『将棋・ひと目の攻防』

shougi_HitomenoKoubou.jpg 仕事で外出していたもので、名人戦第4局は2日とも見れませんでした。というわけで、ここのところ移動中の電車の中で読んでいた棋書の紹介なんぞを。棋書の紹介、ものすごく久しぶりだなあ。いや~、定跡書も詰め将棋もずっとやってるんですけど、ついつい書かなくなってしまいました(^^;)。これは、先日ふらっと寄った古本屋さんにあったので買った本。詰め将棋か定跡書でもあったらいいなと思ったんですが、たまたま変わり種の本があったので、詰め将棋はやめてこの本を買ってみました。

 いや~、これは面白いです!週刊将棋の次の一手問題から攻防手だけを選んで掲載してあるんですが、答えを翌月まで待たなくていいのがいいです(^^)。週刊将棋の次の一手問題なので、級位向けから三段向けまでレベルごとに出ているので、級位者の人も有段者も楽しめると思います。アマで3段ぐらいあっても苦戦するんじゃないかという問題もあります(僕が弱いだけかも^^;)。。
 攻防手限定というのも面白かったです。将棋の実況放送でプロの解説を聞いてると、「ここで攻防手があればいいんですが」とか「というわけでここは手抜きできずに詰めろ逃れをする必要があります」みたいに解説される時がありますよね。詰め将棋ばかりやってると、寄せばかりで、受けとか攻防手とかの練習にはなりません。これはそういう需要のうち、攻防手の訓練に特化しているわけですね(^^)。そして、攻防手というのは終盤の逆転術の最たるものなので、問題を解いている間、ずっと将棋のクライマックスの瞬間だけを楽しんでるみたいで気分が良かった(^^)。

 終盤の勉強では、詰め将棋だけでなくこういうものも織り交ぜると、効果もあがりやすそうですし、なにより飽きずに楽しく継続できるかも知れません。勉強をしているというより、ゲームをしてるみたいで楽しかったです(^^)。あ、ただし、最後の方はけっこうむずかしくて、楽しめるなんて生易しいもんじゃなかったですが(^^;)。。おすすめ!


『山崎隆之の一手損角換わり』

Yamazaki_Ittezon.jpg 序盤勉強がなかなか進まなくなってしまいましたが、細々と続けていたのがこの本の勉強(^^)。今の勉強プランでは読み終わるまで待っていたら全然レビュー出来そうにないので、第1章(大体1/4)を読み終わっただけですが、ここでひとまずレビュー。僕が待ちに待った一手損角換わりの定跡書です!!いや~、これが発売になった時は飛びついて買ってしまいました。山崎さん、ありがと~。。

 この本の目次は以下の通り。
1章 △3二金型VS腰掛け銀
2章 △3二金型VS早繰り銀
3章 △8八角成型VS早繰り銀
4章 糸谷流△7三銀戦法
5章 棋譜解説


 まず、この本以前の知識として、「一手損で相腰かけ銀は後手大歓迎」という点と、「一手損は早くり銀に対応しにくい」というのがあります。とはいえ、一手損角換わり全盛期にはまだ将棋を始めていなかった僕は、実践で一手損を喰らうことが少なかったです。それに輪をかけて正調角換わりはガンガン喰らっていたので、先に角換わりの勉強を済ませてました。結果、角換わりでの自分の得意戦型が腰掛け銀になり、一手損では△85桂が飛んでくるのが分かっていながらも相腰かけ銀にしていたわけです(^^;)。。そんな僕なので、手っ取り早くいくなら第2章から読めばいいのに、正調も一手損も腰掛け銀だけで何とかならないものなかと、淡い期待を込めて第1章から読みました(^^)。

(1章:相腰掛け銀)
 全部で220ページほどのこの本、50ページほどが第1章に割かれています。普通の腰掛け銀の変化は、あまり丁寧に書かれてません。多分、一手損の本筋を早繰り銀と見ているんでしょうね。腰掛け銀を深く研究したいのであれば、青野さんの「後手番一手損角換わり戦法 (スーパー将棋講座)」の方がいいかも。あ、そうそう、青野さんの本は、角換わりの主要戦法となる腰掛け銀、早繰り銀、棒銀それぞれをバランスよく説明してくれていて、こちらもおススメです。とくに後手番で一手損を指す人にはマストかも。そうそう、渡辺‐丸山の竜王戦の棋譜なんかも、めっちゃくちゃ参考になります。
 えっと、ハナシをこの本に戻しまして、じゃあなぜこの章に50ページかかったかというと、山崎流△52飛戦法なるものにページを割いているからです(^^;)。いや~、こんな筋、僕は今まで喰らった事がないです(^^)。というわけで、先手で相腰かけ銀を指すなら、この部分は読んでおいた方が良いかも。山崎流を初見で破るのは至難の業に思えました。逆に後手で指すなら、まずは先手が相腰かけ銀にしてくれないと、そもそも相腰かけ銀の選択を出来ないし、またわざわざ山崎流にしなくても後手指しやすい展開に出来ると思うので、山崎流を選ばないなら飛ばしてもオッケーかと。

 あと、1章に関しての話ですが、山崎さんがはやめに検討を打ち切っている変化筋に注意。山崎さん、「これで先手は馬を作るので駄目」とか「端を突破されて終了」みたいに書いてある筋でも、僕ぐらいの棋力(千駄ヶ谷3段ぐらいです)だと、とてもそうは思えない所がちょくちょくありました。指し進めてみて「あ、なるほど」という所もあったんですが、どうしても打開の順序が分からないものもあったり(これは僕の棋力の問題かも)、反撃筋を思いついたりする所も。山崎さんは将棋も独特なので、羽生世代の将棋本や対局を中心に勉強してきた僕とは、形勢判断の感覚が違うのかもしれません。まあこの辺りは世代差や個人差があるんでしょうね。

 な~んて感じで、第1章のレビューでした。う~ん、糸谷vs渡辺という、角換わりの達人同士の対戦となった竜王戦が始まるまでに、全部読み終えることが出来るだろうか、自信ないなあ(^^;)。でも、出来る所まで頑張りたいと思います!!


ついに来た一手損角換わりの定跡書!!

Yamazaki_Ittezon.jpg
 ただいま、序盤定跡は一手損角換わりの勉強中です。これが定跡書の少ない戦型でして、しかし僕にとっては避けることのできない戦型。糸谷さんの本は、級位の頃に一度ざっくり読んだんですが、これが分かりにくくて挫折。というわけで、今読んでいる青野さんの本を読み終わるまでにいい本が出てくれないかな~と思ってたところに…キタ━ヽ( ゚∀゚)ノ━!!山崎さん、ありがとうございますうううう!!!

 また、帯の文字に期待。「その歴史と進化を凝縮」。う~ん、村山慈明さんの本がそうですが、こういう戦型の登場順に紹介してくれる定跡書が一番ありがたいっす。これは大期待、今やってる本が終わったら次はこれに取り掛かろう、そうしよう!!





『集中力』 谷川浩司

Shuuchuuroku.jpg 仕事が結構忙しい時に、飛び込みで仕事の依頼が来まして、期日がなんと2日!ビンボ~な私はきっついと思いつつもこの仕事を受け、徹夜で頑張ったところ、無理が祟ってしまったようで病院送り(´;ω;`)。そんな病院の待合室で読んだのが、この本。書かれたのは2000年なので、光速流の谷川さんが羽生さんと覇権を争っていた頃に書かれた感じかな?

 この本、2部構成で書かれています。第1部は谷川さんの簡単なキャリアについて。ビジネス書の類になると思うので、将棋好きでない人にも読まれることを想定しての事なんでしょうね。しかし将棋好きとしてちょっと面白いと思った記述がひとつありまして、それは子供の将棋上達に関する記述。谷川さんは「考え込んで指す子は強くなれない」「一時間かけて一局指すよりも、一局を十分、二十分と数多くどんどん指す方が良い」と書かれています。いやあ、これはまったく意外。「子供は」という条件つきですが、これって大人にも当て嵌まるんでしょうか。だとしたら、私は方針転換しないといけないぞ…。。でも、難しい局面を考える事自体が好きなんだよなあ(^^;)。。

 そして、本書の肝は第2部。第2部は、「集中力」「思考力」「記憶力」「気力」の4つに分かれて書かれています。何かに上達するための方法として、谷川さんの論が展開されている感じ。題材は将棋なのですが、上達法という意味では、将棋に限定した話ではないという感じです。特徴としては、自分がどう思ったかというだけでなく、その考えが正しいかもしれないという裏付けを述べてある点です。この辺はさすがに合理的で、逆にいうと合理的にモノを考えられるからこそ超一流になれたという事かも知れません。

 で、ちょっと心に留めておきたい言葉を羅列すると…
 「持続の目標は1万時間」。これは、昔に紹介した『上達の法則』にも同じことが書かれていました。プロ級になるためには、どんなものでも1万時間の学習が目安になる、というわけですね。
 「集中するためには、自分のペースを守る」。これはかなりズシッとくる言葉でした。将棋の序盤勉強をしていると、「相横歩が進化しちゃった、これもやらなくちゃいけないけど、一手損角交換も終わってない」とかいう感じで、あせるばかりで何事にも手がつかなくなっちゃうときが、僕には結構あります。でも、あせったってどうにもならないんですよね、やるべきことを淡々とやるのみ。
 「一千手ぐらい読むこともある」。これは、3本とか4本という主筋と、その変化や枝刈りする手も全部ひっくるめて、という事みたいです。さて、自分と比べると…比較にならん、プロは化け物か(;゚д゚)。。僕の場合は20手30手とけっこう長く読んだ筋でも、別の候補手の方が有力と見た時点でそれを切り捨てて「消し」てしまうんですが、プロの人って、その辺はどうなんだろうか。
 「経験はマイナスになる事もある」。これは、スランプの時なんかの悪循環の一例。例えば、似たような状況に陥った時、マイナスの経験ばかりフィードバックされてしまうと、またもや失敗してしまう、というわけです。いわゆるイップスですね。これを解決する方法は、悪い記憶が成功の記憶にすり替わると解放されるそうで。いやあ、スランプのひとつの例とその解決法という意味で、すごく勉強になりました。

 他にも、金言が盛りだくさん。僕が金言と思った一例は上記のものなどでしたが、どれが金言になるのかは読む人次第なんでしょうね。具体的な指し手とかではなく、「どうやったら強くなれるか」とか「どうやったらスランプから抜けられるか」なんて感じで、伸び悩んでいる僕らアマチュアの特効薬になりそうな本でした(^^)。



『凌ぎの手筋200』 金子タカシ・著

ShinoginoTesuji200.jpg 仕事への情熱がよみがえるのと引き替えになってしまったのが序盤の勉強。以前と違って寝る前はヘトヘトでとても勉強や研究なんて出来る状態ではないし、元気がある時は将棋じゃなくって仕事の勉強をしてるわけです。う~ん、この辺のバランスのとり方は本当に難しいなあ。しかし続けていた中終盤の勉強。これは、まとまった時間が無くても、電車での移動の時間とか、少しでも時間があれば出来るので、やってました。で、詰め将棋に飽きてきた頃に、気分転換で何となく読み始めたのがこの本だったんですが…いやあ、ここまで素晴らしい本だとは思ってなかった、将棋を指すなら、この本は絶対に読むべきです!!

 とはいうものの、まず大前提として…初心者がいきなりこの本を読むのは厳しいと思います。最低でも3手詰ハンドブックは楽勝、出来れば5手詰ハンドブックも楽勝でっせぐらいの棋力は必要かと。寄せの筋が見えないと、受けを考えるなんて出来ませんからね(3手詰の問題集の正答率が3割ぐらいの妻は、第1問にて死亡してました^^;)。で、このぐらいの棋力はあるという前提の上で…

 この本は、以下の4章から構成されています。

1章:詰みを逃れる合駒
2章:攻撃を考えた合駒
3章:必至を逃れるしのぎ
4章:攻撃を考えたしのぎ


 というわけで、合駒問題が半分、しのぎが半分。で、それぞれ単なる受けから始めて、攻撃も考えた応用問題に進む、みたいな感じ。

 まず、各章の前に書かれている講座が絶品。僕は詰め将棋やら何やらをやってきて、要領が悪いもので、その勘所を法則化するのが苦手でした。だから、詰め将棋を解く鍵を10個の法則にまとめてくれた中原さん監修の『実戦式詰め将棋』に出会えた時は本気で嬉しかったし、以降は一気に寄せ力が上がった気がしました。で、この本に書いてる受けのテクニックも、誰だって無意識にやっている事だとは思うんですが、これを分かりやすく整理してくれたのがうれしいです。例えばしのぎの場合、①利かすor埋める、②取るor逸らすor遮る、③玉を逃げるor退路を作る…みたいに、考えるべきプロセスを整理して書いてくれているので、メッチャクチャ分かりやすいです。なるほど、僕が長考派なのは、この辺が整理できてないでゴチャゴチャしてるから、全方位検索に近い状態になっちゃって時間を浪費してるんだな。でも僕みたいな人って、けっこう多いと思うんですよ。そうなると、遮るか逃げるかの手ばかりいくつも延々と考えてしまって、埋める手を考え忘れていたり。というわけで、各章冒頭にある講座は必読です!!この部分に関しては、初心者の方にとっても金言だらけの上にえらく分かりやすいと思いますので、受けが苦手で悩んでいる初心者の方は、この講座部分だけ読んでおいて、問題は強くなってから解くというのでもいいかも。

 次に、合駒問題がスバラシイ。詰め将棋をやっている時って、合駒問題が一番ウザったいと思いませんか?僕の場合、自分が攻撃している側だと、相手が受けるための駒を全部持っているという前提に対して「そんな状況だったらそもそもこっちが寄せに行けてねえよ」とか思っちゃって、しまいには考えるのが面倒臭くなっちゃうのです(^^;)。。しかし、この本は自分が受けなので、面倒くさがったら即詰み。考える事を放棄できません。

凌ぎの手筋0手 例えばこんな盤面図の問題がありました。相手の持ち駒は金歩、自分は残り全部。これ、自分が攻め方だったら、考えるの面倒になると思いませんか(笑)。しかし、受けだったら、甘い手を指したら△18歩から入られて即詰みなので、頑張って考える意欲が湧こうというものです(^^)。。ちなみに正解は▲28飛。考え方としては、△38金が来るのでに利く駒が大前提で、かつ金を渡すと金の並べ打ちで詰まされるので…という感じで、解説もメチャクチャわかりやすく、実践でどういう思考回路でものを考えれば良いのかというのが論理的に学べます(*゚ー゚*)ν。。というわけで、合駒問題に関しては詰め将棋よりもこの本の方が実践的かつ上達が早いかもしれません。実は、この本を買う前は、「結局、攻めの勉強をしていたら受けについても同時に考える事になるわけだし、別に受け目線の本をわざわざ別に読む必要もないんじゃね?」と思っていたんですが、そんな事なかったです。

 というわけで、ある程度の棋力まで来た方で、しかし受けの勉強をまだした事がないという方がいらっしゃいましたら、絶対の本です。終盤勉強で、寄せの本、詰め将棋と来て、ある程度まで実力がついたと思ったら、長手数の詰め将棋に進む前に、この本を選ぶ事をおススメします!!というか、きっと皆さん、終盤勉強は色んな本をローテーションしてると思うんですよね。絶対に、その中の1冊に加えるべき本です。。

プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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