第63期王将戦 第5局 渡辺明 vs 羽生善治 (角換わり 相腰掛け銀)

 12月はぜんぜんタイトル戦が無かったというのに、2月以降は棋王戦、王将戦、NHK杯は大詰め、順位戦も大詰め、もうすぐ電王戦も始まるという感じで、楽しいと同時についていくことが出来ません(^^;)。今年の正月に「将棋は1日1時間まで!」という誓いを立てたというのに、ぜんぜん守れていません。これは、どこかで手抜くしかないな。。

 さて、王将戦は第4局で羽生さんが勝って5分の星に戻り、この局に勝った方が先にリーチとなります。先手は渡辺さん。本気で勝ちに行くなら角換わり、最近の流れで行けば意表の先手中飛車なんかもあり得るかも。後手の羽生さんとしては矢倉か横歩になってくれれば、という感じでしょうか。戦型は…おお!!羽生さんは横歩に誘導する事も可能な局面から、角換わりへ誘導…相腰掛け銀です!!渡辺さんは前局と違い、本気で勝ちにきましたね( ̄ー ̄)。しかし羽生さんは…不利に思える後手番の角換わり相腰掛けに敢えて飛び込んだという事は、用意の策があるという事でしょうか?ところで、角換わり相腰掛け銀の比較的新しい形は、昨日『長岡研究ノート 相居飛車編』で勉強したばかり。あとは羽生vs中村の王座戦の実践譜でも見返して、なんとか得意戦型にできれば…と思っていた矢先なので、これはタイムリーです!!

20140227_34手最近の角換わり相腰掛け銀の基本陣形)

 34手目、羽生さんが△33銀とあがったところで、だいたいの駒組みが出来ました。後手の73の歩を突き出していない所がポイントで、ここが恐らく角換わり相腰掛け銀の△73歩待機型の基本図になるんじゃないかと。昨日勉強したところでは、最近の相腰掛け銀の流行形は、①△73歩待機、②△42金右型、このふたつとの事。
 で、△73歩待機の場合、ここから先手の攻撃方法が2つに分岐して、ひとつは▲28飛のまま▲88玉~▲68金右みたいに堅くしていく方法。もうひとつはプロ将棋でやたらとよく見る方法で、▲67の歩を突かないまま▲48飛と4筋に攻撃の照準を合わせる方法。▲67歩を保留する理由は、NHK杯で郷田さんが分かり易く説明してくれてました。で、本局は…

▲48飛
 渡辺さん、本筋の手順に入りました!△33銀を見たら▲48飛なんだよな。よしよし。こうなると、昨日勉強した手順では△42金右とするんだよ、よし、まだ覚えてるぞ!と思ったら…

△43金右▲88玉△22玉
 あ、あら?42じゃないのか?!そういえば、去年の▲羽生-△森内の名人戦でも、ここの金が42か43かとかいう所で、こまかい駆け引きがあったな。。で、後手が穴熊に潜る所を羽生さんが咎めて、羽生さんが勝った!!…と思ったら、森内さんが羽生さんの攻めを切らしちゃったんじゃなかったっけか。これは、王座戦だけでなく、名人戦も振り返らなくちゃいけないかも(^^;)。 (*訂正:名人戦でもこの角換わりはあったんですが、その時は▲羽生さんの勝ち。僕が言っていたのは、この前の竜王戦の挑戦者決定トーナメントでの▲羽生-△森内戦でした。この時の将棋はブログに書いたので、何となく覚えていたみたい。)
 ああそうか!!森内さんにやられたこの手順を指してみたいから、羽生さんは後手番で角換わりに誘導したのか!!という事は、今日渡辺さんは、羽生さんの指した手をなぞっているという事になりますね。う~ん、この辺の綾が面白い。。

▲25歩
 うわあ…基本図から数手しか進んでないのに、もう分からなくなってきた。。後手の右金の位置は△43だし、少し形は違うけどここで▲25歩は桂の逃げ場所がなくなって悪形だと昨日読んだばかりだぞ。 (*加筆:▲25歩がまずい理由は、1歩渡すと△35歩▲同歩△36歩の筋があって、その歩は8筋の歩の交換で補充できるから、という事なのですが、いまは先手の左銀が77にいるので歩の交換は起こらず、ダイジョーブ…という事かな?自信ないけど…。)4筋に飛車を振った場合、▲25歩は後手が穴熊を見せた時だと思ってたんですが、違うのか。。

△42金引
 どうせ手待ちになるんだから、手待ちした後で好形になる方がいいというわけで、△43金~△42金の順という事か?!当たってるかどうか分かりませんが、もしそうならこれはいい順に思えるぞ。。これも△42金~43金~42金みたいなのもあるみたいだし、相手に先に攻めさせるかという駆け引き?

▲66歩
 なんと…これで次に後手が△74歩と指したら、まるっきり△42金右型じゃないですか!!いやあ、技が細けえ…相腰掛け銀は歩の位置とか金の位置が少し違うだけで、全然違ってきちゃうんだよなあ。マジで難解。

20140227_44手(△73歩保留43金→42金vs▲48飛25歩の典型的な進行?)

△12香▲18香△11玉(44手目盤面図)

 △74歩としたら結局△42金右型で先手指せる展開になるので、あくまで△73歩保留のまま穴熊に行くのか。しかし先手はそれでも手待ちする、と。腰掛け銀って、仕掛けるまでの駆け引きがもの凄いですよね。手待ちに次ぐ手待ちであったり、それでも手を待つようなら穴熊への組み替えであったり。この局面にあえて名をつけるなら、△73歩保留42金右▲48飛25歩型から後手穴熊スペシャル、という感じでしょうか。…だめです、全然ついていけません。。僕の棋力では、どうやらこの辺りで限界のようです(´;ω;`)。棒銀と違って、腰掛け銀は難解すぎる。いま勉強中だし、似たような形をプロの棋戦で何度も見た事があるので、自分が最近見た将棋の棋譜をひっくり返してみたら…竜王戦トーナメントの▲羽生-△森内と、NHK杯の▲羽生-△木村だけが、完全な同型。う~ん、いままで同じ将棋を見まくって来たと思っていたけど、完全に同型の将棋は2局だけだったのか。歩と金の位置という、細かい違いに気づかないで見ていたものだから、記憶がグチャグチャなんだな。。ところで、まったくの同形は2局とも先手が羽生さん。で、NHK杯の羽生vs木村戦では、後手が△12香と穴熊を見せた瞬間に羽生さんが▲28飛と戻していたので、そこで分かれ。今日の将棋は、例の▲羽生-△森内戦とまったく同じ進行に。

▲45歩△同歩▲同桂△44銀▲26角△43歩▲15歩△同歩▲14歩△同香▲15香△同香▲同角△22玉(58手目盤面図)

20140227_58手(前例との分かれと、叩き合いの終盤戦!)

 さて、▲羽生-△森内では、ここで▲14歩と打ち込んだんですが、今日はここで変化。渡辺王将の選択は…

▲35歩
 おおお!渡辺さんの用意していた変化が、ここで出ました!!△同歩は▲34香が激痛なので、何かいい受けを考えなくてはいけません。解説の阿久津さんは「▲3五歩の瞬間に△2七角というような手もあります。以前羽生さんに似た形で角を打たれて、攻めを切らされてしまった」なんて言ってます。また前例は羽生さんか。この人、マジで化け物だな。しかし、羽生さんはここで前に自分が指した手とは全く違う指し手を選択!

△45銀直
 うわああ!!羽生さん、一気に清算に行きました!しかしそうなると、手のついていない先手玉と1筋の崩れた後手玉の差が思いっきり勝ち負けに繋がっちゃうんじゃないだろうか。う~ん、これを大局観的な視点から理解するとしたら、羽生さんの手番になったところで鋭い手なり攻め筋なりがあるという事か?

▲同銀△同銀▲同飛△69銀
 なるほど、清算した瞬間が羽生さんの手番になって、そこで銀の割り打ちか。ここで叩き合いの終盤に突入という訳ですね。しかし羽生さん、いきなり踏み込んだなあ。こういう時に受け切りを狙わず、必ず踏み込んでいくのが羽生さんらしい。しかし…これ、間に合うんだろうか?間に合うかどうかは兎も角として、ここからの羽生さんの玉に迫る順は手筋の連続で、実に分かり易かった!

▲68金右△78銀成▲同金
 まずは割打ちで金銀交換のうえ守り駒を1枚剥がして…

△86歩▲同歩△87歩
 叩きの歩か!いやあ、てっきり矢倉崩しの△86桂か△69角と思ってました。なるほど、桂を渡すのはヤバいという判断なんだな。しかし、これも手筋ですね。問題は、ここでの駒の出入りが、先手からの攻撃に直結するという点か。…すげえ終盤になったぞ。。しかし、87の歩を何で取るのかは難しい…

▲同金△44香▲55飛△63桂▲56飛△46金
 玉で取ると、玉頭攻めからの△69角がヤバいんだろうな、きっと。で、金で取ったんですね。その後の△44香が強烈!これで先手の飛車が詰みました。詰んだんですが、ここで飛車を見捨てて、手番は渡辺さん。

20140227_82手▲42角成△同金▲11銀△同玉▲31銀△32金(82手目盤面図)
 渡辺さん、踏み込んだあああ!!いやあ、これで詰んだはずの飛車が助かっただけでなく、後手玉に迫ったぞ。ここからの互いの寄せと受けが白熱でした。。

▲13歩△12歩▲53飛成△31金
 う~ん、いきなり飛車成りじゃなくって、まず▲13歩を利かせてからというのが嫌らしいな。渡辺さんって、終盤で絶対に間違えないんだよなあ。羽生さんの▲31金は利かされた銀を切り取る大きな一手ですが、しかし守りの手である事に変わりはなく、自分に手番が回って来ないのがつらい。

▲24歩△67銀▲23歩成△78銀打
 いやあ、ここは完全に攻め合いですね。お互いに、受けずに攻めの手を着手。しかし、△67銀か!ここで△69角が入っていたら、後手の勝ちだったなあ。それにしても、後手玉が狭すぎる…。

▲12歩成△同飛▲同と△同玉
 王将、決めに行きました。後手にとって辛いのは、裸玉にされて飛車を渡したことで、仮に後手からの寄り筋があったとしても、十字飛車の両取りの受けが効くようになった事。後手は、斜めのラインから攻めたい、玉の前に角のラインを入れて受けたい、それが攻防手に出来ればなおよいんですが…

▲69金
 うわああ・・・金のタダ捨てか!なんか、他にも後手玉を寄せる方法がありそうに思えるんですが、羽生さんが角を打ち込みたい場所に、金をタダ捨てしてきました。ここで安全勝ちに来るとは、渡辺さん、激辛です。

△45角
 これもすげえ!後手は金を取ったところで詰めろにもならないので、どうするのかと思ったら、角打ちですか!う~ん、これ、次に△87銀成が入るので、詰めろじゃないか。いやあ、後手がキビシイのはアマでも分かりますが、この状況からこういう手を指せるところがプロはすげえなあ。

▲56歩
 う~ん、△同角なら龍で抜くんでしょうね。プロは何人かが△同金を推奨していましたが、僕にはその手の意味が全く分からず。。

△同角▲18飛
 渡辺さん、後手の詰めろを受けずに寄せに来ました!以下、羽生さんは受け切ることが出来ず、107手にて渡辺王将の勝ち!

 これで王将戦は3勝2敗で渡辺さんがリーチ!しかし次は羽生さんが先手なので、最終局までもつれ込む可能性が大きくなった気がします。しかし、羽生vs渡辺は、名局が多いですね。このふたりの戦いに出た手は、どれもこれも定跡になっちゃうぐらいのスゴさです。今日でいえば、59手目に渡辺さんが放った▲35歩以下の順なんて、そのまま定跡になるんじゃないかなあ。


角換わり棒銀は やっぱりキビシイか

 僕は、定跡を覚えるのがとっても苦手です。学生の頃も、国語とか数学みたいな演算的な科目の成績は良かったんですが、社会とかの暗記モノは全然ダメ。これは将棋にも当てはまるようで、読むとか寄せるとか捻じり合いとかは少しは良くなってきた気がするんですが、序盤定跡がとにかくボロボロです(--*)。あまりにダメすぎて、クソみたいな序盤にアイデンティティを覚え始めてさえいる状況。。勉強して一生懸命覚えたつもりでも、その直後に指してみると「あれ?ここ、どうだったっけな??」という事の連続( ̄ii ̄)ハナジ…なので、定跡を覚えたばかりの戦型は、その直後に何度も何度も指すようにしています。

 で、0手損角換わりの勉強は、腰掛け銀も早繰り銀もいちおう終わったのですが、ちゃんと覚えるまでは、角換わりになったら▲棒銀を指す事にしていました。角換わり棒銀という定跡というのは、恐ろしく良く出来ていて、プロは誰も指さないけど結構いけるじゃん!!と思っていました。高段の人にも通じちゃった事がありましたしね(^^)。。しかし…問題は、先手が棒銀を明示したところで、後手が先受けで△14歩と突いてくるパターン。いや、1筋の歩を後手が先受けするという順は教科書に無かったのですが、こうされると端歩を突き合った棒銀という事になって、定跡通りに進んだら後手が良くなる。定跡を外すとしても、先手が棒銀をいったん保留して玉を囲う、な~んて手ぐらいしか思いつかないんですが、それって1~2筋の攻防の問題解決になってません。

 そして昨日、端歩を先に突き、以降はまったく定跡を外れる事無く指し回す人に遭遇。級位の頃は、角換わり使いの人ってほとんど遭遇しなかったんですが、段位になると角換わりを得手にする人が増えてきました。特に、高段になるほど角換わりで勝ち星を稼ぎまくっている人が多い気がします。で、こういう方々は、さすがに角換わり棒銀はマスターしているみたいで、定跡通りにきれいに指してきます。それでも、後手が途中で1手でも間違えれば先手十分になるハズで、まったく間違えずに指しこなす人には、3段以下ではひとりも出会わなかったのですが…とうとう現れました!!今回、完璧に指し回されました。完璧に、1手も間違わず。で、そうなると…だ、ダメだこれは( ̄ii ̄)フタタビハナジ。。
 いやあ、定跡書では、「後手よし」ではなく「後手十分」という結論だったので、定跡通りに進んだとしても、もう少しイケると思っていたんです。しかし、定跡が打ち切られた先に進んでみると…僕の感じだと「後手よし」といっても過言でないかも。プロならここからでも指し回せるのかもしれませんが、僕程度の棋力では、粘る事すら出来ずに惨敗。。負けた後も、他の変化をウンウンと唸りながら考えたんですが…いやあ、これは思ったよりも厳しいぞ。。

 しかし、角換わり棒銀は面白かった!!勉強している最中、こんなに面白いと思った定跡もありません。なんといっても狙いがはっきりしているのがいいです。また、無駄な手がひとつもなく、すべての手が言葉で説明できるほどの意味を持っていて、しかも結論まで繋がり、手数も長くないので、まるで推理小説を読んでいるような面白さ。そういう意味でいうと、横歩△45角戦法に似ています。勝ち負けではなく、将棋の面白さを味わおうと思ったら、こんなに面白い戦型もないんじゃないかと。
 指さなくなったらまた忘れてしまうかもしれませんが、いちおう棒銀は覚えられた気がしますので、次からは角換わりになったら相腰掛け銀に挑もうと思っています。しかし、これがまた難しいんだなあ。金の位置とか歩の位置がひとつ違うだけで、全然違ってきちゃうんだもんなあ…。。でも、△73歩保留の場合は羽生さん作戦で、また△42金右の場合はがんばって▲18香とあがる形を得意形にしようと目論んでいます( ̄ー ̄)。

相振り飛車って

 変な話ですが、自分で書いたブログを読み返していると、けっこう面白い(^^)。遡るほどアホな事を書いているので、今書いている記事も、来年読んだらやっぱりアホに見えるんだろうなあ。きっとこうやって、恥の上塗りを続けていくわけですね(^^;)。まあ、勉強中の身なんてそんなものでしょうから、偉ぶった事をいうより、笑えるぐらいの方がいいか。。

 で、観戦記を見かえしていたら、面白い事に気づいてしまいました。僕は10ヶ月で60局ぐらいプロの将棋を見ているみたいなんですが、どうも相振り飛車戦というのを見た事が一度もないらしい。少なくとも、観戦記の中には相振り飛車の記事がひとつもないぞ。。

 相振り飛車って、どうやって指すんだろう。藤井vs久保とか、鈴木大介vs広瀬とか、解説つきで見てみたいなあ。でも、タイトル戦の観戦だけだと、これらを見る機会は永久に来なさそうだぞ。。

第63回NHK杯 屋敷伸之 vs 大石直嗣 (ダイレクト向かい飛車)

 今日は午前に買い物。車に乗って、業務スーパーで食糧を買いまくり。しかし…車に乗ってガソリンを消費してたら、いくら安売りスーパーに行ったところで、あんまり得してないんじゃないか?という損得勘定もできない僕が、将棋を好きなのはどういう訳でしょうか(。・ω・)。というわけで、今日はNHK杯を見る事が出来ず、夕方になって棋譜だけ見ているという始末。

 さて、今日の注目は何と言っても大石さん。行方さんと羽生さんを破っての準々決勝進出ですからね。で、将棋は大石さん伝家の宝刀のダイレクト向かい飛車になった模様!!大石さん、徹底してますね~。
 ところで、ひとつ疑問が。ダイレクト向かい飛車って、4手目にいきなり△88角成と角交換するパターンと、4手目に△94歩を挟むパターンがありますよね?僕は、糸谷さんの書いた『現代将棋の思想 一手損角換わり編』で、ダイレクト向かい飛車の勉強をしたんですが、それには4手目△94歩のパターンが書いていないのです。あれ、なんで△94歩を挟むのか、今でも謎です。やっぱり、いずれ大石さんの『ダイレクト向かい飛車徹底ガイド』を買わなくちゃいけないのかな。しかし、時間と金が…。よし、今日大石さんが勝ったら、購入検討リストに加える事にしよう(やっぱり買わないんじゃないか^^;)。

20140223_32手 今日は、ダイレクト向かい飛車特有の▲65角△74角の角の打ち込み合いにはならず、先手の屋敷さんは持久戦志向で駒組みを進めました。これ、定跡形かどうか知らないのですが、向かい飛車には▲37銀としたくなりますよね。なんとなく受かる気がするし(^^)。で、32手目でおおよその駒組みが終了。これは綺麗な盤面図だ。後手の大石さんとしては、相手から仕掛けて欲しいでしょう。で、手待ちしてくるようなら△84歩で銀冠美濃に組み替え、どんどん強度を増していこう、という事でしょうか。で、屋敷さんは…

▲75歩

 7筋を伸ばしちゃうのか?!あんまり先まで読めない僕みたいな人間なら、角の打ち込みが怖いので、いずれ来そうな△39角の筋を消すための▲66歩とか、浮き駒になっている右金を玉側に寄せる手なんかを指しておいてから仕掛けたいところだなあ。屋敷さんの狙いは、銀冠美濃に組み替える瞬間の不安定な時を狙った、ということかな?いやあ、プロはこの踏み込みがスゴい。こんな強い手が指せる日は、僕には死ぬまで来ないだろうな。。

△83銀▲76銀△72金

 えええ!!屋敷さん、角が相手の駒台にある状況で、玉のコビンまで開けてしまうのか?!いや、これはちょっと嫌な予感。。昨日の三浦さんを思い出してしまうぞ。えらく強気に踏み込んだはいいが、そのまま負けてしまうという(^^;)。いやいや、これはもしかすると玉頭位取りというより、銀冠への組み替えが狙いなのかもしれないぞ。例えばここから▲77桂を一発入れておけば、玉頭戦にも対応できるうえに、玉のコビンも閉まるし、そこから状況に応じて8筋を攻めれば玉頭戦だし、銀を引けば銀冠だ…な~んていうのは、完全に妄想でした。

▲86歩

 うわ、屋敷さん、桂も跳ねないまま、いきなり仕掛けちゃったよ。。う~ん…これって△同歩で何でもないのでは?放送を見ていないので何とも言えませんが、豊島さんはここをどう解説したのか、ぜひ聴いてみたい。。しかし棋譜を見る限り、この仕掛けはやっぱり何でもなく、特に争いにならず。逆に4筋の争点で駒損と引き換えに飛車を捌かれました。ああ、これは完全に振り飛車の勝ちパターンだわ。。あとは大駒を安い駒で封じられ、悪形の囲いの弱点を突かれ、ジ・エンド。う~~~ん、これはさすがに居飛車側の構想に無理があったのでは??さては屋敷さん、ヤバくなっている順位戦と、差し迫ってきた電王戦の準備を優先して、NHK杯は手抜きしたな( ̄ー+ ̄)。。
 しかし、大石さんは見事!今期NHK杯は、3局連続でA級棋士を倒す快進撃!!しかし、もの凄い指し回しを見せて快進撃を続ける西川さんとは違い、なんかラッキーでもありますね。行方さんと屋敷さんは自滅の気がするし。。

 これでNHK杯はベスト4が決定。郷田さん、西川さん、丸山さん、大石さんです。来週は郷田vs西川戦か。これは業務スーパーに行っている場合ではないな。。

第39期棋王戦 第2局 渡辺明 vs 三浦弘行 (ゴキゲン中飛車 ▲58金右急戦)

 渡辺棋王の先勝で始まった棋王戦ですが、棋王戦は5番勝負なのであっという間に決着がついてしまいます。今日は三浦さんの先手番、これを落とすと三浦さんは相当にヤバいんじゃないかと。で、第1局は三浦さん得意の横歩を受けて立った渡辺さんがそれを撃破するという強さを発揮。その後に行われたA級順位戦もやはり横歩で今度は三浦さんが勝利!これは、渡辺vs三浦の横歩シリーズになるんじゃないかと思っていたんですが…

 渡辺さん、ゴキゲン中飛車だあああ!!!渡辺さん、王位リーグの佐藤戦、王将戦の羽生戦に続いてのゴキゲン中飛車の採用です!研究手を隠す為とか、相手の予想を外す為なんて理由で採用していたのかと思っていたんですが、これはキッチリ研究しているみたいですね。後手番での主力戦法にしようとしているのかも。しかし、後手番でゴキゲン中飛車を主力戦法に採用してズルズルと落ちていった例を知っているぞ。遂にB1への降級が決まった光速流の谷(以下略)。
 しかし、それを受ける三浦さんがカッコ良かった。後手の△52飛に対し、▲48銀ではなく▲58金。おっと、超速▲37銀でも穴熊でもないのか?!こ、これはもしかして…

20140222_13手△55歩▲24歩△同歩▲同飛△56歩▲同歩(13手目盤面図)

▲58金右超急戦だあああ!!!これは定跡書で読んだ事があるだけで、実際の対局では見た事も指した事もないぞ。やばい、ワクワクしてきた(^^)。

△88角成▲同銀△33角

ああ、だんだん思い出してきた。村山さんの書いた『ゴキゲン中飛車の急所』だと、この▲58金右からの急戦がかなり細かく書いてあったから、印象に残ってるんだな。なんか、▲55桂とか打つんですよ。

▲21飛成△88角成▲55桂

打ったああ!!これは完全に定跡通りじゃないですか!この桂打ちを最初に編み出した人は凄いと思います。相手の飛車と馬のラインを同時に消し、玉の逃げ道&飛車のコビンに直撃し、更に△33角から相手の馬を素抜く狙いまであるという。

△62玉▲11龍△72玉

というわけで、△62玉の早逃げですが、次の△72玉がちょっと知らない手でした。僕がおぼえているのは、△72玉に代えて△99馬▲33角△44銀▲同角成△同歩▲66香△72銀…みたいな感じ。でも、たしかに△62玉の方が自然には見えますよね。で、定跡書を引っ張り出してみると…出てない(;_;)。ここで僕の読んだ定跡本とはお別れなのか?そして…次の三浦さんの一着がもの凄かった!!

20140222_23手▲63桂成(23手目盤面図)

うおおおお!!!踏み込んだ!!三浦さんのこの速い踏み込みで思い出すのは、序盤からの飛車切りで阿久津さんを瞬殺してしまった、今期のNHK杯です。いやあ、僕みたいなアホだったらハッタリの可能性もあるけど、A級棋士の、しかもタイトル戦での踏み込みだからなあ。これは勝算があっての事では?まだ23手目ですが、もしかして三浦さんにはもう寄せが見えているのか?!

△同玉▲18角△54歩▲66香△72玉

 後手は歩が1枚しかないのがキツいです。歩があれば角も香も合駒でなんという事もなさそうなんですが、歩が足りないので、合駒するとしたら高い駒で受けないといけない(・_・、)。しかし玉を躱すと、先手は金香交換の駒得が確定ですが、それでも渡辺棋王は玉を躱しました。これで三浦さん、手番を渡しても受かりそうなら▲61香成の駒得、攻めを繋ぐなら▲13龍で後手にまた受けさせるという感じで手が繋がりそう、と思ったんですが…

▲22歩

?!これは…三浦さん、決めにいった?いやあ、もしこれで寄るんだとしたら、三浦さんの中盤力は半端ではないという事になります。それこそ、中盤かと思っていたらいきなり決めに来る光速流の再来か?!

△51金右▲21歩成△42銀▲23歩

 う~~ん、渡辺棋王は普通に受けているだけなんですが、どうにも受かっているように見えるなあ。で、三浦さんはと金を作った後にまた▲23歩からと金作りですか。これは…いくらなんでも遅くないかい?1~2筋方面からの金駒の攻めになってしまうと、中飛車側の玉を寄せるのって、難しいんですよね。。
 以降は、中飛車側が指しやすい状態で、それを必死に三浦さんが指し手の順番に工夫を施して紛れを作ろうとする感じ。しかし、渡辺さんの強さって、絶対に間違えない驚異の終盤力にあるんですよねえ。。結果、78手にて後手渡辺棋王の勝ち!渡辺さんはこれで2連勝!!早くも防衛にリーチをかけました。

 う~ん、三浦さん、中盤でいきなり仕掛けた所は度胸があるというか、未知の領域に踏み込むという男気を感じたんですが、その後の攻めが繋がりませんでした。これは、ヘタすると先に始まった王将戦よりも早く終わっちゃう可能性も。三浦さん、第3局は頑張ってほしいです。

凌ぎ切った直後に自滅をする、というハナシ

 ネット将棋での対局を控えるようにしたら、序盤定跡の勉強が捗るったらありません(^^)。しかし…それと引きかえに、しばらくの間、まったく勝てなくなってしまった時期がありました(;;)。いまは上向きの感じですが、あまりに連敗するものだから、連敗している時期はかなり焦りました。。おかしい、牛の歩みながらも序盤定跡は成長している筈なのに。それを何局か振り返ってみた所…どうも、似たような負け方をしている事に気がつきました。そのうちのひとつで、これはどうしても直さないといけないと思われる傾向を発見。凌いで凌いで凌ぎ切って、とうとう手番が自分に回ってきたところで無理攻めに行って自滅というパターンです。

0123_132手 例えば、少し前に、こんな将棋を指しました。こちらのウッカリを切っ掛けに潜り切れなかった穴熊を崩しに掛かられ、20手、30手、40手…という感じで、長手数に渡って攻められまくり。こうなると受けの読みで手いっぱい、手番が回って来た時の反撃の筋すら考えている暇が無い。。また受けが続くものだから、精神的にもしんどい。それでも凌ぎに徹した努力が報われたか、ついに詰めろが外れ、ようやく自分の手番が回ってきたところで…無理攻めに行って自滅(>_<)。この局面で、僕は寄せられるかどうかも分からないまま、また相手の攻めの速度もろくに計算しないまま、▲61銀と即詰みを狙った勝負手を放ってしまいました。よく考えれば、△92玉と先逃げしておくとかしておけば相手は寄せにくいだろうし、もっと紛れたんじゃないかと思うのです。また、攻めるにしても自玉が何手空きかをちゃんと考えていれば、あんなに焦った攻め手を選ばずに済んだとも思うのです。穴熊崩しに着手されたのが70手目だったので、延々62手を凌いだというのに、「ええい、いっちゃえ!」という勢いだけの指し手ひとつで、すべての努力が水の泡(>_<)。で、勝てなくなってからの将棋には、こういう考えもしないでしのぎ切ったと思ったところで無理攻めの悪手一発!みたいなパターンがやたらと多い事が判明。

 これって、メンタル面の問題であり、また習慣の問題でもあるんじゃないかと。苦しい時間が長く続いたものだから、手番が回ってきたところでまた受けに回るのが精神的に苦痛で、攻めか守りかという思考を停止して、攻めという気分的に楽な道を無条件に選択してる。いや、考えた結果に間違えたならいいと思うんですよ。真の問題は、考えていないという点。しかも、指している時は、考えていなかったという事にすら気づいてなかったんじゃないかと。これは習慣化している僕の行動の構造のようで、そうとう意識的に修正に行かないと治りそうにありません。毎日のように対局をしていた時期は、この悪い癖を少しは直せていた気がします。しかし、少し本将棋から離れただけで、またすぐに昔の悪い病気が再発してしまったんじゃないかと。

 考えてみれば、この習性は将棋に限った話ではない気がします。車でどうしても曲がりきれないクランクに入り込んでしまい、前にも後ろにも行けなくなった事があります。その時、本当なら1時間でも粘ってぶつけないように曲がろうとするとか、助けを呼ぶとか、考えてさえいれば最善手はいくらでも思い浮かびそうなものなんですが、こういう時に僕は思考停止して一気に勝負をつけに行ってしまう。けっきょく、ろくに考えもしないまま無理攻めに出て車をガリガリと削り壊しながらカーブを抜けたんですが(゚∀゚*)…この手の経験がやたらと多い。学生時代は体育会系だったので、じっくり考えるよりも、その瞬間に判断してしまうクセがついているのかも。ゴロを取った後にホームに投げようか1塁に投げようか、なんて考えに耽っていたらダメなわけですよね。でも、将棋なんて反射より思考がいいにきまってる。考えれば考えただけ得なハズです。それで悪くなるんだったら、考えた事が悪いんじゃなくって、自分の思考の性能が悪いんでしょう。考えなかったというのが一番ダメなんじゃないかと。

 少なくとも将棋の上では、辛いと思っても、そこで切れてしまわずにひたすら丁寧に考え、選択する事が大事なんじゃないかと改めて思わされました。僕の場合、特に終盤だと、攻めきらないと詰められてしまうんじゃないかという漠然とした不安があるものだから、思考ではなくて感情で攻めを選択してしまう傾向があるみたいです。特に相手が自分より強い人だと、なおさら不安が強くなってしまって、無理攻めに走る傾向が強まっている気がします。しかし、将棋にそいういったメンタリティや習慣を影響させている時点で、勝てるはずがないですよね。どう考えたって100%ロジックのゲームなのに。
 中盤であれば、悪いと思った所からも粘る手を考えに行けているような気がするんですが、劣勢の終盤がワンパターンで非常に雑であることが分かりました。本当に強い人というのは、攻め手が有効な局面では攻め手を選び、攻め手が有効でない局面では辛くても受けに回るとか紛れの多い局面に誘導するとか、そういう事の出来る人なんだと思います。スポーツでも音楽でも、ジャンル問わず、上手い人って丁寧なんだと思います。勢いなんていうのは、丁寧の上にあるから成り立つものであって、丁寧さがない勢いなんて、ただ雑なだけなんじゃないかと。終盤でアホみたいに勝負手を放つばかりでなく、辛い受けの局面が延々と続く所から無理攻めに行かずに丁寧な指し回しから19手詰の逆襲を読み切ったこの前のNHK杯の西川さんとか、投了級の局面から鉄壁の相手玉に詰めろがかかる所まで持って行った王将戦2局の羽生さんとか、ああいう差し回しをできるようになりたいです。



第63期王将戦 第4局 渡辺明 vs 羽生善治 (ゴキゲン中飛車)

 渡辺王将の2勝1敗で迎えた王将戦第4局です!羽生さんは負ければ後がなくなるので、ここはどうしても勝ちたいでしょうし、渡辺さんは渡辺さんで棋王戦との掛け持ちになっているので、はやく勝負をつけて楽になりたいんじゃないかと。ところで、今日の立会人は藤井猛さん、副立会人は行方さん。う~ん、好きな棋士ばかりだ。。

 先手羽生さんの初手は…▲26歩!うおお、これは何を狙ってるんでしょうか?!そして後手の渡辺さん…なんと、ゴキゲン中飛車です!!いやあ、渡辺さんが中飛車を指すのは初めて見ました。それどころか、振り飛車を指すのですら初めて見たかも。羽生さん、これは完全に裏をかかれたのではないでしょうか。羽生さんの受けは…おお、穴熊ではなく超速37銀です!羽生さんって、対中飛車は超速37銀ですよね。羽生さんと久保さんの指したいくつかの名局が、今の超速37銀の定跡のベースになっている気がします。

20140219_18手 18手目は、超速37銀の基本図のひとつだと思います。そして19手目、羽生さんは▲58金ではなく…

▲68銀

ん?▲68銀はネット将棋で教えて貰った事のある指し手ですが、▲58金も指さないまま銀をあがるのか?形が悪いようですが。。…これは、▲58金を先に指すと「△7二玉と寄って、▲6八銀に△5六歩と突かれて後手が指しやすくなる」からだそうな(by 永瀬六段)。えええ!!そうだったのか!!いやあ、超速37銀は勉強したのに、穴熊ばかり指しているものだから、全然覚えてないぞ(^^;)。と思って、前に勉強した定跡本をひっくり返してみると…おお、▲58金の指し手しか書いてない(;;)。そりゃ覚えていないわけです。しかし、これはまたひとつ勉強になったぞ。でも▲68銀と指すと、普通の穴熊に囲う筋はもう消えて、先手の戦法は2枚銀しか残らないという事でしょうか??…ああ!だから対中飛車の穴熊はああいう特殊な形なのか!!高段の方に薦めて貰った『中飛車破り一直線穴熊徹底ガイド』はまだ読めていないのですが、またひとつ謎が解けたぞ(^^)。。

 で、ここは先手は穴熊の持久戦を志向するか、2枚銀などの急戦を志向するかという岐路だと思うのですが、羽生さんは2枚銀の急戦を志向。うわ、これも持久戦志向の僕が全然覚えていないパターンだ。。よし、この機会に覚えてしまおう。

△72玉▲77銀△82玉▲66銀
 これで先手は2枚銀。後手は玉を潜りましたね。しかし、ここからの後手玉の囲いが…

△72金
 美濃にしないのか。。これも僕が去年勉強した定跡書には書いてない形で、しかし解説を読むかぎりでは定跡中の定跡みたい。う~ん、タイトル戦にもう少し振り飛車が登場してくれないと、対抗型の最新定跡は覚えられないなあ。。

20140219_33手▲58金右△51飛▲37桂△32金▲16歩△62銀▲96歩△94歩▲15歩(33手目盤面図)

 端歩を突くタイミングとか、いろいろと駈け引きはあったようですが、たどり着いたここも居飛車2枚銀vsゴキゲン中飛車の基本図みたいです。ここは、今度は後手の作戦の岐路で、△6四歩か△1二香が有力との事。後手はもう陣形に進展性がないみたいなんですね。で、渡辺さんは…

△12香

 う~ん、角当たりを避けたとか、角の引き場所を作ったとかいう意味もあるんでしょうが、きっとこれは手待ちなんでしょうね。で…

▲29飛△22角▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲25飛

 これもほとんど手待ち合戦に見えます。でも先手は飛車先の歩を交換できたので、これは先手がちょっと得なのかな?あと、飛車の引き場所を5段目にしたのは、いずれ55が戦場になるのは見え見えなので、そこへの利きをひとつ増やした、という感じかな?しかし、飛車の引き場所って、迷いますよね。。僕は、分からない時は28飛と決めています( ̄ー ̄)。

20140219_44手 △64歩▲68金上△63銀(44手目盤面図)
 
 こ、これは…さっきから10手以上進んだというのに、ほとんど変わってない(´・ω・`)。。飛車先の歩が切れた事と、後手玉の囲いが若干弱くなったことぐらいかな?もうこれは、55から開戦でしょう!でも、どちらが勝ってるんでしょうね。利き駒の数では先手が制圧しているように見えるけど、互いの攻めの筋は、どのあたりなんでしょうか。。
 後手は?スッカスカな先手玉の右辺狙い、あと角筋も思いっきり急所に食い込みそうですね。中央を制圧できれば、飛車を中央から玉の逆サイドに振ってから成り込む。でも、これは中央を制圧できそうにないので、非現実的か。もっと現実的なのは、3筋の桂頭攻め?中央がすっきりして、利きが外れたところで△35歩が厳しい攻めになりそう。これで仮に桂を逃がしたとしても、と金で寄せていく感じでしょうか。
 じゃ、先手は?対中飛車戦って、突破した後の寄せがけっこう難しいと感じています。この形の場合、後手の51の飛車が21の桂に紐をつけているのが厄介なんだよなあ(ι゚ー゚))。。2枚銀にした以上、抑え込みの方針は貫くべきなんだろうなあ。そうなると、少なくとも銀1枚は相手陣に押し込みたいところ。でも、そこからがまた難しそう。いつもそうなるんですが、先手は2筋の飛車を捌き切れるんだろうか??もう分からないので、羽生さんが2枚銀をどう指しこなすかを勉強しよう。で、ここからの互いの構想がちょっと勉強になりました。
 
 最初は、渡辺さんの構想。

▲55銀左△同銀▲同銀△74歩▲56歩△65銀
 銀を1枚ずつ交換したところで、渡辺王将は持ち駒となった銀を玉頭攻めに使いました。なるほど、中央での戦いを決着つくまで指してしまうと後手が足りないので、途中で戦場を増やして紛れを作るんだな。しかし、この玉頭攻めは…

▲57金直△76銀▲77歩△85銀▲79角
 羽生さんがいなして事なきを得たんですが…なんか角を79に引きました!!ええええ!11~99の角のラインは最重要だと思っていたんですが、なんだこれ?!もう、この角を攻撃に使う事は捨てて、左辺からの攻撃に対する守りに使おうという事でしょうか??いやあ、これは受けバージョンの羽生マジックが出たんでしょうか?

20140219_56手 次は、羽生さんの構想。羽生さんがなぜ中央の戦場の争いよりも2筋の攻防を先にしたのかは、きっとこちらを後にしてしまうと間に合わなくなるからなのかも。いやあ、構想のお手本のような将棋だ。この超人ふたりの戦いは、中盤戦がとにかく熱い!!どうやって2筋の飛車を捌きに行くのかと思ったんですが、まずは22に潜った角を…

▲24歩△同歩▲同飛△33角▲29飛
 これで33まで引っ張り出して、あとは▲35歩以下の角頭攻め。おおお~なるほど!!これはメチャクチャ実践的な手筋だ!!これは覚えておこう!で、以下どうなったかというと…

△23歩▲35歩△同歩
 やっぱり角頭攻めですね。しかし…これは先手の桂頭攻めにも逆用されるので、けっこう先まで読んでからでないと指しにくいかも知れないな。

▲45桂
 おお!▲34歩じゃなくって、的になっている桂で行くのか!なるほど、そりゃそうか。。

△42角▲34銀
 これは見事!!後手はもう23が受かりそうにありません。というわけで、ここで渡辺王将は攻め合いを選択!!

20140219_70手△54歩▲46銀△44歩(70手目)

 こうなるともう、速度計算の問題ですね。しかし、この盤面図は均衡が取れていて美しいな。桂取り、そして銀取りに繋がっていく後手の△44歩がどれぐらい速いか。以下は、壮絶な捻じり合いと速度計算がミックスしたような状況となり、ものすごい将棋!!解説をしていた藤井さんや行方さんや深浦さんといったプロ棋士は全員やや先手持ちの解説をしていたので、きっと先手が良かったんでしょうが、いやあ、この状況から先手を持って勝ちきれるアマチュアがどれぐらいいるんだろうかと思ってしまいました。最後は111手にて、羽生さんの勝ち!!これで星取りは2勝2敗の5分に戻り、王将戦が面白くなってきました!もし羽生さんが王将を奪取すると4冠、渡辺さんが1冠になるのか。そうなると、将棋界の勢力図が一気に動くような気がします。

 それにしても、面白い将棋でした!!やっぱり、居飛車対振り飛車も見ていて面白いな。しかし、去年いっしょうけんめい勉強したゴキゲン中飛車対策の定跡が、もうすごく進化してしまっていた事に驚き。自分がなぜ対中飛車戦の成績が良くないのか、よく分かった気がします(^^)。でも、定跡書が書かれた後に定跡が進化しちゃうと、これはもうどうしようもないよなあ。。タイトル戦はかろうじて解説つきで見れているけど、それ以外のプロ将棋は解説もないし、そもそも見ている暇がない。これは、振り飛車党の棋士がもっとタイトル戦に出てきてくれる事を願うばかりです。

角換わり棒銀は今でも有力、というハナシ

 ただいま、角換わりの勉強は正調角換わりの相腰掛け銀の途中あたり。棒銀、早繰り銀、相腰掛け銀、後手棒銀、後手右玉…と勉強してきた中で、一番指しやすそうだと思えるのは、相腰掛け銀ではなくって先手棒銀です。
 角換わりがとにかく苦手なんですが、角道オープンの状況である横歩取りを指す僕にとって、横歩の展開からの角換わりへの変化はどうしても避けられません。もしそうなったら、その時は棒銀で対処しよう、という訳です。アナログな発想ですが、自分が後手番でも、横歩から角換わりに変化されたら、自分が先手番の正調角換わりと同じになるじゃないですか(゚∀゚*)エヘヘ。正調角換わり棒銀を得意戦法にしようと思っている訳ではないんですが、とにかく指しておかないと、覚えられませんしね。そして…ついに、運命の時がやってきました!相手は超高段者、しかも相居飛車戦ではほとんど角換わりを指し、その角換わりの勝率が7割を超えるという角換わりのスペシャリストです!!相手にとって不足なしどころか、高すぎる壁ですが…しかし定跡通りに進みさえすれば、相手がプロだろうが何だろうが、定跡を離れるまでは互角のハズ。せっかく勉強したんだし、チャレンジする事にしました。横歩からの変化なので先後が逆になっていますが、今日の日記は角換わり▲棒銀vs△右玉の考察、という訳です。

(第1戦)
 最初の対戦。僕は後手番で、横歩取りの展開になったかと思いきや…先手、角交換してきました!!きた…これで僕が先手の角換わりと同じになった…棒銀の勉強の成果を今こそ発揮する時だ!!まず、序盤のポイントは、以下の3つ。

①端の先受け:最初に勉強になったのが、端の先受け。僕が△83銀と棒銀を明示した途端に、先に▲96歩と受けてきました。端歩を突き合わない棒銀なら自信があったのですが、この時点で端歩を突き合う棒銀しか選択肢は無くなってしまいました(・_・、)。なるほど、端歩の突くつかないは棒銀側に選択権があると思っていたんですが、受ける側にも選択肢があったのか。。かといって既に棒銀でない形には出来ず。9筋ではなく7筋からの攻めも勉強するにはしたんですが、あれはうまくいかないんだよな。。

②右玉:次に面白いと思ったのが、棒銀に対して早繰り銀含みの▲36歩を選択するのではなく、▲46歩を選択してきた事。いや、これでも受かるというのは知っていたのですが、これだとのちのち△44角が使える可能性があるので、ラッキーと思ってました。しかし、この受け側の構想は…右玉だったんですね。右玉自体は、決して堅い囲いではないので苦手意識はないのですが、問題は▲37桂~▲29飛まで進むと、飛車の横利きが99を守る事になってしまう事。これで棒銀側は、先手飛車が9段に下がる前に仕掛けなければならないという攻めの督促をされる格好。なるほど、棒銀に対しての右玉はなかなか優れた選択だと思いました。しかし、この飛車が間に合うかどうかが、今回の勝負の分かれ目のひとつに。

81Dojo-2014-02-17-1-27手③▲97歩の受け:先後が逆なので分かりにくいかも知れませんが…棒銀で銀桂交換になった直後って、受ける側は▲94歩と、香の裏に歩を垂らしますよね?しかし、この角換わりスペシャリストの方は、▲97歩と守ってきました。これでも悪くないと記憶していますが、しかし棒銀を指す側としては、こっちの方が攻め手に回れるので、これはラッキーかも。で、盤面図となりました。
 ▲97歩と受けてくれれば、棒銀の端攻め定跡のオンパレードです。△98歩から仕掛けて、▲88銀なら△99歩成▲同銀△26香▲同飛車△44角で一丁あがり。というわけで、▲88銀打としてくるわけですが、それはそれで香の重ね打ちをすれば端を破れます。

 で、この筋は確定していていつでも仕掛けられるので、戦い終わった後の玉型の堅さ負けを気にして玉型を整備。いくら右玉が堅くないといっても、居玉とでは差がありすぎますからね。。しかし、ここで玉を22にまで入れたのが初戦の敗因。戦場に玉を近づける事になってしまいました。ここで、棒銀の成功と引き換えに渡した2枚の香を2筋に重ね打ちされ、飛車と合わせた三段ロケット。そうなると後手に勝ち目がないですね。。初戦は、敢え無く敗退してしまいました。。

(第2戦)
 しかし、高段者の角換わりのスペシャリスト相手に、角換わり初心者が善戦できたんではないかと。あれは棒銀が敗因ではなくて、自玉を戦場に近づけたのが敗因で、最初の構想は決して悪くなかった。で、第1局を指し終わった後、観戦してくれていた友人の方と話をしていたんですが、その時に…来ました、さっきの角換わりスペシャリストからの再戦要求です!!ここで神のイタズラ、今度も僕が後手番!ここまで条件が揃えば、さっきの将棋を指さなければ男じゃない。すると…さすがは高段者。逃げずにまったく同じ形で受けてきました!!で、僕は玉を22ではなく42に置いた状態で棒銀の端攻め定跡に。

81Dojo-2014-02-17-2-35手 これが第2戦の駒組み。僕の△98歩にはやはり▲88銀打ちと守ってきて、そこで▲91香と重ね打ち、相手は玉を右に入れて右玉の完成、という訳です。ここからは棒銀側の端攻めの定跡通りで…

△99歩成▲同銀△97香不成▲同桂△同香成

 これで端を破る事に成功!要するに、先手の右玉で飛車が9段目まで下がる前に仕掛けたわけです。しかしここで一手空き、先手が反撃の準備。

▲36歩

 これは桂跳ねの準備ですね。その桂を攻めに使うとしたら…2筋は破られても怖くないので、5筋か。いや、これも大丈夫でしょう。攻めよりもむしろ▲29飛の受けの方が厄介なので、その前に攻めを継続。

81Dojo-2014-02-17-2-45手△98歩▲88銀上△同成香▲同金(盤面図)

 さて、これで盤面図までたどり着いたんですが、この状況ってどうなんでしょうね。棒銀側は角銀桂で手番、右玉側は角香香歩です。結構互角なんじゃないかと。しかし、この後の棒銀側の攻め手がけっこう難しくって、以下はどうなるか分かりません。ちなみに、今回の以降の構想は、やっぱり右玉側が飛車を引く前に攻めつぶそうというもので…

△99歩成▲37桂△89と(48手目)▲同金△69角▲29飛(51手目)△87角成▲88金△86歩

 48手目△89との狙いは、△69の角打ちから、角を切って龍を作る構想でした。しかし高段者ともなると、さすがにこちらの構想通りには指してくれないんですよね…。ここで先手は馬を取らずに、▲24歩から、やっぱり5筋に香の重ね打ちをしてきました。しかし、これはさっき計算した通りで、1枚足りないハズ。こうなると、先手の5筋攻めvs後手の8筋突破の手数計算になりますが、さすがに枚数足らずでは5筋は破れないでしょう。受け潰してから攻めても行けそうだし、もし先手が攻め合いを選択してきたら、それはそれで結構いけそう。で、攻め合いにの末に寄せ合いになったんですが…うおおおお!!!角換わりスペシャリストの高段者相手に、なんと勝ちましたあああああああ!!!!…おっと失礼、興奮のあまり取り乱してしまいました。。

 振り返れば、先手が51手目に▲29飛でなく▲88金と受けて来たらどうなっていたかとか、色々と思う所はあります。しかし、正調角換わり棒銀は、アマ高段者に対しても互角に戦える戦法という事は言えるんじゃないかと。覚えなくてはいけない定跡の量もすごく少ないので、けっこうおススメ。角換わりの勉強が間に合っていない人(まさに僕がそうなのですが^^;)は、とりあえず角換わり棒銀の定跡だけバッチリ勉強しておくだけで、あとは角換わり拒否という方針にすれば、他の角換わりの定跡の勉強を後回しにできるんじゃないかと。角換わりに怯えながら将棋を指さなくてもよくなると思います。ああ、この事にもう少し早く気づいてさえいれば…。。

 そうそう、0手損角換わり棒銀の勉強に限定して言えば、『羽生の頭脳』は要りませんでした。最新定跡の定跡書なんて正調角換わり棒銀の定跡自体が出ていないので、もっと要りません。僕が勉強したのは『よくわかる角換わり』と『最新棒銀戦法』の2冊。この2冊に関してだけは、どちらかだけではダメで、『よくわかる~』の方は新しい定跡だけが出ていて、『最新棒銀戦法』の方はメチャクチャ詳しいけど新し定跡が出ていません。
 あと、昔に勉強した佐藤康光さんの『実戦で使える囲いの急所』で、右玉の攻略法をいくつか覚えています。桂頭を角で狙う筋とか、いきなり▲83桂を放り込む筋とか。これがどちらも華麗な手順なので、ずっと指してみたいと思い続けているのですが、これを実践する機会になかなか恵まれません(>_<)。…まあ、勝てたんだから、ぜいたくを言ってはいけませんね。。


第63回NHK杯 西川和宏 vs 村山慈明 (三間飛車)

 NHK準々決勝の第3局は、西川さんと村山さんです!今期NHK杯の台風の目は、何と言っても西川さんじゃないかと。谷川さんと豊島さんという超強豪に対して、どちらも大逆転勝ち!!崩れてからの構想の立て直しが、どちらも本当に素晴らしかったです。一方の村山さんは、先日の順位戦で勝ち、B1昇級まであと一勝!こちらも絶好調の昇り竜です。

 将棋は…振り飛車党の西川さん、先手三間飛車です!後手の村山さんは石田流を警戒しての指し回しから穴熊へ。しかし…西川さん、角頭銀を見せて、穴熊に囲わせません。これで玉の囲いに差がつき、これが最後まで響く結果に。

20140216_48手 しかしさすがはプロ、村山さんは先手の攻撃を受けながら徐々に陣形を整えました。あとは、離れ駒の右金を何とか寄せていければ…というところで、西川さんが凄い仕掛けを見せました!!

▲64歩

うわあ…まったく意味が分からない( ̄△ ̄)。。ええと…△同角や△同歩なら飛車を走って先手よしとして、△同飛だとタダじゃないのか?…阿久津さんの解説によると、その場合は▲66飛と飛車をぶつけるんじゃないかとの事。なるほど、玉型に差があるから、捌き合いになれば自分が良い筈という大局観ですか。違う言い方をすれば、このタイミングで戦いを起こさないと、後手玉がどんどん堅くなっていくので、強引にでもこじ開けてしまおう、と。いやあ、西川さんの将棋を見ていて毎度驚かされるのは、その大局観です。しかし、これに対する村山さんの応手も凄かったです。

△56歩

捌き合いになったとして、それでも後手がそれほど悪いとも思えなかったのですが、村山さんは相手の構想通りの順に進む事を拒否。5筋を突き返しました。なるほど、これで攻め合いとなれば後手の方がいいですね。で、結局どうなったかというと…

▲同飛△同飛▲同銀△64角

う~ん、結局は飛車の捌き合いになりましたが、確かにこちらの方が先手の銀が離れ駒になった分だけ、後手からすると少し得な順という訳ですね。いやあ、こういう細かい所まで計算できるというのが、プロの凄さだなあ。しかし、西川さんとしては、飛車の捌き合いには成功したので、最初の攻防戦はまずまずの成果だったのではないでしょうか。

20140216_56手 次に驚いたのは、捌き合った飛車の打ち込み合いの局面。後手の村山さんの△69飛打はまあ納得。悩ましいのは先手の西川さんで、単に龍を作るなら▲83飛打でいいんでしょうが、それだと桂を躱され、後手を踏む事になります。ここで西川さん…

▲62歩

…いやあ、細かい。。そういえば、昔はこういう手の勉強をたくさんしたはずなんですが、最近は雑になっちゃってるなあ。。早指しでキッチリこういう下工作を出来るという所が凄いです。これ、△同金でも△52金でも▲71飛の打ち込みですね。これで後手を踏まずに飛車の打ち込み合いに行けるという訳か。一手空く所を埋める細かいテクニックですが、手番を握るかどうかの重要な局面なので、この一手が大きかったです。

 というわけで、117手にて西川さんの勝利!!西川さんの将棋って…なんというか、大局観のあり方がちょっと異質な感じがします。シロウト目ではありますが、プロの将棋でもいわゆる大局観的なものを感じる将棋と感じない将棋があります。大局観があればいいというものではありませんが、見ている方としては、見事な構想というのは、見ていて凄いと思わされます。で、西川さんの今期NHK杯の将棋は、どれも構想力がスゴイ。谷川戦でも豊島戦でも、勝ち負けは別としても、将棋の構想自体が優れていると思えたのは正直言って西川さんでした。さすがに負けはしましたが、郷田戦での森内さんの構想はちょっと凄すぎましたが、それに次ぐぐらいの大局観じゃないかと。これが振り飛車間隔というヤツなんでしょうか?西川さん、ここ3戦はすべて上位者を喰う大番狂わせで、遂にベスト4に進出です!!次の相手は…ご、郷田さんか。。快進撃もここまでかも知れないけど、次も頑張ってください!!


第72期順位戦 B1級12回戦 & B2級10回戦

 昨日のC級2組の順位戦は熱かった!そしてその翌日、今度はB級1組と2組の一斉対局です!
 
(B級1組 12回戦)
 個人的に一番の期待は、丸山さん。丸山さんの将棋って、構想も踏み込みも寄せも、見ていて感動してしまうほどの見事な指し回しが多いので、あのヘアースタイルさえやめてくれたら大ファンなのです。あと、同じくB1の広瀬さんもちょっと注目。というのは、広瀬さんは振り飛車も指すので、もう少しプロの居飛車vs振り飛車の対抗型の将棋が見たい僕としては、A級に振り飛車を指す人が増えると楽しいかな、という期待があります。

●丸山忠久 vs 広瀬章人○
 なんといっても今日1番の目玉は、両者ともに昇級がありうるこの両者の直接対決。そして、後手になった広瀬さん…一手損角換わりのスペシャリスト丸山さんにたいして、なんと一手損角換わりです!!A級昇級のかかった大一番で相手の得意戦型に突っ込むとは…。。勝てばカッコいいけど、負けたら悔やむに悔やみきれないんじゃないでしょうか。さらに丸山さんの選択は、棒銀です!なんというタイムリーな事でしょう。一手損とはいえ、角換わり棒銀が見れるのは、リアルタイムで勉強中の身としては嬉しいです。。結果は…おおお!!!広瀬さんの勝ち、広瀬さん昇級決定です!!いやあ、丸山さん相手に一手損で勝つとか、森内さん相手に矢倉で勝つとかって、気持ちいいんだろうな。。広瀬さん、おめでとうございます!

●鈴木大介 vs 阿久津主税○
 もうひとりの2敗棋士、阿久津さんはというと…おお!!これも見事な勝利です!阿久津さん、A級昇級決定です!!今期順位戦は2連敗からのスタートだったというのに、2敗が昇級ラインとなったリーグ戦でトップ通過はお見事!!一方の鈴木さんは…これで2勝9敗、B2降格が決定ですか。応援してたんだけどなあ。気持ちを切らさず、来期は頑張って下さい。

hirose-akutsu.jpg さて、A級昇級が決まったお二人、深夜だというのに恵比寿に繰り出し、野月さんらとともに焼肉屋でA級昇級お祝いパーティーを行ったとの事。ふたりとも、いい笑顔ですね~(^^)。プロ棋士になって、A級にあがれたというのは、本当に天にも上った気持ちなんじゃないでしょうか。野球やってて甲子園に出たとか、そういう人生で最高の瞬間なのかもしれません。写真を見ていて、こちらまで嬉しくなっちゃいます(^^)。おふたりとも、おめでとうございます!

●高橋道雄 vs 藤井猛○
 高道さん、黒星地獄から抜けられません。これで1勝10敗、B2への降級が決定しました。しかし、高橋さんは昨期はA級だったというのに、これで連続降級ですか。不思議なのは、今期も高橋さんは順位戦以外の成績は決して悪くないんですよね。一方の藤井さんはこれで5勝目。最終戦の結果次第では、5分の星で今季を終了することが出来ます。藤井さんはA級はきついかも知れないけどB2は低すぎると思っていたので、B1の上位にいて欲しいなあ。

 さて、これでB1は昇級2名と降級2名が決定。そのころ、B2はというと…

(B級2組 10回戦)
 B2は前回ですでに佐藤天彦さんが昇級を決めているので、残る枠はひとつのみ。有力候補は、ここまで1敗で来ている先崎さんと村山さんのふたり。先崎さんのキャリアを見ると、囲碁を始めて数か月でプロ3段になったとか、将棋より麻雀の方が強いとか、とにかくテーブルゲームの天才。スポーツでもゲームでも、上達の速度が異常に速い人って、稀にいるじゃないですか。あっという間に極めちゃう、みたいな。そういう意味では、先崎さんというのは、羽生さんや森内さんよりも早熟型の天才だったんじゃないかと。昔読んだ『村山聖名局譜』でも、羽生さんを下に見たような口調で話していますしね。昔はべらぼうに強かったんだろうな…という気がするんです。で、その堕ちた天使が、遂に復活か?!という期待が少しあるわけです。
 村山慈明さんは、『ゴキゲン中飛車の急所』ですごくお世話になりまして、中飛車コンプレックスから脱出できたきっかけになったので、なんか親近感があるのです。でも村山さんの将棋って、見ていてあんまり強い感じがしない。それでもB2で昇級争いに来てるし、NHK杯でも準決勝まで生き残ってるし、なぜ強い感じがしないのに強いのか?という所に興味があります。

○森下卓 vs 先崎学●
 先崎さん、負けた~!!しかも、古豪である森下さんに一発かまされました。森下さんって、古い定跡書にも名前が出てくる人なので、もうキビシイ年齢なのかと思ったら、B2で6勝3敗なんですね。素晴らしい。これで先崎さんは一歩後退ですが、まだチャンスは残ってます。先崎さんの最終戦の相手は?…井上慶太さんか。これは互角の戦いなんじゃなかろうか。。先崎さんがB1に復帰するには、2位争いの相手である村山さんの成績が意味を持ってきます。

○村山慈明 vs 南芳一●
 村山さん、勝ちです!!!これで8勝1敗の単独2位、最終戦に勝てば他の結果関係なくB1昇級決定になります。最終戦の相手は?…うおおお!!!なんという運命のイタズラ、これは先ほど先崎さんを倒した森下さんじゃありませんか!!B2の昇級レースの命運を握るのは、なんと森下さんという事になりましたね。

 というわけで、B2の昇級レースの残り1名は、最終局にまで持ち越される事になりました。しかし、確率的に言えば、村山さんが有利でしょうか。
 思ったんですが、来期のB級1組って、こんなメンツになるんですよね?

屋敷 or 郷田 or 三浦
谷川浩司
丸山忠久
豊島将之
松尾歩
橋本崇載
山﨑隆之
藤井猛
木村一基
畠山鎮
飯塚祐紀
佐藤天彦
村山 or 先崎

 いや~、これはとんでもない激戦になるんじゃないでしょうか。特に、上の4人の強さがとてもB1とは思えない。。順位戦って、独特の面白さがありますね(^^)。

第72期順位戦 C級2組 9回戦

 昨日は順位戦C級2組の9回戦がありました。C2は10回戦までなので、もう大詰めという感じですね。上位者が取りこぼさなければ、この9回戦で昇級が何名かは決定しそうな感じでした。

○大石直嗣 vs 中田功●
 まずは唯一8戦全勝の大石さんです。この対局に勝てば昇級決定でしたが…勝ちました!!大石さん、昇級決定です!大石さんといえば、今期NHK杯で行方さんと羽生さんというA級棋士ふたりを連続で破った快進撃が記憶に新しいです。あれ以来、大石さんの書いた『ダイレクト向かい飛車徹底ガイド』が気になって仕方がありません(^^;)。考えてみれば、A級を連続で倒す実力があって、竜王戦6組優勝とか王位戦リーグ入りとかの文句なしの実績があって、ただいま連続昇段中で6段という棋士が、いつまでもC2にいては、他の棋士はたまったものではないでしょう。これは誰もが納得の昇級ではないかと思います。大石さん、おめでとう!!

 大石さんの昇級決定で、残る切符はあと2枚。追いかける7勝1敗の棋士は澤田さんと千田さんの2名、6勝2敗は7人いるんですが、もし7勝1敗棋士が負けるとチャンスが出てきます!!しかし、この合計9名の中で、もっとも順位がいいのが澤田さん。もし今日澤田さんが勝つと、澤田さんが一気に有利になり、6勝2敗の棋士は苦しくなります。

○永瀬拓矢 vs 矢倉規広●
 この対決、どちらも6勝2敗同士の対決、負けた方が昇級戦線から脱落という大一番でした。これに永瀬さんが勝って矢倉さんは3敗目、これは昇級戦線から脱落でしょう…。。永瀬さんはこれで首の皮1枚繋がりました。

○佐々木勇気 vs 千田翔太●
 これは今日のカードの中で最も重要な1戦だったのではないかと。千田さん、負けたああああ!!!これで千田さんは痛い2敗目、2敗となると順位の低さが響いて、2敗勢の中でも苦しい立場となってしまいました。一方の佐々木さんは千田さんを引き摺り下ろすとともに自身も7勝2敗、しかも2敗棋士の中では最も順位のいい棋士という事になり、一気に形勢逆転という感じです!!これは昇級争いが熱くなってきましたよ。。

 しかし、千田さんが2敗になったという事は…おお、もし澤田さんが勝つと、澤田さんは唯一の1敗となると同時に順位も一番いいのか。ということは、澤田さんは勝てば昇級決定ですね。そして、運命の澤田vs村田戦…

○澤田真吾 vs 村田顕弘●
 村田さんも6勝2敗棋士、ここで澤田さんを倒せれば2敗棋士が溢れかえる大混戦になり、自分の昇級の目も残るという大一番だったのですが…澤田さん、勝ったああああ!!!これで澤田さんの昇級が決定です!!いやあ、澤田さんも順位が4位でかつ8勝1敗なので、これも文句なしの昇級でしょう。

○佐藤紳哉 vs 西川和宏●
 昇級争いには関係ないけど、個人的にはいちばん興味があった1戦。第3回電王戦棋士vs今期NHK杯のダークホースです。この戦いを制したのは佐藤紳哉さん!!いやあ、佐藤さんはYOUTUBEなんかに笑える動画がいっぱい出ていて、プロ将棋を見始めた時に、将棋に引き込まれる原因になった棋士でもあります。ハッシーとの掛け合いとか、NHK杯のコメントとか、爆笑です。。しかし、実は新人賞とか年間最高勝率とかも取っている実力者なんですよね。それが、ここのところ成績が芳しくなかったのですが、電王戦出場が決まって以降は破竹の5連勝!!やっぱり、生活には目標が必要という事ですね。佐藤さん、電王戦がんばって!!

 さて、この結果、昇級争いになりそうな上位棋士の成績は以下の通り。

大石直嗣 9勝0敗 ◎昇級決定!
澤田真吾 8勝1敗 ◎昇級決定!
----------------------------------残る昇級は1枠
05 佐々木勇気 7勝2敗 最終戦は遠山
06 永瀬拓矢  7勝2敗 最終戦は髙見
32 村田智弘  7勝2敗 最終戦は石川
45 千田翔太  7勝2敗 最終戦は西尾

 6勝3敗の中で佐々木さんより順位の高い棋士がいないので、仮に佐々木さんが最終局に負けても3敗棋士は佐々木さんを上回ることが出来ないので、3敗以下の棋士の昇級はここで消えました。そして、最終局で昇級争い棋士の直接対決はナシ。最終局は、佐々木さんは勝てば自力で昇級決定、その他の2敗棋士はとにかく勝って他の結果待ち、という事になります。う~ん、少なくともC級2組に関しては、将棋界の1番長い日は熱い戦いになりそうです。。

角換わりの初心者本の比較

 生まれて初めて、まともに角換わりの勉強に向かい合っています。最初は一手損角換わり対策だけしようとも考えたんですが、基礎を飛ばして後から理解できない事が出てきたりしたら困る。というわけで、角換わり棒銀という超初心者みたいなところから勉強を始めています(^^;)。しかしこれが面白い!!僕の勝手な思い込みで、正調角換わりというのは、相腰掛け銀以外は結論のついた戦型なのかと思っていました。横歩△45角戦法とか早石田みたいなもので、相手が定跡を知っていたら苦戦必至、みたいなんじゃないかと。もしかしたらプロの間ではそうなのかもしれませんが、アマチュア向けの定跡書を3冊ほどひっくり返してみた限りでは、角換わり棒銀って、どうも互角であるように思えるのです。
 で、今までの僕の勉強方法は、最初にメインテキストにした本を勉強して、それが終わったら他の本も参照してみる、みたいな感じ。しかし今回は、どの本をメインテキストにすべきかという時点で迷いが生じてしまったので、角換わり棒銀だけ、3冊の本を比較ながら読んでみる事にしました。で、いちばん良さそうな本をメインテキストにしようという訳です。比較した本は、西尾さんの『よくわかる角換わり』、青野さんの『最新棒銀戦法』、羽生さんの『羽生の頭脳 角換わり』の3冊です。

 正調角換わり棒銀というのは、後手の攻めの銀の使い方が、棒銀、早繰り銀、腰掛け銀の3つがあり得るみたいです。で、後手の棒銀は先後同桂になるので、先手が先行してしまうので無理筋で、本命は早繰り銀、みたいです。で、後手の受けの形には△64歩型と△74歩型(早繰り銀)のふたつがあるみたいですが、本命はやっぱり△74歩早繰り銀みたい。また、本命の先手棒銀vs早繰り銀に関していうと、1筋の歩の突き方で更に3種類に分かれるみたいです。歩を突き合うタイプ、突き合わないタイプ、先手だけ突くタイプ、というわけです。というわけで、後手の銀の位置と1筋の歩の状態を参考に、上記3冊を比較してみました。

(正調角換わり棒銀に関する定跡本の比較)

『よくわかる角換わり』(2011年刊)
・分量:18ページ
・後手の受け:△64歩型と△74歩型の両方記載。
       △64歩型は、たぶん新しい定跡のみで、銀は63に待機して腰掛け銀まで持って行かない。
・後手早繰り銀の際の1筋:1タイプ(先手後手とも突き合わないタイプ)のみ記載。
・その他:説明は少ない。しかし、他の2冊に載っていない新手が出ていたりして、これがやたらと有力だったりする。

『最新棒銀戦法』(2001年刊)
・分量:72ページ
・後手の受け:△64歩型と△74歩型の両方記載。
       △64歩型は銀が54にまで行く腰掛け銀の記載で、『よくわかる~』とは内容が違う。
後手早繰り銀の際の1筋:3タイプすべて記載。
・その他:メチャクチャ詳しい!また、羽生の頭脳には出ていない有力な変化も出てたりする。

『羽生の頭脳』(1993年刊)
・分量:30ページ
・後手の受け:△74歩型のみ記載。
・後手早繰り銀の際の1筋:2タイプ(両方突き合うタイプと両方突き合わないタイプ)を記載。
・その他:明らかに分かりやすい!!
 しかし1番古い棋書ということで、他の本にでていた有力な変化が出てなかったりする。


 で、思った事です。たぶん、勉強のベースにしたらいい本は『よくわかる角換わり』じゃないかと。理由は、一手損角換わりを含めた角換わり全般に触れている事と、比較的最近の刊行だからです。僕は、なにより全体の見取り図を頭の中に作り上げる事を最優先しているので、角換わり全体に触れているというのは何にも代えがたい魅力です。また、新手が出ちゃうと結論って真逆になってしまったりするので、新し目の本というのは重要な要素なんですよね。
 しかし…もし角換わりをある程度ちゃんと覚えたいと思ったら、『よくわかる~』だけでは足りず、絶対に何らかのサブテキストが必要と感じました。例えば、普通に考えて、棒銀で1筋を突き合う形が出ていないというのは、いくらなんでも端折りすぎなんじゃないかと。多分、1筋の歩の突くつかないの選択の権利が先手にあって、先手で最も有力な攻め筋が不突きだからカットしたという事なんじゃないかとは思うんですが。
 あと、『よくわかる角換わり』は、説明の省略がちょっと多いです。あまりに説明を省略されちゃうと、角換わり初心者の僕にはついていけなくなっちゃう。例えば、後手が守りの左銀を△44銀とあがる手があるんですが、「ここで△44銀とあがるのが大事」とは書いてあるんですが、その手の狙いも意味も書いてない。だから、なんで△44銀とあがるのかが分からないから、覚えられない(=_=)。また、攻め筋の説明が省略された部分もありました。△64歩型と△74歩型の両方の説明が載っているのはいいんですが、ページ数を省略する為か、それぞれに別の方法が書いてあります。で、読んでいる時に「あれ?これってさっきの△64歩型の時の筋じゃダメなの?」と感じてしまい、自分で検証する羽目になってしまいました(^^;)。。要するに、角換わりの全体像を俯瞰するための本なので、細かい部分は犠牲になっているという事なんでしょうね。

 それにしても、よくこんな初歩的であろう有名定跡も知らずに、段位まで辿りつけたものだと思います。実は、角換わりだけでなく、初心者が初めに勉強するだろう原子棒銀の定跡もよく知らない事は内緒です(^^;)。。しかし、角換わり棒銀の定跡、ものすごく良く出来てる。最初にこの手を思いついた人って、天才だな…というような手が続出。勉強というより、プロ将棋の観戦をしているような気分です。いま、一手損角換わりを仕掛けられたら、その状況から棒銀で逆襲して、角換わり棒銀をものにしていこうかと考えています。なんか、最新の角換わりより面白いんですよ(*゚ー゚*)ν。。自分で指して見たくなるほどに、面白いです。



第63回NHK杯 丸山忠久 vs 三浦弘行 (横歩取り 青野流)

 クライマックスが近づいてきたNHK杯、先週は左の山の事実上のボス対決で、森内竜王名人が消えてしまいました!!今日は、右の山の事実上のボス対決だと思います!個人的には、丸山さんの将棋は、中終盤がとんでもない強さで、メチャクチャ面白い!!あれだけすごいんだから、角換わり以外も指してくれたらいいのに…。で、一方の三浦さんは、とにかく今期NHK杯戦の対阿久津戦とか、棋王戦挑戦者決定戦での永瀬戦とかの横歩取りの強さが凄かった!!また、現在はA級でしかも棋王戦を戦っているぐらいなので、序列的には丸山さんよりも上。互いに居飛車同志ですが、戦型はかみ合うのかなあ。。一手損角換わりは居飛車だと拒否しにくい気がするので、その辺りも学びたいと思います。

 と思ったら、全然角換わりにならず(^^;ゞイヤァ。先手となった丸山さん…角換わりに誘導する事も可能な状態から、横歩マスターの三浦さん相手に横歩に持ち込みました!!でも、対船江戦での森内さんみたいに、あんまり最新形は指さずに行くんじゃないかなあ…と思ったら、青野流の最新形だあああ!!!しかし、青野流でどちらも玉がまっすぐ立つ形はあんまり勉強してないんだよなあ。よし、これはこの機会に勉強してしまおう(^^)。

20140209_18手(序盤定跡)

 盤面図は18手目、先手が横歩を取った飛車を下げず、先手後手とも玉をまっすぐ立った局面。僕の青野流勉強メモには、「飛車を4段に残すことで後手の歩を突かせない戦法」というメモの横に、「有力だが、自分で指したくない戦型」とか書いてあります(^^;)。やばい、苦手意識を持ってると暗記力って落ちるんだよなあ。。よし、ここは今日1日で得意戦型にするぐらいの気合で見よう。。で、ここからは…

▲36歩△76飛▲77角

 この3手は定跡本にも出てました(^^)。▲36歩は横歩での先手の攻撃筋で、桂なり銀なりの出入り口なると同時に、将来この歩を進めると後手陣の急所のけ桂頭(角頭)を直撃、という感じでしょうか。

 ▲36歩で先手飛車が6段目までバックできなくなった瞬間に△76飛と横歩を取って、後手は思いっきり7筋に照準を定めてます。これは△31銀の型だから成立する手で、もし銀が横歩の定位置の22銀にあげてあると△88角成に△28飛成があるので、後手は攻めどころか敗勢になっちゃうわけですよね。。▲77角と受けてきたところで、僕が勉強した定跡では後手は構わず特攻をかまして△77同角成▲同桂△55角と、飛車角のどちらかを犠牲にしながら一気に7筋を潰していたんですが、なんとここで三浦さんが予想外の手!!

△26歩▲38銀

 うわあ、こんなに早い段階でもう定跡を外れちゃうのか。。それとも、これも定跡なのかなあ。しかし、7筋に照準を絞っておきながら、いきなり2筋に歩を垂らす?今の飛車の位置から、2筋への援軍は届きそうもないし、銀なんて先手も後手の3筋を思いっきり狙ってるんだから、援軍どころか守りから動かせない。これは利かせておいて後々効いてくるという高等戦術なのか?と思ったら…

△74飛

 うおおっ!!!飛車をぶつけたああ!!
なるほど、後手が飛車を7筋にずらしたのは、こうやって使うと飛車に紐をつけたままぶつけることが出来るからか。すげえ。しかしこれ、飛車交換したらどうなるんだ??▲同飛△同歩の後の手番が先手で、受けるなら▲25飛車とか攻めるなら▲83飛とか、先手が指しやすい気がするけど、どうなんだろうか。しかし敢えてぶつけて来たという事は、後手にも何か勝算があるんでしょうね。私の棋力では全く分からん。▲74同飛がどうなるかを知らない事には、後手番でこの順を指す気にはなれないぞ。。しかし、よくもこんな怖い手を指せるなあ…。

▲35飛△24飛

 おお、先手は飛車を躱しました。やっぱり、取るとなんかマズい順があるんでしょうね。後手はそれを見て△24飛が実現。うおお、2筋への援軍が追いついたああ!!!三浦さん、これは華麗な順、構想力が半端ないわ。というわけで、優劣のほどはよく分かりませんが、序盤は丸山さんから誘導して誘い込みながら、三浦さんが定跡を外して自分の形に引きずり込んだ、という感じでしょうか。さすがは横歩マスター、ちょっと一枚上という感じでしょうか。

20140209_44手(中盤の先手の構想)

 さて、中盤では丸山さんの指し手にすごいものがありました。盤面図は44手目、駒組みと角交換が終わり、後手の三浦さんが2筋攻めを諦め、中住まいの弱点である8筋に飛車を振り直したところです。当然、先手は8筋のどこかに歩を打って受けるのかと思っていたのですが、ここで丸山さんが指した手が強烈!

▲66角

 エエエ(゚ロ゚ノ)ノ!!!
思いっきり△89飛成がある状況で、受けないのか…。う~ん、信じられん。しかし、この手は見れば見るほど味がある。相手の3筋に飛角を集中させ、どちらかを犠牲にして突破を図るという特攻は、今日の序盤で三浦さんが描いた構想そのものじゃないか。。お前はこれで突破できなかったが、俺は突破するよ、という事でしょうか。。う~ん、いい手か悪い手かは別として、横歩マスターでありかつ後輩でもある棋士に対する挑発というか意地というか、そんなものを感じさせる一手でした。
 で、ひと目ありそうな手は△89飛。でも、そうされても玉の左辺の金銀で手数は稼げそうだし、更にそこを突破されても右辺に逃げ込める。龍を作られても大丈夫、という算段なんでしょうね。一方の後手陣は?う~ん、竜を作られてしまうと左辺はスッカスカ、右辺は壁形です。…いやあ、これは凄い構想力、もし攻め合いになったら、竜を作られて角を渡したとしても、たしかに先手が良さそうだ。う~ん、手なりで指してしまいそうなところで構想できるというのが凄いわ。。
 で、三浦さんもそれはヤバいと思ったか…

△34歩(飛車くれ)▲84角(飛車取り)△35歩(飛車取り)

 …マジか、角交換に引き続き飛車交換までしちゃったよ。
。とにかく、▲66角の構想以下の数手の選択が、今日の命運を分けたんじゃないかという気がします。

 以下は、どちらも本当に、本当に素晴らしい終盤戦。先手も後手も中住まいの攻めと受けの手筋の連発!!これがもの凄く綺麗で、見ていてため息が出てしまいました。もう守り切る事は捨て、時間稼ぎを選択した金底の歩、59手目にして初めて後手陣に切り込む事に成功した馬をそのまま引いて受けに回した手、龍角の波状攻撃を受けた焦点の歩、金を吊りあげる叩き…将棋を勉強した人なら初心者だって知っているような手筋ばかりだというのに、正確な読みが無ければその手をとても選択できないだろうという連続。本当に華麗でした。

20140209_114手(驚異の終盤力!)

 そして、最後の最後、互いに薄氷の上を歩み続ける難解な寄せ合いの末、とんでもないクライマックスが待ち受けていました!!盤面図は114手、後手玉が追い詰められながらもついに壁銀を解消したところです。これ、先手陣もメチャクチャやばいですよね。もし後手に金銀が渡ったら、△58金(銀)以下寄っちゃうんじゃないかなあ。ということは、先手は銀を渡さないで攻めたいところですが、銀が思いっきり質駒になってる。。しかし、その銀を取ると逆に後手が寄っちゃう。これ、もの凄い作りの終盤です。という事は、▲51銀以下の一間龍の典型的な寄せは、銀を渡した上に1手空くので論外。ここでひと目見えたのは、▲52飛△同玉▲53馬みたいな寄せ。でもそれだと△61玉で…あとはよく分かりません(^^;)。少なくとも、僕の終盤力ではのがしたかも知れん。これは、三浦さんの壁銀解消の一手が神の一手になってるんじゃないかと思いました。ここで丸山さんが放った一手は…

▲72香

 エエエ~!!!なんだこれはw(゚д゚* )w!!!
う~ん、信じられん、よくもこんな手が思いつくな。。そうそう、今さらですが、最近終盤の勉強していて、手抜くと寄ってしまう詰めろがかかる手というのは、タダだろうがとんでもない悪形だろうが、一度は読んでみるべきと痛感しています。これは、まさにその典型という感じでしょうか。まず、こういう所への香の打ち込みをイメージできるという時点で既に神がかってますが、仮にそれをイメージできたとして、寄せの順が思いつくでしょうか。もし△同玉なら51と52への玉の利きが外れて▲52龍が実現しますが、△同銀だと?…う~ん…う~~ん…おおおお!!!▲52龍で必至か!もっとカッコいい決め方をしようと思ったら、▲62金△同玉▲53馬△同金▲51飛なんてのもできそう。いやあ、これは神憑り、僕のきったないデタラメ終盤術とは訳が違うな。。今期のNHK杯でみる丸山さんの将棋は、構想力といい終盤力といい、とにかくとんでもない強さです。しかし、最後の幕切れはあっけなかったです。

△62銀▲71金

 み、三浦さん、あれほど驚異の指し回しをしておきながら、最後は頓死です( ̄ω ̄)。う~ん、これは同玉でも同銀でも詰むという所までは読み切ったんだけど、他は読んでいる時間がなかったか、あるいは華麗な詰み手順を丸山さんに指させないようにしたか(´・ω・`)。早指しはこれが怖いです。というわけで、117手にて先手丸山さんの勝ち!!結果だけでいえば、相手の壁銀を咎めて攻め合いに踏み込んだ丸山さんの構想が見事だったという事でしょうか。三浦さん、準々決勝にて力尽きましたが、素晴らしい指し回しに、個人的には大拍手です。。

 いやあ、今期のNHK杯は、大詰めに来て名勝負ラッシュになっている気がします。今日も、横歩青野流の最新形からの変化は見られるわ、見事な構想は見れるは、横歩の終盤の手筋や戦い方の勉強にはなるわ、神の一手を見れるわで、とんでもない素晴らしさでした!!さて、来週は?…村山さんvs西川さんか。これは、村山さんが優勢になり、そこから西川さんが脅威の粘りを見せ、最後は村山さんが頓死すると見た( ̄ー ̄)。

横歩取りの勉強プラン ~横歩取りの対策 ver.2.0~

 さて、はじめて横歩取りの勉強の方針を立てたのが、去年の11月アタマ。あれからもう3カ月も経ったのか、早いな。。で、『よくわかる横歩取り』をメインテキスト、『羽生の頭脳5 横歩取り』をサブテキストにして、横歩の勉強が切りの良い所まで来ました!残るは、最新の△52玉型と青野流だけだ!!(そこが一番重要だろ…)。。

 まだ道半ばですが、横歩の勉強プランをまとめておこうと思います!そうそう、少し前に書いた『よくわかる横歩取り』の記事とはけっこう重複する内容ですので、そこはご容赦を…。

 まず、横歩取りというのは、まずは以下のような戦型の選択肢があるみたいです。

(横歩の最初の戦型分岐)
・△23歩型
・相横歩取り
・△45角戦法
・△33桂戦法
・△33角戦法

 で、いまプロの間で指されているのは△33角戦法がほとんど。だから、横歩を初心者本で勉強した程度だったり、プロ将棋の観戦でいて覚えたりした人が指すと、だいたい△33角戦法になると思います。実際、ネット将棋で指しても△33角戦法が圧倒的に多い気がします。しかし…これら横歩の5つの戦型はいずれも後手に選択権があるので、実は先手はすべて勉強しないといけません。しかも、△45角戦法というのは、もし定跡を知らなかったら、先手に勝てる見込みはまずないんじゃないかと。もし定跡を知らなかったら、プロだって負けるんじゃないかというぐらいに破壊力のある戦法です。というわけで、あんまり指されないかもしれないけど、横歩を指すんだったら最初に勉強しとかないといけないのが、△45角戦法だと思います。で、そのメインテキストとなるのが、『羽生の頭脳5 横歩取り』。そうそう、羽生の頭脳は、この5つの戦型すべてが出ているので、横歩を指すんだったらいつかは読む事になる、避けられないテキストだと思います。

 で、次に勉強する優先順位が高いのが、△33角戦法じゃないかと。これは単純に、指される機会が圧倒的に多いと思えるからです。ところが△33角戦法って、やたらと色んなバリエーションがあります。ここ10年ぐらいの横歩の歴史は、△33角戦法のバリエーションを巡る戦いだったのかなあと想像してます。で、このバリエーションのあり方が四間飛車や矢倉と違っていて、四間飛車や矢倉なら分岐ツリー的に学習しやすいんじゃないかと思うんですが、横歩の場合、玉の囲い方と飛車の位置なんかの組み合わせで、バリエーションが増えていく。で、以下みたいなまとめ方は邪道かもしれませんが△33角戦法以下の定跡を強引に分類すると、こんな感じじゃないかと。

(△33角戦法を大雑把に分けると…)
 ・後手が玉を中住まいに囲うタイプ
 ・後手が玉を41玉型の中原囲いに囲うタイプ
 ・後手が玉を52玉で受けるタイプ
 ・先手が飛車を引かない青野流

 青野流はちょっと措いておくとして、これらの勉強のどれかを省略するという事は、少なくとも先手は出来ません。だから、結局全部やらないといけない。で、これらが全部書いてある横歩の本というのは、僕が知る限りありません。で、僕みたいに横歩をはじめて勉強するなら、『よくわかる横歩取り』がおススメです。横歩の全体像を勉強しながら、特に最初のふたつをミッチリ学ぶことが出来ます。あ、そうそう、この本は、上のふたつだけじゃなくって、△33角型のいちおう全部に触れてあります。で、僕が勉強したのは、今の所ここまで。あとは、プロ将棋のタイトル戦で指された横歩の知識が少しだけある感じです。

 で、残るは△52玉型と青野流。これは現在進行形で進化し続けているみたいで、プロ将棋を見ていると、横歩はこれがメイン。で、観戦でもかなりの知識を得られると思いますが、ちゃんと定跡化して自分の中に叩き込もうと思ったら、候補となるテキストは『横歩取りマップ』か『長岡研究ノート 相居飛車編』。どちらも、青野流と△52玉型をメインテーマに書いてある本みたいです。だから、どちらでもいいと思うんですが、既に横歩の本を2冊読んでいるのであれば、ここは初心者向けではなくって、僕ならレベルの高い『長岡研究ノート』に挑戦したい。最新の角換わりも出てるみたいだし、基本が身についている人だったら、どう考えてもこっちの気がする。

 というわけで、すごくザックリと横歩の勉強の順番をまとめると…

(横歩取りの学習方法)

使用テキスト:羽生の頭脳5 横歩取り』、『よくわかる横歩取り』、『長岡研究ノート 相居飛車編

学習順序:
 ①『羽生の頭脳』で、横歩取り23歩型と△45角戦法を学習
 ②『よくわかる横歩取り』を全部覚える
  (プロ棋戦を見ていたり、すぐに『長岡ノート』をやるなら、第3章の△52玉型はパス)
 ③『長岡研究ノート 相居飛車編』の、横歩の部分を勉強!
 ④『羽生の頭脳』で、相横歩取りと△33桂戦法を学習
  (ただし、自分が後手番でしか横歩を指さないというなら、△33桂は勉強しなくてもOK)
 ⑤タイトル戦やNHK杯など、解説つきのプロの最新の対局は絶対に見ておく!
  というのは、横歩はどんどん進化していくタイプの将棋みたいなので。
  最近だと、NHK杯の森内vs船江戦とか、棋王戦の挑戦者決定戦の三浦vs永瀬戦なんかは、
  解説を見ながら本気で勉強すると、それだけでメチャクチャ捗ると思います。

 えらくザックリしたプランですが、横歩はこの勉強法がけっこう効率いいんじゃないかという気がします。いま、僕自身は①②⑤をやっていて、③④は出来ていないのですが、ネット将棋だと、アホの僕が、なんと3段相手でもなんとか勝負になっています( ̄+ー ̄)。。定跡書1.5冊+将棋観戦だけでこれだけの有力戦法に出来るので、横歩の勉強は、実は勝率を上げるためにすごく効率的なんじゃないかと。特に、中盤型の棋風の人には、力戦になりやすい横歩は得意戦法にする価値があるんじゃないかと!!で、僕がもしこのプランを貫徹した暁には…いやあ、初めて得意戦型というものを身につける事が出来るんじゃなかろうか(*゚∀゚)。。

 しかし…今は角換わりの勝率があまりに低すぎて、矢倉や横歩で稼いだ勝ち星を角換わりで吐き出している状態。上のプラン③に進むのは後回しにし、プラン④は暫くプロの将棋観戦で補う事にして、角換わりの勉強を優先しよう。。


第72期順位戦 A級8回戦

 名人挑戦は、7戦全勝の羽生さんと、5勝2敗の渡辺さんに絞られたA級順位戦。昨日はオフだったのに、羽生さんが負けたところあたりで寝てしまった。。しかし、羽生さんが負けたという事は?!

●羽生善治 vs 深浦康市○
 う~ん、羽生さん、先手番の矢倉で負けるか。もし名人戦挑戦が羽生さんになるとしたら、矢倉は完璧になっておかないと、森内さん相手にはきついんじゃないかなあ。それとも、名人戦の為に研究手は取っておいているとか?いや、きっとそれはないな。。一方の深浦さん、ここの所は羽生さんにやられっぱなしでしたが、遂に一矢報いました!これはオメデトウございます(^^)。

○久保利明 vs 郷田真隆●
 おお、これで久保さんは4勝目、すばらしい!居飛車vs振り飛車のプロの将棋をたくさん見たいので、久保さんにはなんとか残留して欲しいです。しかし、郷田さんが3勝5敗か…。あれだけ棋戦の挑戦者決定まで上がってくる人が、よもや降級なんてことはないだろうな。郷田さんの最終戦は…ゲゲッ、羽生さんじゃないかw(゚д゚* )w

●渡辺明 vs 三浦弘行○
 渡辺2冠、まけたあああああ!!!せっかく羽生さんが星を落としてくれたというのに、これで羽生さんの名人戦挑戦が決定です!!よし、また羽生さんの揮毫入りの免状を貰うという意欲がわいてきたぞ(^^)。。
 また、この1局は三浦さんにとっても大きな意味が。久保さんが勝った以上、三浦さんは負ければ降級決定だったわけです。しかしここで踏ん張り、3勝目。降級争いの最後の1枠は、最終戦までもつれました!!
 さらにこのカード、いま棋王戦を争っている両者でもあります。三浦さん、ここで負けたら渡辺さんへの苦手意識を植え付けられてしまいそうなところだったんじゃないかと思いますが、勝てたので精神的にも楽になったんじゃないかなあ。この1勝は、三浦さんにとっては棋王戦での1勝より大きいんじゃなかろうか。

●谷川浩司 vs 行方尚史○
 光速流、A級陥落が決定して緊張の糸が切れたか…。僕が子供の頃、プロ棋士といえば谷川さんしか知らないというぐらい、谷川さんは圧倒的な存在でした。矢倉の組み方も、テレビゲームの谷川さんの将棋講座を見て覚えました。僕が子供時分に谷川さんを知った頃、谷川さんはもうA級だったと思うんですよね。それが1勝7敗か。。子供の頃、大好きなプロ野球選手が衰えていって引退した時、僕は放心状態で、とてもショックだったのを覚えています。それと同じで、昔からの将棋ファンの方には、谷川さんのA級陥落はショックなニュースなんじゃないかなあ。時代の英雄の没落を見る感じ。しかし、現役のA級棋士が会長職をやるというのは、何とかならないんでしょうか。引退した重鎮とか、探せばいくらでもいるだろうに。
 一方の行方さんは5勝目ですか。順位が低いので、B級から上がりたての棋士の残留って相当厳しいんじゃないかと思っていましたが、これで残留は決定的。2期連続でのA級が決まりです!

●屋敷伸之 vs 佐藤康光○
 屋敷さん、4勝目ならず。。これで屋敷さんも最終戦まで降級の可能性を残したままという状況に追い込まれました。こんな際どい展開の中、電王戦なんて戦っていて大丈夫なのかな。。少し時間が開くから大丈夫なのか。しかし、屋敷さんってべらぼうに強いイメージがあるのに、A級の中に混じると勝てないんですね。やっぱりA級棋士って、すごいわ。
 一方の佐藤さんはこれで4勝目ですが、残留は決定なのかな?後で考えてみよう。


 なにより、羽生さん、名人戦挑戦おめでとうございます!そして、僕が将棋の勉強をコツコツ頑張っている動機のひとつは、羽生さんと谷川さんの揮毫の入った免状を貰う事ですので、お願いだから名人になってください┌(_ _)┐。
 しかし、降級争いが大混戦ですね。なんだか良く分からないぞ。。ちょっと整理してみると…

(01)羽生 7-1 残るは郷田戦 ◎名人挑戦決定!
--------------------------------
(04)渡辺 5-3 残るは佐藤戦
(07)深浦 5-3 残るは谷川戦
(09)行方 5-3 残るは屋敷戦
(06)佐藤 4-4 残るは渡辺戦 ここまで、残留決定!
--------------------------------
(10)久保 4-4 残るは三浦戦
(02)三浦 3-5 残るは久保戦
(03)郷田 3-5 残るは羽生戦
(05)屋敷 3-5 残るは行方戦 一番長い日で残留争い
--------------------------------
(08)谷川 1-7 残るは深浦戦 降級決定(;_;)

 5位の佐藤さんは4勝4敗ですが、順位が6位という所がミソ。第9局に三浦vs久保の直接対決があるので、絶対にどちらかが負ける事になって、どちらかが絶対に佐藤さん以下になります。三浦さんが負ければ3勝どまりの三浦さんは、佐藤さんを上回ることが出来ません。逆に久保さんが負けた場合、もし佐藤さんが負けてどちらも4勝4敗となったとしても、佐藤さんは順位が上なのでセーフ、というわけですね。というわけで、5位の佐藤さんまでが生き残り決定!

 難しいのは、降級争いですね。。ええっと、単純に勝ち負けだけで考えると?

・まず、3勝5敗組の中で最も順位の低い屋敷さんが一番危険。屋敷さんは、負けたら他の結果関係なしに降級決定です。

・という事は、紛れが生じるのは屋敷さんが勝つのが絶対条件ですね。すると、次にまずいのが屋敷さんに次いで3勝5敗組で順位の低い郷田さん。屋敷さんが勝って郷田さんが負けると、郷田さんの降級決定です。

・更なる紛れは、屋敷さんと郷田さんの両者が勝った場合。もしそうなると、残る三浦さんと久保さんは…うわあ、直接対決だわ。。つまり、屋敷さんと郷田さんが勝った場合、三浦vs久保戦の敗者が降級です。

・もうひとつ、三浦vs久保の直接対決が更なる綾を作り出しています。どちらかが絶対に負けるという事は…屋敷さんにせよ郷田さんにせよ、勝ったのに他の結果待ちという事態が起きません。絶対に三浦さんか久保さんのどちらかが自分の下になるから。という事は、生き残り争いをしている4者は、自分が勝てば必然的に生き残り決定というわけです。自力で運命を切り開け、というわけですね。


 う~ん、もし全員の勝敗確立を単純に50%で計算すると…降級確率は、屋敷50%、郷田25%、三浦&久保12.5%という事になりますね。しかし、最終戦の相手を考慮に入れると?屋敷さんの最終戦の相手は行方さんか。なんかいい勝負な気がします。郷田さんの相手は?…うあああ、羽生さんだよ。。たしか郷田さんって、羽生さんにはダブルスコアぐらいで負け越していなかったっけ?これはヤバいでしょう。羽生さんが王将戦と名人戦に研究手を残して、この戦いを軽視してくれることを願う、という感じでしょうか。名人挑戦決定が最終戦までもつれずに一番得をしたのは、実は郷田さんかも。三浦さんと久保さんの戦いは五分な感じがするけど、棋王戦を戦っている三浦さんの方に負担が大きい気がするなあ。
 とうわけで、これらを考慮に入れた個人的主観による降級確率は…屋敷50%、郷田30%、三浦12%、久保8%という感じでしょうか。さて、最終戦が行われる将棋界の一番長い日は…3/7ですか。これは見ないわけにはいかないぞ!!しかし…仕事が入らないといいなあ。。

角換わりの勉強プラン

 ようやく、角換わりの勉強までたどり着きました!!居飛車党を決心してからずっと将棋を指してきて、とにかく生きた心地のしなかったのが角換わり。勉強できていないので、角換わりはなるべく避けてきたのですが、一手損角換わりだけはどうしても拒否することが出来ないで苦しんでいたのです。。
 ネット将棋での戦型選択を見ると、いまの僕は「矢倉マニア」。でも、将棋を指してきて、今はこんなふうに感じています。相居飛車になったら、先手番なら角換わり、後手番なら横歩取りに誘導出来たら、最も勝率が稼げるような気がする、と。そんなわけで、僕の角換わりでの最優先事項は、先手番での、後手からの一手損角換わりの受けです。なんといっても、これを拒否する方法がないのですから。。そしてその先に、角換わりを得意戦法にして、先手番では角換わりに誘導しようという大きな目標があるのです(^^)。。

 さて、角換わりの勉強のテキスト候補は、以下の通りです。

(角換わりのメインテキスト)
よくわかる角換わり
現代将棋の思想 一手損角換わり編
長岡研究ノート 相居飛車編

(角換わりのサブテキスト)
羽生の頭脳4 角換わり・ヒネリ飛車
最新棒銀戦法

 本当に手をつけたいのは、糸谷さんの書いた『現代将棋の思想 一手損角換わり編』です。この本、ダイレクト向かい飛車対策の為に昔買ったので持ってますし、一手損対策が急務という今の僕の状況を考えれば、本当はこれを最初にやるべきかも。しかし、どう見ても初心者向けではなさそうなので、角換わりの基本を知ってないととても読みこなせないとかだとマズイなあ…。というわけで、いつもの作戦通り、まずは角換わりという将棋の全体マップを自分の中に作り上げるのが先かな。
 で、ノーマルな角換わりも一手損角換わりも全部出ている本という事で、『よくわかる角換わり』を最初にやろうかと。『羽生の頭脳』でもよかったんですが、目次を見る限り、羽生の頭脳には一手損は出ていない(これは、書かれた当時にまだ一手損がなかったのかも)し、早繰り銀も出てないみたいなので、全体マップを把握するにはどうかな…と。ただ、『羽生の頭脳』の細かさと分かり易さは異常なので、ノーマル角換わりのサブテキストとしていい気がしてます。少なくとも、棒銀と腰掛け銀に関しては、『よくわかる~』より詳しそう。
 『長岡研究ノート 相居飛車編』は、最近のプロ将棋にやたらと出てくる、後手が△74歩と突かない形とか、金矢倉に組まずに△42金右とする形なんかの、最新形の勉強をするときに使おうかと。こうした角換わりの研究部分は30ページほどみたいだし、横歩の△52玉型を勉強する時にどうせこの本は必要になりそうなので、いずれ買う事になりそうだし。
 あと、青野さんの書いた『最新棒銀戦法』は、角換わり棒銀だけでなく、矢倉の後手急戦棒銀とか、相掛かりの原始棒銀とか、角換わり早繰り銀とかが出てます。昔、僕がネット将棋の4~6級ぐらいでウロウロしている頃、同じぐらいの級位で親しくなった方がいました。その方よりも僕の方が弱かったんですが、その人の強さの秘訣は、銀の使い方がメチャクチャうまかった事。何とか段位になった今でも、あれほど銀をうまく使う人には出会いません。銀捌きがうまいという事は、あらゆる戦型の中盤の攻防戦で常に優位に立てるという事でもありますよね。そんなわけで、その方に負けると、悔しさよりも尊敬が先に来てしまう感じでした。で、「どうやったらそんなに銀捌きがうまくなれるのですか?」と尋ねたところ、その人が教えてくれたのがこの青野さんの本だった、というわけです。で、この本はアマゾンで安かった時に買っておいたんですが、未だに未読状態。というわけで、角換わりといえば銀捌きがキーだと思うので、今回の角換わりの勉強では、この本もサブテキストにしようかと。
 で、これらの本を駆使して、以下の順で角換わりの勉強をしようかと。

(角換わりの勉強プラン)
①『よくわかる角換わり』をメインテキストに勉強!
 ただ、これだけだと変化の説明が足りなそうなので、『羽生の頭脳4 角換わり・ヒネリ飛車』と『最新棒銀戦法』の2冊をサブテキストにして、穴のないようにする。
ここが本番。現代将棋の思想 一手損角換わり編』の2~4章を勉強!
 ここは、後手から一手損角換わりをされたらご馳走さま状態になるぐらいの気合で勉強する!
③『長岡研究ノート 相居飛車編』の6章の勉強とプロ将棋の観戦!
 これで、角換わりの最新形に対応できるようにする!


 さて、勉強しなくちゃいけないページ数から逆算すると…う~ん、2~3ヶ月はかかりそうだぞ。。でも、目標だった1年で初段は達成できたわけだし、ここは焦らずにじっくり取り組む事にしよう。もしこの勉強が終わった時に、角換わりに来られても怖くなくなっていたとしたら…う~ん、そんな日が来るといいなあ(^^)。角換わりがうまい人ってあんまり出会ったことが無いから、角換わりの強い人になれたらカッコいいかもしれない。。





第39期棋王戦 第一局 渡辺明 vs 三浦弘行 (横歩取り△52玉84飛型)

 棋王戦は、挑戦者決定トーナメントがとにかく面白かった!!三浦さんは、佐藤康光さん、郷田さん、そして永瀬さんを倒しての挑戦権獲得。ラッキーと言えば、とにかく永瀬さんが羽生さんを何度も倒してくれたので、苦手の羽生さんと当たらずに済んだ事。しかし、僕的には三浦さんの衝撃と言えば、NHK杯で阿久津さんを瞬殺した将棋。横歩で、序盤からいきなり飛車を切り、そこから電光石火の寄せ。あれ以来、三浦さんの横歩が化け物に見えて仕方がありません。。三浦さん、横歩がメチャメチャ得意なんですよね。一方の渡辺さん、ただいま王将戦で羽生さんと戦っている最中だというのに、棋王戦まで始まってしまいました。これは大変だぞ。救いは、どちらも居飛車党なので、研究が分散しなくて済むという事ぐらいでしょうか。そして棋王戦の初戦は…おおお!!三浦さん後手番の横歩です!!渡辺さんが今のプロ将棋のビッグ3なのは間違いありませんが、横歩スペシャリストに対して横歩で勝てるのか?これは面白うそうだぞ。。

20140202_24手 で、将棋は渡辺棋王の先手で、横歩△52玉84飛型になりました。おお、勉強が間に合っていない最新形の将棋だ!!でも、ここ1年ぐらいのタイトル戦で見る横歩取りってほとんどこれなので、少しずつだけど分かってきた気がします。盤面図は24手目、後手が1筋の端歩を突いたところ。最近よく見る後手の攻め筋のひとつは、1筋の歩を突き越して、△23銀とあがって、△34飛と飛車をぶつけて、あとは1筋の歩交換、飛車交換、△18歩で香を吊りあげ、11に打ち込み!!みたいな感じ。で、先手の狙い筋が良く分かっていないもので、ちょっとそこに興味があります。で、渡辺さんは…

▲38銀

 いやあ、▲38銀って、28歩の打ち込みが怖くって、ビビりな僕には指しにくいです。。でも、指し手が速かったみたいなので、研究バッチリ型の渡辺さんには何か勝算あるんでしょうね。これは受けじゃなくって、攻めに使う構想だよな…。▲38銀の構想って、△中原囲い85飛なんかでも結構出てくるからいくらでもありそうに見えるんですが、この形では前例が2局しかないそうで。う~ん、横歩って色んな要素の組み合わせみたいな戦型だから、ありそうでないという組み合わせが結構あるのかもしれません。で、まだ30手も進んでない段階で、早くも構想勝負の将棋になりました。横歩はここが面白い。。

△23銀▲36歩△51金▲37銀△62銀▲46銀

 後手はやっぱり△23銀からいつでも飛車をぶつけられる形を作り、△52玉型の中原囲いに構えました。先手は▲58玉で中央を受けているだけで囲いは後回し、銀を46に構える手を優先しました。やっぱり銀を前線に出しましたね。これって、もう△24飛のぶつけは明らかに有力手なんだから、それが飛んでくる前に銀で2~3筋の争点を制圧してしまおう、という感じでしょうか。で、ここから…

20140202_31手△88角成▲同銀
角交換をしておいて…

△33桂▲38金△15歩

 後手の33桂は、▲66角の飛車香取りを防ぎながら、次の△25歩から△24飛のひねり飛車を準備する1粒で2度おいしい手ですね。しかし、次の△15歩が、個人的には分かりにくかったです。ええと…後手は欲張り過ぎでは??△33桂25歩24飛の形で攻めるのか、端攻めと飛車のぶつけで攻めるのかのどちらかだけではダメなのかなあ。両方を狙ったところで、どうせどちらかが成功してしまえばあとは突破じゃなくて崩しの段階に移るんだし、あれもこれもと欲張るより、速度を優先した方がいい気がしてしまう。先手が守るのを放ったらかしにしてまで銀の進出を優先してきているわけだし、速度は重要だと思うんだけどなあ。
 また、1筋の歩交換が起きると常にこれがあるから、やっぱり先手は▲16歩と受けない方が正解なのかもしれないと思いました。よし、これは覚えておこう(^^)。しかしやっぱりこの戦型って、後手の方が速いというか、主導権は後手にある気がするなあ。これはぜひ棋王の先手での指し回しを見てみたいです。NHK杯での船江戦での森内さんの指し回しが一番真似しやすい気がするけど、棋王はどう指すんだろうか。で、先手はここで初めて自陣左辺を守る▲38金を着手。

 以降、後手は9筋の歩まで伸ばして9筋の端攻めまで準備、そして△25歩。う~ん、正直言って狙いが拡散してしまっているというか、構想がぶれているように思える。。一方の先手の棋王の構想は明確で、▲37桂~▲66角(飛車と33の地点の両狙い)~▲25桂(△25歩の拠点潰しと同時に33の地点狙い)~▲35銀(遂に最初の構想であった銀による制圧!!)といった感じで、いちばん最初に構想していた右銀を使っての2~3筋制圧がどんどん実現していきます。で、先手は結局は2~3筋の戦場を互角で引き上げるのと差し替えに、ひねり飛車から後手陣の右辺に龍を作る事でポイントをあげました。う~ん、これは見事だ。。しかし…さすがは三浦さん、タダでは終わらず、先手の右辺に馬を作り、攻め合いの形を作り上げます。でもここ、渡辺さんは角の成り込みを防ごうと思えば防げたように見えました。なんか、角を取りに行くとマズい筋でもあったのかも。(*追記:どうにもここが釈然としなかったので、他の将棋ブログさんとかを色々と見てみました。要するに、後手の角を外す方法はやっぱり全然問題なかったみたいです。棋王は読みぬけたりウッカリしたんじゃなくって、ポイントを稼ぐ手ではなく、ここで一気に決めに行っただけで、それが意外にもつれてしまったというのが実際のところみたいです。)しかしこのあたりはさすがプロという感じで、三浦さんは戦場の駒捌きが本当にうまかった。。これで、竜の攻めと馬の攻めのどちらが勝つかという、攻め合いの将棋になりました。。

 その後は一進一退の攻防戦!!もの凄い寄せ合いとなり、横歩なのに130手を超える大熱戦となりましたが…竜王の玉捌きが凄くて、先手玉は捕まりそうで捕まらない。あと1枚あったらという状況が延々続くのですが、これをスルスルと躱してしまう(^^;)。いやあ、渡辺さんの凄さって、読み抜けみたいなものが絶対にない所にもあるんじゃないかなあ。寄せにしても受けにしても、渡辺さんの終盤の読みの正確さにはいつも驚かされます。。一方の後手玉は…龍を作られた右辺から中原囲いの右辺の急所72狙われて玉を追い出され、寄せられながら攻め駒まで外されてしまい、最後は華麗に寄せ切られてしまいました。大熱戦の末、131手にて先手渡辺棋王の勝ち!!

 さて、2~3筋の攻防にあるていど目途がついた60手半ば以降は、稀に見る大熱戦だったんじゃないかと思います。しかし、序盤の三浦さんの構想はどうだったんでしょうね。作戦負けだったんじゃないかなあ(ボソッ)。しかし、渡辺さんは強い!!三浦さんの得意戦型の横歩を真っ向から受けて潰してしまったんですから。。これって、一手損角換わりのスペシャリストの丸山さんを角換わりで潰してしまった将棋に似ているんじゃなかろうか。精神的な意味で、三浦さんは結構ショックなんじゃないかなあ。

 

第63回NHK杯 森内俊之 vs 郷田真隆 (急戦矢倉)

 NHK杯も遂に準々決勝!その最初のカードは…キタ━━━(゚∀゚)━━━!!森内竜王名人vs郷田9段です!これは事実上の決勝かも。そして、解説はこれまた超A級棋士の佐藤康光さん。現役スーパー棋士の揃い踏みですね。今日はどんな戦型が来てもメチャクチャ勉強になりそうだぞ。。

20140202_16手 将棋は、森内さんの先手、矢倉の早囲いになりました。おお!僕は矢倉の序盤定跡を最初に『羽生の頭脳』で勉強したもので、初めの頃は先手番の矢倉といえば早囲いばかりしていました。しかし、いまでは全く指さなくなってしまったので、全然覚えていない…。これはいい復習になるかも。盤面図は16手目、早囲いと見て、後手が牽制の△74歩を見せた所。ああ、これは何となく覚えてるな…。これに構わず▲79角と早囲いを進めると、△64歩~△63銀~△52飛…みたいな感じで5筋強襲が成立しちゃうんじゃなかったかな。また、この前に少しだけ対策した藤井矢倉に対しては棒銀が有効なので、やっぱり△74歩は価値ある手なんじゃないかという気がします。というわけで、早囲いに△74歩と突かれたら、早囲いを捨てて▲72金、あるいは藤井矢倉のような。しかし、この将棋は…

▲26歩△52金▲79角△33銀▲36歩△85歩▲37銀△73銀▲68玉△31角

 …全然違いました。先手の攻め手を省略して囲いの手だけを拾っていくと、思いっきり早囲いに行ってます。最近思うんですが、定跡って、外そうと思えばけっこう外せるんですよね。だから、定跡を勉強する時って、指し手の順番だけを覚えているだけだと全然応用が効かなくって、少しでも趣向を凝らされるとすぐに使い物に成らなくなちゃう。やっぱり、手の意味を理解していないとダメなんだろうな、と。僕の中では、これはもう矢倉模様ではあるけど急戦の手将棋にしか見えないんですが、解説の佐藤さんは定跡の意味から、バシバシ解説していきます。いやあ、こうならないとダメなんだろうな。。

 さてこうなると、今日は定跡の復習の勉強にはならない。ここから興味は両者の構想に。これがもの凄かった!!まず、後手郷田さんの構想。郷田さんは、早囲いを牽制する手をそのまま進めて急戦を指向。これがかなり徹底していて、2枚銀で中央を制圧、更に支えのために金まで繰り出して、玉の護衛はほとんど金1枚という状態(゚д゚* )。。解説によると、「急戦を選択した以上、後手は玉形を先手より堅くすることは出来ないんだから、先手の堅さvs後手の速攻攻めまくりという主張の将棋にしてしまおうという考えじゃないか」と。いやあ、僕なんて2枚銀ですら玉が薄くって怖いというのに、ここまで素っ裸というのは、相当強い人でないと指せないな。。しかも、受けのスペシャリストである森内さん相手に速攻を決めようというのか。そういえば、去年の竜王戦の挑戦者決定戦でも、郷田さんはとんでもない形から森内さんを攻め潰していたな。

20140202_44手 一方の先手森内さんも凄い構想でした!盤面図は、郷田さんの2枚銀が中央を制圧、郷田さんとしては飛車を中央に振って中央一点突破でも行けそうだし、2枚銀で中央制圧の後に8筋からの攻めも絡めて挟撃でも行けそうです。先手は囲いに行くのは先制を許し続ける事になってヤバそう、しかし中央の局地戦に勝つのはちょっと難しそう。ここでの森内さんの構想は…

▲24歩△同歩
まず2筋の歩を切って…

▲65歩△55銀右▲同銀△同銀
中央の銀を1枚交換して…

▲24角△23歩▲15角
これで的にされていた角を逃げつつ、玉頭に角のラインを利かせて…

△66歩▲同銀△22角▲55銀△55同角
ああ、ここは手番になった郷田さんのターンですね。単純に精算に行かずに11~99という角のラインを作ったのはさすが!!これ、思いつかないなあ。。で、郷田さんの角が55の八方睨みとなり、これで郷田さんが良くなったか?と思った瞬間に…

20140202_59手▲58飛 (59手目盤面図)

 うあああ!!!森内さんの構想はこれだったか!!なんたる構想力。力戦形の醍醐味って、構想力にあると思います。いやあ、これは凄いわ。。
 しかし、ここからの両者の捻じり合いがまた見事。この局面、後手陣は崩壊に見えました。でも、ここでいい手が無かったら後手は負けなので、後手の勝負どころでしょう。でも△99角成みたいな攻めだと▲59飛成で頓死なので、受けの手か、攻防手か、受けつつの攻め合いか、そんな所を考えないといけない。これ、手を見つけるだけでなく、方針を決めるだけでも早指しではしんどいよなあ。郷田さんはここで…

△14歩

おおお!!なるほど、拠点の角を消しに行くか。しかし、この角交換は先手飛車の筋が思いっきり通るのに、大丈夫なのか??

▲55飛△15歩▲64歩

ああ、これは決まっただろう。金で取れば▲53飛成、△54歩と飛車金交換を迫れば▲63歩成△55歩▲64角で飛車取り詰めろ。さすがは竜王名人。とんでもない構想力を見せてくれた…と思ったら、郷田さんが放った手が…

△44角

うあああ…これは凄い。。これで▲63歩成なら△55角で飛車を取りながら▲64角の打ち込みを消しているのか。。いやあ、これは見事。今日一番の手だったと思います。

 で、以降は竜王名人が怒涛の寄せ、これがもの凄く難解で、僕だったら5回ぐらい詰まされていたと思うんですが(^^;)、郷田さんはこれを受け切ってしまいます。逃げる、受ける、弾く…どれも1手間違えたらオシマイという感じなんですが、もの凄い受けの強さ、また手が空く度に敵陣への工作を入れていきます。郷田さん、最後には裸玉の周りを金金銀でグルリと囲まれてしまったんですが、そこで一手が開いたところで銀の打ち込み一閃!!!この打ち込み一発で森内さんは即投了。120手にて郷田さんの勝ちです!いやあ、先手が詰めろをかけてから寄せに出たのが70手目でしたから、延々50手近くを凌いでからの電光石火の寄せでした。う~ん、これはまたすごい将棋を見たな。終わってみれば先手玉は早囲いにすら出来なかったわけで、これは郷田さんの構想勝ちだったという事になるのかも。

 NHK杯はこれで渡辺2冠と羽生3冠に続いて森内竜王名人まで敗退、準々決勝にてタイトルホルダーが全員消えました!これは、郷田さんが優勝候補筆頭かな。来週は三浦さんvs丸山さんか。これは来週までに一手損の勉強をしておいた方がいいかも知れないな。。


記事『羽生の頭脳5 横歩取り』を更新しました

 数日前、ネット将棋で、このブログを通じて知り合った方と横歩△45角戦法を指しました。本気の対局ではなく、お互いに勉強のつもりで、検討しながら、会話しながらの対局。で、僕が先手番。実はこの戦型、先手よしで結論がついているという事を知っていまして、僕は自信満々だったんです。じつは、本筋は詰みまで研究済み( ̄ー ̄)。しかし…僕は勉強を手抜きしてまして、本筋だけを覚えていて、他の変化は覚えてなかったんです。他の変化はどうせ全部先手よしになるんだし、まあいいか、みたいな感じだったわけです。しかし…後手から変化の筋を指され、その筋が意外にも厳しくて大慌て。その時はアドリブで何とか切り抜けたんですが、後から見るとどうも後手よしに見える。これはヤバい、ちゃんと変化の筋も覚えようと思って、『羽生の頭脳 横歩取り』の△45角戦法の章をちゃんと読みました。やっぱり、本筋だけ覚えようなんて甘かった(^^;)。とはいえ、僕は後手番で△45角を指す気はもうないので、先手からの変化の筋は最善手しか読んでません。しかし、後手番に選択権がある攻め筋は手抜くわけにはいかない。じっくりと覚えながら読んでいくと…おお!やっぱりどの変化を辿っても先手よしじゃないか!!つぎに△45角戦法で来られたら、今度こそご馳走さま状態だな( ̄ー ̄)。

 また、先日『よくわかる横歩取り』を読み終わったという事もあり、横歩に関する考え方が少し変わりました。それに伴って、『羽生の頭脳』の横歩での位置づけに対する考え方も少し変わったので、ひと月以上前に書いたレビュー記事を大幅修正しました。アドレスは以下の通りです。

http://shougix.blog.fc2.com/blog-entry-168.html

 それにしても、横歩は面白い!不思議な事に、他の戦型の定跡はなかなか覚えられない僕が、横歩の定跡は面白いように覚えられる。本当なら、このまま横歩マニアになってしまいたいのですが、今は激弱の角換わりの勉強が急務。横歩を指すなら一手損角換わりは避けられない変化ですからね。。はやく角換わりと急戦矢倉5筋交換型の勉強を終わらせ、すぐ横歩の勉強に戻ってきたいです!!

『よくわかる横歩取り』

book_YokuwakaruYokofudori.jpg 去年の12月から読み進めていた『よくわかる横歩取り』をようやく読み終わりました!ちょっと将棋に夢中になりすぎていたので、勉強時間を元の1日1時間に減らした事や、途中『羽生の頭脳 横歩取り』い寄り道した事なんかもあって、1冊読むのに2カ月もかかってしまった。。しかし、この本は素晴らしい!タイトルからは「よくわかる」なんて初心者向けのような印象を受けますが、いやいやどうして、これはかなり詳しく書かれた素晴らしい定跡本と思います!!

 僕は、去年の12月から初めて横歩の勉強をしたのですが、勉強していくと、横歩取りというのは、まずは以下のような戦型の選択肢があるみたいです。

・△23歩型
・相横歩取り
・△45角戦法
・△33桂戦法
・△33角戦法

 で、この5つの戦型はいずれも後手に選択権があるので、実は先手はすべて勉強しないといけません。いま、プロの将棋を見ていると、横歩と言えばほとんど△33角戦法である気がします。その影響か、ネット将棋を指していても△33角戦法が主流になっている気がします。で、横歩の勉強を始めた人だけが、後手番で△45角戦法を使って見たがる人が若干いる感じ。で、この本は、△33角戦法の本だと思っていいかと思います。あ、そうそう、いちおう僕みたいな初心者のために、こうした全体の見取り図はちゃんと述べてあって、分かり易いです。しかし、相横歩や△33桂戦法の説明はゼロ、△45角戦法も先手よしの結論となった本筋だけが少しだけ書いてあるだけ、みたいな感じ。△33角戦法以外の定跡は昔に指されたもので、それを知るためには別の本を勉強する必要があります。中では、『羽生の頭脳5 横歩取り』がメチャメチャ詳しいのでおススメ。羽生本は、5つ全ての戦型が書いてあります。ただし、△33角戦法だけは、そこから定跡が進化しまくってしまったので、今では『羽生の頭脳』の知識だけではもう対処しきれない、という感じじゃないかと。

 で、△33角戦法というのは、そこから先手後手の玉型や、後手の飛車の位置によって、色々と分岐していきます。整理すると…
・△84飛中住まい
・△84飛中原囲い
・△85飛中原囲いに対する先手の戦法 例えば…
  ・中住まい▲38金48銀型
  ・中住まい▲35歩型
  ・青野流
  ・角交換▲77桂型
  ・新山崎流
・△52玉型

 で、本書はこのすべてに触れています。が、一番力を入れて書いてあるのは△85飛中原囲いに関する戦法についてです。なるほど、横歩全体のガイド本でありながら、角交換▲77桂型や新山崎流を詳細に述べた本というのが、この本の主旨なのでしょうね。そうそう、△85飛中原囲いに対する先手の戦法は、中住まい▲37銀型とか、他にも色々と書いてあります。あと、最近の主流である△52玉型に関しては、本当に簡単にしか述べていません。この本が書かれたのが2011年なので、まだ△52玉の研究が進んでいなかったのでしょうね。

 さて、この本ですが、横歩の勉強には絶対かと思いました!!というのは、横歩の定跡を1冊にまとめるのは不可能なんだろうな…と思うからです。最初に述べた、昔に数多く指されていた△33角戦法以外の定跡は、『羽生の頭脳5 横歩取り』とかの定跡本で勉強して、後手中原囲い破りはこの本がメインテキスト、そして△52玉型は最近の新刊を読むとか、プロの棋戦から学ぶ、というのが良い気がします。そうそう、新しい本でいえば『横歩取りマップ』は、中原囲いの説明はざっくりとカットで、△52玉型と青野流の説明がメインのようです。という事は…おお、この本に書いてない事が書いてあって、この本に書いてある事が書いてないという事か。明らかに、この本を読んでいる事が前提になっている気がします。。しかし横歩の最新定跡に関しては、僕は横歩マップでは無くって『長岡研究ノート 相居飛車編』と、プロ棋戦の観戦で補完しようと思っています。なんか、長岡研究ノートは、一手損角換わりの最新形も載っているし、すごく詳しそうだし、良さそうなんですよ。。ただ、いきなりそれを読むのはやっぱり無理で、『羽生の頭脳』を読むにしても、最新形の研究本に手を出すにしても、まずはこの本を読むのが横歩の勉強の最善手なんじゃないかと。大おススメです!





プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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