学生将棋選手権で、小学生が優勝?!

 電王戦の裏で、とんでもない事が起きていました。学生将棋選手権で、小学生の関君という少年が、東大将棋部のレギュラーを4人も撃破、更に早稲田大学の将棋部主将まで倒しての優勝との事!!こ、これは…第2の羽生さんの誕生か?!あまりにも衝撃的なニュース。小学生でこの強さという事は、構想力とか終盤力は既に一流なんでしょうね。これで序盤定跡を覚えていったとしたら…いやあ、想像するだけで寒気がしてきました。。数年後、プロ将棋界に大旋風を巻き起こすんじゃないでしょうか。関君か、名前を憶えておこう…。

  そうそう、この前、あまりに強いネット将棋の対戦相手が小学生だと知り、ショックを覚えた事がありました。ずっと敬語で話していた俺も俺ですが、ずっとタメ口で感想戦をつけてきた小学生も小学生ですよね(゚ω゚*)。そんな事があったものだから、小学生に「参りました」と言わなければならなかった、日本の一流大学のアマ強豪さんたちの心情は察するに余りあります。一生懸命勉強してきて、東大や早大に入って、その名門将棋部に入って、まだ古文も免疫学も文化人類学も数Ⅰも何も知らないハナタレ小僧に平伏すわけですよね…。これがあるから、人間の出来ていない僕は、恐くて道場には行けません。少しでも生意気な態度を取られた瞬間に殴っちゃいそうで(゚∀゚*)エヘヘ。

第3回電王戦 第3局 豊島将之 vs YSS (横歩取り)

 出場棋士の中でガチで強いのは、今日の豊島さんじゃないかと思っています。この1年、豊島さんの棋譜は結構見てきましたが、羽生さんや渡辺さんのような異常な終盤力にこそ届きませんが、序中盤ではこのふたりに勝るとも劣らないんじゃないかというぐらいに強い!化け物じみて強い!今この瞬間だけでいえば、屋敷さんよりも強いんじゃないかと思えます。つまり、この対局は人間強豪vsコンピュータ強豪。これは、現段階での人間vsコンピュータのパワーバランスを知るに最も適した対局と思っていました。将棋のような性質のゲームの場合、コンピュータ有利である事は分かり切っていますが、それでも人間将棋の好きな僕の心情としては、やっぱり豊島さんに勝って欲しいと思っちゃいます。

 さて、将棋は豊島さんの先手で、横歩取りになりました。実は先週まで、プログラム相手にはがっちり固めた持久戦の方がいいと思ってました。ところが持久戦になると、コンピューターは少しでもリードすると、その僅かな差を徐々に徐々に、しかも着実に広げていく。プログラムによって違いはあるんでしょうが、しかし玉の堅さに拘る所は、プログラムに共通する特徴なのかも。玉の堅さ、つまり詰みまでの速度計算というのは「計算」なので、これはコンピュータの得意分野なんでしょうね。というわけで、実はプログラム相手には持久戦よりも急戦の方が良いのかも。手が広すぎてとてもすべての変化まで計算する事が困難な序盤が狙い目になりますからね。その意味では、横歩は人間にとって意外と良い戦型かも知れません。定跡も整備し切れていませんから、定跡のプログラミングだけではカバーしきれないだろうし、その段階で演算しようとすると…。もしプログラムの形勢判断というものが、手空き計算の発生しない段階では、駒の損得とか玉の堅さとかを重要視しているのだとしたら、序盤で大駒を切った方が得というような将棋になった場合は、けっこう形勢判断を誤るんじゃなかろうか。そして横歩とか角換わりって、大駒を叩き切ってでも駒の働きをよくしたほうが優勢になっちゃうような大局観の戦型だと思うので、人間にチャンスが出てくるような気もする。

2014032922手 さて、その最序盤から、コンピュータが怪しい手を指しました。22手目、玉を62にあがるという、見た事のない手。ウハ、なんだこれ…。いやあ、コンピュータの強さをさんざん見せられてきたものだから、コンピュータの指し手が全部すごいものに見えちゃう。これもとんでもない新手/有力手が生まれたのかとも思ったんですが…しかし本当にそうなんでしょうか。江戸時代からある横歩という戦型で、中住まいにしても中原囲いにしても、なんで紆余曲折の末に52玉型に就縛していったのか、そこには理由がありますよね。ソフトの狙いは左辺に飛車を振って右辺に玉を囲うという事なんでしょうが、横歩の後手の急所って、なにせ一番が3筋と、僕は教科書で覚えました。これ、その一番の急所の3筋攻めをされても大丈夫なんでしょうか??

▲33角成△同桂

 豊島さん、いったあああ!!いやあ、やっぱりそうですよね。僕みたいなグダグダのアマチュアですら、ここは角交換から桂頭攻めとか、3筋に手をつける一手。いや、コンピュータはこれで大丈夫と判断してるのか?これで後手受かるんだったら、横歩の歴史が変わっちゃうぞ…

▲21角

 うおおお!!豊島さん、一番激しい順で行ったあああ!!!
いやあ、25手目ではやくも角捨てか、スゴイ踏み込みです。後手は攻め合いなんて全然無理な段階だから、受けか攻防でしょうが、△42金だと▲22飛成か。これは先手勝ちですね。玉寄りは?…そうか、62にいっちゃったから届かないか。△23金だと▲43角成か。これはきついけど、まあり得る手か。△25歩だと?おお、これは受かりそうだな。先手が飛車を逃げてくれば、受かるどころか後手優勢に出来るかもしれない。じゃ、飛車取りを手抜いて▲32角成?それで先手いいのか?いやあ、豊島さん、おっかない順に飛び込んだものです。と思ったら、コンピュータの指し手は…

△31銀

 えええ?これは…コンピュータの悪手、キタ━━━d(゚∀゚)b━━━!!
いや、これこそ角切りから龍を作って先手優勢だろ…。

▲32角成△同銀▲22飛成

 そうですよね、やっぱり。。角金交換でも、囲い切れていない後手陣に龍を作れれば、さすがに先手良い気がします。しかしあの踏み込み、豊島さんはプログラムが△31銀と引く事を知っていたんじゃなかろうか。△25歩とされたらけっこう怖い変化でしたよね…。(*追記:局後の野月さんと久保さんの解説によると、△44角の打ち返しでかなり難しい将棋であったとの事。また、事前の練習対局では、この△44角が一番多い手だったそうです。)別の見方をすると、このプログラムの形勢判断の基準というものを知りたいです。それが分かれば、けっこうプログラム攻略の戦略が立てやすいかも。でもそうなると、もう将棋じゃなくって、ファミコンの裏ワザ探しみたいだな。。解説の久保さんも、ゲストで出てくる糸谷さんをはじめとしたプロ棋士の方も、みんな先手よしという判断です。

 そして、今は夕方の4時半ぐらい。YSSが投了しました!豊島さん、時間を余しまくり、しかも大差勝ちです!!やっと横歩のスペシャリストの野月さんが解説に来た時には、大差過ぎて解説するところがありませんでした(^^;)。野月さんの解説、異常に分かり易くて大好きなので、ちょっともったいない気がしました。僕は横歩取りの勝率が他の戦型より少しだけいいんですが、それは8割がた野月さんのおかげだと思っています。

 しかし、あの豊島さんの踏み込み。局後のインタビューでは、「練習ではプログラムが△31銀と引く手は少なかった」「今日の棋譜は初めての局面だった」との事。さんざん言っておきながら、僕の想像は大外れでした、ゴメンナサイm(_ _)m。。なんと嵌め手ではなく、ガチの勝ちだったとは。いやあ、豊島さん、凄い。。
 まあそれでも、先にソフトを貸して研究アリとしてしまうと、研究手に嵌めるという事態があり得るわけですね。作為的な棋戦の気が…。2枚舌なんて使わずにありのままに言うか、「人間vsコンピュータ」と言い切るなら、どんなに人間が苦しくても公平性を保つよう努力すればいいのに。炎上商法に2枚舌にバランス調整か。。何やってもいいんですかね。この主宰者、嫌いだなあ。

 豊島さん、、この一戦に向けて練習対局を1000番以上指したのか!しかも、直前にやった本番と同じ持ち時間に設定した練習対局は全勝だったのか。す、凄い…。この勝利は偶然ではなく、勝って当然だったのか。強い人には、強いなりの訳があるんだなあ。尊敬しちゃいました(^^)。

第63期王将戦 第7局 羽生善治 vs 渡辺明 (ゴキゲン中飛車)

 最終局にまでもつれた王将戦。泣いても笑っても、勝った方が王将です!渡辺さんが勝てば2冠、羽生さんが勝てば4冠か、どちらもすごいな。そして最終局の振り駒は…おおっ!羽生さんが先手、そして…なんと渡辺さん、再びゴキゲン中飛車を投入です!!最近後手番でちょくちょくゴキゲン中飛車を指す渡辺さんですが、対振り飛車戦の勝率が異常に高い羽生さん相手に、しかもタイトルをかけた大一番で連投というのは、なにか狙いの筋があるのでしょうか。ちょっと不気味…。

 さて、第4局では超速▲37銀戦法から中飛車を破った羽生さんですが、今回先に手を変えたのは、なんと4局で勝ったはずの羽生さんの方。やっぱり不気味なんだろうな…。そして羽生さん、穴熊に組みました!!おおお、対中飛車に穴熊とは僕と同じじゃないですか!プロは超速▲37銀が多いので、中飛車の穴熊戦を見る事が出来るのは貴重かも。と思ったら…なんと、渡辺さんも穴熊?!はやくも訳わからなくなってまいりました(^^;)。

20140326_36手 しかし、羽生さんの穴熊が面白い。対中飛車の穴熊って、面白い組み方になるものが多いですよね。今日の羽生さんの穴熊は、金の位置が一路違っていて、8筋じゃなくって7筋に並んでる。そういえば、今期のNHK杯で、渡辺さんを破った時の広瀬さんの四間飛車穴熊も、こんな組み方をしていました。たしかにこれだと穴熊にしつつ中飛車の5筋も受けられるなあ。メモメモ。。さて、この相穴熊、どちらも玉のコビンのラインの歩があいているのがおっかない。これは、既に角のラインが直撃している振り飛車側の方が指しやすそうに見えるなあ。これは相穴熊戦とはいえ、けっこうはやい決着になるかもしれません。。
 そして、ここからの中盤戦がもの凄い濃さで、一手一手にもの凄い駆け引きが。

▲86角△84歩

 86への角あがりは対中飛車戦でよく見る手ですが、相手が穴熊でも使えるのか。で、それに対する渡辺さんの△84歩がえらい強気の手。角を追い返そうという狙いだと思うのですが、先手玉の玉頭攻めにもなりますが、後手玉の穴熊の守りの歩が上ずるという諸刃の剣。いや、この手が勝敗を分けてしまったのだから、中盤の構想というのがどれだけ大事かという事を、改めて思い知らされました。。

▲38飛△51角

 この手の交換も面白かったです。先手は3筋攻め、後手は角の転換を図る手の交換。この一手で、互いの構想がはっきりしました。しかし、あの角を活用される展開になると、コビンがあいているのと、玉頭攻めになっているのが怖いなあ。先手は、玉頭攻めに対するカウンターは考えておきたい。出来れば、先手はやっぱり69の金だけでもいいから穴熊にくっつけて88の銀を補強しておきたいところだけど、そこに手を加えている暇がないかも。

▲35歩△85歩▲77角△35歩▲同銀

 うおお!!羽生さん、囲うより先に仕掛けた!!解説の中村さんも同じ手を推奨していたので、穴熊を堅くしていると、プロの目では後手からいい手があるんでしょうね。また、渡辺さんがそれをいきなり受けず、角を追い返し玉頭攻めにいってから歩を取り返しました。いやあ、こういう手順の尽くし方がプロは綿密だ。いやあ、さっきから別の戦場での速度合戦になっているんですが、こんな遠い段階から速度計算なんて、アマチュアにはとても無理です。。

△45銀

 うおお、後手は銀を取らないのか?!ここで突然曲線的な手を指すという事は、先手の方がいいと見ているのでしょうか?…いや、この3筋の戦場を決着させず膠着状態にしたまま捨て置いて、自分だけ玉頭攻めを専攻しようという事なのかもしれません。玉頭攻めなら、先手は手抜けませんからね。いやあ、これはスゴイ。。上手くいくかどうかは分かりませんが、これは渡辺さんの構想がいいように思えるぞ。

20140327_70手 こんな調子で、中盤は互いの主張を通そうとする意地の張り合い。そして70手目、とうとう渡辺さんの角が捌け、55の八方睨みとなります。まさに渡辺さんの構想勝ちですね。玉頭も押さえ、穴熊の弱点であるコビンから角のラインも利かせた後手に不満はなさそう。問題は先手の羽生さんの攻めですが、崩す手順はいくらでも見えますが、問題は速度。これぞ穴熊の暴力ですね。

▲53歩
 なるほど~、△53同飛と取らせて▲72歩で勝負か!しかしこれ、どっちが速いんだろうか…

△87歩成
 うおお、渡辺さん、手抜いた!!いや、ここで踏み込むという事は、渡辺さんは読み切ったか?!

▲同金△86歩▲同金△85歩
 渡辺さん、金を歩で叩きまくっております(^^;)。羽生さんの金が吊り出されていく、と思ったら…

▲52歩成
 うおお、ここで羽生さんは金を見捨てて飛車を取りに行ったああ!!いや、このタイミングか。

△86歩▲66歩
 いや、この羽生さんの▲66歩が個人的には難しすぎる一手でした。何度も見返しているんですが、いまだに意味が分かりません。▲77歩なら手順に金を穴熊にくっつけられるので分かるんですが…。なんか、既に悪くって、紛れの生まれる手だったとか、そういうフワッとした手だったのかもしれません。

△87歩成
 渡辺さん、踏み込んだ~~!!以降は手数こそ長いものの、渡辺さんの流れるような寄せが決まり、110手にて後手渡辺さんの勝利。渡辺さん、王将をフルセットの末防衛、2冠を死守しました!!

 う~ん、この将棋、遡れば、なんと37手目からの▲86角△84歩▲38飛△51角という手の交換の時点で、実は後手の作戦勝ちだったのかもしれません。▲86角なんて対中飛車でいくらでも出てくる、とても自然な手に見えたんですが…いやあ、中盤って、恐ろしいな。。それにしても、中盤の構想の時点で、なんと既にどちらが速いかという構想合戦になったと恐るべき将棋でした。こんなの、100年経っても僕は指せるようになれる気がしません(^^;)。いやあ、このふたりの強さは、ちょっと桁外れであると感じました。面白かった!!

人間 VS コンピューターの将棋についての私見

 第3回電王戦の第2局対局の前に色々あったみたいですね。コンピューター側は、電王戦の予選の時と同じプログラムで出場しなくてはならないという事だったらしいのですが、それを直前で「バグ直し」として書き換えたそうで。しかし実際には「探索部のプログラムを丸ごと替えた」そうで。http://d.hatena.ne.jp/hiraoka64/20140317/1395071887 いや、こんなの別のソフトでしょ。。
 まあしかし、人間とコンピューターの対局という事の意味だけを考えれば、これは些末事というか、僕的には大した問題じゃありませんでした。問題に思えるのは、主宰者の炎上商法みたいな煽り…これが見ていて気分が悪かったです。こういう所をネタに、遺恨試合のようなアングルを作ろうとするって…嫌な感じでした。視聴者数を稼げれば、何でもあり?それにしても、なんで僕はあれをあんなに不快に思ってしまったのか。どうもこれが、最初から今回の電王戦を見る気になれないでいる理由と繋がっているように思えます。

 将棋って、「人間同士が行うゲーム」という前提のものだったと思います。前提というより、他の成立の仕方があり得なかった。それが時代が変わりコンピューターが介入したところで、前提が崩れた。崩れるとどうなるか…これはデリケートな問題です。僕個人は、気の合う人と一喜一憂しながら指す縁台将棋とか、あるいは日々精進したプロ棋士同士が腕を競い合うプロ将棋とか、人の生活する時間の中での楽しみとして機能してくれる将棋が好きです。しかし、今となってはコンピューターの介入を防ぐ術なんてない(防ぎたいと思う人はいるかもしれませんが)。この状況になると、①コンピューターの介入しない人間将棋という枠、②人とコンピューターの混在する将棋③コンピューターだけの将棋(まったく人が介在しないという事は不可能ですが…)、この3つを考える必要がある。問題は、人とコンピューターの混在する将棋をどう考えるかだと思います。多分これからは、人間+コンピューターという枠が、将棋というゲームを極める最前線になっていくんだと思います。だから、最強の将棋の追求者というのは、プロ棋士ではなくてプログラマーという事になっていくと思うんですよ。プロ棋士だって最強の追求者であるとは思うんですが、そこには「人間同士のみ」という付帯条件がついてしまう。コンピューターがあるのに敢えてそれを使わないで指すわけですから。ところで、その最善手というものを追及していった先に将棋の完全解が解明されたとして、そしてその時に人間対人間の将棋がなくなっていたとしたら、一体何が残るんでしょうか。将棋の完全解なんて、コンピューターにとっては何の意味もないと思うんです。結局、それが意味を持つのは人間にとってだけなんですよね。ここで問題になるのって、完全解云々じゃなくって、やっぱりコンピューターをどう介入させるかという問題だと思います。人間将棋、人間+コンピューター将棋、コンピューター将棋、これらの3つをどう関係づけるか。これを意味の面からも考えないといけない。ちゃんと考えないと、人間の生活の中で、将棋って微妙なものになっちゃうんじゃないでしょうか。

 プロ将棋も、人間将棋です。人間将棋にコンピューターを介入させるなら、研究道具として使うとか、将棋そのもののゲーム構造の解析とか、そういう所に使ってほしい。それ以上に踏み込むと、それは人間将棋ではなくって、人間+コンピューターの領域であって、それはプロ将棋の領域ではないでしょう。

 「人間vsコンピューター」とかいう対立構造を作って、煽って、興業をぶっていること自体に、なんか白けているんでしょうね、僕は。論旨がずらされているというか、ペテンに踊らされているだけというか。でも、この「踊らされている」というのが、観客だけじゃなくって、プロ棋士もソフトのプログラマーもみんな踊らされているだけに見えちゃう。この主宰者を見るに、以下のような寓話を思い出してしまいます。

 静かで平和な漁村に、ひとりの銀行家が来た。その銀行家が村を引っ掻き回し、村人は守銭奴になり、起きている時間の大半を労働に費やすようになり、村人は魚を乱獲しまくって魚が全滅、村から何もなくなったところで銀行家が村から去った。村には銀行に返済する借金だけが残った。

 将棋連盟さんも、変な人形使いに踊らされるのはそろそろやめた方がいいんじゃないかと。荒らされるだけ荒らされて、色んなものを失ってオシマイ、という事になっちゃいますよ。前回の電王戦の総括での谷川会長の発言を聞いた時に、かなり視点がずれているというか、考えが浅い人だな、と思えてしまいました。人間VSコンピューターとか、またそんな所が論点だと思っているんだとしたら、ちょっとね…。将棋の上での、人間とコンピューターの関係性の築き方というものを、意味の観点からもう少しマジメに考える頃なんじゃないかと思いました。

第63回NHK杯 決勝戦 丸山忠久 vs 郷田真隆 (横歩取り青野流)

 今期NHK杯もとうとうクライマックス、決勝です!今期NHK杯は羽生さんや渡辺さんが早々と消え、若手が健闘しまくり、謎局と名局が入り混じるというなんともカオスなトーナメントであったと思います。しかし、決勝まで来てみると、やっぱり残るのは強豪なんですね。若い頃の羽生さんが、一二三さん、大山さん、中原さん、谷川さんといった名人を総なめにして優勝した、なんていう事は、やっぱりそう簡単に起こらないんですね。今日の決勝は、どちらも好きな棋士さん。どちらもガンバレ!!そしてこの将棋、先手後手とも鬼手連発の、超絶に面白い将棋になりました!!いやあ、すごかった…。決勝にして、今期NHK杯いちばんの名局になったのではないでしょうか。

20140323_26手 先手は丸山さん、戦型は…おおっと、横歩取り!!郷田さんが後手番で横歩を指すのも意外、丸山さんが角換わりを指さないのも意外でした。しかも、先手は飛車を引かない青野流、これって飛車の真後ろの歩を突いて桂跳ねしたりして、難しいんだよなあ。26手目盤面図までは、青野流でよく見る形。ここから先に変化したのは、先手の丸山さんでした!

▲45桂
 なんと、いきなり桂跳ね?すげえ…。今期NHK杯での丸山さんは、序盤からいきなりデンジャラスな手を放って踏み込んでいくからスゴい。これで連勝してしまうんだから、終盤力がもの凄いんでしょうね。しかし森内さんの解説での口調を聞く限り、これは前例のある指し方みたいです。以下、△88角成▲同銀で、次の▲97角がけっこう厳しい狙いになるので△33歩と受けるのではないか、との事。しかしそうなると先手が先攻する展開になりそうだなあ。なんと、青野流で、この桂跳ねは有効なのか。いや、これはいい事を覚えたぞ(^^)。
 で、この序盤でいきなり郷田さんが長考。たしかに、定跡形で先手が面白い展開になるのが見えているのだったら、ここは考えたいところですよね。そして郷田さんの捻り出した手が驚愕の一手。

△37歩
 エエエエ~(゚ロ゚ノ)ノ!!!いやあ、とんでもない手が飛び出しました。なるほど、これで先手が33の地点に殺到して攻め合いに行くと、駒数が足りずに手が空くので、その時の△38歩成が厳しくなるのか。攻め合いへの誘導は、ただでもいいから歩の垂らしは考慮に値する、という事か。いや、凄いなこの手は…。これがもしうまくいくんだったら、この新手は定跡になっちゃうんじゃないか?でも、▲同銀とされたらどうなるんだろうか。

▲同銀
 これは自然な手に見えます。さて、この1手の交換が何を意味する事になるのか。後手の構想が知りたい…

△88角成▲同銀△55角
 角交換は△33角型になった時点でずっと大前提になっているので、この角交換からの△55角はあり得る手。しかしこれ、俗手ながら先手はかなり受けにくく見えます。左辺を突破されたらいっぺんに潰れでしょうから、左辺を守るんでしょうが、そうなると先ほど吊り上げられた銀が死んで、しかも馬を作られるのか。いや、これはさっきの銀のつり上げが見事に功を奏しているぞ。後手の郷田さんの攻めが決まったか?!

▲77角△76飛
 ああそうか、飛車に当てて左辺を守れば、飛車を逃げる手に1手使わせられるので、銀取りをしている暇はないのか。で、△77同角成としてしまうと▲同銀が飛車に当たってしまうので、△76飛と回す、と。これ、実はやっぱり先手の方が良いんじゃないか?郷田さんの構想が分からない…。

▲84飛
 これで先手の飛車成は確定。やっぱり、先手が良いよなあ。。

△37角成▲81飛成
 完全な攻め合いになりました。しかしこうなると…あら?玉形に差があって後手の方がいいのか?で、次の手が驚愕の一手!

20140323_38手△75飛(38手目盤面図)
 ウアアアアアア~~!!ぼんやりした手に見えたんですが、実はこの桂取りが受けにくいのか!!もし桂を抜かれると47の地点に駒が殺到して、壁形の先手玉はいっぺんに寄り筋だわ(゚д゚;)。郷田さんの狙いはなんとこれだったのか。感想戦では、先手の丸山さんはこの手が見えていなかったとの事。だとしたら、▲81飛成と△37角成の交換がまずくて、先手の▲84飛が緩手だったという事か?龍を作るより、あそこで森内さんの解説のように▲46銀みたいに受けた方が良かったんだろうか(さすが竜王名人!)。いや、将棋って難しい…。この一手を境に状況は一変、丸山さんは苦しい受けを強要されます。

▲48金△同馬▲同玉△45飛▲34角
 角と金銀の2枚換えのうえに裸玉、しかもその角を34に打たされ、先手の主張といえば一段龍ぐらいか。さすがにこれは後手よしだろう。もしかすると寄り筋すらあるかもしれないので、後手勝勢ぐらいでもおかしくないかも知れないぞ。。

20140323_48手 しかし、今期NHK杯で幾度も神憑りな鬼手を放ってきた丸山さん。このままでは終わりませんでした。先ほどから少し進んだ48手目。駒得をした郷田さんは、それを活かして着実な手で優勢を広げていくのですが、そこで丸山さんの放った一手がこれまた見事でした!

▲24歩
 またしても鬼手、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!いやあ、それにしてもすごいな、これ…。郷田さんにしても丸山さんにしても、どうしてこんな手が思い浮かぶんだろうか。後手がこれを放置して攻めに来れば▲23歩成△同金▲44角成が厳しいのか。手抜いて△77桂から攻めるとどうなるんだろうな…。あるいは、単に△同銀だと?…▲22歩か。いやあ、後手の圧勝に見えたのに、歩の垂らし一発で紛れを作っちゃったよ。。で、郷田さんが選んだ手は…

△22歩
 いや、これは先手に見事に利かされましたね。しかも、後手玉も壁形にさせられました。しかしここで角成といけないのが先手の辛いところ。攻めを繋げないと、結局は後手に押し切られちゃう事になるので、ここでいい手を見つけたいところでしたが…

▲91龍
うわ、じっと香を補充か。これは辛いぞ…

△77桂成▲同銀△37角
 先手玉、着実に狭められます。終わった、かな…

▲35桂△34歩▲44香△42銀打
 逆襲、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!なんと、後手玉の玉頭に戦場を作りました!しかも数の攻めだよ。。これは受け損なうと即死だな。

▲72歩
 しかし、数が足りない。数が足りないと見るや、ここは利かせにしておいて放置、一転して右辺の急所に垂らしの歩です。変幻自在ですね。無理でも敗勢と見て無理攻めで清算してしまわずに、選択肢を増やして複雑にしていくというのはすごく勉強になります。この垂らしは急所なので確実に入りますが、問題は速度。と金に1手、それが寄るのに1手、ですからね。しかも、それを手抜かれるとすると3手か。アマなら間違えるかもしれないけど、プロではこれは相手にしないだろうな。ただでさえ駒が足りないので、遊んでいる右の角が攻防となる構想はないもんだろうか…。

 ここから丸山さんは見事な受け、その受けで作った手番を有効に活かして、なんと詰めろを掛ける所まで迫ったんですが、郷田さんレベルになると、受けも寄せも間違えません。82手まで、後手郷田さんの勝ち。郷田さん、NHK杯、初優勝です!!おめでとうございます(*・∀・)ノ゙ 。+・。゚:*:!!

 いやあ、今日の将棋はメチャメチャに面白かった!プロの凄さを見せつけられました。しかし、速く決着のつく横歩取りの将棋で、その中でも超超急戦みたいな展開になったので、感想戦が長い事長い事。しかし、勝った郷田さんも負けた丸山さんもニコニコしながら楽しそうに感想戦をしていました。最近、挨拶もせずに即去りする人との対局が幾つかあったので、こういうのって、いいなあ。。しかし、長い長い感想戦を終わった後も、まだ10分ぐらい時間が残っているんですが( ̄ー ̄)。。いやあ、今日はいいものを見せてもらいました!

第3回電王戦 第2局 佐藤紳哉 vs やねうら王 (四間飛車)

 この対局の前に色々あったみたいですね。その事については、個人的に思う事があるので、いつか書きたくなっちゃうかも。でも、今回は大好きな佐藤紳哉さんの対局なので、嫌な事は考えない事にして、対局を見る事にしよう。しかし、オフ日に残務をチンタラ片づけながら、ぼんやり将棋中継をつけっぱなしにしておくって、優雅でいいなあ(^^)。将棋を観戦しながら「そんな手があるのか」とか「それはまずいだろう」とか楽しめるようになっただけでも、将棋の勉強をしてきた甲斐があったというものです(^^)。

 さて、将棋は先手やねうら王の四間飛車、後手佐藤さんの居飛車穴熊になりました。一手で頓死筋の出ない戦型を選ぶというのは、佐藤さんは良い選択の気がします。人間同士だったら穴熊の方が勝ち易そうだけど、コンピューターって、複雑な捻じり合いになるとメチャクチャ強いからなあ。これはけっこう長くなりそうです(^^)。

20140322_37手 仕事中の「ながら見」だったもので、詳しくは全然わからないんですが…少し意外だったのは、37手目の盤面図からの佐藤さんの仕掛け。僕は対四間飛車戦を渡辺2冠の『四間飛車破り』で勉強したもので、四間の▲56銀型に対して、角を84に構えるでも、4筋から突き返すでも、穴熊の中央金銀を組み替えるでもなく、いきなり飛車先の歩の突き捨てから仕掛けるというのは驚きでした。その指し回しはなんと…

△86歩▲同角△75歩

 う~ん、四間飛車急戦どころか居飛車穴熊でも、いきなり△86歩の仕掛けは危険だと勉強した記憶があるんですが…△75歩か!これは見事、銀の進出か飛車成りのどちらかは保証されたという訳か!さすがはプロ、華麗な順だなあ。。しかし…コンピューターはその上を行ってました。

▲25桂△51角▲75歩△24歩▲13桂成△同銀

 後手の狙いを受けるのは難しそうではありますが、受けられないからといって暴れるというのは自滅行為というか、早計だと思ってました。後手の狙いが決まったとしても、後手が少しだけ指しやすくなるぐらいなので、粘れば全然わからないんじゃないかと思ってました。でももしかしたら、それがアマチュア的な甘さなのかも知れませんね。先手のソフトは…なんと桂損してでも穴熊の上部を崩す事を優先してきました!いや、こんな段階でいきなり勝負に踏み込むのがスゴイ。前回といい、プロ棋士が序中盤から時間を使っている意味がよくわかる指し手です。こんなの飛んでくるんだったら、時間も使いたくなるわな。。しかしソフトが負けるとしたら、これが敗着もあり得そうだぞ。ソフトだと構えてしまわずに、咎めに行く順はないものでしょうか。桂捨てでどれぐらい厳しい攻めになるのか、ちょっと見てみたいと思っていたのですが…

▲74歩△22銀▲14歩△25歩

 う~ん、▲14歩に至るまでの先手の端攻めは見事!ソフト、強いわ…。。それに対する△25歩の突き返しは、なんと言えばいいか…15に角の利きを通し、また先手玉の玉頭直撃、この意味ではいい反撃の気もしますが、しかしこう指さなくてはならないという時点でけっこう苦しいというべきか。僕には、1筋端攻めを絡めた後手玉上部の制空権は先手が抑えたように見えました。結果論だけで言えば、▲56銀型に対して、素直に△84角73桂を狙ったらどうだったのか、ちょっと見てみたかった気もします。しかし良し悪しは兎も角、佐藤さんの仕掛けからこの辺あたりが、今日の将棋の模様。これが将棋の作りとしてはメチャクチャ面白かった!これが人間同士だったら、読み合戦というか、駆け引きなんかもあって楽しかったと思うんですが…

20140322_51手 さて、後手穴熊上部へ利かせが出来た時点で、先手は次の戦場で仕掛けを作りました。こういう模様の張り方って、人間が指しているような順だな。。コンピューターって、読みの深さだけじゃなくて模様も張れるのか?すごいわ。。で、ここでも面白い事がありました。先手コンピューターの仕掛けはこの51手目▲64歩だったのですが、ここからの攻防戦は…

△64同歩▲65歩△同歩▲64歩△83飛

 佐藤さんは、局後のコメントで「△64同歩では歩の叩きがある事をウッカリしていた。あそこは△64同銀とすべきだった」みたいな事をいっていました。なるほど、もしそれが正着だったとしたら、プロでも3手の読みぐらいを間違えるんだな、と妙に感心してしまいました(^^)。しかし、△64同歩と佐藤さんが指したところでは、僕は全然違う事を考えていて、「ああ、これは次の戦場で紛れを作るつもりなんだな」と妙に感心していました。というのは、△64同歩▲65歩に△94桂と指せば、この戦場は攻め合いになるから。他にも思いつく手が幾つかありますよね。しかし、結論までは全然読めていなかったので、きっとこれらの変化はぜんぶ先手よしなんでしょうね(;;)。でも、それで後手が良くなる順があるのかと期待していたわけです。そもそも、コンピューター相手に悪手誘導のような手は通じないか(^^;)。ふたつの戦場がいずれも悪いとなると、これはさすがに後手辛い展開だったと思います。結果は、95手にて先手やねうら王の勝ち。

 しかし、何と言うのかなあ、第2回の電王戦はあれほど夢中になって観ていたというのに、この第3回は僕の中で燃えるものがありません。僕の中では、第2回の時点で、結論が出ちゃってたみたい。どっちが強いとか、そういう結論じゃなくって…。「人間VSコンピューター」とかいっていること自体が視点がずれているというか。

 しかし、色々と不快な思いもしながら、大変なプレッシャーのかかる一番を戦い抜いた佐藤さんには、最大限の拍手を送りたいと思います!いい将棋でした、さすがプロ!

終盤力、とくに「詰めろ」についてのハナシ

 フリーランスの仕事をしているもので、忙しい時と暇な時が極端です。で、この前は寝る時間さえなかったんですが、暇なときは日課の寝る前の序盤勉強の他に、仕事の合間なんかににちょくちょく終盤の勉強まで出来ちゃう始末、ネット将棋までしちゃったりして(^^;)…これは喜ぶべきことなのか微妙なんですが。詰将棋は相変わらず苦手、それでも前よりは解けるようになってきました。他にも光速の寄せとか羽生善治の終盤術とか寄せの手筋200とかをずっと読み続けています。いずれ劣らぬ良書ですが、特に『光速の寄せ』は、もう何周したか分からないぐらいの愛読書で、今となっては相当ボロボロ(;;)。この本は、初歩的な問題から始まって、最後にはけっこう難解な寄せの問題になるんですが、級位の頃にはあまりに凄すぎてとても解けなかった問題が、今では何とかついて行けるようになってきました。15カ月も勉強し続けると何とかなってくるものですね。中終盤の本は何冊読んだか分からないぐらいたくさん読んできましたが、その中で一番古い『光速の寄せ』が一番の愛読書になろうとは、買った時には想像もしてませんでした。中でも秀逸なのは、光速の寄せ 総集編に書いてある、詰めろと手数計算という、終盤の考え方の所です。初段を目指していらっしゃる方でこれを読んでいない方は、絶対に読んだ方がいいですよ(^^)。

81Dojo_107手 で、そんな終盤の勉強の成果が、最近ちょっと出て来た気がします。あろうことか、詰め将棋が大の苦手なこの僕が、最近は終盤力で勝ちを拾えているように思えるのです。この前気持ち良かったのが、とんでもない大敗勢から逆転勝ちした将棋。盤面図の時点では投了のタイミングをはかっていたぐらいの大差だったんですが…
 これ、普通に△78角成▲同金△67金ぐらいの俗手でも後手勝勢と思うんですが、あまりの大差に安全勝ちを狙ったのか、後手の方はここで…

△36角成

 いや、相変わらず辛いには違いないけど、わずかに可能性が残った?ここは相手の頓死筋をガンバって考える価値があるかもしれません。間違えて2歩を打っていただくのでもいい(* ̄ー ̄)…何かねえかなあ…。相手の人、急にトイレに行きたくなって切れ負けしないかなあ。。
 しかしこれ…考えてみると、相手は片美濃だから、この馬を抜ければ意外と活路を見いだせるんじゃないか?よし、ここは諦めたふりをして、罠を張る事にしよう…

▲45銀 
 桂馬を取って悪あがきをしているふりをして、ある順を狙ってみたりして(すっとぼけ)。。気づかないでおくれ…

△4同馬
 かかった!!終盤の速度計算の勉強をしている人なら、もう僕の狙いは分かったと思います(゚∀゚*)。それでも劣勢ですが、本来は王手もかけられず大差負けだった将棋が、攻め合いに引きずり込めそうなだけでもいいか。…いやいや、受けと攻めの選択は間違え易いからな、可能性はあるかもしれないぞ…

▲64桂
 後手玉の守りの金を攻めて脅してみました(^m^*)ウッシッシ。。実は、詰めろからの速度計算の将棋に引きずり込むのが狙いなんですが…これで動揺してくれ…

△27馬寄
 指されて嫌だったのは、受けるなら△71銀、攻めるなら△67歩みたいな手でしたが、こ、これは…
緩手、キタ━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━ ッ !
 一番期待してたのは、相手があせって無理攻めに来てくれる事。こうなると後手玉の寄りが一気に早くなるので大逆転。さすがにそうはなりませんでしたがこ、これはその次に嬉しい手でしょうか。要するに緩手、速度的には無理攻めと同じことが起きています。多分、飛車の道を開けて2枚の龍で横から寄せようという考えでしょうが、こうなるとやっぱり速度的に追いついてきますよね。▲45銀△同馬と交換した罠が間に合うかもしれませんよ。。

▲54銀打
 狙っていたのはこれ
です。これで後手の72の金か45の馬のどちらかを抜ける事が確定。後手には他に攻めの選択もあるので、少なくとも3択。これはマジで間違えてくれるかも。先手から見て寄せにくいのは△71金と躱される事とかなんですが、逆の立場になると攻め手に目が行って、見えにくかったりするんですよね。さっきの寄せの問題で馬を逃げた人なので、金を助けて馬を逃げる手は選べないかも知れないぞ…

△18飛上成
 こ、これは…逆転、キタ━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━ ッ !
 金か馬かどころか、攻め合いを選択してくれました。しかし、さすがにこれはこっちが速いだろう。。いやいや、ここで油断してはいかん。逆転の目が出たところで無理攻めに行って負けという悪い癖があるからな。。今度は僕の方が速度計算を要求される状況。王手から入るのは確定として、次にいきなり▲45銀と馬を抜くのは…いや、まずいな。。銀を並べて王手しつつ馬のラインを遮った後に馬を外せば、銀の拠点を作ったまま寄せに行けるな。でも、そのあと寄せ切れるか?後手玉は狭いけど、詰ませられなければやっぱり負けだよな。△71銀と受けられたら?…ああそうか、これは寄ったでしょう!!

▲72桂成△同玉▲63銀打△82玉▲45銀△61銀▲62歩

 まで、大逆転勝利です!!いやあ、取った角は▲64角~▲74桂という美濃崩しの王道でいくか、予想された△71銀と来られたら▲53角と使おうと狙っていたのですが、さすがに指し手の鋭い方だったので、△61銀とひねった受け方をされてちょっと焦りました。。

 終盤まで一方的に抑え込まれ、フルボッコ状態だったのに、相手の方は終盤の寄せになった途端に指し手が緩くなりました。さて、僕が何を話したかったのかというと…初段どころか3段ぐらいでも、手数計算をしない人というのはかなり多い、という事です。これは大げさでなく、本気でそう感じます。
 段位どころか、3~4級ぐらいになったら、攻めるだけならみんないい手を指せると思うんです。攻めるだけなら速度計算はいらないですよね。1手空きだろうが2手空きだろうが、攻めてればいいんですから。問題は攻め合いになった時。攻め合いになると、自分の方が速いのか、相手の方が速いのか、手数計算の力が問われる事になる。「あら?意外と攻めて来たぞ!やべえ、これは速く寄せなくっちゃ」みたいな感覚で指し手を判断しちゃうと、受ければ何でもなかったのに、攻め合いの選択で相手からの単なる詰めろが必至になっちゃうとか、詰めろでいいのに無理して連続王手に行って攻めが切れちゃうとか。あるいは、寄せてしまえば何でもなかったのに、受けてしまって自玉の寄りのほうが速くなっちゃうとか。速度計算が雑だと、最後の最後で勝敗が入れ替わる事があるんですよね。

 偉そうに言っておきながら僕も結構やらかすんですが(^^;)、僕程度のレベル同士の将棋だと、逆転将棋が生まれる事って、速度計算によるものがけっこう多い気がします。手数計算したけど計算ミスしちゃったというのはいいと思うんです、僕はアマチュアですからね(いきなり開き直り^^;)。でも、計算しないで感覚で指すというのは…こうしちゃうと、何千局指し続けても計算しない事には変わりないので、たぶん上達する事はありえないんじゃないかなあ。もし詰めろの原理とか手数計算というものについて知らないまま対局を続けている方がいましたら、『光速の終盤術』または『光速の寄せ 総集編』はおススメです。

 いやあ、3月は密かに終盤強化月間にしていたのですが、その成果が少しだけ出た気がします。将棋って、この手の基本的な終盤力だけでもいいので、それを丁寧に磨いて行ったら、けっこう逆転できるゲームだと思います。


『よくわかる角換わり』 西尾明

YokuwakaruKakugawari.jpg 矢倉や横歩取り、あるいは四間飛車をはじめとした対振り飛車の定跡が超うろ覚え状態の僕ですが(^^;)、それでもこれらの戦型って、アドリブで何とか戦える気がします。しかし、角換わりだけは、ネット将棋で何とか初段に到達できたあたりから、うろ覚えのいい加減な差し手ではどうしても勝つ事が出来ませんでした(;;)。というわけで、角換わりの勉強は、初歩の初歩から丁寧にやりたいと思い、それで手をつけたのがこの本。で、ようやく全部読み終えました!

 色々と目星をつけた角換わりの本の中から、最初の一冊としてこの本を選んだ理由は、とにかくひと通りの角換わりの戦型を俯瞰できるという事でした。将棋に限らず、僕は構造主義的な記憶様式を持っておりまして(^^;)、全体から部分の意味を理解していくと、すごく速く理解できるし、記憶もしやすくなるんです。
 受験生の頃、こんな失敗をした事があります。日本史の勉強で、全体像も見えないまま、教科書の1ページ目から勉強してしまったのです。飛鳥時代勉強して、飛鳥時代の細かい事を勉強して…という勉強の仕方。そういう勉強の仕方をすると、現代史の勉強が終わった頃には、飛鳥時代なんて何ひとつ覚えてない(;;)。更に、記憶の関係性もわけ分からなくなってしまって、鎌倉時代の後が何時代かとか、それも分からなくなっちゃう。というわけで、途中から、最初に先史時代→飛鳥以降の貴族の時代→武家の時代→近現代、みたいなマップを作ってから、その上にオーバーレイしていくような勉強方法に切り替えました。こうすると、要素と全体の関係が離れる事はありえなくって、効率よく、しかも整理して覚えられたのです。
 そして、将棋の序盤定跡の勉強って、歴史の勉強にすごく似ていると思うのです。これって、カテゴリー分けする人間の記憶システムに起因するものだと思うんですよ。人間の記憶って、アイウエオ順に覚えているわけではない。例えば、動物全体という関連の中で、犬とか猫とかキリンとか覚えてる。だから、たくさんの情報を記憶したりする時は、目次作りが一番重要だと思ってます。…前置きが長くなりましたが、この本は、僕の頭の中に、角換わりの目次を作るために読もうと思った本でした。読み始める前に色々調べたところ、この本がいちばん角換わりの全体像を捉えている本だと思えたのです。

 さて、この本ですが、角換わりのマップ作りという、僕の目的にバッチリ応えてくれたんじゃないかと思います!何がすごいって、現在指されている相腰掛け銀だけじゃなくって、棒銀/早繰り銀/腰掛け銀という、角換わりの3つの戦型を俯瞰してくれているばかりか、更に大きな括りとなる、0手損角換わりと1手損角換わりの両方まで俯瞰してくれている事がスゴイ。そしてこの2つの角換わりを、腰掛け銀や棒銀といった、角換わりの有名な戦型を比較する形で関連づけて、すごく分かりやすく説明してくれています。
 そして、この本の目次なんですが…ちょっと分かりにくいので、僕は以下のように勝手に整理してしまいました(えへへ)。ついでに、本書に書いてあった結論も併記しておきます。

(正調角換わり)
・腰掛け銀
 a.相腰掛け銀(今も定跡が進化中なので、結論は出てない)
 b.先手腰掛け銀vs後手棒銀 (互角)
 c.先手腰掛け銀模様 vs 後手右玉 (互角)
・棒銀 (この本だと互角だが…)
・早繰り銀 (後手十分)

(一手損角換わり)
・腰掛け銀
 a.相腰掛け銀 (後手十分~後手よし)
 b.右玉vs後手腰掛け銀 (後手よし)
・棒銀 (互角)
・早繰り銀 (互角)

 この結論に行き着く全体図を作りたかったのです!で、この目的を達成できたので、まずは満足(^^)。僕は、暫くは後手番で角換わりを指す気がないので、先手に選択権がある種類の戦型選択で、後手が良くなるものに関しては、本書の勉強でオシマイにしようと思っています(ニヤリ)。ここも大満足。 
 
 そして、角換わり初心者である僕にとっての最大の疑問であった、普通の角換わりと一手損角換わりでどこかそんなに違うのか、という疑問に、この本は見事に回答を示してくれました。いやあ、これが素晴らしかったです。ほら、一手の損というと、例えば居飛車穴熊vs四間飛車なんかは、どちらが先手になるかで、一手損みたいなものじゃないですか。でも実際に指してみると、そんなに先手後手の差は感じない。それがなんで角換わりになると「一手損角換わり」という名前までついちゃうぐらいに変わっちゃうのか、これが分からなかったんです。で、この本は、それを相腰掛け銀同形になった時の木村定跡とそのヴァリエーションという点から比較検討して、綺麗に説明してくれてます。いやあ、これは分かりやすい!!
 同じような事が、角換わりの各戦型にも言えて、同じような攻め筋を、0手損と一手損で比較しながら説明してくれてます。0手損だと指す気にすらなれない早繰り銀が、一手損の将棋になるとたちまち有力な対策になってしまうという事なんかは、読んでいてマジックでした。結論が0手損と一手損で変わるという意味では、全ての戦法について同じ事が言えてしまうというところがビックリ。で、これを比較して説明していくので、狙い筋なんかの理解にすごく役立ちました。いやあ、これはいい本だ!!

 さて、結論です。まず、僕みたいな角換わり初心者の人にとっては、角換わりの全体像が非常に分かりやすく纏められているこの本は大オススメです!僕は、角換わりの勉強のために読みたい本が何冊かあるのですが、この本を読み飛ばして、他の本から手をつける事は、ちょっと有り得ない。それをやると、さっきの日本史の勉強と同じになる気がします。あと、結論がついている戦型の一部(例えば正調角換わりの早繰り銀とか)に関しては、深く勉強しても結局は使えないので、この本で本筋の咎め方だけ覚えておけばバッチリじゃないかと。このふたつの理由だけでも、この本は、角換わり勉強のマストアイテムかと。
 あ、そうそう、級位で角換わりまで勉強に手が回らない頃(やっぱり、角換わりより矢倉が先ですよね^^;)、僕はこの本の「木村定跡」の箇所だけ先に読み、それを丸覚えしてそれだけ指してました。ページ数にして10ページ程度なんですが、ネット将棋の81dojoだと、この木村定跡だけでも中級ぐらいまでは乗り切れました。というわけで、角換わりの勉強は後回しにしたいという人は、木村定跡だけ先に勉強しておくというのも手だと思います。相手が受けを知らなければ、十字飛車が決まっちゃったりしますよ( ̄ー ̄)。
 で、もうひとつ重要な事が。僕がネット将棋をしてきた観想でいうと、角換わりの将棋になると、腰掛け銀を指してくる人が殆どです。たまに右玉がいるぐらいで、棒銀を選択する可能性があるのなんて僕ぐらいなもの(^^;)。で、肝心の相腰掛け銀ですが、この本を読んでも、相手が腰掛け銀をちゃんと勉強をしている人だったら、多分勝てません。あるいは、この本には先手棒銀で互角に持ち込む筋が書いてあるんですが、他の本を読む限り、実際には後手からその変化を防ぐ方法があります。例えば、もし相手が『よくわかる角換わり』だけを読んでいるだけだったら、僕は角換わり棒銀を、先手を持っても後手を持っても勝つ自信があります。つまり…自分が実際に指そうと思っている戦法に関しては、この本以外の、もう少し専門的な本を読む必要があるんじゃないかと。この本は、あくまで角換わりの基礎知識を身につける一冊と理解したほうがいいと思います。
 しかし、この『よくわかる~』シリーズ、いいですね。実はこのシリーズ、最初は敬遠していたんです。なんか、初心者本っぽいのがちょっとイヤで、難しくてもいいからバッチリ細かく書いたものが読みたいと思っていたんです。でもやっぱり、序盤定跡の勉強って、マップを作る事が先決。頭の中にマップが出来ていないと、指定局面の形の違いを認識する事すら難しいと思うんですよ。それが認識できないと、例えば四間飛車の△44銀型と△45銀型なんかもあまり区別しないで指しちゃって、区別していないのだからいつまで指しても違いに気づけず、何ヶ月経っても同じ将棋を指し続ける事になっちゃう。やっぱり急がば回れで、まずは全体マップを作り上げる事の出来る本から入って、それが頭の中に出来たら、次に戦法をひとつずつ仕上げていくというのが、いい方法なんじゃないかと思います。オススメです!!



第39期棋王戦 第3局 渡辺明 vs 三浦弘行 (横歩取り)

 2連敗ではやくもカド番に追い込まれた三浦さん。しかも、悪い事にこの第3局は後手番です。ここは何とか得意の横歩に誘導出来ればという感じでしょうか。そして戦型は…おおお!横歩になりました!しかし相手の得意戦型に飛び込んで受け止めるとは、渡辺さんはすごい自信だな。なんか、王将戦の羽生戦を計算に入れての選択の気がします。鬼神のように読みの冴えわたっている今の羽生さんと、力将棋になり易い横歩は指したくないでしょうしね。

 しかし、横歩取りは見ても指しても一番面白いです。玉型と飛車の位置というふたつの組み合わせだけで、序盤からすぐに前例ナシの力将棋に突入するところがイイ!!また、攻め筋も幾つもあって、角換わりの腰掛け銀なんかだと攻め筋は限られるのに、横歩は色んな手筋や攻め筋を組み合わせながら、多彩な攻めを考えられるのが楽しいです(^-^)g。

20140316_33手 今日も、そんな横歩の特徴が思いっきり出たような将棋になりました。いくらでもありそうな形なのに、33手目にしてなんと前例がないとの事。う~ん、これは序盤にしてメチャクチャ面白い形だぞ。。互いに端歩を突いていないので、端歩の突き捨てから香頭を叩くというような筋はお互いにナシ。先手の狙いは角頭とか2筋の叩き辺り…かな?一方の後手も結構いい形に見えるなあ。後手は8筋の攻めが本筋っぽいけど、飛車を振るというのもあり得そうです。桂を跳ねての玉頭攻めはなさそうかな。ここに互いに桂跳ねや角交換を絡めて来る筈なので…いやあ、この盤面図、見ているだけでワクワクしてきます。。で、先に仕掛けたのは…おお、後手の三浦さんです!!

△86歩▲33角成△同桂▲88銀△35飛

 △86歩とされたら、もう角交換は必然なんでしょうね。しかし、その後で後手がどうするのか楽しみに見ていたんですが…なるほど、△35飛で歩を補充するのか。で、手抜いてくるようなら△15角あたりで先手陣右辺は崩壊なので、先手は受けなくちゃいけない。受けてくるようなら、飛車を戻して8筋攻め…かなあ。

▲28飛

 いや、この飛車はシブい。つまり先手は、手番が来たらすぐに2~3筋の攻めを狙っているという事かな?

20140316_43手△87歩成▲同銀△86歩▲98銀(43手目盤面図)

 後手、これはいい攻めだ!先手は非常に嫌な形にされました。僕ならここで迷わず△55角で強引に突破しますが、なんとここで三浦さんが長考。

△45桂▲46銀△27歩▲同飛△38角

 三浦さん、利かせた先手の左辺は一段落と見て、今度は右辺を崩しに出ました!これがまた凝った手順で、△38角の打ち込みの所では、飛車交換か馬成り確定かのどちらかは保証されている感じ。この順はさすがプロ、すごいなと思ったんですが、気になったのは、なぜここで長考して、非常に凝った手順で模様を張りにいったのかという事。これは△55角ではマズい変化があった?それとも、先手からの2~3筋の反撃の方がキビシイと見て、先に2~3筋の戦場を先手陣寄りの場所で起こして、飛車を抑え込みに行った?で、次の渡辺棋王の手がビックリでした。

▲24飛
 信じられん。。渡辺さん、金を取られた上に馬を作られる順を選んででも、飛車を2筋からどかそうとしません。塚田さんの解説だと、さっきの△27歩に対して▲48飛でも先手十分ではないかとの事。それを敢えてこのデンジャラスな順を選ぶという事は…

△49角成▲35銀
 後手は金を取って馬を作った代わりに、飛車を渡しました。しかし、後手陣には飛車の打ち込み場所がないぞ…

△48馬▲46銀△57桂成
 三浦さん、踏み込んだ~~!!寄せ切るには駒が足りなそうだけど、先手陣をムチャクチャにすることが出来そうだぞ。。しかし…ここからの渡辺さんの受けが凄まじかったです。

▲同銀△58金▲77玉△57馬
 渡辺さん、すごいわ。。寄らないと読み切っての危険な変化への誘導だったか。なんか、この前の王将戦の羽生さんを思い出しました。そして、ここで手番が渡辺さんに!

▲33歩
 いやあ、横歩取りの手筋中の手筋ですが、これは受けにくいでしょう。。ここで三浦さんはどんな手をひねり出すか。

△31金
 …う~ん、普通に引いちゃいましたね。他に有効手があったのかどうか分かりませんが、金を引くようだと既に先手いいんじゃないかなあ。
 で、ここからは渡辺さんの怒涛の寄せ!!最後は詰め将棋のような華麗な銀捌きを決め、85手にて渡辺さんの勝利!!いやあ、これは▲33歩の時点では既に先手が良かったように見えます。じゃ、桂を跳ねないと?そうしたら▲34歩がさらに厳しかったと思うので、さらに遡ると…左辺を押さえた後に右辺に展開した構想がまずかったのか?いや、このあたりはアマチュアの僕ではまったく分かりません(^^;)。しかし、一貫していたのは、超序盤の先手の駒組み▲68玉33銀と、渡辺さんが絶対に譲らなかった2筋の飛車です。▲33銀と右銀を攻めに使いやすかったのは、玉を6筋に構えて、一路左辺に寄せたからなんでしょうね。もう、この駒組みと構想が完全に一致していて、最後までぶれませんでした。いつも方針転換ばかりしている僕なので、こういう将棋って憧れるなあ。いや、これはメチャクチャ勉強になりました。今度、▲68玉型から▲33銀と指してみよう。。

 しかし、この棋王戦は、いずれも渡辺さんの圧倒的な強さばかりが目立ったように見えました。メチャクチャ強い。三浦さんだってA級棋士ですよ。しかも、タイトル戦出場だって初めてという訳じゃない。その三浦さんの得意戦型である横歩で戦って、1局も3局も渡辺さんが圧倒してしまうんだから、とんでもない実力なんじゃないでしょうか。いやあ、こんな化け物を、羽生さんや森内さんは倒しているのか。。今の将棋界は、羽生・森内・渡辺の3人が、ちょっと段違いに強いんじゃないか、そんな印象を覚えた棋王戦でした。

第3回電王戦 第1局 菅井 vs 習甦 (先手中飛車?)

 去年はハラハラしながら全局見ていた電王戦ですが、今年は何となく気分が盛り上がりません。なんでだろう??で、昨日は仕事で完全徹夜、ただ今夕方の5時過ぎですが…何という事だ、31時間起きっぱなし、更に18時間連続労働してるぞ、俺(。-ω-))。しかしこれだけ起きていると、ハイになってしまって逆に寝られない。。
 仕事がようやく目途がついたので、電王戦を覗いてみると…これは既にコンピューター優勢…だな。いやあ、ニコニコ生放送で表示されてる評価値は-200ぐらいだったんですが、本当にそんなものなんでしょうか、もっと大差に見えるんですが。…って、僕には-200というのがどれぐらいの差なのかよく分かっていないのですが(._.〃)ゝ、アマの僕にはここから先手が粘れる筋がただのひとつも浮かびません。一方の後手にはいい手がいっぱいある…よな。しかし後手玉、気が遠くなりそうなほど堅い。これを飛び道具も拠点もナシで崩すなんて無理だろう。。

 というわけで、軽くご飯食べたら仮眠を取る事にしよう。起きた頃には、勝負がついていそうだなあ。

第63期王将戦 第6局 渡辺明 vs 羽生善治 (急戦矢倉)

 3勝2敗と渡辺さんがリーチをかけた王将戦。追い込まれた羽生さんですが、第6局は羽生さん先手です!さて、ここのところ後手番ではゴキゲン中飛車やら角交換四間飛車やら、振り飛車を連採している渡辺王将ですが、今回は…おおお!!矢倉急戦です!!やっと渡辺さんらしくなってきました。

 序盤から意地の張り合いで面白い。急戦調で進んでいくんですが、お互いに相手の駒組みに付き合わずにどんどん自分の攻め手を優先して指していきます。なんかこれ、見た事あるぞ…。こ、これは…第3局と同じ将棋じゃないですか!あの将棋は、序盤で飛び出した後手羽生さんが△85飛というデンジャラスな手から△62金というこれまた異常な手を指し、それが最終盤になって意味が出てきて勝ってしまったというとんでもない将棋でした。あまりにすごすぎる構想で、とても真似できないと思ったのですが…なんと渡辺さん、第3局で羽生さんが使ったデンジャラスな△85飛戦法をそのままなぞってきたああ!!羽生さんに負かされた手で羽生さんを負かそうという訳か。。そして将棋は37手目までまったく同じ形。そして38手目、第3局では羽生さんが38手目に△62金という鬼手と悪手の紙一重のようなとんでもない金あがりを見せたのですが、ここで本局は分かれ。

20140313_38手△31金(38手目)
 さすがに羽生さんが指した恐怖の△62金は指しませんね。。渡辺さんらしく、まずは玉を固めました。あんまり先まで読めない僕みたいな人間なら、ぜったいこっちの方がいいよなあ。。

▲77角△33角
 先手はガッチリいきたいでしょうから、壁形を解消しつつ8筋の守りも良くなる羽生さんの▲77角は理解。しかし後手の渡辺さんは、急戦指向の攻撃でもなく、離れ駒の金をくっつける△51金でもなく、△33角なのか。いや、ここまでは急戦の手順だったとはいえ、実際には急戦を志向しないのか?

▲16歩△51金▲96歩△14歩
 渡辺さん…全然仕掛けません。この辺りの一手の交換はもの凄く濃い駆け引きというか、見ていてメチャクチャ勉強になります。しかし、さっきの△33角の後の、この何でもなさそうな▲16歩△14歩の手の交換が、なんと勝敗に直結する事になろうとは…。しかし、いつ仕掛けるのか、ハラハラなんですけど(^^;)。

20140313_45手
▲15歩(45手目)△同歩
 なんと、仕掛けたのは先手の羽生さん!しかも全く予想外の端攻めだよ。1筋に駒が集まっているのは後手の方なんですが、そこから仕掛けるのか?!信じられん。。しかし、この羽生さんの構想が凄かった。渡辺さんが見事な反撃をしたので、この端歩の突き捨てからの構想が実現するのは随分と先になったんですが、手がつきはじめてからは一気でした。

▲65歩
 おお、端歩を突き捨てておいてから主戦場で仕掛けか!!いやあ、この仕掛けは6筋の攻防と同時に、角交換の意味もありますよね。これが端の突き捨てとどう絡むのか、全然わかりませんが…。。しかし、プロってとんでもなく難解な局面を作るよなあ。

△57歩
 渡辺さんの返しも驚愕の一手!!なんと、△同歩でも角交換でもなく、歩の打ち込みですか!!なるほど、取れば△65桂で桂馬のフンドシか。この歩は嫌だぞ、先手は駒の交換に神経を使わないといけなくなってしまった。。この見事な反撃が効いて、羽生さんは暫く最初の構想を保留しなければならない羽目に。

▲33角成△同金
 角交換、キタ━━━(゚∀゚)━━━!!いや、角交換となると、飛車の横利きが無い分、後手の△85飛が裏目に出ちゃうんじゃないのかなあ。。

▲77桂△82飛
 この飛車の追い返し方は横歩みたいな手順だな。。飛車の横利きが無い分先手が有利かと思ったんですが、角の打ち込みのラインを閉じつつ飛車をバックさせました。…そうか、これで▲71角か?

▲55歩△63銀
 全然違いました(^^;ゞイヤァ。しかし、羽生さんの狙いが何となく分かったぞ。。▲71角は最初の構想から外れてしまうので、それは指さずに保留。しかしその前に、後手の攻め駒を全部追い返し、拠点にされた歩を払おうという狙いなんじゃないか?!

▲45桂△32金▲57銀
 すぐに後手の拠点の歩を取る▲57銀かと思ったんですが、その前に▲45桂と踏み込みました!!これは33の金取りと53の桂成の両狙いなので、後手は両方を受けることが出来ませんが、しかし飛車のコビンが思いっきり空くので、後手の△37角の反撃を呼び込む事にもなります。いやあ、先に桂跳ねを選ぶと、一体何を得するのでしょうか?…もう全然ついていけませんが、少なくとも攻め合いに誘導した事は理解できる気がします。これは凄い将棋になったぞ。。しかしこれで手番が渡辺さんに渡り、後手からの反撃!!

△75歩▲24歩△同歩▲12歩△同香▲64歩
 渡辺さん待望の反撃である△75歩なんですが、羽生さんはそれを手抜いて、攻めを優先!いやあ、今ごろ分かってきました。1筋の歩の突き捨ては、後手玉が矢倉城に入城しないのを見越しての香車の叩きを狙った手。香を浮かせてからの角打ちとか、そういうのかと思ったんですが、狙いははもっと複雑で、更に6筋の攻防で銀を浮かせてからの飛車あがり、それを受ければ更に香を叩いて1筋突破、場合によっては角の打ち込みで玉のコビンから崩す、という感じなんじゃないかと。
 もっと大局的に将棋全体の構造を見ると、こういう感じだったんじゃないかと。5筋交換型の急戦矢倉になったら角が向かい合った交換形になるわけだし、またこの将棋だと、後手玉はたいがい矢倉城に入らない。で、概ね6筋が攻防になるんだから、後手の銀がそこにあがってくるのは見えている。こうなると角換わりの将棋によく出てくる十字飛車の狙いがそのまま使える。更に、玉が入場しないのだから、端攻めの受け駒が1枚少ないので、この2つの狙いをうまくミックスすることが出来れば、5筋交換の後手玉は潰しやすくなる、という事なんじゃないかと。いやあ、これはスゴイ…。で、これを実現するために局地戦でのやり取りが色々あったり、この絵図を実現させないために渡辺さんは違う局面に誘導しようとする、羽生さんはそれを元の狙いに引き戻す、というやり取りであったと思うんですが、ちょっと鳥肌が立ちました。うまく指せるかどうかは兎も角、矢倉急戦での先手番の狙い筋が、初めて理解できた気がします。

20140313_64手 渡辺さんは受け切れないと見たか、ここから受けずに角の打ち込みから反撃、壮絶な叩き合いの終盤戦に。これがまた羽生vs渡辺という最強棋士同士の見事な将棋!盤面図は64手目、羽生さんの例の攻め筋に付き合わず、△39角打から反発したところです。で、ここで羽生さんは…

▲63歩成(65手目)
 なんと、飛車取りを逃げずに踏み込みました!!
いや、これは飛車を犠牲に挟撃形を作った格好ですが、しかしこのスッカスカな玉形で飛車を渡す手はありえないだろう…。あり得るとしたら、先手玉が詰まず、後手玉は詰むという速度計算が出来ているという事になりますが…マジでそんな事があり得るんだろうか。
 案の定、ここから後手の猛攻!飛車を打ち込み、龍を作り、成香と金で玉を挟み、ついに先手玉を詰めろに追い込みますが…ここで手番が先手に渡ります。21手の猛攻の末、たった1手空いただけだったんですが、その1手だけで羽生さんには十分だったようで、そこからは一気の17手詰め!!…すげえ、65手目に飛車を逃げずに踏み込んだ時には、詰みを読み切っていたわけか。17手詰めといっても変化がたくさんあるので、これもまったく簡単でない寄せだと思うのですが、それ以上に、受けで先手玉が詰まないと読み切った所がマジで凄すぎる。。最後は101手で先手羽生さんの勝ちとなりましたがが、勝負は65手目でついていたわけですね。…なんか、とんでもない将棋を見せつけられた思いです。更に言えば、玉が入場しない急戦矢倉の5筋交換型で、△33角とあがった角対抗型にして、▲16歩△14歩の交換を入れた時点で先手の勝ちだった、という事…だったんだろうか。やばい、改めて鳥肌が立ってきた。。

 なんか、すさまじい将棋を見せられました。あまりの凄さに感動してしまった。これで王将戦は3勝3敗となり、遂にフルセットの最終戦第7戦になだれ込みました。羽生vs渡辺の将棋はオモシロすぎるので、フルセットになってくれただけでも大満足。最終局は、どちらが勝ってもいいので、ぜひ素晴らしい将棋にして欲しいです!

第63回NHK杯 丸山忠久 vs 大石直嗣 (相向かい飛車)

 今期NHK杯の大石さんはすごい!得意のダイレクト向かい飛車をひっさげて、行方さんを破り、羽生さんを破り、屋敷さんを破るという調子で、A級棋士を総なめです!しかし、今日の大石さんは先手番。ダイレクト向かい飛車の本家である佐藤康光さんが、先手番でも向かい飛車にしていた将棋は見た事がありますが、さて今日はどうなるんでしょうか。そういえば、丸山さんも角換わりのスペシャリストなので、角交換までは必然かも。

 さて、今日の将棋は序盤からもの凄い駆け引き。なんと、後手の丸山さんが4手目角交換!おおっ!これはもしかして、丸山さんの方がダイレクト向かい飛車にするのか?!しかし、後手がいきなり飛車を振る事はなく、右銀を繰り出し、相手の様子を見ながら慎重に駒組みを進めました。先手は先手で、玉の整備でも急戦狙いでもなく、1筋の歩を突き越しました。狙いがサッパリわからなかったんですが、解説の片上さんによると「1筋の歩を突き越せたら飛車を振るという、佐藤康光さん発案の有力な構想がある」との事。う~ん、リクツが全然わからないぞ(^^;)。で、先手の大石さんは▲27銀から▲88飛と振って、向かい飛車に!これまで向かい飛車で勝ってきたんだから死ぬまで向かい飛車で、という事でしょうか。これで急戦はナシ、玉は右辺で銀冠に囲う事も決定、という感じ。驚いたのは、これに対する丸山さんの構想です。

20140309_18手 △22飛(18手目盤面図)

 うおおお~!!相向かい飛車?!こんなの見たことないぞ。。いや、後手の攻撃の狙いは分かる気がします。銀冠をアタマから飛車銀で潰そうという訳ですよね。しかし、守りの構想が全然わかりません。飛車を振ってしまうと、8筋がヤバすぎないかい?玉はどうやって囲うんでしょうか。右銀が73にいれば何てことはないんでしょうが、腰掛け銀模様で63にあがっちゃってるもんだから、8筋が薄すぎる。しかし、今期NHK杯での丸山さんの強さは圧倒的なので、行きがかり上こうなってしまったという訳ではないんだろうな。。
 で、ここから非常に神経を使う序中盤が続きました。駒組みが、そのまま両者の構想をまるまる反映する感じで、これが素晴らしかった。

▲38金△24歩▲86歩△72金▲85歩△62玉▲36歩△25歩
▲同歩△同飛▲26歩△22飛▲58金△44銀▲46歩△35歩
▲47金左△36歩▲同金△71玉▲48玉△34歩▲39玉△52金
▲28玉△33桂▲66銀(45手目盤面図)

20140309_45手 森内さんの将棋を見ている時なんかに感じる事なんですが、強い人って、駒が当たる前の駒組みの段階で、既に優勢を築いている感じがします。駒が当たり始めるころには、相手はもう苦しい、みたいな。今日の将棋なんて、最初から互いに手将棋みたいになってるでしょうから、序盤から構想力勝負の手に汗握る展開に。定跡を使って観戦できないので、1手1手がものすごく考えさせられたんですが、互いに無駄な手がひとつもないように見える。しかしそれにしても…2~3筋方面の戦場での丸山さんの手順がスゴイ。相振り飛車なので左右が逆転していますが、要は角換わり早繰り銀模様。なので、飛車のコビンに神経を使いながら銀を使わなければならないという攻めなんですが、コビンをうまく防ぎながら、飛車先の歩を交換し、銀を進出し、桂まで跳ね、相手の金を吊り出す事にまで成功。いやあ、この戦場での下工作は、丸山さん不満なしとどころか万全じゃないでしょうか?とんでもない手というのはひとつもないんですが、手筋だけでここまでいい形にしてしまうのか。。
 問題は後手の守りですが…8筋の守りは薄いんですが、陣形が低いので、角の打ち込みには強そう。これは、8筋を突破されるのは時間の問題に見えるけど、角の打ち込みから一気に崩れる事はなさそうなので、意外と時間が稼げそう。守るというよりも、左辺への逃げ出しを含めての時間稼ぎができるという感じ。なるほど、この攻めと守りの速度差が構想なのかな?後手が、8筋を突破されるより先に、先手陣を崩せるかどうかという点が今日の将棋、かなあ。いやあ、玉形がボロボロに見える後手が、実は主導権を握ってるんじゃないか?で、次に驚愕の手が飛び出しました!

△69角(46手目)

 うわあ、すげえ…。今期NHK杯の丸山さんは、とにかく踏み込みが鋭いというか、中盤の細かい駆け引きに見える辺りから、いきなり大駒を切ってきて終盤に持ち込んでしまう所が恐ろしいです。角換わりの将棋って、定跡でもあえて駒損をして敵陣を崩す角の打ち込みっていうのが幾つもありますよね。僕は、この考え方をするのがもの凄く苦手。この角、取りに行くと馬になるので取れないというのは分かるんですが、しかしこの角を打って次にどう攻めるのかというと…△36角成と切る手しかないんじゃないでしょうか。角金交換の駒損はいいとして、それで後手が良くなるようには到底見えないんですが…。また、先手が▲37金引と躱したら?…なるほど、△25歩と叩くのか。で、本譜は…

▲75歩△36角成▲同銀
 大石さんは攻め合いを選択。それで角金交換という駒損の交換が成立。いや、これで後手が本当に良くなるのか?いまだに疑問なんですが(´・ω・`*)。

△26飛▲27金△22飛▲26歩
 先手玉頭の駒を飛車で外していくんですが、これ、▲27銀と受けると?…△22飛▲26歩△35銀か。なるほど、これは厳しいな。で、銀の進出を防ぐために▲27金なのか。でもこれは、後手受かるんじゃないか?

△35金
 △35金か!!!うおおお、すげええ~~~!!これはもう受からないだろ。。こうなってみると、角より金の方が有り難いわ。。こうなると後手は受け切れないので、攻め合いなり攻防手なり、それでもダメなら曲線的で複雑な局面を作り出すしかありませんが…いや、これは速度勝ちはもう無理だろうな。。いやあ、この金打ちが見える人って、一体どれぐらいいるんだろうか。。信じられません。

▲74歩△25歩
 △25歩がまたまたもの凄い手!!すげえええ、これは即死だろ…。仕掛けから数手で瞬殺か…。いやあ、読みは深さよりも正確さなんて言いますが、△69角以下ここまでは、完全に読み筋通りなんだろうな。。この後、大石さんはプロらしいもの凄い粘りを見せるんですが、丸山さんは勝ったと見た瞬間から指し手を一転させ、堅い手ばかりで詰めろをかけ続けます。結果、104手にて丸山さんの勝ち!!あ、圧倒的じゃないか。。

 いやあ、今期NHK杯の丸山さんの指し手はもの凄いです。なんというか、西川さんの将棋は構想力に驚かされましたが、丸山さんは大駒を切っていきなり終盤に引きずり込んで一気に寄せてしまう踏み込みがもの凄い。相手は、まさか踏み込んでくるとすら思って中たんじゃないでしょうか。飯島戦では、なんと歩頭に銀をタダ捨て!これ、寄せじゃなくって、単なる中盤の仕掛けだったという所がもの凄かったです。今日もいきなりの角捨てからの一気の寄せですから、見ていてビックリです。丸山さんがA級でないという事自体が、信じられない現象です。

 これでNHK杯の決勝は、郷田さんvs丸山さんという事になりました!いやあ、これはもの凄い決勝になりそうだぞ(^^)。

第72期順位戦 A級 9回戦

 いよいよA級最終戦、一番長い日がやってまいりました!今期のA級順位戦は、始まって早々に羽生さんがブッチギリ状態!前回で羽生さんの名人戦挑戦が決まりました。一方の降級争いは、残念ながらこちらも谷川さんがブッチギリで連敗を重ねてしまい、谷川さんのB1への降級も既に決定。そうなると、最終戦と名た今回の見どころは、もうひとりのB1落ちからの生き残りゲームと、来期順位戦のランキング争いです!

●屋敷伸之 vs 行方尚史○
 屋敷さんは降級争いの中で最も順位が低いので、負ければ即死でB1降級が決定します。とにかく勝つ事が残留への最低条件なのですが…屋敷さん、負けたああああ!!!これで屋敷さんの降級が決定!屋敷さん、好きだったんだけどなあ。。屋敷さんでもA級に残留できないか。A級は厳しい。
 一方の行方さんですが、実はすぐにB1に出戻ってしまうんじゃないかと思っていたんですが、終わってみれば6勝3敗の好成績。他の結果次第では、羽生さんにつぐ2位の可能性まで出てきました!タイトル戦にも登場したし、見事な今期の戦いっぷり。これでA級2期目に突入です!しかし、谷川さんと屋敷さんに引導を渡したのが、どちらも行方さんとは…まさしく死刑執行人ですな。。

○羽生善治 vs 郷田真隆●
 郷田さんが、まさか降級争いするとは思っていませんでした。そして最終戦の相手はなんと羽生さん。これはついていない。。羽生さんが名人戦に備えて研究手を温存してくれればラッキーですが…これが、角換わりの大名局で、後手の羽生さんがもの凄い!!郷田さんが優勢で終盤に入ったように見えたところから、信じられない順で指し回します。辛い受けをしているように見えたんですが、いつの間にか挟撃体勢の下工作が出来ていて…郷田さんの攻め筋が全部潰され、逆に郷田玉が包囲されてる。王手がかかり始めた時には、もう郷田さんには受けが無かったんじゃないかなあ。いやあ、羽生さんの構想力と終盤力は神がかり、異常だわ。。というわけで、羽生さんの勝ちなんですが、郷田さんは屋敷さんが負けた事を知らず、自分が降級なんじゃないかと気が気でなかったんじゃないでしょうか。。

○佐藤康光 vs 渡辺明●
 これは来期の順位を争う戦い。順位が低くなってしまうと、降級争いになった時に思いっきり影響してしまうので、特に4勝4敗の佐藤さんは勝っておきたいところ。まあそうはいっても、消化試合には変わりないと思っていたんですが…うおおお!!!渡辺さん、角交換四間飛車だああああ!!!!いやあ、これは誰も予想しなかったんじゃないでしょうか?!後手番の戦法に思い悩んで最近ゴキゲン中飛車に手を出したのかと思っていたんですが、まさかオールラウンダーに転向するつもりでしょうか?
 しかし、渡辺さんが角交換振り飛車に出た理由は、実は佐藤さんの序盤の指し手にあったかも。例によっていきなり端歩の突き合いとかを入れてくるので、これで渡辺さんの構想が崩れたのかも。屋敷さんとか渡辺さんのような、序盤は定跡最優先型の人にとって、佐藤さんは最も嫌な棋士かも知れません。あの渡辺さんが、序盤から時間使いまくって、もの凄い将棋に発展、そして驚異の終盤になだれ込みました!!佐藤さんが飛車を切って寄せに行ったと思った瞬間に、渡辺さんはなんとそれを手抜いて逆に角を切る攻め合い!いやあ、こんな難解な局面、アマには全然理解できません(^^;)。で、ここから渡辺さんの脅威の終盤力が炸裂!!佐藤さんが一手でも間違えたら即詰みという連続で、これが暴れるしかなくなった無理攻めなんていうぬるいものじゃなくって、とんでもない鋭さ。こんなの、プロだって凌ぎ切るのは難しいんじゃないかしら?しかしさすがは終盤の猛者である佐藤さん、間違えません…。最後は佐藤さんが勝ち、互いに5勝4敗で今季順位戦を終了しました。ということは…行方さんの2位確定か!!すごい!!

○谷川浩司 vs 深浦康市●
 この将棋はすごかった!!谷川さんが遂に優勢を築いたかに見えた終盤。深浦さんは受けも難しく、また攻めなんて手をつける場所すらなさそうに見える所から…なんという細い攻めを繋ぐのでしょうか。いやあ、これはすごい…。で、とんでもない所まで攻め込んだんですが、最後の最後に谷川さんが寄せ切って勝ち!これ、深浦さん勝ちの筋もあったんじゃないかなあ。。それぐらい、凄まじい追い上げでした。。
 もしかすると、谷川さんはこれがA級最後の勝利になるのかなあ。なんか、しみじみとしちゃいます。

●久保利明 vs 三浦弘行○
振り飛車党唯一のA級棋士である久保さんも、前回で見事に残留を決めました!来期は広瀬さんがA級にあがってくるので、来期はA級で振り飛車の将棋がもっと増えるかもしれません(^^)。
 さて、三浦さんも残留争い中。まさか三浦さんが残留争いをすることになるとは思ってもみませんでしたが…三浦さんが攻める将棋になりましたが、久保さんの粘りがスゴイ!!140手、150手…そして日づけが変わり、160手を超え、受けどころか壮絶な寄せ合いに!最後は自分で考える事の出来ないぐらいの難解な寄せ合いになり、ただただ見とれるばかりでした。。そして、久保さん大逆転から一気に踏み込み、寄せに行ったああああ!!…なんとそれを三浦さんが凌ぎ切り、三浦さん再逆転!!!…と思ったら、久保さんの詰めろ逃れの詰めろだああああ!…と思ったら、あ、相入玉??夜中の2時近くになって、お互いに詰みを逃がしまくってます(^^;)。最後は何度目かの逆転で、三浦さんの勝ち!!夜中の2時、200手超えてたんじゃないか?(*追記:翌日棋譜を見た所…なんと271手!すげえ…。)ね、眠い。。しかし、近藤さんと松尾さんの解説が秀逸でした!

 今日のA級順位戦を見ていて思った事は、A級棋士は終盤力が半端じゃない!!今日、特に凄いと思ったのが、羽生さん、渡辺さん、佐藤康光さん、深浦さん。いやあ、自分で将棋を指すのが嫌になる凄さです。

 さて、これにて今期のA級順位戦は終了。来期のA級は以下の通りとなりました。

01 羽生善治 or 森内俊之 どちらが名人戦に勝つにせよ、このふたりが最強なんだろうな
02 行方尚史  6勝3敗は見事!!またタイトル戦で見たいです(^^)。
03 渡辺明   さすがは2冠!最初つまずいたのに、終わってみれば3位です(^^)。
04 佐藤康光  A級で変態将棋を指し続けて、それでも勝つのか。すげえなあ。
05 深浦康市
06 三浦弘行
07 久保利明  居飛車全盛の中、振り飛車でA級4勝5敗は見事!!
08 郷田真隆  郷田さんが8位か…。A級って、やっぱりすげえなあ。
09 広瀬章人  居飛車にスイッチした広瀬さんですが、たまには振り飛車も指して欲しい
10 阿久津主税 メチャクチャ強い時もあるけど、コロッと負けたりもするので未知数

------(以下、B1へ降級)
B1-01 屋敷伸之 終わったものは仕方がない。電王戦がんばって!!
B1-02 谷川浩司 このままズルズルいっちゃいそうな気もする

 さて、名人戦は…4/8からです!羽生さん頼む、今度こそ名人になってくれ~!!

『最新 棒銀戦法』 青野照一

SaisinBouginSenpou.jpg この本は、僕が中級で悪戦苦闘している頃に、ネット将棋で知り合った方に紹介してもらいました。その方は銀の使い方がうまくって、僕はこの人にとにかく勝てませんでした。で、「どうやれば銀をそんなにうまく使えるようになるのか」と尋ねたところ、紹介してくれたのがこの本だったという訳です。で、アマゾンでずいぶん安くなっていたので、すぐに買ったはいいんですが、他にやらなくてはいけない勉強が多すぎて積ん読状態に。で、角換わりの勉強に辿り着いたところで、ようやくページを開いたという訳です(* ̄▽ ̄*)~゚

 さて、この本は、相居飛車に関する棒銀戦法が網羅されています。目次を記すと、以下のような感じ。

第1章:原始棒銀 (相掛かり)
第2章:矢倉崩し速攻棒銀 (急戦矢倉)
第3章:角換わり棒銀 (角換わり)
第4章:早繰り銀 (角換わり)


 で、僕が読んだのは3章で、1~2章はまだ読んでいません。4章はざっと見たのですが、読むのを止めてしまいました(理由はあとで書きます)。というわけで、今回は3章のレビューという事で。

(第3章:角換わり棒銀)
 居飛車で将棋の勉強をしはじめて1年以上が経過したのですが、矢倉、角換わり、横歩取りという相居飛車の3大戦法が、どれもこれも中途ハンパ(T-T)。初段になるという目標は達成できたので、ここは先を急ぐことをやめて、ひとつひとつの勉強をじっくり丁寧にしていく事にしました。で、その第一弾が横歩と角換わり。特に角換わりは、あまりに苦手なので、基礎から丁寧に勉強しようという意気込みで手をつけました。角換わりの基礎といえば、やっぱり棒銀ですよね。しかし角換わり棒銀は、今はあまり指されないという事で、教科書がなかなかありませんでした。角換わり棒銀の教科書選びは、思いのほか苦戦しました。で、結論から言うと、角換わり棒銀の定跡が一番詳しく書いてあったのが、この本です。ダントツです。あの『羽生の頭脳』ですら、角換わり棒銀に関しては、本書の足元にも及びません。
 しかし、問題があります。棒銀もその後進化したようで、この本だけでは、棒銀に関する全体像が分かりにくいと思います。例えば、先手が居玉のまま棒銀を仕掛ける順は出ているのですが、仕掛ける前に囲うとどうなるか…とか、そういう事は書いていません。また、この本が書かれた後に指された新手というのも存在してます。しかし、角換わり棒銀を指そうと思ったら、この本は避けては通れないんじゃないかと。これは僕の感想ですが、『よくわかる角換わり』で角換わりの全体像をつかみ、それぞれの戦型に関しては専門書を当たる、というのが、角換わりの一番いい勉強法なんじゃないかと思っています。で、この本は角換わり棒銀の専門書として優れていると思います!しかも、新手部分に関しては、『よくわかる~』で補うことが出来たので、それ以上の本はもう要らないんじゃないかと。これが何を意味しているかというと…相手が『羽生の頭脳』とか『よくわかる角換わり』を読んでいるだけだったら、この本を読んでいれば角換わり棒銀で負けない。相手が『よくわかる角換わり』とこの本を読んでいる場合、角換わり棒銀では勝てない。逆に言えば、角換わり棒銀を仕掛けられた時、『よくわかる~』とこの本を読んでいれば必勝、という事です!!

(第4章:早繰り銀)
 さて、早繰り銀の章に関しては、ザッと見て読むのを止めてしまいました。というのは、早繰り銀は腰掛け銀が天敵で、腰掛け銀にされると後手十分~優勢になってしまう結論が出ているんだそうです。なるほど、『羽生の頭脳』の角換わりの巻に、早繰り銀の説明がなかったのはそういうわけか。で、この本は、後手も早繰り銀にしてくる前提で書かれています。これは、後手が早繰り銀で来てくれればいいけど、腰掛け銀で来られたらオシマイ、という戦法という訳ですよね。で、その選択権は後手が握っている。いやあ、これは覚えるだけ損だと思ってしまいました。しかし、角換わりを後手で指していて、先手が早繰り銀に来たらどうするか?その解答は、『よくわかる角換わり』に書いてありました。というわけで、結論が覆る日が来るまでは、この章は読まなくていいかも。

 というわけで、3~4章だけのレビューでした。でも、急戦矢倉の2章と、原始棒銀の1章もいずれ読みたいと思っています。というのは、矢倉急戦棒銀の対策を、僕は『変わりゆく現代将棋 下』でしたんですが、その本の「先手よし」という結果図から、僕は勝てないんです(;;)。。というわけで、この本なら、1手1手の説明も詳しそうだし、具体的に良くなる所まで書いてあるかもしれない…という期待があるのです。まあ、矢倉の急戦棒銀自体、僕は2~3回しか遭遇したことが無いんですが。
 また、相掛かりの原始棒銀の勉強もしたい。僕は相掛かりを指さないんですが、子供の頃に父と将棋を指す時は、父も僕も、ぜったいに相掛かりで棒銀だったんですよね。いまも、たまに父とは会うんですが、そんなときに、父と原始棒銀でも指し合えたら楽しいかな…な~んて思っているのです(^^)。




第72期順位戦 C級1組 10回戦

 昨日はC級1組の最終戦がありました。しかし、角換わりの本が面白すぎて夢中で読んでしまい、全然見れなかった(^^;)。。糸谷さんの昇級が決まった中、残る一人は誰が昇級するのかという所が気になってました。

●糸谷哲郎 vs 富岡英作○
 糸谷さん、昇級は決まっていますが、このまま全勝でぶっちぎるかどうかというがかかっていたので、ちょっと注目していました。C1とはいっても、中村太地さんや高崎さん、真田さん、船江さん、片上さん、金井さん…といった強豪がひしめいているので、そこでの全勝はスゴい。…と思ったら、最後はサックリと敗けました。いやあ、この人は良くも悪くも人間っぽくて、案外いいキャラなのかもしれません(^^;)。

○塚田泰明 vs 高崎一生●
 高崎さんは勝てば8勝2敗ではあったんですが、勝ったとしても自分より上の順位に1敗棋士がいるので、昇級は無理。で、集中力が切れたか、塚田さんに負けてしまいました。逆に塚田さんは自分を救う3勝目。しかし塚田さん、3勝のうち2勝がコバヒロさんと高崎さんという昇級候補を倒す大活躍。昔はメチャクチャに強かった棋士さんなので、マッタリしてしまわないで、生き返ったつもりで来季から頑張ってほしいです。

●中村太地 vs 菅井竜也○
 うあああ!!!太地さん負けたああ!!!勝てば9勝1敗で昇級の望みがつながったんですが、この瞬間に中村さんの昇級が消えました!!!いや~、菅井さんがメチャクチャ強いという事は知っているのですが、しかしタイトル戦に何度も出てきて、羽生さんともいい勝負をした中村さんがC1を突破できないのか。順位戦って、やっぱり厳しいなあ。一方、勝った菅井さんは、これで8勝2敗。まだ21歳で、来期は4位からスタートなので、来期の昇級候補の筆頭でしょうか。

○佐々木慎 vs 佐藤秀司●
 中村さんが負けた事で、佐々木さんの昇級が自動的に決定!!ですが…こういう時って、勝って決めたいですよね。プロ野球で、マジック対象チームが負けて、試合に負けたのに胴上げ…って事がたまにあるじゃないですか。あれって結構バツが悪いですよね。。でも、負けて昇級というのも、それはそれでキャラなのかな(^^)。。佐々木さん、昇級おめでとうございます!!

 というわけで、今期C1の成績は以下の通りとなりました。

01 糸谷哲郎  昇級!!
02 佐々木慎  昇級!!
-------(以下、8勝2敗)-------
03 中村太地  羽生さんと互角に戦う棋士でもC1を抜けられないのか 
04 菅井竜也  来季の昇級候補1番手か?!
-------(7勝3敗)-------
05 真田圭一  5位ではあるが、強そうな棋士に1度も勝てなかったのが残念
06 船江恒平  電王戦出場で一皮むけたか?!
07 高崎一生  キビシイ組み合わせになったのに7勝3敗は見事!
08 斎藤慎太郎 20歳で8番手か、これは期待か?!
-------(6勝4敗)-------
09 千葉幸生  
10 片上大輔
11 近藤正和  あなたのせいで私は中飛車に苦戦してます(;;)
12 福崎文吾  54歳でこの成績はすごい!!
13 長沼洋
14 北島忠雄
-------(5勝5敗)-------
15 宮田敦史
16 小林裕士  好きな棋士のひとり。途中までは昇級争いしてたんですが…
17 佐藤秀司
18 浦野真彦  なんであんなすばらしい詰め将棋を作れるのか訊きたい
19 脇謙二   おお!!脇システムの人じゃないですか!指した事ないけど。。
-------(4勝6敗)-------
20 阿部健治郎 渡辺さんと阿部さんのお蔭で四間をカモれるようになった(^^)
21 金井恒太  この人は晩成型の気がする
22 日浦市郎
23 高野秀行
24 富岡英作  糸をつむいでいそう
25 田中寅彦  さすがは古豪、金井さんと船江さんを倒した2戦が見事!
26 阪口悟   太地を倒した一戦が今期C1の明暗を分けた!お見事!
-------(3勝7敗)-------
27 神谷広志
28 塚田泰明  3勝だが、価値ある勝ちが多かった!
29 小林健二  降級(;;)
30 大平武洋
31 土佐浩司  降級(;;)しかし名前がカッコいい
-------(2勝8敗)-------
32 平藤眞吾
33 桐山清澄  降級(;;)
-------(1勝9敗)-------
34 加藤一二三 降級(;;)しかし74歳で現役は驚異!!

『これからの角換わり腰掛け銀』の誤植とその訂正

 プロの将棋を観戦し始めて、1年半ほどが経過しました。で、角換わり腰掛け銀の対局の多さにびっくり。ブログに書いた観戦記だけでも13局ありました。しかし、僕が最初にざっと勉強した同形腰掛け銀なんて全く指される事はなく、ほとんどが△73歩保留か△42金右の形。そのミックスなんていうものもあります。それに合わせるように、ネット将棋でもこの形を指す人が多く、最初の頃は僕も見よう見まねでそうしていました。意味なんて全く分かってなかったんですけどね(゚∀゚*)エヘヘ。しかしいくら駒組みだけ真似しても、僕が知っている攻撃術は木村定跡だけだったので、こんなハッタリが通じたのも級位まで。初段になって以降の角換わりは惨敗状態でした。
 △73歩待機とかの角換わり腰掛け銀の最新形は、横歩の勉強のために買った『長岡研究ノート 相居飛車編』の最終章に書かれていたので、これで何とかなれば、と思ってました。この本、本当に素晴らしい内容なんですが、やっぱり横歩中心の棋書なんですよね。で、今の角換わり腰掛け銀の争点は理解できた気がするんですが、40ページで具体的な手の全てを書くのはやっぱり難しいみたい。結局…角換わりを指すなら『これからの角換わり腰掛け銀』を避けては通れないようです。

 しかし、僕はずっと、『これからの~』を買う事を躊躇していました。というのは、著者の吉田さんが、自著をボロクソにいっていたから。その内容はというと…「一部のページに重大な誤植」「関係者からの妨害」「悪意ある修正が入って嘘だらけの内容」「私の正しい意見は絶対に通らず、間違った内容が載る事になった」「私の本と言える内容ではない」…いやあ、こんな事をいわれては、買うのを躊躇しない方がおかしいですよね(^^;)。
 それでもこの本を読む決意をしたのは、吉田正和さんが、自分が書きたかった部分をネットに公開して、誤植訂正を行ったからです。修正2版が出るのを待とうとも思ったんですが、2刷でも修正されない部分は修正されなかったようなので、もうこれはどちらを買おうが吉田さん本人の訂正と見比べて読むしかなさそう。そうと決まれば、1刷だろうが2刷だろうが、安いやつを買っちゃえ!…というわけで、アマゾンでなぜかやたらと安くなっていたものを購入!!新刊なのにこの安さという事は、きっと1刷なんだろうな。。というわけで、この本を買って誤植のある事を知らない人や、あるいは誤植は知っていても訂正文書を知らない人もいると思うので、以下に訂正文章をペーストしておきます。

(引用はじめ)
これからの角換わり腰掛け銀についてお詫び。

概観12~13ページ。初手▲76歩と▲26歩の違い。角換わりと矢倉や相掛りと併用は日本語としておかしい。棋風に応じて使い分けていただきたいと書いたはずだった。

ツツカナ新手36ページ第3図以下は△86歩▲同歩△88歩▲同銀△65桂▲同銀△同銀▲24歩△49角▲87銀が覚えていただきたい定跡で難しいが後手が避けている変化。
本書の結果1図までの手順も実戦例のある形なので価値はある。

39ページ第6図以下△42金右の方が難しいが、▲62桂成以下と金攻めが厳しく先手良しで、後手が困っている。△43金右のみ解説したのは不親切だった。

68ページ74歩型▲25歩の第7図以下。△25同歩▲41角△32桂▲2四歩
△同 玉▲32角成に△45角ではなく、△67金なら▲68金打△78金▲同金の千日手が打開しにくいので、△25同歩▲41角△32桂に▲25飛△24歩▲85飛で先手有利。

77ページ74歩型▲18香に③△73桂の変化。好んで選ぶ順ではない→後手がやや自信無い戦いだが△73桂は有力な手と書きたかった。

87ページこのまま指されなくなるだろうとは表現が強すぎた。現時点では後手が良くなる順が見つかっていない。

97ページ74歩型▲18香に△12香は実戦例が少なく、研究が進んでいないの一言を入れたかった。

114ページ74歩型▲68金右。第16図△75歩に代えて②△23同玉の変化▲65銀以下は△47歩▲同飛△67歩▲同金左△25銀までは進みそうで、以下は難しいが▲43歩成△同金直▲55桂が本命の手でやや先手を持ちたい。

144ページコラム2。先手は横からの攻めに強いはA図の事を言っていたはずが酷い誤植。
第2刷で修正済み。

203ページ▲68金右に桂頭攻め。②△59角は△37角も同じ局面になる可能性が高く、△37角だと▲28飛の変化が無い。
△33同玉に(3)▲34歩が最善は表現が強すぎ、有力と書きたかった。→第2刷で修正済み

207ページ桂頭攻め△73歩△43金型第22図。△35歩▲同歩△24銀には▲45歩△35銀▲44歩△同銀▲15歩△36歩▲25桂△37歩成▲44飛△同金▲14歩で先手有利。
本書の▲34歩以下の手順も実戦例のある形で価値はある。

227ページ以下の45桂速攻第4図以下は何でこの局面なのかの説明を書きたかった。一手損角換りで後手が△84歩型で実戦例があり。▲45桂速攻はこの形のように明らかに先手が得な形で仕掛けられる事があるのが魅力。

231ページ45桂の奇襲は▲47銀型はもちろん、▲56銀型でも狙っていきたい。

237ページ45銀速攻、結果2図までの手順は一例で竜王戦7番勝負で指された進行。45銀は実戦例が少なく、毎回違う進行の力戦になるが、先手の方が玉を固めやすく後手が苦戦している。と書きたかった。

コラム3、コラム4は第1刷では悪質な修正が入ってしまい、多くの事実に反する事があり、読んではいけない内容になってしまったが、第2刷でコラム3の題名奨励会初段受験、コラム4社会人として。全面的に書き直しをしました。

(引用終わり)

ちなみに、一次ソースのアドレスは以下の通りです。
http://masakazu930.blog.shinobi.jp/%E6%9C%AA%E9%81%B8%E6%8A%9E/%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E8%A7%92%E6%8F%9B%E3%82%8F%E3%82%8A%E8%85%B0%E6%8E%9B%E9%8A%80%E3%80%82

 いやあ、吉田さんって、誠意ある人だなあ。また、ネットの良さというものが、今回は反映されたんじゃないかと思います。ネットが無かったら、一棋士がマスに情報を発信するなんて難しかったでしょうしね。

 ちなみに、この前の王将戦に登場した「△73歩保留42金右▲48飛25歩型から後手穴熊スペシャル」は…おお!!第3章に丸々書いてあるじゃないですか!!これで、なんとか3月中には角換わり腰掛け銀を指せるようになりたいです!…なれるかな。…なれるよな(ボソッ)。



第63回NHK杯 西川和宏 vs 郷田真隆 (▲三間飛車)

 NHK杯もとうとう準決勝。今期NHK杯最大の番狂わせは、何と言っても西川さんの大躍進だと思います!!しかし、今日の対戦相手は郷田さん。タイトル獲得経験者であり、A級棋士であり、今期NHK杯では森内竜王名人を倒しての準決勝進出という事で、優勝候補の大本命。

 先手は西川さん、▲三間飛車vs居飛車穴熊の戦いとなりました。プロの振り飛車って、三間も四間も中飛車も向かい飛車も、みんな角道を開けたままが多い気がするんですが、西川さんは角道を閉じてガッチリ戦いますよね。ネット将棋だと角道を止めて戦う人の方がけっこう多いので、これは参考になります。石田流対策の勉強はしばらく予定してないので、気合を入れてみる事にしよう。

 そして絶好調の西川さん、今日も先制に成功!!対三間飛車って、プロはみんな穴熊に組むけど、穴熊に潜れない事がけっこう多い気がするんですよね。今日も穴熊につける事に成功した金駒は金銀の二枚だけ、そしてそのうちの一枚もすぐに三間の波状攻撃の受けに繰り出され、実質囲いの金駒は銀一枚。…やっぱり三間飛車に穴熊は怖いな。穴熊でのいいお手本が見れるまで、自分は銀冠で行こう。。
 それにしても、西川さんの仕掛けって、すごく鮮やかです。そして西川さん、飛車角全て切ってまで攻め駒を全て捌き、大きく駒損しながらも代償に得た金で、穴熊を崩しに行きました!しかし…いくらなんでも、さすがにこれは駒損し過ぎでは?いや、これで寄せ切ったらスゴイですが、攻めの拠点は銀1枚のみ、攻め駒は金1枚…これは難しいんじゃないかなあ。そういえば、序盤に郷田さんが、普通に指さずに銀を引いて守りに行った局面があったんですが、あれって受け切りを狙ってわざと攻めさせたのか?いやあ、西川さん、ここがチャンスとばかりに攻めまくったんですが、ちょっと指し過ぎたみたいです。。

 しかし、郷田さんの逆襲が見事!!西川さんが寄せに来た時には既に逆襲の準備。55角の攻防手、更に飛車の横利きを作りつつこれも敵陣直撃の攻防手、更に玉頭の合駒を歩ではなく香にして敵玉の玉頭を直撃のこれまた攻防手。という感じで、受けながらも着実に逆襲の下準備した後に…一気に行きました。最後、どのあたりから詰みが発生したのか正確には分かりませんが、飛車切りに行った時にはもう逃れる術はなかったので、玉頭に歩の叩きを入れた辺りからだとすると…ざっと27手詰めぐらいですか。いやあ、自陣は安全になっていたので、寄ってるという自信が無かったら飛車なんか切らないでしょうから、あれは完全に寄せが見えていたんでしょうね。いやあ、やっぱり凄いわ。。

20140302_105手 あまりに素晴らしかったので、最後の郷田さんの攻防手一撃から一気の寄せを全部載せておこうと思います。実は、さっきから10回以上見返しているんですが…美しい。。
 盤面図は105手目、先手西川さんの波状攻撃を何とか凌ぎはしたものの、先手陣はほとんど手つかずで、次の▲24桂とか、攻め合い誘導の▲34金とかもけっこうヤバそうで、受け切りとまでは言えない感じ。▲24桂を受けるなら、△23歩、あるいは寄せの下準備の攻防手で△23香もありそう。で…

△23香

 う~ん、やっぱりプロになると、ただ受けるだけなんて手は指さないんですね。で、次からが凄かった。

▲15桂△27香成

 うおお!!いきなり攻防で打ったばかりの香を捨てた!先手が桂を打ったからもうお役御免というわけでしょうか?でも、玉頭に思いっきり利きを作られたけど…なるほどたしかに金と香じゃ後手玉は寄らないという訳か。それにしても、思い切りがいいなあ。しかし、同玉なり同銀なりされた後に叩く歩が少ないぞ。。

▲同銀△56銀▲36金△26歩

 いやあ、この後の寄せを見ると、どうも26へ叩きの歩を入れたあたりでは、郷田さんは詰みを読み切っていたみたいな気がします。もしかすると、香を捨てた所で既に見えていたのかも。マジか、これって早指し戦だぞ?!!

20140302_122手▲同銀△47銀不成▲37金△27歩▲同玉△36銀打▲同金△同銀不成▲同玉△46飛(122手目盤面図)

 おおお!!!飛車を切ったああああ!!!しかし…指された後しばらく、僕には詰みが見えていませんでした(┬_┬;)。正解が分かったのは、郷田さんの指し手を見てという始末。。盤面図を見てじっくり考えるのならともかく、1手30秒でこの寄せは、もの凄い。。

▲同玉△55馬▲47玉△56角▲48玉△47金▲39玉△27桂

 まで、130手にて郷田さんの勝ちです!今日の将棋は、郷田さんの貫録勝ちというか、途中で敢えて受けに行ったあたりからは、攻めきらそうという狙いだったんじゃないかなあ。そういう意味では、西川さんの鋭い踏み込みを逆用したというか、なんか罠に嵌めたような将棋でした。老獪だ…。。

 西川さん、健闘空しく破れましたが、今期NHK杯の戦いはどれも見事な将棋でした!!郷田さんに負けるのは仕方がない。谷川さん、豊島さん、村山さんを破った3局は、いずれも見ていてため息が出るほどの見事な指し回しでした。西川さんに、大きな拍手を送りたいと思います!!

角換わり相腰掛け銀の勉強プラン

 昨日の渡辺vs羽生の王将戦第5局は熱かった!しかし…角換わり相腰掛け銀、難しすぎる。。いま勉強中だし、似たような形をプロの棋戦で何度も見た事があるので、自分が最近見た将棋の棋譜をひっくり返してみたら、ザット見ただけでも、以下のようなものがありました。

2013.5.9 名人戦第3局 ▲羽生-△森内:△74歩42金~43金~42金
2013.7.11 王位戦第一局 ▲羽生-△行方:△74歩42金型
2013.7.19 竜王戦トーナメント ▲羽生-△森内:△73歩43金~42金
2013.7.22 王座戦挑戦者決定 ▲中村-△郷田:△74歩42金~43金
2013.10.2 王座戦第三局 ▲中村-△羽生:△74歩42金型
2013.10.27 NHK杯 ▲羽生-△木村:△73歩43金~42金
2013.10.31 王将リーグ ▲深浦-△羽生:△73歩43金だが、後手羽生が△65歩を先着
2014.2.28 王将戦 ▲渡辺-△羽生:△73歩43金~42金


 う~ん、いままで同じ将棋を見まくって来たと思っていたけど、昨日の将棋と完全に同型の将棋は2局だけだったのか。歩と金の位置という、細かい違いに気づかないで見ていたものだから、記憶がグチャグチャなんだな。。昨日の将棋から、僕みたいなシロウトが角換わり相腰掛け銀の勉強をどうやってすればいいかを考えてみると…

・△73歩/△74歩
・△42金/△43金/手待ちでこの金の位置が入れ替わる場合

 この2x3=6パターンをマトリクス化して、それぞれの定跡を頭の中で整理する事
…かなあ。角換わりの勉強がひと段落したと思ってたのに、俺はやっと入り口まで来たというだけだったのか。。…泣きそうです(T-T)。やっぱり『これからの角換わり腰掛け銀』も読まなくちゃダメか。。それとも、自分で上の棋譜を整理して、定跡を整理してみるか?…いや、止めとこう。。
 というわけで、これを参考棋書などを目安にスケジューリングしてみると…

(角換わり相腰掛け銀の勉強プラン)
よくわかる角換わり』で、
 a.角換わりの全体マップと分岐図を作り上げる
 b.同形腰掛け銀の定跡を身につける (これはどちらも勉強済)
長岡研究ノート 相居飛車編』の、角換わり相腰掛け銀の最新定跡の章を勉強 (これも勉強済)
これからの角換わり腰掛け銀』で、△73歩型を中心に勉強
プロ棋戦の上記8局の棋譜で、△73歩保留型と△74歩型の新手とその結果を調べる
羽生の頭脳4 角換わり・ヒネリ飛車』で、相腰掛け銀に入る前の変化を調べる。
 ついでに同形腰掛け銀のおさらいをする。 (これは少しやった)

 う~ん、2月中に角換わりの勉強を終わらせることが出来たと思っていたんですが、どうも3月いっぱいまでかかりそうだぞ。。その次に横歩△52玉84飛の勉強、次に5筋交換型の急戦矢倉、そして負けまくりのゴキゲン中飛車対策か。。対四間飛車の48飛戦法対策とか、石田流の復習なんて、とうていやってられないな。ダイレクト向かい飛車の持久戦研究なんて忘れた方がいいかも。
 …よし、先を見るとウンザリしてくるので、目の前のテーマをひとつずつこなす事にしよう(^^)!




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Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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