第27回世界コンピューター将棋選手権 elmo vs Ponanza Chainer (力戦)

 コンピューターどうしの対局、久々に観ました。ここ数年コンピューター将棋のトップに君臨しているポナンザというソフトが、ハードも強烈、予算も強烈、プロジェクトもガッチリ、ディープラーニングなんてやっちゃって今までも凄かったのに今回のバージョンは今までとは比較にならないほどスゴイ・・・との事で、今ってどういう棋譜を残すんだろうと思って見てみたら、elmo というソフトに先手番でも後手番でも叩きのめされてました(^^;)。。特に、本戦のelmoとポナンザの一局は、まったく異次元の棋譜。とくに中盤は、すごいとかなんとか以前に、ボクの棋力では指し手の意味すら分かりませんでした(^^;)。角の打ち場所、歩の突き捨て場所、飛車の引き場所・・・もう、これは僕が知っている将棋とは別もんです。。

20170505 世界コンピュータ27 elmo vs Ponanza81手20170505 世界コンピュータ27 elmo vs Ponanza119手
 理解できる範囲で面白かったのは終盤。終盤は、面白いと思った事がふたつありました。ひとつは、コンピューターが寄せに出ても詰まないという事があるという事。プロも他のソフトも寄せ付けないというPonanza が踏み込んだ以上は寄ってるんだろうな・・・と思ったら、なんとelmo が受け切ってしまいました。いや~、コンピューターの寄せを受け切る事が出来るんだというなんともアホな感想をもったボクですが、あれって寄ると思って踏み込んで寄らなかったのか、寄せに出たわけではなくて最善手が踏み込む事だったという判断だったのかは知りたいです。後手が先手陣に襲い掛かりにいく直前が81手目盤面図で、後手は桂得ですが角が助からない状況、しかし飛桂が絶妙な位置にいて端も詰めている局面です。この81手目盤面図を人間だったらどう形勢判断するでしょうか。アマなら「角を犠牲に駒の利きを主張できるように出来れば後手有望、そうできないなら先手十分」ぐらいな感じ?そして後手は△97歩と仕掛けて角に最後のひと働きをしてもらいに行きましたが、その結果が119手目盤面図。金香と飛角の交換の形ですが、そんな事より後手の攻めが切れ、先手は襲い掛かる状況万全という駒の働きを見ると、アマチュアの感覚だとこれは先手良しと思えてしまいます(いや、実際には分からないですよ^^;)。仕掛けから一段落までは38手あるんですが、プロどころかアマでも直線30手ぐらいは普通に読むので、コンピューターなんてあたりまえのようにこの辺までは読んでいるんでしょうが、だとしたらよると思って寄せられなかったというより、角を最後に働かせに行ったという事なんでしょうかね。だとしたら、実は81手目の段階でコンピューター的には先手後手とも先手がちょっと良いと思っていたのかも・・・という事は、その前までの形勢判断力に差があったという事?・・・いや~シロウトはなはだしいボクには分からないことだらけです(^^;)。

 終盤でもうひとつ面白いと思ったのは、序中盤と違って、終盤だけはコンピューターの指し手でもなんとか理解できるという事。プロになったらまた別だと思いますが、僕ぐらいの弱小レベルだと、もしコンピューター将棋を参考にするなら、終盤がいちばん参考にしやすいのかもと思ってしまいました。逆に言うと、将棋でてっとり早く棋力を上げたいなら、終盤は即効性があるんだろうな・・・と思いました。だって、あの中盤を理解できるようになるのは並大抵じゃないでしょうし、中盤はコンピューター将棋は異次元過ぎて参考にしづらい。。それにしても、コンピューターの受けが凄かった・・・僕ならあきらめている局面でも受かっているものなんだなあ、今後は負けそうな終盤もがんばって粘ろう。。

 人間同士にせよプログラム同士にせよ、同条件で戦うゲームには構造的な面白さがありますね。僕はファミコン世代人間なので、これまでゴマンとゲームをやってきましたが、インベーダーでもウィザードリィでもスーパーマリオでもワンダと巨像でも、「等条件で争うゲーム」以外は、けっきょくいつか終わってしまうんですよね。でも、将棋や野球やサッカーはそういう事がありません。将棋が究極的には引き分けになるゲームなのか勝敗の確実につくゲームなのかは分かりませんが、まだ引き分けになるかどうかはわからない今の段階では、最強同士の機械が対戦しても、仮にそれがまったく同条件のプログラムであっても、どちらかが負けるというのが、構造的に面白いです。しかも、同条件のソフト同士で対局させたら先手勝後手のどちらかが大きく勝ち越しそうなもんですが、先手後手でそれほど差がないらしいですよね。いや~、オセロでも囲碁でもチェスでも先手後手の優劣がはっきりしているというのに、将棋というのは恐ろしく良く出来たゲームだと思います(^^)。


第75期名人戦 第3局 佐藤天彦 vs 稲葉陽 (力戦)

 今回の名人戦、面白いです。序盤早々でいきなり変化、力戦になる将棋が続いてます。3局とも手数自体は決して長くないのですが、定跡の使えない&手の広い局面がずっと続くので、深く読むだけでなく広く読む必要があって、見ていて引き込まれてしまいました(^^)。それにしても、稲葉さんから何度も鋭い手が飛び出しましたが、これは強い。。

20170501名人75-3_佐藤天vs稲葉_角換わり力戦9手 名人戦第3局は角換わりに進むかと思いきや、先手の天彦名人が9手目で変化!これで力戦、角換わりというより相掛かりのような将棋になりました。さらに、角が向かい合った形の駒組み段階で天彦さんが▲56歩と突き(いや~、信じられない…)、稲葉さんがそれを見て角交換。以降、名人は空いた56への打ち込みのケアと、角打ちをケアして飛車と右金の動きが制限され、とにかく指しにくい将棋に。以降は、名人がひねり出した一見良さそうな手を、稲葉さんが強い手で切り返してしまうという連続。早指しだったらまた違うんでしょうが、名人戦みたいな長時間の将棋の場合、なかなか勝負手というのを通させてくれないですね(^^;)。終盤も名人が盛り返したかと思ったところで、稲葉さんの見事な切り返し!結果116手にて後手稲葉さんの勝ち、2勝1敗とリードしました!

 名人が、序盤から次から次に自分だけ指し手が難しくなりそうな手を連発してでも角換わりを避けに行った理由が分からないんですが、それだけ今は角換わりの先手は指したくないという事情があったのかなあ。たしかに、今は角換わりも矢倉も横歩も急戦調のオソロシイ形が結構ありますし、プロの研究勝負の戦いのなかで、ボクみたいなヘタクソではとうてい推し量れない駆け引きがあるのかも知れません。それにしても、「角交換に5筋は突くな」を教えられたような一局でした(^^)。


第24期倉敷藤花戦 第3局 里見香奈 vs 室谷由紀 (相振り飛車)

 あれ?今日はNHK杯はお休み?でも、今日は倉敷藤花戦とどっちを見ようか迷っていたので、迷わずに済んでいいや…。

 昨日今日と、里見さん強い!!女流ではちょっと図抜けている感じです。しかし、今日は室谷さんも素晴らしかった!明らかに悪い形で終盤に入ったのに、簡単に寄せさせません。玉の上部脱出を狙った88手目から、50手を超える見事な粘り!素晴らしい終盤戦、攻める方も受ける方も、好手が何度も飛び出していました。いやあ、室谷さん、負けたけど素晴らしいわ…。里見さんの中終盤は女流では抜きんでているのでしょうが、しかし室谷さんの終盤力も、女流でトップ集団のひとりに入るんじゃないでしょうか。俺だったら、室谷さんに終盤で超簡単にひっくり返されてたな(^^;)。しかし将棋は難しいですね、序盤研究が良くても終盤力が凄くても中盤が優れていてもそれだけでは駄目で、全部がバランスよくないといけないというのが、このシリーズを見ていて痛感させられました。

 今年は、自分でも倉敷に行ったし、今年の倉敷藤花戦は面白かった!!室谷さん、ここ数年で、見事に女流のトップグループに食い込んだと思います。それでも、ひとりだけとんでもない強さの化け物がいるので、「いずれタイトルを取る」とは言えない所が(゚ω゚*)…




第66回NHK杯 糸谷哲郎 vs 渡辺明 (力戦)

 今日のNHK杯は現竜王と前竜王の対決という好カード!絶対見ようと思っていたのですが、ちょっと寝坊してしまいました(^^;ゞイヤァ。でも、ちょっとなんです。たぶん、対局が始まってから10分ぐらい見逃しただけだと思うんですけど、テレビをつけたらすでに激しい中盤戦、大喧嘩でした(^^)。お互いに早見え早指しだからなあ。。初手からやってくれた感想戦を見たら、少し変わった矢倉模様から先手糸谷さんが5筋の位を取り、先手から急戦調でつっかけて力戦になだれ込んだみたいでしたが、この将棋は最初から最後までずっと面白かったです!

 糸谷さんは後手陣を破るかカウンターを喰らうかという山場でも、一貫して攻め。強い手を選び続けてました。いや~、この時にいやな叩きをバンバン挟んでたんですが、これアマなら瞬殺されちゃうんじゃないかと。しかし、この糸谷さんの波状攻撃の手に乗りながらカウンターで手を作ってしまう渡辺さんが凄かった!先手糸谷さんの飛車を6筋に振っての構想は、下手すると糸谷さんの圧勝になるんじゃないかとも思ったんですが、とんでもない。カウンター一閃からはぐうの音も出ないほどの一気の寄せ、渡辺さん完勝!

 それにしてもふたりともものすごい早見えですね、感想戦ですらふたりして超高速、ついていけませんでした(゚ω゚*)。意外だったのは、見ていてすごくイヤだと思った糸谷さん▲34歩の叩きが、むしろ後手の攻めを呼び込んでしまったという事。損になる手とは思えなかったし、戦場を後手にうまいことこう着状態にされてしまった以上、歩で後手陣を乱しておくのは当然と思ったんですが…囲い切らないままの急戦は、駒の交換にせよ相手の駒を浮かせるにせよ、自陣にかなり神経を使いながらになるので、大局観が難しいです。

 それにしても、序盤から最後まで派手で激しい攻防となったこの将棋、最高に楽しかったです。今期のNHK杯は2回戦で好カードが結構あるので楽しい(^^)。。


第66回NHK杯 石井健太郎 vs 谷川浩司 (相振り飛車)

 次の東京オリンピック、利権まみれの最低最悪の状況をすでに呈していて、うんざりです。予算が当初の6倍って、どんだけガメてんだよ。それから、オリンピック組織委員会の年間の維持費が116億円、事務所賃料だけで月39000万円って…森元首相にしても升添元都知事にしても、なんでこういうことを厚顔無恥にできるんだろうか。老いてなお醜い自己中心的な考えの人が権威におさまっていたら、なん100年たっても貧しさに苦しむ国や人が救われる世界なんて来ないだろうなあ。持っている人がもっと稼ぐことを考えるんじゃなくって、皆が幸福になる世界システムを考えて実行しないと、どうにもならないのかも知れませんね。テロも犯罪者集団もファベーラも永遠になくならないでしょう。愚かなり、金の亡者。

 そんな事を考え始めたら、オリンピックを見る気が失せてしまった、選手に責任はないのにね(^^;)。こんな日は将棋でもみるか!!今日の対局は若手棋士の石井さんと光速流の谷川会長。谷川さん、1回戦では光瑠さんを倒すという見事な勝利!僕がプロ将棋を見始めてから、NHK杯であまり勝ちあがれていないので頑張ってほしいです。そして対局は…後手谷川さんが三間、対する石井さんは二間飛車、相振りだあああ!!これはまったく分からない世界になってしまいました。こうなると、丸山さんの解説にすがるしかありません。そうそう、先週行われた竜王戦の挑戦者決定戦の第一局での丸山さんの中終盤は凄まじかった!!「うわああ、すっげえええええ!!」と声が出ちゃいました。今年見た将棋の中でも、トップ3に入る名局じゃないかと思いました。ああいう豪腕を見せてくれるから、僕は丸山さんの将棋が大好き。そんな丸山さんの解説によると、こういう将棋の序盤研究は、石井さんが一番詳しいんじゃないかとのこと。そういえば、振り飛車の定跡書を書いていましたね。。そして将棋は丸山さんの話の通りに進み、序中盤でリードした石井さんがそのまま押し切り、単手数で石井さんの勝ち!!谷川会長、残念。。でも、谷川さんより下の世代の羽生世代に陰りが見えてきてるぐらいなんですから、これは仕方ないですね。むしろ、若手棋士が成長してくるのは、将棋界にとっていい事なので、それを喜ぶ事にしよう(^^)。振り飛車党の人にとっては、石井さんみたいな人が伸びてくるのは、嬉しい事なんじゃないでしょうか。プロ棋士の相振り飛車の棋譜、僕もいっぱい見てみたいです(できれば解説つきで^^)。。
 

プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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