詰め将棋の勉強を改良してみた

 詰め将棋は解かない日が無いといういうぐらいの日課なんですが、解ける日はいいのですが、難しい問題に突き当たると苦行のようになっています(T_T)。これを僕は「詰め将棋苦痛問題」と呼んでいるのですが(^^;)、いいかげん1年半も将棋を勉強しているのだから、この問題を解決しなくては、と思った次第。そこで試行錯誤の上に成果を見せつつある方法が、ふたつ見つかりました。

 第1は、難しい問題を解くのではなく、自分のレベルにあった問題を何度も何度も解く、という事。原理は簡単、詰め将棋は解けないと苦痛、解けると爽快だからです(^^)。「解ける問題を解いていて上達するのかよ…」とも思ったのですが、どうやら上達するみたいです。しかも、難しい問題を長時間考えまくって解くよりも、よほど成果が出ている気がしています。これは、「考える」勉強じゃなくて、「記憶する」勉強になったんじゃないかと。その問題を記憶するというよりも、詰み形とか寄せパターンを記憶しているですよね、きっと。あとは脳内将棋盤のイメージ力の問題ですが、これもやっぱり思考ではない所に問題があるハズなので、背伸びした問題を解くよりも、やっぱり自分のイメージ力の臨界点付近の問題に取り組んだ方が効果がある気がしています。最近分かったんですが、僕は難しい変化だと、10手を超える辺りで、移動した筈の駒がいなくなったりする脳内デリンジャー現象が起き始めるみたいです(^^;)。

 第2は、昔の自分と見比べて、自分の上達を褒める、という事。上達していると思えればモチベーションはキープできますが、上達しているように思えないと、だんだんモチベーションを維持できなくなってしまいます、僕の場合。今の僕のレベルは、7手詰めハンドブックあたりは大丈夫なのですが、それ以上のレベルのやつになるとかなり怪しい感じ。それで、11手詰めとか13手詰めが解けないでゲンナリしていたわけですが…考えてみれば、1年半前は『3手詰めハンドブック』が半分以上解けなかった自分が、今ではほぼノータイムで全問正解できる訳ですから、ここは逆に「上達してるじゃん!」と前向きに捉えた方が、モチベーションを維持できて良い気がするのです。たとえ甘えと言われようと(^^;)。

 それにしても、この前の名人戦での羽生さんの寄せは凄かったなあ。あそこまで行くのは不可能としても、あの半分だけでも終盤力があったら…と夢見て、今日も詰め将棋に取り組むのでした(^^;)。。
 

横歩取り 青野流vs△41玉型の落とし穴

 正調角換わりの勉強が一段落し、一時的に横歩取りの勉強に戻っています。なんで苦手な戦型対策よりも先に、いちおうひと段落する所まで勉強して、勝率も悪くない横歩取りの勉強を優先したかというと…青野流です。先手番横歩取りの時、僕は△33角に対して間違いなく▲36飛と飛車を引いて来たんですが、もし飛車を引かない青野流が成立するんだったら、先手は△33角型での戦型選択権を持つことが出来ます。そうなると、玉型とか飛車の引き場所とか、あるいは▲87歩保留とか、変化がべらぼうに多い横歩取りでの勉強量を一気に減らすことが出来る、と考えたわけです(゚∀゚*)エヘヘ。横歩は大好きだし比較的得意な戦型に入るんですが、定跡がどんどん進化するので、ついていくのがけっこう大変なのです。しかも、青野流の勉強は、どの横歩の教科書でも、分量がそんなに多くないというのも魅力(^^)。
 そして、定跡書やプロ将棋の棋譜を検討で密かに進めていた青野流の勉強が終わり、いよいよ生まれて初めてネット将棋で青野流を指してみました!!

20140514_81dojo-18手 青野流のデビュー戦の相手は、いきなりの高段者でした(だって、挑戦してきたんだもん;。;オネエ口調)。△33角に対して▲52玉として飛車を引かない時点で青野流が決定。後手の対策は色々とあるのですが、僕の勉強した本だと、青野流に対しての△41玉はあまりよくない手で、更に△22銀と△41玉の組み合わせになると最悪。こうなった場合に咎める順も、定跡書にはバッチリ書いてあって、これはちゃんと覚えていました。この高段の方、自分より弱い相手だと思って、わざと緩い手を指したのかと思いました。が…

▲36歩(19手目)△22銀
 …マジか?この形、完全に先手優勢決定コースなんですけど( ̄ー ̄)。こうなると読みを入れる必要すらなく、定跡手順を淡々と指し続けるだけです。定跡書に書いてあった定跡順というのは…

(定跡手順)
▲37桂△62銀(ここは変化の余地があるけど、本譜はこう進んだ)▲23歩△同金▲33飛成△同桂▲24歩△同金▲33角成△同銀▲77角△89飛成▲33角成

 途中、飛車切りからの捌きになるので怖い踏み込みなんですが、最後の▲33角成が決まると詰めろ金取りになって先手優勢。アマチュアなら優勢どころか勝勢かも。そんなわけで、定跡書には△22銀41玉の形が悪すぎという事で、説明すら省いているぐらいの悪形だったんですよ。ところが、実践では全く違った展開になってしまいました。

(本譜の手順)
▲37桂△62銀▲23歩
 ここまでは定跡と同じ。完全に勝ったつもりで、お茶なんか飲んじゃって、「悪いね、お疲れ様」みたいな気分(^^)だったんですが…

20140514_24手△88角成(24手目)
 えええええ?!ここで角交換?いや、そんなの定跡本には書いてなかったぞ。。いや、でも、如何にもありそうな筋だし、書いてなかったという事は、当たり前のように先手が良くなる順があるんじゃないか?僕は早くも大長考。しかし…これ、本当に先手よく出来るのか??自然な順は▲同銀△23銀で、ここで飛車を引いたら角の打ち込みが厳しいので以下▲77角△34銀▲86角の大駒の総交換か。しかしその瞬間に玉形は後手の方が良く、更に先手の角の位置が悪い、というわけですね。いやあ、それだと後手十分だろう。さすがにこの順は選びたくないぞ。。で、大長考の上に選んだ順が…

▲32飛成(25手目)△同玉▲88銀
 飛車切りで玉を呼んでから角を切り取りました。で、僕の読み筋はここで△23玉。なぜなら、△23銀だと▲77角がすこぶる厳しく思えたからです。しかし本譜は…

△23銀
 えええ?!それだと▲77角で先手いいんじゃないかい?それとも▲77角だと先手マズい順があるのか?…そうか、▲77角には△76飛か!!これは参った…。しかし、手を繋げない事にはいっぺんに負けだぞ…。しかし、さきほど長考に陥った僕に、時間はそれほど残されていませんでした。

▲22金(29手目)
 これは△同玉としてくれれば▲77角の王手飛車になるという狙い。玉を逃げても後手は壁形なので、23の銀を切り取って先手悪くないんじゃないかと思った次第。しかし、どうもこれが敗着みたいでした。というのは…

△22同玉▲77角(王手飛車)△33歩▲86角(飛車取り)
 後手の選択は王手飛車の受け入れ。しかし、先手は先に駒損したので、この飛車取りは駒得じゃなくって、駒損の回復というだけなんです(- -*)。ここで手番が後手になり、あとは蹂躙されまくって完敗でした(×_×;)。

◆◆◆◆◆

 まず、この順が失敗だったとして、いちばん最初に疑うのが25手目▲32飛の飛車切り。しかし、ここで飛車を切らない変化は、やっぱり後手十分に思えます。
 次に疑うのは29手目の▲22金。これで駒の損得を回復できたとは言えるんですが、その瞬間がコマの働きも玉形も手番も後手がいいとなれば、やっぱり後手十分以上の状況だったんじゃないかと。で、あそこで▲22金に代わる手があるとしたら…

 (29手目、▲22金に代えての候補手)
 ①先に▲77角と打つ →やっぱり△76飛が厳しそう
 ②手を戻して▲87銀と受ける →飛車を引かれて何でもなく、飛車金交換の駒損
 ③金ではなくて▲22歩と打ち込む

 検討する価値があるとしたら③でしょうか。▲22歩の場合、王手ではないので検討から外すどころかぜんぜん見えてなかったんですが、放置すると結構うるさいですよね。で、金打ちと同じように△22同玉と切り取ると、それこそ▲77角打ちで大きく駒得になるので、今度はさすがに先手十分になるんじゃないかと。じゃ、単に△33桂と逃げると?これが玉のコビンを閉める事にもなっていい手に思えるんですが、そこで▲77角または▲21歩成~▲77角は?…いやいや、▲77角には常に△76飛があるんだよなあ。じゃ、先に▲87銀と飛車を追い払ってから…いや、それはそもそも▲77角が飛車取りにならないのか。いや、銀で追ってからだと、意外と面白い?…いろいろ考えた結果、ちょっとやって見たいと思ったのは、こんな順です。

20140514_33手(24手目△88角成以降の指し手)

▲32飛成△同玉▲88銀△23銀▲22歩△33桂▲21歩成△同玉▲87銀(33手目盤面図)

 ここで問題は後手の飛車の引き場所。
 ①△82飛か△83飛:▲56角で飛銀の両取り(△82飛と引かれたら歩で一発叩く)
   →これは先手悪くないんじゃないかと。

 ②△84飛:▲66角で飛桂の両取り(△34飛と受けて来たら▲35金でどかす)
   →これも先手悪くないんじゃないかと。

 ③△85飛:▲77桂で、飛車が下がればやっぱり角打ち両取りの筋に合流。
     横に逃げるとすると?真ん中はやっぱり角打ちの間接両取りになるので、▲15飛か▲95飛で難しいという感じでしょうか。(*追記:▲77桂と桂跳ねすると、△89飛の打ち込みが発生してしまう事に気づきました。でも▲86歩で飛車を追うのは歩切れがキツイ・・・。難解です。。)

 う~ん、これを持ち時間15分切れ1分の将棋で発見するのは不可能だわ。。しかし、ほとんどノータイムで、そんなに古くない定跡書ですら「先手優勢」と検討を打ち切った順に踏み込んできて、あっという間に優勢にしてしまったあの人、いったい何者だったんでしょうか。。

 今回は、有名な定跡本にも書かれてなかった青野流の変化だったもので、知らない人は一発喰らう可能性があるので気をつけてください、という記事でした。。だれか、24手目△88角成に対する正着を知っている人がいたら、教えてくださいませm(_ _)m。しかし、新戦法投入のデビュー戦で勝てた試しが無いな、俺って。。将棋って、難しいです(泣)。

第64回NHK杯 渡辺大夢 vs 藤井猛 (四間飛車)

 ネット将棋で居飛車を指していると、とにかく多い対四間飛車戦。しかし、最近のプロ将棋だとなかなか見る事が出来ないので、藤井さん登場の今回は楽しみにしていました!そして…藤井さん、ファンサービスでしょうか、角道を止めての藤井システムです(よね?)!

 僕は藤井システム対策をきちんと勉強していないので(システムっぽくなったらいつも急戦に誘導してます^^;)何とも言えませんが、居飛車の角捌きなんかは見た事ある形だったので、途中まではほぼ定跡通りだったんじゃないかと思います(適当)。これがどこで後手指しやすい展開になってしまったのか、これが分かりませんでした。しかし、大駒をいじめられて飛車を捌かれる展開になってからは確実に後手十分の展開だったと思うので、問題はその前だったのかも。

20140525_40手 もしかしたらもっと前で先手は失敗しているのかも知れませんが、明らかな分岐は後手藤井さんの指した40手目△35歩に対する先手の応手。本譜はどうなったかというと…

▲35同歩△36歩▲26角△46飛

 これで後手に綺麗に飛車を捌かれてしまいました。というわけで、中盤は完全に振り飛車側がうまく指し回した感じ。藤井さんは四間飛車スペシャリストなので、もしかしてこの順は研究ストックにあったのかもしれませんね。じゃ、先手が取らない順というのはあったのでしょうか。

 受けるとしたら?
・手筋の▲26飛
 …これなら受かりますが、先手の飛車が捌けずに暫く受けに回る事が確定。
  出来れば指したくないという感じなんでしょうね。
・ゴメンナサイの▲57銀
 …銀を引くのは悔しいし、角はやっぱりいじめられますが、飛車は捌かせないで済みそう。
  なるほど、これはあり得るな。

 でも、出来れば受け将棋にならない手を探したいです。攻めでありそうなのは?
・▲64歩…いやいや、なんでもないわ。
・53の傷を狙って▲65桂と▲26角を進出させる順は?
 …ダメだ、角のラインがあるから▲65桂を成立させること自体が難しいのか。
  米長玉にするには早すぎるし、そもそも間に合わないし。。
・攻め合いの▲24歩は?
 …角損した上、特に先手が手番を握るわけでも駒の働きに上回るわけでもないわ。。

 だとしたら、攻め合うならやっぱり▲35同歩が正着なんでしょうか。いやあ、さすがは序盤巧者の一流棋士。もうこの段階で後手十分なのか。ということは、先手はここで謝って▲57銀と受けた方が良かったかもしれません。しかしそれは、大御所に立ち向かう新進気鋭の棋士にはあまりに選びにくい順だったんでしょうね。そこが謝り慣れている僕との差だな( ̄ー ̄)。。

 しかししかし、ここからの渡辺大夢さんの巻き返しが素晴らしかった!!状況は悪いんですが、細い攻めを繋げる繋げる!いやあ、すごく勉強になる指し回しが幾つもあったなあ。
 それを凌ぐ藤井さんも見事。早指しなので、大妙手かもしれないけど悪手かも知れないという順には決して飛び込まず、手筋の連続の分かり易い順で、確実に優勢を広げていきます。リードしている時の、絶対に負けないという理想的な指し回しでした。結果、160手にて後手藤井さんの勝ち!!

 ネット将棋だと、四間飛車党はものすごく沢山いるんですが、藤井システムを使う人というのは滅多に出会いません。しかし、プロ将棋でも今でも通用する優秀戦型だという事が改めて分かった気がしました。

名人戦の感慨

 理由があるわけではないんですが、もしかすると羽生さんvs森内さんの名人戦は今回で最後だったのかも知れないと思うと、妙に感慨深くなってしまいました。長年の将棋ファンという訳でもないのに、おかしな話です。今期A級順位戦には、渡辺さんの他にも阿久津さんと広瀬さんという30歳前後の棋士が食い込んできて、世代交代は着実に進んでいる気がします。

 羽生さんには、とにかくあと一回竜王を取ってもらって、永世竜王になってほしいですが、果たして間に合うか。羽生さんみたいなヒーローは、僕が生きている間には将棋界に2度と登場しないかも知れないので、羽生さんのタイトル戦は見逃さないようにしたいな、と思っています。僕たちは、プロ将棋の黄金時代に立ち会うことが出来ているのかもしれません。

第72期名人戦 第4局 森内俊之 vs 羽生善治 (相掛かり)

 羽生さんの3連勝で後のなくなった森内名人ですが、悪い事は重なるもので、第4局は後手番。ここを乗り切れば何とかもつれさせる事が出来ると思うんですが…おお、戦型は相掛かりです!!この名人戦、相掛かりシリーズとなりました。

20140520_45手  相掛かりは勉強できていないので全然わからないんですが、いつも気になるのは玉形。プロですら壁形になっちゃったり全然囲えなかったりという事が多いので、見ているだけで不安になります。
 初日は先手棒銀から矢倉、後手は△85飛から角交換を挟んで銀冠という駒組みで終了した感じなんですが、玉型は銀冠を完成させた後手の森内さんの方が良さそう。
 先手の羽生さんは囲いは良くないんですが、56の地点に筋違いの角を打ち込んでいまして、これが銀冠の桂頭を直撃。これが働くようなら先手が良くなるかも。後手の左辺を攻めるなら右桂も活用したいところですが、角の打ち込みがあるので簡単には思えません。場合によっては外跳ねもあり得るかも。でもこれは、後手玉が22に潜るかどうかにもよるのかなあ。
 後手は、矢倉に潜るだろう先手玉攻略としては、角換わりの狙い筋がほとんどそのまま使えちゃいそうな気がします。ただ、いやらしい先手の筋違い角は追うのが結構大変そう。矢倉崩しに着手するよりも先手からの攻撃の方が先に飛んできそうです。森内さんの棋風からしたら、もうしばらく駒組みしそうな気がするなあ。羽生ファンの僕ですが、駒がぶつかる前の駒組みに関しては、森内さんが一番うまいと感じています。何度、駒がぶつかる前の時点で既に森内さんの方が有利になっている将棋を見せられた事か。。
 戦いが始まるのは、明日の午後あたりからになりそう。しかし…今日明日は仕事が忙しくって、あんまり見られないかも(T-T)。

◆◆◆◆◆
 さて、今は2日目の正午ぐらい。これから仕事なので、棋譜だけチェックしておこう…おおお!!森内さんが駒組みに手を使って、羽生さんが先制して、先手が右桂を外跳ねした!!予想が全部当たったあああ!!!いやあ、マジで嬉しいな。というわけで、気分よく仕事に行ってきます(^^)。。

◆◆◆◆◆
仕事、終わった!!名人戦、すごい事になってる…。。これは大名局じゃないか?このふたり、本当にスゴイわ。。どっちがいいんだろう、これ。

◆◆◆◆◆
羽生さん、勝ったああああヽ(`・ω・´)ノ!!4勝0敗のストレート勝ちで名人復位、しかも4冠だあああ!!!

 この将棋、駒がぶつかってからが凄まじかったみたいです。ちゃんと検討していないんですが、プロ棋士さんたちの解説を見ると、後手よしの状態からひっくり返したっぽい。終盤は逆転に次ぐ逆転みたいで、錚々たる検討陣がみんな混乱しているほどの大接戦。いやあ、もつれてくれて、何とか最終盤だけでも見る事が出来て良かった(^^)。なんか、歴史的一戦を見れたような思いです。。

◆◆◆◆◆
 棋譜を振り返ると…いやあ、何という大熱戦、両者とも神憑りな手の連発です。また、両者ともに持ち味の出た大名局なんじゃないかと。

20140520_79手 展開としては、やっぱり駒組みは後手の森内さんの方が巧かったんじゃないかと。銀冠を完成させ、あとは潜ってしまえば戦う前にして既に後手の方が良い感じの状況。そうなる1手前に羽生さんが仕掛け、後手の銀冠を乱したんですが、これは羽生-森内でよく見る、森内さんの受け潰しの格好。実際、79手目の時点では、羽生さんの攻めを見事に受け切っていて、先手の攻めは切れ模様。一方の森内さんは、66に強烈な拠点を作っていて、角も手持ち、攻めの銀も絶好の位置まで来ています。羽生さんの攻めが切れた瞬間に、森内さんが一気にまくって勝っちゃいそうな局面だったんですが、ここからの羽生さんが凄い。

△35銀▲23角成△同歩▲同飛成 
 うおお、一気に斬り込みました!まあ、先手は攻めるしかないと思うんですが、この攻め、繋がるようには見えないなあ。

△54歩
 この一手がもの凄い読みが入っているというか、ため息の出るような森内さんらしい一手。というのは、普通に△32銀という受けでも全然受かっちゃいそうなんですが、それには▲33金△同銀▲25桂という順で攻めが繋がっちゃいそうなんだそうで(by 三浦さんの名解説)。他にも△32銀▲22龍△33角▲28飛みたいな順もありそうですが、これらがまずいという事なんだと思います。でも、それがまずいという読みって、多分十数手先の話ですよね…。いや、これはスゴイと思いました。

▲64歩
 いや、この羽生さんの挟撃の歩も凄かったです。というのは、これが待ち駒として働くようには到底思えないという事と、6筋に歩を使った瞬間に、後手からの6筋攻撃を受けることが出来なくなるから。手渡しした瞬間に潰れそうなタイミングで、しかも自陣の受けを消す待ち駒を放つというのが凄すぎる。

20140520_88手△12角▲22龍△32歩(88手目盤面図)

 う~ん、この森内さんの角打ちも物凄い。こんな攻防手があるのか。。龍を消されたら先手はオシマイなので、逃げつつ王手ですが、△32歩で攻めを切らされた瞬間に先手陣が一気に潰れじゃないか。竜王名人、強すぎるわ…と思ったら…

▲11龍
 ええええ~~~(゚д゙)!!!…こんな手が許されるのか?う~ん、まったく信じられません。とんでもないプロの妙手と思ったんですが、これは驚愕の羽生マジックの序章に過ぎませんでした。。

△67銀
 遂に来ました、後手の寄せ!!これは森内さん、決めに来たんだろうけど、▲12龍と角を切り取って、まだまだ長い長い寄せ合いの序章という感じなんだろうな、と思ったら…

▲41金
 うああああああ~~~!!!!(゚д゚* )w。ついに出ました、羽生マジック!!!しかし…なんだこれ、まったく意味が分からん。。この手の意味、なんと15手先に分かる事になるんですが、これが見える人って日本に何人いるんだろうか。しかも、これが意味を持つためには、角を切り取らなくても受かっていると読み切れているという事なんですよね。う~ん、化け物だ。。

20140520_95手△53玉▲12龍△34角▲45角(95手目)

 …いやあ、先手陣、全然受かってないように見えるんですが。。しかし、次に出た森内さんの一着が凄かった!

△87飛成

 うああああ!!!…いやあ、これは木村さんをはじめ、プロ棋士が悉く見えていなかった飛車切りの一手で、▲同金と取ったら△12角▲同角成で先手詰み。しかし取らなくても詰み。いや、これは森内さんの再逆転勝ちに見えましたが…

▲同金△12角▲88玉
 早逃げだあああ!!もしこれで捕まらないんだったら、この早逃げは勝敗を決する凄いファインプレーに見える。…実際、ここでの後手の攻めが難しいです。△45角か△78飛が素人にも見える継続手ですが、どちらも詰めろではなさそう。詰めろがあるとしたら?△76銀か…。いやあ、どれが正解なのか、全然分かりません(; ;)。これは大接戦、寄っているのかどうかぜんぜんわからん。

20140520_104手△45角▲同歩△78飛▲97玉△58飛成(104手目盤面図)

 角から先に入りましたね。しかしこれが…寄らない。ここで羽生さんに手を渡してしまうんですが、後手玉も寄るようには見えなかったんですが、ここでさっきの▲41金が重要な意味を持つ事になろうとは。。

▲42角

 ええええええ~~~゜Д゜ヾ!!!…いや、大駒は離して打つもんだし、間駒もきかないんだから、ふつう31から打つだろう…。なんで42なんだ?…いやあ、△同金だと▲63飛以下詰むのか。以下の寄せは見事すぎました。

△62玉▲82飛△71玉▲86香△42金▲81飛成

まで、111手にて先手羽生さんの勝ち!いやあ、密かに最後の▲86香も凄いと思うんですけどね。桂馬の利きの内側に入る▲84から打ちたいところだと思うんですが、そうすると△96歩以下、後手の25手詰めなんですね(^^;)。

 いやあ、今期の名人戦、スコアこそストレートでしたが、大名局が多かった気がします。特に第1局と本局はすごかった。羽生さん、名人復位、おめでとうございます!!(^-^)∠

第64回NHK杯 山崎隆之 vs 有森浩三 (相掛かり)

 キャリアが浅いもので、とにかく序盤の勉強が追いつきません。というわけで、拒否できる戦型の勉強はとにかく後回しにしているんですが、居飛車党の僕にとってその最たる戦型が相掛かり。だから、相掛かりの勉強は全く出来ていないんですが、しかし横歩を指す僕にとって、後手番だと相掛かりの勉強をしていないとマズイ順がある事に気づいて困っている今日この頃、皆様お元気でしょうか。
 ところが最近、プロ将棋で、やたらと相掛かりを見かけます。絶賛開催中の名人戦も3局中2局が相掛かり、王将戦でもNHK杯でも続出。そして、今日のNHK杯も相掛かりでした。しかし力戦指向の山崎さんだから、定跡の勉強にはならないかもなあ。。

 と思ったら、意外や意外、先に定跡からはみ出したのは後手の有森さんの方でした。そこからはお互いに積極的な手が飛び指す事になり、すごく面白い将棋になりました!

20140518_56手 ビックリしたのが、変態将棋の代名詞である山崎さんの指し手。最初のビックリは、盤面図56手目からの指し回し。

▲71桂成
 ん?タダじゃないのか?…おおお~、取れば▲85馬で間接王手飛車か!いやあ、これはカッコいい手だ!!これ、後手はもう受かりませんよね。かといって攻め合いするには、先手玉が遠すぎる。ここは△同金でしばらく辛抱という感じかなあ。

△71同金
 そりゃそうだよな。でも、後手は拠点を作ってるし、先手十分ぐらいで意外といい勝負なのかも。

▲34桂
 えええ~~(゚ロ゚ノ)ノ!!
▲85馬の王手飛車にしないのか?!だったらなんで▲71桂成と踏み込んだんだ?さらに味付けしてから踏み込もうというのかな?なるほどなるほど。
 しかし後手は、このまま相手していると詰めろがかからないままの将棋になっちゃうので、羽生将棋的な大局観的としては、もつれた時に攻め合いに出来るよう、このへんで踏み込んでおきたいところ。△99角成とか、香を外して馬を作って、先手玉の左辺の退路封鎖に△66桂の筋まで作って、やや劣勢の後手としては面白そう。でも、それじゃいっぺんに潰れちゃうのかなあ。僕みたいなアマなら、負けたっていつもの事なので(^^;)こういう順に簡単に踏み込めるんですが、プロだと頓死は恥ずかしいだろうから、踏み込みにくいのかもしれません。

△33銀▲44歩
 いやいやいや…。。有森さんの△33銀は間違いのない応手だと思うんですが、しかし山崎さん、なんとここでも▲85馬を保留して更なる味付け。これ、欲をかきすぎて、自分が指しやすい局面をわざわざ複雑にしちゃってないかい?こういう複雑な手は、劣勢の側がやる指し回しなんじゃないかと思うんですが…山崎さん、やっぱり変態だわ(^ ^;)。しかしこれ、マジで△99角成と踏み込んでみてええ…頓死しちゃうのかなあ、やっぱり。
 でも、なんで山崎さんがこういう差し回しをしたのか。それを井上慶太さんがこう解説していました。「山崎さんは▲85馬の王手飛車で先手がそんなに良いわけではないと考えているんでしょうね」。なるほど、その為に積極的にもっと良くしようと踏み込んだわけですね。それにしても、若干の駒損になるとはいえ、玉型も上回って王手飛車になって手番も渡さないのに、先手優勢でないという形勢判断が信じられない。いやあ、プロの形勢判断は難しい。。

20140518_82手 もうひとつびっくりしたのが、82手目からの山崎さんの指し回し。どう見ても先手優勢の終盤で、先手からの▲22飛成とか▲54銀とかがべらぼうに厳しいので、後手は攻めながら、流れの中で攻防手を放つタイミングを探したい局面です。先手の逃げ方としては…

 ・▲67玉は△58銀以下詰み
 ・▲69玉はやっぱり△58銀以下かなりヤバい

 というわけで、玉の逃げ場所は▲48玉か▲47玉の2択。でも、▲47玉の瞬間の△38銀が王手飛車になって、これが攻防手になる。というわけで、敵の攻め駒を削るために一度▲48玉としておいて、金を使わせておくのが当たり前かと思ったんですが…

▲47玉△38銀
 うああああ(゚ロ゚ノ)ノ。。な、なんで▲48玉より▲47玉が優れているのか、まったく分かりません。。当然△38銀と思いっきり打ち込まれての王手飛車。まあこれで残しているという読みなんでしょうが…。

 これがどうしても理解できなくって、自分で考えてみました。なんで▲48玉でなく▲47玉なのか。▲48玉に対して後手が△58金としてくれれば金を使わせたという事になるんでしょうが、考えてみたら銀を使われる事もあり得るんですね。つまり、▲48玉に対して△58金ではなくって△38銀(または△58銀)と打ち込まれると、これが玉を縛られての詰めろ。この詰めろはほどきにくいので、こうなると先手は間違えられなくなっちゃう。そういうわけで、王手飛車は喰らうんだけど、実は▲47玉の方が安全勝ちを狙える順である…とまあ、こういう事だったんじゃないかと。いやあ、山崎変態流と思っていましたが、実はしっかりとした裏付けあっての将棋なんだなと感心させられました。結果、91手にて先手山崎さんの勝ち!

 後手番で横歩を指す以上、相掛かりへの変化は(少ないとはいえ)避けることが出来ないので、いつか相掛かりの勉強をしなくちゃいけないんだろうな。しかしその前に一手損角換わりをもう少し深く勉強して、対石田流を練り直して、対ゴキ中戦を穴熊から2枚銀に変更して、力戦調で指しているデタラメな5筋交換型の急戦矢倉を整理して…う~ん、序盤定跡の勉強、まだまだ先は長いなあ。。

第55期王位戦 挑決リーグ紅組プレーオフ 広瀬章人 vs 千田翔太 (変態横歩取り)

 この前やっていた王位戦リーグの最終局は、どれも勉強になる将棋ばかりでした。なかでも異質だったのが、千田さんの後手横歩取らせ。これがあまりに印象的だったものだから、このプレーオフはちょっと気になっていました。千田さんが後手になって、横歩に進んだら見てみようかなな、と。そして千田さんが後手になり…おおお!横歩取りです!!

20140516_22手 そして本局、行方さんを破ったこの前の横歩よりも、更に変態な事になっていました。盤面図が証拠となっております。後手で△82飛と引いたのも変わっていますが、△52金?!…う~ん、どういう基準で物事を測ると、これが良い手と思えるのかがまったく分かりませんが、千田さんが変態である事だけは確かなようです。

 こうなっちゃうと、定跡の勉強にはならないので、互いがどういう構想で指すのかという所に注目。
 先手の広瀬さんは、▲46歩~▲47銀みたいな感じで、腰掛け銀模様で陣形を整備。なるほど、相掛かりと横歩取りと角換わりのミックスのようなこの将棋で、腰掛け銀という選択は間違いのない戦型選択という気がしました。で、相手の駒組み次第で、銀を中央から使うか、右に繰り出して棒銀模様で攻めるかを決める、みたいな。
 後手の千田さんは…居玉のまま中央で駒を盛り上げていったんですが、裸玉だよ。。で、先手の広瀬さんが棒銀模様の攻めを見せると、銀冠の囲いを作って防戦。…おかしいなあ、僕は「棒銀に銀冠は不利」と勉強したんだけどなあ。う~ん、独創的な序盤でしたが、はやくも手詰まりのようです(^^;)。。もしかして、面白い人なのかな?

 しかし中盤になると、意外や意外、壮絶な叩き合い。先手は角が捌けると同時に2筋制圧に成功、後手は飛車が捌けて2枚銀での中央制圧に成功。いやあ、こうなるってからはさすがにプロ将棋、指し手の順番とか利かせとか、参考になる手筋のオンパレードです!!そして、ついに先手の広瀬さんが優勢になったか?!と思ったところで、なんと後手の千田さんが手抜いて垂れ歩。これは…敗勢の時の神頼み「僕は劣勢ですけど、寄せ間違えたら詰ましますよ」というヤツだよなあ。こんなのに、先日の詰め将棋選手権でプロ最高位だった広瀬さんが引っかかるかなあ、と思って見ていたら…広瀬さん、寄せ間違えたあああ(゚ω゚*)。。いやあ、めちゃくちゃ難解な局面だったし、序盤から泥沼流に引きずりこまれたので、最後の1分将棋に突入したところで、広瀬さんはもう精根尽き果てていたんじゃないかと。。結果、130手にて、後手千田さんの勝ち!!これで王位戦の挑戦者決定戦は、千田さんvs木村一基さんとなりました!

 まず王位戦の挑戦者決定リーグに食い込んでくるだけでも大変だと思うんですが、そのリーグ戦で森内さん、行方さん、広瀬さん、豊島さんを撃破しての紅組リーグ優勝なので、これは実力あるんじゃないでしょうか?!佐藤康光さんと山崎さんに続く変態将棋指しがあらわれてしまったという感じです(^^)。

『羽生の頭脳4 角換わり・ヒネリ飛車』

HabunoZunou4.jpg 約3ヶ月、正調角換わりの勉強をしていました。まずは『よくわかる角換わり』で全体像を把握、その後『最新棒銀戦法』で角換わり先手棒銀を細かく勉強、『長岡研究ノート 相居飛車編』と『これからの角換わり腰掛け銀』で角換わり腰掛け銀の新定跡を細かく勉強、という順。ここで終わりでも良かったんですが、将棋の勉強を始めたばかりの時に買った『羽生の頭脳4 角換わり・ヒネリ飛車』を持っていたので、復習がてら、この本を読んでみることにしました。文庫版の『羽生の頭脳』は、もともと分売だった2冊を合本した内容となっています。この文庫版4巻の場合、前半部分が角換わり、後半は相掛かりとなっています。というわけで、取り急ぎ、今回読んだ、前半角換わり部分のレビューです!!

◆◆◆(角換わり部分)◆◆◆

角換わりの目次は、以下の通りです。

第1章:角換わり棒銀
第2章:角換わり腰掛け銀の常識

 腰掛け銀の入口/△43歩型/△34銀/△73歩型
第3章:同形腰掛け銀
 同形コースの入口/同形腰掛け銀の常識/△65歩/△44銀
第4章:後手棒銀
 32金型/32玉型/最新の後手棒銀
第5章:実践編

 この本が書かれてからずいぶん年月が経過し、その間に新手が出たりして定跡が結構更新されているので、はじめて角換わりを勉強するのであれば、この本から始めるのはお勧めできません。今から見たこの本の使い方というのは、新しい定跡書には書かれていないが、しかし今でも通用する定跡を覚える、という事になるんじゃないかと。そういう意味で言うと…

第4章:後手棒銀
 まず、この章が出色!というのは、先ほど書いた、僕が読んできたような幾つもの角換わりの本には、この章に書かれている筋の多くが書かれていないから。しかもこれらの筋、今でも全く通じそうです。
 考え方は、相腰掛け銀にすると先手がちょっと良い感じになるので、それに対して後手は棒銀にするとどうなるか、という感じ。で、△棒銀vs▲右玉に関する記述が7割。いやあ、6筋から破るなんて方法があるんですね。昔はずいぶんと指された方法らしいんですが、全く知りませんでした。しかし、これは非常に分かりやすいし、使えるんじゃないかと。
 少し前の記事で書きましたが、ネット将棋で角換わりを指すと、右玉にしてくる人が相当多いです。腰掛け銀から右玉と戦う方法もあるんですが、それよりも棒銀で破る形のほうがシンプルで分かりやすい。逆に、右玉側からしてみたら、相手の駒組み次第で狙い筋が変わるので、右玉側を持って角換わりを指す人は必読なのかもしれません。
 それから「最新の後手棒銀」というのは、先手が右玉でない方法で後手棒銀を咎める順が書いてあります。これは、『よくわかる角換わり』にも同じ筋が書いてあったので、どちらの本を読んでもいいんじゃないかと。

第2章~3章:角換わり腰掛け銀
 ここは、近年の角換わりの本流だけあって、定跡が進化しています。というわけで、仮に『羽生の頭脳』で定跡を身につけても、負かされる事が多いんじゃないかと。腰掛け銀に関しては、『よくわかる角換わり』と『長岡研究ノート』や『これからの角換わり腰掛け銀』で勉強したほうが良いと思います。ただし、『羽生の頭脳』が無価値かというと、そんな事はありませんでした。
羽生の頭脳角換わり41手 最大の成果は、相腰掛け銀△74歩42金型に対する、先手▲28角の自陣角。これ、最新の相腰掛け銀の定跡書には、どれにも書いてませんでした。去年の末、僕はこの角打ちを喰らって、見るも無残に惨敗した経験があります(; ;)。受けるとしたら△63銀引か△62飛なんですが、それでは後手劣勢なのです。相腰掛け銀△74歩42金型は、現在の角換わりの流行戦型のひとつなので、遭遇機会は結構あると思います。その時、相手が最新の定跡書しか読んでいない場合、この角打ちで仕留めることが出来るんじゃないかと。これを喰らって、その場で最善手を探し出すのは、ちょっと難しいんじゃないかと。ここも、後手番で△42金型を指すなら必読じゃないかと思いました。
 もうひとつ、他の棋書には書いていない、しかし絶対に知っておきたい知識が、相腰掛け銀△43歩型の説明。腰掛け銀で、先手からの最も多用される攻め筋って、▲45歩なんじゃないかと思います。先後同形にきわめて近い角換わり腰掛け銀は、まともにいくと先手が先着出来る事になります。ということは、後手の対策として、4筋の歩を△43歩のまま留保して45の地点の争点を作らせないという事は十分考えられるし、ネット将棋では実際にそれなりに遭遇します。で、この対処法が、上記3冊にはどれも書いてありません。しかし、この本にはあっという間に潰す筋が書いてある(!)ので、△43歩保留に苦労している方は、一読をオススメ!
 それから、同形腰掛け銀で、先述のの3冊の本に書いていない変化がかなりたくさん書いてありました。これらの変化の権利は先手が持っているので、角換わりを先手番だけで指す方であれば、その筋を指さなければいいだけなので、読まなくても大丈夫。後手で指す場合は、読まないわけにはいかないという感じでしょうか。
 また、△44銀(先手なら▲66銀)に関する部分的な手筋が、この本はものすごく分かりやすい!腰かけ銀の▲45歩からの仕掛けの原理というものが、初めて分かった気がしました(^^)!これは秀逸。腰掛け銀の仕掛けと受けが分からないという方には、必読の章です。

第1章:角換わり棒銀
 先手棒銀は、以降に結論が覆るような新手が出てしまったということもあるし(その筋は『よくわかる角換わり』に書いてあります)、また解説や変化の量は『最新棒銀戦法』のほうが上回っています。上記2冊を読める状況であれば、この章はお役御免かも。

第5章:実践編
 実践編は読むつもりじゃなかったんですが…おおお!!羽生vs村山聖の大名局とか、羽生vs谷川の竜王戦なんかが、羽生さんの解説つきで載っているじゃないですか!!思わず並べちゃいました(^^)。。村山さんの終盤力、ハンパないわ。。思わず唸ってしまいました。まあでも、定跡勉強だけをしたいなら、読まなくても良いかも。

 さて、最初に書いたとおり、はじめて角換わりを勉強するのであれば、この本から始める事はお勧めできません。しかし、上述の通り、最新の定跡書に書かれていなくて、しかも今でも通用しそうな筋というのがけっこう書いてありました。中でも、右玉や腰掛け銀の△43歩保留などを何とかしたいと思っている方には特にオススメです!!また、これは僕個人の意見なのですが…もし居飛車党なら、『羽生の頭脳』は、全部持っておいたほうがいいんじゃないかと。全部を新品で揃えたとしても5000円ちょっとですし、中古で買えればその半額ぐらいで済みそうですし。それで対振り飛車も含めたほぼ全ての戦型の基礎が分かり、しかもいきなり古い定跡をさしてこられた時用の百科事典としても使えるというのは、素晴らしい事なんじゃないかと思うのです(^^)。


第55期王位戦 挑戦者決定リーグ 最終局一斉対局

 今日は王位戦の挑戦者決定リーグの最終戦。順位戦もそうですが、最終戦の一斉対局って、すごく燃えますよね(^^)。で、うち2局が、なんと棋譜中継あり!仕事中に何度もチラ見してしまいました。。

 さて、王位戦の挑戦者決定リーグというのは、紅組リーグと白組リーグに分かれていて、双方の優勝者が最後に挑戦者決定戦を行うという形式です。今期、面白いのは紅組の方。なんと、森内さん、広瀬さん、千田さんの3者が同率トップ。しかも直接対決が無いので、3者プレーオフまであり得る状態。全対局の棋譜が公式ブログに出ていたので、全部見てしまいました(^^)。すると…マジか、角換わり同形腰掛け銀が2局もある!!これって、先手よしで結論されたと勉強したばかりなのに。。う~ん、これは見ないわけにはいかないな。

○豊島将之 vs 森内俊之●
 この対局、棋譜中継されてました。最近の森内さんは、竜王名人を取るわ、棋聖戦の挑戦権も獲得するわと絶好調。その森内さん…後手番なのに、なんと角換わり相腰掛け銀同型に持ち込みます!うわ、マジか。。これは研究してきてるんだろうな。そして豊島さん、歩の突き捨て順を、先手必勝の「42173」ではなく、旧来の「43…」の順に代えました。きっと、後手がなんか狙ってる感がビシビシ伝わってきたんでしょうね。それでも…なんと後手森内さんが勝勢!!と思ったところで、竜王名人、まさかの悪手です(^^;)。いやあ、僕ですらひと目で分かるほどのミスだったので、勝ったと思って気が緩んだとか、そんな所だったんでしょうね。これは勿体ない。森内さんの挑戦の望みは消えました。残念。

○渡辺明 vs 森下卓●
 この対局も、なんと角換わり相腰掛け銀同型!プロ間では、同型腰掛け銀の研究が進んでいるのかもしれません。しかしこちらの対局は豊島vs森内と違い、渡辺さんは臆することなく先手必勝の「42173」の突き捨て。結果…渡辺さんの勝ち!!う~ん、こうなると、豊島さんに「42173」の順で指されたら、森内さんがどうしていたのかが見てみたかった。。

○広瀬章人 vs 澤田真吾●
 この将棋は序盤が驚愕!!▲76歩△34歩▲26歩△74歩▲25歩△72飛!!!な、なんだこりゃ?右三間飛車??しかし、そのまま7筋の攻防となったわけではなく、後手はひねり飛車模様にして、途中からは力戦模様。こうなってしまうと、先手が玉型が良く、新戦術をぶつけた澤田さんは無念の敗退。広瀬さんは、プレーオフ以上への進出が決定です!

●行方尚史 vs 千田翔太○
 この将棋も面白かった!横歩取りになり、先手の行方さんは青野流を採用したんですが、それを受ける千田さんが見た事のない独特な指し回し。いやあ、こんな応手もあるのか。千田さん、これは研究してきたな。。そんなわけで、行方さん、序盤から時間を使わせられてしまい、敗退。おお~~、若手の千田さん、これは金星です!!これで紅組は広瀬vs千田のプレーオフが決定!!

●及川拓馬 vs 佐藤康光○
 これも凄かった!!後手番の佐藤さんと言えばダイレクト向かい飛車ですが、今日は一手損角換わり。まあ、ダイレクト向かい飛車自体が、一手損角換わりの親戚みたいなものですからね。一手損角換わりの勉強にてこずっているので、参考にしようと思って見てみたら…相変わらずの佐藤ワンダーランド。まったく理解できません(^^;)。しかし、よくもこんな将棋を指せるな。序中盤の定跡が全く通じないという意味では、コンピュータに最も強いのは、実は佐藤康光さんなのかも知れませんね。

○藤井猛 vs 木村一基●
 これも棋譜中継のあった対局。対抗型のプロの棋譜を見たい僕としては、一番の注目局でした。そして、将棋は…おおお~~、藤井システムだ!!しかし木村さん、平然と穴熊を目指しています…が、ハッチを絞められずに完敗。普通にシステムの餌食になっていました(^^;)。居飛車党としては、持久戦で藤井システムを破る棋譜を見てみたかったです。

 そんなわけで、羽生さんへの挑戦権は、広瀬vs千田の勝者と木村さんの対局で決まります。今日の将棋はぜんぶ興味深いものばかりだったなあ。佐藤康光さんの棋譜は、もう一回じっくり見てみよう。。

第64回NHK杯 佐々木勇気 vs 阿部隆 (相掛かり)

 ついにここ数年を費やしての大仕事が本決まりとなり(v'ー^)マジデウレシイ、最終的な仕上げをしようと思っていたので、今日のNHK杯は見ないつもりでした。しかし、テレビをつけながら仕事しようと思ったのが運の尽き。今日のNHK杯はメチャメチャ面白かった!!名解説に凄い踏み込み、そしてグダグダの大混戦( ̄ー ̄)。この前の名人戦とはまた違った意味で、将棋の楽しさが色々と詰まった対局でした!

 出だしは相掛かり。それにしても、先崎さんの解説、分かり易いし面白い!説明が明快で分かり易くて、説明してくれた筋もいきなり使えそうなものばかり。説明がウーマンラッシュアワー並みに速いので、覚えるのに必死になってしまい、はやくもテレビから目が離せなくなってしまいました。また、くだを巻いたような喋り方が、品がなくって大好きです(^m^*)。。で、ですね…始まって早々、いきなり終盤戦みたいになってしまいました。こんな将棋があるのか。。縁台将棋みたいで面白えええ~~~!!

20140511_36手 図は36手目、後手が△24歩と打ったところ。あら?これ、飛車でタダじゃないの?と思ったら…そうか、蓋歩をされるとオシマイなので、取れないのか。しかし「その前に▲35歩△同歩の交換を入れれば蓋歩は利かない」という先崎さんの解説。すると…

▲35歩△同歩▲同飛
 おお!解説通りじゃないですか!!で、先崎さん「ここで△25歩の蓋じゃなくって△25角と打つ手があるんですが、それは▲66角という返し技があって後手まずい」。すると…

△25角▲66角
 後手、踏み込んだ!そして…先崎さんの解説通りだ~~~!!!「いや、これはまずいですよ。△47角成に▲84角で飛車を抜かれて後手は大きく駒損しますが…」

△47角成▲84角
 おおおおおおお~~~~!!!!先ちゃん、すげえええ~~~!!!

△23銀▲28飛△46馬▲26飛
 「いやあ、▲26飛のところでは、▲26飛打とするかと思ったんですけどね。それなら△28馬に▲同飛で…」おおおおお~~~!!!すげえええ~~~!!!これはどう考えても先崎さんが一番強いわ(^^)。。

20140511_55手 さらに進んで55手目。紛れる事もなく、将棋は一直線に進んでいます。後手はいよいよヤバい所で…

△19馬
 先崎「いやあ、これはいい手ではありませんでしたね。ここ、△57馬▲45飛△84馬とすれば…」な、なるほど~!!!先崎さん、マジですげええ~~~!!また、それを優等生的に話すんじゃなくって、酔っぱらってるんじゃないかと見紛うばかりにくだを巻いて話すから、楽しすぎる。。

 以降も、先崎さんの予言はズバズバ的中。読み筋もメチャクチャ的確。局面の考え方もすごく分かり易くて、先崎将棋講座みたいになっていました(^^)。将棋は相変わらず先手圧勝ペースで進んだんですが、ここから大混戦!!さすがに早指し戦なので、先手もそう簡単に最善手を選ぶことが出来ず、また優勢なものだから安全勝ちを狙ったのが裏目に出ちゃったり、ベテラン阿部さんの老獪な受けもあったりで、もつれまくりのグダグダな終盤が続きます。俺の指している将棋みたいだな、これ(^^;)。その間も、先崎さんは何度となく詰み筋をズバズバと指摘しちゃってます。

 結果は…あれ?どっちが勝ったんだっけな??やべえ、最後だけ見逃してしまった。。まあいいや、今日は、僕の中では先崎さんの勝ちです。いやあ、実に楽しい日曜日のひと時でした。…さて、仕事するか。

第72期名人戦 第3局 森内俊之 vs 羽生善治 (急戦矢倉5筋交換型)

 羽生さんの連勝でスタートした名人戦。森内さんは今日負けてしまうと後がなくなってしまうので、是が非でも勝ちたいところだと思います。相掛かりで往復ビンタされてしまったので、もう相掛かりは無いと思うのですが…おお!!森内さん、伝家の宝刀の矢倉を投入です!!

 序盤はサクサク進みます。矢倉は確定ですが、羽生さんは急戦にするか本組みに入るか…おお~!急戦だあああ!!実は昨日偶然にも、ネット将棋で久々に急戦矢倉を指したんです。得意戦型の筈が、角換わりの勉強ばかりしていたら色々と忘れていてボロボロでした(^^;ゞ。。この前の竜王戦で覚えたつもりだったんですが…まあいいや、これは絶好のタイミング、覚え直そう!

20140509_24手 盤面図は24手目、後手が角を繰り出したところです。阿久津流急戦ですね。ここまでは大丈夫。ここから▲25歩と進むとと、互いにわが道を進む攻め合い将棋。この前の△羽生▲渡辺の王将戦の何局目かに登場していた、後手が8筋の歩の交換から△85飛と引いて、グッチャグチャの将棋になったあのデンジャラスなやつです(^^)。しかしよく見かけるのは…

▲79角△73角▲46角△64銀

 このコースが一番よく見る気がします。玉形がいいので、先手はそれを活かす展開に引きずり込んだ方がいいんでしょうね。で、この前の△渡辺▲森内の竜王戦第1局では、ここで先手が▲68角と戻し、以下△55銀▲57銀△52飛で後手の矢倉中飛車。しかし同じ竜王戦で、先手の渡辺さんが踏み込み込んだ順がありまして…

20140509_29手▲75歩(29手目盤面図)

 そうそう、これです!この踏み込みの何が良いかというと、先手が香得確定のコースに入るんですよね。しかし、自分で先手を持って指すと、矢倉城の囲いの歩を自分から捨てに行くというのが、けっこう怖くて指せない。。そんなのも原因になっているのか、この辺りからがどうもうろ覚えでして…。

△84飛▲74歩△同飛

 後手は飛車を浮いて角頭を守り、以降の精算は必然。ここから▲76銀という手も昔はあったようなんですが、後手十分になると結論されたようで、今はあんまり指されないみたいです(しかし、その順を知らない…)。で、現在いちばんよく指されるのが…

▲56歩

 先手は一回受けておく、と。くっそ~、指されると思い出せるのになあ。。後手は急戦で一気に行きたいでしょうが、先手はじっくり行けば角交換から▲88角の打ち込みで香得は見えているので急戦に付き合いにいかない、という理屈なのかな?で、ここから△55歩と合わせるとどうなるのか?というのをいつも見てみたいと思っているのですが…乱戦になって楽しそうなんだけど(^m^*)ウシシ。で、本局は、見た事のある進行に。

△31玉▲25歩△51金▲76歩

 一番よくみる展開なんですが、この辺りは後手が辛そうにも見えます。急戦を仕掛けたのに仕掛けが封じられて駒組みに入っているという所で、いつも先手ペースに見えちゃうんですよね。急戦に行くんだったら、去年のNHK杯で郷田さんが指していたような「あくまで急戦!」という急戦矢倉の方がリクツに合っている気がするんですが、本当は、1手進んだら構想よりも実利、というのが正しいのかもしれません。また、ここで囲い合いに行ってどうなるのかというのが、今のプロの将棋界での課題局面なのかも。

△33銀

 ここも、渡辺さんが△33桂とあくまで急戦で突っ張ったのを見たことがあります(この前の竜王戦第2局)。行方新手なんだそうで。しかし本局の羽生さんは△33銀と守りました。これも、この前の渡辺-森内の竜王戦で登場してましたね(竜王戦第3局)。ああ、そう考えると、この前の竜王戦は、急戦矢倉の最新定跡の宝庫だったんだなあ。その時は先手森内さんが負けた気がするぞ。。という事は、今日はその筋の研究合戦という訳ですね。いやあ、これは面白い。。

▲65歩△同銀▲73角成△同桂▲82角

 来ました、先手香得確定の狙い筋です!この筋は絶対に覚えておこう…。

20140509_46手△42金上▲91角成△22玉(46手目盤全図)

 …いやあ、先手駒得の上に馬が出来、先手の言い分が全部通った局面だというのに、この課題局面って、後手の方が勝率が良いんじゃなかったっけ?アマチュアなら全く逆の結論になると思うんですが、プロってすげえな…。しかしこの順で渡辺さんに負けた森内さんなので、ちゃんと研究はしてきているんじゃないかと。

▲58香(47手目)

 おお~、捕獲した香を5筋の補強に使うのか。。なるほど、これで後手の右銀はこれ以上進出できなくなっちゃうわけですね。いやあ、これは後手手詰まりじゃないのか…羽生さん、ここで2時間を超える大長考に入り…羽生さんの放った手が凄かった!!

△84角

 …手の意味が、サッパリ分からないんですが。。で、プロの解説を見て、初めて納得。狙いは次の△64飛ではないかとの事。な、なるほど~~!!47手目▲58香は森内さんの研究手順だと思いますが、この△84角って、その場で思いついたんでしょうか?2時間考えたって事は、そうなんだろうなあ。それでも先手の方が良いんじゃないかという気がしますが、放っておいたら潰れなので、森内さんのここからの構想が勝負を分けるんじゃないかと。

▲79玉△64飛▲88玉

 ▲79玉~▲88玉は森内さんらしい構想。いや、そんな普通の手で受かるのか…。羽生さんは△64飛と攻撃準備を整えました。これはアマの僕でも分かります(^^)。8筋を叩いて銀を8筋に引っ張り出して、そこで一気に6筋突破でしょう!これは後手良しじゃないか、と思ったら…

△12香
 穴熊だ~~~~!!!
しかし…なぜ?先手が新しい戦場を作るのは難しそうに見えるので、さっきの攻防戦にまずい順があるのでしょうか?ちょっと嫌らしいのは馬、なのかな?う~ん、羽生さん、森内さん、渡辺さんの3人は異次元すぎる…。
 ここから両者の構想が予想外でした。後手羽生さんは襲い掛からずにカッチカチに穴熊を固め、先手森内さんは…9筋の歩を伸ばして手待ちです。なるほど、羽生さんは森内さんが香を受けに使った事を咎めているわけか。馬もソッポに行っているし、攻撃する気のない森内さんのカウンター狙いを逆用して、自分の方が堅くしてしまうと。いやあ、これは勝敗ではないところで、受け一辺倒の棋風自体を咎めに来ているんじゃなかろうか。棋風自体を咎められてしまうと、森内さんは今後もヤバいぞ。。

20140509_65手 で、羽生玉がカッチカチになった65手目。これ以上良い駒組みに出来そうもないので、そろそろ開戦という局面。攻撃の狙い筋は羽生さんの方にいっぱいあるように見えます。例えば桂跳ねの両取り。でもそうすると馬で飛車を抜かれるので、成立するかどうかは読まないといけない。…みたいに、成立するかどうかがかなり難解。でも、2手空く程度なら、穴熊の暴力で一気に潰せそうな気もするぞ。それにしてもこの盤面図、メチャクチャ面白い。。先手の82の馬のポジショニングが絶妙で、それを受ける後手の74の銀がこれまた見事。で、どちらかが動いた途端にこの均衡が崩れるわけですよね。森内さんは馬を攻撃に使いたいけど、動いた途端に自陣が潰れるというジレンマ。羽生さんは攻撃に行った瞬間に飛車を抜かれ、手が空けば一気に反撃される…だから穴熊に組んだという訳ですね。ようやく理解できました。。この盤面図だけでも、3時間ぐらい眺めていたいなあ。
 で、ここからの後手の仕掛けが驚異!!

△45歩▲同歩△46歩▲27飛

 おお~、いきなり行くんじゃなくって、嫌味をつけておくのか!!先手は手抜けないので後手の言いなりですが、しかし▲27飛というのはいかにも強い人の受けですね。さすが竜王名人、穴熊の急所から飛車先をどかしてくれません。

△65桂▲64馬△同歩▲82飛
 ついに跳ねました!!両取りですが、しかし飛車角交換もセットの踏み込みです!しかし、▲82飛は嫌な手だな。後手、正着を選ぶのが大変そう…。

△49角
 ええええ~~~w(゚д゚* )w!!!
いやあ、こういう時って、駒を取りつつの王手をかけてから次の手を指すのが絶対に良いと思っているので、△77銀成で金を取りつつの王手は確定、次にどうするかを考えるものだとばかり思っていたのですが、王手もかけず、角も逃げずに攻め合い!!すげえ、こんなんで後手が本当に良くなるのか?

▲28飛
 うああああ~~w(゚д゚* )w!!!
先手も先手で、タダで抜ける角を抜きに行かずに、飛車を躱しました!!もう、ついていけません。。いやあ、第一局からとんでもない次元の対局が続いている今回の名人戦ですが、今日もすごい事になったな。。

△47歩成▲84飛成△57と▲同金△同桂成▲同香

 いやあ、この辺の駒の捌き順は本当にスゴい。森内さんの飛車を躱してから角を抜く順も素晴らしければ、羽生さんの先にと金を作ってからの清算も指されてみればなるほどの順。で、次に待っていたのが…

△83金
 うああ!!なんと、これで龍が詰んでるのか!!いやあ、これだけ激しい局地戦を展開しながら、最後に龍を詰ましていたとは…。。先手陣に切り込んだとはいえ、後手の駒損が大きすぎて、実は森内さんの方が良いんじゃないか思えていたんですが…羽生さん、すげえ。。しかし…ここからの森内さんの反撃も凄かった!!

20140509_85手▲44桂(85手目盤面図)

 いやあ、龍を抜かれても手番は自分で駒得でもある竜王名人、桂の打ち込み一発であっという間に反撃です!いやあ、すごい将棋になったな、どっちが良いんだ、これ…。

△67銀

 羽生さん、これを受けずにまたしても攻め合い!!いや、これは攻め合いというよりも、既に寄せ合いなんじゃないか?シロウト目には、後手の穴熊は、何手か手が空いてしまうけれど確実に寄せる順があるのに対し、先手玉を寄せる順なんて、飛車の横利きが強烈すぎて、まったく見えません(^^;)。もしこれが本当に寄るなら、その順を見てみたい…

▲32桂成△78銀成▲同飛△32金▲41銀△31金▲32金△41金▲同金

 うわ、完全に攻め合いになったぞ。。しかし、この攻めは森内さんが先手。後手の穴熊は金駒をバラバラにされてしまった。。もう受け切るのは無理だろうけどZだから、ここから連続詰めろで迫れば後手勝てそうだけど…そんな順、あるんだろうか。。なければ森内さんの勝ちか。すげえ終盤になったな。

△67銀▲68金△86歩▲同歩△87歩▲同玉△59飛

 いやあ、ここもすげえ。。矢倉崩しの玉頭の叩きから△87歩は手筋ですが、しかし△67銀▲68金の交換を入れてからやるのか。で、玉を浮かしたところで、ケツからの飛車を狙う、と。しかし、底歩で合駒されたらどうすんだ?

▲69歩
ですよねえ。

△78銀不成▲同金△57飛成

いやあ、△57飛成のところで後手の攻めが切れ。いやあ、まずいですよ、これは。。そして、先手森内さんの反撃!

▲54角

うああ、次に▲31金か▲32金が入れば詰めろか。羽生さん、詰めろを掛けられるのか?

20140509_108手△85歩(108手目盤面図)

 あら?羽生さん、こんな流暢な事をしていていいのか?これは先手の大逆転じゃないかしら??

▲32金
先手からの詰めろ、 キタ━━(゚∀゚)━━!!! う~ん、もう△22金で受け切れるかどうかという感じですが、それも先に△86歩で王手してから考えるべきだよな…と思ったら…

△86歩▲96玉△84桂▲86玉△85歩▲97玉
 いやあ、羽生さん、これは王手してるだけで、寄らないんじゃ?ニコニコ動画の一二三さんも寄らないって言ってるぞ。。と思ったら…

△77龍
 うおおお~~!!龍を切ったああ!!!!
いやあ、これ、▲同金の一択かと思いますが、それで寄っているのか??▲同金△96金▲88玉△87飛で、①▲79玉なら△88銀▲78玉△77銀成△88銀▲同桂以下の詰み。②▲同金なら△同金▲同玉△86香▲78玉△67金以下の詰み。…なんと、寄ってました。。という事は、108手目の遅そうな△85歩は、なんと詰めろだったのか(@_@;)。えっと、逆算すると…29手詰め?!!いやあ、先手は受けずに詰めろをかけに行ったという事は、森内さんも見えていなかった可能性があります。108手目の△85歩が詰めろになっている事が見える人が、一体どれぐらいいるんだろうか。。結果、120手にて後手羽生さんの勝ち、3連勝です!!

 いや~、この将棋はすごかった!!序盤は定跡の勉強になるし、中盤は▲58香に△84角という新定跡を見ることが出来たわ、以降ももの凄い構想力に踏み込みの綾、終盤はとんでもなく見事な攻防を見る事が出来ました。
 今期の名人戦は羽生さんが3連勝ですが、しかし森内さんも強い強い!ちょっと異次元の戦い、まさにこれぞプロという見事な名人戦だと思います!

右玉破り

 腰掛け銀の勉強が終わったので、先手番でも後手番でも、狙えたら角換わりを狙っています。指さないと身につきませんからね。しかし…僕が覚えた形になかなかならず、とうとう、角換わりの勝率が29%になってしまいました。よ、弱ええ…。。その僅かな勝ちも、たぶん棒銀で勝ったものだと思うので、腰掛け銀は全敗なんじゃなかろうか。。咬ませ犬にもほどがあります。。

 でも、何番も角換わりを指していて、気づいた事がいくつかあります。81dojoの場合、初段になって以降、角換わり棒銀を指したのは僕ぐらいなもので、ほとんどの人は右玉に組むか、腰掛け銀にしてきます。で、意外だったのが、右玉に組む人が非常に多いという事。これは対策しないと、勝率2割を切る事も時間の問題である気がしてきています。

20140503_37手①▲99飛と振る狙い
 僕は、△右玉の定跡を『よくわかる角換わり』で勉強しました。『よくわかる~』に書いてある右玉対策は、普通に▲79玉~▲88玉と潜る組み方ではなくって、盤面図のように▲67金とあがって受ける方法。まあ、そんなに一度にたくさんは指せないし覚えきれないので、これを指していたんですが、どうもこれがうろ覚えだったみたい。先手の狙いのひとつは、飛車を地下鉄飛車から9筋に振り直し、右玉の囲えていない方から崩すというもの。例えば、後手がここで手待ちに入ると…

△72玉▲78玉△62金▲56歩△52金▲88銀△62金▲77桂△52金▲98香△62金▲99飛

 みたいな感じで、9筋から飛車香の2段ロケット&桂馬の猛攻が炸裂します。まず、右玉に対して▲67金とした場合の狙いの本命はこれ。で、これは覚えていたんですよ。問題は…

②後手の反撃に対する定跡
 ▲99飛が強烈な攻めなものだから、あまりに強引にその形にしようと拘りすぎていたみたいで、これが最大の敗因であったんじゃないかと。▲99飛の弱点は…飛車を振れる形を完成させるまでに、ものすごく手がかかるんです。これはあくまで後手が手待ちや緩手を指して来た時に可能になる筋であって、後手が先制してくると、▲99飛は間に合わない。
 右玉からの攻撃で、何度も負かされたパターンは、後手の飛車を1筋や2筋に回されて、これを受け切れないというもの。先手陣の右辺には金駒が一枚も残っていないので、これを喰らうと受けづらい。で、後手が飛車を回すのに邪魔駒になっているのが、21の桂。これを跳ねることころまで駒組みを進められると、先手は結構ヤバい。その桂が跳ねるには33の銀が邪魔。となると、後手の反撃筋は、盤面図から△44銀は、それ自体が先制の筋でもあるし、桂跳ねも用意できるしで、先手にとっては見た目以上に脅威になる手である事が多かったです。この銀を何とかしないと…。定跡手順は…

△44銀▲78玉△35歩
 ▲78玉の寄りは、右辺を放置してでも優先すべき手なのかどうか。僕には判断の難しい手なのですが、定跡はこれみたいです。後手飛車先の8筋に利きを作っておく手が大きいという事と、戦場から一路遠くなるというのが大きいと見ているんでしょうね。で、後手は、桂跳ねよりも先に△35歩から先制!

▲同歩△同銀▲45桂
 ▲45桂に代えて▲36歩と普通に収めても互角らしいんですが、せっかく勉強したので、激しく反撃する方法を覚えてしまおうかと。それは▲45桂。いやあ、デンジャラスな順に踏み込む手があるものです(^^;)。

20140503_46手△44銀▲39飛△35歩(46手目盤面図)▲56歩

 44銀の所では色々と考えられるところですが、これが最善手らしいです。こうなると戦場での形が崩れたので、先手に攻め筋が発生。手番が先手となったのを利用して、▲39飛。それを後手が受け、先手は銀の進出を阻む▲56歩と突き返したところで、ひと段落。ここからは、実力勝負という事のようです。

 それから、▲67金に代えての、右玉対策のもうひとつの▲79玉~▲88玉と潜る組み方というのは、『よくわかる~』には載っていませんでした。まだ読んでいない、僕が持っている角換わりの本に、糸谷さんの『現代将棋の思想 ~一手損角換わり編~』があります。右玉って一手損でよく見かけるので、その本を読んだ時に、▲79玉~▲88玉の方が戦えるようだったら、そちらにスイッチするというのも手かも。

20140428_69手③右玉の急所
 あとは、僕にとっての囲い崩しのバイブル『佐藤康光の実戦で使える囲いの急所』に出ていた右玉崩しも、いつの間にか忘れていました。昔はこればっかり使って右玉を破っていたというのに。。

 盤面図は、先月末ぐらいに指した角換わりの将棋です。ちょっと珍しいのですが、先手が右玉、後手が僕で、例によって△43金の玉形を作っての対右玉対策。中盤はうまく指し回し、まるまる角得して、後手よしの状況だと思います。で、問題の69手目盤面図が来ました。ここで僕は、ずっと狙っていた△11飛と回る事の出来るチャンスと思い…

△11飛▲35歩△45歩▲34歩
 ここで何が起きていたのかというと、△11飛なんかより、△45歩としておけば後手優勢だったんじゃないかと。△45歩に▲同歩と出来ないんですよね。そうすると△45同桂で、これまた▲同桂が出来ない。そうしたら△19角成で飛車がタダの上に詰めろがかかる(o^▽^)o。で、▲35歩とされた後に「あ!△45歩で良かったんだ」と思って、焦って△45歩としてしまい、その時には▲34歩が発生していて、先手優勢の局面が一気に混戦になってしまい、最終的には負けてしまいました(- -*)。
 さて、佐藤さんの本に出ていた狙いは、まさにこの将棋でいう△45歩であって、右玉は玉頭や桂頭が弱点。こんなの、何度も勉強していた筈なのに。。こちらの自陣角は、相手の打ち込んだ角を捕獲するために打った角なので、相手の手に乗って、いわば労せずして桂頭にラインを作った絶好の角だったわけです。こんなに条件が揃っていたのに、アホでした。。

 というわけで、今度、対右玉戦になったら、これらの反省を踏まえて、なんとか勝ちパターンを自分の中に作り上げたいです。糸谷さんの本を読む前に、とにかく今までの勉強を身につけないと。。

第64回NHK杯 永瀬拓矢 vs 澤田真吾 (矢倉)

 永瀬さんも澤田さんも、若手強豪でよく名前を見かけるのですが、実際に指している対局姿を見たことがありません。若手の人の将棋は最新形だったりして勉強になるので楽しみ!

 先手の永瀬さん、対局前インタビューでは「横歩取り」発言をしていたのですが、3手目に▲67銀で矢倉を志向。…最初の発言は何だったのでしょうか(^ ^;)。で、指し手はガンガン進むんですが、後手の澤田さん、居玉のままで指してます。う~ん、こんな指し方もあるのか。しかし、綺麗に▲46銀37桂の駒組みを完成させた先手に比べて、後手は玉も潜れないわ、攻め筋もぼやけているわで、アマチュアからすると先手十分の序盤に見えました。ところが、先手永瀬さんがここで指した手がビックリ。

20140504_45手▲39飛(45手目盤面図)

 え?なんだこれ?う~ん、どう考えても手待ちだよなあ。解説の大石さんが「見た事ある局面」と言っていたので、定跡か、少なくとも前例のある指し手みたいなんですが、僕程度のレベルでは意味が分かりません。矢倉って相居飛車の典型で、ほぼ先後同形になるので、先制した方が有利だと思ってます。それに、矢倉にとって飛車の8筋の横利きは、もし守勢になった時に守りの要ともなりうるので、僕が学んできた常識では、この飛車引きで良いというリクツが全く分かりませんでした。というわけで、以降、どうなってしまうのか興味津々だったのですが…

△85桂
 これで後手は先着の権利を持ったように思えます。

▲35歩△同歩▲同銀△同銀▲同角
 先手もよくある精算に出て、攻めと守りの銀を交換して、少し得という考えでしょうが、ここで手が切れるので、後手に反撃されますよね。

△75歩▲同歩
 7筋の歩を突き捨ててから…

△34歩▲46角
 3筋を守りつつ角を追い返してから…

20140504_56手△35銀(56手目盤面図)

 いや、これは決まったでしょう。後手は銀での先手の右辺突破が確定。先手玉の上部からの攻めも桂を跳ね終わって角銀も直撃で、少しでも駒得をしたら一気に勝負に行けます。釣り合っているとしたら、玉形の差で差し引き5分になるかならないかぐらいと思ったのですが、後手の左銀が33にいないので、先手からの▲25桂がぜんぜん痛くないというので、やっぱり先手キツいんじゃないかと。攻め合い自体としては後手の勝ちだと思って見ていました。
 先手はもう受からないので、受けていたら終了。という事は、ここで攻め合いに踏み込むんじゃないかと。こうなってからの叩き合いが矢倉の面白さですよね(^^)。で、それがどのぐらい厳しいかが、この将棋の勝敗を分けるんじゃないかと思っていたところ…

▲73銀
 ん?タダじゃないのか、これ。…おおお、△73同銀だと、▲同角があるのか!いやあ、これは嫌らしい手だ!!この瞬間にどちらも相手の言いなりにならない喧嘩になり、一気に面白くなりました!!今度は後手が受けが難しいですよ。ということは、攻め合いもあり得る?
 攻めるとすると?△46銀▲82銀不成△48角▲29飛(▲79飛?)の順は先手陣を崩壊させることが出来ますが、しかし飛車を渡す事になるので、玉を囲っていない現状では反撃が怖すぎるか。
 じゃ、守るとすると?△92飛が自然な感じがしますが、その途端に攻め筋のひとつが消えてしまう。△83飛だと攻め筋が残せるけど、飛車の横利きの防御がなくなるのか。それは、玉の潜り切っていない状況では危険?…いやあ、これは判断が難しいぞ。。しかし▲73銀みたいな打ち方があるのか。これは勉強になったぞ。。

△92飛▲64銀成△同歩▲68角
 お、後手は一番安全な順で行きました。という事は、後手は自分の方が良いと見ているのか、これが最善と見ているのか。精算し終わったところで、先手は質駒になっていた角を逃げなくてはならないので、後手は手番を渡さずに行ける、…という意味では、後手の方が指しやすいは指しやすいかも。しかし、飛車を9筋に振らされてしまったし、玉頭への速い攻めはなさそうだし、最初の構想だった急戦調で前に出た△35銀が遊んでいるので、ここはその銀を踏み込んでいくのかと思ったら…

△28銀
 えええ~~~!!なんだこれ?香は取れるでしょうが、銀が完全にソッポなので、いってみれば銀のかわりに香を入手みたいな手に思えるのですが…。この手が良い手だったかどうなのか、僕には分かりませんが…この後、非常に難しい順での駒の捌き合いの後、後手が押し切ってしまいました!!104手にて後手澤田さんの勝ち!う~ん、信じられん。。△28銀で補充した香は、一応は使えたものの、それほど役に立っていなかった気も…。

 今日の将棋は、先手にしても後手にしても、指し手が非常に難解でした。僕みたいなマニュアル人間には、渡辺さんとか郷田さんのような、理路整然とした指し手の将棋じゃないと、意味を理解するのも大変です(´;ω;`)。

妻に将棋を教えてみた② ~叩きの歩を覚えると急速に成長する件~

 来たるこどもの日に、例の将棋好きの甥っ子とまた会うかもしれません。その日に向けて…妻、将棋の猛特訓中です!モノを考えるという作業が得意ではないみたいなので、将棋を教える事以上に、思考というものの方法を教える事がメインになっています(^^;)。

 実際の将棋のテクニックとしては、叩きの歩をしつこく教えてみました。すると…おお、みるみる勝率があがっていくではありませんか!!いままではネットのハム将棋の8枚落ちを相手に勝てなかったのですが、昨日は連勝してました。う~ん、けっこう上達が速い気がする。初心者でつまずいている人がいたら、叩きの歩を教えると、上達が速くなるのかも知れませんヨ。「あしたの為にその1」に匹敵する成果があるかも。

 こどもの日まであとわずか。ハム将棋相手に平手で互角になれば、甥っ子ともいい勝負になるかもしれません。さて、間に合いますかどうか…。
プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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