第75期名人戦 第5局 佐藤天彦 vs 稲葉陽 (横歩取り勇気流)

 今回の名人戦、メッチャクチャ面白いです。昨日から始まった第5局ですが、昨日はなかなか忙しくってチラ見のうろ覚えなもので、途中で手順が多少入れ替わってるかも(^^;)。

 第5局は天彦名人が先手で、横歩△33角の勇気流。勇気流はおろか、青野流の対策も万全とは言えない僕としては、思いっきり興味のある将棋なのでした(^^)。▲58玉型愛好家の僕は、▲68玉の形は勉強不足(勉強したんですけどぜんぜん指さないのでいっつも忘れる^^;)なので、昨日の夜は家に帰ってから『羽生の頭脳』をひっくりかえして、△33角から▲36飛と引いて、以下△84飛▲26飛△22銀▲87歩△52玉に、ここで▲48玉とあがる旧来の定跡を勉強し直してました。横歩は、ぜんぶ基礎から何度もやらないとヤバいです( ̄_ ̄)。

20170526名人75-5_佐藤天vs稲葉_横歩33角17手 しかしこの名人戦は僕なんかと違って研究最前線の最新形、先手は横歩を取ったあとに飛車を引かないまま▲68玉の勇気流です。ここで稲葉さん…

△22銀
 あら~稲葉さんなら△85飛かと思ったんですが、こっちの順の方が知りたかったのでラッキー(^^)。

▲36歩
 飛車を引かないままこの歩を突くのは青野流と同じですね(^^)。

△82飛
 ここで△74歩と横歩をとれないのは、△22銀とあがったから…というのも青野流と同じ。でも、青野流だとここで△42玉が昔は多かったし、△82飛は▲37桂から攻撃の応援を優先すると先手が良くなったと思うんですが、先手玉の形の違いで違うものなんでしょうか、たしかに8筋は絡むけど…

20170526名人75-5_佐藤天vs稲葉_横歩33角27手▲37桂△88角成▲同銀△33銀▲83歩△同飛▲84歩(27手目盤面図)
  青野流は当時定跡書にもあまり載っていなくて、ネット将棋で強い人がいろいろ教えてくれたり『長岡研究ノート』で調べたりして、さんざん苦労したんですが、このあたりまで青野流の定跡とまったく同じ、違いは先手玉が58にいるか48にいるかの違いだけです。

△82飛▲35飛△84飛▲75角
 お、▲75角で変わりました。とはいっても、僕はここで▲66角と打っていたので兄弟みたいなもんか(^^)。▲66角の意味は次の▲45桂から33の地点を集中砲火しようという狙いだったんですが、名人の▲75角は53に馬を作る手をみているのか、たしかにその方が確実にポイントを稼げそう、いやあなるほど、もし既に先手がいいのであれば、着実な手の方がいいのか…

△82飛(32手目)
 稲葉さんから新手が出ましたが、実はこの△82飛、昔81dojo で強い人に青野流の相手をしてもらっていたときに指していた手で、むしろプロの皆さんがこれまで指していたという△24飛の方を僕は知りませんでした(*゚∀゚*)エヘヘ。なるほど、ここで△24飛という手があるんですね、これは勉強になりました。▲58玉型の場合にここで△82飛と引くと、どうがんばっても先手よしになってしまったんです。いや~、名人戦を観ていて良かった。。

 さて、ところがこの32手目の△82飛の飛車引きがプロの解説の方々のなかで評判が悪く、どうもこれが後手が悪くなった理由みたい。くっそ~、僕はず~~っと悪い手を指していたのか。でも、代えて△24飛で何とかなったのかというと、ちょっとボクには分かりません(*゚∀゚*)。なんかそれでも先手がいいような気がするんですが、実際はどうなんでしょう。△24飛の実践譜をいくつかみてみたいんですが、プロはいいなあ、データベースですぐに確認できて。。

 結局、このまま佐藤名人が押し切って、107手にて佐藤名人の勝ち!対戦成績を3勝2敗にしました!いや~、この名人戦はどの将棋も面白い、とくに序中盤がメッチャクチャ勉強になります(^^)。天彦名人が一歩リードしましたが、相手の研究にさえハマらなければいい勝負に見えるので、まだまだどうなるか分からない感じがします。終盤でわるくなっても簡単にあきらめないで食らいつく稲葉さんの執念を何局も見せられているので、なおさらそんな気がします(^^)。

第88期棋聖戦 挑戦者決定戦 糸谷哲郎 vs 斎藤慎太郎 (横歩 佐々木流)

 棋聖戦の挑戦者決定戦は、若手同士の対局になりました。斎藤慎太郎さんは若手強豪と言われつつ、僕的にはNHK杯の対康光戦で、勝勢から攻めあぐねてひっくり返された将棋の印象が強くて、終盤はプロの中では若干弱いのかな、という印象。もちろんそれはプロの中の話であって、僕が3分ぐらいウンウンうなってようやく解いた詰め将棋を、20秒ぐらいで半笑いでいとも簡単に解いてました(^^;)。う~ん、プロって凄いな。。

20170425棋聖88挑決_糸谷vs齊藤慎_横歩勇気流89手 この挑戦者決定戦は糸谷さん先手で、横歩の佐々木流を採用。いや~、これもまた難解なんですよね。今日こそ佐々木流を勉強しようと思いつつ、またしても早々と定跡から離れて良く分からない展開に。これは定跡書の出るのを待つしかないかも…。というわけで、糸谷さんが序盤でうまく指し、プロ棋士の解説では先手がかなり良い、みたいなところから将棋がもつれました。もつれた理由のひとつは、悪くなってからの斎藤さんの粘り腰。89手目盤面図は、斎藤さんが先手陣にうまく食らいつきつつも、追う手を間違えたか守りに行ってしまったかで先手玉を逃がしてしまったように見えたところ(いや、実際はどうだったんでしょうか。確かに、棋譜解説にあった退路封鎖の△77歩を一手指入れていたら逃がさないで済んだかもしれませんが、そこに一手使えるかどうかというぐらいに後手陣はヤバかったですし・・・)。この局面、もう後手が何を指していいのやら、僕にはまったく分からず。△同角じゃ▲86玉で逃がしますよね、しかし今から先手右辺を制圧したと金やら金を寄っているようでは、先手の▲23歩成とか▲33飛車成みたいな手が間に合ってきてしまいそう。もう寄せ方が分からによ、というところで斎藤さん…

△54金
 ん?なんだこの手は…ああああ~なるほど、33の銀に紐をつけつつ、次に△65金を狙って先手の馬をどけに行くのか!この時、斎藤さんは時間をほぼ使い果たしていて、2分だけ残しての早指しになっていて、一方の糸谷さんは相かわらず1時間以上残しているにも関わらず早指しの時間攻め(^^;)。いやあ、よくも1分の間にこんな構想をひねり出せるもんです。

20170425棋聖88挑決_糸谷vs齊藤慎_横歩勇気流119手 これで少しは差を詰めたかもしれませんが、しかし相変わらず後手は寄るや寄らずの際どい状況、先手陣に詰めろをかけるのも難しく、先手からの怒涛の攻撃。横から竜の攻めに、合駒のコビンから吊り上げるための金銀を打ち込まれるので取れずに駒を貼って受け続けるしかなく、この受け一辺倒の中で67に貼った角が攻防の一手で、一気にわからなくなりました。というか、一間龍を受け凌ぐって、すごい…。そういえば昔、『光速の寄せ』という本で、こういうのばっかり勉強してたなあ。。そして、王手が入る状況まできた119手目盤面図、後手がどうやって先手玉を逃がさないか、という所で飛び出した手が…

▲98銀
 おおお~退路封鎖の捨て駒、これはカッコいい!!
これは寄せの絵がもう見えてるのかな?△85金をはじめ、次の85への打ち込みが飛んでくると先手はオシマイなので、これは何かうまい手を考えないと…

△95角
 ええええええ~糸谷さん、受けずに王手?!いや、これは△73歩と受けられたあとに△85歩と指されたらどうするんだ?いや~これこそ敵の打ちたい所に打ての▲85香しかないと思ったんだけど、それだと△84歩以下、けっきょくマズいのかな…

 というわけで、ここからは攻守が完全に入れ替わって、斎藤さんが寄せられるかどうかどうか。ここでの糸谷さんの受けがさすがプロで、もう詰んだと思ったところから凄い手をひねりだしましたが、しかしこの期に及んで妖しい手を指しても斎藤さんは間違えてくれず、136手にて後手斎藤さんの勝ち、羽生棋聖に挑戦です!!

 いや~、プロの解説を聞いていると中盤ではけっこうな差だったみたいで、それを鵜呑みにして仕事しながらノホホンと見ていた僕は、「これって70手行かずに終わっちゃうんじゃないの?」みたいに思ってました。しかし、厳しい中でも気持ちを切らさずに手をひねり出し続けるというのが大事なんですね。今日なんか、そこがタイトル戦挑戦が適うかどうかの差だったのかも。逆にいうと、糸谷さんの将棋は、いつもながらもったいない気がします。時間攻めも立派な作戦でしょうが、しかし自分が優勢で、しかも1時間以上も残してるなら、時間攻めで勝とうとなんてしないで、読み切って勝てばいいのに。劣勢の終盤で、相手に間違えさせる為にノータイム指しするなら分かるし、勝ってる将棋でも読みきりでノータイムで寄せきっちゃうならそれも分かるけど、1時間以上残してパパッと指して、反撃喰らって逆転負けって(^^;)。。渡辺竜王に「将棋が雑」と言われるのは、きっとこういうところなんでしょうね。。


第75期名人戦 第1局 佐藤天彦 vs 稲葉陽 (横歩△33角85飛)

 20代棋士同士による名人戦は、1996年の羽生名人vs森内8段以来21期ぶりとの事。ついに世代交代が現実になったという感じですね。逆にいうと、羽生世代は続く世代を20年以上抑え込んできた事になるので、ここが崩れると30代前後の世代を中心に乱世となりそう。30代前後の棋士では渡辺2冠と天彦名人がアタマひとつ抜けている気がしますし、この辺の棋士を中心に名人争いが起きる事になるんでしょうが、しかし天彦さんは名人一期&他のタイトルは取った事がないので、名人防衛を続けられるかどうかが大きそう。

20170406_名人75-1_佐藤天vs稲葉_横歩22手 将棋は稲葉さんが後手となっての横歩取らせ、△33角から中座飛車へ。いや~、ほんとうに△85飛が復活してきましたね、困ったもんだ(^^;)。というわけで、△33角85飛対策を兼ねて、序盤から振り返ってみようかな。22手目盤面図は後手稲葉さんが玉を立ったところ。△41玉だと▲21飛成の時に王手になるので、こっちの方がいいと僕は勝手に思ってるんですが、実際のところはよく分かってません(^^;)。ここで先手は…

▲77角
 これは△85飛型ならではかも。後手から△77角と角交換されても▲同桂が飛車にあたって来ますからね(^^)。これがあるから、僕は後手で△85飛型を指さないんですが。でも、僕はいつもここで▲58玉と立つので、これは参考にしよう、そうしよう。

△72銀▲68銀△74歩▲58玉△73桂
 後手は攻め最速&守り最速の△72銀~△74歩~△73桂。それにしても、後手の中原囲いは減って、これが本当に多くなりましたね。後手はガッチリ囲うよりスピード勝負、みたいな(^^)。あと、こうすると右に逃げれば美濃、左に逃げれば銀冠に出来る所も大きいのかも。

▲16歩△23銀▲15歩△24歩
うおお、天彦さん、玉右辺の囲いを作らないうちに1筋の位を取りに行ったあああ!なるほど~、△84飛型じゃないから1筋の突き越しは怖くないのか。後手が24の地点をいったん受けるのは、最近羽生さんも指してました。やっぱりここは急所なんでしょうね。

▲48銀△94歩▲96歩△62金▲59金
 ここで9筋の突きあいを挟みつつ、一転して駒組み合戦。先手は中原囲いを完成させ、後手は金を立ちました。僕はいつもこの金を立たないんですが、今日の将棋ですごく勉強になったのはこの△62金。つまりこれは…

20170406_名人75-1_佐藤天vs稲葉_横歩38手△81飛(38手目盤面図)
 飛車を1段目に引いて、右玉狙い。いや~、角換わり腰掛け銀の将棋で一気に定番の地位を獲得したこの右玉ぎみの形ですが、横歩にも応用されてきましたね。これは後手としては右玉完成までいきたいところですが、先手はどうするか…

▲17桂
 う~~ん横歩での桂の外跳ねもプロでは当たり前のように見かけますが、アマとしてはやっぱりオソロシイ…。37の地点の歩を挙げる危険を避けたまま桂の活用を見ているんでしょうが、けっこう深くまで読めてないと指しにくいっす。これは▲15歩まで突き越しているから、その主張を通しにいってるんでしょうが、僕には怖すぎて無理っす。。

△64歩
稲葉さんは右玉を作りに行きますが…

▲25歩△同歩▲36飛
天彦さん、後手が右玉を完成させる前に行ったあああ!!!!
いや~ここも勉強になりました。なるほど、▲25歩△同歩を挟んでから3筋に寄ったのは、ここで交換しておかないと後手が△25同歩と問てくれない可能性があるからかな?なるほど…。

△35歩
 うあああ、これはすごい!どうやって後手が局面を収めに行くのかと思ったら、なんと後手からつっかけ返したよ。名人戦第一局でいちばん驚いた手はこれでした。先手が3筋を崩しますよという手を指したところで、なんと3筋から攻めて来いという手を指すとは。ここからが見事で…

▲同飛△26歩
 これは稲葉さん一本取ったんじゃないでしょうか。細かい順ですが、これが後手が決めた見事なカウンター。先手の飛車を浮かし、2筋の歩を6段目まで伸ばしてしまいました。2~3筋の戦いで先に得をしたのは後手だったかも。

▲25飛
 名人、▲28歩と簡単には謝らずに強い手で受けました!これは▲24歩の打ち込みの攻め筋を残しておこうとしたんでしょうね。う~んさすがは名人戦、互いに好手が飛び出しまくり、僕なら簡単に謝ってる所です(*^^*)。

△85桂
 これも驚いた手でした!いや~、中住まい系の玉型の横歩に対して桂を活用するなら中央に向かって跳ねるのが定跡と思っていたんですが、8筋に跳ねたよ…。なるほど、内側に跳ねると、角交換をした時に桂取りになるのか。最近思うんですが、僕は一生懸命形の定跡を覚えてきたんですが、なんか中盤は一から読みまくっていた昔の方が強かった気がするんですよね。最近は、「これは形だから」とばかりにあんまり読まずにパッと指しちゃうことが多くて、これがいけないんじゃないかと。形を覚えたのはいい事に決まってるけど、読むのをサボるようになったのがいけないんだな。。僕ならここ、まずは△63銀で右玉を完成させに行くか、仮に桂を跳ねるとしても間違いなく65に跳ねてました。しかし、ここにきて稲葉さんはいきなり決めに行きました!いやあ、これは既に後手がいいのでは?!

20170406_名人75-1_佐藤天vs稲葉_横歩72手 結局、この後は稲葉さんから飛車金の両取りが入ったりと、完全に稲葉さん優勢の展開。天彦さんが粘りに行く手にもまったくぶれる事無く攻めていって、72手にて後手稲葉さんの勝ち!72手目の最後のタダ捨ての桂の打ち込み、なんとカッコいい投了図でしょうか。。

 今日の将棋の勝因は、稲葉さんが名人に対してビビらなかったところだったんじゃないかと。実際どうなのかは分かりませんが、天彦さんが1筋を伸ばしていったところでは後手の研究から外れたんじゃないかと思うんですよね。それで、天彦さんが桂の外跳ねから2筋の歩を突き捨ててから3筋に寄ったところで、名人の強さとか名人戦の重みとかにビビった棋士だったら、穏やかな局面を目指すと思うんですよ。でも、あそこで「やってこい!」と喧嘩上等の将棋にしたのは、メンタルが強いんじゃないと思いました。そして、実際にあの戦場をものにしちゃったのは、実力も伴っているという事なんでしょう。いや~、さすがは恐怖のA級の1期目でいきなりトップ通過した棋士だけの事はあります。見事!

 それにしても、僕的には、あんまり横歩取り△33角85飛が流行されるとけっこう嫌だなあ。対策がぜんぜん間に合ってないから、先手横歩取りは避けに行くか、横歩取らずを研究するか(いつかやりたいと思っている^^;でも相掛かりの研究も間に合ってないんですよねえ、困ったもんだ)、どちらかかも。でも今日の棋譜を見た後だと、ちょっと指してみたい気もしたりして(^^)。


第30期竜王戦1組 郷田真隆 vs 羽生善治 (横歩△85飛)

 羽生さんと康光さんがいなかったら、いまだにプロ将棋を見る気になれなかったかも。羽生さんの永世竜王&永世7冠が実現するとして、それを見逃す事だけはしたくないのです( ̄ー ̄)。そんな羽生さんですが、竜王戦1組なので楽な対戦相手がひとりもいません。というか、羽生さんは順位戦でも他のタイトル戦でもいつでもそうか。。1組ランキング戦、三浦さんの次は郷田さんです。後手となった羽生さんは横歩取り△33角85飛。
20170317竜王30-1組_郷田vs羽生_横歩32手 一時は下火になった△85飛戦法ですが、ここのところまた復活してきましたね。僕は後手横歩の時は△85飛は角交換から▲77桂が飛車に当たってくるのがとにかく嫌なので避けているのですが(^^;)。32手目盤面図、これは後手の右辺の駒組みはともかく(でも最近の横歩は後手が△72銀の一手で済ませるものが圧倒的に多い気がする)、△85飛戦ではありがちな形じゃないでしょうか。しかしここでの先手は手が難しい…。▲16歩、▲96歩、角交換、▲24歩…どれもありそうですが、横歩ってこの中盤の入り口で一気に優劣がついちゃったりするんですよね。。個人的には▲24歩と角交換、それに交換後の▲77桂を飛車に当てて手番を握って先手を取りたい所ですが、先手の中住まいは守りにくいんですよね、仕掛けて良いものかどうか。。

▲16歩△24歩
 お、郷田さんは無難に▲16歩、それに対する羽生さんは△24歩。あれ?やっぱり羽生さんも▲24歩は嫌だったのかも。これは「敵の打ちたい所に打て」なんじゃ…

▲59銀右△94歩▲17桂△81飛
 うああ、なんだこの先手は!!!ここの郷田さんの指し手は素人にはさっぱりわからないよ(゚ロ゚ノ)ノ。。でもアマチュアと違ってプロが指す桂馬の外跳ねって、すごい事になる時があるんですよね…いや、これは飛車の引き場所も考えてるのかな?う~んわからん。。しかし、羽生さんの△81飛が凄い、これは▲77桂の飛車当たりをあらかじめ避けつつ、飛車の打ち込みに備えつつ、11と99に紐をつけてるんだな、きっと(テキトウ)。。

20170317竜王30-1組_郷田vs羽生_横歩39手▲75歩(39手目盤面図)△同歩▲74歩△65桂
 郷田さん、行ったああああ!!!いやあ、これは決まったんじゃ…

▲33角成△同桂▲66歩
これで後手の右桂は死にました。しかしこれ、返し技があるように見えるんですが…

△88歩▲同金
 そうですよね、こうやって金を88に呼び込んでから△44角の打ち込みですよね…と思ったら…

△45桂
 うあああああ、そうかなるほど、桂を取らせてから△44角の方が厳しいのか!というわけでこれで先手は▲65歩と桂を取りにくくなりました。いやあ、横歩の中盤の争いって代償の求め合い、派手な交換や打ち込みやトラップ合戦になるので、見ている分には最高に楽しいです(^^)。これは羽生さんが一本取ったんじゃないでしょうか。そして、ここからは羽生さんの一方的な攻め。この攻めがまったく切れず、86手で後手羽生さんの勝ち!よかった、羽生さんの永世竜王&永世7冠への道はまだ繋がってます(^^)。

 ところで、32手目盤面図あたりは多分定跡範囲ですよね(85飛の研究が甘くて良く分からず^^;)?だとしたら、あそこから数手のうちに優劣が決したと思うんですが、もし▲16歩△24歩の交換が後手の得だったとすると、横歩って恐るべき戦型だと思ってしまいます。端歩を突く一手でアウトなんて、もうこれは研究勝負じゃないですか。強豪棋士が若手が研究した横歩の新手の餌食になり続けている理由が、なんとなく分かった気がします。横歩、怖いなあ。実は、△85飛対策は、山崎流&新山崎流を押さえてあるだけで、あとは羽生vs渡辺戦での羽生さんの△85飛破りをもとにアドリブで指している程度なので、指されるとけっこう肝を冷やすんですよね。85飛対策もやっとかなくちゃいけないのか…趣味で将棋を指す僕にとっては、時間が足りなさすぎます。稲葉さんの△85飛本でも目を通しておこうか…あの本、「もう△85飛は廃れただろう」と思って買わなかったんですよね…。


第10回朝日杯将棋オープン戦 佐々木勇気 vs 橋本崇載 (横歩取り)

 朝日杯の予選が大詰めを迎えています。どの対局も面白かったのですが、素晴らしいと思ったのが▲佐々木-△橋本の橋本さん。いやあ、これは素晴らしかった。。

20161205オープン戦_佐々木vs橋本_横歩20手 将棋は超攻撃型&終盤の鬼・佐々木勇気さんの先手、横歩取りの青野流気味の出だし。20手目盤面図は定跡形…に近いんですが、ちょっと違うのは先手の玉の位置が58ではなく68である事。どうも、最近の佐々木さんはこの形を連採しているそうです。もし▲58玉型の青野流なら、ここで▲37桂と飛ぶのが一番多い指し方かと思うのですが…

▲35飛
 うああ、佐々木さん、飛車を引いた!!そして次のハッシーの指した手が…

△86歩
 いやあ…。。普通に考えると▲85歩で飛車道を遮る事が出来るので、△86歩は絶対ないと思ってたんですよ。しかしこの歩を垂らしておくという事は、先手玉が一路左辺に寄ったからでしょうか。これは今どうこうというのではなくて大局観というか、端歩を突いておくような感じのプロの感なんでしょうね。

▲85歩
 やっぱり止められました(^^;)、というかこれはこの一手なので驚く事じゃないんですが。
 そしてここから激しくなり、攻め将棋の勇気さんの猛攻!横歩なので互いに囲い切れていない状況で大駒が飛び交い、飛車の打ち込みの隙があるのに大駒の交換がバシバシ出てきて、後手はちょっと間違えるだけで詰まされちゃいそうな危なさです。ところが、これを橋本さんは受けてしまいます。ものすごい受け力、さすがは受け将棋の代名詞のひとりです(^^)。この受けは永久保存版のすごさ、僕なら10回ぐらい詰まされてます(゚∀゚*)エヘヘ。

20161205オープン戦_佐々木vs橋本_横歩58手 佐々木さんの猛攻は結局30手近く続いて、盤面図58手目では先手の飛車の打ち込みをハッシーが角で受けたところ。駒割りは飛車角交換で先手が若干有利…といいたい所ですが、横歩取りの場合は角の方が価値が高い事がけっこうあるし、なにより先手は歩切れ。攻め将棋は攻めが繋がらなくなった時点で駒損が響いて一気にまくられる事があるんですが、今日の場合は歩の差が響いてくるとは…まあこういう展開にするには、受け力が必要ですよね。俺には無理だ。。ここで勇気さんは…

▲24飛
 ちょっと攻め疲れたか、早い手がありません。とはいえ、解説陣は先手持ちのよう。たしかに、次に▲44飛(王手)~▲94飛で飛車角交換まで行けば、先手面白そうですが…

△76角
 ここで橋本さんが角を先に逃げつつの攻防の角の飛び出し!凌ぎに凌いで、ここで相手の手に乗りながら待望の反撃です!!

▲44飛△43歩▲45飛
 先に角を躱されましたが、それでも勇気さんは▲44飛!しかしここでクールに歩で弾かれ、またしても一手空いてしまい…

△87歩成
 橋本さんが22手目に利かせておいた垂れ歩が、42手先のここでついに炸裂!!いや~、これ、猛烈に厳しくないですか?単純にはもう受からないし、受からないとなれば金は助かりませんがそうなると飛車も抜かれるので、先手は攻め合いに行きたい。しかし嫌な筋がいっぱい見える…

 ここからも簡単には決まりませんでしたが、もう流れが橋本さんになってしまったというか、勇気さんが攻め急がれて潰される、みたいな展開。結果、114手にて橋本さんの勝ち!!

 対局観、受けの見事さ、相手の手に乗っての攻防手からあっという間に攻めに転じたその身のこなしがすごかった!!ハッシーは平然と大物を倒したりしますし、A級にも行きましたし、やっぱり強豪のひとりですね~。…と思ったら、次の格下相手の一番でコロッと敗退(゚ω゚*)。う~ん、こういうところでまで笑いを取らなくても。。それにしても、今日の朝日杯は面白かった!!


プロフィール

ShougiX

Author:ShougiX
駒の動かし方を知っていた程度の初心者です。せいぜい1日1時間ぐらいしか将棋に時間を割けない社会人が、ガンバって1年で初段になる事が目標です!
(*追記)10ヶ月ちょいで初段到達!!ただいま、居飛車側から各戦型に対応できるよう奮闘中(汗)。。

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