第63期王将戦 第3局 渡辺明 vs 羽生善治 (矢倉急戦)

 羽生さん、まさかの2連敗で始まった今回の王将戦。羽生さんとしてはこの第3局が正念場、一方の渡辺さんとしては羽生さんが復調してしまう前に一気に畳み掛けたいところかと思います!

20140130_20手(5筋交換型の急戦矢倉 最初の分岐)

 さて、将棋は矢倉模様で進み、16手目に後手の羽生さんが△74歩と突いたところから急戦調に。しかし、渡辺さんは僕が知っている指し手とはちょっと違う差し回しをしました。後手の△55歩を▲同歩と取らないし、△85歩も▲77銀と受けない。う~ん、せっかくこの前の竜王戦で、5筋交換型の大筋を覚えたというのに、またまた新しい筋が出てきてしまった。。これも5筋交換型のバリエーションとは思うのですが、はやくも僕にはよく分からない形になってしまったぞ。。更に、羽生さんも飛車先の歩の交換の後、飛車を85に引くという、かなり攻撃的な形を選びました。解説の先崎さんに言わせれば「恐ろしくデンジャラスな手」だそうで(^^;)。たしかに、ただでさえスッカスカな急戦矢倉の後手陣から、飛車の横利きすら消えてしまうわけですからね。羽生さん、こんなんで大丈夫なんだろうか。これは、先制して一気に潰してしまわないと、後手はまずそうだぞ。。

(*1/30追記)最初の分岐は、21手目となるここ。竜王戦の1~3局では、20手目の△85歩の突き出しに対して▲77銀と受けていました。以下、△55歩▲同歩△同角▲79角△73角▲46角△64銀▲68角△55銀▲57銀△52飛▲56歩△44銀…みたいな進行。この進行は色々な矢倉の定跡書に載ってて、5筋交換型の矢倉急戦というのはこういう物だと思っていたんですが、今回の進行は…

▲25歩△86歩▲同歩△同飛▲87歩△85飛

 なんと、先手は銀で守らずに、▲25歩と自分も飛車先の歩を伸ばしました(・ω・)。まあ、▲77銀が普通だったところを手抜いたんですから、もし▲77銀としないのが悪いのであったら、とうぜん後手は△86歩ですよね。で、後手は先に飛車先の歩を交換する事になったんですが、その引き場所がなんと▲25飛だった、というわけです。しかし、これは今回初めて指されたわけではなく、おととし夏の渡辺vs羽生の王座戦で最初に指されたとの事。僕がプロ将棋を見るようになる前の出来事なのか。。で、その時は先後が逆で、▲77銀と守らなかった最初の新手を指したのが羽生さん、△85飛とデンジャラスな所に引いたのが渡辺さんだったそうで。同じ将棋を逆で持って指してるのか。こんな所にもドラマがあるとは。

20140130_26手 で、後手が85に飛車を引いた26手目の盤面図です。この中段飛車の狙いは、先崎さんが説明してくれてました。「狙いとしては▲2四歩△同歩▲同飛△3一玉▲2八飛と進んだら△4四角として、次に△2六歩~△2五飛とすれば△2七歩成が受かりません」…う~ん、なるほど。ひねり飛車狙いは分かるけど、△44角は鋭いなあ。これは知ってないと早指しでは受けられないかも知れん。。で、本譜は…

▲36歩△55歩▲46歩△56歩

 ▲36歩は桂の跳ね場所を作って2筋を守ろうという事ですね。で、後手は例によって5筋交換型の急戦を継続する△55歩に着手、と。で、ここでまた…先手がこの歩を取らない(゚ロ゚ノ)ノ。う~ん、わけが分からん。で、取らないで何をしたかと言えば、▲46歩。まあぶつけられた以上、後手の△56歩は予想できる手ですよね。で、この▲46歩がどういう意味かというと…

▲47銀△54銀▲56銀

 なるほど、意外とシンプルで、歩を切り取りながら銀が活用できるようになるわけか!で、以降は互いに右桂を跳ねた後に、またも羽生さんが変な手を指しました。

20140130_37手(後手、脅威の中盤構想)

 羽生さん、なんとこの局面から…
△62金

 エエエエ~~~(゚д゚ノ)ノ!!なんだこれ!!
俺が指したらボロクソに言われそうな手じゃないか!!ふつうなら、▲51金とか▲52金とかじゃないのか?しかし、紐もつけずに、まったく意味が分からん。。角交換を構想していて、その時に打ち込みしにくく構えた?飛車を1段目まで引いて、振り直そうとしている?いやあ、そんなんじゃないんだろうな、きっと。。で、次からの数手で、何となく理解。

▲65歩△88角成▲同玉△65歩▲77銀△66歩▲同銀

 …うわあ。先手の▲65歩は、角道を開けて飛角で後手の2筋を突破しようという訳ですよね。で、羽生さんはその筋が危険であると読んでいて、逆に先手が角道を開ける手を利用する仕掛けを作る。それが、先手が角道を開いた瞬間に自分から角交換の△88角成。それが王手になるから先手は手抜けないから、ここで手番は後手が握る。次の△65歩~△66歩は、後手陣を乱すと同時に6筋の歩も切るというふたつの狙いを持った手。更に後手は

△86歩▲同歩

これで、先手玉の玉頭まで乱しておいて、飛車を1筋に引いて振るのか。いやあ、すげえ…と思ったら…

△82飛

 (゚д゚ノ)ノ!!ここで金に紐をつけて、一転して守勢に回るのか。。じゃ、6筋の歩を切った意味は、単に、後手陣を乱しただけ?それだと、交換となった▲77銀は先手陣を堅牢にしてしまった事になるので、ちょっと損じゃないのか?…もしかして、底歩を考えていた?もし、この後で底歩が生きる展開になったら、羽生さん恐るべしだな…。いやあ、あまりに複雑な指し回し、しかし全ての手がひとつの線で繋がれているわ。。いやしかし、ここまでの構想がなかったら、あの△62金はありえなかったんじゃなかろうか。いいか悪いかは別として、急戦の後手番らしい差し回しというか、もの凄い構想力だわ。…というところで1日目は終了。封じ手となりました!

20140130_51手(ものすごい終盤術!)

 今回は序盤も勉強になりましたが、中終盤の両者の読みと構想もものすごかったです。正直言って、感動してしまった。盤面図はさきほどの△82飛の引きから、先手が▲55歩と守り、さらに▲77桂と跳ねた局面。この状態、どう見たって先手陣は堅いし、一方の後手陣は2筋からの攻撃を防げるとは思えない。しかしこの時、さっきの羽生さんの6筋からの崩しが効いていて、後手はここから寄せに入っていくとは。。ここから後手は…

△85歩▲同歩△86歩▲79玉△31玉

まず、手筋の叩きの歩からの垂れ歩。先手は桂も跳ねているので受けの拠点もあるし、嫌味ではあるけど大したこともないだろうな、と思ったんですが…。で、互いの玉の動きの交換を挟んで、ここから攻め合い!

▲45銀△85桂▲24歩△同歩▲83歩

 最後の▲83歩がすごい嫌な手。これ、連打の歩から▲95角狙いですよね。飛車道は止まるわ、桂は取られるわで、これにて後手の攻めが切れて終了、お疲れ様…というところですが、まあこういう時はまともにいかないで引きかえに別の駒を取る手とか、そういうのを狙う筋を考えるべきなんでしょう。しかし、連打の歩を打たれてからそんな事を考えるのは僕みたいなアマチュアであって、羽生さんの指し手はそんな生易しいものではありませんでした。これが見ていてあとからジワジワとくる見事な構想。

△同飛▲84歩△39角

 なんと、序盤での6筋の崩しはこれを狙ったものだったのか?!!
しかしこれ、先手が飛車の取り合いを選択するとどうなるんでしょうね。▲83歩成△28角成▲85桂△37馬…なるほど、後手は86の歩の拠点と37の馬の拠点が残って挟撃になるのか。これはいっぺんだわ。で、先手が仮に1段飛車を打ち込んで攻撃しようにも、例によって62の金の下に底歩を打てるのか。う~ん、信じられん。推理小説で、バラバラの伏線が一気に繋がっていく謎解きのクライマックスみたいじゃないか。いやあ、見事な伏線の回収だわ。。じゃ、先手が飛車を躱すと?…▲84飛で連打の歩を切り取って、あとは8筋突破で終了か。では▲38飛と角にぶつけると?…66角成で、もう後手よしだわな。。いやあ、6筋で切り崩しの時点で、実はもう後手よしだったんじゃなかろうか。というわけで、渡辺さんは飛車を躱しつつの攻めとなる手を選択!

▲24飛

しかし、羽生さんはもうこれに付き合わず、一気に寄せに行きます!!

△87歩成▲同金△86歩▲88金△84飛

 ここも細かい手筋ですが、先手の87の金をダンスの歩で88に移動させて88を埋めてしまい、受けの歩を打てなくしたわけですね。か、華麗だ。で、いよいよ△84飛と歩を切り取って、これで8筋突破が確定です!!渡辺さん、これはもう受からないので攻め合いを選択しますが…

▲34銀△77桂成▲同金上△87歩成▲23歩△77と(76手目)

 …これは1手差どころではありません。この後も指し手は続きましたが、76手目の時点で、シロウトの僕が見ても先手玉の詰みは明らか、結果82手にて後手羽生さんの勝ち!!

 いやあ、これはスゴイ将棋でした。あの序盤での△62金、またそれと連動した6筋の歩の突き捨て、8筋の叩きの歩からの引き飛車、ダンスの歩を使っての敵の歩の打ち場所を埋めた手順、角の打ち込みと6筋から崩された先手陣の関係性…。いやあ、これらがすべて繋がっているというのが凄すぎる、無駄な手がひとつもないじゃないか。。これで羽生さんは後手番で一発入れ返し、1勝2敗になりました。更に、渡辺さんにとっては不運な事に、2月からは棋王戦も始まっちゃうじゃないですか!渡辺2冠は、同時に羽生さんと三浦さんを相手にしなくちゃいけないのか…。う~ん、2月は将棋から目が離せなくなっちゃいそうだな。これは、今のうちに仕事をたくさんしておいた方が良さそうだぞ(^^;)。でも、後手を持ってこんな将棋は指したくないな。胃に穴が開いちゃいそうだよ。。

急戦四間飛車破りの復習をしてみた

 この前のNHK杯の豊島vs西川戦の四間飛車急戦はメチャクチャ面白かったです!!しかし、昔すごくガンバって勉強した急戦定跡がうろ覚えになっていたのはもったいないと思い、急戦四間飛車破りの有名な3つの定跡を簡単におさらいしておくことにしました。簡単に、ですよ。あと、鷺宮定跡は、今回はカットという事で。しかし、うろ覚えの記憶頼りですので、あんまり信用しないでくださいね。間違っていたら、どうぞみなさん教えてください┌(_ _)┐。あと、この前のNHK杯の記事をベースに書いたので、記事の内容がけっこう重複することになるので、その辺はご容赦を。

20140126_NHK63_23手 何となくですが、この辺りが四間飛車急戦破りの基本図ではないかと。これは左銀を活用する定跡ですが、右銀を繰り出す右銀急戦なんてのもあります。最初は右銀急戦ばかり指していたんですが(定跡形まで進む手順が少なくて済むからお手軽だった^^;)、王道はやっぱり左銀ですよね~。
 で、この形にならず、振り飛車側が左金を41に保留し続けてきた場合は、左金を32に受けてくる可能性があるので、そうなったら棒銀を狙うと良かったハズ。でも、後手の左金が53まで来て美濃が完成した場合は、対四間飛車急戦の王道に突入!って感じだったと思います。戦型は、46左銀戦法、▲45歩早仕掛け、鷺宮定跡、棒銀…あと、何かありましたっけ?

△43銀

 こうやって△54歩を突かずに△43銀が先の場合って、振り飛車には玉頭銀の狙い筋があったんじゃなかったかなあ。たしかその説明は『羽生の頭脳』にはあんまり詳しく書いてなくって、渡辺さんの『四間飛車破り 急戦編』に出ていた気が。でもあれ、図書館で立ち読みしただけだから、全然覚えてないぞ。。…覚えてないものは仕方ありません、もし玉頭銀に来た時は、はやめに▲66歩を突くとかのアドリブでごまかす事にして、話を先に進めよう。。ただ、振り飛車側は飛車先に銀をあがるより先に△12香と躱しておくのが最善手じゃなかったっけか?その場合、居飛車は飛車を3筋に振って鷺宮定跡に行くと良かった記憶が。
 でも、西川さんが△43銀としたことで、居飛車の選択肢は▲46左銀戦法、▲45歩早仕掛け、棒銀の王道3点セットに広がったハズ。で、ここからが本題です。

対四間飛車を急戦で破る3点セット *三点セットの命名は勝手に僕がしました^^)

▲46左銀急戦
 これは一番好きな攻めでした。3筋を争点にして突破する戦法ですね。
 ▲46銀~▲35歩~▲34歩△同銀▲35歩△43銀▲37銀引、みたいな感じ。
 ▲35歩に△同歩なら▲同銀以下どう指しても居飛車良し!

▲45歩早仕掛け
 あら?これは後手の歩が54にいないと成立しない気がするなあ。
 狙いは、▲46歩~▲45歩で角交換を仕掛けて、敵の角がいなくなった瞬間に2筋を破る感じ。
  ・理想は…△45同歩▲33角成△同桂▲24歩△同歩▲同飛△22歩▲31角、みたいな感じ?
  ・現実は…△45同歩とは取ってくれないので、
       ①▲46銀から3筋突破できれば大成功、
        もし▲46銀に△45歩なら角交換からいったん銀を引いて、やっぱり2筋突破?
       ②▲37桂と攻め駒を増やして、2筋の歩を突いて…ああ、覚えてない(T-T)。。
  45歩早仕掛けは、急戦を指していた頃も、あんまり指したことが無いんです。。

棒銀
 これは更にうろ覚え、ほとんど指した事がありません(T-T)。
 まあ棒銀なので、まず1筋の歩を詰めて、▲37銀~▲26銀~▲35歩みたいな感じかな?
 振り飛車の守り方次第で、居飛車の飛車を色々な筋に振り直して、突破できるところから突破する。
 で、振り飛車は、居飛車の対四間飛車棒銀に対しては、3筋に飛車を振って受けるのが定跡
 居飛車も銀の進出経路になる3筋にいちど飛車を振るんですよ。
 しかし、対四間飛車急戦棒銀は変化が多くって、定跡として覚えるのが大変!これはアドリブだな…と当時は考えたんじゃなかろうか。

 な~んて感じだった気がします。しかし、細かい手筋とかは忘れてしまった。たしか、昔のスーパーファミコンかなんかの将棋ソフトで、四間飛車を綺麗に指してくるソフトがあった気がするから、久々に引っ張り出して指してみようかなあ。でも…スーパーファミコンって、まだ動くんだろうか??そうそう、僕が急戦四間飛車破りの勉強は、『羽生の頭脳』がメインテキストで、あとは渡辺二冠の『四間飛車破り 急戦編』でおさらいした感じでした。渡辺本は羽生本ほど詳しくないんですが、羽生本に書いてない玉頭銀対策が書いてある感じだったと記憶しています。一冊だけで深く勉強したいなら羽生本、急戦を極めたいなら羽生本プラス渡辺本、細かい所はいいから大筋を抑えたいというなら渡辺本、という感じがおススメです。

 そうそう、今回、鷺宮定跡の説明をカットしたのは、思い出せないからではありません。思い出せないわけじゃないんです。うろ覚えなわけでは決して(以下略)。



第63回NHK杯 豊島将之 vs 西川和宏 (四間飛車急戦)

 NHK杯の3回戦も今日で最後、これでベスト8が出揃います。う~ん、この時点で羽生さんも渡辺さんもいないなんて信じられない。。A級棋士や強豪棋士が続々と敗退していった波乱の大会とはいえ、ここまで来るとさすがに強豪棋士しか残ってないですね。そんな中、4段で気を吐いているのが西川和宏さん。今期NHK杯での西川さんの将棋はちょっと面白くて、1回戦の上田女流との振り飛車も、2回戦の谷川会長との振り飛車戦も、劣勢からの逆転勝ち。どちらも、劣勢になってからの構想の立て直しが見事(特に谷川戦での構想は凄かった!!)、またそこからの終盤の寄せも素晴らしく、印象的でした。この2戦の棋譜を見返しているんですが…なるほど、上田戦は43戦法(というのかな?飛車を四間から三間に振り直す戦法です)、谷川戦は中飛車からやっぱり飛車を三間に振り直していますね。というわけで、個人的な印象としては、西川さんは振り飛車党で、しかもアマチュアの初段クラスではなかなか指されないような構想の将棋をガンガン指してくる感じ。いずれも、僕がネットで遊んでいる将棋ではあまり出くわした事のない戦法だし、その対策を勉強する時間も当面ないので、すごく楽しみ。

 先手は豊島さん、先手居飛車vs後手四間飛車になったんですが、豊島さんは穴熊を目指さずに船囲いに囲って、左銀を繰り出し、飛車を3筋に振り…あら?これって鷺宮定跡か??キタ━━(゚∀゚)━━!!!!いやあ、序盤定跡の勉強を始めたばかりの頃、最初に対策を迫られたのが対四間飛車戦でした。で、僕はその勉強を『羽生の頭脳 四間飛車破り』でやったんです。生まれて初めて、定跡本をまるまる一冊覚えたので、とにかく大変でした。今だったら「これは知ってる、これも知ってる…」って感じで、けっこう飛ばし読みできるんですが、最初の一冊って知っている事がひとつもないので、本当に一字一句飛ばせないんですよね。。で、羽生の頭脳の四間破りは居飛車穴熊ではなくて、急戦定跡なんです。結局、2カ月ぐらいかけて、毎日コツコツ必死に覚えたのに、今となっては急戦定跡を全く指さなくなってしまった(^^;)。せっかくあんなに頑張ったのに、忘れかけてしまって勿体ないとは思っていたので、今日は復習をする絶好のチャンス!!これは楽しみ!!

20140126_NHK63_23手(四間飛車急戦の序盤定跡)

 図は23手目、居飛車側が右銀ではなく左銀を57に繰り出したところ。おお~、懐かしい!!最初は右銀急戦ばかり指していたんですが(手数が少ないので覚えやすかった^^;)、王道はやっぱり左銀ですよね~。で、ここから振り飛車側の作戦によって先手の攻め筋が変わるんだったような…よしよし、まだかろうじて覚えてるぞ。人間の記憶力って馬鹿にできないかも知れないぞ( ̄ー ̄)。そうそう、この形にならず、振り飛車側が左金を41に保留し続けてきた場合は、左金を32に受けてくる可能性があるので、そうなったら▲46歩(後手の飛車先を受ける)~▲37銀~▲26銀で棒銀を狙うと良かったハズ。でも、後手の左金が53まで来て美濃が完成した場合は、対四間飛車急戦の王道に突入!って感じだったと思います。戦型は、46左銀戦法、▲45歩早仕掛け、鷺宮定跡、棒銀…あと、何かありましたっけ?やっぱりうろ覚えか、人間の記憶力はあてにならないな( ̄。 ̄)。で、西川さんの指し手は…

△43銀

 う~ん、既に相当なうろ覚えになって来たぞ…。△54歩を突かずに△43銀が先の場合って、振り飛車には玉頭銀の狙い筋があったんじゃなかったかなあ。たしかその説明は『羽生の頭脳』にはあんまり詳しく書いてなくって、渡辺さんの『四間飛車破り 急戦編』に出ていた気が。でもあれ、図書館で立ち読みしただけだから、全然覚えてないぞ。。…覚えてないものは仕方ありません、もし玉頭銀に来た時は、はやめに▲66歩を突くとかのアドリブでごまかす事にして、話を先に進めよう。。ただ、振り飛車側は飛車先に銀をあがるより先に△12香と躱しておくのが最善手じゃなかったっけか?その場合、居飛車は飛車を3筋に振って鷺宮定跡に行くと良かった記憶が。
 でも、西川さんが△43銀としたことで、居飛車の選択肢は▲46左銀戦法、▲45歩早仕掛け、棒銀の王道3点セットに広がったハズ。ちょっと、近いうちに対四間飛車を急戦で破る3点セットの狙い筋を整理しよう。で、今日の将棋の本譜は…

▲68金上△64歩▲38飛

おお!!飛車を38に振った!!鷺宮定跡だ!!…と思ったんですが、後手の銀が32にいないという事は、後手の飛車は3筋に振り直すことが出来ますよね?これって、鷺宮定跡にならないんじゃないのか?と思っていたら…

△32飛▲46歩△14歩▲37銀△12香▲26銀△54歩▲35歩

 すみません、冒頭で僕はウソをついてしまいました。これ、鷺宮定跡じゃなくって、棒銀です。。まあいいや、鷺宮定跡は振り飛車が32に銀を保留して、3筋に飛車を振れない時の定跡だったというのを思い出せただけでも収穫です。。しかし、僕が何となく覚えている定跡手順とはずいぶん違う経路をたどってここまで来たな。。きっと、相手の出方を考えながらの駆け引きがあったんでしょうね。そうそう、西川さんの指し手を見て思い出しました。振り飛車は、居飛車の対四間飛車棒銀に対しては、3筋に飛車を振って受けるのが定跡でした。で、居飛車も銀の進出経路になる3筋にいちど飛車を振るのだった気がします。きっとそうです(遠い目)。今日の場合、飛車振りが先だったというのが何となく目新しかったです。
 以下、将棋は激しい捻じり合いとなり、見ていてメチャクチャ楽しい。見ている分には、穴熊戦よりも捻じり合いとか叩き合いの将棋の方が楽しいなあ。。

20140126_137手(終盤の読みの凄さ)

 そして終盤戦、豊島さんは9筋の端を破り、飛車角交換をして得た馬を見事に活用して王手飛車を決め、これは先手優勢!!と思ったんですが、最終盤の西川さんの逆襲が凄かった!!劣勢なのは明らかなので、僕なら多少無理筋でも一気に攻めにいくところ。しかし西川さん、なんと受けながらの寄せを図ります!!いやあ、劣勢の終盤でこういう構想を出来るって、マジで凄いと思います。谷川さんとの将棋も全く同じ考え方でした。う~ん、これはマジで勉強になるなあ。盤面図は137手目、豊島さんが強烈な飛車の打ち込みをした所。即詰みはなさそうですが、もし受けに金駒を使っちゃったら、後手は先手の中段玉を寄せるのは難しくなりそう。で、ここからの西川さんの指し回しが驚異的。

△7一玉▲9一飛打△8一金▲8二銀△6二玉▲8一銀不成

まず、飛車を2枚打ち込まれ、ここで合駒に金を使わされます。ああ、即詰みは回避できた気がしますが、これで先手玉を寄せるのは難しくなったんじゃないかなあ。更に▲8二銀と打ち込まれてから▲8一銀不成で合駒に打ったばかりの金を取られ、寄せるための金駒が先手に渡りました。。更に悪い事に、飛車の空き王手があるので、後手はこの成らずの銀を切り取ることが出来ない。駒得されながら守りの金駒をベリベリと剥がされ…これは典型的な寄り筋ですわ。お疲れ様。と思ったら…

△5五金▲同 玉△8八角

△55金は理解できます。角を外せるし、同玉となれば54の地点には角が利いているので、裸玉となった先手玉を下に落とすことが出来る。しかしそうするんであれば、さっきの合駒は銀合にしておけば、▲54金~▲45角成と出来たんじゃなかろうか。と思ったら…△88角?!ええ~、こんなので寄るのか?!!

▲6六歩△5四歩▲5六玉△5五銀▲6七玉

あら?これは寄ったんじゃ…

△4九角成 ▲7八玉 △8七香成

うわああああ!!即詰みじゃないか!!以下は▲69玉△77桂不成▲68玉△76桂▲57玉△79角成▲68金△同馬なので、遡って考えると…19手詰めか!!う~ん、寄せていって最終的に詰んだというのであれば、それはヘボな僕でもある事なので理解できます。しかし、あの合駒問題のところで金合いを選んだ意味は、金合いにすると先手は手抜きが出来ないわけですよね。で、その順を選んだという事は…あの時点で、詰み筋を読み切っていたんじゃないだろうか。いやあ、30秒将棋になってから攻防の計算をしながら戦場選択をして、かつ19手詰を読み切るのか。プロって、4段でもこんなに凄いのか…啞然騒然、レベルが違いすぎますわ。。
 いやあ、中村太地と並ぶ若手最強棋士の豊島さんを破ってしまうとは、西川さん凄いです。これでNHK杯はいずれも逆転勝ち、しかもすべての対局で驚異の終盤力を見せつけています。う~ん、これをまぐれ勝ちと呼ぶことは出来ないんじゃないだろうか。

 さてこれで、NHK杯はベスト8が出揃いました。森内竜王名人、郷田さん、三浦さん、丸山さん、屋敷さん、大石さん、村山慈さん、西川Jrさんです。う~ん、個人的には、飯島戦でとんでもない角捨てを披露してくれた丸山さん、阿久津戦の横歩でこれまたとんでもない飛車切りから一気に寄せてしまった三浦さん、3連続でもの凄い構想力と逆転勝ちを見せてくれた西川さんの3人に頑張ってほしいです!


第63期王将戦 第2局 渡辺明 vs 羽生善治 (相掛かり)

 渡辺王将の先勝で始まった王将戦、第2局です!!いやあ、しかしタイトル戦があると楽しいですねえ。竜王戦が早く終わった12月はつまらなかったなあ。
 話によると第1局の矢倉▲4六銀3七桂型は、あのスッカスカの玉型で後手の羽生さんが優勢だったそうで。う~ん、信じられない。。…で、気になるのが、あれで後手優勢なら、今回後手の渡辺王将が往復ビンタを狙ってくるんじゃないかという気がしてなりません。さて、第2局はどうなりますか。。…と思ったら、なんと相掛かりに!!いやあ、相掛かりになるなんて誰も思わないよなあ。。しかし、僕がプロ将棋で相掛かりを見たのは、たぶんこれで2回目。前回は…やっぱり渡辺vs羽生戦でした。たしか、去年の棋聖戦だったと思います。しかし、指し手を全然覚えてない(゚∀゚*)エヘヘ。(*訂正:調べてみたら、この前の棋聖戦の第2局は、相掛かりではなくて相横歩でした。大きな勘違いでした、スミマセンm(_ _)m)相掛かりの勉強をする予定は当面ないので、この局を見て筋のひとつでも覚えるようにしよう!!羽生さん、頼むから変なマジックは使わないでね。。

2014012412手 しかし、子供の頃は相掛かりから棒銀という将棋しか指せなかったもので、相掛かりを見ているとなんだか落ち着くなあ。…と思ったら、後手の渡辺王将が、12手目ではやくも知らない手を!

△94歩(盤面図)▲96歩

 おお、互いに飛車先の歩を突き捨てるんじゃなくて、先に9筋の歩の突き合いを入れました。なぜ端歩の突き合いが先なんだろうかと思ったら…もし後手が△84飛の浮き飛車を構想するなら、▲95角が間接王手飛車になるので、それを潰す狙いとの事。なるほど~!で、ここは早くも後手の作戦の分かれ目だそうで、

①有名な△86歩からの飛車先の歩の交換
②△3四歩~△8六歩。これは持久戦模様だそうで。横歩の中住まい戦みたいになるのかな?
③△72銀。これは棒銀狙いかな?急戦調になるそうで。

で、渡辺さんが選んだ手は…
△72銀

おお~!!急戦だ~!!で、先手もここが作戦の岐路だそうで、棒銀や腰掛け銀が有名な狙いなんだそうです。で、羽生さんは…
▲38銀

おお~~!これはどちらも棒銀か?!これは、子供の頃に指してた将棋に似てるぞ!で、渡辺さんは…
△34歩

 いやあ、全然定跡を知らないので、マジで楽しい。。後手は銀を繰り出すのでもなく、飛車先の歩を交換するのでもなく、角道を開けました。この狙いは、先手の方針を伺う手だそうで。で、羽生さんは…

▲27銀△86歩▲同歩△同飛▲87歩△85飛

 棒銀キター!!で、ここから一気に加速して、後手は飛車先の歩を交換した後に、84ではなく85に飛車を引きました。う~ん、横歩取りの指し手に似ているなあ。もしかしたら相掛かりって、横歩の定跡を結構使えるんじゃなかろうか。で、深浦さんの解説によると、△85飛型の狙いは、「▲3六銀に△3五歩と突いて、相手の銀を呼び込んで目標にして戦う狙い」とのこと。なるほど、銀の進出を防いでいるのか。
 で、ここから双方とも銀を繰り出す戦いになり、定跡というよりも、いかに銀をうまく使うかという力戦調になりました。相手の突いた歩の影に隠れて銀を繰り出したり、銀が飛車の横利きを遮った瞬間に角頭を攻めたり…いやあ、縁台将棋みたいで楽しいわ、これ。。しかし、互いに角がうまく使えない感じで、これは角を活用できた方が良くなりそうな気がします。

 もうひとつ興味があったのが、玉をどう囲うのかという事。相掛かりって、子供の頃に指していた時は、どちらも居玉のまま指していました。実際にはどう囲うものなんだろうかと思っていたんですが…なんとプロでも囲っていない感じです。居玉でこそありませんが、どちらも角が捌けずに自陣にいて、この角が玉の逃げ込む場所を塞いでしまっている感じ。う~ん、この将棋は攻めの角と銀を捌けてしまえば、玉型も自然と整備しやすくなりそうなので、角銀を活用できたら一気によくなりそうだなあ。ただいま63手目、いまだに縁台将棋模様です(^^)。

2014012465手 なーんて書いた後に仕事をしていまして、仕事が一段落してから棋譜を見ると…おお!あの直後で勝負がついていた模様。盤面図は65手目、後手の渡辺さんが△38歩と歩を垂らし、それを羽生さんが▲同飛としたところ。これって、形勢はどちらが良いんでしょうか。9筋の端歩を突き越せている分だけ後手が良さそうですが、それでも差は僅かなんじゃないかと思っていたんですが…

△65銀▲同銀△同歩

 後手から銀交換!!う~ん、この後で後手は9筋の端攻め?まあ、それでも後手やや良しぐらいにしか見えなかったんですが、のちの棋譜を見ても解説を見ても、どうにもこの時点で後手優勢だったようにしか思えないんですよね。信じられん。…いやあ、プロの形勢判断力の凄さには驚かされます。で、羽生さんはここから▲92歩以下連打の歩で香を吊りあげて香を切り取るんですが、その瞬間に77の桂頭に利きがなくなり、後手は76手目に△76歩。う~ん、これでも何となく後手やや良しぐらいかと思ってたんですが、考えれば考えるほど、これが激痛にしか見えなくなってきます。しかし、この△76歩を避ける順って、65手目の時点でもうなかったんじゃないかなあ。というわけで、実は65手目の時点ですでに勝負ありだったんじゃないかと。それを更に遡ると、2枚銀というか位取りというか、6~7筋を金駒で盛り上げていった羽生さんの構想自体が間違っていた…ということになるのかなあ。中村太地さんとの王座戦の時もそうだったんですが、羽生さんってものすごい創造的な構想を練り上げますよね。考えれば考えるほど、「ああ、そういう狙いなのか、すげえ…」と感動してしまうような凄さ。しかし、将棋って、どうやら構想が美しいからといって勝てるわけではないみたいで、そこが難しいです。
 しかし、この後も見せ場がありました。もう投了級の局面から、羽生さんはなんと遠すぎる相手玉に詰めろがかかる所まで形勢を挽回してしまいます!いやあ、やっぱり羽生さんってすごいわ。。あんな局面から即詰みを逃れるだけでも神憑りなのに、そこから逆に詰めろをかけちゃうんだから化け物だわ。。しかし相手は読みが異常に正確な渡辺さん、115手にて羽生さんを撃破しました!!う~ん、渡辺さんの将棋を見ていると、読みって深さよりも正確さが大事なんじゃないかと思わされます。特に、終盤でこの人が読み抜けしたという所を見た事がありません。王将戦はこれで渡辺さんの2勝0敗。しかも次の第3局は渡辺さんの先手番です。これは、渡辺さん有利になりましたね。

 さて、自分が相掛かりを指す事になった時のまとめでもしておこうかな。

・間接王手飛車を防ぐ序盤の△94歩がけっこう有効。しかも、端攻めの拠点になる可能性もある。
・攻めの基本は、先手も後手も棒銀や腰掛け銀。ということは、早繰り銀も行けるか?
・玉を囲うには、角をうまく捌かないと難しそう。
・という事は…横歩や角換わりの勉強を先にすれば、色々と応用がきくかも?!

 …ぜんぜんまとめになってないわ(&p゚ω゚*)。

横歩取り 角交換▲77桂型

 相変わらず、時間が出来た時は『羽生の頭脳5 横歩取り』と『よくわかる横歩取り』で横歩の勉強をしています。今日は、後手の△85飛戦法に対する「角交換▲77桂型」という指し方を勉強したのですが…おお!!これは去年の渡辺vs羽生の棋王戦で見た指し方じゃありませんか!!横歩の勉強が追い付いていない頃、このプロ将棋の棋譜を丸覚えして横歩対策にしていた頃があります。いやあ、なんと斬新な攻撃方法かと思っていたんですが、昔に流行した大有名な戦法だったんですね。。ちなみに、その棋王戦は先手の羽生さんの圧勝、そんなわけで△85飛戦法の対策として、先手番で使っていたのです。しかし過去の記事を見ると…いやあ、あの頃は今に輪をかけてアホだったんだなあ(゚∀゚*)エヘヘ。

20140118_24手 これが角交換▲77桂型に入る直前の図。後手が△85飛型で、かつ41玉型の中原囲いを目指しているのが「角交換▲77桂型」の成立条件。つまりこれは△85飛41玉型を見た時の先手の戦法という事になるかと。ただし、経験でいえば、初段ぐらいまでであれば、△52玉型であっても通じちゃう気がします^^。で、先手はここから右辺に手を入れて中住まいに整えるのではなく、いきなり…

▲33角成

角交換にいきます!いやあ、初めてこれを見た時はビックリしました!以下は…

△同桂▲77桂△84飛▲75歩△51金▲68銀(31手目盤面図へ)

20140118_31手 ここまで来ると先手の最初の狙いははっきりします。▲86歩~▲87歩~▲86飛…な~んてのが決まっちゃったら、もう先手は勝ったも同然(゚∀゚)。。7級ぐらいの人だってそれは見えるでしょうが、定跡を知らなければ受けるのは難しいんじゃないかという気がします。級位の頃は、横歩になるとこの筋で攻めて優勢にしてました。この筋が通るんであれば、別に△41玉型でなくったって、先手のこの攻撃は有効なんですよね。。で、以下は…

△94歩▲86歩△93桂▲74歩△同歩▲72歩(37手目盤面図へ)

 △94歩は絶対の1手。これで△93桂と跳ねるスペースを作って、8筋の向かい飛車攻撃を受けるわけですね。桂を外側に跳ねるこの筋も、初めて見た時はビックリしました。。で、初めて渡辺vs羽生戦で見た時に感動した手筋が、▲74歩△同歩▲72歩の流れ。いやあ、この華麗な順は、定跡を知らないと思いつかないんじゃないかと思います。

20140118_37手 もうこうなっちゃうと、後手の受けは△81飛しかないんじゃないかと思うんですが、ここで分岐。まずは、僕が勉強している定跡書にあった受け。

(受け①:38手目△81飛)

△81飛▲96歩△36歩▲同飛△27角▲66飛△54角成▲71歩成△同飛▲82角△81飛▲46角成

 まず、△81飛と受ける場合。この形になると、先手の狙い筋は▲96歩からの桂頭攻め、という訳ですね。で、これは部分的には受からないので、後手はこれを受けずに△36歩▲同飛△27角と攻めて馬を作る、と。しかし先手も負けじと▲71歩成から馬を作って、これで勝負!という感じです。以下、定跡は続いて、定跡書では互角と結論づけているのですが…シロウト目には初段ぐらいまでであれば、これは先手指せるどころか、先手良しにしか見えません。
 で、去年の棋王戦で、渡辺棋王は違う受けをしていました。これは僕の持っている定跡書には書いてなかった受け方。やっぱり△81飛の受けだと、プロでも先手がいいという事なんじゃないかなあ。で、渡辺さんがした違う受けというのが…。

(受け②:38手目△83飛)

△83飛

 これが渡辺棋王が指していた手。う~ん、この辺りからうろ覚えです。。もしかしたら、ネットの将棋ではここまで来なかったのかも。△83飛というこの受け、△81飛ほど分かり易くありませんが…▲71歩成△同銀のあとの▲77角を消してるんじゃないかと。で、従来の定跡ではここで▲79金と受けていたそうなんですが(手が長くなるので説明は省きますが、▲96歩と△85歩の攻め合いになると、後手のと金で78の金を取る手が厳しくなるので、その先逃げ)、羽生さんの新手は…

▲71歩成

単に▲71歩成。で、以下は…

△同銀▲96歩△85歩▲同歩△同桂▲65桂

やっぱり先手は桂をいじめに行きます。で、最後の▲65桂が鬼手。で、棋王戦では、以下…

△64歩▲84歩△93飛▲83角

▲83角がまたしても好手で、先手は桂を取られますが馬を作れることは確定。で、桂損もすぐに取り換えそうな感じです。これは先手良しでしょう!!

*******

 …というわけで、いいおさらいになりました。。先手の狙い筋としては、8筋の向かい飛車狙いで、それを△93桂で防ごうとして来たら、今度はその桂を目標にするという感じですね。いやあ、理解できてしまうと合理的な考えだし、分かり易い。。じつはこの戦法、けっこう自分で使っていたくせに、「角交換▲77桂型」という名前がある事を知りませんでした。またこの戦法、僕は△85飛52玉型とかでも使ってました。恥ずかしい(。・ω・)。しかし、横歩の勉強、全然終わらないんですが、すごく楽しい。マジで楽しい。。



対局しないとすぐに感が悪くなる

 今日は久々にネット将棋で2局指しました。先週から、横歩でやってみたい事があるので、何とか横歩に誘導しようとするんですが…ぜんぜん横歩にならない(- -;)。まあ、将棋ってそういうゲームなので、仕方がありませんね。

 しかし、たかが1週間ほど指さなかっただけで、構想は浮かばないわ、読み抜けはしょっちゅうだわ、終盤はヘタクソになってるわで、ちょっと焦りました。。やっぱり、勉強ばかりでなく、たまには指さないとマズいですね。。

第63回NHK杯 森内俊之 vs 船江恒平 (横歩取り△84飛型)

 若手が強豪を破りまくり、A級棋士が続々と敗退して荒れまくりの今期NHK杯。羽生さんも渡辺さんも佐藤康光さんも消え、こうなると本命は森内竜王名人という事になるでしょうか。村山、豊島、西川Jr、郷田、大石、屋敷、丸山、三浦…そして今日の森内さんと船江さんですか。A級が消えたとはいっても、さすがに残っている棋士は強豪ばかりですね。今日はどちらも大好きな棋士なので、どちらにもガンバってほしいです!!しかしこの対戦は初手合いとの事。意外だなあ。。

 将棋は森内さんの先手、横歩取りになりました!横歩はただいま勉強中の戦型、これは楽しみ。そして…おお、△84飛型です!!△84飛型は『よくわかる横歩取り』にあまり出ていないので、これは嬉しい。。

20140119_24手 図は24手目、後手が△23銀とあがったところ。これ、後手としては一番流行している形で、しかも船江さんはこの戦型のスペシャリストとの事!これは勉強になりそうだな。。僕が今勉強している定跡書にはこの指し手は出て来ないので、これは解説して欲しい…と思ったんですが、解説の阿部さん、「これを説明するとすごく長くなるので割愛」と解説をカット(- -*)。2筋に飛車を振る事を想定した支え、という意味なのかなあ…。(追記:これ、自分で前に調べてました。棋王戦挑戦者決定戦の三浦vs永瀬戦と同じですね。全然覚えられてないなあ…反省。)でもこの形、プロ将棋ではやたらと見ますよね。で、ここからの指し手は…

▲38金△14歩▲48銀△15歩▲75歩

 ▲38金で先手は▲38金48銀型の中住まいを目指し、▲75歩で飛車の横利きを通した感じですね。これは先手の攻め筋は8筋でしょう。僕もこの攻め筋が中心なので、やっぱりこれが本筋なんでしょうか。
 一方の後手は…一気に1筋を伸ばしました。1筋の端攻めは、中住まいに対する攻め筋の有力戦法なんですね。囲うより先に1筋の歩を伸ばした理由は?そうすると、相手は受けるより先に囲いに来る可能性が高いので、歩を突き越せるという事かな?よし、これは今度後手番で指してみよう。更に駒組は進んで…

▲51金△77桂▲62銀(32手目の盤面図へ)

20140119_32手 これで第1次駒組は終了。
 先手は中住まいで、攻撃筋は8筋とか7筋、あるいは有名な9筋の端攻め、桂を使っての攻撃は受けとの兼ね合い次第で、という感じでしょうか。
 後手は△52玉型の中原囲いに、攻め筋の最有力は1筋端攻め、あるいは2筋で飛車をぶつけるとか、先手の飛車が2筋からどけば逆に飛車を2筋に振り直しての2筋攻めもある、という感じでしょうか。
 僕みたいな縁台将棋だったらここからいきなり踏み込む手もありそうですが、プロだったら速度計算とか、大局観的な裏付けがないと指せないんでしょうね。先手は8筋を狙うのであれば確実に破れそうですが、ちょっと時間がかかりそう。そういう意味では、後手は一気に踏み込んでもよさそう。しかし本譜は先手が8筋に飛車を振るのでも▲86歩と突くのでもなく、▲76飛としたことで、後手は玉形を堅くする方針を選択、これで駒が当たらないままでの駆け引きが続くことになりました。しかし、この▲76飛は勉強になりました。。


20140119_40手 さて、そこから少し進んで40手目、中盤戦です。中盤は後手が飛車を2筋に振って左銀を繰り出し、先手の右辺狙い。逆に先手の森内さんは受けつつ7筋に振った飛車先から突破口を開こうという感じ。いやあ、この双方の狙いは実に勉強になりました。後手の2筋狙いの棒銀は、1筋の端攻めと絡める事も出来るので、これを受け切るのは難しそう。問題は叩き合いになった時の速度ですね。で、森内さんは2筋を受けるために桂の活用を見て…

▲36歩

後手の船江さんは、2筋攻めの方針を崩すことなく、

△35歩

さて、ここで森内さんは2筋の攻防戦に手をつけず、7筋からの攻撃に手を使いました。

△74歩▲同歩△同飛▲73銀△76飛

 う~ん、単純ですが、この7筋の攻めは厳しいように見えるなあ。何が凄いって、この7筋の攻め筋ではなくって、2筋の攻防戦と7筋の攻撃の速度計算の凄さです。さっきの△36歩を入れずにいきなり▲74歩では右辺が破れで、また△35歩を受けていたらやはり速度負け、という事ですよね。これは大局観的な凄さ、ということになるんでしょうか。森内さん、やっぱりすごいわ。。
 ああ、あといつも思うんですが、中原囲いって、先手が▲85歩と突いて行ったらどうなるんですかね?今日の将棋の場合、飛車を7筋に振った以上は7筋攻めで、という事なんでしょうけど、ここからでも8筋のと金作りにいっても間に合いそうだし、受けにくい気がするんですが。これは8筋攻め一本槍の僕の単細胞的な考えがおかしいのかな(・ω・) 。。今度調べてみよう。

 この中盤戦は後手の7筋に綻びが出来たところで森内さんから角交換!なるほど、角の打ち込みでは後手陣の方がヤバそうだ。これで先手が攻勢になり、森内さんが崩しにかかり、船江さんが辛抱する展開に。しかしここで船江さんが受け間違えたように見える手を放ってしまい、船江さんは更に辛抱する展開に。。で、森内さんが驚異の踏み込みを見せる見せ場が登場!!いやあ、これ以降は逆転の連続、1手1手が手に汗握る展開で、メチャクチャ面白かったです。。

20140119_68手 盤面図は68手目、船江さんが受け損なって、森内さんが馬を作る事に成功、船江さんが自陣角を放って必死に辛抱してた場面です。ここで森内さんが放った手は…

▲64馬

エエエッ?!馬を切っちゃうのか!!ああ~なるほど、角銀交換になるけど、手にした銀を33に打ち込もうという訳か!!いやあ、これはスゴイ踏込みだ。で、普通に精算していくと?…▲53飛成で龍を作る所まで確定という訳か。いやあ、これは好手、見事な馬捨て!!これは先手優勢だわ、と思ったんですが…

△同飛▲33銀△同金▲同歩成△同玉▲53飛成△34飛

 先手が▲53飛成で一間龍、どうもお疲れ様でした…と思ったら、船江さんは△34飛と躱しました。まあ、飛車を渡したらスッカスカの玉型ではいっぺんですからね。まあでも一間龍を作られた時点で、延命策程度にしかならないな、と思ったら…あ、あら?この飛車筋、先手陣の急所に入ってないかい?これ、次に△44銀が入ると、打たされた72の角も跳ねさせられた25の桂も殺到して、先手陣は潰れじゃないか?!玉形を崩して金駒を剥がして一間龍を作った手が逆転を用意するなんて事があるのか…信じられん、こんなの見た事ねえ。。船江さん、すげえ、逆転だ!!しかし、ここからの森内さんもタダものじゃなかったです。

▲37桂

おお、桂で受けたよ。▲37歩だと?…なるほど、▲37歩△44銀▲64龍△55角か。いやあ、合駒の選択って受けの問題で一番苦手なんですが、森内さんって絶対に間違えないよな。

△37同桂成▲同銀△25桂▲36歩

こうなってくると後手が自陣に打たされた72の角が利きまくってますね。僕なら▲73歩とかで厄介なこの角をどかしたい。しかし森内さん、強い!▲36歩で受かっちゃうのか。。よく1手30秒でこれだけ強い受けを選択できるなあ、すごい…。これで早差しが苦手なんて、信じられません。。しかし…やっぱりこれは船江さん優勢なんじゃないのか?攻めが切れるようには思えないんですが。。

△44銀▲64龍△55角▲同龍△同銀

うわあ、先手は龍を切り取られたよ。。しかし手番は先手。ここで良い手を指せなかったら△37桂成でも△56歩でも、なんでも終了でしょう。と思ったら…

20140119_87手 ▲26銀 (87手目の盤面図)

…渋い。ここで銀を逃げたか。と思ったら、あら?これは逃げたというより、攻め合いを選択した手なのか?!いやあ、今日2度目の凄まじい大局観を見せられた局面です!!もう△37桂成は消えたし、後手の攻めは△33歩?△56歩?いずれにしても王手がかかるまで2手掛かるので、攻め合いになると▲25銀の1手で飛車取りのかかる先手の方が速いんじゃ?問題は▲25銀が詰めろになっているかどうかですが…なってるなあ、これ。森内さん、逆転か?!

△56歩▲25銀△57歩成▲同玉△56歩▲48玉

…うわあ、これは先手玉は捕まらないでしょ。森内さん、受け切りを見通しての▲26銀だったか、すげえ。。
まあ、これで勝負あったなんですが、しかしここからの船江さんの粘りが凄かった!

△84飛▲54歩△57歩成▲同玉△49飛

△49飛?なんだこれ?放っておけば△85飛成で詰めろということ?で、森内さんは詰めろを消すべく

▲58玉△19飛成

 ああ、これでも詰めろが続くのか!いやあ、最後の最後で、相手が間違えやすい手を指すのか。この引っかけはアマなら結構引っかかるんじゃなかろうか。。船江さん、時の竜王名人を相手にいい度胸してるわ。しかし森内さん、これも見事に受け、とんでももないところに攻防の角を打ち込んで後手の引っかけを逆に咎め、117手で勝利!!

 船江さん、素晴らしい将棋を指しましたが、森内竜王名人はちょっと強すぎました。いや~、今日の将棋はメチャクチャ面白かった!!序盤の勉強にはなるし、横歩の攻撃筋の勉強にはなるし、大局観の勉強にはなるし、終盤の勉強にまでなりました。しかし、どちらも1手30秒でなんであんな手が指せるんだ?プロってやっぱりすごいです。。

第72期B級1組順位戦 10回戦

 おおっ!B1も気づいたら10回戦ですか!A級昇級に向けてひとりずつ脱落していく生き残りゲームも、終盤戦に突入です!!

○広瀬章人 vs 飯塚祐紀●
 昇級レースは、トップ棋士が負けない事には、星が下の人は絶対にあがれません。というわけで、トップ集団である2敗棋士の成績が昇級ラインを決定する事になります。で、現在のトップは2敗棋士。その中で一番順位が高いのが広瀬さんです。で、この一戦は…おお、広瀬さんの勝利です!!しかし、広瀬さんは渡辺2冠よりも穴熊戦がうまいんじゃないかという気がします。穴熊を守るのが苦手な僕としては、広瀬さんの将棋はよく見る必要があるかもしれないな。。

○阿久津主税 vs 松尾歩●
 広瀬さんと同じく2敗、残りを全勝すれば昇級が決定する阿久津さん。しかし相手の松尾さんも3敗で、松尾さんからすれば直接対決で阿久津さんを叩けば、順位が上の松尾さんが阿久津さんを抜いて逆転になります。これは双方にとっての大一番という事になりそうです!結果は…阿久津さんの勝利!!松尾さんの昇級はこれで消えたでしょう。一方、阿久津さんの残る対戦相手は…降級戦線まっしぐらの鈴木大介さんと、連敗の続く畠山さんですか。いやあ、これは阿久津さんの昇級は濃厚になったのでは?!

○橋本崇載 vs 豊島将之●
 昨期はA級だった橋本さんですが、今期はB1で既に4敗。昇級の目はありませんが、対戦相手の豊島さんは2敗で昇級レースに残っています。ここで負けたら、橋本さんは23歳の若手に抜かれてしまう事になります。ここは意地を見せて欲しいところ。で、将棋は相振り飛車!!橋本さんってオールラウンダーだけど、オールラウンダーの中では振り飛車の採用率がけっこう高い気がします。しかも、それが奇を衒った感じではなく本当に強い。で…おおお!!豊島さん、負けたあああああ!!橋本さん、豊島さんを撃破です!いやあ、B1一期抜けを狙っていた豊島さんですが、これで3敗目。3敗となると、順位の低さが災いして、これは難しくなったんじゃないでしょうか。しかし、橋本さんの指し手ってすごい綺麗だよなあ。キャラとは全然違う感じ。あんな風に指せるようになりたいものです。

○丸山忠久 vs 鈴木大介●
 B1では丸山さんが一番強いと思っているのですが、現在3敗。2敗棋士が落ちて来ない事には昇級は出来ませんでしたが、豊島さんが負けた事によって、これは目が出て来たか?で、将棋は…丸山さんの勝利!!あら、丸山さん、広瀬さんか阿久津さんとの直接対決が残っていると面白い事になるんじゃ…おおお!!!次戦は丸山vs広瀬じゃないですか!!仮に2敗棋士が3敗目を喫すると、丸山さんの方が順位が上なので…いやあ、面白い事になってきましたね。一方の大介さん、これで2勝8敗。これはマズいですよ。。

○山崎隆之 vs 畠山鎮●
 これはお互いに4勝5敗同士の対戦。もう今期の昇級にも降級にも関係ないですね。しかし、来期を考えると、ひとつでも星を伸ばして良い順位にしておきたいところ。結果は…山崎さんの勝利です!しかし山崎さん、前半で5連敗した時はどうなる事かと思いましたが、後半戦にきて怒涛の4連勝!星を5分に戻しました。

●木村一基 vs 藤井猛○
 一方こちらは3勝6敗同士の対戦。まだ下がいるので負けたら即アウトという訳ではありませんが、危険であることは間違いありません。ここに勝った方が残留確定という、これも双方にとって大事な一番ではないかと。そして…おおお、藤井さんの勝ち!!いやあ、正直言って木村さんが勝つと思っていたので、これは意外。しかし、藤井さんは今期調子がいいですね。藤井さんは凄い将棋を指してくるので、対戦相手は皆気が抜けないと思うんですが…最終戦は丸山さんとですか。なんか、土壇場で一発入れちゃうような気がするなあ。。一方の木村さんは…松尾さんや山崎さんという強敵を倒しておきながら、これで3勝7敗。まあ大丈夫かとは思いますが、残り2戦を落とすと、これはひょっとしちゃうかもしれません。

 というわけで、3敗以内を昇級ラインとすると、候補はこんな感じです。カッコ内は順位です。

広瀬(8) 8勝2敗:残りは丸山戦、山崎戦
阿久津(9)8勝2敗:残りは鈴木戦、畠山戦
豊島(13)8勝3敗:残りは鈴木戦
丸山(5) 7勝3敗:残りは広瀬戦、藤井戦

 残りカード的に言うと、現在2位の阿久津さんの昇級がいちばん確率が高そうでしょうか。で、大事なのが次の丸山vs広瀬戦の結果でしょうか。これに丸山さんが負けると、丸山さんは脱落。広瀬さんは負けてもまだ後がありますが、自分が山崎さんに勝って且つ丸山さんが藤井さんに負けないといけない計算か…。いや、これはやっぱり広瀬vs丸山戦を落とした方は厳しい事になりそうです。豊島さんは9勝3敗で終える事になりそうですが、他の3者のうち、ふたりが4敗しないといけないので、これは結構厳しいのでは?あとは、波乱があるとすると、そのカギを握っているのは鈴木大介さんでしょうか。もし大介さんが阿久津さんに一発入れると…いやあ、次の11回戦にドラマが待っているような気がします。。

対中飛車の持久戦の教科書

 中飛車の対策は、去年の春~夏あたりだったか、けっこう一生懸命やりました。村山さんの『ゴキゲン中飛車の急所』をメインテキストにして、鈴木大介さんの『中飛車の基本 ゴキゲン中飛車編』と羽生さんの『羽生の頭脳2 振り飛車破り』で足りない所を補てん、みたいな感じ。これで一応ゴキゲン中飛車の急戦は何とかなったんですが、どうにも急戦は受ける居飛車に危険がいっぱいで、実際の対局では穴熊を目指す方針で指す事がほとんどです。初段ぐらいまではこれで何とかなっていたんですが…それ以上になると、なんか対中飛車戦の戦績が悪いんです。

 今日は久しぶりにネット将棋を指したんですが、そこで素晴らしい方と遭遇。この方、序盤定跡の知識が完璧!ああ、僕が目指している事をもし実現出来たら、こういう風になれるんじゃなかろうか…と思える人でした。で、将棋は矢倉になり、当然のように僕が負け(゚∀゚*)エヘヘ。で、感想戦でまたもや質問攻めにしていろいろと教えていただいていたんですが…なぜか中飛車のレッスンになりました(^^;)。しかし、これが恐ろしく勉強になったのでした。僕の対中飛車の戦い方は、中級ぐらいの頃から、ネット将棋で上手の方々に教え育ててもらった気がします。
 僕が指している対中飛車の穴熊将棋は、いつも『ゴキゲン中飛車の急所』で検討が打ち切られたその先で悪くしていた感じ。これは自覚があったんですが、プロのタイトル戦を見て勉強しようとしても、中飛車ってなかなか登場しないんですよね。7大タイトルで、中飛車が指された事は、この1年で1局もないんじゃないかなあ。で、僕が勉強知った定跡書の先の指し方を教えて貰い(なるほど~、こうやって飛車を軽くするのか…)、またどうやって勉強したのかを尋ねると…『中飛車破り 一直線穴熊徹底ガイド』が超おススメとの事。なるほど、村山本は中飛車急戦対策が詳しく出ていて、こちらは持久戦に特化したテキストという感じなんだな。。いやあ、中飛車のテキストというのを探していた時期があったので、良い事を教えて貰いました!!

 他にも、一手損角換わりは避けられないが、角換わりなら僕の序盤の指し手でも避ける方法がある事なんかも教えて貰って、横歩の次の勉強は角換わりではなく一手損角換わりなんじゃないかとか、勉強の方針までご指導いただいた次第です。ご指導いただいた4段の方、本当にありがとうございました!!そして…ちゃっかり次もレッスンしてもらう約束をとりつけた僕でした( ̄ー+ ̄)。

第63期王将戦 第1局 渡辺明 vs 羽生善治 (矢倉▲4六銀3七桂)

 昨季は竜王戦以外のタイトルも取って3冠となり、ついに渡辺時代の到来か?!と思われた渡辺さんでしたが、今期は不調で、9期守り続けてきた竜王位を森内さんに取られてしまい…そして年が明け、迎えた王将戦です!!竜王位は落としたものの、何とか他の2冠は防衛したいところですが…挑戦者はよりによって棋界最強の羽生3冠。渡辺さん、試練が続きますね。。

 さて、将棋は渡辺2冠の先手で、矢倉▲4六銀3七桂へと進みました。う~ん、これは竜王戦の第4局~5局に引き続きですね。渡辺前竜王には何か研究手があるんでしょうね。しかし、羽生さんにも伏線があって…これは、ついこの前に行われた羽生vs永瀬の棋王戦挑戦者決定トーナメントの将棋とも同じ!その棋譜は見ていたんですが、なにせ解説が無かったもので、気になっていたのでした。。

20140113_59手 で、本局は恐ろしいスピードで手が進んでいくんですが…なんと59手目までまったく同じ!!プロでは、相矢倉の▲4六銀3七桂型は、きっとここからが今の課題なんでしょうね。竜王戦第4局では、森内さんがここで△45馬と指して勝ち、第5局では渡辺さんが△44同金と指して負け、羽生vs永瀬では羽生さんが△45馬として負け。森内さんの勝局では羽生さんが解説で、他の棋士は軒並み先手持ちであったのに、羽生さんだけが「馬の利きが良いので後手持ち」と宣言、なんとそれで実際に後手が勝ってしまった事が強く印象に残ってます。で、本局は…

△45馬

 う~ん、渡辺2冠がこれで先手で負け、羽生3冠がこれで後手負け、という局面に進みましたね。。これはお互いに期するものがあるんでしょう。で、将棋は進んで…

▲43歩成△同金▲48飛△46歩▲19角△64歩▲46角△44歩

 おお!△44歩で竜王戦第4局と別れを告げ、羽生vs永瀬戦をなぞる事になりました!竜王戦第4局では、ここで森内さんが△44角としていました。それで良さそうなものを、羽生さんは敢えて自分が負けた△44歩を選択するとは…。むろん勝負は大事なんでしょうが、それ以上に形勢不明の局面をはっきりさせて定跡を進めるという意識の方が強いのかも知れません、羽生さんの場合。この将棋はそのまま定跡になっちゃいそうなので、きちんと覚える事にしよう。で、ここからも延々と羽生vs永瀬戦と同じ指し手が続き…

▲65歩△36馬▲33歩△同桂▲64歩△37銀▲24角△同歩▲63歩成△48銀歩成▲31銀△同玉▲53と(81手目盤面図)

20140113_81手 いやあ、何度も指された事のある定跡という事で、知っている人からすれば見慣れた光景なのかも知れませんが、初めて見る僕にとっては異様な光景です。後手は確かに飛角を手にしていますが…いくらなんでも玉が薄すぎないかい?本当にこれで勝負になるんだろうか?後手は玉頭に成金を作られる事を避けられないように見えるんですが…。と金を金で払うと▲33桂成だし、桂を払えば▲43とで金を抜かれる。で、後手の次の受けがビックリ。。

△93飛

 うああ~~!!これも定跡らしいんですが、最初にこの手を思いついた人って天才なんじゃなかろうか。よくもこんな手を思いつくな。。で、この後に数手ほど進んで、87手で封じ手となりました。しかし、1日目で87手か。。これは明日の午前中に終わっちゃうんじゃないかしら。。ちなみに、封じ手まで来ても羽生vs永瀬戦と同じ指し手だそうです。
 しかし、本当にこんな状況から後手が勝てるのか、明日はちょっと楽しみです(^^)。

 …で、翌日は仕事が忙しくてまったく見れず。明けた朝に眠い目をこすりながら以降の棋譜を見たんですが…なんじゃこりゃ、あの状況からでも結構際どいのか。なんか、後手番の戦法って、一気に襲い掛かって迫力満点なんだけど、それが切れずに攻め切れるかというものが多い気がします。右四間もそうだし、矢倉急戦もそうだし。アマチュアだと仕掛ける後手が勝ち切っちゃうことが多い気がしますが、やっぱりプロは違います。薄い玉を受け切ったように見えた羽生さん、例によって「マジでここっから攻めちゃうの?ちょっと強引じゃないか?」というほどの踏み込みの良さで、一気に攻め潰しに行きましたが…今度は渡辺王将が受け切ってしまいました。僕には分かりませんでしたが、解説を読む限り、どうやら羽生さんが優勢だったのに失着してしまったようです。終盤力に関しては、羽生、森内、渡辺さんの3者はとんでもない棋力だと感じますが、中でも渡辺さんは頭ひとつ抜けているように感じます。いやあ、受けの力って、やっぱり大事だなあ。

 というわけで、王将戦第1局は先手の渡辺王将が取りました。考えてみれば、渡辺さんは森内竜王名人と羽生3冠にやられているだけで、A級順位戦も2位だし、他の人との対戦成績はいいんだよなあ。この王将戦は、けっこうもつれそうな気がしてきました。この矢倉▲4六銀3七桂の筋は、この王将戦であと1回は指されるような気がします。定跡化されそうなので、この王将戦は注目する事にしよう。。

対局ばかりしていちゃダメだぞ

 前にも書きましたが、どうにも3段以上の方との対局となると、甘っちょろい事ではぜんぜん勝てないと感じます。対振り飛車戦や矢倉持久戦ならまだいいのですが、横歩の最新形、角換わり、5筋交換型の急戦矢倉なんかになると…序盤で優勢を築くのは到底無理、知らない変化に入ってしまうと全く勝てる気がしません。勝てた将棋を振り返っても、相手のミスを待つ将棋とか、強引に踏み込んで無理な寄せが通った将棋とか、そんなのばっかり(*>_<*)。実力ある人の棋譜と見比べると、実力差は歴然です。強い方の棋譜を見ると、同じ段位でも序盤が美しいったらありゃしません。僕はすぐに定跡から離れてしまうんですが、それは棋風というんじゃなくって、単に序盤がうろ覚えというだけなんですよね。。強い人はそう簡単には定跡から離れません。つまり…最善手をかなり長手数まで指し続けているんですよね。そりゃ強いわけだわ。こんな状態で何番指し続けたところで、とても勝つ事などできないんじゃないかと。勝ったところで、その1局の勝負に勝ったというだけで、トータルの棋力としては全然あがってないんじゃないかと。

 こういう事を感じたのは今回が初めてではなく、今まで何でも味わってきました。中級への壁を突破できずにいた頃も同じような事を感じた事があります。要するに、序盤定跡を覚える事が急務なんですよね。違いはわずかで、中級への壁は主力筋を知っているかどうか、3段への壁は変化も覚えているか、といったところで、原理は同じなんじゃないかと。しばらく2段以上の階級で戦って見て感じた事は、初~2段でも序盤定跡がきちっと身についている人というのは非常に少なくって、アマチュア向けの定跡書でもいいから、それがキッチリ身についていれば3段以上にはなれるんじゃないか、という気がするのです。

 調子が良かった事もあり、昨年末から対局が多くなっていました。しかし、対局を増やしたのには他にも理由があって、形勢判断や構想といった将棋の応用部分にあたるところを、実践で身につけたかったから。まあこれは一定の成果があったんじゃないかと思うんですが…しかしここは昔のペースに戻って、定跡の勉強や中終盤の棋力アップを地道に続けるべきではないかと。対局から離れすぎると、何となく分かりかけたように感じる大局観というやつがまた手からすり抜けてしまいそうなので、たまには指そうと思うのですが、基本的には座学中心に戻そう。…なんかこの感覚って、1年ほど前に対四間飛車急戦の勉強を始めた時の感覚に似てるなあ。なつかしい。というわけで、何となくですが、レーティング的な意味では、僕は今年一年はあんまり伸びないんじゃないかという気がします。でも、僕はプロになりたいわけじゃなくって、アマで楽しく将棋を指せるようになりたいというのが目的であるわけだし、目標の初段には何とか到達できたわけなので、実力が追い付いてもいない3段以上の実力を身につけるというより、将棋を指せる人なら誰でも知っているような序盤の定跡とか、そういうものをキッチリと身につける1年にしてもいいんじゃないかと。実力以上のクラスで戦い続けても苦しいばかりですしね。2段なら強い2段、3段なら強い3段というレベルの実力をつけてからその段位にあがった方がいいんじゃないかと思うのです。僕の棋力は、バランスでいうと、思考力よりも知識が足りていない気がします。暫くは、あまりに足りていない序盤の知識を身につけたいです!

第39期棋王戦挑戦者決定戦 第2局 三浦弘行 vs 永瀬拓矢 (横歩取り△84飛型)

 年末の竜王戦が早く決着してしまったものだから、プロ将棋の観戦は久しぶり。新年始まって初の大一番は、渡辺棋王への挑戦を賭けた挑戦者決定戦です!
 しかし、永瀬さんという新進気鋭の棋士、強いです!!今回の棋王戦に限っても、予選で真田さんや飯島さんなどの強豪を破って、挑戦者決定トーナメントでは谷川さん、丸山さん、広瀬さんを撃破!!その後に絶好調の羽生さんを2番続けて倒し、1抜けの三浦さんとも1勝1敗。永瀬さんの棋譜をいくつか見てみたんですが…う~ん、受けが凄いな。。森内竜王名人っぽいというか、これは本当に強いという感じ。

 さて、将棋は振り駒で永瀬さんの先手。横歩取りの△84飛型となりました。僕は今、野月さんの『よくわかる横歩取り』で横歩を勉強中ですが、この本は△85飛型を中心に書かれていて、△84飛型は少ししか書いていません。しかし去年からのプロ将棋では、△84飛型の方がよく見かける。で、この将棋も序盤ではやくも定跡本に書かれている筋を外れてしまいました。。せっかくなので、これは真剣に見て手筋を覚えてしまおう。。
 …とはいっても、横歩の勉強、かなり手こずってます。原因は、攻め筋と守りの形の組み合わせのバリエーションの多さにあるんじゃないかと。例えば、後手の守りの形は、△52玉型中原囲い、41玉型中原囲い、中住まい。飛車の位置も△85飛と△84飛、左辺の構えも銀の位置が違ったり。守りを省略して端攻めを急ぐ順があったり。こういう組み合わせ的な構造だと、分岐ツリー型の定跡の学習方法ではかなり学習しにくい(T-T)。というわけで、部分的な狙い筋や受け方なんかをバラバラに覚えていって、実践ではそれを組み合わせるようにして指せれば、僕みたいな初心者には覚えやすいかも知れない…と考えていました。で、今日はその学習方法で行こうかと。

2014010727手(後手の1筋狙い)
 図は27手目、先手の永瀬さんが▲58玉とあがって、中住まいに構えたところ。面白いのは後手の三浦さんで、囲うよりも先に1筋の歩を伸ばしています。後手の狙いが見えるのは23にまで上げてきた銀の位置と、突き越した1筋の歩のコンビネーション。まず、△23銀の狙いは、△24飛▲同飛△同銀の飛車交換との事。なるほど、この瞬間にどうという訳ではありませんが、後手は飛車交換をしたいときに交換できる、と。3手1組の質駒というわけですね。で、後手の1筋の歩の突き越しの狙いは、△16歩▲同歩△18歩▲同香△19飛の打ち込み、との事。ああ、これは去年羽生さんと行方さんの将棋か何かで見た事があるぞ。で、本譜はここから…

△15歩▲36歩△51金▲37桂△62銀▲46歩△88角成▲同銀△33桂(36手目の盤面図へ)

 △15歩で後手は1筋の歩を突き越し、当初の狙い通り。一方の先手は角を77に持ち上げるよりも前に▲36歩~▲37桂~▲46歩と手を進めて、左辺よりも右辺に先に手を入れました。う~ん、これは1筋の端攻めへの備えが先という事かな?それとも、右桂を使っての先制を狙ってるんでしょうか?その隙に後手も中原囲いに組み上げ、これで一応どちらも囲いの格好がついた形。あとは▲47銀とあがりさえすれば先手が好形となるタイミングで、後手は△88角成と角交換の仕掛け!!…う~ん、これで後手は端攻めからの角の打ち込みも出来れば左桂の活用も出来るわけで、これはすでに後手指しやすいか?

20140107_36手(後手からの飛車交換に対する受け)

 この局面は、この前の10月のA級順位戦の郷田vs屋敷という前例があるとの事。プロのデータベースって、僕たちにも簡単に見れるようにならないもんでしょうか。うらやましいなあ…。で、その時は、▲47銀△24飛▲25歩△同桂▲同桂△37歩▲同金△34銀と進んだそうです。それだと後手が良さそうとの事。で、本局は…

▲68玉△94歩▲28飛△95歩▲47銀△24歩▲29飛△74歩(44手目の盤面図へ)

 う~ん、この▲68玉はアドリブでは指せないなあ。意味が分からん。。後手からの飛車交換は避けられないと見ての先逃げ?▲47銀と指さないのであれば、いずれ発生する△46桂への先受け?これはきっと、いまプロで課題になっている筋に対する研究手なんでしょうね。アマチュアではとても理解できない。理解できない以上、覚えられないかも知れない。。
 次の△94歩は、桂の跳ねる場所を作った手でしょうね。渡辺2冠が使っているのを度々目撃してます。。しかし、次の▲28飛も訳が分からん。横歩だったら▲29飛が形じゃないんでしょうか。飛車交換に備えて紐をつけたという事?う~ん、この辺りからついていけなくなってきたぞ…と思ったら、「現状は△1六歩▲同歩△1七歩▲同香△1八角があって危ない」との事。なるほど~!!で、端攻めからの角の打ち込みを消してから▲47銀として36の地点を守って、それから29飛と引く、と。いやあ、さすがはプロ、隙が無い。。いや、こうなると先手は後手からの一段飛車も怖くないし、陣形としては理想なんじゃないでしょうか?!よし、これは覚えておこう。。

20140107_44手(角交換、▲37桂△33桂△84飛の位置からの先手の攻撃筋)

 後手が△74歩と突いた以上、次に桂を跳ねられるのは目に見えてます。当然▲77銀と受けつつ壁銀を解消するのかと思いきや、永瀬さんが指した手は…

▲45桂

 ん?…おお!!!これは強烈だ!なるほど~、△同桂▲66角となれば先手優勢かも知れん!!でも、その後の後手からのカウンターも用意してしまう手なので、ちゃんと読みを入れてからでないと怖くて指せない手だなあ。ここはまともに受けたら三浦さんはヤバいぞ。角を持っているわけだし、攻防手を探すべきだろ、と思ったら…

△同桂▲66角

うわあ、三浦さん、まともに受けちゃったよ。。これは決まっちゃったんじゃないか??後手は飛車を渡したらジ・エンドだし、しかしそうなると▲11角成は避けられないから、飛車を守りながら攻撃にもなる手を探さないといけないわけだよな。…そんな手があるのか?

△75歩▲11角成△92角

うあああ!!遠見の角か!!!一番見つけにくいやつじゃないか?!A級棋士って、やっぱりすげえなあ。。あら、でもこれって普通に▲56香で受かっちゃわないかい?しかもそれがまた先手からの攻防の香になっちゃう気が。。

▲56香

 …ですよね。。と思ったんですが、なんとこれがトラップ。感想戦を見ると、どうにもこれは緩手の可能性があるそうで。う~ん、将棋って難しい。

 …で、以降は一進一退の白熱した将棋に!!後手が先制、打った△92角が捌けるかどうかという戦いが中盤の争点となり、三浦さんが78手目にとうとう角を捌いて先手の飛車を切り取りに成功!その間にあった両取りの狙いの連続は流石でした。しかし、永瀬さんの受けがもの凄い!三浦さんはゆっくりすると逆襲があるのでゆっくりしていられないし、永瀬さんは間駒をどこに打つべきかとか、三浦さんは龍を作る代わりに間駒を打たせる交換を入れるべきか…などなど、僕の棋力では到底ついていく事の出来ない中終盤戦。すげえ…。
 終盤も強烈で、永瀬さんは玉を躱しながら反撃の手番を待ち続ける展開。そして、凌いで凌いで…113手目、三浦さんの退路封鎖の手を手抜いての王手!先手が飛車を抜かれたのが78手目なので、なんと35手近くを凌いでの逆襲です!で、受けに使った香まで攻撃に参加、守りに引き戻していた馬を動かした手が玉の逃げ場も作る攻防の1手…という感じで、大逆転に見えたのですが、なんとこの勢いある一気呵成の反撃が仇に。1手受けていれば先手玉は詰まなかったという所を、決めに言って決めきれず、勝ちが三浦さんに転がり込む結果に。う~ん、将棋って難しいです。逆襲した直後に1手辛抱が正着なんて、ちょっと普通じゃ考えられないでしょう。というわけで、渡辺棋王への挑戦は、三浦さんに決定!!

 永瀬さん、タイトル初挑戦こそなりませんでしたが、強い強い。1手1分になってから、受けるか攻めるかの選択をたった一手間違えたという事なんでしょうが、中住まいで飛車を外され龍を成り込まれて状況から玉を躱し切るんですから、とんでもない受けの強さ。最後も、龍のいる方に玉を躱すんだから信じられない。。受け切ってからの攻めも凄かったです。錚々たるメンバーを連覇して挑戦者決定に進んだだけのことはある、もの凄い将棋でした。これは次世代のトップ棋士間違いなしでしょう。プロ将棋界も、若手に永瀬さんとか中村太地さんとか船江さんとか、いいタレントが揃ってきましたね。羽生世代が活躍を続けるのは並大抵のことではないんじゃないかと。
 一方の三浦さんは老獪というか、負けていた将棋を勝ちにしてしまったような感じ。遠見の角の構想は見事、その後の捌きもとんでもない老獪さでした。最後は勝ちをもぎ取ったというよりも、相手に間違えさせたというか、難しい局面でも冷静さを失わなかったところはキャリアの差でしょうか。

 今年初めて見たプロ将棋は、序盤から終盤まで、とんでもなくハイレベルな名局でした!!こんなの見ちゃったら、自分で横歩を指す気がなくなります。恥ずかしすぎて…。道は遠いなあ。

急場しのぎの藤井矢倉対策

 ネット将棋の81dojoに、中終盤のとんでもなく強い方がいらっしゃいます。今まで僕が対戦してきた人の中では、恐らくこの人が最強。この方の場合、段位が違い過ぎて、対戦すること自体がまずないのですが、自分が好調で一時的に昇級(昇段?)、逆にこの方が不調で一時的に降級していた時に、対戦する機会に恵まれた事がありました(それでも僕が下手)。相手の戦型は藤井矢倉、そして…なす術なくやられました(>_<)。終盤の入り口あたりで、こちらから指せる手が全くなくなってしまったのです。こんな大差、経験したことがありませんでした。ギャラリーの高段の方々に、粘る方法とか、少し前の自分の悪手とかを教えていただいたんですが、それを聞いても、次回にその手を指せるかというと…それは読みの力とか、根本的な棋力がないとその手を発見するのは到底無理、という感じでした。

 そして年が明け、気合とともにネット将棋に挑戦!!そして…新年早々3連敗(・_・、)。死のうかとも思ったんですが、初詣でで引き当てた大吉の力を信じて気を取り直し、去年末から心がけていた、強い相手に対しても強い手を選ぶという心掛けとともに戦い続けました。すると…おおっ、3連敗の後に連勝です!!で、例によって自分の実力に見合わない段に昇段してしまい…例の方との再戦となってしまったのでした。戦型は…またしても藤井矢倉。もしかして、この人は急戦矢倉対策を藤井矢倉にしているのか?

 私、対藤井矢倉の対策をしたことが無く、どう指していいか分からない。そんなものだから、玉型は普通に矢倉に組み、攻めは…もうぜんぜん分からない。ので、普通の矢倉を崩す時の私の18番である、▲25桂と跳ねてから飛車と銀を使っての4筋攻めに。桂跳ねは取りあえず措いておくとして、桂を跳ねた後の銀と飛車の位置からして、攻め筋はもうそれしか残されていなかったというのが正直のところ。こんなの、桂を跳ねる前に考えておけよ。。
 ところが、正月で酒を飲みながら指していたのか(実は私はそうしていた( ̄ー+ ̄)、相手は油断の塊の上、悪手を連発!しかしこちらも負けじと悪手で返してしまい、以降は縁台将棋と見紛うばかりのグダグダな展開に。。で、最後は僕の玉に何度も詰みがあったようなのですが、相手も僕もそれを発見できず、結末まで相手が切れ負けという最上級のグダグダな将棋に!!…まあ、勝ったから良しとしましょう。で、詰みはギャラリーの高段の方々にはみんな見えていたようで、やっぱり詰め将棋の勉強が足りていないなと思う今日この頃、明けましておめでとうございます。

 …で、僕の反則勝ちではあったのですが、実力の差はやっぱり歴然としていて、比較するのも失礼というぐらいに、僕の方がボロクソに弱い。そんなわけで、勝者ではあったのですが、感想戦は失礼ながら僕の方から一方的に質問を浴びせる展開に。まあ、相手の方だって自分の方が強いと思っているでしょうから、そんなに悪い気はしなかったでしょう。色々あったんですが、一番知りたかったのは、対藤井矢倉の対策です。いろいろ教わったのですが、対藤井矢倉の定跡自体の勉強は当面無理。しかし、今後しばらくは使えそうな、対藤井矢倉戦の大雑把な狙い筋が分かったので、少しまとめておこうかと。

 まずは、感想戦で教えてもらった教訓。

▲25桂はアホな手:…感想戦で「藤井矢倉に対して▲25桂と跳ねる人は見たことが無い」と言われてしまいました( ̄ω ̄)。考えてみれば、それはそうだよな。冷静さを失っていたというか、あの時は他の指し手が分からず、意味もなく使い慣れた指し手を選んでしまった。。しかし、ありえない手を指す事で、相手に油断させる効果はあったかも(ねえよ)。

4筋攻めはあり得る筋かも知れないが、珍しい:得意戦術という事もあり、これが形勢を5分に持ち直した構想だった気がします。感想戦では「あまりに単純な狙いで、逆に受けにくかった」と言われましたが…これは褒め言葉なのでしょうか?やっぱり馬鹿にされていたんだろうな(´・ω・`)。

 あと、調子に乗って「藤井矢倉を潰すコツは何ですか」と訊いたら、さすがに「それは企業秘密です」と言われてしまった。。まあ、それはそうですよね。というわけで、以下はちょっと調べてみた事。

藤井矢倉は角の打ち込みに強い:ああ、なるほど、それはそうだよな。矢倉って角の打ち込みに弱いから、それをケアする意味もあって中央に寄せた囲いなのかも知れない。確かに、普通の矢倉でよく発生する▲41角の打ち込みは通じにくそうです。

藤井矢倉は角の打ち込みに強くて通常の金矢倉は角の打ち込みに弱いわけだから、藤井矢倉側は角交換を狙える脇システムを使ってくることが多い:なるほど、ごもっともです。

駒組みで手数を稼げるので、先制しやすい:これも、ごもっとも。角交換型にならなくても、こちらが金矢倉に構えていれば、飛角銀桂を使った通常の矢倉崩しはそのまま使えそうですしね。

・玉の位置が通常の矢倉より1筋分センターに寄っているので、2筋からの攻撃に弱い:ああ~、端攻めは考えたんだよな。ただ、普通の矢倉だといきなり2筋はキツイから、あまり攻撃のバリエーションを知らないんだよなあ。。角もぶつけちゃってたし、どのみち端は間に合わなかったので、1筋ではなく2筋からの攻撃は検討すべきだった。

 …で、最後が最大の成果。感想戦の時に、ギャラリーの高段の方が、凄く参考になる棋譜を教えてくれました。羽生vs藤井の、第58期王座戦の第2局です。なるほど、藤井矢倉は棒銀で攻めるのが本筋なのか。合理的すぎるぐらいに合理的だ。藤井矢倉崩しとして、角交換直後である40手目から8筋を抑え込む62手目までの羽生さんの構想は必見です。ちょっと、そのあたりの棋譜だけ書いておくと…

2010092238手 この将棋の場合、脇システムから相棒銀の構えですね。玉の囲いを除いたら、ほぼ先後同形です。で、ここから…

▲64角△同歩

 これで角交換。先手の主張は角の打ち込みに弱い金矢倉相手に角交換できたことと、手番が先になる事。後手の主張は、藤井矢倉の急所の8筋を攻めるべく棒銀の攻撃準備が出来ている事、という感じでしょうか。で、ここからが本番。

▲63角

当然、先手は角を打ち込みます。ここで後手は…

△75歩▲74角成△76歩▲同銀△73銀▲63馬△75歩▲74歩△同銀▲同馬△76歩 (52手目の盤面図へ)

2010092252手 これで銀交換が成立。後手は藤井矢倉の守りの銀を剥がすことに成功。あら、こうなると…藤井矢倉の側に、8筋を守る駒が1枚もない!…なるほど、8筋攻めが弱点とは、こういう事か。で、ここで手番は先手。藤井さんは逆襲に出ますが…

▲24歩△同銀▲15銀△同銀▲同歩

これで切れ。手番がまた後手に回って、羽生さんはここで仕留めに行きます。

△65歩▲同馬△86歩▲同歩△87歩

△65歩では、付き合わずに▲41銀とひっかける手もありそうですが、どうもそれは足りないとの事。で、後手からの攻撃も大したことが無いだろうとこれを▲同馬と取るわけですが、これで勝負あり。手抜けば△86飛や△88角。▲同玉なら更に△8五歩▲同歩と叩いてからの波状攻撃。

 以降の羽生さんはもう仕留めに行っている感じで、羽生さんのように光速で寄せてしまうことは難しいと思いますが、後手の攻撃の拠点のひとつである馬のラインが逸れてしまった事もあり、ゆっくりでよければ62手目までいければ勝ちきることは出来そう。しかし、この棋譜…羽生さんの指し手がものすごい。構想も凄ければ、手筋もすげえ。62手目の△87歩とか68手目の△39銀なんて、普通は指せないだろう…。しかも、無駄になった手が一手もないじゃないか。なんでも、羽生さんにこの棋譜を残されて、藤井さんは藤井矢倉を指すのを止めてしまったんだそうで(これも感想戦で教えていただきました)。

 しかしこの棋譜は凄すぎて、変化した時に使いこなすのは難しいかも知れない。大雑把に40手目からの攻め筋だけ覚えておいて、あとは棒銀で藤井矢倉の銀を捌いてしまえば行ける!ぐらいの構想だけ持っておいて、こまかい勉強はそのうちする事にしよう(・ω・)。

 というわけで、急場しのぎの藤井矢倉対策でした。あ、そうそう、藤井矢倉については、『佐藤康光の矢倉』に詳しく書いてあるそうです。あんまり苦戦するようなら、読んでみるのも手かも。



今年前半の目標

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします!!

 去年は将棋の勉強を始めた1年でした。将棋、マジで面白い。。伸び悩んで苦しい時もありましたが、ある勉強を切っ掛けに壁を突破!!以降は、さらに将棋が楽しくなってしまい、ちょっと夢中になりすぎました(^^;ゞイヤァ。。将棋は1日1時間と決めていたのに、10月以降は対局に1~2時間、将棋の勉強も同じぐらい。仕事がない日は1日中定跡を勉強している日があったり、寝る時間まで削って銀のからくりを研究している自分に気づいた時は、ちょっとさすがにイカンな、と思いました。プロ棋士ならこれはいいのでしょうが、私は社会人。道楽に夢中になりすぎるというのは考え物です。将棋とうまく付き合うためには、適度な距離感が必要かと。

 というわけで、今年の目標は…

①将棋の勉強は1日1時間まで!!
 :やり始めたら夢中になるのは目に見えていますからね(^^;)。今年は本業で目的を達成する1年にしようと。

②序盤定跡は、横歩、角換わり、急戦矢倉にとりかかる!!
 :ただいま横歩を勉強中。いままで勉強した序盤定跡の中では断トツに難しく、しかし断トツで楽しく感じます。1年で初段になるという目標は達成できたので、今年はあせらず、時間がかかってもいいので勉強すること自体を楽しみながら勉強を進めて行きたいな、と。漠然としたイメージですが、先手番は角換わり、後手番は横歩取りを綺麗に指せるようになりたい。今のデタラメな序盤を早く卒業したいな、と。

③プロ将棋は、タイトル戦以外の観戦はほどほどにする!!
 :去年を振り返ってみると、定跡の勉強と同じぐらいに将棋の上達に成果があったのが、プロ将棋の観戦です。しかし、早指し以外のプロの将棋は舌を巻くような凄い将棋ばかりで、見ているとこれまた夢中になってしまう。というわけで、観戦は解説のバッチリあるタイトル戦程度に控えようかと。それも、どんなに気になっても夕方までは見ないぞ、と。

 …将棋のブログなのに、将棋を控える目標ばかりですね(^^;)。でも、こういう目標を立てておかないと、暇さえあれば将棋を始めてしまうのです。サルです。正月も、隙を見つけてネット将棋を指しておりました(゚ω゚*)。というわけで、今年の目標は明日から発動という事で、これからネット将棋を指しに行ってきます(ぜんぜん反省してないじゃねえか)。
 というわけで、今年もどうぞよろしくお願いします!
プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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