序盤定跡、最低量で済む勉強方法とその最良手順を考えてみる

 「序盤定跡の勉強法」をキチンと整理しようと構想しておきながら、着手できずに早100日(^^;ゞイヤァ。。しかし、ゴキゲン中飛車対策がひと区切りの所まで来た今こそ、序盤定跡の勉強手順を再考する良い機会かも知れない。そうに違いない。

 もうすぐ将棋歴2年になる僕ですが、序盤定跡の勉強が全然終わらない(=_=)。終わらないんですが…それでも何も知らなかった頃よりは少しだけ分かってきた事もありまして、「あれを先にやるべきだったな」とか「これはぜんぜん後回しでよかったな」とかいう事が大量にある。う~ん、最短に効率化したら、僕は23か月の定跡勉強のうち、7~8か月はショートカット出来たんじゃなかろうか。

 で、今後のスケジューリングも含めて、理想はこうだったのかも。あ、あくまで完全居飛車党目線でのハナシです。振り飛車は、相振り飛車が全然未知の領域で、まったく分かりません…。

(基本的な構想)
・序盤定跡はとにかく大量!ザックリひと通り回るだけで半年ぐらいは余裕でかかる、ちょっとでも丁寧にやろうとすると3年はかかる事が判明。というわけで、とにかく避ける事の出来る戦型は全部避け、自分の指す戦型を最小限に限定する!!
 →これ、最初からこのように構想していたつもりだったんですが、なにせ将棋をまったく分かっていない所から始めたので、何を省く事が出来るかすら分かりませんでした(;_;)。1年半前の自分に教えてあげたい事がいっぱいある…。。

・居飛車を指すなら、相居飛車と居飛車vs振り飛車の対抗形を考える必要がある。「避ける事の出来る戦型は全部避ける!」という観点からすると…

(序盤定跡の手抜きリスト)

矢倉:全部避ける!
   →急戦、本組みとも、けっこうそれなりに時間を費やして勉強してしまった…。これ、後回しでもよかったなあ。
    特に急戦定跡を避けられるとしたら、これは大きい。というわけで、ここで方針転換。
    新手チェックはお休みして、その時間を他に回す( ̄ー ̄)。
相掛かり:全部避ける!
   →これは計画通り、ほとんど勉強せずに来れました( ̄ー ̄)。
    でも…矢倉と違って、横歩を指すなら本当は避けられない気が…。
角換わり先手番:やる!
角換わり後手番:やる!
後手番一手損角換わり:やる! →しかし、ザックリとしかできてない…。
横歩取り:やる!
    △33角戦法での先手番は出来れば青野流に限定したいが、詳しい棋書が見つからない…。
対ノーマル四間飛車:急戦は手抜き、持久戦限定で勉強!
   →急戦の勉強に結構な時間を費やしてしまった(^^;)。
    でも、対藤井システムで役に立ってる気もするから、まあいいか。
対四間飛車藤井システム:やる!でも、遭遇機会が少ないから優先順位は低めか。
対角交換四間飛車:やる!
対後手番ゴキゲン中飛車:やる!でも一直線穴熊以外を手抜き
対先手番ゴキゲン中飛車:やる!でも一直線穴熊以外を手抜き、しかも後手ゴキ中対策を応用して間に合わせ( ̄ー ̄)
対石田流急戦:これは本気でやる!やらないと即死!
対石田流本組み:やる!けど、深くやってないのにまずまず対応できているので、後回しか。
対ダイレクト向かい飛車:やる!けど、これも遭遇しなくなってきたから、優先順位低め。

 う~ん、この手抜きリストを、序盤定跡を始める前の俺が作る事が出来ていたら、もっと楽出来たのに…。いやいや、それは不可能ですね。「居飛車党で行く!」と心に決めておきながら、よもや居飛車の代名詞ともいえる矢倉を手抜くなんて、初心者に構想できるわけがないよなあ…。というわけで、現時点で考えた最良の勉強手順を考えてみると…

(序盤定跡の勉強手順:ベーシック編)

①対ノーマル四間飛車:持久戦に限定、対四間飛車(持久戦):『四間飛車破り 居飛車穴熊編
②対ゴキゲン中飛車:先手後手とも一直線穴熊に限定、『中飛車破り 一直線穴熊徹底ガイド
③対石田流:特に対早石田対策は速い段階で対策しないとダメ。
   というわけで、急戦も持久戦も一冊で学べる『佐藤康光の石田流破り
④角換わり:棒銀、早繰り銀、腰掛け銀、後手一手損まで一冊で学べる『よくわかる角換わり
   しかしこれで勝てるようになると思ってはいけない…。
⑤横歩取り:これが大変。マジで大変。
   多分、『よくわかる横歩取り』と『羽生の頭脳5 横歩取り』の△33角戦法の所以外は最低限必要。
   特に横歩△45角戦法は、定跡を知っていないと即死級。詰みまで研究して覚える!!
   でも、それでもまだ入り口に立っていないぐらいの所なのかも…。
⑥ダイレクト向かい飛車:本格的な対策は大変。でも、知らないと瞬殺。
   というわけで、基礎的な対策だけ『現代将棋の思想 一手損角換わり編』の5~6章で押さえておく

 経験から言うと、序盤勉強に1日1時間ペースで行くと、棋書1冊を読むのにほぼひと月。つまり、ここまでで半年ぐらいで来るわけですね。それは素晴らしいペースだな。ああ、「この順で勉強しろ」と、2年前の俺に言ってやりたい…。
 将棋の勉強を始めたいというのであれば、序盤定跡に関しては、とにかく半年はガンバって、ここまで身につける!そうすれば、中級相手でも何とか勝負になる!…気がします(^^;ゞ

(序盤定跡の勉強手順:セカンドステップ編)
 ベーシック編まで終われば、石田流本組みの本格的な使い手を除いては、対振り飛車戦はそんなに怖くないんじゃないかと。問題は、まだ手をつけていない戦型と、相居飛車。特に相居飛車戦は、矢倉を使わないとなると、自分だったら大きく負け越していたんじゃないかという気がします。この辺が、セカンドステップでの課題…になるでしょうか。

⑦角換わり先手棒銀:とにかく、居飛車戦での角換わりは、定跡を知っていれば先後ともドル箱戦法に出来る!もし矢倉を基本拒否するのであれば、相居飛車は横歩か角換わりのどちらかは得意にしないといけなくなりますが、序盤定跡で勝とうと思うのであれば、横歩よりも角換わりの方がやりやすいんじゃないかと思います(ただし、中終盤力に自信がある方は、角換わりではなく横歩の方が性に合うかも)。というわけで、勉強してもきりがない横歩取りは中終盤力に頼って後まわし(^^;)、角換わりを磨く!で、角換わり棒銀の定跡、これは原始棒銀に並ぶ「これぞ定跡!」という感じのものなので、絶対に極める!!既にやったはずの『よくわかる角換わり』を片手に、『最新棒銀戦法』の角換わりの章だけ読む!これだけで完璧( ̄ー ̄)
⑧角換わり相腰掛け銀:矢倉を指さないなら、相腰掛け銀をドル箱戦法にする必要があります。
   『これからの角換わり腰掛け銀』、これが大名著!しかしかなり難しいので、2~3か月はこの本と悪戦苦闘する覚悟で。
⑨角交換四間飛車対策:角交換四間飛車破り 必勝ガイド
   僕が勉強した頃はまだこの本が出ていなくて、『角交換四間飛車 徹底ガイド』で勉強しました。
   どっちでもいい気がします。とにかく、角交換四間を指す人が最近多いので、▲66角や▲47銀といった主要筋を覚えておく。
⑩横歩取り△33角戦法:横歩は進化が速い!1~2年でどんどん主力筋が変わっていく!
   しかし横歩で勝つには、やっぱり△33角84飛型で勝たない事には始まらないのでは、というわけで…
   『現代横歩取りのすべて』という本が出ていて、なんか良さそう。
   でも、僕がお世話になったのは『長岡研究ノート 相居飛車編』。
   あくまで勘ですが(^^;)、まずは『長岡~』を読むべきである気がします。

 角換わりを主力戦法に据えると言っておきながら、矢倉を避けるための命綱となる一手損角換わりをマジメに勉強して無い(^^)。それは、『よくわかる角換わり』のわずかな知識を頼りに、正調角換わりと、先手番から一手損して後手番角換わりと同じ状況にするという強引な方法で乗り切る…というのは、強引な発想でしょうか(^^)。
 あと、もし『羽生の頭脳』を読んでも横歩急戦に苦しんでいる場合は、『横歩取り超急戦のすべて』という本があって、すごく評判がいいです。△44角戦法なんかは『羽生の頭脳』には出てないですからね…でも、中終盤力があれば、定跡というよりも中終盤力で勝てる気も(^^;)。
 ここまでで、1年~1年数か月、という感じでしょうか、いやあ、これは素晴らしい勉強プランの気がする(^^)。

(序盤定跡の勉強手順:サードステップ編)
 ドル箱戦法を作るべきか、穴を埋めに行くべきか。…将棋って、勝った時のうれしさは素晴らしいのですが、負けた時の悔しさがとにかくキツい。「なんで趣味で嫌な思いをしなきゃならないんだよ…」という思いを何度も味わった僕としては、穴埋めが先…かな。となると…

⑪石田流対策:『よくわかる石田流』、『石田流破り 左美濃徹底ガイド
   ショートカットするなら、『よくわかる~』を手抜く手もありそうです。
   逆に丁寧にいくなら『石田流の基本 早石田と角交換型』と『石田流の基本 本組みと7七角型』、
   あたりを追加する手もあるかも。というか、追加で書いたこの2冊、かなり素晴らしい本です。
⑫藤井システム対策:『杉本昌隆の振り飛車破り
   タイトルからは想像しにくいですが、半分ぐらいが藤井システム破り。
   持ってるんですが、ザックリとしか読んでいなくて、藤井システム対策最良本であるかどうかは分かりません。
   もっと良い本があれば、それでもいいかも。東大将棋のアレに手を出すか、あるいは本家藤井さんの本から学ぶか…。
⑬一手損角換わり:『後手番一手損角換わり戦法
   角換わりをドル箱戦法にするためには、一手損をものにしなくてはなりませんが、棋書が少ない(>_<)。
   糸谷さんの書いた『現代将棋の~』は、最も新しい一手損角換わりの本なのですが、ちょっと書き方が変わっていて、普通に初手から並べていって分岐して…というような学び方をしにくいです。というわけで、説明が素晴らしすぎる青野さんの本から入った方がいいんじゃないか、という判断です。

 いやあ、矢倉拒否の居飛車党になると、これだけ省略できるのか、すごいな…。あとは、ノーマル四間飛車にまだ手こずるようなら『四間飛車激減の理由』を追加する、みたいな感じでしょうか。

(その後の勉強)
 居飛車党でありながら矢倉拒否…なんていう計画に賛同してくれる方がそんなにいるとも思えませんし、自分自身は矢倉を思いっきり指すので、本当に矢倉を全面拒否して指す事が出来るのかどうかも分かりませんが(^^;)、しかし「いち早く強くなる!」為に、序盤定跡の勉強を少しでも減らすなら、こんな感じかも。で、ここまで来たら、あとは弱い所を補強する、矢倉に着手、相掛かりに着手、いい加減で終わっている横歩△85飛型対策をする、中飛車破りを超速▲37銀に入れ替える、ダイレクト向かい飛車対策に本気で取りかかる…などなど、上積みしていく勉強に切り替えられるんじゃないかと。それこそ糸谷さんみたいに、矢倉を指さない居飛車、なんてやり方で最後まで行ったっていいわけですしね。僕は矢倉が好きなので、一生矢倉を指さないというのは避けたいですが、場合によってはそれもありかも。

 最低の序盤定跡の勉強量で…というのであれば、こんな感じのプランが最良に近い気がします。今の僕は…おお、色々と寄り道をしまくったけど、ザックリいえばサードステップ入口ぐらいか、悪いペースではないな( ̄ー ̄)。。

序盤定跡の進化に追いつくには

 え~っと、「序盤定跡の勉強、の前に…」の続きです。というか、それ以前に、最近、将棋の序盤定跡の勉強法を若干変更しまして…。

 マジメに将棋の勉強を始めた時の最初の目標は、初段到達でした。伸び悩んだり、人から貴重なアドバイスをいただいたりしながら、何とか初段に到達したのは勉強を始めてから11か月ぐらいの時。しかしその時点で、やらないわけにはいかないのに手つかずの宿題が山積み状態(T_T)。特に序盤定跡が全然追いつかない。。しかし、プロになるわけでもないし、目標の初段にもなんとか到達できたしという事で、以降はじっくりと勉強をしていこう、と方針を変えました。それが今年のアタマぐらい。
 しかしですね…この「ゆっくりでいいので一歩ずつ、ぜんぶマスターしていこう」という方針は、実は実現不可能な方法だったんじゃないかと、最近思い始めました。

(今までの方針)
・第1段階:戦型ごとの定跡の大雑把なマップを頭の中に作る
・第2段階:段位者向けの棋書をきちんと隅々まで覚える
・第3段階:プロの棋譜で、今までにない変化を潰していく

 上の勉強手順、自分では正しい方法だと思ってやってきたんですが、大きな問題がふたつ発生してしまいました。ひとつは、定跡書に出てこない変化を指され、しかもそれが有力手だと、その穴がいつまでも埋まらない。もうひとつは、この方法って、第3段階まで進んだところでようやく実用的になるんですが、すべての戦型が第3段階までたどり着くという時というのが、ものすごく遠い未来になってしまう。自分が定跡をマスターするスピードより、定跡の進化の方が速いのです。
 というわけで、少し前から序盤の勉強法を微妙に変えてみました。

(マイナーチェンジした勉強法)
・第1段階:戦型ごとの定跡のマップを本で確認するけど、細かくは覚えない!(時間がかかるから)。
 で、自分に選択権があり、かつ自分が踏み込まない変化はガッツリ切り捨てる!
・第2段階:自分が指すことになる変化は、段位者向けの本も、プロの棋譜も総動員してメチャクチャ調べて覚える!
 本に書いていない変化も、有力そうなものは研究して対策する
・第3段階:プロの棋譜と自戦の感想戦で、今まで対策出来ていなかった穴を潰す

 ふたつの問題を解決するために、1を手抜いて2に力を入れる、という事ですね。今までみたいに1に力を入れ過ぎていると、時間的に間に合わない。
 勉強の絞り込みは、実際に起きた不具合への対応でもあります。例えば、横歩取り。横歩は、今年の前半に、角換わりとともに相当な時間を費やして研究しまくったんですが、「よし、これで横歩は先手番でも全員返り討ちだ!!さて、角交換四間飛車対策に進むか…」なんて思っているうちに、もう横歩の定跡が進化してました(T_T)。この状況を、僕の将棋に費やすことのできる時間から逆算するとですね…絶対に研究が追いつきません。プロみたいに時間があればとも思いますが、これは論理が逆で、プロの持ち時間とプロ棋戦の対局数に合わせて、定跡の進化のスピードが決まっているのでしょうね。このスピードに、片手間で将棋をやっている社会人が追いつけるはずがない。この勉強時間の差という壁は、どれぐらいやる気があるかとか、どれぐらい頑張れるかとかいう根性論で越えられるようなものではなくって、もっと具体的な対策が必要だと思いました。結論は単純なもので、自分の指す戦型をなるべく限定して、それ以外のものを切り捨てる、これしか方法はないんじゃないかと。横歩△33角戦法を例にとると、先手では極力避ける、指すとしても先手に戦型選択権のある青野流に絞る、後手の時は△23銀からのひねり飛車に指し手を絞り込む、みたいな感じ。ゴキゲン中飛車対策も、本当なら超速▲37銀を指せるのが理想だと思うのですが、とにかく変化が多すぎるのでこれは捨てて、勉強が追い付くまでは多少勝率が落ちても一直線穴熊に絞る(←まさに今ここ。ずっと一直線穴熊で戦ってきたのですが、勝率があまり良くないので、ただ今序盤システムを開発中)。逆に、自分が踏み込む変化に関しては、定跡書に出ていようが出ていまいが、調べるなり研究するなりして潰す!序盤勉強のメリットというのは、まさに序中盤で「ルートAとされたらこうすればオッケー」というのを調べておくことにこそあると思うので。。

 今までの僕は、棋書に出ていない変化を指されると、序中盤から毎度毎度ウンウン唸りながら考えまくってました。だから早指しは全然ダメだし、しかも積み重なるものがない。このマイナーチェンジで、同じ勉強時間でありながら勝率は大幅にアップ!!って事になるといいなあ。。…甘いか。

定跡と勝敗の因果関係

 先日、「たまに24で観戦しても定跡通り進んでいるものはほぼなく、定跡の有用性についても疑問を持っている状態」との書き込みをいただきました。たしかに、定跡と勝敗の因果関係って、どれぐらいあるんだろうか。という訳で、自分の直近の対局をサンプルに、この因果関係を調べてみました。作為的な抽出はしておらず、棋譜を新しい順にかたっぱしから調査。感覚的には、序盤定跡の精通度はかなり勝敗に結びついている気がするのですが、具体的にはどれぐらい結果に結びついているんですかね~。

 ちなみに、指し手が定跡手だったかどうかを僕が認識できないものなんてゴマンとあるので、定跡手かどうかの判断は、あくまで僕が指し手を定跡手と認識していたかどうかが基準。つまり、僕が判断できなくなった場合は、その時点で僕が定跡を外れたとほぼ同じ意味になるという計算。自力で指した指し手が定跡手と一致する可能性はありますが。どの対局も、指し手の棋力は先手/後手とも81dojoで3段以上です。

[戦型 | どこまで定跡手順だったのか | 勝敗との因果関係]
①矢倉▲46銀37桂戦法 | 70手弱まで定跡 | どっちが定跡を先に離れたのか不明
②ゴキゲン中飛車 | 21手目まで定跡 | 後手が定跡を外れ、結果後手負け
③先手中飛車 | 26手目まで定跡 | 先手が定跡を外れ、結果先手負け
④先手右四間飛車 | 48手目まで | 先手が定跡を外れ、結果先手負け
⑤△角道オープン三間飛車 | 不明? | 後手勝ち(僕が負けた)
⑥先手一手損角換わり(つまり、先後の逆転した正調角換わりと同じ)
 | 35手目で先手が後手有利とされている手を指す | 先手が定跡を外れ、結果先手負け
⑦先手三間飛車 | 概ねずっと定跡形(60手ぐらい?)
 | 定跡が不明になったあたりで先手がいきなり投了
⑧横歩△33角84飛 | 42手目まで概ね定跡手順 | 先手が定跡を外れ、結果先手負け
⑨横歩△33角84飛 | 30手半ばまで | 要研究の指定局面に突入
⑩急戦矢倉 | 50手前後? | たぶん後手が定跡を外れ、結果後手負け

 …いやあ、正確な集計を取るために、もっとたくさん調べるつもりだったんですが、あまりに歴然としているので10番で調査をやめました。3番が不明、7番は定跡を外れた方が咎められて負け。定跡を外れた方が勝った将棋は0です。つまり、不明を除くと、100%の確率で定跡を外れた方が負けです。更に不明というもの中には…例えば⑤ですが、僕が不明と判断したという事は、僕が定跡を知らなかったという意味なので、僕が定跡を外れ、結果僕が負けたという可能性が高いような気が…。これって、少なくとも3段以上になってくると、定跡を外れると全員が確実に咎めるという事を示しているんじゃないかなあ。露骨なのは②と③で、振り飛車が定跡を外したまさにその瞬間、居飛車は互角から大優勢に持ち込んでいます。⑥なんて教科書に書いてある定跡手だけで最後まで行ってしまった感じで、咎めた順も教科書そのまま(^^)。ヒーヒー言いながら『これからの角換わり腰掛け銀』を身につけた成果が報われた瞬間でした(^^)。あ、そうそう、⑦の対局は、たぶん相手の方は将棋ソフトを使用。指し手の脈絡がメチャクチャ(そう指すんだったら直前の歩の突き捨ての意味はなんだったんだ?みたいな手が頻発。これって、ソフトの候補手を適当に選んでいるからそうなるんじゃないかと疑ってしまった…)ので、強くそう感じました。で、感想戦で、僕が不思議に感じた何か所かの指し手の意味を質問すると、説明がもうデタラメ、最後には感想戦を15分以上やっていたのに、「トイレが我慢できなくなって投了した」とか言ってましたw。だったら感想戦なんてしてないでトイレに行けよ(^^;)。というわけで、⑦はデータとしては不適切かも。

 こうなると、早い段階で定跡を外れる力戦系ではどういう結果になるんだ?と思って、力戦になった将棋も調べてみました。僕は自分から力戦に誘導することはほとんどないので、あんまりサンプルがない…。でも、相手から力戦に誘導された将棋が少しだけありました。その結果は…

⑪初手▲94歩からの力戦 | 先手が力戦に誘導、結果先手負け
⑫相掛かりと横歩取りのミックスのような力戦 | 後手が力戦に誘導、結果後手負け
⑬角換わりの未開拓局面みたいな力戦 | 先手が誘導、結果先手負け
⑭5筋交換型の急戦矢倉の変形みたいな力戦 | 先手が力戦に誘導、結果先手負け

 マジか、これも力戦に誘導した方が100%負けています。⑪は30手目あたりで石田流にほぼ合流、しかしその時点で後手は攻撃形も玉形も不満なしでした。でも、これってどこかで見たことあるような気もするので、もしかしたらこういう指し方もあって、指し手の方にとっては定跡形だったのかも。⑫は、結果は力戦に誘導した方が負けになりましたが、序中盤はむしろ力戦に誘導した方が少し良かったようにも思えます。で、勝敗を分けたのは終盤力だったと思うので、これはデータとしてはふさわしくない対局かも。

 それにしても…まさかここまで極端な結果が出るとは思いませんでしたが、今回の調査では、3段以上になると、定跡を外れた側が勝つ確率は0%でした。

 まあこれは、アマチュアならではの結果なんでしょうね。プロなら既に指された順を調べているなんて当然、問題は優劣不明で結論の出ていない指定局面を打開する研究だと思うので、すべての対局は全部定跡から外れたところからが勝負になっているはず。僕みたいなナンチャッテ将棋指しとは戦っている次元が違いすぎます。僕程度のアマチュアだと、プロが何十年も、そして何百人もで調べて分かった結論をいっしょうけんめい追いかけるので精いっぱい。自分なりに課題局面と思っているところまで達する事の出来た将棋なんて、今回の調査では①と⑨だけ。しかも、実際に指した本人の感触としては、そこにたどりつく前にどちらかが「定跡を外した」んじゃなくって、「うろ覚えで定跡を間違えた」または「そこまで定跡の勉強が出来ていなかった」という感じ。

 いずれにしても、「定跡の有用性」については、データ的には疑う余地がないんじゃないかと。100%ですよ、100%。なんか勇気が湧いてきました。よ~し、今週も気合を入れて序盤勉強に勤しむぞ~!!何とか今年中には、羽生さんや森内さんのような、振り飛車キラーの居飛車党になりたいです(^^)。

序盤定跡の勉強、の前に…

 暑いです。夜だというのに、部屋の温度が30度を超えています。こんな日は、カルピスソーダでも飲みながら将棋を指して気分を紛らわすしかありません。というわけで、カルピスソーダを飲んでいる中、Lexis様から書き込みをいただきました。

「将棋の本(特に定跡書)を読むのに苦労された経験はございませんか?私は法律をやっているので情報の体系化や論理力には自信があったのですが、将棋の本の内容がさっぱり頭に入ってこず、10冊弱ある定跡書で読破できたものがありません…。いつも適当な右四間飛車をやっては指す手に困って負けています。そんな初心者ですが、ShougiXさんのブログからかなりの量の書籍を読みこまれた軌跡が窺えたので、アドバイスを頂きたく、書きこませていただきました。」
「将棋は観戦はしていたので、将棋を指すこと自体はできる、という程度でした。たまに24で観戦しても定跡通り進んでいるものはほぼなく、定跡の有用性についても疑問を持っている状態です。 」

(量について)

 スポーツでも音楽でも将棋でも、熟練を要する類のものは、正しく物事を考えることが出来るなんて言うのは当たり前であって、量をやらなければ絶対に身につかないと、個人的には思っています。熟練を要する類のものは、どんなに質が良くても、量をこなさなければ身につかない気がします。論理だけならば経路完全性さえ担保出来ていれば問題ナシですが、熟練には経路完全性に加えて反復学習が必要。若い頃、どうしても演奏できない楽器がありまして、あるプロの人に教えを乞うた事があります。で、一日一緒にいたのですが、そこでビックリしたのは圧倒的な練習量!もう「ここが弾けない」「あれが出来ない」と理屈ばかりこねていた自分が恥ずかしくなってしまいました。リクツ以前に、練習の絶対量が足りていなかったのです。将棋でもこういう事はあるんじゃないかと思っています。例えば、将棋を始めたばかりの頃は、脳内で将棋盤の視覚イメージを作ることが出来ずに定跡書を読めないという事はよくあるみたいです。この場合も、解決策は「どうやれば将棋盤が頭でイメージできるか」というリクツや質をいくら追及したところでほとんど無意味で、とにかく量。まずは、勉強量を疑ってみては如何でしょうか。

(質について)

 何かを学習している時って、学習する側に「習う技術」「学ぶ技術」が要求されると思っています。例えば、先生と生徒だったら、先生よりも生徒の方に習う技術が必要。同じ先生に習っているのに、成績の差が出るなんて言うのは、その典型例なんじゃないかと。
 学習がうまくいかない際は、先生やテキストに問題があるのか、学習している自分の側に問題がるあるのかを正しく見極める必要があると思います。学習できる出来ないの差は、半分は学習する人の側に問題があるハズですからね。そして、テキストが悪いのであればテキストを取り換えるし、自分の側に問題があるのであれば躊躇なく自分を変えると良いと思います。先ほどのプロの音楽家先生に教わったことは量ばかりではなく、質もそうでした。僕は、とある曲を演奏できるはずのない指使いで練習し続けていたのです。その指使いでは、日本一の演奏家ですら演奏困難だったわけです。この場合の問題は、量ではなく質でした。質を疑う。それが正しい学習法であるかどうかを最初に見極める。量の勉強をするのは、正しい学習法を見極めてから。この時、最良の学習法を導くことが出来るのは、自分しかいない。何が困難になっているのかを知ることが出来るのは本人だけですからね。

(序盤定跡を理解するには基本的な棋力が必要というハナシ)

 10級ぐらいの頃、序盤定跡の勉強が捗らないのは、序盤定跡ではない所の棋力にあるのかも知れないと思った事があります。
 将棋って、序/中/終盤は別物だが、このバランスが取れていないと勝ちに結びつかないゲームなんじゃないかと思います。これを将棋勉強に置き換えて表現すると、終盤のレベル10の人が、序盤のレベル20を理解しようとしても難しい、みたいなイメージ。序盤定跡の本を読んでいて理解できないというのは、それ以前の基礎的な将棋力がまだ完成していないのかもしれません。例えば、5手詰が解けるぐらいの棋力があれば、序盤定跡書で検討を打ち切られた局面の先がどうなるかの想像がつくが、その棋力がないと検討打ち切りのところでチンプンカンプン、なんていう現象は、級位者の頃はよくありました(^^;)。最低限の棋力がないと、序盤定跡の本の指し手の意味を理解するのに大変に苦労する事も多いんじゃないかと思います。

(定跡は、定跡手以外を咎められて初めて有用になるというハナシ)

 定跡の有用性について。「ここにパズルゲームがあって、まったく同じ思考能力を持った人がこれを解く競争をする。この条件下で、もし一方が既に解法を知っており、もう一方が一から解法を考えなければならないという状況になったら、解法を知っている人が圧倒的に有利。」これが定跡の有用性であると思います。本将棋でいきなり考えるのと、既に正解を知っていて指すのでは、思考に費やさなければならない対象を大幅に狭めることが出来ます。で、もし全100手の将棋で、詰みまで研究されている将棋の場合、「この場合は指し手Aが最善だろ」という解答が100手に渡って蓄積されたものが定跡だと考えれば良いのではないでしょうか。これを20手まで指せれば、20手までは絶対に間違わないし、50手まで指せれば50手までは絶対に間違わない。もし定跡を知らない戦型になった場合は、自分に指し手が回る度に何十手も読みを入れて最善手を探し出さなければならない。これがどれほど有利であるかは、次回にでもデータで検証してみようと思います。
 そしてこれがそのまま、「定跡通り進んでいるものはほぼなく、定跡の有用性についても疑問」への回答になります。将棋はまだ完全解に至ったゲームではないので、たしかにまだ解析されていない手がゴマンとあります。しかしこういった未解析の手のうち、9割以上は間違いなく悪手であるので、これを除外すると…研究の範囲にある指し手の場合、定跡を外れた手は、明らかにマイナスの指し手であるわけです。だから、定跡通りに進んでいないというマイナスの指し手を咎められないのは、咎められない人間の棋力の問題であって、それは定跡の有用性を否定するものではないんじゃないかと。言い換えれば、定跡を活用できなかったのは、定跡の勉強段階で問題があったか、棋力自体に問題があるのかのどちらか(あくまで有効手となりうる新手を除いたハナシです)。基本的に、定跡勉強は、自分の最善手を覚えるだけでは半分で、相手の悪手を咎める順も覚えて、はじめて役立つものになります。

(序盤定跡を覚える前に知っておくこと)

 序盤定跡が覚えきれねえ!!これは誰でもそうだと思います。僕の計算だと、居飛車を選択した場合、1日1~2時間を序盤定跡の勉強に充てるとして(=ひと月で1冊ぐらいのペースで進むとして)、戦型を極限まで絞り込んだとしても、最低限の定跡を覚えきるのに3年ちょっとかかる計算です。僕も、その道半ばです。対ゴキゲン中飛車なんて、超速▲37銀が良いと分かり切っているのに、それを勉強する時間が無くって後回し(T_T)。次善手の一直線穴熊で何とか凌いでいる状態です。
 4つほど、序盤定跡に関する命題を作ってみようかと。真偽のほどはまた別として。

 1.本を読むだけで定跡を覚えるなんて無理。

 2.定跡書を丸覚えしても、それぞれの手がなぜ最善手であるかを理解していなければ無価値。
  これは、次善手以下が指されたら咎める順をを知っているかどうかと同じ意味。

 3.一冊の定跡書に書かれている順なんて定跡の一部でしかない。
  一部しか定跡を知らない場合、その一部にし進行しない限り、定跡は使い物にならない

 4.定跡は新手が出れば簡単に覆る。
  定跡が更新されるという事を頭に入れた勉強方法を採用する必要がある


 は、根本です。羽生さんですら「指さないと覚えられない」と言っています。将棋の勉強で昔から言われているのは、実際に駒盤に並べる事みたいです。多分これは意味記憶ではなく体験的記憶などとしても記銘できるからだと思います。僕の場合は、「Kifu for Windows」というソフトに入力して並べています。こうすればついでにデータベース化できますしね。このソフトについても過去に記事にしましたので、ブログをひっくり返して探してみてください。実践で何度も指さないと覚えられないという根拠は、記憶というものの「記銘」と「思いだし」が、別のプロセスであるからだと思います。定跡の勉強を、リアル将棋盤であるにしても棋譜ソフト上であるにしても毎日しているとですね…、毎日、昨日の勉強の終了地点に戻るために、初手からバババッと並べる事になるので、最初の指し手になればなるほど、100回じゃきかないぐらいに並べ直す事になります。これを繰り返していると、調べている段階で本筋の手順は嫌でも身についてしまうと思います(^^)。で、定跡を覚えたら、すぐに実践で使いまくる!
 は、先ほど述べたので説明を割愛。これは定跡手を覚える事の意味それそのものを示していると思います。
 は、2から引き出される命題でもあります。たかだか200~300ページ程度の本に、ある戦型の変化の全てが書けるわけがありません。だとしたら、定跡書というものは、そのエッセンシャルな部分だけを取り扱うか、限定した局面だけを深く掘り下げているかのどちらかの傾向に傾くはずです。同時にについても気づいておくと良いと思います。3と4を重ねて考えると、どういう事態が生じるかというと…定跡書の定跡手順が、実はすでに使い物にならないものである可能性があります。言葉を変えると、1冊の定跡書を丸覚えしても、それは無意味である可能性がある。ということはですね…序盤定跡の本を読むときには、最善の定跡手順を調べる段階と、それを覚える段階の2段階に分ける必要がある、という事になります。序盤定跡の本は、いきなり覚える為のものじゃなくて、自分なりの序盤定跡システムを作り上げるためのツールのひとつ、と思った方が良いと思います。

 序盤定跡の勉強という観点からすれば、定跡書を使っての学習というのは、方法のひとつでしかなくって、決して目的ではないと思います。序盤定跡学習の目的は、序盤の効率的な指し手のシステムを作り上げ、それを記憶する事です。
 で、具体的にどう勉強するかというと…最近、僕自身が序盤定跡の勉強法をマイナーチェンジしたので、近いうちに別記事でまとめようと思います!

(しょっちゅう負かされる戦型への対策が定跡勉強の第一歩、の気がする)

 これだけ長文を書いておいてナンですが、「レート1000前後」という事は…個人的な見解ですが、超初心者の頃は、手筋と寄せの勉強だけはキッチリしておいて、あとは同じぐらいの手合いの人と本将棋をガンガン指しまくった方が将棋の勘所が掴める気がします。そうそう、駒の手筋の勉強は『羽生の法則1 歩・金銀の手筋』と『羽生の法則2 玉桂香・飛角の手筋』がおススメ。他を選択するなら、高橋道雄さんの駒の手筋本も評判がいいです。寄せの勉強は『寄せの手筋200』がおススメです。序盤の定跡勉強は、実は果てしなく時間がかかるので、取り急ぎは『将棋 絶対手筋180』で間に合わせてしまう。で、中飛車でも矢倉でも石田流でも右四間飛車でもガンガン指しまくる!自分の中終盤力を頼りに、プロの指し手なり定跡書の手順なりを見よう見まねで指しまくる!もし変化されたら、あとは中終盤力を頼りに考えまくって勝ちを見出す。で、10連敗も20連敗もする。すべてはそれからなんじゃないかと。そうすると、たぶん50番ぐらい指した頃には、「終盤力をどうにかしなくちゃ」とか、「あの戦型に対する対策を立てないとマズいな」みたいなものが見えてくると思います。僕の場合、10~7級ぐらいの頃は、対戦相手に四間飛車使いの人がやたらと多くて、自分の勉強したい戦型以前に、四間飛車の定跡勉強に手をつけないわけにはいかない事に気づきました。四間飛車破り、これが序盤定跡の勉強の第一歩だった気がします。で、さすがに何百人もの棋士が、何十年にもわたって作り上げた定跡というものの効果は絶大で、定跡手順で指せるようになると相手を負かせるようになる。指す前から答えを知っているという事は、指す前から優勢みたいなもので、こうなると面白くて仕方がなくなるんじゃないかと。例えば横歩△45角戦法なんていう詰みまで研究されている定跡はゴチソウサマ状態で、終盤力さえ伴えば無敵状態になります( ̄ー ̄)。こういう得意戦型をひとつずつ増やしていくというのは快感の極み。こうなったらしめたもので、序盤定跡の本というのは、アタマに入らないとかそういう問題ではなくなって、毎日読みたくて読みたくてたまらなくなるぐらいの面白い本になると思います。僕の場合、最近は本将棋を指すよりも、序盤研究をしたり定跡書を読んだりすることの方が楽しいぐらいの状態です。毎日、「おお~、そんな手があるのか、すげえ~」みたいな発見の連続になるので(^^)。


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ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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