好きな人が書いた棋書を読む

 ネットの動画サイトで羽生さんと谷川さんの将棋を見て、ものすごい感動した事があります。たしか竜王戦で、解説が田中寅彦さんに島朗さんに林葉直子さん。終盤の攻め合いで、谷川さんがとんでもない寄せ。全員がタイトル経験者、しかも現役棋士だというのに、誰ひとりとして寄っているかどうか分からない。しかし、その難解な局面どころか、その何手も前から、谷川さんには寄せが見えていたみたいです。羽生さんですら、まさか必至だったとは思っていなかったそうで。中盤と思っているところからいきなり寄せに来る恐怖の光速流、ここで将棋の歴史は大きく変わったのではないかと思います。

 谷川さんの書いた『光速の寄せ』を買ったのは、囲い崩しの、終盤の勉強をしたいと思ったからです。しかし、理由はそれだけでなく、あの驚愕の光速流に魅せられたから。いたってシンプルに、好きな人の教科書なら、納得して読めるんじゃないかと思ったのです(我ながら、なんという単純さ(^^;)。『羽生の頭脳』を選んだ理由も似たようなもので、もっといいと思える教科書があったらそちらを選んでいたのでしょうが、どうしてもどれがいいか分からなくなったので、羽生さんの著書を選んだ、みたいな感じです。

 学生の頃、運動部に入っていたんですが、軍隊式のその部活の中で、監督の指導は絶対でした。そして、その監督の言っている事がどうしても理に適っていると思えない時がありました。簡単に言えば、僕が尊敬するプロ選手が「膝を伸ばせ」といっているところで、その監督は「膝を折れ」という。で、理屈で考えても、どうしてもプロ選手の言っている事の方が正しく思える。これは辛い経験でした。あの時、僕は、監督を説得するか、それでもだめなら盾突いてでも、正しいと思う方法を貫くべきだったと後悔しています。

 学ぶ側が基準にするものはふたつしかない。ひとつは理屈に合っているかどうか。これは絶対だと思います。問題は、どうしても理屈に合っているのかどうか、自分で判断が出来ない時。この時、自分が信じている人とか、自分が尊敬している人のやっている事であれば、ダメでも納得出来るし、心中できる。

 …まあ、アナログな考えには違いないのですが、感情の動物である人間にとって、こういうメンタル面もけっこう大事なのではないかと思うのです。もし、一生懸命読んでいる『羽生の頭脳』の著者が羽生さんでなかったとしたら、私は途中で挫折していた気がします。ただし、これはあくまで「どうしても」という時の基準。明らかによりすぐれたものがあるというのであれば、そちらを選ぶべきと思います。


第54期王位戦 第5局 羽生善治 vs 行方尚史 (一手損角換わり)

 羽生さんが3勝1敗と防衛に王手をかけた王位戦、いよいよ第5戦です!追い込まれた行方さんは意地を見せたいところ。一方の羽生さん…ここで勝たないと王座戦が始まっちゃいます。そうなると、ふたつのタイトル戦を同時進行で戦うことになるのか。。これは、今日で決めたいと思ってるんだろうなあ。

 羽生さんの先手で始まった将棋は、行方さんが1手損角換わりを選択。第何戦だったか、横歩で容赦なくやられちゃったので、行方さんが違う戦型を選ぶのは正しい選択かと。そして序盤も序盤、行方さんは6手目で9筋の端歩を突くという珍しい手。行方さん、一矢報いようとあの手この手を繰り出します。ガンバレ、行方さん!

13082801.gif  最近の棋戦で「角換わりは序盤まで研究が進んでいて、相腰掛け銀しか選択の余地がない」みたいな解説を聴いたのですが、羽生さんは棒銀を選択!す、すごい自信だ…。解説によると、「腰掛け銀、早繰り銀、棒銀は3すくみの関係で、ジャンケンでいうと、腰掛け銀をグー、早繰り銀をチョキ、棒銀をパーの関係」とのこと。ああこれは、棋書ミシュランの方も言ってたなあ。というわけで、羽生さんの棒銀を見て、行方さんは…あれ?腰掛け銀?さっきの解説と違うような気が。。行方さん、羽生さんに付き合って危険な選択をしてしまって、大丈夫なんでしょうか??

 さて、互いに玉を囲い切る前に中盤戦が始まりました。きっかけは、行方さんの角の打ち込みから。ここからの攻防戦が面白かった!とにかく、最近の課題のひとつは中盤戦なもので…。

▲46角△同角▲同歩△64角▲34歩△同銀

 角には角で受けて、後手の続けざまの角打ちに対しては3筋の突き捨てを入れておいて、というところまでは僕でもなんとか指せるかもと思ったんですが、この後の羽生さんの指し手が凄かったです。

13082802.gif▲38飛

46の歩を守らなくても大丈夫なのか。こうなると攻め合いになるのかな…と思っていると

△35歩

…僕の予想は外れることがほとんどなので、もしかすると思った手を外して指していけば強くなるかもしれないな。。行方さん、守りました。攻め合いはダメという事ですね。たしかに、後手の玉は薄すぎる。次に羽生さんが指した手がすごかった。

▲28角

ん?!これは見事に45を支えてるけど、銀交換をしたら打ち込みがヤバいぞ。。銀交換せずに棒銀を指そうというのか??それとも、銀交換した頃には飛車はもういないのか。

△33桂

…これはもう銀交換は避けられないんじゃ?羽生さん、これはヤバいのでは?
…しかし、ここからの羽生さんの指し回しが見事で、玉を囲いながら、46の地点を支えるために右金を47まで繰り出し、角は39~57と転戦。銀交換して得になるはずだった行方さん、むしろ銀交換を誘われて捌かれてしまう形。こうなると玉の堅さに大きな差があって、行方さんは辛い。あまりよくないと見たか、行方さんはあちこちに火の手をあげて紛れを作ろうとするのですが…羽生さんの指し手が辛い。。95手、先手羽生さんの勝利、タイトル防衛です!!

 しかし、棋聖戦以降の羽生さん、ちょっと強すぎます。行方さんだって、いまものすごい連勝を続け、B1を全勝で抜けて今季A級でも負けなしだというのに…。解説も「行方さんが悪い手を指したという所はなかったように思えた」といっていました。渡辺竜王との棋聖戦も、この王位戦も、手合い違いじゃなかろうかというぐらいの大差勝ち。去年の末に竜王にタイトル戦で敗れ、今年に名人戦で負けた時には、ちょっと衰えてきちゃったのかな…と思っていたんですが、とんでもありません、鬼神のような強さ。頼む、あと1度でいいから、竜王か名人になってくれ。。

 さて、羽生さんは休む暇なく、9月アタマから中村太地さんとの王座戦。う~ん、ハードスケジュールだ。3冠でこれということは、7冠の時はどういう生活してたんだろうか。

『光速の寄せ 矢倉編』 (谷川浩司・著)

KousokunoYose_Yagura.jpg この本を買ったのは、終盤戦の囲い崩しを勉強したいと思ったからです。しかし読んでみて思ったのは、これは戦型別の中終盤の本といったほうがより正確かもしれません。そしてこの本…すごい、すごすぎる!実に素晴らしい本です。。

 ここでは文庫版の画像で紹介していますが、僕が買ったのは四六判の方。文庫版は、四六判2冊の合本となっていて、もともとは『光速の寄せ3 矢倉崩し初級編』『光速の寄せ4 必勝!矢倉応用編』の2冊となっています。どちらの本も、構成は同じ。5章構成ですが、大雑把に分けると、基礎講座、具体的な寄せの形、中盤の打開のパターン、という3つになると思います。そして、この構成が素晴らしい!
 
 第1章に簡単な講座があります。これは矢倉を指すなら絶対の知識かと思います。上手い方なら当たり前の知識かも知れませんが、級位者にとってこんなにありがたいものはありませんでした。将棋を指すにあたって絶対の知識だと思うのですが、これが、序盤定跡の本を読んでも、寄せの本を読んでも、詰将棋の本を読んでも出てきません。例えば、矢倉を縦から潰す筋を、端攻め雀刺し、2筋玉頭戦、3筋攻め、4筋攻め、5筋矢倉中飛車と、それぞれの筋の典型を解説してくれています。他にも、棒銀の可能嬰がある時は端歩は受けないとか、当たり前なのかもしれませんが、これを知っているのと知らないのとでは雲泥の差なのではないかと。ここは流し読みせず、何度も読みました。級位者は必読、絶対の講座と思います。

 続く2~3章が、次の1手問題集みたいな形。ここが、この本を買う人の、最初の目当てでしょう。僕はそうでした。回答に書かれている寄せの筋の解説が素晴らしく、いかにもありそうな形からの崩しや寄せが、分岐も含めて書かれています。丸覚えすべきと思えるものも、いくつもありました。これです、こういった囲い崩しの書かれている本を探していたのです(^^)。この問題が、最後の寄せに関するものだけでなく、いよいよ駒がぶつかるという中盤のものも多く書かれています。これ、実践で即使えます!!勝ちに直結でしょう。

 最後の4~5章が、実践の矢倉戦の中盤戦について。これが秀逸!!本を買う前には、終盤の囲い崩しだけを調べたいと思って買ったのですが、思わぬ収穫でした。この前、矢倉の序盤定跡の本『羽生の頭脳3 最強矢倉』をひと通り読み終えたのですが、これに加えてこの中盤の打開の実践例をいくつも読むと…もう、矢倉戦というものの流れが一気に見えてきます。序盤定跡が、どういう終盤戦を狙っているのかというのが見えてくる感じ。この本、戦型別の序盤定跡の本とワンセットで読むと効果絶大だな、と思いました。僕は、この4~5章を読んでから、矢倉の序中盤で終盤の形をイメージするようになりました。いや、それまで、終盤の形をイメージしていなかったという事のほうが大問題なんですが(^^;)。ハマった場合の話ですけど、初手から詰みまでが、最初からイメージできるというか。例えば、「あ、矢倉戦になったな、相手の出方によっては雀差しか、玉頭から歩を叩くか、角が手に入ればケツから行くか、3筋攻めもあるな」→「あ、これは34の歩を的に出来るな、3筋攻めでも行けそうだな」→「3筋攻めなら、光速の寄せに出てたあの駒組みに持って行ければ勝てるな」→「いただき!仕掛けて一気に優勢でしょう!うまくすれば寄せもある」…みたいな。この本を読む前までは、序盤の勉強をしたものは「ああきたらこう」みたいな感じで、駒得とか突破を狙うばかりで、終盤のイメージなんかゼロだったのです(゚ω゚*)

 というわけで、基礎講座、典型的な駒組みからの寄せや崩しの基本、中盤の打開、これらワンセットで、囲いを崩す中終盤のバイブルと呼べるのではないでしょうか!

 あえて引っかかる点をあえて挙げると…
 問題集に入ると、攻め筋ごとに整理しては書かれていないので、知識がグチャグチャになる。。どういう時に端攻め、どういう時に桂跳ね、どういう時に叩きの歩…みたいなものを、自分の中で整理して読むようにした方がいいかも。でもこれ、整理して書いてしまうと、「あ、これは端攻めではなくて3筋狙いだな」とか考えられなくなってしまうので、いい事なのかも。
 あと、「アマ5段クラス」とか書いている問題などは、まともに読んでいると理解できなくて死んでしまいそうになります。そういうものは「いずれ分かるようになる時があるさ」とうっちゃって、流し読みするようにしています。

 古い本というところだけが気になっていたのですが…いやあ、これは良いものだ。。



少しだけ、記事の手直し

 先週、『羽生の頭脳3 最強矢倉』を読み終えました。あまりに素晴らしいもので、読み終える前に書籍の感想を書いてしまいました。。一応読み終えたので、前に書いた記事を少し修正しました。以下の記事です。
↓↓
http://shougix.blog.fc2.com/blog-entry-83.html

 次の序盤の勉強は、まだ手つかずの角換わりか横歩取りにしようと思っていたのですが、どうにも対四間飛車戦の成績が思わしくありません。急戦を復習したり掘り下げたりするよりも前に、持久戦の知識を得ようと思い、渡辺竜王の書いた『四間飛車破り 居飛車穴熊編』を読み始めました。…ああ、これは素晴らしい!穴熊の勉強は初めてなので、とっても新鮮です。

第63回NHK杯トーナメント 中村太地 vs 高橋道雄 (横歩取り)

 凄い将棋だ。。羽生さんとか佐藤康光さんとかの将棋が好きで、ああいうのばかり見ていた自分にとって、今日の高橋道雄さんの指し回しは衝撃でした。

 今回は、若手最強の中村太地6段と、昨期までA級棋士だった高橋道雄9段の対戦。最近、順位戦でB1全敗と絶不調の高道さんと、タイトル戦挑戦まで決めた若手の昇り竜中村さん。こういう状況を見て、失礼ながら中村さんの圧勝なんじゃないかと思っていました。ところが…

 将棋は太地さんの先手、横歩取りになりました。玉型は中村さんが中住まい、高道さんが中原囲い。ただ、中村さん、右辺の金銀をあげる前に、いきなり▲58玉。これ、最近羽生さんもやってましたが、ちょっとおっかないなあ。でも、じゃあ具体的にどうやれば咎められるか、これが分からないんですが(^^;)。

2013082501.gif …と思っていたら、高道さんはいきなり△54飛。なんという露骨な。。でもこれ、昔に中原永世名人なんかが指していた手だそうで。そういえば高道さん、若い頃は大山vs中原の棋譜を並べて勉強していたと、どこかで話してたなあ。しかし、古い将棋が最新形を破る瞬間を、何度も見て来たので、このあとどう指し回すのか、ちょっとこれは興味がありました。この後の進行は…

▲48銀△74歩▲36歩△73桂▲35歩△62銀▲37銀

 なるほど、桂を跳ねて玉頭を直撃するんですね。しかし、太地さんの▲37銀は、ちょっと怖いです。これ、次に▲46銀を狙ってて、そうなると絶好形になるというのはゴキゲン中飛車の▲37銀戦法でチョット覚えたんですが、でもこの瞬間は怖すぎる。。そして、ここから詰みまで、まったく目の離せない鬩ぎ合になりました。

 どういう展開になったかというと、如何にも太地さんが良さそうな局面に何度もなるんですが、それを高道さんがものすごい手で受けるという連続。解説の深浦さんが「将棋で一番楽なのは、少し悪そうな局面になると勝手に無理責めして自爆してくれる人」なんて言ってましたが(どう考えても僕の事だな^^;)、高道さん、簡単に攻め合いに来てくれません。大山将棋って、こんな感じだったんじゃないかと思わせるような差し回し。これは見ていて唸らされました。

2013082502.gif たとえばこの局面。如何にも飛車が詰められそうで、後手陣は左辺は馬で抑えられ、結構ヤバそう。この状況で、高道さんがどうしたかというと…

△26歩▲55歩△64飛▲65歩△94飛

26歩?!なんだこれ(゚д゙)。こんな事してていいのか?! 案の定、先手は飛車を詰めに来て…飛車、詰まされました。しかし、ここですぐに飛車と馬の交換では味消し、飛車が質駒になったところで、先手は先に右辺を潰しにかかります。

▲23歩

ああ、これは△同銀▲24歩△同銀とした後に、▲34歩でもいいし、ここで質駒を取って▲94馬△同歩▲21飛でもいいというわけか。これはさすがに先手優勢だな、と思っていると…

△同銀▲24歩△12銀

△12銀?!(゚ロ゚ノ)ノ …そんなのアリなのか?僕だったら間髪入れずに▲15桂だけど…そうか、さっきの▲26歩が利いていて、後手陣が結構ヤバいのか。これは手数の問題なんだな、きっと。。この銀引きが勝負の分かれ目だった気がします。

▲68玉△88歩▲同銀

▲68玉は△66桂の王手金取りを消すだけでなく、△27歩成以下に発生する飛車の打ち込みに対する先逃げなんでしょうね。うまくいけば、88に逃げ込めるかもしれないし。
しかし、その穴を潰す手が△88歩。これは手筋だそうで、これで玉が逃げ込む穴を塞いでしまう。なるほど~。。こうやって穴を塞いでおいてから

△27歩成▲同金△39飛

…これは逆転でしょう。

この後、高道さんの寄せが、また実に見事。さすがは昨期までA級で居続けただけのことはあります。自陣がヤバそうなところで変なところに歩を垂らすのに1手使ったりと、緩急自在の寄せでした。

今日は、焦りまくっておかしくない局面で「じっと」という手が、いったい何回出た事か。これは、いいものを見せてもらいました。。


中終盤の勉強

 将棋を勉強しようと思った時、勉強を序盤・中盤・終盤に分けてプランしました。そして終盤の勉強は、詰め将棋から始めました。しかしこれが3手詰めでも正答率5割を切る有り様。3手詰めなんて簡単だろうと思っていただけに大ショック(>_<)。それでも3手詰めと5手詰めを2周したのですが、あまりに解けないので、だんだん苦行のようになってしまった。もし、自分が子どもだったら、プラン修正とか、そういう機転の利いたことは出来ずに、そのまま将棋が嫌いになって、やめていたんじゃないかと思います。でも、終盤の解き方というか、頭の使い方が少しは分かったような気がしたので、いきなり囲い崩しの本に入るより、詰将棋から始めたのは良かったんじゃないかと今では思っています。

 次に、問題を解くより先に、解き方というものを学んだほうがいいのではないかと思い、手を出したのが『寄せの手筋200』という本。これが素晴らしい本で、2周ほどしました(あれ?3周だったかな?)。低級から中級ぐらいで、終盤力で明らかにネットでの対戦者の方に劣ると思っていたのですが、これをやった後は、僕の方が終盤力があるな、と思うことも増えてきました。ほら、自分の玉が寄せられている時に、こう指されたら詰みと自分は見えているのに、相手がそれを指せない時って、「あ、俺の方が寄せはうまいな」とか、思いません?結局は負けるんですけどね(^^;)

 その後、典型的な玉の囲いの崩しに苦しむことが多かったもので、囲い崩しの本に手をつけようと思いました。図書館で見つけたのは『羽生善治の終盤術3 堅さをくずす本』という本。実に素晴らしい本だったのですが、かなり実践的。典型的な攻め筋は、意外と少ししか書いてありません。例えば、穴熊の弱点のひとつである筈の端攻めは書いてない。こういう高度な本を読むより先に、もっと典型的な攻め筋のたくさん載っている囲い崩しの本を読むべきではと思いました。調べてみると、そういう本が2種類あるみたいでした。

(佐藤康光さんの書いた囲い崩しの本)
『佐藤康光の寄せの急所 囲いの急所』
『佐藤康光の実戦で使える囲いの急​所』


(谷川浩司さんの書いた囲い崩しの本)
『光速の寄せ』 全5巻(文庫版だと合本で全3巻)

 『光速の寄せ』は、一番最初に終盤の勉強プランを作った時に、候補に挙げていました本です。中古で安く売っていたので、買って持っていました。ところが、寄せを優先したり、駒の手筋を優先したりしているうちに、ズルズルと後回し。今この時点で、手っ取り早く手をつけるなら、モテさんの2冊の方が分量が少なそうだし、新しいので、康光本の方を優先すべきと思うのですが、なにせ小遣いに限界がある身としては、持っているものをキチンとやってからにしよう、と。そんなわけで、積ん読状態だった『光速の寄せ』に、8月アタマぐらいから手を出しました。…いやあ、これは素晴らしい本だ。。この本、終盤の本というより、戦型別の中終盤の本といた方が良いかもしれません。序盤定跡の本と併せて読むと、一気に戦型別の将棋の最初から最後までの流れが繋がって見えてきます。矢倉戦の場合、この本を読んでから、最後の寄せのイメージまで作りながら序中盤を戦うようになってきた自分がいます。矢倉戦が大の苦手だったのですが、最近では矢倉戦になると「しめた」と思うようになってきました。

 『光速の寄せ』を読んだら、中盤と終盤の勉強を分ける理由がどこにもないんじゃないかと思えてきました。というのも、僕の場合、中盤の勉強は、駒別の手筋本の勉強という事になっていたからです。駒の手筋は、中終盤のどこでも必要な知識ですしね。というわけで、将棋の学習で、中終盤は分けて考えない事にしました。中終盤の勉強は、紆余曲折を経て、一番最初に作ったプランに近い形に戻ってきた気がします。現時点で、最も効率的な中終盤の学習順序は、以下のような感じじゃないかと思っています。

終盤の勉強 or 中盤の勉強 改め 中終盤の勉強)
・やる事:
 ①駒の手筋の勉強
 ②寄せの法則の勉強
 ③囲いの崩し方
 ④詰将棋
・テキスト:
 (駒の手筋)『羽生の法則』
1~2巻
 (寄せ)   『寄せの手筋200』
 (囲い崩し) 『光速の寄せ』
全5巻
        『佐藤康光の寄せの急所 囲いの急所』
        『佐藤康光の実戦で使える囲いの急​所』
        『羽生善治の終盤術3 堅さをくずす本』
 (詰将棋) 『3手詰ハンドブック』『5手詰ハンドブック』


・学習順序:
 ①『羽生の法則』1~2巻 を1周して、完全に覚えられなくても良いので、駒の動かし方を理解する。
 ②『3手詰ハンドブック』を2周して、解けなくても良いので、終盤の寄せのイメージを掴む
 ③『羽生の法則』1~2巻 を再び1周
 ④『寄せの手筋200』2周
  *記憶するには、だいたいどの本も間髪おかずに2周した方が良い気がします
 ⑤『光速の寄せ』 2周
 ⑥『佐藤康光の寄せの急所 囲いの急所』『佐藤康光の実戦で使える囲いの急​所』 2周
   *これはまだやってません。『光速の寄せ』とあんまりダブるようなら、どちらかをカットでもいいかも
 ⑦『羽生善治の終盤術3 堅さをくずす本』 1周
   *これは、流し読みだけしました。もしかしたら、1巻と2巻もやってみてもいいかも。
 ⑧『3手詰ハンドブック』『5手詰ハンドブック』 2周

 最初の①~②は勉強の下準備。途中の③~⑥が肝で、ここはもう読まなくても大丈夫だなと思えるまで反復するつもりです。最後の⑦~⑧は仕上げという感じで、『羽生善治の終盤術』は中終盤の基礎が身についたのにスランプに陥った時に読み、詰将棋は途中の③~⑥が身についた後で学習をシフトするという感じでいいんじゃないかと考えています。

 ネットの掲示板とか、他の将棋好きな方のブログとかを見ていると、『3手詰めハンドブック』を全問正解、1問解くのにかかった時間はどれも1分かからない、という人が多いです。そういう人に比べると僕の成績はひどいもので、正答率は5割を切るぐらい、1問に5分ぐらい考えこんじゃったりすることもザラ。しかしそんな僕がネット将棋を指した感触でいうと、5級ぐらいまでだと僕の方が終盤は鋭いぐらい。4級で互角、3級だと僕の方がヘタだなと思うことがチラホラ出てきて、2級になると僕の方がヘタだと思わされることがかなり多いという感じ。もしこのデータを信じるなら、少なくとも中級ぐらいまでは、詰め将棋で培うことのできるだろう鋭い閃きの寄せを身につけるよりも、オーソドックスな駒の手筋とか、寄せの手筋とか、囲い崩しの手筋とかを身につける方が優先順位が高いと思えます。基礎が身について、上級を狙うようになったら終盤の勉強を詰将棋にシフトする、というイメージがいいんじゃないかと、今のところ思っています。

 僕が1日に将棋の勉強に割ける時間は1時間。この1時間は完全に序盤勉強に費やしていて、中終盤の勉強は、何か手の空いた時(電車に乗っているときとか、歯医者の待ち時間とか、寝る前にチョットとか)に、5分だけとか、10分だけとかやっている程度です。でも、約8ヶ月で9冊ほどを何周か出来ました。人によって条件は様々でしょうが、まとめて時間が取れる時は序盤の勉強、それ以外は中終盤の勉強というスタイルは、けっこううまくいくような気がします。

悔しすぎる

 PCが不調です。ネット将棋の対戦中に、肝心なところでフリーズを繰り返し、勝ち将棋を何番も逃がしています。今日に至っては、1手1手の寄りに入ってからのフリーズ(・_・、)。。久々に3級挑戦という所まで来ていたのに、連敗を繰り返して8級まで降格。。パソコンを本気で蹴っとばしたのは生まれて初めてです。
 対戦相手の方にも迷惑をかけてしまって、本当にごめんなさい。

B級1組順位戦

 昨日は、B級1組の順位戦がありました。B1は昨日で5戦目、中盤戦に突入といった感じです。調子がいい人はA級を目指して、負けが混んでいる人はここで何とか踏ん張ってほしいです!

●高橋道雄 vs 橋本崇載○
 ハッシー、強い!さすがは昨期のA級棋士、これで4勝1敗です。なんでこれだけ強いのに、A級でボロボロだったんだろう。それぐらい、AとB1では差があるんでしょうか。しかしこうなってくると、藤井さんにつけられた黒星が響いてきちゃうかも。明暗を分けたのは高道さん。同じ昨期A級でも、これで0勝5敗。。これはやばいですよ…

●山崎隆之 vs 飯塚祐紀○
 B級1組3位スタートだった山崎さん、絶不調。。これで1勝4敗です。。今期のA級への道が閉ざされたどころか、降級の可能性も出てきました。山崎さん、今後も畠山さん、広瀬さん、丸山さん、ハッシーと強豪との対戦を残しているというのに、この敗戦は痛すぎる1敗になっちゃいそう。一方の飯塚さん、3連敗からの2連勝!ネバっています。がんばってください!

○松尾歩 vs 畠山鎮●
 先週のNHK杯で、びしっと整ったヘアーの森内名人に挑んだ爆発ヘアーの松尾さん、好調同士の対決を制しました!これで4勝1敗です。B1順位も4位からのスタートだったので、これはA級を狙える位置です!羽生研究会は強いな…。一方の畠山さん、ここまで3戦全勝で来たのですが、これで土をつけられました。対戦カード的に、この先は強豪との対戦が多いので、なんとか粘って欲しです。。

○丸山忠久 vs 木村一基●
 今回、1番注目していた1戦です!丸山さんの勝ちか…さすがは元タイトルホルダー、やっぱり強いんだなあ。これで3勝1敗、順当というか、昇級レースに残りました。丸山さん、この先は豊島さんや広瀬さんという若手強豪との戦いが、昇級へのカギとなりそうです。一方の木村さん、今期は不調。これで3敗目となりました。こういう時は少しでも楽な対戦相手とやりたい気もするんですが…次は阿久津さん、その次はハッシーか。。これは厳しい。

○広瀬章人 vs 藤井猛●
 広瀬さん、強い。。26歳にして、このままB1も駆け抜けちゃいそうな勢いです。これで4勝1敗。残された豊島戦、丸山戦、ハッシー戦を乗り切れば、これは本当にA級にあがっちゃうかも。一方の藤井さん、応援しているのですが勝ちきれません。これで2勝3敗。いや、でも、42歳でB2から這い上がってきて2勝3敗なら、見事なのかも。

○阿久津主税 vs 豊島将之●
 阿久津さん、23歳で順位戦を一気に駆け上がって波に乗る豊島さんの全勝街道を食い止めました。この棋譜は見てみたい。阿久津さん、今期の順位戦はイマイチ調子が悪かったんですが、ただでは終わりません。これで2勝2敗の5分に戻しました。一方の豊島さん、これ全勝ではなくなり、B1は5戦目にして早くも全勝がいなくなりました。


 これで4勝1敗が、橋本さん、松尾さん、広瀬さん、豊島さんの4人。3勝1敗が丸山さん、畠山さんの2人。今年の甲子園みたいな混戦模様です。一方の降級レースは、0勝5敗が高道さん、0勝4敗が鈴木大介さん、1勝4敗が山崎さん、1勝3敗が木村一基さん。山崎さんと木村さんの不調は予想外。ここは踏ん張ってほしいです。。

第3回電王戦 記者会見

 今日、第3回電王戦の記者会見がありました。昼休みにご飯を食べながら見ていたもので、ちゃんと見れなかったのですが、発表されたのは大体こんな内容だったと思います。

・開催は来年の3月から4月にかけて
・対戦形式は5vs5
・プロ棋士側で出場が決定しているのは、屋敷忍者!
・ソフト側は、主催者側(ドワンゴってこと?)の用意する統一ハードを使用
・プロは、本番と同じソフトとハードで対局の練習を出来る
・ソフト側の出場ソフトは、11/2~4に開催される電王戦の上位5つ
・プレイベントとして、8/31に、前回電王戦で対戦した棋士とソフトがタッグを組んだ将棋を行う


 ソフト側は統一ハードを使用するというのは、すごくいい事だと思います。ハードがバラバラでいいのだと、プログラムがいいのか、ハードがいいのか良く分からなくなってしまいますしね。あと、何百台も繋ぐとか、そういうのをアリにしてしまうと、人間側も何百人もの合議制にしないと不公平だろとか、なんかそういう事を思ってしまうアナログな僕がいます(^^)。

 一方、対戦相手と同じプログラムのソフトとハードで対局練習ができるというのは、人間に有利な条件の気もします。これは、次の電王戦は、人間側が勝った方が結果としてはいい事になる気がするので、バランスをとったんじゃないかな、と憶測してしまいます。なぜこういう対応にしたかというと、プロ棋士側は公式戦を戦いながら挑まざるをえない状況にあるから、とのこと。なるほど、理屈は通ってる感じがしなくもないです。

 前回の電王戦は、5戦とも土曜日にやってくれたので、私は全部見る事が出来ました。その時に否定的な考えが随分と浮かんだものですが、楽しかったことも事実です。夢中で見ていたといっても過言ではありません。私は、プロ棋士側を応援してました。

 突き詰めて考えれば、人間vsコンピュータという対立軸の立て方が、実はおかしな考えだと思うのですが、イベンターとしては意味や理由なんて大した問題ではないのでしょう。それでも行われてしまえば見ちゃう気がします(ドワンゴの思うつぼだな、こりゃ^^;)。屋敷さんなら、勝つ確率はけっこうあるんじゃないかと思っちゃいますしね。屋敷さん、ガンバレ!!

第63回NHK杯 森内俊之 vs 松尾歩 (矢倉)

 NHK杯、ついにタイトルホルダーの登場です!今日は森内名人と松尾7段の対戦でした。一方の松尾さんは、羽生研究会に参加している中堅どころの強豪という事で、これは楽しみな1戦となりました!

 将棋は、森内さん先手の矢倉戦。昨日でちょうど『羽生の頭脳3 最強矢倉』を読み終わった所だったので、グッドタイミング!特に森内さんの矢倉は最強だと思っているので、森内さんの実践での矢倉を見たいと思っていたのでした。今日の矢倉戦は大熱戦、すごく面白い将棋になりました! 更に今日は、とにかく野月さんの解説が秀逸で、級位者の僕が疑問に思っているような点を片っ端から解説してくれました。なんか、今日の解説だけで、定跡本の半冊分ぐらいの内容の濃さだったような感じで、得した気分です(^^)。

 先手は森内さん。級位者の僕が矢倉で最初に迷っているのが、5手目を▲77銀といたらいいのか、▲66歩としたらいいのかという所。『羽生の頭脳』では▲77銀だけが説明されているんですが、図書館で立ち読みした『現代矢倉の思想』では▲77銀とした時の後手からの攻めが書かれていて、これが結構厳しい。そんなわけで、現在の矢倉戦では▲66歩が圧倒的に多いみたいで、森内さんの書いた『矢倉の急所』でも、5手目は▲66歩で書かれています。しかし今日の森内さん、5手目を▲77銀としました。…う~ん、森内さんは、7大タイトルに絡まない棋戦では、勝てる手順で指すのではなく、調べてみたい手を指して、研究を兼ねているような気がします。以降も、そんな手がいくつも出て来たのですが、相手の松尾さんは、そんな事をやって勝てるようなぬるい相手とは思えません。なんか、5手目の時点でもう「森内さん、強ええ」と思ってしまいました。。その後の森内さんの駒組みも手順も『羽生の頭脳』とかなり違う。。囲い切るどころか、ろくに駒組みも出ていないうちから先に仕掛けました。…やっぱり、色々と試してるんじゃないかなあ。

2013081801.gif ここは森内さんが▲35歩と突き、松尾さんが△64角と反撃したところです。矢倉戦ではありがちな局面ですよね。ここでヘボの私なら迷わず▲37銀とするところですが、解説の野月さんは▲28飛を推奨。なぜ▲37銀がダメかというと、▲37銀△35歩▲同角△36歩という筋があるからだそうで。ああ、これは実戦でも食らった事があったなあ(^^;)、これはダメだ。と思ったら、森内さんの指し手と、その後の展開は…

▲37銀△35歩▲同角△36歩

…やっぱり、色々と試してるんだろうな。森内さんが名人戦以外にあまり強くない理由が何となく分かった気がします。。一体ここからどうやって切り返すんでしょうか??全然わからん。。この後、先手は後手の角を的に、後手はそれを躱しながら先ほどの攻めを狙う展開。

2013081802.gif そして52手目。後手の松尾さん、と金を作る事に成功!これはさすがに後手よしに見える。。名人ピンチ!ここから…

▲18飛△27と▲48飛△37と▲18飛△27と▲48飛△37と▲18飛△24歩

途中の千日手模様の展開は措くとすると、▲18飛に△27とは、すぐに△47ととするより、1歩得になるから。なるほど、いい手にすぐに食いつかず、更に得しようという所が、プロって実に巧みだと思います。で、▲48飛△37と▲18飛で元に戻るのはいいんですが、その後は△24歩なのか。。いや、桂取りは分かるんですが、単純に△47とが先の方がいい気がするんだけどなあ。何か、まずい順があったのかしら。その後も、ちょっと素人には分からない指し方が。

▲33歩△同桂

…桂交換しちゃうのか。今は後手のほうがいい状態なんだから、後手は勝負に行かなくていいんじゃないかなあ。単に▲22金と躱して、その後で悠々と桂を取れば、丸々桂得だと思うんだけど…う~ん、分からない。

2013081803.gif ここは、桂交換が終わった後の局面。ここからの攻防戦がプロっぽくて、すごく面白かった!

▲73歩成△同角▲74桂

 ▲73歩成という仕掛け。あら、こんなの△同桂とか△同角で何でもないんじゃないか?と思ったら…そうか、△同桂だと▲74桂で両取りがかかるのか。でも△同角だと?…▲74桂?こんなの、△72飛で何でもないんじゃ?…そうか、▲61銀の割打ちでこれは大変だ!う~ん、こういうのが考え付かないんですよね。読みを中断するのが早過ぎるんだな、覚えておこう。。じゃ、後手は、手抜いて攻める?

△83桂▲82桂成△75桂

いやあ、△83桂の反撃がすごい。先手が構わずに飛車を通りに来たら桂で角を取り返して、その桂がそのまま先手陣を直撃というわけですね。。

2013081804.gif これは、作ったと金と好位置にいた銀を活用し、更に金を打ち込んで後手陣を裸にした局面。この局地戦だけをとりあげると、後手は歩、金、飛車を戦果とした代わりに、と金、銀、金を犠牲にし、更に拠点を失った格好。拠点を失うというのがとにかく痛いと思うんですが、どうやって攻めを続けるとだろう。松尾さんが放った手は…

△57歩▲67玉△58歩成▲同玉△25角▲47歩△57歩

△57歩?!こんなんで大丈夫なのか…。取ってくれれば間接王手飛車のラインがありますが、▲67玉とか、躱されたら?△58歩成?森内名人、このと金を取りに行きましたが…そうか、このと金を取らないのは怖すぎるのか。で、△25角。…だったら最初から△25角で良い気がしますが、そうか、30秒将棋だから、時間内に思いつかない時は、こうやって考える時間を作るんですね。なるほど。で、この角打ちは、先手の攻めの拠点の34の歩を外せるので、これは見事!プロって、拠点も何もないところから手がかりを作るのがうまいです。参考になるなあ。。で、先手は▲47歩で受けて、ここで悠々と△34角と拠点を潰すかと思いきや、△57歩!…なるほど、これもさっきと同じで、これで△34角が王手にもなって、拠点を潰すだけでなく、相手に手を渡すことすらさせないわけですね。う~ん、いい手があっても、更に厳しい手順を探すのか。これは、肝に銘じておこう。

 この後、将棋は松尾さん優勢の局面になった気がします(あくまで、素人の見解です^^;)。そこで森内さんが攻防の角を放ちました。これも正確に受ければ受かるような気もしたんですが、松尾さんがここで悪手!…森内名人、絵に描いたような大逆転勝利です!

 今日は見どころ満載の将棋でした!とにかく、野月さんの解説が素晴らしかった。野月さん、電王戦の何局目かでも素晴らしい解説をしてくれていました。色々と素晴らしい解説が満載だったので、もう1回放送を見たいなあ。ビデオに撮っておくべきだった。。

読む棋書の順番

 文庫版の『羽生の頭脳』は合本なので、実際の棋書の2冊分ぐらいの分量がありました。日記を振り返ってみると、読み進めるのを再開した第4章から、とりあえず一区切りの所まで来た第6章までで、およそ18日が経過しています。前に読んだ村山慈明さんの『ゴキゲン中飛車の急所』は、読むのに約1月かかっています。計算すると…

 戦型別の棋書の場合、1日1時間ほどの勉強ペースだと、棋譜ソフトに入力しながら読み進めると、1冊読むのに1ヶ月という見立てで、やっぱり大体あってるみたいです。ということは、1年で12冊が限度という計算。もちろん、既に知っている戦型の本を読む場合なんかは、読み飛ばせる箇所もあるだろうから、もう少しペースは上げられそうですが、僕みたいな初心者は、どの本も読み飛ばせるところなんてありません。ゴキゲン中飛車の本も、2冊目だから書いてない所だけ拾い読みしようと思っていたのに、前の本に書いてない変化だらけで、読み飛ばせるところがほとんどないという始末でした。

 こうなってくると、1年で初段になろうと思ったら、テキストの選択と、その学習順序が相当に重要になってくる気がします。僕は、序盤と中盤と終盤の勉強を分けてやっているんですが、中終盤の勉強は、順番はそれほど重要じゃない気がします。ほら、矢倉の寄せと美濃の寄せのどちらを先に勉強したらいいのかとか、歩の手筋と銀の手筋のどちらを先にやるべきかとか、あんまりなさそうじゃないですか。でも、序盤はちょっと違います。自分が拒否できる戦型は後回しにできるし、相手によくやられる戦型は、どうしたって優先順位が先になっちゃいます。大体、絶対に居飛車で行くとか決めたら、相振り飛車の勉強なんて、丸々カットできますもんね。そんなこんなで、既に読んだものも含め、読みたいと思っている戦型別の棋書をざっと書き出してみると…

(矢倉系
『羽生の頭脳3 最強矢倉』(羽生善治)
『現代矢倉の思想』(森下卓)
『変わりゆく現代将棋 上』(羽生善治)
『変わりゆく現代将棋 下』(羽生善治)
『矢倉の急所』(森内俊之)
『矢倉の急所2』(森内俊之)

(対四間飛車)
『羽生の頭脳1 四間飛車破り』(羽生善治)
『四間飛車破り 穴熊編』(渡辺明)
『四間飛車破り 急戦編』(渡辺明)
『四間飛車穴熊の急所』(広瀬章人)
『四間飛車穴熊の急所2』(広瀬章人)

(対中飛車)
『ゴキゲン中飛車の急所』(村山慈明)
『中飛車の基本 ゴキゲン中飛車編』(鈴木大介)

(対石田流)
『佐藤康光の石田流破り』(佐藤康光)

(角交換系)
『よくわかる角換わり』(西尾明)
『現代将棋の思想 一手損角換わり編』(糸谷哲郎)

(横歩取り)
『羽生の頭脳5 横歩取り』(羽生善治)
『横歩取り必勝ガイド』(稲葉陽)

 本当は、もっと読みたい本もあるのです。角交換四間飛車の対策の本とか、従来の中飛車への対策とか、藤井システム対策とか(藤井システム対策って、渡辺さんの『四間飛車破り 穴熊編』に出てるのかしら?そうであってくれれば助かるんだけど…)、森内さんの矢倉の本とか。でも、月に1冊しか読めないという計算からは、どうしたって類書は後回し。で、ある程度絞ったとして、こんな感じ。…う~ん、計算上は、1年で全部読むのは無理ですね。。羽生の頭脳は合本なので2冊分の計算だし。で、これを改めて、1年で読むとしての上位12冊(『羽生の頭脳』は、1冊で2冊分と計算)を、優先順位別に並べ直すと…

1~2:『羽生の頭脳1 四間飛車破り』
3:『佐藤康光の石田流破り』
4:『変わりゆく現代将棋 下』 *右四間飛車対策として
5:『現代将棋の思想 一手損角換わり編』 *4手目角交換対策として
6:『ゴキゲン中飛車の急所』
7~8:『羽生の頭脳3 最強矢倉』
9:『四間飛車破り 穴熊編』
10:『よくわかる角換わり』
11:『変わりゆく現代将棋 上』
12~13:『羽生の頭脳5 横歩取り』

 だいたい、こんな感じでしょうか。横歩取りを拒否することが出来るのであれば、12のところに別の棋書を持ってくるとか、多少のアレンジの余地があるかも。

 でも…あれっ?今まで勉強してきたものと見比べてみると、意外とと予定通りのペースで勉強できているのかも?!少し前に、勝てなくなったので、もしかして伸び悩んでいるんじゃないかとも思ったのですが、それって知らない戦型でガッツリやられているだけで、ひと通りしたところで急にブレイクスルーが起きたりして( ̄ー+ ̄)。う~ん、でもペースとしては、本当にすれすれという感じですね。仮に一通りを勉強したら初段になれるものだとして、1日1時間の勉強で1年で初段というのは、間に合うかどうかギリギリという感じでしょうか。そもそも、1周しても初段になれるわけじゃなかったりして。…いや、それを考えるのはやめよう。。

 いずれにしても、1日1時間の勉強で、1年で初段になる事が可能であるとしたら、棋書の選択とその学習順は、相当に重要なウェイトを占める部分だという気がします。

第26期竜王戦挑戦者決定戦第1局 森内俊之 vs 郷田真隆 (相掛かり)

 渡辺竜王への挑戦を賭けた挑戦者決定戦が、いよいよはじまりました!森内さんと郷田さんの対決、第1局は郷田さんの先手ではじまりました!

13081501.gif 相掛かりで始まったこの将棋ですが、いきなり私の見た事のない手が。歩を交換しないで、先に銀をあがるなんていう手があるんですね。しかしこれは、以降に続く郷田さんの独創的な指し回しの序曲に過ぎないのでした。。

△72銀▲24歩△同歩▲同飛△23歩▲28飛△34歩

 郷田さんが飛車先の歩を交換した後、森内さんもそうするかと思ったら、森内さん、先に角道を開けました。その後も郷田さんが右銀を繰り出しても、森内さんは9筋の歩を突き越し、飛車先の歩を交換にいきません。相掛かりなのに、飛車先の歩を交換しないのか。う~ん、先手の狙いも後手の狙いも全然わかりません。。そうこうしているうちに、19手目という速い段階で、郷田さんの新手が出ました!
 ここからは、先手の郷田さんは金銀が全然連携しないような駒組み。森内さんも△13角というような形にして、序盤にしてグチャグチャな局面になりました。これ、名前を伏せて「僕の棋譜です」ってプロの人に見せたら、筋が悪いって怒られるんじゃないかなあ。

13081502.gif 33手目になると、郷田陣のグチャグチャな駒組みがはっきりしてきます。先手、ここから一体どうやって陣形をまとめるんでしょうか?さすがにこれは狙ったわけじゃなくて、崩れてしまったとしか思えない。。自陣に手を入れるより先に、1筋の端攻めとかに行く??後手はひねり飛車みたいな格好で攻撃しやすそう、守りも歩を1枚張るだけで美濃に出来そうです。…これはさすがに後手が良いんじゃないでしょうか。。
 しかし郷田さん、ここから玉型をまとめます。途中、右辺のやり取りがあったり、後手飛車の受けがあったりと、幾つか手が挟まったんですが、玉を囲いにいった手順はおおむね以下のような感じ。

▲68角~▲79玉~▲76歩~▲77金~▲58金~▲66歩~▲78金~▲67金右~▲88玉

 …すげえ、なんという驚異的な指し回し。これ、相手の攻撃を受けながら、こちらの攻撃も見せながら行った事を考えると、驚異的じゃないでしょうか。

13081504.gif これは開戦直前の駒組み。先手郷田さんの角、攻めと守りの要になっています。後手森内さんの角も面白い。もし△31角と逃げた途端に、左辺の守りが崩壊しそうですが、それと引き換えに先手玉頭に攻撃が集中する。う~ん、ここまでバランスが取れていると、どちらから動いた瞬間に一気に決戦になりそうです。この盤面図、すごい好きです。そして郷田さんが指した手は…

▲14銀

郷田さん、斬り込んだ!!ヽ('∀')ノ これは一気に動きそうだ!!で、ここからの将棋が異常に面白かったです!

△31角▲23銀成△同金▲同飛車成

飛車先突破キターヽ('∀')ノ!郷田さん、あのグチャグチャな状況から、なんと先制!!すげえ。。しかし、名人戦で、森内さんの受け将棋の驚異的な強さは何度も見ているので、森内さん想定の範囲のような気も。。

△75角

後手の反撃キタ―!!ヽ('∀')ノ…先手陣、玉頭がスカスカなんですが、大丈夫でしょうか?

▲21龍△31歩▲11龍

うわ、郷田さん、攻め合いを選んだ…。後手は1段龍の利きを止めて…え、▲11龍って、香取りなんて悠長な事をやっていて大丈夫なのか?…ああそうか、△86飛でも△86角でも、▲87香で田楽刺しなのか。

△69銀▲76金打△74銀▲87香

この前の羽生vs佐藤の順位戦を髣髴とさせるような熱い玉頭戦に突入!郷田さん、森内さんの放った矢倉崩しの△69銀を無視して、敵の角を狙いつつ玉頭を守る金打ち。森内さんも玉頭に殺到。そこに敵の縦からの攻めを一発で守る香打ち。この香、守りであると同時に、敵玉を直撃するラインにもあります。いや、マジで面白い…。。

13081505.gif 攻め合いの真っただ中、88手目。いやあ、この盤面図も美しい。。少しでも読みが甘ければ、どちらも1発で負けてしまいそうな感じ。しかし森内さん、この状況で△55歩なんて、よく指せるなあ。でもこれ、▲同歩がいいのか、▲同銀がいいのか。それとも、手抜いて鋭い攻撃とかあるのかなあ。

▲同銀△同角▲同歩△58銀打▲31龍△71銀▲77金引

息もつかせぬ攻防が続きます。しかし、あれだけスカスカだった郷田陣、この終盤で金3枚の堅陣に。でも、森内さんの2枚の銀の絡み方がいやらしい。郷田さんのほうが良さそうには見えるんだけど、攻める為には駒を交換しないといけないんじゃないか?金なんか渡したら、一気に潰されそう。どうやって攻めたらいいのか、僕にはわかりません(゚ω゚*)

 で、ここからの攻防もものすごくて、飛ばすのが勿体ないので、以降はノーカットで。

△85歩▲同歩△同銀▲86歩△76歩▲85歩△77歩成▲同金寄△85桂▲73歩△同金▲53角△72金▲73銀

 先手も後手も、攻めと守りがずっと同時に動いているかんじです。駒の出入りを考えながら、自陣の受けを考えながら。いや~、寄せの勉強になる上に、感動してしまいます。それにしても、▲73歩が鋭い!最後の▲73銀を見て、109手で先手郷田さんの勝ち。いや~、面白い将棋でした!でも、今日の将棋の序盤は真似する気にはなれないなあ。。

 あれ、3番勝負という事は、郷田さんはあと1勝で竜王戦挑戦が決まるのかな?実は、森内さんが挑戦者になった方が、竜王とはいい勝負になるんじゃないかと思っていたんですが、今日の将棋を見て、郷田さんに勝ってほしいという気になってしまいました。

ドキュメンタリー同期生「人生“中盤”の一手~奨励会 昭和57年組~」

 昨日の夜、テレビで将棋関係のドキュメンタリーをやっていました。フォーカスされたのは、羽生三冠や森内名人が奨励会に入った「奨励会57年組」の、秋山太郎アマと、豊川孝弘七段のふたりでした。で、特に色々と考えさせられたのが、秋山さんのドキュメント。

 秋山さんは、羽生さんや森内さんと奨励会同期で、その強さからプロ入りは間違いなしといわれた人だったそうです。しかし、ここ1番の勝負で何度も負け、気がつくとプロ入りの年齢制限を過ぎ、プロ棋士の道が絶たれたそうです。秋山さんは、奨励会退会が決まった時も、「努力が足りなかった」とは思わなかったそうです。むしろ、努力はものすごくしていたと思えるそうで。サラリーマンとなった今でも、将棋は続けている。しかし、プロ入りの制度が少し変わり、アマチュアの大会で優勝した場合も、年齢関係なくプロ入りの道が開かれるようになったとの事で、40歳を超えてまたプロ挑戦を目指します。仕事から帰ってくると将棋漬けの状態。

 わたし、いつも考える事があります。プロ野球選手を目指した人とか、プロ将棋を目指した人とか、こういう人が道を断たれた後って、どういう人生になるのかと。それに真剣に取り組んでいればいるほど、ずっと引きずると思うんですよね。夢絶たれた瞬間の出来事は、死ぬまで夢に見るでしょう。以降の人生は余韻というぐらいに。実際、秋山さんも、プロ入りの道が絶たれてから20年近くたっているわけですが、いまだに引きずっているし、今も夢に見るそうです。サッカーだって、ピアニストだって、将棋だって、同じことのような気がします。

 ここで、秋山さんの今の(そして今後の)スタンスというものが気になるのです。想定できる道筋は、3つ。

①生活を全うした上で将棋に取り組み、その上でプロになれたらいいと思っている
②生活を犠牲にしてでも将棋に賭ける
③将棋をきっぱりとやめる

 ②は、他人が見たら一番応援したくなる姿勢でしょう。しかし、こうした上でプロになれなかった場合は?先に書いた、残りの人生はひきずり、というコースになると思うんです。それを突破するには?…また②に戻るわけですから、実は、②というのは、成功するか、失敗して引きずる人生を歩むか、①か③のどちらかを選択するというか、こういうわけで、いずれ①か③を選択せざるを得ない状況になりうるものだと思うのです。じゃ、そうなった時に③を選ぶのが正解なんでしょうか?いや、これも変な話で、やめてしまえないようなものだから、問題なわけで。
 論理的に還元していくと、成功しなかった場合、①しか選択肢はなんじゃないかと思えるのです。人というのは、好きなものが見つかってしまうと、夢中になってしまうものです。ただ、将棋(野球でもピアノでも何でもいいです)よりも、人生というものの方が重要なはず。ここを見間違えると、転んだ時に悲惨な事になってしまうと感じてしまうのです。

 では、他の事を犠牲にしてひとつの事に没頭して、プロになった人はどうなるの?…これは、ふたつあって、ひとつはプロになれるという確証があってから(あるいはプロになってから)道を絞るという場合と、賭けである場合。羽生さんなんかは前者であったんじゃないかと思います。一流のプロ野球選手なんかも「プロになれるとしか思えなかった」なんていってますよね。これも前者。前者は、まったく問題ないでしょう。それを本筋にしたとして、問題は起きないんですものね。問題は、後者。ゲームだったら、ここ1番で賭けに出てもいいと思います。しかし、人生の場合…賭けに負けた後も、人生は続いてしまうんですよね。だから、基本的に、やたらと賭けに出てはいけないと思うのです。

 ところで、元奨励会3段の秋山さん、ドキュメントの中では、ネット将棋をして腕を磨いていました。…ネット将棋って、奨励会の人とか、こんな羽生さんと比較されたような人たちも指してるのか。。元奨励会員なんていっぱいいるだろうから…将棋歴7か月の僕が勝てないのも、仕方がないですね(^^)。。

合流のできる棋譜ソフトは

 Kifu for Windows という棋譜ソフトを使わせてもらって、将棋の勉強をさせてもらってます。このソフトは優れもので、分岐棋譜をつくることが出来ます。しかし、同一局面に合流したら、自動でそこにつながるとか出来ないのかなあ。あるいは、合流したら自動でそこに飛ぶ機能がある棋譜ソフトとかって、ないのかなあ。

 そうそう、なにかの番組で映っていた、渡辺竜王が使ってた棋譜ソフトって何なのでしょうね。プロが使っているものだったら、そういう機能は当然ついてるんだろうなあ。一般には公開されていない専門家用のソフトなのかなあ。

第63回NHK杯 森雞二 vs 屋敷伸之 (三間飛車 vs 居飛車穴熊)

 今回から2回戦、いよいよシードだったA級棋士の登場です!本格居飛車党の屋敷さん、すごく日焼けしてるなあ。何かスポーツでもやってるんでしょうか。一方の森さんですが、かつての強豪もさすがに全盛を過ぎたかと思いきや、1回戦で畠山さんを封殺しての勝ち上がり。居飛車党と振り飛車党の対決という事で、居飛車党の僕としては、振り飛車相手にどう指すかという視点で見ていました。

 将棋は先手の森さんが三間飛車にしてのスタート。三間飛車と向かい飛車の受けの勉強をしていないので、これは勉強になりそう。解説によると、最近の将棋は、三間飛車に対して、居飛車はほぼ間違いなく穴熊に潜るそうです。そうなのか。よし、今度から三間飛車にされたら穴熊に潜る事にしよう。

2013081101.gif きっと、あまりに素人っぽい話で恐縮なのですが… 序盤、振り飛車が左銀を穴熊めがけて繰り出していった局面です。四間飛車でいう玉頭銀みたいな感じですが、穴熊でも玉頭銀というんでしょうか。角頭銀かな?この銀上りが意外と速くて、先手銀が7段目にいる時にすぐに対応しないと間に合わなくなってしまい、何度もこれにやられたことがあります。振り飛車が▲56歩と突いた盤面図以降の進行は、

△54歩▲28玉△22玉▲57銀△53銀▲46銀△44銀

 なんか格好いい手でもあるのかなと思って見ていたのですが、やっぱりプロでも、▲56歩には△54歩、▲57銀には△53銀、▲46銀には△44銀という感じできっちり受けてました。同じような理由だと思うんですが、▲68飛には△62飛と徹底的に受けていました。穴熊が完成するまでは、攻めの体勢を整えるよりも、とにかくしっかり受けて辛抱という感じでしょうか。いつも穴熊が完成する前に攻め込まれてしまうので、勉強になります。

 一方の振り飛車側ですが、振り飛車穴熊に組むのではなく、相手の穴熊を上から潰すように、1筋2筋の歩を伸ばしていきます。そういえば、数日前の佐藤vs郷田戦でも、郷田さんは相手の穴熊を攻めるべく、銀冠気味に高い囲いにして、相手穴熊陣営を上から圧迫して潰してました。ただ、今回の場合、佐藤vs郷田さんとは違い、穴熊が居飛車側ですので、同じようにはいかないかも。

2013081103.gif これは、中盤から終盤にかけての局面。手番は先手で、桂香を持っていて、角も思いっきり通っていて、端も突いてある。これは先手の振り飛車側に、いい指し手がありそうな感じがするんですが…

▲85香

飛車を取りに行きました。う~ん、飛車は取れそうですが、穴熊に手をつける事は出来なかったんでしょうか。単純に▲14歩では?…全然足りないなあ。じゃ、▲18香と2段ロケットは?…それよりも、△87龍が速いのか。あら、△87龍が速いとすると、大概ダメ?いつも注目している穴熊崩しですが、今回は屋敷さんの玉がビッグ4になっただけでなく、香車もくっついちゃってカッチカチ。これはさすがに崩せません。。あまりに堅さの差がありすぎ。。穴熊の勉強は手つかずなんですが、居飛車で強くなろうと思ったら、穴熊に囲う勉強をした方が近道かもしれない。。

 というわけで、囲われてはまずいと自陣がバラバラの段階から桂馬を跳ねて攻撃に出た森さんですが、この時点ではすでに勝負ありといった感じでした。遡れば、かなり崩れた格好の美濃とビッグ4の穴熊という時点で、勝負ありだったのかもしれません。結果は屋敷さんの完勝!

 しかし、NHK将棋は、僕にとっては、タイトル戦のハイレベルな指し回しよりも分かり易く、勉強になります。今日も中盤の攻防の駒のさばき方とか、すごく勉強になりました!
 

今週の順位戦

今週は、A級とC1の順位戦がありました。棋譜は見れていないのですが、結果をスポーツニュース風に、ダイジェストで!!

(A級順位戦)

○三浦弘行 vs 谷川浩司●
 三浦さん、今期は調子が悪いみたいだったので、もしかして会長が一発かますかと期待してたんですが…やっぱり三浦さんの方が強いですね。子供の頃、プロ棋士といったら谷川さんしか知りませんでした。その谷川さん、ついに初のB1降級になってしまうのでしょうか。頑張ってほしいです!

○屋敷伸之 vs 久保利明●
 A級順位戦の屋敷さんは、先手番で負けたことが無く、後手番で勝ったことが無いそうで。で、今回の屋敷さんは先手番。結果は…屋敷さん、勝ちました。データって、馬鹿に出来ませんね。もしかすると、A級の明暗を分けるのは、対屋敷戦で先手番を取れるかどうかにかかっていたりして(^^)。振り飛車党唯一のA級棋士である久保さんですが、これで連敗。頑張ってほしいです。

(C1順位戦)

○糸谷哲郎 vs 塚田泰明●
 糸谷さんはこれで3連勝、一方の塚田さんは3連敗。明暗の分かれた結果となりました。糸谷さんは、B2昇級レースのトップ集団に躍り出た感じです。人間性がアレなのが玉に傷ですが、もしかすると、朝青龍とか北尾みたいな位置で、妙に将棋界を盛り上げる存在になったりして。。しかしこの対局、棋譜は見ていないんですが、どんな将棋だったのか、すごく興味があります。

○中村太地 vs 神谷広志●
 もし、中村さんと糸谷さんが2人して将棋の2強時代を作り上げる事があったとしたら、糸谷さんがヒールで、中村さんがヒーローになっちゃうんでしょうね。中村さんもこれで3戦全勝です!さすが若手最強。

○小林裕士 vs 近藤正和●
 竜王戦の決勝トーナメントで、羽生さんとの対局を見て以来、体の大きな小林さんの事が好きになりました。天才肌の人も好きなんですが、謙虚で努力家の人がなにより好きです。小林さんもこれで3連勝。ガンバってください!

●船江恒平 vs 菅井竜也○
 どちらも好きな棋士なので、この対戦は見たくなかった。。電王戦戦士の船江さん、土をつけられ2勝1敗です。一方21歳(若い!)の菅井さん、これで3連勝!これは本当にあっという間にC1を通過して上に行ってしまうかもしれませんね。

○高崎一生 vs 加藤一二三●
 高崎さんもこれで3連勝!いやあ、若手強豪がこんなにたくさんいるのに、B2にあがれるのはたった二人ですか。過酷な生き残りレースですね。気の早い話ですが、順位戦終盤の糸谷戦が、昇級者を決める重要な一戦になりそうな気がします。一方の一二三さん、73歳で現役ですか。フリークラスに落ちていないという事は、それなりに勝っているという事ですよね…すげえ。。戦績も、1勝2敗です。まだ残留の可能性は十分あり!

第26期竜王戦決勝トーナメント 佐藤康光 vs 郷田真隆 (ダイレクト向かい飛車)

 竜王戦挑戦者決定トーナメントも、佳境になってきました。残る棋士は、佐藤康光さん、郷田さん、森内さんの3人。佐藤さんは1組ランキング戦で、三浦さん、橋本さん、羽生さん、森内さんを破っての決勝トーナメント進出。これだけの強豪を全部倒したのか…強い。。一方の郷田さんは、竜王戦に挑戦した事が無いとのこと。ここは佐藤さんを破って、何としても森内さんとの決勝3番勝負に持ち込みたいところです。

 佐藤さんが後手番になりました。ん?佐藤さん後手番?嫌な予感が…きた、ダイレクト向かい飛車!佐藤さん、応援してるんだから、こんな如何にも危険な戦法はもうやめてくれえ。。しかし、郷田さんの指し手が凄く参考になりました。角を打ち込めば簡単にリードできそうなのに、急戦にしないのか。…そうか、駒の連携は明らかに自分の方がいいんだから、佐藤さんが研究しまくってるだろう手順を選ばずに正確に指していけば、自ずと自分が良くなるって考えなのかな。さすが郷田さん、やんちゃな山崎さんの将棋に付き合うことなく淡々と勝っただけの事はあります。

 将棋は、先手郷田さんが銀冠、後手佐藤さんが振り穴に囲いました。そうか、穴熊を崩しやすくするために、上に伸びる囲いを選択したのか。郷田さんの指し手は、本当に勉強になります。一方の佐藤さん、無理な陣形が祟ったか、中盤で早くも銀取りをかけられます。しかし、ここからの指し回しが凄かった。この前のvs羽生の順位戦を髣髴とさせる指し回し。銀を取らせないどころか、攻撃の態勢まで整えてしまいます。しかし…

 佐藤さんがうまく駒をさばききったところで、郷田さんが佐藤穴熊にいきなり切り込みます。銀冠を選択するという作戦が見事に功を奏した格好ですね。ここからの穴熊崩しが凄かった!

13081002_1.gif これは、穴熊崩しに着手してから何手か後の局面。先手玉も結構ヤバいので、そんなにゆっくりしてもいられなそう。で、どう攻めるのかと見ていると…

▲82歩

なるほど~、そうか、△同金なら銀で割り打ちできるし、△同玉なら▲35角が攻防手。更に▲62角成といけば、△同金▲71銀で、これは決まりそうです。こういう歩の使い方を、手裏剣っていうんですね。初めて知った。しかしさすがは佐藤さん、そう簡単には土俵を割りません。

△同金▲71銀△61飛

飛車で防ぐのか?!う~ん、これはすごい。。佐藤さん、郷田さんの波状攻撃を何とか凌ぎ、自分の手番を無理やり作り出し、反撃に出ますが…どうしても寄りません。最後は、郷田さんに派手な桂捨てをされ、無念の投了。郷田さん、狙ってたな。。投了図、異常に格好いい!!

 これで、竜王に挑戦するのは郷田さんか森内さんという事になりました。郷田さんより竜王の方が強い気がしますが、郷田さんには竜王になってほしいです!また、森内さんと竜王の2日制の対決…これは見てみたい!でも、森内さんには竜王に負けて欲しいなあ…タイトルホルダーのバランスの問題で。

 それ以前に、郷田vs森内の挑戦者決定戦ですね。、あれ?このカード、見たことが無いかも?!竜王戦も、目が離せなくなってきました!!



第54期王位戦 第4局 羽生善治 vs 行方尚史 (横歩取り)

 羽生さんの2勝1敗で迎えた王位戦第4局です。羽生さんが後手で、横歩取りの将棋になりました!ここのところの棋戦って、角換わりと横歩取りが凄く多い気がします。勉強したいと思っている戦型なので、有難い事です。

 途中まではよく見かける手順で、先手は青野流ではなく▲36に飛車を引き、後手は△84に飛車を引く格好。後手の囲いは中原囲いではなく、52に玉をあがる格好にしていました…うわ、なんか知ったような口をきいていますが、実はぜんぜんわかってません(^^;)。しかし解説を読むと、31手目の段階で前例は1局だけだそうです。いくらでもありそうな形に見えたんですが、端歩とかの細かいところが違うのでしょうね。プロであっても、将棋というゲームはまだ完全解を探している道程にあるという事なのでしょう。

20130809_oui01.gif これは、後手羽生さんから角交換を仕掛けた後ぐらいの局面で、行方さんが▲74歩とつっかけた所です。いよいよ開戦、って感じです。見るからに狙いがありそう。で、本譜は…

△同歩▲72歩

うわあ、いやな垂らしの歩だなあ。で、この後の解説陣(藤井さん、勝俣さん、竜王、中村9段など、かなり豪華!)の指し手予想と、本譜の食い違いが、漫才みたいで面白かったです。解説陣は押しなべて「▲72歩の垂らしに△61金は▲86飛のぶつけが怖い」「そうなると先手がやれそう」とか言っていたのですが、本譜は…

△61金▲86飛△同飛

 羽生さん、錚々たる解説陣が押しなべていダメといっている道をザクザク突き進んでいきます(^^;)。大丈夫なんでしょうか。。逆に言えば、行方さんとしては願ってもない展開。逆に、ここまで策にハマってくれると、何か裏がある気がして怖かったりして。
 しかしこの局面、中盤に突入した41手目からわずか数手しか進んでませんが、これはすでに終盤なのでは?行方さんは注文通りなので、寄せがある程度見えていたとしても当然なのかもしれませんが、平然とそこに突っ込んでくるという事は…羽生さん、もしかして詰みまで読んでいる??
 …いやあ、まったくその通りでした。羽生さん、ここから、一気に寄せにいきます。行方さんも攻め合いに持ち込もうとするんですが、どう数えても間に合わない。この後の棋譜を見る限り、飛車交換に行った時点で、羽生さんには勝ちが見えていたのでしょう。

 しかし、ここからは将棋以外にも見せ場が待っていました。今日の序盤から続いていた解説陣と羽生さんの指し手の食い違いも、ここからクライマックスを迎えるのでした。。

解説陣:▲4一角に△同玉で後手が余せそう
羽生さん:△5一玉

解説陣:△8四角がピッタリ
羽生さん:△68桂成

 ここまでくると、羽生さんに解説が聞こえていて、羽生さんはわざとそうではない筋を選んでいるんじゃないかとすら思えるほどです。。だって、解説陣の方々の指摘する指し手の方が、どう見たって分かり易いですし。考えすぎかもしれませんが、大差になったので、解説通りに進んでしまったら見ている人は結果が分かってしまうから、あえて第1候補になるような手を避けて、「あれ?羽生さん間違えた?」と期待させるような指し回しをしていたりして。。そして最後には、行方さんまでこの食い違い合戦に参加しました。

解説:東北男児は▲同金できれいに詰まされる順ではなく、根性で▲同玉
行方さん:▲同金
解説:(*○゚∀゚O)
行方さん:投了

 ところで、いきなり終盤になったこの将棋、行方さんが仕掛けた41手目から▲86飛までのくだり、あそこが既に間違えだったという事でしょうか。もしそうなら、行方さんは相当なショックではないでしょうか。自分から手をぶつけて、その注文通りの展開になって、そのまま寄せられてしまったんですから。別の見方をすると、これぐらい1直線の将棋だと、あの▲74歩からの仕掛けは、詰みまで発見されたという事だったりして。

 行方さん、これで土俵際に追い詰められました。幸いなことに、第5局までは18日も日が空くようです。気分を切り替え、なんとか打開策を見つけて、頑張ってほしいです!


『羽生の頭脳3 最強矢倉』

HabunoZunou3.jpg 鈴木大介さんの書いた『中飛車の基本 ゴキゲン中飛車編』が、図書館に返ってきません(T-T)。とはいえ、ゴキゲン中飛車対策に1冊は読んだので、帰ってくるまでの間に、本筋で勉強しようと思っていた矢倉の勉強に戻っていました。で、矢倉の勉強のベースにしようと思ったのが『羽生の頭脳3 最強矢倉』です。いま、全10章のうち、6章まで読んだところですが、その時点での感想を *全部読み終わりました!。

 なにせ無知なもので、間違った知識かも知れませんが…矢倉戦というのは、①急戦、②▲37銀戦法、③▲森下システム、④脇システム、⑤雀刺し、⑥▲35歩戦法、みたいに分かれると思うんですが、この本には脇システムは出ていない気がします(まだ全部読んでいないから分からないんですが、目次を見た感想です)。この本の説明は、急戦→▲35歩戦法→▲37銀戦法→森下システム、という順で、特に▲37銀戦法と森下システムに重点が置かれて書かれている感じです。雀刺しは、森下システムのところに組み込まれて書いてあります。急戦に関しては、一応対応策は載っているんですが、それほど深くは書いてない気がします。それでも、色々な急戦対策は述べられていて、後手から急戦にされても、ネット将棋の4級ぐらいまでだと十分対応できました。でも、きっちり勉強するなら、きっと急戦矢倉に関する勉強を他の本でしないといけない気がします。

 気になる事がふたつ。ひとつめは、読む前から気になっていたことで、『羽生の頭脳』の書かれたのが1992年だという事。矢倉は将棋の主流戦法のひとつなだけあって、プロ同士では1年でものすごい数が指されていると思うので、既に古い定跡になってしまっているものが結構あるかと思っちゃうわけです。もうひとつ気になったのは、5手目についてです。矢倉戦というと、プロの対局を見る限りは▲76歩△84歩▲68銀△34歩とした後に、▲66歩とするもんだと思うのですが、この本では▲77銀とあがります。▲77銀としたからといって悪いというわけではないんでしょうが、ではなんで今のプロ棋戦ではそう指されないのか、理由があるはずですよね。この理由に関しては森下卓さんの書いた『現代矢倉の思想』の冒頭に書いてありました。で、僕が持っているポータブルゲーム機の将棋ソフトで指してみると…なるほど、▲77銀としない方がいい気がします。なので、5手目の▲77銀は、▲66歩として読み替えた方がいいと思いました。(*追記:この日記を書いた直後、NHK杯で森内さんが5手目▲77銀を指していました。。結局、どっちも覚えないとダメですね。。)対四間飛車急戦の勉強の時は、新しい定跡と違う変化が速い段階であって、それが合流しないもので、いまだにどうやって自分の知識を修正したらいいか、戸惑ってます。。でも、この矢倉の場合は、新しい定跡にすぐに合流するので、不具合はないと思いました。

 で、こういったものも踏まえた上でいうと…
 『羽生の頭脳』という本は、少なくとも居飛車党が将棋を勉強するうえでは、避けて通れない本なんじゃないかという気がしています。もしかしたら、将棋の歴史の中で、序盤定跡書の革命的な本だったんじゃないでしょうか。江戸時代に書かれた本とかは分からないんですが、中原さんとか米長さんあたりの、『羽生の頭脳』以前に書かれた序盤定跡の棋書というものを、私は読む気になれません。古くて定跡が更新されてしまったというだけでなく、『羽生の頭脳』以前の定跡書は、みんな初心者向けに書くというのがコンセンサスだった気がするのです。だから、仮に何冊も読んだとしても、永遠に入門から脱せられない気がしてしまうんです。別の言い方をすれば、『羽生の頭脳』が出た瞬間に、それまでの定跡はぜんぶ『羽生の頭脳』にまとめられ、それ以前の本が全て駆逐されてしまった気がするのです。

 『羽生の頭脳』の絶対性は、それ以前の本だけでなく、それ以降にも決定的な影響を与えたんじゃないかと思います。それ以降の本の多くは、なんだか『羽生の頭脳』を押さえている事を前提に書かれているように感じる事があるのです。『羽生の頭脳』に書いてあるから、そこの説明は省くという形で、その先を書き進めることが出来たんじゃないかと。何といえばいいか…新たに定跡書を出す価値がというのが、『羽生の頭脳』に書いてない事を書ける点にあるというか。これは森内さんの矢倉の本とか、竜王の書いた『四間飛車破り』の本を読んだ時にも感じた事です。結局、今の戦型定跡の本を読むには、『羽生の頭脳』に書かれている事を理解している事が大前提なんじゃないかと。多少なりとも将棋をまともに指したいと思ったら、『羽生の頭脳』は定本なんじゃないかと憶測します。序盤定跡をひと通り身につけようと思うなら、『羽生の頭脳』を理解する事が最初の目標になるんじゃないかとすら思ってます。

 僕の場合、『羽生の頭脳』は、他の戦型定跡の本に比べると、覚えるのに結構苦労します。なんといっても、他の棋書に比べると、変化が多い。でも、そうであてくれるから実践的というか、もし定跡本を書くとしたら、これが一番正しい書き方なんじゃないかと思うのです。手っ取り早く初段を目指すなら、もう少し軽めの定跡本から入るという手もあるかもしれませんが、長い目で見てキッチリ将棋を理解したいと思ったら、急がば回れというか、こういうしっかりしたものから入った方が結果的に速いんじゃないかと思うのです。

 …で、読んでいて、よくぞ基本的な定跡も知らないまま今まで矢倉を指していたものだな、と思ってしまいました。なんだかすごく恥ずかしい。。矢倉って、知っている人と知らない人がやったら、勝負にならない。私、横歩取りは勉強してないのに勝率8割ぐらいあるんですが、矢倉は一生懸命勉強しているつもりなんですが、勝率3割台です。。それだけ、みなさん矢倉定跡は勉強しているのでしょうね。序盤定跡の威力を痛感している次第です。。いずれにしても、この本は、矢倉の勉強をするのに避けて通れない道だと思っています!




昨日の郷田vs山崎戦の補足

 昨日の郷田vs山崎戦で「最後の詰みが全然わからない」みたいなことを書いたら、コメント欄から寄せの手順を教えてくれた方がいました!有難うございます、本当に嬉しい。。玉で龍を取ると11手詰めなんですね。。でも直線だから、ちゃんと考えたら僕でも分かったかもしれない…30分ぐらいかかりそうですが(^^)。しかし、その頓死筋を避けた本譜の進行でも、投了図から31手詰め?!…これは、30年かかっても解けそうにありません(;;)。いやあ、寄せた方も凄いですが、投了した方も凄いですね。

 それから、「どこが凄いのか書いてくれなきゃ分からん」というコメントもいただきました。…スミマセン、めんどくさくなって、寝てしまいました。。凄いと思った局面図を追加しておきました。前後の流れは、竜王戦の中継サイトに出ていますので、見てみてください。山崎さんのやりたい放題の悪ガキぶりと、それに全然付き合わずにサックリ寄せる郷田さんの大人ぶりが対照的で、実に楽しい将棋だと思います。

 それ以上にびっくりしたのが、このブログを読んでくれている人がいるという事。。好き勝手に書いているだけで、しかもぜんぜん将棋初段を目指している過程が書けてないのに、お付き合いいただいて感謝ですm(._.)m 。私、ネットに全然詳しくないんですが、どうやったらこんなローカルなブログに辿り着くことが出来るのか、ちょっと不思議です。。

 本当は、「将棋初段を目指す!」過程の記録と、それがもしかしたら人の役に立つかも?と思って始めたブログなんですが、「将棋初段を目指す」って毎日コツコツと棋書を読んでいるだけだったりして(^^;ゞ 強敵があらわれてそれを倒すために山籠もりの秘密特訓をするとか、そんなドラマは起こりません。そのくせ、勉強のつもりで始めたプロ将棋の観戦が楽しくなってしまって、観戦日記みたいになってきてますが…実は、ちゃんと将棋の勉強は続けております。たぶん、ここ半年ぐらい、勉強を休んだ日は1日もないんじゃないかなあ。とはいえ、1日1時間ぐらいなんですが。次は、切りの良い所まで読み進んだ『羽生の頭脳3 最強矢倉』について、チョット書いてみたいと思います。

第26期竜王戦決勝トーナメント 郷田真隆 vs 山崎隆之

 渡辺竜王への挑戦を賭けた決勝トーナメントも、だんだんクライマックスに近づいてきました。今日は、郷田さんと山崎さんの対戦。残る4人の中で羽生世代ではない唯一の棋士が、山崎さん。ここはひとつ、頑張ってほしいと思ってました。

 後手になった山崎さん、お、矢倉か?と思ったら、ちょっと不思議な順で、居玉のまま中央に銀をあげ、飛車を5筋に振って、中飛車みたいになりました。そのあとも眩惑的な駒運び。う~ん、山崎さんの将棋って、駒に紐をつけるとか、あんまり気にしてないみたいです。なんか、俺に似てる(私は下手なだけです^^;)。

 しかし郷田さんの方は、そんな山崎さんの手に惑わされることなく、山崎さんの手に対応しながら、うまく駒をくみ上げていきます。駒は連携しているし、攻め筋も受けも玉の囲いも、なんかバランスがいいなあ、って感じなんです。囲いに1手を使うタイミングとか、郷田さんって、こういうのがとてもうまく感じます。あと、竜王の将棋もそういう所が凄く見ていてうまいなあ、と感じます。こういう風に将棋を指せるようになりたい。。

 びっくりしたのが、郷田さん、自分から銀ばさみのトラップに飛び込んでいった局面。こういうのって、どうやって対応するつもりなのか、見ていて引き込まれます。

13080601.gif 更にすごかったのは、郷田さんの寄せでした。山崎さんにけっこう強烈に切り込まれ、しかし山崎陣はまだ遠い、みたいな状態。こんな状態で、寄せるどころか、私にはどうやって切り込んでいいかもサッパリ分からない状況から、攻防手を放ったわけでもないのに、なんかヌルっと敵玉に近づいただけに見えたんですが…いやあ、こんなので寄ってしまうのか。

 盤面図は、後手の山崎さん投了数手前の局面。いや、私には後手よしにしか見えないんですが、ここから郷田さんは…

▲23飛成

 おお、飛車を切った!…と思ったんですが、この竜を取ると頓死らしいです。これが、いくら考えてもわかりません。。ダメだ、落ち込んできた(;;)。谷川さんの『光速の寄せ』でも読んで、今日はとっとと寝よう。。というわけで、今日は85手で郷田さんの勝ちでした。これで竜王挑戦は、佐藤康さん、森内さん、郷田さんの3人に絞られました!

第63回NHK杯 上田初美 vs 西川和宏  (三間飛車)

 女流棋士の将棋を見たことがありません。将棋ってスポーツみたいに体格差が出るわけでもないのに、今の時代でもなんで男と女を分けるのか疑問だったんですが、別に女性が男性の方に入ってもいいみたいですね。ただ、今まで4段になってプロ棋士になれた女性がいないというだけで。そんなに差があるんだろうか?というわけで、今日の対局は楽しみにしていました。でもこれ、女流は負けてもともとだけど、男の棋士の方はプレッシャーでしょうね。

 寝坊してしまって最初の方は見逃してしまったんですが、途中から見ると先手の上田女流が居飛車穴熊、後手の西川4段が三間飛車からの穴熊になっていました。ネット将棋で似たような形になったことが何度かあるので、これは凄く興味のある展開でした。

13080401.gif  盤面図は△74歩と突かれたところですが、これもやられた事があったような。居飛車穴熊に組んで、駒が57に銀と77に角がいる時に、この歩を突かれて桂を跳ねられるのって、とっても苦手です。あと、49にいる金も、どう動かしていいか分かりません。がっちり穴熊に固めようと左に寄ってしまうと、向かい飛車にされて2筋突破されしまいそうで。。そういう時って、▲46銀から間に合うか、とか指すのかなあ。いずれにしても、プロの指し手を見てみたいと思っていた局面です。以下…

▲58金△71金▲36歩△61金左▲37桂△44歩▲65歩△72金左▲67金

 居飛車側の金は玉側に寄りました。ということは、向かい飛車にされても受かるのか、速いのか、いずれにしても何とかなるんでしょうね。ちょっと、これは調べておこう。で、互いに固めあってから、後手から仕掛けました。

△64歩▲86角△35歩▲同歩△42角

 この辺りはたぶん定跡化されているんでしょうが、知らないものでものすごく勉強になります。居飛車側の▲85角は、いつかのNHK杯で誰かがやっていたので、穴熊の常套手段なんでしょうね。私にはこれしか見えていなかったので、これは理解。でも、振り飛車の△42角は、ちょっと意外でした。攻める事しか考えられないアホな私は、△15角しか見えない(^^;)。引いちゃうと、6筋から攻められて、角が動いた瞬間に居飛車側に2筋を突破されないんでしょうか。…しかし速指しのNHK杯、私が考えている暇もなくサクサクと将棋は進んでしまいます。。

 で、この後に居飛車は6筋から仕掛けと2筋の歩の突き捨て。振り飛車は7筋の歩を突き捨てと3筋の桂頭に歩の打ち込みと、互いに色々な下準備(この辺り、結構細かかったです。振り飛車側の7筋の歩の突き捨てが、後に△78歩で居飛車穴熊の陣形を大きく崩す手となる、重要な手筋だそうで。これは勉強になりました)。

13080402.gif で、仕掛けたのは上田女流で、相手の銀を角で取り、角銀交換ながら振り飛車側の角を動かすことに成功。案の定、2筋が破れた!男性棋士、女流に敗北か?!と思ったら…

△12角

 うわあああ、なんだこれ(゚д゚ノ)ノ 。こんなんで受かってるのか?攻防手といえば攻防手ですが、普通に▲23銀なんてされたら、単に突破されるよりももっと悪くなっちゃうんじゃないの??でも、解説によると、▲23銀には△22飛で良いそうな。そ、そうなんですか?そしたら、▲68銀△37桂成▲22銀成とか、▲68銀△23角▲55歩とか…あれ?結構難しいのか。。プロで一番弱い4段ですら、こんな物凄い手が指せるのか。。いやあ、プロってすごいです。良くなったと思った一手の次が一番危ないなんて言いますが、上田さんも、▲24飛と走った時は自分が有利になったと思ったんじゃないでしょうか。

 それから、終盤の穴熊の寄せも、私にはすごく参考になりました。穴熊の寄せが一番苦手なんですが、今日の寄せは、簡単に言うと、あんまり焦らない感じ。僕なんかだと、手を空けたらヘタクソな気がして、どんどん金銀を打ち込みまくって千日手みたいになっちゃうんですが、歩を垂らしたり、桂を遠くから売って拠点を作ったりして、1手2手空くぐらいはいいんですね。もちろん、それが詰めろになってたり、相手に寄せられないという計算があったりした上でのことだと思うんですが。プロでも一気に寄せられるわけではないと知って、何となく安心しました。。解説の戸辺さんが「穴熊は、玉を引っ張り出して、金を狙うのがいい」なんて言っていたのも、ちょっと覚えておこうと思います。

 結果は、112手で後手の西川4段の勝ち。う~ん、大駒をすべて渡してから寄せるって、なんか読み切っているみたいでカッコいいです。でも、あの穴熊の攻略ですが、羽生さんや佐藤康光さんや竜王や森内さんだったらどう寄せるのか、これも見てみたい気がしました。あの人たちだったら、手を渡さずに寄せちゃたんじゃないかという気がするのは…考えすぎですかね。。あと、逆に、相手が羽生さんとかだったとしても、寄せの最中に1手空けられただろうかと。羽生さんとか竜王だったら、逆襲の攻防手とか打ち込む筋があったんじゃないかという気もして…久々にボナンザを引っ張り出して、考えてみてもらおうかな。。いや、そう思うぐらいに、僕にとっては面白かった将棋で、同時にすごく勉強にもなった将棋でした。。

B級順位戦

 昨日は、B級順位戦がありました。順位戦って星取り合戦なので、仮に将棋自体を見逃したとしても、相撲やプロ野球の順位表を見ているような楽しみがありますね。で、B級1組でいえば、昨日で4戦目なのでちょうど1/3。序盤終了という感じで、形勢が見えてきた感じ。誰にとっても大事なカードばかりでした!

●高橋道雄 vs 丸山忠久○
 うわ、昨年までのA級棋士がこれで4連敗ですか。53歳ということで、ちょっと年齢的なものもあるのかもしれませんね。一方の丸山さんは、橋本さんに星を落としたとはいえ、これで2勝1敗。まだ昇級レースに踏みとどまっています。

○橋本崇載 vs 松尾歩●
 橋本さん、これで3勝1敗。強い!昨年のA級でボロボロだったのが、ウソのようです。A級の雰囲気に飲まれただけなのか、AとB1では結構な差があるのか。こうなってくると、藤井さんに足をすくわれた1敗が最後になって響いてきたりして(^^;)。一方、全勝で進んできた松尾さん、とうとう土をつけられました。

●山崎隆之 vs 豊島将之○
 この将棋だけ、棋譜を見ました。素人目には、山崎さんが優勢だったように見えるのですが…豊島さん、強い!これで唯一の4戦全勝です。もしかして、B1を1期で抜けてしまうのでは?!一方の山崎さんは痛い黒星、1勝3敗です。これは、昇級レースから脱落どころか、B2降級の可能性も出てきてしまったか。。

●木村一基 vs 広瀬章人○
 B1にいる20歳代の棋士は、先の豊島さんとこの広瀬さんだけ。広瀬さんも、強い!これで3勝1敗、勝ちの中には木村さんだけでなく、阿久津さんも含まれています。これは、ハッシーを撃破したら、ひょってしてA級に抜ける目も出て来たのでは?!しかし、木村さんが負けるとは思っていませんでした。。木村さんの解説って、いい手や狙い筋を実に細かく説明してくれるもんで、その影響もあってか、私は木村さんの事をやたら強いと感じてしまっているのですが、これで木村さんは20歳台棋士に連敗。木村さん、次の丸山戦は踏ん張りどころですね。

○阿久津主税 vs 藤井猛●
 木村さんとは対照的に、阿久津さんというのは強いのか弱いのか、良く分かりません。よく解説で拝見するんですが、その解説が結構投げやりだったりするので(^^;)、「すげえなあ」と感じた事が少ないという事なのかなあ。しかし、今回は藤井さんに勝って星を5分に戻しました。一方の藤井さんですが、敗れたとはいえこちらも2勝2敗。徐々に齢を取ってきて、しかも一度B2に落ちたという事から考えると、善戦ではないでしょうか。しかし、藤井さんて、終盤でやらかすと言われていますが、実際の棋譜を見ると中終盤の指し手がもの凄かったりします。よく、そんな方法を思いつくなという構想力。やっぱり、プロはすごい。。

●鈴木大介 vs 飯塚祐紀○
 これは別の意味での注目カード、全敗同士の対決。どちらも降級を避けるためには負けられない正念場の1戦。結果は、飯塚さんの勝利。負けた鈴木さんは唯一の全敗、しかも今後も上位棋士や、絶好調の若手との対戦が結構残っています。次はお休みなので、ここでリフレッシュして巻き返しを図ってもらいたいものです。
プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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