いやあ、これは本格的なスランプかも知れません。森内さんはこれで2勝4敗、降級レースに参加の羽目に。名人失冠、竜王失冠に続き、まさかA級まで降級になってしまわないで欲しいです。一方の三浦さんはこの対局に負けたら降級濃厚となっていたと思うのですが、ギリギリで踏ん張った感じの嬉しい2勝目!降級レースを混沌とさせる一局だったと思います。

佐藤康光 ●-〇 行方尚史
 これは12/19の対局。首位を走る行方さんではありますが、A級なので毎回が難敵だらけ。しかし、行方さんの将棋というのは恐ろしく綺麗な棋譜が多いというか、僕にとっては手本にしたい棋士ナンバーワンなのです。この間のNHK杯の解説も、指された手が全部読み筋みたいな感じでビビりました…。一方の佐藤さんの棋譜はめっちゃくちゃカッコいいけど真似できない(^^;)。しかし先手番の時の佐藤さんは変態将棋ではなくって居飛車本格派の角換わり志向が多い気がしますが、この対局もまさにそれで、相腰掛け銀から▲45歩の仕掛けという超王道。しかし…行方さん、強いわ。角換わり相腰掛け銀というのは研究勝負というか、自分の研究筋に引きずり込んだ方が勝ちみたいなところがあるのですが、これは普通にやって勝っちゃった感じ。これで行方さんは1敗をキープ、6戦を終えても首位を譲りません。一方の佐藤さんはこれで3敗目、名人挑戦の為にはこれ以上負けられなくなったという感じです。

広瀬章人 〇-● 郷田真隆
 これは12/12の対局、行方さんと並んで一敗の広瀬さんの対局。今の広瀬さんの終盤の切れ味は只者ではありません。羽生さんにも競り勝っちゃうんじゃなかろか。これも角換わり相腰掛け銀戦でしたが、少し形が違って▲48飛の振り直しから、手待ち模様と見るや先手が穴熊へのトランスフォームを狙う形となりました。その瞬間に後手の郷田さんはなんと3筋(!)の歩を突きだして仕掛け、ここから大喧嘩。そして、速度勝負となったのですが、この手の攻め合いになると、広瀬さんは計算を間違えません。強い、強いです。相手にしたら一番嫌なタイプですね。というわけで、行方さんと広瀬さんは1敗をキープ!一方の郷田さんは…2勝4敗の上に8位か。これは降級の目も出てきてしまった気が。

渡辺明 〇-● 阿久津主税
 あれ?A級順位戦は全部チェックしている筈なのに、この対局は記憶が無いぞ?…と思ったら、竜王戦の第5局の裏でやっていたんですね(^^)。じゃ、けっこう前の対局なのか。というわけで、この対局だけ棋譜を見ていないのですが、渡辺さんは勝って3勝3敗の5分に戻しました!いやあ、開幕3連敗から始まったというのに、なんだかんだ帳尻を合わせてくるから元竜王はすごいです。(僕の中ではいまだに渡辺さんが竜王の気がしてます^^;)。これ、もつれたら渡辺さんの名人挑戦の目もあるんじゃなかろうか。ああ、羽生-渡辺の名人戦が一番見てみたいな(^^)。この名人戦が無いまま終わらないでほしい。一方の阿久津さんは…泥沼の全敗。棋王戦決勝トーナメントでは大躍進だったのに、やっぱりA級となると次元が違うんでしょうか。救いは、降級争いをしている三浦さんと郷田さんとの直接対決が残っている事でしょうか。とにかく1勝でもA級で勝った経験を残してほしいです。

久保利明 〇-● 深浦康市 (先手四間飛車藤井システム)
 これは12/19の対局。一敗の深浦さん、なんとかこのまま行きたいところですが、この久保戦はひとつの山。というのは、久保さんはA級唯一の純粋振り飛車党で、対振り飛車戦って、振り飛車をカモにする人と苦手な人がいたりする。すべてのA級棋士にとって、対久保戦は明暗を分けるひとつの関門になる気がするんですよね。
(*12/25修正:なんと、違う棋譜を分析していたらしいことが判明!そうだよなあ、先手藤井システムvs穴熊なんて、今時めずらしすぎると思ったんですよね…というわけで、以下記事を一部削除させていただきました。ご指摘いただきましたユダオ様、ありがとうございました!!)
久保さんが快勝!負け先行であったのがここにきて4勝2敗、久保さんにも名人挑戦の目が出てきた?!一方の深浦さんは2敗目を喫し、首位グループより一歩後退です。

 というわけで、1敗~3敗までに強豪ひしめく展開となっていますが、誰がずば抜けているという感じがなくって、名人挑戦の行方はまだまだ分からないという感じ。一方の生き残りゲームも、全敗が1人に4敗が3人、これも混沌としています。。今期のA級順位戦は面白い!!今期の一番長い日は熱い事になりそうな予感がします(^^)。。

第40期棋王戦 挑戦者決定戦 羽生善治 vs 深浦康市 (角換わり相腰掛け銀)

 棋王戦、とうとう挑戦者決定戦まで来ました!今期絶好調同士の羽生さんと深浦さんの争い、これは楽しみです。前の記事で少し書きましたが、しばらく前までの深浦さんは、羽生さんと五分の星を残す数少ない棋士で、その時の主力戦法が角換わり。そして、深浦さん後手となったこの将棋は…角換わりだああああ!!深浦さん、とうとう伝家の宝刀を抜きましたね( ̄ー ̄)。

 将棋は相腰掛け銀で、序盤の駒組み争いの流れは…
①深浦さん△73歩保留の構えに対して羽生さんが飛車を4筋の構え。
②手待ち合戦に突入。後手は△24銀▲25歩△33銀の手待ち、先手も負けじと金の往復横跳びの手待ち。
③後手、穴熊への組み替えを狙い、それを見て先手は飛車を2筋に戻す。
④後手穴熊組み替え途中のアンバランスな所で、先手羽生さんの仕掛けでいよいよ開戦!!

ここで深浦さんからすごい手が飛び出しました!!

20141222棋王40挑決1_羽生vs深浦_角換腰掛銀51手 盤面図は、先手羽生さんが▲45歩~35歩の順で歩の連続突き捨ての仕掛けをしたところです。深浦さん、この3筋の突き捨てに応じずに…

△95歩▲同歩△97歩
 うおおおおおお~~~なんだこの返しは!!ここで端からの反撃なんて見た事ねええええ。。いや~、やっぱり深浦さんって、複雑な局面を作り出してから競り勝つ、みたいなところを狙ってるんじゃないかなあ。敗者復活のvs佐藤康戦でも、普通に応じれば良さそうな所からものすごくひねった順に誘導していったし、少し前に横歩取りの後手で、やっぱり1筋端攻めから複雑な局面を描き出す錯乱戦術みたいな事もやってましたし、そういえば角換わり腰掛け銀で端から行った事も…あれ?それは竜王戦での森内さんだったかな?記憶が錯乱してる(^^;)。深浦さんは今調子がいいから、研究勝負ではなく中終盤力争いの将棋にしようとしているのかも。

▲15歩△同歩
 羽生さんも端攻めで逆襲だあああ!!!羽生さん、大人げねええええ( ̄ー ̄)。。

▲97香△35歩
 互いに利かされた歩を弾きあって…

▲45桂△同銀▲同銀
 羽生さんの第2波攻撃!!4筋方面から銀を活用、2筋は飛車、1筋は香を支えにした端攻めで玉頭から穴熊を潰しに行きます!しかしここで手番が後手に渡り…

△96歩▲同香△84桂
 深浦さんの第2波攻撃!!しつこく端をこじ開けに行きます!!いやあ、この端攻めは決まったんじゃないかい?次の△96桂の香取りが王に当たってくるのがまた痛い。これは先手は手抜いて攻め合いでしょう!

▲13歩△同香▲14歩△同香▲13歩
 羽生さん、継ぎ歩に垂れ歩で玉頭に利かしたあああ!!!いやあ、これはシンプルな作りの将棋になったというか、手番を握るごとに端攻めの決めあいです(^^)。しかしここでまたしても手番が後手に回り…

20141222棋王40挑決1_羽生vs深浦_角換腰掛銀71手△96桂▲98玉(71手目盤面図)
 後手の△96桂が決まり、これで後手の端攻めの構想はひとまず成功…かと思いきや、羽生さん、玉を98に逃げた?!いやあ、戦場から遠ざかる79じゃないのか。しかしなぜ?角の打ち込みから馬を作られて飛車を追われた時の事を考えてる?それにしても98に逃げるというのは、読みに相当な自信が無いと怖くて指せない気がします。昨日のNHK杯の橋本さんの紙一重での見切ったような玉の躱し方といい、プロの受けはスレスレの見切りがスゴイ。。

△37角▲29飛
 個人的には、この△37角が今日一番の好手に思えました。これ、飛車取りに当てながら次の△55角成なり△46角成が絶好の攻防手。では、飛車を逃げずに攻め合いに行くとすると?…いやあ、後手玉が遠すぎ、一手空きですら王手に届かないので攻め合いに出来ず、外された飛車の打ち込みの方が速そうです。となると、先手は飛車を逃がすしかなさそう。18に逃げたのでは2筋攻めも銀の攻めも端攻めも一気に台無しになるので、飛車を2筋に残したまま香を受ける▲29飛、というわけですね。いやあ、見る人が見たら既にどちらかが良いのかも知れませんが、僕の棋力ではものすごい好勝負になっているように見えます(^^)。

△13桂
 うおお、△46角でも△55角でもなく、先に玉頭に利かされた歩を外しに行きました。なるほど~、ついつい気が焦っていたけど、馬を作るのを慌てる必要はないのか。むしろ、ここでゆったりと歩を外すというのは、継ぎ歩に垂れ歩で作った拠点を一手で潰す事になるので、先手としては嫌な手かもしれません。ただ、それと交換に4筋方面の銀を追うのを逃したので、33の利きがひとつ外れるのが怖い言えば怖い。で、次の羽生さんの攻撃が非常に複雑、なにかすごいのを狙ったような…。

▲24歩△同歩▲34銀打
 飛車先の歩を切ってから▲34歩…と思いきや、銀?銀?なんで銀なんだ?
 シロウト的には、△13桂で垂れ歩の利きを外されたのと引き換えに手番を握ったわけで、ここは33を狙いたいところと思っていました。あまりに単純な狙いすぎて書くのも恥ずかしいんですが(^^;)、▲24歩△同歩の交換は入れずに24に利きを作っておいて33の銀の引き場所を22に限定しておいて、①▲34歩△22銀▲24歩△同歩▲同飛と飛車の活用を図るか、②▲34歩△22銀▲44銀で歩を拠点にして33の地点を捌きポイントにして金駒をベリベリ剥がすか、だと思ったんですが…その先に何か問題があるという事かな?いやあ、もしかしてこれは既に決まっちゃっているなんて事は無いだろうな?今期もタイトル戦で何度となく羽生さんの恐怖の終盤術を見せつけられてきたもので、なんか怖くなってきたぞ…。

△55角成▲43歩△同金直▲同銀成△同金▲56銀
 最後の一歩を犠牲にして金銀交換で守りの金駒を浮かしてから、そのまま銀を引いての馬取り。端攻めを潰されて馬を作られ、攻めの銀を撤退している以上、この戦場は後手深浦さんの大勝利といっていいんじゃないでしょうか。いやあ、普通に▲34歩から攻めるとどういうまずい筋があったのか、気になる…。あるいは、やっぱり深浦さんの△37角の角打ちが絶品だったのかも知れません。

20141222棋王40挑決1_羽生vs深浦_角換腰掛銀124手 この後、羽生さんは細い攻めを何とか繋ごうとしますが、深浦さんはガッチリ受けて羽生さんの攻めを切らします。そして8筋に継ぎ歩から垂れ歩で悠々と拠点を作ってからの香の重ね打ち!!飛車も含めての3段ロケット(124手目盤面図)。こんなの、僕なら見ただけで投了っす(^^;)。これにて終了、勝負は第2局に持越し、さて風呂でも入るか…と思ったところ、ここから羽生さん驚異の粘りが!!

▲75桂
 な、なるほど!!どうやって87の地点と馬のラインを同時に防ぐかばかり考えていましたが、いきなりロケットの土台の飛車から狙うのか!!いやあ、既に受からないのかも知れませんが、この手は勉強になりました。な~んて思っていたら…

△82飛▲71銀△72飛
 うおおお、ロケットを2段に削り取ったあああ!!!これで戦場は4対3、香ロケットでの詰みが消えた!!!どうしてどうして、悪あがきどころか受け切ってしまいましたよ。う~ん、鳥肌が立ってきた…。

▲83桂成
 指されて見ると目からウロコ、飛香両取り、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!!
なるほど~、ここは銀を渡しても香を外す方が全然大きいのか。香取りの後でさらに香取り、これは根こそぎですね。こうなるなら深浦さんも△72飛じゃなくって△32飛車あたりの遠くに逃げておいた方が良かったかも。▲75桂で動揺してしまったんだろうなあ。そういうのって、なんかすごく分かる気がする。。

△71飛▲84成桂△82香▲85成桂△同香
 羽生さんはボロボロと3段ロケットを崩しましたが、深浦さんも粘ってなんとかその成桂を外しつつ、8筋の攻め筋を残しました。ここは僕なら気分的に▲85同金で根こそぎフランケンと行っちゃうところですが、羽生さんは…

▲48香
 反撃キタ━━━(゚∀゚)━━━ッ!!!。。いやあ、詰む詰まないどころか、反撃まで漕ぎつけちゃいました。。羽生さんだけはマジで化け物だわ。強いだけでなく魅せるような指し回しをしてくる…。

△34金▲55香△36馬
 おおお~、ついに玉を睨んでいた馬のラインまで外してしまい、頓死筋まで消してしまいました!!いや~、3段ロケットで9筋に玉を固定された瞬間は後手必勝かと思ったんですが、これは大逆転じゃないかい??

 …う~ん、信じられん。羽生さん、175手で大逆転勝利!!渡辺棋王への挑戦決定です!!
 いや~、この将棋はメチャクチャ面白かった!!羽生さんは、3段ロケットを凌いでからの第2ラウンドでも、受けずに手抜いて52にいる金を繰り出して寄せに行かせたり(ちなみに後手玉は88にいた^^;)と、ビックリの指し回し。大体、手抜いての攻め合いっていうのは速度勝負という意味でもあると思うんですが、その状況で自陣2段目にいる金を寄せに出動させる構想なんて、どうやったって真似できんわ。。好調深浦さんでも歯が立たないか、これは5冠目前という感じもします。…あら?そういえば羽生さんは王将戦の挑戦者決定プレーオフにも残っていたような気が…うあああ、マジで6冠もあるぞ?!




第40期棋王戦 トーナメントが熱いぜ! その4 敗者復活戦2局 (深浦-佐藤康 ダイレクト向かい飛車etc.)

 ひとあし先に挑戦者決定戦への進出を決めた羽生さん。その対局相手は、敗者復活に回った佐藤康光さん、郷田さん、深浦さんの3名での争いで決まります!

敗者復活1回戦 郷田●-〇深浦 (角換わり相腰掛け銀)
  最近でこそ羽生さんに勝てなくなってしまいましたが、昔の深浦さんは羽生さんと互角で指していた数少ない棋士。そんな人、僕は渡辺さん以外では知りません。で、その頃の対羽生兵器として深浦さんが活用していたのが角換わりだった模様(あくまで一部の棋譜だけを見た僕の印象です^^)。そして後手番の深浦さん…おおお、角換わりです!!で、戦型はあれよあれよという間に相腰掛け銀へと進み…深浦さん、なんと82手という短手数で勝ち!!いやあ、郷田さんは、準決勝での佐藤康光戦に続き、自玉の詰みを読み切れずに踏み込んでしまっての頓死に近い形に見えます。ベスト4までは広瀬さんに森内さんを倒しての勝ち上がりだったので復調したかにも思えたんですが、郷田さんの調子はやっぱり戻りきっていない感じなのかも。

敗者復活決勝 深浦〇-●佐藤康 (ダイレクト向かい飛車)

 そして12/16に行われた敗者復活決勝!後手となった佐藤さん、またしてもダイレクト向かい飛車です!!しかし本選決勝の対羽生戦とは違って、この将棋は、僕には佐藤さんうまく指したように見えました。まず、最初に面白かったのが中盤で…

20141216棋王TN敗復決勝_深浦vs佐藤康_D向飛車30手 これはダイレクト向かい飛車戦ですが、僕は『角交換四間飛車 徹底ガイド』という本で、居飛車vs振り飛車の角交換型向かい飛車戦を勉強した事があります。で、居飛車の有力な攻め筋が、振り飛車の飛車に当てるように打つ▲66角のライン。30手目盤面図では、僕に見えていたのは、その本で読んだ向かい飛車破りの▲66角。しかし、ここで深浦さんは非常に凝った手に行きまして…

▲34角
エエエエ~、そっちか(゚д゚ノ)ノ !
単純な狙いとしては△同銀▲22飛成で飛角交換の駒得の上に龍を作るという事なのでしょうが、なんか四間飛車急戦の定跡で出てきそうなこの狙い、いきなり戦いをはじめてしまうと玉形の差が響いてきちゃうんじゃなかろうか。。

△27歩▲同飛△26銀
 後手の佐藤さんは、飛車を歩で叩いて呼んでから飛車に銀を当てました!もうこれは捌きあいコース確定ですね。

▲23歩△27銀成▲22歩成△36歩▲11と△37歩成▲同桂△同成銀
 捌きあいの後に駒の拾い合いとなりましたが、一段落したところで先手は桂、後手は銀を質駒にしています。さらに囲いの比較でいえば、完璧に囲えた美濃vs不完全な舟囲いの崩れたような形では振り飛車有利の気がするんですが…

 面白いのは、30手目盤面図だけでいえば、振り飛車は捌き合いにしたいし、居飛車は少なくとも玉が安定するまではねじり合いで捌かせないようにしたいところだと思ったのですが、捌き合いに持ち込んだのがなんと居飛車の深浦さん側だったところ。で、この時点で僕は後手優勢だと思っていたのですが、さすがは深浦さんというべきか、自分から捌き合いに行ったのはそれなりの形勢判断があったからで、実際にこの将棋を勝ってしまうんだからプロの形勢判断力というのはすごいと思わされました。あるいは、深浦さんって「常に泥沼流」という感じもあるので、形勢がどうあれ複雑な盤面を作り出してから競り勝つというのを選んだだけだったりして(^^;)。

20141216棋王TN敗復決勝_深浦vs佐藤康_D向飛車73手 そして終盤がメチャクチャ面白かった!!盤面図は73手目、全体としては後手の方がいいんだろうけど、王手がかかりやすいのも後手玉の方なので頓死筋があるのも後手の方、という感じでしょうか。こういうのって自陣の寄りを正確に計算しながら指さなくちゃいけないので、仮に後手の方が良かったとしても勝つのが難しいんですよねえ。ここからが面白くて…

△59角成▲同金△23角
 うおお、角切りから3手一組で龍取りを決めました!!いやあ、これは先手やられてしまった感じじゃないかと。佐藤さんの終盤は派手で好きです(^^)

▲44角△41角▲53と
 ここで先手は龍を見捨てての反撃を狙いますが…いやあ、これは見事な反撃、これしかないんじゃないかというぐらいの綺麗な反撃ですね。深浦さんの終盤は高道さん的というか、渋いというか、粘っこい感じなんですよね。。特に後手陣が9筋の位を取られて棺桶美濃になっているのが局面を難しくしてしまっている気がする。

△43歩
な、なるほど、棺桶美濃だから角のラインが恐すぎるというわけで、角を外しに行きました!が、そうなると2枚替えは必然で、しかも守りの金駒を2枚外されることになると思うんですが、大丈夫なのか?先手陣は一度受けに回って意外と手厚くなっているので、意外と耐久力があるようにも見える…。

▲62と△44歩▲61と△同銀
ですよね(^^;)。これ、一体どっちがいいんだろうな…後手の方がいいと言っていたけど、自信がなくなってきました。。

 そしてここからが壮絶な叩きあい!いやあ、あの状況から攻め合いにまで持ち込んだだけでも、深浦さんはすごい。しかもそれにとどまらず…なんとそのまま寄せ切っちゃいました!!結果、105手にて先手深浦さんの勝ち、挑戦者決定2番勝負に駒を進めました!!

 今期の深浦さんは順位戦でも好調ですが、なるほど強い時というのはこういう将棋で競り勝っちゃうんでしょうね。一方の佐藤さん、あの中盤での盤面図ですから、具体的な手は分かりませんが、何か勝ち筋はあったんじゃないかという気がしました。

 いやあ、連日仕事の合間を縫いながら棋王戦の決勝トーナメントの模様を追ってきましたが、これは熱い戦いの数々でした!そして、いよいよ明日は挑戦者決定2番勝負の第一局です!!これは楽しみ(^^)。。
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第64回NHK杯 橋本崇載 vs 畠山鎮 (先手中飛車)

 羽生さん、渡辺さん、郷田さん、木村さん、豊島さん…早い段階でタイトルホルダーも選手権者も全滅、タイトル戦挑戦者ですら片っ端から消えていく大波乱の今期NHK杯ですが、そこで注目しているのが橋本さん。橋本さんがNHK杯を取ったら、来年1年の番組オープニングが楽しくなりそうだぞっと( ̄ー ̄)。。がんばれハッシー!!

20141221NHK_橋本vs畠山_先手中飛車16手 戦型は橋本さんの先手中飛車。後手番戦法に四苦八苦したプロ棋士が活路を見出したのがゴキゲン中飛車だったと思うのですが、その優秀さからか、先手でも角道オープンの中飛車が普通に指されるようになってきました。王座戦で羽生さんを追い込んだ局の豊島さんも先手中飛車、あれは強かった。そして、16手目盤面図で橋本さんは長考。これは何か狙ってるな…

▲22角成△同銀▲77桂
 おお、角交換キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!そして…▲77桂?!角道オープンの中飛車といえば中央から銀を繰り出してくるものという先入観の強い僕としては、現在の駒組み自体がちょっと珍しく見えて、先手はどう指すのかと思っていたのですが、こういう桂の使い方をするのか…

△44銀▲59飛△32玉▲68銀△14歩▲16歩
 ここからは駒組み。駒組みなんですが、桂の跳ね出しを見せられた後手は△44銀と歩越し銀の形を強要され、玉型がちょっと悪い感じがします。なるほど、すぐにどうこうというのではなく、こういう細かい所でポイントをあげるための角交換だったのかも。居飛車、これはまとめるのが大変そうだぞ…

△33桂▲57銀△42金寄▲46銀
 飛車を下段に引いて片美濃を完成させて万全の振り飛車は、やはり中央から銀を繰り出しました。一方の後手はちょっとバランスが悪そうな囲い。…いやあ、僕が知らないような玉型だからそう感じるだけなのかなあ。銀冠に組み替える所まで出来れば戦えそうですが、解説の行方さん曰く、「それは橋本さんが許してくれないでしょう」との事。そうですよね、ここから最低でも4手掛かるのでは、間に合いそうにないです。

△21玉(30手目盤面図)
 おお、玉を戦場から遠ざけました!が…これ、玉に紐がついていない状態だし、端から来られた時に援軍を出しにくくないかい?もしかすると、既に緊急事態なのか?後手陣は飽和状態だし、これは仕掛けてくるぞ…

20141221NHK_橋本vs畠山_先手中飛車30手▲55歩△同歩▲同銀

 橋本さん、仕掛けたあああ!!!いやあ、これは行くところまで行っちゃうでしょう。こうなるんだったら、後手は飛車を8筋に残しておくんだったらどこかで飛車先の歩の交換をしておいた方が良かった気がするなあ。

△58歩(34手目)▲同飛△69角
 畠山さん、ここで長考して反撃を狙いました!!△58歩からはセットの手筋ですね。しかしこれ、先手は飛車を逃げてくれないんじゃ…

▲44銀△58角成▲33銀成
 ですよねえ…。後手は飛車を抜いてもすぐ取り返されるので、単なる飛車角交換にしかならず、一方では銀1枚と銀桂の2枚替えになるのが痛いです。それでも先手美濃を薄く出来るので満足かというと、飛車が捌けていないので横からは迫りにくい。上から潰すにも玉頭位取りには程遠い低い陣形、桂香も拾えていない、角のラインにも入れにくい。いやあ、これは大差じゃないでしょうか。

 以降の橋本さんは際どい手を指す必要もなく鉄板の指し回し、81手にて先手橋本さんの勝ち!!

 居飛車目線で見ると、飛車がまったく活用できなかったのが痛すぎたように感じました。飛車を8筋で使うなら、どこかで飛車先の歩の交換を入れるべきだったんじゃないかと。行方さんの指摘していた序盤で入れたら全くの安全だった気がします。仮にそのタイミングでなく、橋本さんの5筋の仕掛け以降でも、34手目△58歩の攻め自体が細すぎるのだし、中飛車の成り込みを避けるためにわざわざ金を4筋に逃がして合駒なしで飛車の成り込みを受けられる陣形にしたのだから、△58歩にかえて△55同銀▲同飛と銀交換して2枚替えを拒否しておいてから△86歩と突き捨てれば、突き捨てを入れる事自体は出来たんじゃないかと。まあそれで後手が指せるようになったかどうかはちょっと分かりませんが(^^;)…あれ?55に飛車を引っ張り出せるのなら、後手が先に△44角を打ち込めるのか?桂を抜く順があれば、△64角ですら急所になる気がする。やっぱり、中盤は簡単に暴れに行ってしまうのではなく、後手にもう少し何かあったかもしれませんね。深浦さんみたいな粘りのある手で簡単に土俵を割らない指し回しを見てみたかった気も。

 それにしても、序盤の駒組みで得たわずかなリードをにぐいぐいと拡げた橋本さんの指し回しが素晴らしかった!!そのリードが決定的なものとなったのは、例の2枚替えだったと思います。今日の将棋は、あれが全てではないかと。いやあ、これは本当に橋本さんのNHK杯奪取があるかもしれません( ̄ー ̄)。。

第40期棋王戦 トーナメントが熱いぜ! その3 (本選決勝▲羽生-△佐藤康 ダイレクト向かい飛車)

トーナメント本選決勝 羽生 〇-● 佐藤康

 というわけで、トーナメントの本選決勝は▲羽生-△佐藤康となりました。この両名、20年前も棋界トップの座を激しく争っていたようなんですが、いつまでトップでい続けるんでしょうか。凄すぎます。で、対羽生戦での後手佐藤といえば…来ました、ダイレクト向かい飛車です!!これ、先手から拒否するのが難しいので嫌なんですよねえ。しかし、この戦法も対策が徐々に確立されてきたようで、佐藤さんのダイレクト向かい飛車での勝率が徐々に落ちてきているような気がする。この対局での羽生さんの構想は銀冠に囲った後手の囲いの桂頭を直撃する自陣角。佐藤さんが『佐藤康光の実戦で使える囲いの急所』の右玉崩しに似た攻め方ですね。この本は僕の棋力アップにすごく役立ってくれた本で、後手の振り飛車銀冠や右玉を崩すのにこの筋違い角の狙いはよく試すんですが、不発に終わる事も多かったりして(^^;)。端攻めも絡んでいると決まりやすいんですが、逆に端からの反撃を許しちゃったり。。しかしこの対局での羽生さんは「こうやって決めるんだよ」というお手本を見せてくれた感じでした。その攻め方というのが…

20141210棋王40TN本選決勝_羽生vs佐藤康76手▲74歩△55桂▲73歩成△同玉▲76銀右△66歩▲64歩
まずは▲74と桂頭を直撃して74の地点を開けておいてから、▲64歩と角道を通しました。

△75歩▲83角成
そして、いきなり角を切って後手玉の守りの要である銀を外す!!いやあ、豪快というか、この時点で羽生さんは、大雑把な寄せ筋は見えているとは思うんですが、ここで手番が後手に渡るので後手からの反撃もあるわけで、寄り形というよりは形勢判断を元にこの角切りに出たんじゃないかと。この時点での形勢判断を「先手の方が良さそうだ」という事は僕でも分かるんですが、では実践でこの順に踏み込めるかというと…飛車は捌けそうにないし、角損だし、攻め駒は銀桂桂で寄せにくい。逆転される自信があります(^^;)。

 でもって、予想通りに終盤の鬼・佐藤さんの反撃!佐藤さん、攻めながら手順に離れ駒の左銀を玉にくっつけるなど、まとめ方がうまい。しかしその復旧した後手陣を羽生さんは桂2枚で崩してしまいます。いやあ、金ならともかく、銀を形で崩すというのがすごい。ところが羽生さんのの頃の駒は角2枚。いやあ、桂2枚に角2枚って、寄せにくい駒だと思うのですが…

20141210棋王40TN本選決勝_羽生vs佐藤康110手▲71角
おおっと、桂取りを手抜いて角を打ち込みました!これは決めに行きました!

△75歩
 佐藤さんはどちらの駒を取られても成った角は外せるので、これは手抜いて根元の桂を外しに行きます。

▲74歩
 で、浮いた歩の裏から▲74歩一閃!!これは決まりましたね(^^)。

△64銀▲62角成△76歩▲71角△77歩成▲同玉△81金打▲64歩△83桂▲73歩成△71金▲同馬

まで、125手にて羽生さんの勝ち!

 いやあ、もうこれは金駒2枚での守りの段階で自陣に打ち込んだ筋違い角から銀冠崩しに出た羽生さんの作戦勝ちという感じの将棋でした。棋力がどうこうというよりも、ダイレクト向かい飛車という戦型自体の攻略筋がプロで解明されつつあるんじゃないかと思わされた対局。また、羽生さんの強さの秘訣というのは中終盤以降の圧倒的な棋力にあると思わされた対局でもありました。

 これで羽生さんは挑戦者決定戦への進出が決定!一方の佐藤さんは敗者復活戦のシード枠に回る事に。なんか今期の羽生さんというのは、タイトルを自分が持っているか、タイトルに挑戦して取ってしまうか、最低でもタイトルの挑戦者決定戦までは残ってます。最低でも挑戦者決定戦まで来るというのは、どんだけ強いんだ?!生涯で一度もタイトルに挑戦できないプロ棋士の方が圧倒的に多いというのに…。

 さて、この羽生さんとの挑戦者決定戦に向けて、敗者復活に回った佐藤康、深浦、郷田の3者がアツい戦いを繰り広げました!が、最近仕事で疲れ気味の僕は、その棋譜すら見れていない…。今日ももう眠くなってしまった、おやすみなさいzzz



第40期棋王戦 トーナメントが熱いぜ! その2 (本選準決勝▲佐藤康-△郷田 角換わり△右玉)

20141120棋王40TN準決_佐藤康vs郷田30手  その2日後の11/20に行われた準決勝第2試合は、佐藤康光さんと郷田さんの戦い。正調角換わりの出だしだったんですが、序盤の互いの構想が面白くて、相腰掛け銀にはならず。簡単にいうと、先手佐藤さんが腰掛け銀を見せつつも銀をなかなか上がらずに(▲46歩はすぐに突いたんですが、銀を56の腰掛けどころか47にすら上がらない!)玉の囲いを優先。これを見た郷田さん、居玉のまま駒組みを進めながら△74歩の突き出し。これで右玉の可能性が見えたところで先手佐藤さんが初めて右銀の方針を示し…みたいな感じ。で、30手目盤面図に辿り着いたわけですが、ここで先手佐藤さんは…

▲98香△81飛▲99玉△62玉▲68金右△54歩▲66歩△33銀

 なんと腰掛け銀から穴熊の構想w(゚д゚* )w。。後手の郷田さんは右玉を先に見せた以上はそのまま突っ走る事にして、以降は△33銀~△44銀と左銀を攻めに使いに行くのですが、佐藤さんはこれを簡単に捌かせてしまう。ここが驚愕の指し回しで、平然と飛車を見捨てての飛車金交換に行ってしまう。しばらく前、佐藤さんの書いた『佐藤康光の戦いの絶対感覚』という本を読んだんですが、その本で「駒の損得は全くこだわらない。駒の活用が重要で、中央で駒が使える事を優先する」という事をおっしゃられていたんですが、まさにそれを地で行く差し回し。終盤ならともかく、中盤で飛車金交換は怖くてできないよ、おっかさん。

20141120棋王40TN準決_佐藤康vs郷田69手そして、金取りで作った32のと金をジワリと寄せて、これが遅そうに見えてメチャクチャ速い!!最後の寄せ合いでの佐藤さんの切れ味が凄すぎて…

△88歩▲同金上△64桂▲51銀△61金▲53金△76桂▲63金△同玉▲52銀△同金▲同と△同玉▲41角 まで

 なんという寄せ、83手の瞬殺劇です!!これはカッコいい…。佐藤さん、終盤力が落ちてきたなんて言われてますが、とんでもないです。A級棋士の終盤って、羽生さんも佐藤さんも久保さんも渡辺さんも恐るべしなんだよなあ。。やっぱり終盤の本を読むなら羽生さんか佐藤康光さんの本でしょう(o^ー^o)。というわけで、佐藤康さんが決勝進出、激戦区を勝ち上がってきた郷田さんはここで敗者復活に。

 というところで、またしても仕事です(^^;)。続きはまた(書けるのか?)。あ、そうそう、棋王戦挑戦決定戦は2番勝負は、12/22に以下のサイトで棋譜中継があるようです!!
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第40期棋王戦 トーナメントが熱いぜ! その1 (本選準決勝▲深浦-△羽生 矢倉宮田新手)

 12月前半はそこそこ時間があったのですが、ここにきて忙しい!竜王戦がはやめに終わったので、しばらくプロ将棋から離れていたのですが、実は棋王戦の挑戦者決定トーナメントや王将戦の挑戦者決定リーグが熱い展開になっていた模様。全然追えていなかったのでチェックしよう、そうしよう。

kiou40_tounament.gif 今回の棋王戦の挑戦者決定トーナメントはこんな感じ。トーナメントではあるけど、ベスト4まで残れば敗者復活の権利を取れるので一撃死が無くなります。これはいいシステムですね。で、ベスト4のメンツを見ると…全員羽生世代じゃないか(^^;)!いやあ、今期は挑戦者に豊島さんや糸谷さんが出てきたり、A級に広瀬さんが入ってきたりと、いよいよ20代の若手棋士台頭の時代となったかと思ったのですが、羽生さん以外も40代の棋士がいまだに強すぎです。で、ベスト4の山の流れをざっと追ってみると…

佐藤康光さんの山:この山であがってきそうな人は、僕の印象では佐藤康、久保、山崎、永瀬の順ぐらい。佐藤さんは、今期好調の山崎さんを退けたのが大きかったという感じかな?永瀬さんもすごく嫌な相手ですが、久保さんがあがってくるよりはやりやすかったかも知れないです。終わってみれば順当な結果だったのかも。

郷田さんの山:この山が最激戦区。メンツには森内さん、丸山さん、郷田さん、広瀬さん、中村太さんがいます。生きた心地がしないです。右の山では広瀬-中村戦を制した広瀬さんが上がってくるものとばかり思いましたが、この広瀬さんを郷田さんが破る!更に対丸山戦を制して左の山から上がってきた森内さんを下し、郷田さんがベスト4進出。いやあ、最激戦区となったこのブロックでの勝ち上がりは素晴らしい!

羽生さんの山:羽生さんはどの山に入ろうが勝ち上がっても「順当」と思えてしまうから怖い(^^;)。しかし、この山も面白い事が色々起きたみたいです。中でも阿久津さんの躍進が素晴らしい!A級で全敗状態なので、阿久津さんは強いけどA級は強さの次元が違うのかな、とも思っていたのですが、この山での羽生さんの対抗馬と思われた豊島さんを初戦で消し去ります。続いて、復調以来絶好調になってしまった屋敷さんも蹴散らす!羽生さんに一発入れる可能性としては阿久津さんや屋敷さんよりもありそうな橋本さんもなぎ倒す!!いやあ、やっぱり阿久津さんって強いんだな。しかし…羽生さんに負け(T_T)。まあこれは仕方ないですね。しかし阿久津さん、今期の棋王トーナメントの敢闘賞と言えるのではないでしょうか?!

深浦さんの山:緩いといえばこの山が一番緩いと言えそうですが、しかし勝ち上がるのは楽じゃなさそう。候補としては、深浦さん、木村一基さん、佐々木勇気さん、三浦さんあたり。特に勇気さんの強さは、今期NHK杯で2局連続でまざまざと見せつけられてしまったので、若手といえども何かの切っ掛けでいきなりブレイクもあるんじゃないかと思っていたのですが…深浦さん、これを一蹴。つええ。今期タイトル戦で羽生さんと熱戦を繰り広げた木村さんは、対三浦戦を待たずして敗退。結果、深浦さんと三浦さんの対決になったのですが、これは今期の調子通りの結果となって深浦さんの勝ち。深浦さんは、佐々木戦に勝ったのが大きかった気がします。

 で、ベスト4のトーナメント本選の行方は…

20141118棋王TN準決_深浦vs羽生71手トーナメント本選準決勝① 深浦 ●-〇 羽生

 先手深浦さんの相矢倉本組み、▲46銀37桂戦法。深浦さんは宮田新手(先手矢倉が▲65歩~▲66角と角を設置して、後手玉を角のラインを入れる、みたいな狙い)を採用、それを受ける後手の羽生さんは今期王位戦で2度登場した△42銀という受け潰し策を選択。これで今期の王位戦を取りましたからね、研究もしているだろうし試したい事もあるのかも知れません。そして盤面図71手目、、深浦さんは宮田新手の攻めの要旨である角のラインで後手玉を直撃する事に成功!これで先手よしに見えたんですが…

△21玉▲15香△14歩▲33歩△22金▲14香△25歩▲32銀△同銀▲同歩成△同玉▲13香成△同香▲24桂△23玉▲12銀△同金▲同桂成△17香成

 信じられませんが、後手受け切っちゃいました( ̄△ ̄)。。もうこれは定跡になっちゃうんじゃないかと思います。ひとつの戦場での争いで羽生さんに勝つというのは並大抵ではないんですね。恐るべきは▲24桂以降。途中も生きた心地のしない猛攻ですが、▲24桂が入った時点で勝負あり、先手深浦さん優勢と思ったんですが、まさかの玉上がり。で、桂銀のコンビネーションの手筋で綺麗に精算され、あとは角が成り込んでジ・エンドかと思いきや、羽生さんは最後に12に成り込まれた桂を放置しての△17香成!!これが個人的には驚愕の一手で、指されて鳥肌、なるほど先手飛車を1筋に回せないように抑え込んでしまうんですね。矢倉戦で稀にある事ですが、攻めている方が攻めきれずに持ち駒を使い果たしてしまって切らし、そこから受け切った側の猛烈な反撃…というパターンの恐ろしく高度なバージョンという対局でした。これで準決勝の第1試合は羽生さんの勝ち、深浦さんは敗者復活に回りました。

 というところで、お時間となりました。続きはまた時間があったら書きます(^^)。書けないかも…。あ、そうそう、棋王戦挑戦決定戦は2番勝負は、12/22に以下のサイトで棋譜中継があるようです!!
http://live.shogi.or.jp/kiou/


第64回NHK杯 深浦康市 vs 豊島将之 (力戦)

 今日は衆院選という事で、午前は投票に。しかし今回の解散総選挙って、解散の理由がいまだによく分かってません(^^;)。衆院選って、一回やると600億円ぐらいかかるそうですが、法案を通そうという駆け引きの為だけに、こんなに税金を使ってしまう選択をしたというなら、それって政治家のモラルとしてどうなんですかね?600億円を歳出してやろうとしているのが税率アップというのがわけわからん。。子ども服を買ったりして千万超の不正支出をした人がまた平然と立候補している厚顔無恥さ加減にもビックリ、それを当選させている市民には更にビックリだよ…。そんなこんなの憂さを晴らすべく、今からNHK杯の録画を見るぞ~!!

 今日の対局は、今期好調のベテランA級棋士・深浦さんと、若手超強豪の豊島さん。実力的には相当に釣り合っている感じがしますが、これってどっちが強いんだろうか。そして、いきなり序盤が面白かった!!

20141214NHK_深浦vs豊島3手▲76歩△34歩▲58金右
 ええええ~~!!いやあ、こんな手は見た事ないぞ…。角換わりに来られたら?…なるほど、相腰掛け銀になるなら問題ないのか。中飛車…も大丈夫。ノーマル四間飛車も大丈夫、角交換四間…これも大丈夫そうだな。いやあ、見慣れていないというだけで、居飛車志向ならだいたい右金はどこかで▲58金右とするから、意外と大丈夫なのか。

△84歩▲66歩△85歩▲77角
 後手は角道を開けたまま飛車先の歩を伸ばし、先手は角道を止めてから▲77角で飛車先の歩の交換を拒否。後手はまだ態度を示してませんが、先手は矢倉早囲いみたいにしていくのかな?

△62銀▲67金△32銀▲78銀
 激しい陣形争いになってます(^^;)。力戦調って、序盤から相手と自分の駒組みで優勢を争い合う事になるので、すごく面白い(^^)。先手は早囲いかと思いきや、居玉のまま左美濃を完成させました。あ、でもここから囲いに入れても早囲いと速度は変わらないのか。しかも態度を保留している後手の出方次第では、左美濃のまま戦う事もあり得るのかも。後手の豊島さんの出方を見ながら、という感じでしょうか。

△74歩
 お、ここで豊島さんがはじめて構想の一端を見せました。△74歩に代えて△52金右みたいにしたら同型に近づくので面白い事になると思ったんですが、同型にしてしまったら後手は面白くないですね。

▲26歩△33角▲68角
 おお~、角引きが先なのか!先手の深浦さんは居玉のまま駒組みを進めます。僕は「居玉は避けよ」とばかりに先に玉を入れたくなっちゃうと思うんですが、これは後手が△74歩として棒銀/早繰り銀の可能性を見せたから、という事かな?しかしこうなると先手は角が活用できなくなるので、角の活用を見るには▲56歩が必然。それから玉を囲いに行くには…先手は矢倉囲いで確定かな?しかし…

20141214NHK_深浦vs豊島18手△54歩▲25歩△55歩(18手目盤面図)
 あちゃあ、先手は5筋の位を取られてしまい、角道を開ける事が出来ず。やっぱり豊島さんは許してくれませんでしたね(^^;)。しかしそれで後手が良いかというと、先手は▲77銀~▲78金~▲79玉みたいな形で矢倉を完成出来るのに対し、後手はバリバリの居玉。むしろ後手の方がまとめるのが大変なんじゃなかろうか。こうなると、後手の構想は一気に急戦矢倉調に行くんじゃないかなあ。

 …と思いきや、ここからの駒組み合戦もし烈で、急戦にはならず(^^;)。そうなると、攻め筋と囲いのバランス、そして駒組みの速度争いという事になりそうですが、先手は囲いの方面は何とかなりそうだし、攻めも通常の矢倉戦の手筋とかがそのまま使えそう。問題は後手で、せっかく取った5筋の位をどう活かし、また同時にどうやって玉を囲うのかという構想が問われそう。で、双方が中央に金銀を集中させて中央が大戦場となってからの中盤に、プロならではのすごい手が出ました!

20141214NHK_深浦vs豊島66手 △87飛成(66手目盤面図)▲53角成
 ええええええ~~(@_@;)、▲87同金で飛車得じゃないのか?!!いやあ、これは信じられん、一体何を狙ってるんだ…

△42銀▲87金△同金
 う~ん、これで結果的には飛車金交換ですが、なぜ▲53角成を先に入れておく必要があったのか…あああああ!!なるほど!!分かったぞ!!

▲42馬
馬を切ったあああ!!!いやあ、これを△同金とすると▲81飛の十字飛車で一気に先手優勢というわけですね。しかし△42同金と出来ないとすると…

△同玉▲82飛
 決まったアアアア!!!いやあ、後手はひとまず87の金を受けないといけないですが、受けるのに一手使わなくてはならないという事は、次の馬引きでの空き王手が相当に厳しそうな気が。

△75桂
 おおっと、△86歩ではなくて桂で受けたあああ!!!なるほど、後に△67桂成からの寄せ筋を作っておいたという事か。関西若手棋士は、こういう逆転の頓死筋を作っておくのがうまいなあ。。これはすごく勉強になる一手でした(^^)。

 この後、深浦さんは一気に寄せに行くのではなく、先に玉を早逃げさせて頓死筋を消しました。このあたりが早指し戦特有というか、時間があれば先手は先逃げせずに踏み込む順を考えたんでしょうが、早指し戦となると、ちゃんと計算が出来ていないなら踏み込んでしまうと暴発になる可能性もあるので、まずは頓死筋を消しておくというのがセオリーなんでしょうね。しかしこれが勝負にあやを作ってしまったか、せっかく踏み込んだ素晴らしい順の攻めを受け切られてしまいました。ここでの豊島さんの受けが素晴らしかった、あんな受けの筋があるのか…。これで攻守逆転、後手からの強烈な反撃!!これがまた凄い攻めだったんですが、しかし今度は深浦さんの受けが凄い!!

20141214NHK_深浦vs豊島108手 盤面図は108手目、ついに後手が一間龍を決めたところです。僕ならここで投了ですが(^^;)、先手深浦さんはなんとここから粘る!!粘るどころか…

▲38桂△26桂▲49金△27金▲56歩
 絶体絶命かと思いきや、▲56歩の脱出路の確保が見事!なるほど~、これで待ち駒の66の歩が無効になってしまうのか…。いやあ▲56歩一発で一気に入玉が見えてきたぞ…。これ、入玉を防ぐ事は出来ないんじゃなかろうか?でも、一間龍のところから、後手が退路封鎖できる順ってあったのかな?無かったとしたら、実は一間龍にまで追い詰めた順が既に構想負けだったという事になるなあ。後手は角か金駒さえあればという所ですが、寄せながら駒台を満たすしかないか。先手の方針は、仮に後手がギアチェンジをしてきたとしても付き合わずに入玉してしまう感じでしょうか。

△38桂成▲57玉△72桂
 交換した桂で入玉を防ぎに行きますが、桂では防ぎきれなんじゃ…

▲73馬△49成桂▲72馬△19龍▲66玉
 ああ~これはダメだ、先手は入玉先に成り駒をバッチリ作って入玉確定だわ。。仮に持将棋になっても大駒3枚持っているのが大きい。入玉を許す事が確定となった豊島さんが無念の投了、135手にて深浦さんの勝ちです!!相矢倉の形はこれがあるから怖いです…。

 豊島さんはそう遠くない未来にタイトルを取る棋士だと思うんですが、やっぱりA級棋士というのは強い!あの寄せを凌ぎ切ってしまうんだからすごい。一方の豊島さん、今年は豊島さんの将棋をたくさん見ましたが、「これは強すぎるわ」というぐらいの完璧な序中盤から、最後に優勢を逃してしまう将棋が結構多い気がします。間違いなく実力者なので、早指しとか秒読みみたいな時間のない将棋が苦手なのかも。タイトル戦でも終盤で時間を残し切れなくなる事は結構あるので、ここを克服出来たらすごい棋士になるのかも知れません。

 いやあ、やっぱり将棋は面白い。やっぱり政治より将棋だな( ̄ー ̄)。。

ぺヤング回収騒動と僕の将棋ライフの因果関係

 深夜に将棋の勉強をする事が、一日の最後の楽しみになっています。その日の緊張が解け、アタマも程よく疲れ、そのまま安眠コース、というわけです(o^ー^o)。その時に、あわせて夜食を食べると至福!!よくないとは分かっているのですが、至福すぎる…。稀にカップ麺にお世話になる事もあって、その人気ナンバーワンは「ペヤングソース焼きそば」。あれ、子供のころから好きだったんです。しかし…麺にゴキブリが混入していたとの事で、回収騒動に発展している模様。ま、マジか…

 中学生の頃、友だちとカップ焼きそばの話題になった事があり、今でもその会話を覚えてます。
  (友)昨日、UFOに浮気したのは失敗だったわ
  (俺)あれ、マズイよなあ。普段は何喰うの?
  (友)カップ焼きそばならぺヤング一択だろ。他はあり得ねえわ
  (俺)おお、俺以外にもそういう奴がいたか!!俺もそう思うわ!ぺヤングだけは認めるわ(^^)

 あと、友人のお兄さんが関西(だったかな?)で仕事をしていて、東京に帰ってくるたびにペヤングを買い占めてから戻る、なんて話も聞いた事があります。地域によってはペヤングは流通していないのかな?カップめん否定派の私の妻も、「ペヤングとシーフードヌードルだけは認める」と言っています。そんなこんなで、ペヤング好きな人には熱狂的なファンが多いような気がします。

 昔、「バゴーン」というカップ焼きそばがありまして(今もある?)、僕的にはバゴーンがあれば何とかペヤングの代用になるのですが、しかしここ10年ぐらい全く見かけません。あれ、僕の近所のスーパーにはどこにも置いてないんですが、今でもあるのかなあ。。

 食料品から100%虫を避けるなんて難しいのかも知れませんが、しかしさすがにゴキブリ混入は心理的にキツイ。ここはなんとか工場の衛生面を改善してもらって、1日もはやい復活を望みます。復活してくれないと、私の将棋ライフに支障が出てしまう…。あ、そうそう、ただいま石田流対策を研究中です(^^)。



時間攻めについて

 竜王戦がはやめに終わってしまったので、しばらくタイトル戦がなくてつまらない(・_・、)。。今回の竜王戦を見ていて一番思った事は、持ち時間の使い方でした。切れ負けとか時間攻めというのは早指し戦だから起きる事であって、持ち時間が8時間も9時間もあるような将棋でそういう事が起きるとは思っても見ませんでした。しかし今回の竜王戦、第4局も第5局とも、森内さん優勢で終盤に入りながらも時間攻めに屈し、逆転負けした形。

 糸谷さんは、超早指しで有名。あれはある種の天才であって、ものすごい速さの思考速度でそうなるのだと思っていましたが、冷静に考えれば神経伝達物質の速度なんてそんなに誤差があるものとは思えません。違うのは、その情報処理の構造にあるんじゃないかと。あれは、思考そのものの速度ではなく、思考する対象を省略する事によって得られているんじゃないか、と。
 第5局、しばらく受けるしかない局面であると見るや、最善うんぬんよりも厚さを優先し、長手数になりそうな順を選んで即指し。「悪い時は、相手に間違えて貰うしかない。間違える要素は複雑であるか時間が無いかのどちらか。だったら、最善手云々よりも、複雑であり且つ時間攻めを狙う。手番が来たら、最善手よりも頓死筋が発生する形を狙いに行く」…勝手な私の想像でしかありませんが、まあこんな感じだったのではないかと。こう考えた時に、あの驚くべき早指しがレインマンのような異能が故ではなく、部分的な手筋を知っていれば指す事の出来る「時間攻め的な側面から見たタクティクス」であると説明できる気がします。

◆◆◆◆

 個人的には…僕みたいに遊びでやっている将棋では、指し手よりも勝負を優先してしかるべきだと思います。その一局が次に繋がろうが繋がるまいが、勝った負けたでオシマイにしても別にいいんじゃないかと。しかしプロ将棋に関しては、勝負よりも完全解に近づく一手を追及して欲しいと思う自分がいます。最善手の積み重ねを狙う将棋であれば、その対局の意味は「完全解にまた近づく」事であり、将棋の盤上のロジックに焦点が当たる事になります。しかし最善手よりも勝負を優先させてしまうと、その対極の意味は「勝敗」という事になり、盤上のロジックは二の次になってしまう。もし、その将棋が進化せず、例えばずっと横歩△45角戦法の良し悪しも研究される事がなく「勝った負けた」だけで同じ戦法が何十年と指し続けられるのだとしたら…それって「より良い手」「より良い戦略」が無いも同然になってしまうので、将棋の面白さの根本にあるものが消えてしまうと思うんですよね。というわけで、見る側の勝手な願望としては、プロ将棋は盤上のロジックを極めてほしいと思ってしまう部分があります。

 しかしプロ棋士は、将棋でメシを食っている人たち。羽生さんみたいな突出した人なら「勝負よりも完全解を…」なんて言っていられるかも知れませんが、他の人はそんな悠長な事を言ってられないのでしょうね。とすると、プロ将棋の指し方とは、「研究部分は即指し。研究から外れたら最善手と持ち時間の両方を見つめながら指す。研究から外れたら、良くなったら俗手で確実に仕留め、悪くなったら複雑な順を優先しての即指し時間攻め」という糸谷さんや渡辺さんのような指し方が行き着く先なのかも知れません。今回の竜王戦では、森内さんがそういう指し方をしなかったので時間攻めに屈する形となりましたが、もしプロ将棋全体がそういう指し方になったら、今回のような展開自体が成立しなくなる気がします。たんなる「勝った負けたの遊びに堕する時間攻め」はイヤですが、しかし「思考時間を必要としない研究手、思考時間を必要とする場合の最善手の選択/発見と時間のバランス」というのは、プロ将棋の構造自体によって既に発生する事になる指し方なのかも知れないなあ、と思わされました。

アマ3冠の今泉さん、プロ入り決定!

 妻と談笑しながら晩飯を食っていると…

(妻)「あれ?なんか将棋のニュースやってるよ?」
(俺)「どうせ新竜王だろ?竜王戦がはやく終わっちゃったかしばらくタイトル戦がなくってつまんないんだよ」
(妻)「いや、アマがどうとか言ってるよ?」
(俺)「ん?…うおお、今泉さん、マジで勝ったのか?!すげええええ!!!!」

 41歳で介護の仕事をしながら、ついに念願のプロ入り!本当におめでとうございます!
これ、夢を追いながら仕事をしている多くの人に、希望を与えるニュースではないでしょうか!!

 いやあ、良いニュースを見せて貰いました(o^ー^o)。。

第64回NHK杯 佐々木勇気 vs 大石直嗣 (先手石田流)

 今日は若手強豪同士の対決!!特に佐々木さんは、渡辺二冠を仕留めた2回戦での逆転勝利が記憶に新しいです(^^)。さて、将棋は…先手石田流だああ!!それを迎え撃つ後手は…おおお、居飛車穴熊を見せてから5筋に飛車を振りました!石田流破りの穴熊はかなり有力に見えます。

 しかし今日すごく勉強になったのが、序盤定跡よりも中盤の戦い方。特にの手筋が中盤で何度も何度も出てきて、お互いに手の消し合いとなりました。(^^)。

20141207NHK64_佐々木vs大石36手 例えば36手目。後手の大石さんが57に角を打ち込み、馬を作ろうと狙ったところ。この消し方は部分的な手筋ですが、僕は3級ぐらいの時、こういう所の指し方でとても苦労した記憶があります(^^;)。これを消せるかどうかで大きな棋力差となるんじゃないかと思うんですよね~。

▲46角△同角成▲同歩△57角
 ▲46角と合わせの角を打って消すのはカンタン。しかし、打つ時にまず思い浮かぶのは、「消した後にもう一度△57角と打ち込まれたら、46に角を合わせられない、どうしよう」みたいな(^^;)。しかし佐々木さんは・…

▲64歩△同歩▲63角
 攻め合いを選択の▲64歩!これ、後手が手抜いて△46角成とすると…先手は▲63歩成という交換になり、しかし後手は駒を拾えるわけでもなく、ただ馬を作っただけ。一方の先手はと金を作って、これでほとんど終了なんじゃないかと。▲46角△同角成▲同歩の交換を入れる事によって47の地点に銀の引き場所を作り、かつ攻め合いは後手が手抜けない事によって先手が後手の馬作りを一手手抜いて▲63角の打ち込みが出来るようになるわけですね。これ、仮に先手の合わせの角の▲46角と攻め合いの▲64歩の順を入れ替えると…[△57角(36手目盤面図)▲64歩△同歩▲46角△同角成▲同歩△57角]という事になって、先制の権利は後手が持つ事になる(攻めずに▲63角の先受けももちろんアリの気がします。穴熊戦をオーソドックスに戦うならそっちの方が自然かも)。もし手筋を知らないでこの受けを成立させる場合、後手の馬作りだけを争点と考えたらこの手は作れない。戦場を拡大して差し引きでどちらが得をしているか…という考えが出来ないといけないので、こういう手を考えられるかどうかは、僕がが中級から上級に上がれるかどうかで苦労していた頃のひとつの壁だった気がします(^^)。この争いは、角の働きの差があって先手が少し良くしたんじゃないかと思いました。

20141207NHK64_佐々木vs大石47手 一方の大石さんからも、相手の馬を消す綺麗な指し回しが炸裂!!盤面図は先ほどから少し進んで47手目。先手は馬を作りながら先ほどの合わせの角で作った銀の引き場所に銀を収めて角詰めろ。大局的に見ると、先制しやすい石田流に対して穴熊戦を志向した居飛車が中盤で辛抱を強要されるのは致し方なし。構想としては、とにかく相手に駒を捌かせないようにしながら穴熊を完成させ、そして振り飛車よりも玉に近い筋に振った飛車を捌きに行く…という感じなんでしょうが、角詰めろになっているここでは、角を逃がしながら手が落ち着いたところで駒組みが進んでいる、というのが理想なのではないかと。これを狙う大石さんの構想は…

△74歩
 角を助けたいならこの一手!そしてここから…

▲同歩△84角成▲73歩成△75歩▲86飛
 後手はこれで馬を作り、飛車に当たりをつけながら…

△73馬▲同馬△同桂
 これで互いの馬が交換となり、先手の馬を消しました!そして、最後に馬を消した手が73への桂跳ねなので、駒を消しながら攻め手を一手進めた事になり、ここは「穴熊を狙ったら組めるまでは攻め合いにせずひたすら辛抱」という狙い通りの構想が見事に描かれたんじゃないかと。ここは構想も、9手1組で馬を消しに行った指し手そのものも見事!!いやあ、今日は相手の手の消し合いが素晴らしいです(^^)。。

20141207NHK64_佐々木vs大石57手 その直後にも、角を使った見事な手筋が。盤面図は57手目、後手は放っておくと次に▲83飛成や▲74歩が飛んでくるので、これを受けなくてはいけません。83を受けながら▲74歩を消すなら「敵の打ちたいところに打て」というわけで△74角と打てば、先手美濃の痛い所にも直撃。ひと目これだろう…と思っていたら…

△94角
 うおおおお~、そっちからか?!でも…なぜ?…な、なるほど~、手抜けば△76歩が痛打になるのか!!これを消すとすると…

▲67角△同角成▲同金
またしても合わせの角!!しかしこの合わせはさっきとはちょっと違って、金を吊り上げられることになってるぞ…

△94角▲68歩
金を吊り上げておかわりの△94角!!▲68歩と打たされて金を支えなくてはならないようだと先手はきつそう。これは5手1組で後手がうまく指しちゃったんじゃなかろうか?今日は中盤での角使い教室みたいで楽しい(^^)。

そして、将棋はここから激しくなり、メチャクチャ面白い!!!まずは後手が見事で…

△42銀▲56飛△76歩▲同金
 戦場でポイントをあげても、穴熊戦なので後手は組み上がるまでは強く戦えない。というわけでここで駒組みに戻って△42銀。先手は穴熊に組み上がる前に攻めたいので、狭い所で捌けない(石田流でよくあります^^;)飛車の活用を見て56飛、これもすごく自然に見えたのですが、大石さんの△76歩からの構想が見事!!これはさっきからの狙い筋ではありますが、飛車の紐がついているので▲同金で何の問題もないかと思ったんですが…

△65桂▲同桂△同歩
 な、なるほど…これで▲同金なら後手は△61飛と飛車を6筋に回せば、先手は先ほど打たされた68の歩が祟って歩合が出来ないのか。これは居飛車が▲68歩を咎めに行ったわけですね。そこで▲66金を引くと…△44桂で飛車取り、逃げれば金がタダか。代えて▲64飛と向かい飛車にしたら?…△53桂でも△73桂でも後手良さそうですね(^^;)。じゃ、▲64桂の桂合は?…う~ん、ムズカシイけど、先手の飛車が捌けないで済むなら横からの攻撃は無いとみて穴熊をこの段階で完成としておいて、△53銀から一気に捌きあいにして飛車の捌け具合で勝負、という事になるのかな?いやあ、なんか居飛車が良くなったような気もするけど、先手は▲同金△61飛▲53銀からの捌きあいで勝負に行くしかないんじゃなかろうか…

▲75金
ええええ~~!!単に金をあがったああああ?!
いや、この金は遊んじゃうんじゃないかい?これは後手よしだろう…

△66歩
ですよねえ…。これ、▲同飛なら△55飛からの十字飛車、角をおろして後は捌いて後手優勢になりそう。しかし攻め合いにいくにしても、さっきの金で行くには…遠すぎます。ここで…

▲76歩
 うおお、またしても金底の歩!!角道を遮ったああ!!

△63桂
 大石さん、ここを勝負どころと見ましたね、強引にこじ開けに行きます!!

▲65金△76角▲66金△87角成
 いやあ、まさか捌きを狙いに行ったのが振り飛車の方ではなくて完成前の居飛車穴熊側になるとは(^^;)。。そしてここで…

▲96角
 またしても合わせの角だあああ!!
!!…いやあ、こんなに角の手筋満載の将棋は見た事がありません(*^_^*)。

20141207NHK64_佐々木vs大石137手 この後、いくつもの争点を作りながら、相手の手を消し、自分の主張だけを通そうとする大ゲンカとなるメチャクチャに面白い将棋!!!角の打ち込み捌きあいはまだまだ続き、飛馬交換、龍角交換、とどめは飛角交換…と思いきや飛車の打ち込み一閃の攻防手!!!盤面図は投了少し前の137手目なんですが、4枚穴熊を完成させた後手と金駒を全部外された棺桶美濃の後手で、先手勝勢だなんてにわかには信じがたいですよね(^^;)。しかも、ここでも決め手となっているのが55に打ち込まれた八方睨みの。棺桶美濃の寄せの最後の28を守ると同時に、コビンをこじ開けた穴熊を角のラインに入れて、22の銀を動けなくしています(^^)。結果、なんと先手佐々木さんが、4枚穴熊を瞬殺しての見事な勝利!!いや~、はっきりいって竜王戦よりも面白かった(^^)。。

 こんなに大駒が暴れまくったケンカ将棋は久しぶりに見ました(^^)。ホームランの打ち合いのような派手な将棋、しかし大味というんじゃなくって、さすがはプロという緻密な組み立てになっていて、ものすごく楽しかった!!久々に角の手筋の復習でもしようかな(^^)。
 それにしても終盤での佐々木さんの強さはハンパではないですね。終盤力があると一手で勝敗が入れ替わっちゃうことがあるので、終盤力というのはオソロシイ武器であると再度痛感させられた将棋でした。面白かった!!!


第27期竜王戦 第5局 糸谷哲郎 vs 森内俊之 (角換わり相腰掛け銀)

 1勝3敗と追い詰められた森内名人。しかも崖っぷちの第5局は後手番という不運…と言いたいところですが、その1勝は後手番であげているのですよね。さて、角交換を拒否しに行くか、それとも…思いっきり正調角換わりになりそうな出だしから…おおお~第3局に続いて、10手目△42銀としました!竜王は後手番をこの順に託す感じでしょうか?対する糸谷さんは平然と▲22角成で角換わり成立!この時に糸谷さん、森内竜王の駒に触ってしまって乱してしまったのですが、それを直さずに放置。相変わらずのデリカシーの無さです( ̄ー ̄)。そして、森内さんはこの手に反発、乱された駒をこれ見よがしに放置。最後には森内さんが直してしまったんですが、パワープレイに応じた以上は最後まで直さない方が正着の気がするなあ。プロ将棋界が番外戦術アリの状況に戻ってギスギスしてしまうのは個人的には悲しい事ですが、もしそうなる事が避けられないのであれば「パワープレイ」あたりは読んでおいてもいいのかも。僕はこの本で、長年胃をキリキリさせてきた嫌な仕事相手のパワープレイを克服した事があります(ο`∀´)ο。

 それにしても、お互いに手が速い!1日目の午前中だというのに、もう59手目、駒組みどころか、激しく駒がぶつかって中盤に入っちゃってます!!第4局では優勢だったのに時間に追われて負けてしまった森内さん、その辺りを修正してきたのかな?さらに森内さん、またしても後手から同形腰掛け銀に誘い込む形に!森内さんが後手番から同形腰掛け銀に持ち込んだのは、僕が知っているだけでも今年に入って3局はあります。ひとつはこの前の竜王戦第3局ですが、もうひとつは半年ぐらい前(?)に行われた▲豊島-△森内戦。この豊島戦でも、先手豊島さんが「42173」の順を避ける形になった記憶があります。さすがにこれだけ続けられると、森内さんは富岡流破りを半年前の豊島戦の時点で完成させていたと見る方が自然なんじゃなかろうか。対する糸谷さんは…富岡流に進む順を避け、▲48飛型へ。う~ん、これは残念。本当に富岡流破りが成立するなら、マジで見てみたかった。。相手が研究していそうな順に踏み込むというのは、やっぱり怖いんでしょうね。

20141203竜王27-5_糸谷vs森内_角換腰掛銀42手 盤面図は42手目、相腰掛け銀▲48飛型ではおなじみの形です。森内さんが羽生さんを破ったこの前のNHK杯との差は、後手の右金の位置。ここはプロなら研究しまくっているような課題局面と思うので、研究の深い方が勝つ研究勝負の将棋になりそう。羽生-木村の今期王位戦など、最近のタイトル戦でよく見かける▲68金右、ほかにも▲67金右、▲25歩、▲18香など、色々な手があると思うのですが…

▲68金右
 おお~、プロはこれを最有力とみているのかな?たしかに、いつか飛んでくる△59銀や△59角さえケアしていれば、一番堅そうです。

△24銀▲28飛△33銀
 竜王、第1局とまったく同じ銀上がり、豊島新手に拘ります!対する糸谷さんも手を変えずに▲28飛。そこで森内さんが銀を戻して、手待ち状態。先後同形になりましたが、いわゆる木村定跡や富岡流へ侵攻していく時との違いは、先後とも右金が一路玉側に寄っている事。これはマジで研究勝負になりそうだぞ…

▲92香
 第1局でこの局面を勝った糸谷さんの方から手を変えた!!なるほど、手待ち合戦になるなら「隙あらば穴熊」というわけですね。何となくですが、戦術クラスの大局観で見れば、これは先手正しい選択のような気もします。が…

△73桂
 うああああ~、相腰掛け銀の後手最大の弱点になる73への桂跳ねだあああ!!!腰掛け銀戦での、矢倉から穴熊への組み替えは、組まれる直前の脆くなる瞬間を潰しに行くプロが多いですが、しかしこの桂跳ねはギリギリまで我慢すると思っていました。森内竜王、今期の竜王戦は中盤で積極策を選ぶことが多いですね。しかしこれ…穴熊組み換えの▲12香の一手で、玉形を除けば先後が入れ替わった計算になるのか。たしかにこれは先手が桂頭を潰しに行くよりも、後手の6筋からの仕掛けの方が速そうだぞ…

▲99玉
 し、信じられない、それでも関係なく潜りに行く?潜りきれないだろう、これ…。こういうのをほとんどノータイムで指せるという事は研究済なんでしょうね。しかし後手はもういっちゃうでしょう。行って攻め合いになるとして、先手は▲26歩と▲28飛の布陣がどう出るか?一手損角換わりのスペシャリストの糸谷さんの事だから、桂の跳ね出しを残した▲26歩からの攻めのバリエーションも色々と持ってそうだな…

20141203竜王27-5_糸谷vs森内_角換腰掛銀50手△65歩
 森内さん、いったあああああヽ(`・ω・´)ノ!!!
いやあ、これは激しい事になりそうです!!…ちなみに、まだ1日目の午前なんですが(^^;)。。

▲同歩
 なんと、普通に面倒見るのか…。腰掛銀で右金を玉側に寄ってしまうと、仕掛けの主力筋である△65歩(先手なら▲45歩)に対して、空いた歩の裏から▲64角みたいに打ち返されてしまう筋があって、こいつが結構厄介。金が5筋で待機していれば△63金があるのでその筋を消せるのですが…。しかし糸谷さん、反撃ではなくて正面から受けに行きました。いや、これで受け切れるのなら糸谷さんはマジで竜王になるに値する強さと言っていいんじゃなかろうか、それまでにマナーぐらいはどうにかしてほしいもんだが( ̄ー ̄)。

△95歩▲同歩
 竜王、ここは穴熊を咎めに行く手を選択しました。普通の角換わり相腰掛け銀の攻め手として、△65同桂なり△85同銀なりから入る手もあったと思うんですが、先に飛車取りの▲73角を決められるのを避けたんでしょうね。しかしこれ…先後を入れ替えて考えると、第3局で糸谷さんが指した歩の突き捨て順をそのままやり返しているとも言える??

△75歩
 うわあ、「41372」をそのまま後手で指すのか?!受け棋風の森内さんなら、▲73角の打ち込みを食らってでも6筋から行って8~9筋と6筋の主張を残すところまで指してから手を渡すと思ったんですが、そんな悠長な構想を練っているような状況じゃないのかな?7筋の歩の突き出しは一手手抜けるので、ここで糸谷さんの反撃が入るんじゃなかろうか?
 ここでの加藤一二三さんの解説が秀逸!!「私の第一感は▲2五桂です。△2四銀▲6六角に△4三金直は▲4五歩でいっちょうあがり。なので▲2五桂には△2四銀とは上がりにくい。▲6六角がぴったりすぎます。▲2五桂から▲3三桂成も嫌ですが、▲1五歩と攻められるのも嫌」。

▲25桂△65桂▲88銀△37角▲29飛
 おお、一二三さん、ピタリと手を当てました!桂の跳ね合い、殴り合いです(^^;)。結果、飛車のコビンに角を打ち込んだのは、後手が先。ほんの数手前までは、先手から飛車のコビンに角を打ち込んで、後手がそれを凌ぎつつどう攻めをつなげるか、という局面だった筈ですが、どうしてこうなった…穴熊は組むまでが恐いですが、それが出た感じ?だとしたら、香をあがった瞬間に攻めっ気を見せた森内さんの作戦勝ちか?!

△86歩▲同歩△97歩▲同香△48角成
 △46角成じゃないのか?!す、すげえ…。△37角の打ち込みを先に成功させた以上、僕なら喜んで△46角成一択ですが、突き捨てをふたつ挟んでから48に成りこみました!57を攻めるのか…。駒得と龍馬の好きな僕としては、馬を作った分だけ後手が少し良い…と言いたい所なのですが、先手は桂と銀を質駒にしているし、駒の当たりも多すぎて簡単じゃない(・~・:)。

 ここから、先手も反撃に出ますが、質駒を外すにとどまり、攻めが切れ模様。一方の森内さんは先手の飛車を抑え込み(これが大きい気がする…)ながら馬をじりじりと寄せ、上から潰し…という万全の形で先手玉に迫っています。攻め筋を切らされた先手は、穴熊を分厚くしてしばらくは受け切ろうという狙い…かな?また、森内さんが封じ手となったのですが、これがテレビドラマと思うぐらいに絶妙のタイミングで、次の一手で後手ははっきり良くもなりそうだし、形勢を損ねそうにも見えます。シロウト的には、馬を作りながら手番を握って攻めている分だけ森内さんが良く見えますが…さて、明日はどうなりますでしょうか。

◆◆◆◆
 さて、2日目です。森内竜王、着実に先手穴熊陣を剥がしていきます。いきなり決めるのではなく、、徐々に徐々に形勢を広げていく感じ。穴熊崩しは、安い駒と金駒を交換しながらジワリジワリが着実ですよね。。これで、シロウト目に見ても森内さんが相当に優勢になったんじゃないかと思うのですが、しかし糸谷さんの受けも素晴らしい!ノータイムに近い指し手も結構あったんですが、どうしてあんなに速く考えられるんだろうか。一種の天才だな…。守ると決めたらとことん受けるという感じで、集中力を切らすことなく手番が来るのを待ち続け、69手目の▲87銀打が受けを選択した一手だとすると、45手近くを受け一辺倒で凌ぎ、ようやく回ってきた手番で相手の頓死筋を突く逆転狙いのトラップを仕掛けるのですが、これが見事。

20141203竜王27-5_糸谷vs森内_角換腰掛銀115手 盤面図は115手目。後手は△97香成でも△86桂でも△76歩でも、何を指したって後手勝勢なんじゃないかというような局面です。問題は、これらの筋はどれも王手から入れてはいないという所で、先手は空いた手番でどこまで攻めを作れるかという所。唯一の利かしとなっている25の桂のほか、角銀桂歩と、いちおう駒は揃ってます。

△97香成▲33桂成△同金▲25桂△32歩▲33桂成△同歩
 森内さんの△97香成で、糸谷玉はどう見ても厳しい。しかし穴熊の遠さが活きて、先手は攻め合いに行ける。ここで王手となる桂馬のおかわりで金2枚と桂2枚を交換です。拠点なしにいきなりこういう事が出来るのが終盤での桂馬の強みですね(^^)。しかし、桂を拠点にせずに捌いてしまうと、駒は外せるけど切れてしまう。むしろ25の桂は1枚は残しておいた方が退路封鎖にもなるし良いんじゃないか、これはどうやって攻めをつなぐんだろうか、と思ったら…

▲51角
 おおおおお~~、これはひと目好手の気がします!角って、一番攻防手を作りやすいので有難いですが、この33と24に利きを作る角打ちはメチャメチャ恐いぞ…。単純な狙いで言えば、受けないと▲33銀で一気に差が詰まっちゃいそう、後手は渡す駒によっては頓死筋も出ちゃうんじゃないかい?しかし受けると…

△21桂▲43金
 いやあ、この金打ちもすごい…あんな何もない所から、見事に攻め形を作ってしまいました。。糸谷さんはこれで手を渡す事になりましたが、もし後手が桂を渡したうえで寄せ切れずに手が空くと頓死するぞ…。という事は、後手は△86桂を指しにくくなったという事でもあり、攻めながら相手の手にも制限を加えているのか。いやあ、糸谷さんは逆転の頓死筋を残すというのが本当にうまいと思います。ここで森内さんの残り時間は30分、糸谷さんは3時間以上を残してます。森内さん、またしても時間攻めに沈んでしまうのか?!しかし、すごいのは糸谷さんだけではなかった…

△67角
 うおおおお、なんだこの手は(゚ロ゚ノ)ノ!!!!いやあ、まったく意味が解らないぞ、ええっと…な、なるほど~、△87桂からの詰めろか?!▲87同銀で69の紐が外れてしまうのがポイントで、そこで△89角成とズバッっと切って▲同玉に△69龍で一間龍。いやあ、よくこんな順を思いつくなあ。しかし解説の高道さんもこの筋の存在は読んでいたみたい。やっぱりプロはすげえなあ。というわけで、糸谷さんは王手から行くか詰めろ逃れをする必要があります。

▲88銀打
 糸谷さん、見事に逆転筋を作り出したのに、ここで銀を使わされてしまいました。これは精神的にガックリきてもおかしくなさそうですが、ここで粘りに行けるというのは精神力が強いと感じます。
 それにしても、△67角は森内さんらしいというか、ギリギリで寄せ勝つんじゃなくて、駒を使わせて寄り筋を消すという狙いもあったんじゃなかろうか。こういう終盤術もあるのか、ちょっと感動してしまった。。森内さん、寄せ切れるか?!時間が無い…

△86桂
 うわあああ、森内さん、桂を跳ねて踏み込んだあああ!!
これは読み切ったか?!しかし桂を渡すのは怖いぞ…

▲67銀△98桂成▲同銀△69龍
 森内さん、寄せに行きますが、残り時間が5分もない!!寄せに行って駒を渡してしまって寄せ切れないと、ヤバい事になるぞ。最近ようやく2ケタの詰め将棋も解けるようになってきて自信がついてきたというのに、俺には寄せが全然分からない(*゚∀゚)。。さらに糸谷さんは…寄る寄らないの場面、しかも相手に秒読みが入っているこの場面で席を外している模様(・ω・)。。そして…

 森内さん、寄せ切れず。。161手にて先手糸谷さんの勝ち、新竜王の誕生です!!!

 いやあ、よく検討すれば後手勝ちの筋もあったんじゃないかと思うんですが、そんな事が吹き飛ぶぐらいの面白い終盤でした。悪い時にも相手の頓死筋を作っておいて、それで勝つという糸谷さんの逆転将棋を、この数か月で何回見せられた事か。僕の戦前の予想は、4勝0敗か4勝1敗で糸谷さんが竜王奪取だったのですが、しかし気持ちとしては森内さんに防衛してほしかった。森内さんの不調もあったと思いますが、しかし予選から決勝トーナメントまで、名だたる強豪を破って勝ち進み、挑戦者決定戦では番勝負で羽生さんに勝ち、そして竜王戦では森内さんを破ったのですから、糸谷さんはフロック勝ちでもなんでもなく、実力で竜王になったといえると思います。糸谷さん、おめでとう!!何となくですが、竜王戦はしばらく糸谷長期政権になる気もします。
 森内さんは、第3局以降は結構調子を戻していたようにも見えました。実際、ここ数局は序中盤で森内さんが良くしていて、本来の将棋を取り戻していたようにも見えました。森内さんは、「時間が無いと指し手が怪しくなる」なんて言われていて、またそれを本人も冗談で話していたことがありましたが、糸谷さんの早指しが時間攻めとなった部分もあり、幻惑されたようにも見えました。森内さんが無冠となってしまうのは少し寂しいですが、また盛り返して名人や竜王を取ってほしいです!!

 個人的には少しイライラしてしまう事もありましたが、しかし随所で素晴らしい構想や指し手を見せて貰えた、そんな今期の竜王戦だったように思います。第5局も、秒読みに追われながらのギリギリの攻防戦といい、すごく楽しかった。終わったばかりですが、私の気持ちはすでに来年に向かっていまして…糸谷さんにはもう少しだけ対局マナーを直してもらって(^^;)、そして来季こそ羽生さんに永世竜王になってほしいなあ( ̄ー ̄)。

プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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