第63回NHK杯 豊島将之 vs 佐藤康光 (ダイレクト向かい飛車)

 きたあっ!これは今期NHK杯最高の好カードではないでしょうか?!変態将棋でありながら驚異の強さを誇る佐藤康光さんと、中村太地さんと並ぶ若手最強棋士の豊島さんの世代間闘争です!これは、実力伯仲のいい将棋になりそう。

 佐藤康光さんが後手。ということは…ダイレクト向かい飛車です!ダイレクト向かい飛車対策は、低級の頃に4手目に角交換をされてボロボロにされた事があり、悔しくて糸谷さんの書いた『現代将棋の思想 ~一手損角換わり編~』で勉強しました。角交換のスペシャリストである糸谷さんの見解でも、居飛車が良しの結論が多かったと記憶してます。そこで、僕は自分ではダイレクト向かい飛車を絶対に指さないと心に誓ったのですが…相手にされた時、どうやって向かい飛車を攻め潰すか、これが良く分かってません(゚∀゚*)。というわけで、初段を目指している身としては、今日は、豊島さんがダイレクト向かい飛車をどう攻めてどう受けるか、というところをよく見て勉強しようと思ってました。

2013092901.gif 盤面図は26手目で、この辺りまではダイレクト向かい飛車の基本図みたいな感じですよね。問題はここから。ここからの指し手は…

▲66銀△64歩▲74金△同歩

 うわ、豊島さん、いきなり守りの銀を繰り出しちゃいました!う~ん、この時点で既に真似したくないなあ。これは玉頭位取りか?そういえば、何週か前のNHK杯でも、金井さんが玉頭位取りを仕掛けてたなあ。居飛車vs振り飛車の玉頭位取りって、相手の玉頭だけでなくこちらの玉頭もヤバくなるので、腕に自信のない級位者のボクには怖いです。やっぱり、位取りの勉強は近いうちにしなくちゃいけなそうだな。…でも、どうやって??ツノ銀中飛車の本か何かを見れば、出てるかなあ。。

▲46歩△33桂▲47銀△63銀▲36歩△同歩▲同銀△35歩

 豊島さん、振り飛車の玉頭にいた角を切り取った後、今度は2~3筋の攻防に着手しました。こうなると、防御術と攻撃術というより、玉頭と飛車先の2カ所が戦場になる、攻防一体の捻じり合いという感じでしょうか。なるほど、ザックリとではあるけど、対ダイレクト向かい飛車の戦い方の構想が理解できて来たぞ。。

 で、この後は双方が地下鉄飛車にして、豊島さんは2~3筋の戦いを保留して、一気に飛車を8筋に振り直し!!なるほど、なにも混み合った2~3筋の戦いで力将棋のスペシャリストの佐藤さんと争うするよりも、いかにも後手玉がスッカスカの7~8筋の戦いで勝つ方が良いというわけですね。こういうのを大局観というのでしょうか?…勉強になります!

2013092902.gif これは48手目、先手は攻撃態勢が整ってきた感じです。ん?この形は…まさに佐藤康光さんの書いた『佐藤康光の実戦で使える囲いの急所』に出ていた、右玉の潰し方で行けるのでは?!右玉は桂頭が弱くて、急所の角のラインがあったんだよな。。例えば、▲56角△43金▲96歩△同歩▲92歩△同香▲75歩、みたいな。ちょっと端が逆に破られちゃうかもしれないけど、ここまで考えられるようになっただけでも上達かも。。やっぱりあの本を読んだのは正解でした(^^)。でも、本譜は…

▲86歩△43銀▲89飛△94角

…やっぱり、プロは違いますね。最初の▲86歩は、先に相手の桂跳ねを潰した手。次の△43銀は?さっきの読み筋だった▲56角の打ち込みに対する先逃げ?次の▲89飛は?さっきの読み筋だと、やっぱり相手陣に切り込めるだけでなく、後手に端を破られるという代償も払わなくてはならないので、飛車でいった方がリスクが少ない、という事なのかな?…よく考えたら、飛車を振るために地下鉄飛車にしたんだから、こんなのずっと前からの構想か。。
 で、問題は、佐藤さんが放った△94角!!うわ、なんだこれ…。。飛車を受けるどころか、相手の玉頭を直撃じゃねえか。。これは逆転の1手か?!どう見たって佐藤さんの方が悪かったと思うし、攻めにしても如何にも細そうな手がかりですが、ここから佐藤さんは剛腕を振るい、攻めを次々と繋いでいきます。す、すげえ。。
 しかし、さすがは若手最強棋士のひとりである豊島さん、歩の手筋の連続で強引に王手を作り出し、手番を奪い取ります。う~ん、歩って、すげえなあ。。この辺りの指し手は、どちらも素晴らしかった!結局、最後は103手で先手豊島さんの勝ち。


 思った事は、指す力では、優劣の差はなかったんじゃないかと。むしろ、これはすごい好手だなと思わされた手は、負けた佐藤さんの方が多くあったと思います。結局、勝敗の差を分けたのは玉の堅さの差であって、佐藤さんは玉を堅くしようと思っても、ダイレクト向かい飛車の場合は最初から銀1枚(良くて金銀の合計2枚)でしか囲えない。ということは、やっぱりダイレクト向かい飛車という戦型を選択した時点で勝負ありだったんじゃないかと。まだ研究が進んでいない戦型ではあるので、後手番で良い戦いを探しているプロの方には研究のし甲斐がある戦型なのかもしれませんね。でも、僕みたいに基本すら身についていないアマチュアには、指しこなすことは不可能な戦法であると改めて感じました。。

『四間飛車破り 【居飛車穴熊編】』 渡辺明・著

book_SikenbishaYaburi_anaguma.jpg ただ今3~5級ぐらいでウロウロしています。そんな僕が、ここひと月ほど穴に籠るようにして勉強していたのが、穴熊で戦う対四間飛車戦でした。なぜ、まだ手つかずの角換わりや対石田流の勉強よりも、わざわざ急戦定跡をひと通り勉強した対四間飛車の勉強を繰り返したかというと、単純にネット将棋で四間飛車使いの方と対戦する機会が多く、しかもその戦績が芳しくなかったからです。
 対四間飛車対策は、今年の前半に急戦定跡をひと通り勉強していました。これでボロ負け状態が一気に逆転!これが、低級でくすぶっていた状態から中級にあがる原動力になりました!!…が、5級あたりに届くようになってから、途端に勝てなくなりました(・_・、)。そして、その負け方がいかにも悔しい。中盤の捻じり合いに負けて敗戦なら納得できるのですが、捌き合いになってしまうと、駒の損得なしでも船囲いの居飛車よりも美濃囲いの振り飛車の方が有利に思える。。…これって、棋力で負けたのではなく、囲いの差で負けてるのでは??これが、対四間飛車戦では、急戦定跡の腕を磨くよりも、穴熊の勉強を優先すべきではないか、と考えた理由でした。
 で、結論から言うと、この判断は正しかったんじゃないかと思います。つい先日、恐らく生まれて初めて2段の人を破ったp(^^)qのですが、これがまさに四間飛車vs居飛車穴熊。この時、僕は少し調子が良くって3級。で、中盤で僕が優位になるまでは、ほぼ完全にこの本に書いてあった定跡通り。…つまり、相手も一手も間違えずに来て、それでも居飛車優勢だったわけです。段どころか、上級の人にも及ばない状態だったので、勝てるかもと思えたあたりからは手が震えていました(゚ω゚*)。。途中、ウッカリして2枚いた飛車に両取りをかけられてしまったんですが、それでも勝ったぐらいなので、まともに進むと居飛車の方が相当に有利な戦型なんじゃないかという気がします。で、勝った後も、初めて段位の方を破った感激から、その棋譜を10回ぐらい眺め返してニヤニヤしてました。。というわけで、対四間飛車戦の勉強をするなら、この本から始めるのが良い気がします。なにせ、3~5級が2段を打ち負かすぐらいの効果があったので!!

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 この本は5章に分かれています。1章はプロローグのようなもので、2章は振り飛車側が急戦に来た時の対応と最初の駒組みの順番の解説、3~5章は振り飛車側の攻撃手段に応じた定跡の説明、という感じです。

 1章は、ビッグ4と呼ばれる穴熊囲いがどれだけ堅くて有利な作戦かという説明。しかし、振り飛車側に正確に指されると、この囲いは出来ないので、1章は流し読みする程度で良いかと。

 2章:対後手急戦
 2章は、後手の急戦に備えた序盤の駒組みの仕方の説明、という感じです。この駒組みの順番はかなり大事で、金を玉の近くに引き寄せるより先に香をあげて穴熊に潜ろうとすると破られてしまうとか、たった1手の手順違いが命取り。でも、その順番さえ間違えなければ、変化はあまり細かく覚えなくても大丈夫そうなので、本筋だけ覚える感じで行けそう。もうひとつ勉強になったのは、振り飛車側が石田流に変化した時の応じ方が書いてある事です。四間が三間に変化する形は、実践で何度も体験しました。これは、駒組みの順番さえ間違えずに、潜るより先に右銀を左辺に6筋防衛に回す事を優先する事さえ覚えておけば対応できる気がするので、流し読みで大丈夫かと思うのですが、三間飛車対策の例をひとつ覚えておくとすごく重宝すると思いました。まあ、対策といっても、穴熊に囲えるまでは飛車を合わせて徹底的に守る、と肝に銘じただけなんですけど(^^)。

 で、ここからが本番。3章以降は必読!ここからの3章を頑張って覚えようとしたら、うろ覚え状態でも僕は中級突破の道が開けました!!で、ちょと手順前後するんですが、5章の解説を先に。

vs 4kenbishaJikyuusen015章:対△54銀型
 5章は、後手△54銀型に対する対応策。ネット将棋では、振り飛車にこの攻撃をされる事が圧倒的に多かったです。しかも、この形から△65歩と突っかけられることが多い。この攻撃、右四間飛車に似ていて、応手を間違えなければ居飛車有利らしいんですが、知らないと瞬殺されます。。とにかく破壊力が凄まじいので、急ぐ方は、1~2章を読んだ後は、先に5章を読むのも手かも。でもこの形、実は振り飛車の作戦としては守り優先型だそうで。。僕は守り優先の戦型に潰されていたわけですね(;;)。。定跡を知らないって、やっぱり損だと思います。
 先手の応手はザックリいうと3つぐらいあって、ひとつは▲51角~▲37角と振って、5~6筋の位を守っている金銀を入れ替え、飛車を5筋に振り替える戦い方。ひとつはやっぱり角を▲37角まで持って行った後、飛車を▲78飛と一気に7筋に振って歩交換した後、1歩得してもう一度8筋に戻す戦い方。ひとつは桂馬に両取りをかけさせることを覚悟しながら自分から角道を開けて角交換してしまう方法(これは凄い!しかし、この手が使える場合とそうでない場合があるみたいです)、という感じで覚えました。変化もたくさん書いてあるのですが、この辺りを中心に記憶していけば覚えやすそうだし、しかもこの形に持って行ければ、級位者の僕でも指しやすそうです。

vs 4kenbishaJikyuusen023章:対△44銀型
 攻撃重視の△44銀型への対応策。これも、ネット将棋でそれなりに遭遇しました。後手が比較的早い段階で△45歩と飛車先の歩を突いてくると、この形になり易いです。で、この形になった時の僕の覚え方は、松尾流穴熊を目指すか、▲68角と角を引いて、角のラインを活かすかのどちらか。松尾流は、組めてしまうとプロでは勝率8割(!)なのだそうですが、組みかえるのに手数がかかるので、それを狙うのは振り飛車側も銀冠への組み替えなどで手数が掛かりそうな時だけ。あとは▲68角から▲46歩とこちらから仕掛け、4筋に飛車を振って飛車交換になってしまえば玉の堅さが違い過ぎて先手必勝。飛車を振る前に桂頭を攻められたら、飛車を浮いて守りながらの捻じり合い、捌き合い。この結論はプロでも意見が分かれているそうで、渡辺竜王は先手十分と書いていますが、結果図から僕は良く出来る気がしないので、互角という感じでしょうか。

vs 4kenbishaJikyuusen044章:△32銀型
 居飛車側の松尾流を警戒しながら守備と攻撃を兼ね備えた形の△32銀型への対応策。振り飛車が先に穴熊の玉頭の端歩を伸ばしてくるとこの戦型になり易いみたいです。いつまでも銀があがって来ない時は、桂を跳ねてから角交換すれば勝手に良くなるみたいで、これが大前提。盤面図からは、後手が△45歩と4筋を伸ばして攻撃にくるか、△54歩とじっくり来るかによって分かれる感じ。△45歩と来た場合も色々と分岐するんですが、とにかく他の形でもよく出てくる居飛車の攻撃術が、▲35歩△同歩▲24歩△同歩▲△65歩という、飛車先突破と角頭への歩の打ち込みという下準備をしてから角交換を迫る手筋。角で交換に来れば桂で取った後に6筋の金を攻めた後に角の打ち込みで一気に優勢、△同桂とくればこちらから角交換した後に飛車先突破や桂の割打ちがあって先手よし、△44銀と止めに来れば6筋の歩を交換した後に角頭に歩を打ち込んで先手よし。う~ん、これは強烈だ。。これは先手が良くなる場合がやたらと多いので、絶対に覚えておこうと思いました!一方、△54歩とじっくり来たときは、飛車を3筋に振り、銀を繰り出して2筋もしくは3筋の突破を狙う、みたいな感じでした。

 う~ん、四間飛車対策は、マジでこの本から手をつければよかった。。まあでも何も知らない状態からの独学なので、こういう事はやって見てからじゃないとわからない事なので仕方がないですね。居飛車党で、これから序盤の勉強を始めようと思っている方は、とにかく対四間飛車戦がやたらと多いと思いますので、『マイコミ将棋文庫SP 将棋 絶対手筋180』でひと通りの戦型の種類を覚えた後は、この本から本格的に勉強を始めるのが良いと思います。僕は、基礎から勉強すべきなんじゃないかと急戦定跡から勉強し始めましたが、今となっては急戦を指す事はほぼゼロという状態(実は、もう忘れちゃったというのが本音です^^;)。振り飛車の応手次第では急戦の方が勝ちやすくなる場合もあるみたいなのですが、どちらを先に勉強すべきかと言えば、もうこれは絶対に穴熊の勉強が先が良いと思います!


順位戦 C級1組 4回戦

 プロの将棋を観戦し始めでまだ1年と経っていません。最初は羽生さんとか渡辺さんとか超有名棋士しか知らない状態だったので、順位戦はA級以外はさっぱりわからない状態でした。それがだんだん強豪棋士が分かるようになってきて、ベテランが分かるようになって、若手の成長株が分かるようになって…としているうちに、C級1組が面白くなってきました。。A級と違って、一気に上にあがる若手とか、何とか下がるのを食い止めようとするベテランとか、苦労しながら少しずつ前に進む苦労人とか、A級にはない人間ドラマが熱い!王座戦で羽生さんに挑戦中の中村太地さんもC1、NHK杯連覇の糸谷さんもC1、電王戦棋士の船江さんも、竜王戦決勝トーナメントに進んだ小林裕さんも金井さんも、最強戦で羽生・豊島・屋敷を降して優勝した菅井さんもC1です。B2に昇級できるのはこの中から2人だけか。…厳しい世界だなあ。

○真田圭一 vs 小林裕士●
 ああっ、C1で一番応援していた小林裕さん、ついに負けた!!激戦区のC1での1敗は痛いか?!これで3勝1敗です。これは、もう取りこぼしをせず、終盤にある糸谷さんとの直接対決に勝負を賭けるしかない!一方の真田さん、さすがはC1級2位、初戦こそ取りこぼしましたが、以降は連勝で3勝1敗です。

●千葉幸生 vs 佐々木慎○
 その真田さんを破ったのが佐々木さん。3位対4位、しかも互いに30代という脂の乗った年齢の棋士同士の対決という好カードでした。この戦いは佐々木さんが制し、互いに3勝1敗に。C1の昇級レースは早くも混沌とした展開になってきました!

○金井恒太 vs 塚田泰明●
 金井さん、ここは危なげなく勝ちましたね。さすがは若手強豪と呼ばれているだけのことはあります。千葉さんに敗れた1敗は、順位的に見てもまあ仕方がないという所でしょうから、3勝1敗というのは、本人としては悪くない出だしかと思います。しかも、今後あたる強豪が真田さんぐらいしかいない。これはカード運にも恵まれてます。ところで、塚田さん…全敗です。これはマズい。対戦相手が糸谷さんや金井さんや佐々木さんばかりなので、運も悪いですが、ここで踏ん張らないとズルズルいってしまいそうです。

○糸谷哲郎 vs 小林健二●
 なんだかんだいってさすがですね。糸谷さん、なんと夕飯前に勝負をつけて昇級レースのトップを走ります。…って、速指しだからか(^^)。組み合わせにも恵まれていて、年末までは全勝は続きそうです。こうなってくると対抗馬は太地さんですが…

●中村太地 vs 阪口悟○
 うああああっ!!太地さん負けたあああっ!!これは、タイトル戦に何度も顔を出しながらC1から抜けられないという事態になったりして。。ところで、中村さんを破った坂口さんという方を知らないのですが…35歳で5段か、これは大金星では?!で、さらに調べてみると…奨励会でもさんざん苦労して、7級に降格したりと最初の1段昇格への道も遠く、その後のプロ入りも退会を余儀なくされてしまう年齢制限ギリギリで通過、順位戦は2005年から参加で、8年かけてC2から這い上がって来たのか。。大変な苦労人ですね。こういう人、応援したくなります。ということは、今回が阪口さんはC1初勝利という事ですね!次もガンバレ!!

○船江恒平 vs 桐山清澄●
 応援している棋士が勝つと嬉しいですね。。船江さん、これで3勝1敗、昇級レースに残っています。。

●富岡英作 vs 高崎一生○
 高崎さん、強い!全勝街道をひた走ります!これはB2にあがるんじゃないか?以降、誰と対戦するんだろう…千葉、真田、金井、糸谷…。。こ、これは運が悪い。。でも、逆に考えれば、彼らに勝てば相手に負けがつくので昇級しやすくなるとも言えるのか。が、ガンバレ。。

●田中寅彦 vs 菅井竜也○
 菅井さんも強い!彼も全勝街道まっしぐらです。菅井さん、まだ21歳なのか。。これは一気にC1を通過してしまうことも考えられそうですね。今後、誰と当たるんだろうか…。おお、強敵は最終戦の中村太地さんぐらいかな?こちらはカード運にも恵まれてます。しかし、負けたタナトラさんも、56歳で2勝2敗は見事です。さすがはタイトル経験者、地力があるんですね。

 というわけで、全勝が糸谷さん、高崎さん、菅井さんの3人に減りました。それを追う1敗が、真田、千葉、佐々木、金井、中村、コバ裕、船江、福崎、斎藤の9人。う~ん、これは昇級本命は糸谷さんと菅井さんとふたり、追って高崎、中村、金井という感じでしょうか?!

9ヶ月で3~5級ぐらいまで来た!

 いま、ネット将棋で3級にいます。でも、実力はやっぱり4~5級ぐらいかな。。で、前の日記を振り返ると「5ヶ月で4~5級ぐらいまで来た!」とあるので、勉強をはじめて半年ぐらいから伸び悩み始めたという事になります。中級の方に勝てるようになってからは、成績の上がり下がりが激しかったです。中級どころか、8級まで落ち込んで這い上がれなくなった事もあったり。伸び悩んで、成績が安定しなかったのは、考えてみれば、別に不思議な事でも何でもなかった気がします。テスト勉強でヤマが当たれば高得点だが、外れれば0点、要はこれに似た状態だったんじゃないかと。

 一番大きなポイントは、序盤の勉強が出来ているかどうかではないかと。序盤の勉強が出来た戦型では、3級の人とでも互角に渡り合える時もあるんですが、序盤の勉強が出来ていない戦型になると、上級者の人と渡り合うなんて絶対に出来ない。前に「2級の壁」なんて書きましたが、2級あたりになると、勉強していない戦型で勝てる確率は0%と思った方がいいと思います。何とかその場で手をひねり出して勝てるなんて、絶対にない。少なくとも、僕の場合はそうでした。まれに2級になれても、それはたまたま自分が勉強した戦型での戦いが続いただけ。

 手筋だけで何とかなるのは初級、良くて中級まで。逆転勝ちが多かったのは、序盤の勉強が出来ていない事の裏返しでもあるんじゃないかと。ところが、勉強をして、実践を繰り返して、自信をつけた戦型での戦いになると、プレッシャーを感じなくなってきます。例えば、先手番で角換わり相腰掛け銀になると、4級ぐらいまでであれば、その時点で「勝ったな」と思えます。こうなると、プレッシャーを感じるはずがありませんよね。で、この苦手な戦型というのをひとつひとつ潰していく時期というのが、中級の時期なんじゃないかと。

 将棋の勉強をはじめてたかだか9か月程度で、偉そうなことなんて言えたもんじゃないんですが(^^;)、こんな位置に僕はいるんじゃないかな、という気がします。

 仮に僕みたいに1日1時間ぐらいの勉強ペースで、序盤の手筋の勉強と中終盤の手筋の勉強を並行してやっていくと、定跡よりも手筋の方が先に身につく気がします。で、ひと通りの駒の手筋とか、基本的な寄せの手筋とか、基本的な囲いの攻め方とかがそれなりに形になってくると、最初のブレイクスルーが起きる。僕の場合は、これが勉強をはじめて4ヶ月ぐらいだったんじゃないかと。この時点で、序盤の戦型の勉強も二つ三つぐらいは終わってました(身についているかどうかは別^^;)。この段階に来ると、81dojoで、7~9級でくすぶっていたのが、急に中級になる。

 で、次のブレイクスルーが起きるのは、序盤の戦型勉強が一通り終わった時なんじゃないかという気がするのです。勉強し始めてから9ヶ月目の今、そう思える出来事があったのです。
 いま僕は、角換わりは相腰掛け銀だけ、横歩は全然出来てなくって、石田流対策は先手番だけ、急戦矢倉は手つかず…みたいなえらく中途半端な状態ではあるんですが、でも勉強した戦型ではブレイクスルーが起き始めているのかもしれないと感じました(そうであって欲しいという幻想だったりして^^;)。というのは、中級になって以降、勉強した戦型であろうがなかろうが、2級の方には絶対に負け、3級の方に勝てることもごく稀、という状態だったんですが、この状況が少し変わってきたのです。3級の方に角換わり相腰掛け銀で勝ち、3級のツノ銀中飛車の方に勝ち、2級の方に先手番矢倉で勝ち(これが一番うれしかった^^)、2級の方に右四間飛車で勝ち…と、今までぜったい勝てない級の人に勝った将棋がいくつも出てきました。今まででは、たまたま1局だけとかならあったんですが、これが4局も5局も出て来た。で、勝った将棋は、ぜんぶ序盤勉強をした戦型。

 さて、仮にこの将棋初心者のブレイクスルー仮説が正しいとすれば(^^;)、僕が上級者あるいは段位者(!)になれる次のブレイクスルーが起きるのは、戦型ごとの序盤定跡がひと通り終わった時という事になります。今感じているところでは、角換わりはやらなくてはダメ、矢倉は勉強しなおす必要があり、対右四間は要復習、対石田流は絶対、急戦矢倉は少なくとも矢倉中飛車対策をする必要あり、横歩もひとつぐらいは得意の戦法を身につけるべき、という感じです。この計算で行くと…1日1時間程度の勉強では、1年で初段はちょっと無理かも。。でも、1年半で上級もしくは初段というのは可能かもしれません!!


取り急ぎの、角交換四間飛車対策

 角交換四間飛車の対策が分かりません。穴熊に組もうとすると、藤井システムに似たような手順でいつも潰されます(・_・、)。 で、参考になる棋書はないものかと探してみました。候補は三冊で、以下の通り。

『角交換四間飛車破り』(屋敷伸之)
『角交換振り飛車』 (鈴木大介)
『角交換四間飛車 徹底ガイド』 (門倉啓太)


 屋敷さんの書いた『角交換四間飛車破り』は、居飛車視点からの受けという意味ではたぶん一番ニーズに合っていると感じました。しかし、ココセが多くて、『羽生の頭脳』みたいに細かいところまで書いてる本というのではないらしい。。…いや、読んでいないので、実際のところは分からないんですが。

 大介さんの書いた『角交換振り飛車』は2冊ワンセット。大介さんの著書なのできっと分かり易いんじゃないかと思うんですが、これもココセが多いらしく、また振り飛車視点で振り飛車よしの結論が多いそうなので、角交換四間飛車の対策を知りたいという僕の要求には合ってない気がする。…でもこれ、いつか読んでみたいなあ。

 奨励会時代に角交換四間飛車を武器にしてプロ入りを決めたという門倉さんの書いた『角交換四間飛車 徹底ガイド』は、この3つの中では一番よく書かれていて、変化も多く、実戦向きらしい。しかし、いかんせん振り飛車視点で、しかも振り飛車よしの結論が多いそうで、それだとこの戦型の対策の参考書になりそうにありません。でも角交換四間飛車を指す側の人にとっては、この本がビンゴなのでしょうね。

 …結局、「これでバッチリだ!」と思える棋書がない!これは、決定版の本が出るまでは、図書館の流し読みで済ませるべきだな。しかし、取り急ぎの対策を何とかしなくては…というわけで、ネットで検索していきついたのが、kakuさんという方が書いた「角交換振り飛車とか」というブログでした!アドレスは以下の通り。
http://kakukoukan.blog113.fc2.com/

 いやあ、これは素晴らしい!さすがに棋書のように細かい変化までは書いてありませんが、取り急ぎの受けの筋はこれで行けるんじゃないかという気がしました。なるほど、角道を開けっぱなしにされた時は、玉を角のラインにいれて穴熊に囲いに行かない方がいいのか。。たしかに、潜ろうと9九の香をあげるタイミングでいつもやられてる気がする。
 しかし、僕のアホな将棋に比べて、皆さんちゃんと将棋を勉強してるんだなあ。ブログの管理人さんであるkakuさんという方、将棋倶楽部24で初段ぐらいだそうで。つ、強い…。81dojoなら3段ぐらいなのかな。

 というわけで、角道を開けっぱなしのダイレクト四間飛車にお悩みの方、あとダイレクト向かい飛車にお悩みの方なんかも、棋書を買う前に、kakuさんのサイトを一度覗いてみると良いかもしれません。専門的な棋書は、このサイトで大雑把な狙い筋が分かってから読んだ方が分かり易くなるかもしれませんしね。





B級1組 6回戦

 昨日はB級1組6回戦が行われました。もう六回戦か、速いなあ。。

●高橋道雄 vs 飯塚祐紀○
 高道さん、泥沼の6連敗。。B1の中では比較的やりやすい相手と思われた飯塚さんにも破れてしまいました。去年のA級棋士、これはマズいです。A級返り咲きはもはや不可能、降級レースの先頭を走る事になってしまいました。一方の飯塚さん、3連敗から3連勝!これは盛り返してきましたよ。。

●橋本崇載 vs 畠山鎮○
 橋本さん、畠山さんに足をすくわれました。丸山さんと松尾さんという難敵を倒しておきながら、これは痛い2敗目です。ただ、橋本さんは順位がB1で2位なので、この2敗で食い止めれば同率首位でA級返り咲きも残ってる気がします。一方の畠山さんは調子がいいですね。これで4勝1敗。昇級レースの先頭グループに残ってます。

●山崎隆之 vs 丸山忠久○
 丸山さん、やっぱり強い。。だいたい、この人がA級にいない事の方がおかしいぐらいなので、これは当然の結果かも。橋本さんに敗れたのは取りこぼしとは呼べないと思うので、ここまでの成績は順当という所だと思います。これで4勝1敗。一方の山崎さん…B1で3位だというのに、絶不調です。初戦で難敵の阿久津さんを倒しておきながら、これで泥沼の5連敗。1勝5敗で、降級レースへの参加となってしまいました。

○松尾歩 vs 豊島将之●
 松尾さん、羽生研究会のメンバーで強いとは聞いていたのですが、NHK杯で森内名人に敗戦した将棋しか見ていないので、ピンときていなかったのですが、これは強い。B1をぶっちぎりで通過しそうだった昇り竜の豊島さんを返り討ちです!これで5勝1敗。一方の豊島さん、B2から上がってきて4連勝とものすごい勢いだったんですが、阿久津さんと松尾さんに連敗、強いと言われている先輩方もそうそう簡単に道を譲りませんね。これで4勝2敗です。順位が低いので、残り全勝で行かないとA級昇格は難しいかも。

●木村一基 vs 阿久津主税○
 木村さん、やばいです。山崎さんとともに絶不調で、これで泥沼の4連敗、1勝4敗で降級レースに参加です。一方の阿久津さんは、連敗から始まったのですがそこから3連勝!特に豊島さんと木村さんを倒した2勝は大きいです。これで3勝2敗。

○広瀬章人 vs 鈴木大介●
 大介先生、これは全敗コースか?やっぱり振り飛車は厳しいのでしょうか(居飛車を選択して良かった。。)これで5戦全敗、高道さんとともに降級レースの先頭を走っています。。一方の広瀬さん、松尾さんに敗れこそしたものの、これで5勝1敗!ただ、あとに難敵の丸山さん、橋本さん、豊島さんとの戦いを残しているので、ここの成績次第かも。。


 そんな具合で、B級1組もだんだんレース展開がはっきりしてきました。すでに全勝は誰もいない状態、1敗が松尾、丸山、畠山、広瀬。2敗で橋本、阿久津、豊島です。いまのところ、丸山さんがいい感じでしょうか。順位戦、面白い。。

第61期王座戦 第2局 羽生善治 vs 中村太地 (矢倉?)

 この将棋はものすごかった。。とんでもない序盤の攻防に、とんでもない終盤の攻防、随所にとんでもないプロの指し手があらわれた、大名局、大熱戦でした!これは今年の名局大賞になるのではないでしょうか?!

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 前半戦は、駒がぶつからないままに物凄い駆け引きが延々と続く、冷戦のようなジリジリとした展開。投手戦のような緊迫感、いくつもの囲いが登場しては変化する、囲いのオンパレードみたいな展開でした。こんなの見たことない。。

 将棋は羽生さんの先手、矢倉系の出だしで始まりました。私は『羽生の頭脳』で矢倉を勉強したもので、序盤の指し回しが今の矢倉の主流の出だしと違います。だから、プロの矢倉戦を見る時は、序盤から食い入るように見る事にしてます。で、途中までは無難な出だしでしたが、金のあがる順番とか、いい復習になりました。

2013091801.gif 16手目、最初の分岐点です。僕は矢倉戦で後手にやられると嫌な戦法がいくつかあるのですが、右四間飛車や矢倉中飛車はその代表。右四間飛車なんて、受けの勉強を何度もしたのに、上級の方とやると簡単にひねられてしまいます(=_=)。で、ここで74歩と突き出されるのが、矢倉中飛車とか、55に角を出られたりとかがあるので、いちばん嫌です。。

▲67金右△53銀右▲57銀右

やっぱり△53銀右が来た!これが嫌なんだよなあ。で、この銀上りを見越しての▲67金右はよく見るんですが、その後の▲57銀右は…これなら中央が厚いので中飛車警戒には良さそうな手ですが、実際には見た事がない気がする。ああ、そういえば、右四間飛車を受ける時もこの形になるなあ。とにかく、飛角の利きを集中されてから捌き合いに持ち込まれる将棋の受けがヘタなので、羽生さんの指し回しを参考にしよう!

 …と思っていたのですが、矢倉中飛車などにはまったくならず(^^;)、ここから異次元の将棋に。羽生さんの右銀が中央に寄ったのを見て、先手の2筋からの攻撃は弱いと見たか、後手は雁木に。一方の羽生さんは77にあがった銀を88に引いて、「菊水矢倉」(この形に名前があるなんて知りませんでした^^;)という組み方で低く構え、互いに飛角を右に左に動かし、端の攻防があり、羽生さんは機を見て金矢倉に組み替え、羽生さんの突破を防ごうと懸命だった中村さんの囲いが、気がつくと…

2013091802.gif 60手目、なんなんでしょうか、後手のこの構えは(^^;)。名前が分からないので、とりあえず饅頭囲いとでも呼ぶことにします(゚ω゚*)。でもこれ、攻めっ気0%ですね。。羽生さんはこれをどう崩すのかと思って見ていると…羽生さんも囲いを組み替え、穴熊に変化。さらに中村さん、何か横にずれたような中住まいみたいな形に組み替え。う~ん、今日の将棋は囲いのアラカルトです。

 で、双方持ち時間を4時間以上使い、残り数十分。71手目まで来て、まだ駒がぶつからない!!1日制の将棋で9時間を超える序盤戦、両者睨み合い。矢吹vs力石戦の再来です。これは、先に殴り掛かった方がクロスカウンターを喰らってKO負けのパターンだな。。で、先に突っかけたのが、中村さんでした。これは堪えきれなくなったか?…でも、この仕掛けが見事で、羽生さんの1筋が破れたかに見えました。。

◆◆◆◆◆◆

2013091804.gif 1度駒がぶつかると、あのジリジリとした睨み合いがウソのよう。指し手が一気に早くなり、70手以上続いた序盤が過ぎると、中盤はほんの僅かで、83手目に羽生さんの香車が敵のすぐそばに成り込んでいきなり終盤戦。ここからの1筋をめぐる攻防戦が凄かった。。第一局では中村さんの物凄い寄せに羽生さんの物凄い受けでしたが、今日は羽生さんの物凄い寄せに中村さんの物凄い受け。しかも今回は、攻める羽生さんは入玉も防がなければならないという難易度1000のパズル。

 図は128手目、中村さん、ついに凌ぎ切って、入玉確定!にしか見えません。羽生さん、入玉を防げそうな駒は全部取り払われ、と金を2つ作られ、持ち駒は歩2枚。しかし羽生さん、ここから入玉を阻止しに行きます。でも、これは寄せ切れなかった羽生さんの悪あがきにしか見えない。。

▲43と△29と▲52と△15玉▲13飛成△14銀▲36銀△21香▲18歩△26玉▲48銀△37歩▲22歩△23香▲同成桂△36玉▲24龍△25銀打▲17歩△27玉▲13成桂△23歩▲35龍△26角…

…信じられない、あの状況からまだ攻めを繋いでる。。やっぱり、羽生さんの将棋が一番すごい。。神憑りと思わされる回数が多すぎる。。しかし、まだこの壮絶な攻防は続くのでした。

2013091805.gif ▲26同龍△同銀▲63角△38玉▲18角成△48玉▲29馬△38銀▲59金△同玉▲68銀△58玉▲49香△48歩▲59金△47玉…

僕では想像もできないような手の連続ですが、それにしても▲49香?!…信じられん、指された後もしばらく意味が分かりませんでした。信じられない、羽生さん、なんと入玉した玉を押し返した(゚д゚ノ)ノ。。

 …羽生さん、このままついに寄せ切りました。驚異の粘りを見せた中村さん、203手で無念の投了。83手目から王手続きの攻防だったので、なんと120手に及ぶ詰む詰まない、入玉なるならないの攻防でした。途中、飛飛角銀桂歩が中村さんの駒台にあったので、120手羽生さんが攻めたとはいっても、羽生さんの攻めが切れた時点で大逆転という将棋。羽生さんは、入玉した玉を押し返し、飛車角全てを全部相手の駒台に乗せられ、その状況から押し返して寄せ切った事になります。マジですげえ。。とんでもない大熱戦、感動してしまいました。羽生さんも中村さんも、いいものを見せてくれてありがとう!!


『佐藤康光の実践で使える囲いの急所』

Sato_JissenKakoinoKyuusho.jpg いやあ、何はともあれ、終盤の寄せや詰めの勉強をするのなら、この本は絶対に読むべきと思いました!!…と興奮気味の序盤で今日はスタート(・`ー^)。

 勉強して、穴熊や美濃は比較的崩せるようになってきたのですが、矢倉を縦から潰す方法、横歩の中原囲い(これが特に苦手…)、美濃で銀あがりをしないで玉が潜りこんだ形、こういうのを寄せるのが苦手です。問題集形式でなく、囲いの弱点と崩し方の法則みたいなものが書いてある本はないものか、と思ってました。問題集なら何問も問題があって、その寄せ方を解くという形になると思うんですが、結局それって「ああ、この囲いの破り方のコツはここを攻めるんだな」とか「この場合は桂で攻めるのが有効なんだな」とか、そういう認識を自分で発見して、自分の中に蓄積する事になると思うのです。だったら、問題を解いてそれを発見するんじゃなくって、最初からズバリその急所を教えてくれちゃった方が速いじゃないか、と思ったわけです。
 で、前にも書いた、終盤の勉強の候補に挙げていたこの本、タイトルをよく見ると「囲いの急所」と書いてあるので、比較的ボクの需要に近いかな、と思って買ってみると…ビンゴでした!!う~ん、この本は素晴らしい。この本を見ているかどうかで、終盤力に相当な差がつくものと思われます。詰将棋よりこちらを優先すべきと思いました。もしかすると『寄せの手筋200』よりも優先すべきかも(いや、どちらもマストと感じましたが、こちらが先の方が効率が良いかと)。将棋を勉強し始めて9ヶ月目にこの本に出会ったわけですが、これはもっとはやくに読んでおくべきだった。

kakoinokyuusho01.gif これは中原囲いを破る説明。で、例えば、この本の場合、右辺から中原囲いを破る場合は、62の銀が急所、とか書いてある感じです。こういうふうに、囲いごとの急所が明確に書いてある。で、その急所をどうやって崩すかという例が、持ち駒違いとか、わずかな囲い違いとかでいくつも説明してあって、最後に実践問題があるという形。今までの僕は、実戦で急所から探すという作業をしなければならない事が多かったのですが、この本を読んでいれば、急所自体は分かっていて、そこをどうやって崩すかという所から思考を始められる。
 で、この中原囲いのケースでは、以下のように銀を攻めて突破してしまいます。

▲73歩△同銀▲52歩△同玉▲53歩

 …何という事だ、歩だけで、あれだけ私の突破できなかった中原囲いをボロボロにしてしまった(・ω・ノ)ノ
5筋の後手の歩の位置がワザとらしいという思う方もいらっしゃるかもしれませんが、その場合には▲72歩~▲71歩成との事。…なるほど、これも厳しい。

 また、他にもこの本には素晴らしいところがあります。とにかく、ありそうな囲いが片っ端から書いてある点です。矢倉や美濃や穴熊の攻略は、他の本でも色々と載っていると思いますが、美濃でも銀冠当たりの有名な囲いだけでなく、木村美濃の急所まで書いてあります。それどころか、雁木やカニ囲いの急所まで書いてある。。ああ、「右玉の急所は玉頭」というのも、初めて知りました。。う~ん、素晴らしい。

 僕がなかなか2級の壁を突破できないに理由のひとつに、他の上級の方より終盤力が無いな、と感じる事があります。その理由のひとつは、囲いの急所を知らなかったことにあったのではないかと思い知らされました。初段を目指す人には、マストアイテムと思いました!


第63回NHK杯 久保利明 vs 金井恒太 (四間飛車 vs 玉頭位取り)

 NHK杯も2回戦に入って、シードのA級棋士が続々と登場!これが、1回戦を勝ち上がってきた若手の実力者と指すので、面白いです(^^)。タイトル戦やA級順位戦だと、トップ棋士と若手実力者の対戦はなかなか見られませんからね。特に、序盤の指し回しなんかは、若手の方が研究が進んでいて面白い時なんかもあって、それがトップ棋士に通じるのかどうかという所を見てしまいます。今日は、解説が藤井さん。藤井さんの解説って、本当に素晴らしいと思います。僕の中では、渡辺竜王、藤井さん、木村さん、青野さんあたりの解説が、恐ろしく分かり易くて大好きです。今日は、1回戦で井上さんを撃破し、また今期の竜王戦でも決勝トーナメントにあがってきた若手強豪の金井さんと、A級唯一の振り飛車党の久保さんの対局。う~ん、これはどっちも応援したいところです。

 先手金井さんとなり、居飛車vs四間飛車の戦いに。久保さん、解説が藤井さんだから四間飛車にしたな。。こういうサービス精神、大好きです。後手番の振り飛車は角道を開けたまま。これが角交換四間飛車というやつか?ちょうどNHK杯直前にやっている将棋フォーカスで説明していたので、タイムリーな展開!角交換になる可能性を見越してか、先手は5筋の歩をあげない。これだと、いま自分が勉強中の対四間飛車の穴熊の手筋に進めない。。ちょっと、角交換四間飛車の勉強は年内にはどう考えても無理なので、この1局は集中してみておこう。
 更に後手は3筋の歩を伸ばして、升田式石田流のような形に。違いは飛車が4筋にいるか3筋にいるかだけ。これで飛車を3筋に振ればそのまま石田流ですね。これは43戦法というものだそうです。…う~ん、将棋は覚える事が多い。。で、先手陣はこれをみて角道を止めました。この順は覚えておこう。

2013091601.gif これは、25手目に居飛車側が7筋の位を取った1手。…でも、位取りって、玉頭の歩がいなくなるので、恐くって指せません。玉頭位取りって、一度ちゃんと勉強してみたいなあ。対中飛車に有効な戦術だそうで。
 相手の玉頭を攻めるのと引き換えに、自分の玉頭をがら空きにして、どうやってまとめるのでしょう。で、金井さんが囲いにいった手順は以下の通り。

▲65歩~▲66角~▲76銀~▲67金~▲88玉~▲78金~▲77桂

 なるほど~、玉を88に入れてしまうんですね。これは覚えておこう。最初の▲65歩で、藤井さんの解説に金言が。「位は並んで2つ取ると大きい」「玉頭戦のコツは、玉の周りの駒を剥がす事を考えて、行けるようなら角でも銀でも切る!」そうで。ああ、確かに、中飛車でも右4間飛車でも、玉頭で大駒と金駒を交換され、直後に金駒を打ち込まれて毎度泣かされてます。。これも覚えておこう!

 ところで、この囲いの手順、1手1手の意味は明確ではあるんですが、おっかない感じがしました。囲うまでの過程で、駒の連結が悪すぎる。これはプロだから指せるのであって、級位者が真似すると危険な気がします(x_x)。玉頭位取りは、ちゃんと勉強するまではなるべく控えよう。

2013091602.gif これはいよいよ銀冠に出来そうになり、後手がうまく立ち回ったかに見えた中盤戦。長い将棋になりそうだと思った矢先、先手金井さんが仕掛けました!

▲74歩

 おお、行った!…でもこれ、どういう狙いなんでしょうか??△同歩だと?▲85歩△同歩▲同銀△84歩▲同銀…なるほど、これぞ玉頭戦、銀を捨てて玉頭突破というわけですね!今日は何としても、玉頭戦のコツだけを身につけよう。。でも、さすがはA級棋士の久保さん、そう簡単に玉頭を破られませんでした。

△同歩▲85歩△73金

 数の攻めには数の受けですね。これがいつも受け損なうんだよなあ。これも覚えておこう。で、先手はここからどうやって繋げるのだろう。
 で、先手が目をつけたのが、後手陣の急所のひとつの43。ここに角や銀を打ち込めれば先手が良くなりそうです。う~ん、この急所も気づけませんでした。こういうところが中級でくすぶっている原因だな。。常に急所を探すという事も覚えておこう。ここに気づければ、たった今急所への打ち込みがなくても、銀交換を狙いに行くとか、以降の戦略を立てられるわけですね。で、ここから激しかった!!

▲24歩△同歩▲64歩△同歩▲84歩△同銀▲85銀△75銀▲同角△同歩▲43銀

ここの攻防戦がものすごかったです!▲85銀に△同銀▲同桂の銀交換は、先ほどの43の急所への銀の打ち込みがあるから出来ない。そこで△75銀と躱したんですが、なんとここで先手は▲同角と角切り!!…これは、角銀交換の駒損になって、△69角とかいかにも怖い打ち込みのありそうな角を渡してでも▲43銀の打ち込みが厳しいという形勢判断なんでしょうね。こういう形勢判断が大事という事ですね。う~ん、今日の将棋は面白いだけでなく、すごく勉強になります。。

 で、ここからの寄せ合いが壮絶。久保さんの攻めも鋭く、僕が考えた受けは頓死筋ばかり、4回は詰まされてました(^^;ゞイヤァ。。しかし、金井さんはこれを実に巧みに受け流し、さらに一気に踏み込む寄せが鋭い!プロ将棋では、こういうものすごい寄せが見られるから楽しいです。。ここで石橋を叩く某名人とは大違(以下自粛)。というわけで、117手で先手金井さんの勝ち。これは金星でしょう!

 う~ん、今日の将棋は面白かった。玉頭戦の手筋は分かりませんでしたが、勘所をいくつか学ぶことが出来ました。あと、角交換四間飛車の交換の拒否も、穴だらけとは思いますがひとつは覚えられました。今日は、収穫ある1日でした!

A級順位戦 3回戦など

 夏休みも終わり、仕事を頑張っていまして、将棋に使える時間が減ってきました。で、将棋観戦も控え目で、あんまり見れていません(・_・、)。というわけで、今週にやっていたA級順位戦の4回戦などの結果を、ダイジェストで!

(竜王戦挑戦者決定戦)

○森内俊之 vs 郷田真隆●
 この将棋は、振り駒で決まった感じがします。相矢倉で、森内さんが先手になった時点で、勝負あり(^^;)。それにしても郷田さん、挑戦者決定戦までやたらと勝ち上がってきます。しかし、決定戦ではいつも振り駒で後手番になって、敗けになってる気がする。これは不運としかいいようがない。
 この将棋は途中から見ていました。どうも、森内さんの将棋はつまらないと感じてしまいます。。野球でいえば、10対0で勝ってるのにまだ送りバントをする感じ。プロなんだから、優勢から石橋を叩いてないで、決めるところでは一気に決めてほしいと思っちゃいます。

(A級順位戦 3回戦)

○羽生善治 vs 三浦弘行●
 羽生さん、強い…。去年に続いて、順位戦での強さは圧倒的で、これで3戦全勝。三浦さんだって、順位戦はA級上位を安定していて、今期も2位なのに。三浦さん、羽生さんに土をつけられ、これで2勝1敗。こうなると、対抗馬は…

○渡辺明 vs 行方尚史●
 やっぱり、渡辺さんですよね。羽生さんと渡辺さんの3冠ふたりが、名人挑戦の本命でしょうか。初戦で深浦さんに痛い黒星を喫した渡辺さんですが、いよいよ調子をあげてきました。これで2勝1敗。一方の行方さん、昨年から絶好調だったのですが、王位戦で羽生さんに凌辱された精神的ショックが大きいか、ここで土がつき、2勝1敗。この時点で、全勝は早くも羽生さんひとりとなりました。

●屋敷伸之 vs 谷川浩司○
 おおっ!今期はとうとう長年守ってきたA級陥落かといわれていた谷川会長ですが、屋敷さんをブレイク!この前の達人戦でも羽生さんを撃破していたし、これは可能性が出てきましたよ。一方の屋敷さん、これで1勝2敗。羽生さん、渡辺さん、佐藤康さんを残して、この成績はマズいです。谷川さんに負けてもいいから、電王戦では負けないでほしい。

●深浦康市 vs 久保利明○
 これも予想外の展開。深浦さん、竜王を撃破しておきながら、行方さんと久保さんという自分より下の順位の棋士に相次いで敗れてしまった。。一方の久保さん、振り飛車党唯一のA級棋士、これで初白星!

○郷田真隆 vs 佐藤康光●
 羽生世代の強豪同士の対決、これが3回戦最後の試合でした。久保さんが深浦さんを撃破し、谷川会長が屋敷さんを撃破したので、郷田さんは負けると唯一の全敗となってしまいます。…が、郷田さん、佐藤さんをブレイクです!ん?これで2勝1敗が3人、1勝2敗が6人ですか?これは、次の4回戦の羽生vs渡辺が重要な1戦となりそうです。もしそこで羽生さんが竜王を撃破すると、はやくも名人挑戦は羽生さんに決まっちゃいそうです。

第63回NHK杯 佐藤天彦 vs 村山慈明 (横歩取り)

 去年のNHK杯で、敵玉の矢倉城がほとんど崩れていないように見える状態から一気に崩して寄せ切ってしまった将棋を見た事があります。もうどんな順だったか覚えていませんが(^^;)、あれには驚いた。で、それを指したのが佐藤天彦さん。それ以来、剛腕という印象が強く残っています。一方の村山さんは、僕が勉強させてもらった『ゴキゲン中飛車の急所』の著者なので、思い入れはあるのですが、まだ強豪に1発入れるまでの実力はない中堅どころという印象があります。というわけで、今日は天彦さんの勝ちだろうな、と思っていました。

 将棋は天彦さんの先手横歩取りになりました。途中までは定跡通りでしたが、途中から天彦さんが力戦調にして、村山さんがそれを咎めるという展開。この咎めが効いて後手が良くなり、あとはその差を徐々に広げて勝ちきるという形になりました。これは、天彦さんの自滅だな。。きっと、試してみたい順があったのでしょうね。

2013090801.gif これは中盤戦、やや悪い先手天彦さんが仕掛けた一手。一番自然な手は、△同金右に思えるのですが…なんと、そうすると後手陣は一気に潰れだそうで。。で、その順というのは…

△同金右▲45桂△22角▲54歩△同銀▲22角成△同金▲44歩△同金▲62角

 うわ、最後の角打ちが飛車と玉のコビンの両方を狙っているのか。。う~ん、こういう順が思いつくようになるには、間に駒があろうがなかろうが、飛角と玉の延長線上に飛角を打てる場所があるか、そして間の駒をどかす順があるか、これを常に考えるという事、かなあ。で、今回の場合はもう少し高度で、王手飛車ではなくて、急所と飛車の両狙い、という事ですね。だから、痛打になる両取りは、王と飛車と角(場合によっては金銀)だけでなく、急所もという事ですね。確かに、王手飛車とか両取りは良く考えてるけど、飛車と急所とかは考えたことが無かった。。これは勉強になりました。

 2013090802.gif これは中盤から終盤に入ろうかという時にあらわれた後手の攻め。いやあ、もう8筋が破れているように見えるんですが…

▲77桂

…受かりました。初級者でも思いつきますよね。しかし、これが思いつかなかった(x_x)。…いや、『羽生の法則』を読んでいる頃だったらすぐに浮かんだんでしょうが、序盤の勉強ばかりやっていたら、手筋を忘れつつあります。。反省、反省。
 でもこれ、その後に△86歩▲同歩△同飛としたら、破れなのでは?しかし、本譜はそうはなりませんでした。そんな悠長な事をやっている間にやられてしまうという事なのか、もうここは押さえたので、次は逆サイドを潰しに行くという事なのか。この辺りは、全体を見る力が必要なのかも。

2013090803.gif 最後はここ。後手は先手の右辺を制圧して、寄せに行きたいところです。なんか潰せそうな気がしますが、その順が分からない。で、村山さんのここからの寄せが勉強になりました。

△77角成▲同金△65桂▲78金△77銀▲79金△87飛成▲61馬△66桂

 う~ん、角切りは何となくありそうだと思ったんですが、その後の手のつづけ方が思いつかない。。で、繋いで繋いで△66桂、これが思いつかない。。角を切って寄せに行ったという事は、角を切る瞬間にはこの順は見えていたという事ですよね。その瞬間の歩頭の桂捨てとかなら見える気がしますが、9手先の桂捨ては見えない。。やっぱり、プロは凄いです。で、その後の寄せも見事。

▲同歩△57桂成▲同玉△78銀歩成▲58玉△67龍

あれ?ここまでは指さなかったかな?でも、こういう順の詰みでした。

 自分が好調の時の棋譜を見ると、「おお、こんなすごい寄せ、俺が指したのか?」と思ってしまう時があります。それが、最近は序盤の勉強に追われて中終盤の勉強がおろそかになっています。今日の将棋は、中終盤の指し回しを勉強させてもらった、良い将棋でした!!

形勢判断を大事にしてみようと思った話

 数日前にあった、竜王戦挑戦者決定戦で森内さんの指した、序盤で大きな駒損になる飛車銀交換。あと、これも数日前の王将戦で羽生さんの指した、これまた大序盤での駒損になる銀桂交換(しかも銀は守りの要だった駒)。これは僕に指せません。そもそも、級位者で羽生さんや森内さんのような手を指そうというのが無理な話なのですが、しかし、そういう駒損になるような手を検討すらしていない自分の、将棋の思考ルーチンに問題があるんじゃないかと思ったのです。で、そう思うに至った経緯というものがありまして…

 ネット将棋で2級と3級の間に大きな壁を感じています。序盤に関しては、角換わりも横歩取りも勉強できていないので、その戦型で勝てないのは仕方がない。だから、序盤の定跡を覚えたら、初段になれるんじゃないか…そんな風にどこかで思っていたのですが、2級に来ると差は序盤の知識だけじゃない。指し手も全然違うのです。ここに大きな実力差を感じてしまいました。
 ネット将棋でどうしても勝てない2級の人がいます。この人、なんか自分より弱い5級とか6級とかの人に挑戦して、コテンパンにやっつけるような事ばかりやっているので、僕としてはその人間性が気に食わない。だから、倒してやろうと頑張るんですが、どうしても勝てない。なぜ勝てないのか、この人が別の人と対戦している別の棋譜を見てみると…ものすごい筋の良さ。僕では絶対に指せない、鳥肌の立つような棋譜がいくつもありました。これは勝てるはずがない。

 たとえ話でいえば、野球をしている人としていない人では、ちょっとキャッチボールをしただけで、差が歴然とわかりますよね。楽器もそうで、別に曲を弾かなくても、ほんのちょっと楽器をいじっただけで「あ、この人はメチャクチャにうまいな」と分かる事って、ありませんか?それと同じで、この人の棋譜を見て「あ、この人は僕とは全然違う、本物の指し手だ」と思ってしまったのです。嫌いだとかいうのを通り過ぎて、尊敬してしまいました。で、この人のように指せるようになりたいと思いました。そして、そうなる為には、根本的に将棋の考え方を変えなければいけないのではないか…そう思されたのです。

 なぜそう思ったのか。それは、この人の指す素晴らしい手というのが、僕が知らない手筋であるとか、そういうのではないから。僕も知っている手筋ばかり。しかし、僕はそれを指さず、この人は指す。なぜそうなるか。一番大きいのは、手を考える基準にしているものが、この人の場合形勢判断もちゃんと見ているという事なんじゃないかと思いました。

2013090601.gif この人、羽生マジックのようなとんでもない手を指すというわけではなくって、数の攻めとか、基本的な手筋とか、あくまでその組み合わせで指しています。ただ、行けると思ったら序盤から角と金銀の2枚換えとか、いきなり角を捨てての飛車先突破とか、この形勢判断がすごい。たとえばこの局面。後手のゴキゲン気味の中飛車から、4筋を開けて銀を繰り出して受け、更にその銀を前進させて攻撃に使い、飛車も4筋に振って4筋突破を目論んでいます。ここからどうやって突破したかというと…

▲44歩△同銀▲同角△33桂▲71角成△同金▲43飛成

 まず、▲同角にびっくり。思いつかない手ではないですが、ネットの1分将棋で、また自玉が角に弱そうな囲いの状況で、この手をすぐに指すところがすごい。また、その後の王手の角捨てで1手稼いで飛車を成り込むところも、その状況になれば指せるとは思いますが、盤面図のあたりからこれをイメージする事は僕には難しいんじゃなかろうか。これで、後手陣は壊滅状態です。

 僕も、盤面図から良くする方法はいくつか思いつきます。しかし、ここまで一気に潰す事は、正直のところ出来ない。僕とこの人で大きく違うのは、1手を選択する判断基準の基準のひとつとして、形勢判断というものをどれぐらい重要視できているのかという事ではないかと。僕は、2枚換えとか、飛車切りとか角切りというものを、中終盤ならともかく、序中盤からここまで思い切って出来ない。それも、無意識のうちに検討から外してしまっているので、これは意識して取りかからないと、こういう本物っぽい指し回しを出来るようになれない気がします。

 というわけで、無意識に検討から除外している手が、なぜ除外してしまっているのか、そしてそれを指せるようになるにはどうすればいいのか、という話でした。僕の場合、理由のひとつは形勢判断の軽視という所にあるんじゃないかと。ああ、あとひとつ、僕は、数の攻めを軽視しているところがあります。これも注意しないと。


第61期王座戦 第1局 羽生善治 vs 中村太地 (一手損角換わり)

 羽生三冠、王位戦が終わったばかりだというのに、もう王座戦が始まります。なんというハードスケジュール。羽生さんがこの忙しさという事は、もう一方の三冠である渡辺竜王も、いずれこの忙しさになるんでしょうね。
 さて、王座に挑戦するのは中村6段。で、この王座戦の挑戦者決定トーナメントを見てみると…中村さんは、佐藤康光さん、森内名人、郷田さんを破って勝ち上がってきたのか?!これはすごい…さすが若手最強です。でも、羽生さんはこの前の王位戦で、羽生戦以外では今期13勝2敗ととんでもない強さのA級棋士行方さんを、手合い違いじゃないかというぐらいの大差で潰しまくってたからなあ。さて、どうなりますか。。

 この将棋、面白すぎました。。見どころが序盤、中盤、終盤それぞれにあって、形勢もコロコロ変わる展開。すごかった。。将棋は、中村さんの先手で、1手損角換わりのオープニング。

 まず、序盤から羽生さんが怪しい手を放ちます。この前の王位戦で羽生さんが行方さんに指された、角交換前に後手がいきなり9筋の歩を突くというもの。…という事は、行方さんに指された後に、羽生さん研究したな。。で、それをいきなり指してみた感じ。これは太地さん、やりにくいだろうなあ。

2013090401.gif で、1手損角換わりからの、駒組みの段階で起きたこの状況。後手の羽生さん、玉を引いちゃいました。これの何がヤバいかというと、佐藤康光さんの説明では▲3五歩△同歩▲4五桂△2二銀▲7一角△7二飛▲5三角成△同金▲同桂成△5五銀▲8三金…玉を引いちゃうと、53の地点が受からないんですね。だから、▲35歩とされて△同歩は結構ヤバそう。というわけで、▲35歩には△44歩として、桂馬の跳ねを防ぐだろうと解説陣が健闘していたところ…

▲35歩△同歩▲45桂

 うわ、羽生さん、またいつもの如く危険な手に乗っちゃったよ。。しかし、今日の羽生さんは明らかに研究してそうな感じなので、これには何か裏があるのでは?で次の手が…

△同銀▲同歩△36歩▲26飛△55角

 …すげえ、序盤から損な駒交換をして、しかも銀を渡して、それと引き換えに先手陣の右辺を突破しちゃったよ。。この前の郷田vs森内の森内さんも序盤で損な駒交換から一気に敵陣に切り込みましたが、あれに似てる。う~ん、きっとここまでは研究手順なんだろうな。。すごい。で、序盤は羽生さんがかなりいいという感じ。

2013090402.gif 中盤戦、太地さんが放った飛車を追う銀打ちに出た局面。こんなの、▲72飛でただじゃん…と思っていたのですが、そうではない(シロウトでごめんなさい^^;)。で、ここから飛車をめぐる攻防戦が面白かった。途中、他でも駒のぶつかりがいろいろあったのですが、そこを割愛してこの局地戦だけを追うと、以下のような感じ。

▲92飛△83角~▲42金~▲93飛△61角成~▲92飛△83馬~△82銀成▲93飛△72馬

 まず、▲72飛と出来なかったのは、△61角と打ち込まれると飛車が詰むから。なるほど~。。この筋は級位者同士では使えそうだから覚えておこう。で、▲92に逃げたんですが、追撃の△83角が痛い。羽生さんはここで一度飛車を逃げるのを諦めます。しかし太地さん、飛車角交換に飽き足らず、これを飛車銀交換に持ち込む。明らかにいい交換にすぐ飛びつかず、更に良くしようというのが凄い。。ここで飛車が死んで、中盤戦は中村さんが逆転!!のはずが、この局地戦には更なる続きが…。

△95歩▲81馬△96歩

 なんと太地さん、飛車銀交換どころか、桂馬も取り、この局地戦を取れるだけ取ってしまおうというものすごい手に。しかし、羽生さんは9筋の歩を進め、怪しい気配。…結局は、太地さんがヤバい順に気づいたのか、△92歩と受けて、なんと詰めていたはずの羽生飛車を取り逃がしてしまいます。。というか、あの状況から羽生さんは飛車を救える算段があったんだな。…信じられん。で、この飛車は5筋に進出し、逆サイドに展開、なんと死んでいたはずが龍になってしまいます!!中終盤で羽生さん再逆転!!

2013090403.gif で、その逆転から普通に指していたら羽生さんの勝ちだったと思います。しかし羽生さん、自陣に危険が迫ったいるのに、自陣の整備を全くしないで攻撃に手を入れてばかり。ちょっと金を引いておくとか、あるいは玉の逃げ道を開けておくとか、1手入れるだけでかなり楽なのに、馬が目前に来ているのに全然守りを固めようとしない。これが、終盤のすさまじい寄せの攻防を生み出してしまいます。攻めるのは中村さん。ここからの攻防が凄かった!!この凄まじさは、ぜひとも全部並べてみて欲しいです!!このあたりはリアルタイムで見ていたんですが、面白すぎました。。

△31銀▲41飛△42銀▲同飛成△32歩▲31銀△12玉▲45桂△22歩▲33桂成△同金▲24歩

…いやあ、ここまでの攻防でもものすごい。でも、最後の▲24歩、いったいどうやって受けるんだ??

2013090404.gif △44角▲15金△53角▲同龍△同歩▲42角△41飛▲16金△42飛…

…△44角?!すげえ…。ものすごい攻防戦、息をつく暇もありません。どう見たって寄っているようにしか見えない局面を、羽生さんは延々と凌ぎ、さらに中村さんが1手空く度に着実に後手陣を崩していきます。中村さんが寄せに入ったのが103手目、投了が141手目だったので、40手近いものすごい攻防。しかも、羽生さんがまいったを告げた時、1手空いて、羽生さんは王手を出来る状況だったことを考えると、詰みまでやったら60手近く行っていたのでは?これはものすごい終盤戦を見た。。というわけで、終盤で中村さん大逆転勝利!!

 というわけで、逆転に次ぐ逆転の大熱戦でした。いやあ、すごいものを見せてもらいました!

第26期竜王戦挑戦者決定戦第2局 森内俊之 vs 郷田真隆 (横歩取り)

 渡辺竜王への挑戦を賭けた森内vs郷田の3番勝負の第2戦です!前回はとんでもない変態将棋を見せた郷田さん、今日は後手番でどんな戦法を見せるのか期待してました!

 将棋は横歩取り。先手が横歩を取るところまでは見慣れた風景。しかし、その後の郷田さん、銀を72という変なところに立ちました。う~ん、前回の将棋といい、森内さん相手に王道では不利と見て、敢えて見慣れない指し手を選んでいるのでは?…まあ、今日は後手番だし、先に1勝しているし、もしかするといい選択かも。

2013090201.gif 序盤も序盤、72に銀を立てた後も、すぐまた見た事のない手が飛び出しました。それがこれ。ひねり飛車模様で、いきなり飛車をぶつけました。う~ん、状況から見ても、これは飛車角総交換になるんじゃないか?そうなったとして、囲いの差は歴然としてるんだけど、郷田さん、大丈夫なのか??で、案の定…

▲同飛△同銀▲84飛△83歩▲24飛△同角▲11角成

 いくらなんでもこれはヤバいだろう…。郷田さん、自分から仕掛けておいて大長考。思うに、▲84飛の打ち込みも見逃していたし、その後飛車を捨てて馬を作られる事も見落としてたんじゃなかろうか。しかし、森内さんの指し手がやたらと速い。森内さん30分弱、郷田さん3時間みたいになってる。。これ、森内さんは研究済の局面だったんだろうな。。で、次の手が…

△33角▲21馬

…これは終わったでしょう。どう見たって、森内さん大優勢。郷田さん、この後必死に抵抗しますが、森内さんまったく間違えない。79手にて森内さんの勝ちですが、実質的には29手目で終わっていたかと。何となくですが、この前の森内さんの負け方といい、今回の郷田さんの負け方といい、こりゃどっちが勝っても渡辺竜王には勝てない気がしてきたぞ。。これは、第3局で先手になった方が挑戦者と見た(^^)。


第63回NHK杯 丸山忠久 vs 飯島栄治 (一手損角換わり)

 NHK杯の丸山さんといえば、去年の稲葉さんとの大熱戦を思い出します。将棋にハマった大きな理由のひとつは、あの将棋がもの凄く面白かったからです。今日の丸山さん、男臭いというか、なんか格好いいなあ。将棋は丸山さんが後手で、1手損角換わりの出だし。さすがは角換わりのスペシャリストである丸山さん。で、今日は渡辺竜王の解説がもの凄く分かり易かったです!!いやあ、これは勉強になった。

2013090101.gif これは45手目、飯島さんが金を寄って守りに行った局面。なぜ▲58金じゃないかというと、△38歩の垂らしが痛いからだそうで。この垂らしの歩、けっこう出てくる手筋ですよね。でも、よく見落としちゃうんだよなあ。。
 あと、互いの玉型が普通の矢倉じゃない所が面白いです。これも定跡型らしいですが、まだ角換わりの勉強まで行けてないので、これは新鮮。で、次の丸山さんの一手が驚愕でした。

△86銀

うおお、なんだこれは!!この将棋に関しては、これが勝負を決めた1着に見えました。この手を見て爆笑していた解説の渡辺竜王いわく、「30分あったら咎められそうだけど…」との事。で、本譜は以下のように、精算する形で進みました。

▲同歩△同歩▲同銀△同飛▲87歩△82飛

さすがにこの銀交換は後手の得でしょう。でも、丸山さんの狙いはそれだけだったのでしょうか。竜王の解説した順のひとつは(すみません、うろ覚えで間違ってるかも)…

▲同歩△同歩▲88銀△95歩▲同歩△87角▲79玉△98歩

…なるほど、これは厳しい。飯島さん、悪いように見えたんですが、ちゃんと受けてたんだなあ。でも、もし単に▲88銀と引いたらどうだったんだろう。級位者の僕には分かりません。。

2013090102.gif これは先ほどの銀交換直後、後手が飛車を引いたところの局面図。角換わりを実際に指すと、何を指していいんだか分からなくなる事がけっこうあります。例えば、この局面なんかがそうで、どうしたらいいんだろうか。まず、竜王の説明した手。

▲61角

ん?…ああ、なるほど、これはいい手だ!金が寄れば飛車を詰められるし、飛車が逃げれば馬を作れる。これは覚えておこう。しかし、本譜は…

▲15歩△95歩▲14歩△88歩

先手の飯島さん、1筋の端攻めに行きました。丸山さんはこれを受けず、9筋の端攻めで応酬し、攻め合い。飯島さんは手なりで▲14歩と攻め込みますが、丸山さんはここで△88歩!!…これは僕には指せない。。しかし、これも手筋だそうで。将棋は深いなあ。で、この手の意味は、玉を端に寄せた後に端攻めをして、当たりを強くするという事だそうで。確かに、これはヤバそうだ。しかし、飯島さんもここで手をひねり出しました。

▲71銀

こんなの、手になるのか?飛車を躱してそれだけの気がするんだけど。。しかし、もし飛車の躱し先を攻撃にも使いやすそうな85に躱すと…

△85飛▲77桂△55飛▲56歩△35飛▲36銀△34飛

う~ん、桂は跳ねて逃げられるし、後手の飛車も狭いところに追い込める。こうなれば、見事な逆襲の1手になりそうです。しかしさすがは丸山さん、△84飛と逃げてその手は食いませんでした。

2013090103.gif もう少し後の局面、ここからの後手の攻めも勉強になりました。

△86歩▲同歩△87歩▲同玉△79銀

…う~ん、歩の手筋は分かるんですが、最後の△79銀が分からない。▲78金には△88歩▲79金△89歩成▲同金…何でもないんじゃ??▲78金△53角だと?…ああ、これはいい気がする。でも、いまだに本当の狙いは分からず。ちなみに、▲78金に代えて▲78玉だと?その場合は△68銀成▲同金△59角が飛車取りにもなってキビシイ。なるほど~!今日は勉強になるなあ。

 しかし、丸山さんが攻めてはいるのですが、飯島さん角銀銀歩歩歩とけっこう駒を持っています。ここで受け切ったら意外といい勝負かもと思ったんですが…飯島さん、無理攻めの勝負に出て、88手で丸山さんの圧勝。う~ん、最後は先週の高橋道雄さんみたいに、ねばっこく指してほしかったなあ。

 今日は、自分の知らない手筋満載の将棋で、すごく勉強になりました!
プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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