第58期王位戦 第1局 羽生善治 vs 菅井竜也 (角交換振り飛車)

 今期の名人挑戦は稲葉さん(28歳)、棋王挑戦千田さん(23歳)棋聖挑戦斎藤さん(24歳)、そして王位挑戦は菅井さん(25歳)。全員20代です。いや~羽生世代&渡辺さんの争いだった数年前に比べると、新興勢力の20代棋士の台頭が著しいですねえ(^^)。20代棋士は今のうちにタイトルをとっとかないと、後ろからスゴイのが追ってきてるしね( ̄ー ̄)。

 挑戦者の菅井さんは振り飛車中心のオールラウンダー。王位リーグで渡辺さんを破ったのも角交換振り飛車だったし、挑戦者決定戦の澤田戦でも角交換振り飛車でした。そして初のタイトル挑戦となったこの王位戦第一局は…角交換振り飛車だああ~~!!これで勝ち上がってきた以上は伝家の宝刀で勝負ですよね、やっぱり。こういう自分独自の戦型をひっさげて向かってくる人って、キャラが立ってていいですよね(^^)。居飛車大優勢のプロ将棋なので、角交換振り飛車をタイトル戦でじっくり見られるのは有り難いです。
20170705王位58-1_羽生vs菅井_後手角交換振飛車29手 菅井さんが王位戦決勝リーグで渡辺さんを葬ったのは三間飛車から角交換して向かい飛車に振り直す指し方でしたが、この第一局もおおむねこういう感じでした。僕の角交換振り飛車の対策はぜんぜん間に合ってませんで、角交換四間飛車対策を応用してなんとかしてます(^^;)。端的に言うと、「強敵は向かい飛車への振り直しで、これを何とかこらえて隙あらば穴熊」というだけ(^^)。。居飛車を指していて角交換振り飛車が厄介なのは、居飛車側の玉型が悪いんですよ。。でもって、この将棋での羽生さんの戦い方が見事。いきなり穴熊ではなく、▲66角を打って(ここに角を打つのは角交換振り飛車で向かい飛車にされた時の振り飛車の急所…ですが、こんな状況でも打つのか!!角が逮捕されそうでおっかねえ…)攻めを見せ、戦いながらいつの間にやら玉形を整え、しかも穴熊に潜ったのでした。いや~角を打つタイミングは別としても、やっぱり角交換振り飛車に対しての構想はおおむねこういう方針ですよね(^^)。しかし、後手菅井さんが飛車を5筋に振り直してからは超難解な将棋になり、まったくついていけなくなってしまいました(T_T)。これは中盤終わりもそうで、居飛車も振り飛車もどちらも穴熊に潜った状態で、どちらの玉にも近い所が戦場になったもんだから、中盤と終盤が一緒になったような感じになって、受けと攻めがどちらも一体の速度勝負になってました。いやあ、これは難解だ…。。そして最終盤、1時間以上の持ち時間の差が影響してか、羽生さんが強引な角の打ち込みから寄せに踏み込みますがこれが失敗、144手にて菅井さんの勝ち!

 時間攻めでの敗退といえば、森内-糸谷の竜王戦を思い出します。早指しは若い人が有利なんて言いますし、実際それもあったかも知れないけど、この前の棋聖戦の一手バッタリはそうじゃなかった。今日の羽生さんの終盤での強引な角打ちが一手バッタリの敗着だったとしたら、羽生さんは2局続けての一手バッタリという事になります。羽生さん、この前の棋聖戦といい、終盤で若手に競り負けてるみたいです。これまでは、互角でいったら終盤は羽生さんのものだったのに今は競り負けてしまう、これは衰えでしょうか(T_T)…。大山さんが中原さんにタイトルを全部剥がされたのが49歳の時、羽生さんは今年47。近年、森内さんや郷田さんといった羽生世代の超強豪が急激に衰えているように見えます。その中で羽生さんだけは名人を奪い返したり3冠を維持してたりしたんですが…羽生さん、藤井聡太くんがタイトル戦に出てくるまで、なんとか頑張ってくれ~!!


第30期竜王戦決勝トーナメント 藤井聡太 vs 増田康宏 (相居飛車)

 はじまりました竜王戦決勝トーナメント!!僕は、勢いある若手からベテラン超強豪棋士まで顔を出す竜王戦決勝トーナメントが、プロ将棋の中で一番好きなんです(^^)。。今年は特にそうで、羽生さん康光さん久保さんの黄金の羽生世代、渡辺竜王(まあこれはトーナメントには出てきませんが)に稲葉さんという今が全盛期ぐらいのアラサー世代、勇気さんに藤井聡太くんの若手強豪まで参加のトーナメントなんて、面白すぎです(^^)。しかも、トーナメント中に天彦名人以外のタイトル持ちがみんな入ってるし。開幕局一回戦は、藤井くんによるプロ連勝記録の更新がかかった一番になりました。しかも相手の増田さんは去年の新人王なので、これは最強新人対決でもあるという、なんかすごいものがいろいろ重なっちゃった一番(^^)。

20170626竜王TN_藤井聡vs増田_相居飛車20手 戦型は…いや~こういうのって、いまだになんといっていいか分かりません(^^;)。どちらも矢倉に囲わないけど矢倉がいちばん近いのかな?出だしは角換わり気味だったんですが後手の増田さんが角道を止めて角交換拒否。角換わりは拒否しない藤井さんの傾向を見越して進め、しかも角換わりを外すという作戦かな?これは狙っていたに違いない( ̄ー ̄)。でもそこから矢倉に合流していくかというと、後手増田さんは33ではなく43に銀をあがって雁木、すでに矢倉にはならない形。先手は先手で銀を88じゃなくって68に回したもんだから、これも雁木指向になりそうで矢倉に組みそうにありません。20手目盤面図なんて、僕レベルの人間にとっては力戦みたいなもんです。最近、プロはマジで矢倉に組みませんね、コンピューターがプロを凌駕しはじめて以降、角換わり腰掛け銀もぜんぜん新しい形になっちゃうし、矢倉なんか角換わりどころじゃない大激震に見舞われちゃいましたが、相居飛車では矢倉がかせぎ頭の僕としては、これまでの序盤の勉強がぜんぶ無駄になりそうで、やめてほしいっす (´・ω・`)。先手▲77銀復興以降の矢倉の戦型分岐を綺麗にまとめた定跡書って、出ないかなあ。弱小アマとしては、流行戦型の研究じゃなくって、加藤流や森下システムなんかの古い形も急戦も雁木も含めた矢倉全般の分岐チャートが欲しいっす。上野さんの本って、どれぐらいまで書いてあるんだろうか…。

 今は昼食休憩ぐらいのタイミング。すでに先手が矢倉に囲わなかった後手の咎めに行ってますが、ここからどうなるでしょうか。今日は仕事が進む気がしないぞ。。

 ただいま夕方の5時ごろ。中盤の難所ですが、いや~これは後手増田さんの方が指しやすくないかい?とうとう連勝が止まるかも…。

 夜戦。追い込まれた藤井くん複雑な順の反撃を選んで乱しに行きます!いや~「ここで角を打つんじゃないの?」とか、そういうひと目良さそうでも普通の手はことごとく指さない感じ。そしたらなんといつの間にやらこれが通ってしまった模様。いや~、よもやあれで先手がずっと良かったなんて事はありえないと思うので、どこかでひっくり返ったんだと思います、どこか分かんないけど(^^;)。結果、いつの間にやら手品のような逆転で、藤井さんの勝ち!!プロ新記録の29連勝です!!(*・∀・)ノ゙ 。 オメデト-♪

 いや~、すごいものを見てしまった、もしかしたらこの記録が破られる日を、僕は死ぬまで見れないかも。また、藤井さんにしても、このまま強くなったら強い人との対局しかなくなっちゃうので、自己更新も難しくなるだろうし。そして今日の将棋は、序盤は完全に増田さんの作戦勝ちだった気がします。角換わりを拒否しない相手に、誘い込んでおいてもっとも早い段階でそれを拒否して変化するという、相手が拒否もしにくいし自分の研究は外れにくくなるだろう。これは見事な戦略でした。中終盤に関しては、なんというか…羽生さんの将棋ばかり並べてた人間の感覚でいうと、こういう複雑な順の攻め合いに来られた将棋って、受け潰しって安全策に見えて安全策じゃない印象があります。中盤で自分がの方が良さそうな時って安全勝ちしたくなるけど、暴れられると一手差勝ちを狙いに行かないと難しかったりする事が往々にしてある、みたいな。増田さんは手抜き出来るタイミングが結構あったのに、反撃を入れずに受け続けていたのは、そういう意味で「手の速さも考えながら攻めの速度も合わせて反撃筋を作っておかないと、受け一辺倒ではヤバそうだな…全然わかってないけど、これが最善手じゃないんだろうな」な~んて嫌な予感はしました。でも、そういうのをひっくるめて相手より上を行っているから、29回も連続で勝てちゃったりするんでしょう。いや~、将棋も凄まじい、記録も素晴らしいという、いいものを見せていただきました。さてこうなると、誰が連勝を止めるんですかねえ。なんか、森内さんの気がしてならない…。。

第76期順位戦 A級 三浦弘行 vs 久保利明 (角交換対抗形)

 始まりましたA級順位戦!いや~なんかワクワクするな(^^)。。今期は11人スタートの3人降級という事で、生き残りがより熾烈になるんじゃないかと。最初の対局は、久保王将と三浦さんの対局でした!

20170608順位76A_三浦vs久保_角換力戦7手 いきなり序盤から面白かったです。先手三浦さんが▲26歩~▲25歩と歩を伸ばして△33角と受けさせ、そこで▲76歩と角道を空けて角交換のありうる形にした流れで7手目盤面図。振り飛車党の久保さんとしては角筋を開けたまま戦うか止めるかといったところが最初の選択でしょうが、久保さんなら間違いなく空けたまま戦うだろうな。。そうだとしたら、22ではなく42に銀が立ってしまったので、中飛車を選択する感じでしょうか。康光さんなら銀を立たずに向かい飛車に行ったかも(^^)。

△54歩
 いや~、いくらでも前例のありそうな局面ながら、この形を定跡書で勉強した事があるかというと、記憶にないよ。。このまま次に△55歩まで指せれば普通のゴキゲン中飛車に合流できそうですが…

▲33角成△同銀
 うおお~、三浦さん、先手から一手損となる角交換だあああ!!三浦さん、久保さんがこういう順を選ぶと読んで用意してきたな( ̄ー ̄)。。

▲53角△44角▲同角成△同歩
 なんと、三浦さん53に角を打ち込んだあああ!!これと同じ形じゃないですが、対抗形の将棋で似た筋ってありますよね。でもたいがい角を合わされて手順に駒組みを進展させられて成立しないと思うんですが、しかしこれはどう見ても用意の順、なんかあるな…

20170608順位76A_三浦vs久保_角換力戦18手▲43角△32角▲同角成△同金(18手目盤面図)
 続けて敵陣に筋違い角の打ち込み!!しかしこれも角を合わされて消され、先手はひどい手損です。。どう考えても三浦さん用意の順だと思うんですが、先手の主張はどのへんだったんでしょうか。もし後手が居飛車を選択できるなら完全に失敗、つまり羽生さんや森内さんや谷川さんや橋本さんが相手ならこの順にはいかなかったと思うので、相手が振り飛車しか指してこないという前提で指したんでしょうが、そういう意味では挑発的でもあるし、5筋の歩を突かせての角交換という主張のような気もしますが、でも後手が中飛車にしたら全然関係ないですよね?普通に定跡書や将棋の教科書で勉強してきた僕にとっては、具体的な手があるわけでもないですが、手損がひどい上に代償がないような気がして、ここから後手が万全の駒組みを目指して指すと戦う前に後手充分になる気がして仕方ないんですが、でもコンピューター将棋を見てると駒組みという前半部分が全然なくって踏み込んじゃったりするので、ちょっとドキドキの序盤でした。先手が挑発ではなくて実際に利があって指したんだとしたら、多分この後の構想に出てくるんだと思いますが…

20170608順位76A_三浦vs久保_角換力戦58手 当たってるかどうか分かりませんが、あの序盤を狙った三浦さんの構想が何となくわかったような気がしたのが43手目あたりから。盤面図はそこから進んだ58手目、先手の桂頭の歩が浮いてますが、これって先手みずから浮かしたんですよ、本当なら後手から歩を叩いてでも浮かしたいところなので、僕はビックリでした。。でもって、序盤からどうなったかというと、後手は不満のない駒組みまで進められ、さらに5筋の歩も交換できたものの、それ以上は攻め込めず、結局先手も駒組みで追いついちゃった感じ。いやあ、序盤の手損は角交換したらごてが手詰まりの待ちになると見越してだったとしたら、先手の遠大な構想は見事。そして序盤からのあの奇襲のような指し手の狙いは…

▲76角△51飛▲64歩△同歩▲24歩△同歩▲同飛
 いやあ、言葉が出ない…なんという遠大な構想、序盤からの謎が一気に解けた気がして、ちょっと鳥肌ものの一手でした。3手目の▲25歩と角交換で生じた△33桂の2筋の形、そして後手が中飛車となる形、これは序盤で三浦さんの描いた絵で、76のスペースも三浦さんが作った構想。そしてこの角の打ち込みで、次に▲64歩が入ると△同歩▲43角成△同金▲32銀と打ち込んで、先手からの2筋突破が受けにくいという事ですか。2筋を先手が利した局面で中飛車に来られても、この角打ちで2筋と5筋を同時に物にすることはムズカしいという大局観?三浦さん、これはすごい大局観だよ…

△56歩
 しかし、ここからの久保さんの切り返しが凄すぎました。なんという垂れ歩、こんなのちょっと指せない…というか、思いつきもしなかったです(^^;)。この手を思いつく事ができたらアマ何段ぐらいあるんでしょうか。取れば△38角打、そこで▲57金と下がれば△45桂と跳ねだして狙われそうな後手左辺の駒が大体捌けて、▲46金なら△45歩ですか。いやあ、△38角打ちが直接手じゃないだけに、これは見えづらい。。というわけで、この垂れ歩を取ると後手の攻めが速くなってしまうのでとりにくい…

▲85歩△同歩▲43角成△同金▲22飛成
 というわけで三浦さん、後手大きな利かせとなった56の歩を放置して攻め合いに踏み込み!この将棋が始まる前からの狙いだっただろう76の角を切った後の桂頭の弱点を消すべく、桂の跳ね場所を作ってから、角を切って代償に龍を作りました!

△13角▲32龍△21角▲23龍△42金
 うおお、なんという切り返し!!なるほど、これがあるから▲76角に対して直後に△51飛が指せたのか。。しかも42に金を引いたところで角筋ががら空きの先手玉頭に直撃じゃないですか…。うまくいったと思った時って、成功したという思い込みが強くて、まずいと思って考えている時に比べると、攻めの継続手ばかり考えてしまって守りの読みが浅くなったりしますよね。野球でもこう着状態から先制点が入ると、あれほど守り抜いていた筈なのに裏にすぐ逆転されてしまう事がありますが、似たような心理なのかも。なんという勝負の綾、とてつもなく壮大な構想を成就させ、成功したと思ってふみこんだ三浦さんの攻めを逆用するという。。△21角~△42金が入ってしまうと、さっきの▲85歩△同歩は完全に余計。という事は、この順は三浦さんには見えていなかったという事で、ここは久保さんが一枚上だったかも。いやあ、ものすごい中盤でした。。
 そしてこの反撃の2枚の自陣角が攻防の決定打、三浦さんは暴れに行きますがダメ、最後はきっちりとどめを刺されて122手にて後手久保さんの勝ち!!

 いやあ、序中盤の構想は先手三浦さんが見事、しかし中終盤の勝負どころでは久保さんが見事な将棋でした。中終盤の激しい所になると、さすがは王将というか、久保さんの方が何枚か上に見えます。この対局だけでなく、最近の久保さんと三浦さんの棋譜を見るとそんな感じがするし、この対局も中盤の踏み込みの権利は先手にあったと思うので、2枚の自陣角どころか、垂れ歩を成立させたその前の△51飛以下の順も久保さんが読みが勝っていた感じがしました。今、中盤が凄いなと思う棋士は、羽生三冠と久保王将と康光さん。弱小のアマチュアから見てもそう感じるんだから、実際の差は想像以上なのかも知れません。それにしても、すごい将棋でした。おもしろかった!

第28期女流王位戦 第4局 伊藤沙恵 vs 里見香奈 (相振り飛車)

 女流王位戦第4局は、やっぱり相振り飛車。居飛車党で相振り飛車の勉強を1秒もした事のない僕は、序盤がまったく分からず、これは観ても自分の棋力アップには繋げられないなと思っていたのですが、終盤が超絶に面白かったです!

20170607女流王位28-4_伊藤沙恵vs里見_相振96手 96手目盤面図は、寄せ合いになった終盤戦。先手は詰めろにはなっていないですが、しかし飛車詰めろで、飛車が抜かれると金駒の守りがまるでいないのでいきなり大ピンチ。でも先手も後手玉に迫っていて、金桂香を質駒にしています。ここからの先手伊藤さんがすごかった!

▲83歩△同玉▲33角成△同金
 うおお、ここで角を切って桂を補充しました!なるほど、▲67銀と受けて△83銀と飛車を抜かれては勝ち目がないとみたんでしょうか…いやいや、それに対して▲76銀の角の確保で先手が手番を握れるじゃないですか。という事は…ああああ、これは受からないとみて攻めに転じたんじゃなくて、決めに行ったのか?!

▲75桂△82玉
 後手玉を上から押さえました。代えて△74玉と逃げてしまうと▲61飛成で金を補充した手が▲63銀からの詰めろなので、玉頭を押さえられるところまでは僕でもわかるんですが…いや~これ寄ってるんでしょうか?仮に寄っていないとして、先手玉はどれぐらい危険なんでしょうか。いや~、僕の棋力では読み切れない、むずかしい(^^;)。。

▲84飛
 うおおお、▲83銀ではなく飛車を走ったあああ!!ここで△83歩は▲61飛成で金を補充されてから下から寄せられてしまうので玉を躱す一手ですが、△92玉ではなく△93玉と飛車取りにぶつけられたらどう指すんだろうか…

△93玉
 ですよね(^^;)。。しかしここで先手がどう指すんだろうか、飛車切って寄る順なんてないよなあ、歩で支えて攻めを切らさないようにするのかなあ、でもそれだと飛車を渡した上に手番を後手に渡してしまうぞ。。

▲86飛△85銀▲同飛△同角
 凄まじい攻防の続いたこの終盤の中でもいちばん驚いたのがこの3手でした。だって、▲86飛と引けば△85銀と押さえてくるのは目に見えてますよね。こんな難しい順じゃなく、▲85歩と支えるとか、▲85銀で飛車を支えつつの角銀交換を狙うとか、▲64飛と避けてから次の▲84銀を狙うとか、シンプルだけど悪くなさそうな手はいくつもあったと思います。しかしこの順、合駒請求してからの飛車銀交換に行ってますよね?いやあ、これはなんか狙ってるんじゃないか…

▲61飛成
 金を拾ってさらにふみこんだ!これは…えっと…ああなるほど、▲81龍~▲83金の詰めろになってるんですね。いや~しかしこれはおっかない、ここで手番が後手に渡ってしまいます…

20170607女流王位28-4_伊藤沙恵vs里見_相振118手△86角▲77桂△88飛▲78歩△75角▲85桂△同飛成▲71角△82銀(118手目盤面図)
 △86角は里見さんが23分考えてから放った寄せの入り口。しかし合駒を角にあてたり、退路封鎖をしたり、色んな事をやって伊藤さんは凌ぎます。里見さんも寄せつつ玉の攻め駒を抜き、勝利を手繰り寄せていきます。そして…

▲76銀
 うわああ、これは執念だ。。
タダ捨ての龍角両取り、しかしこれを龍で取って8筋からどくと、▲72龍が次の▲82龍を見た詰めろ。

△同龍
 うあああ、里見さん、終盤の貴重な時間を使って考えた末、この銀を取ったあああ!!ここで踏み込むとは、さすがに読み切ったかな(^^;)。いや~、すごい終盤戦でした、おつかれさま。

▲72龍△57角成▲同玉△45桂▲46玉
 うああああ、これは逃したんじゃないか?先手大逆転だあああ!!この数手後に里見さんは投了。伊藤さん、負ければ敗退の大一番で執念の大逆転勝利!!勝ち星を2勝2敗に戻しました!!

 いや~、大逆転とはいえ、それはプロの解説がついていたから僕には逆転と分かったんであって、96手目から投了となる135手までの約40手のあいだの終盤は、僕にはどっちが勝っているかじぇんじぇん分かりませんでした。先手の方が苦しそうには見えましたが、でも先手は質駒をいっぱいつくってましたし後手は玉飛接近形なので攻防手も色々ありそうでしたし、なんともスリリングな終盤。最後の最後で飛び出した119手目▲76銀、これに里見さんは「龍を抜かれた上に玉の頭を押さえられたらさすがにヤバい、寄せないと」と焦ったんじゃないでしょうか。しかも、なんかよりそうな形でもありましたしね。いや~、これはすごい終盤でした(^^)。

第28期女流王位戦 第3局 里見香奈 vs 伊藤沙恵 (相振り飛車)

 女流王位戦、棋譜中継を仕事の合間にチラ見していました。開始早々指し手がパンパンと進んで、あっという間に相振り飛車に。アチャ~、純粋居飛車党のボクは相振り飛車はまったく分からないんです(T_T)。いつかは棋書の1冊でも読みたいもんですが、今は相居飛車の課題が山積み。困ったもんだ(^^;)。

20170531女流王位28-3_里見vs伊藤沙恵_相振34手 将棋は駒組みの途中でこんな感じでした。いや~、相振り飛車を全然知らないもんで分からないんですが、後手の駒組みってド素人から見るとバラバラにしか見えないんですが、でも相振りって、居飛車党からすると壁形に見えて仕方ないような変な組み方をする時もあるし、こういう組み方もあるのかなあ。先手は右辺は美濃でガッチリ囲って左辺は石田に変化できそうで攻めっ気満々、攻めも守りも準備万端で遊び駒がなさそうに見えます。一方の後手は右辺の銀や香が遊んでしまいそうな気が…矢倉や美濃や穴熊にガッチリ囲ってから戦いたいボクは、金無双や船囲いや雁木ですらイヤでして、ましてこんな駒組みなんて怖くて指せません(^^;)。これでバランスが取れているのかなあ、相振り飛車はムズカシイな…。

 この後、やっぱり後手はまとめるのに苦労して、先手は自然な手を積み重ねていくだけで模様がどんどん良くなっていく感じでした。ただ、先手を指していたのが里見さんですからね、里見さんが強くてそうなってしまったのかも知れないし、34手目の駒組みが実際にどういう状況だったのかは、僕には分かりません。将棋は結局里見さんが一方的に攻め倒し、89手にて先手里見さんの勝ち!

今日の感想は、里見さんはやっぱり女流ではぶっちぎりで強いという事、相振り飛車はシロウトが観戦するには難しすぎたという事、そしてボク程度の棋力の人間はやっぱりガッチリ囲ってから戦うべきだな、という事でした(^^;)。。

プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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